以下、いわゆる縦軸型の全自動洗濯機に適用した複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付す等して説明を省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。図1に示すように、洗濯機1において、外郭をなす外箱2は全体として矩形箱状をなしており、その外箱2の上部に、トップカバー3を備えている。
図2に示すように、外箱2内には、洗濯水を溜めることが可能な水槽4が配設されている。水槽4は、周知構成の弾性吊持機構(図示略)により弾性的に支持されている。また、図示は省略するが、水槽4の底部には排水口が形成されており、排水口には、周知のように排水弁を備えた排水路が接続されている。こうした、排水口の下流側における、排水弁や排水路は、水槽4内の水を排出する排水経路に相当する。尚、水槽4の背壁側の上部には、最高水位よりも高い位置に、溢水口5が設けられている。水槽4の外側には、溢水口5から溢れた水を排出するための溢水ホース6が設けられおり、溢水ホース6の先端部は、前記排水路に接続されている。
水槽4内には、脱水槽を兼用する縦軸型の洗濯槽7が回転可能に設けられている。この洗濯槽7は、有底円筒状をなし、その周壁部には、図示しない多数の脱水孔が形成されている。洗濯槽7の上端部には、例えば液体封入形の回転バランサ8が取付けられている。また、洗濯槽7の内底部には、撹拌手段としてのパルセータ9が配設されている。洗濯槽7内には、図示しない衣類が収容されるようになっており、衣類の洗い、すすぎ、脱水等の行程からなる洗濯運転が行われる。
また、図2に示すように、水槽4の外底部には、周知構成の駆動機構10が配設されている。詳しい図示及び説明は省略するが、この駆動機構10は、例えばアウタロータ形のDC三相ブラシレスモータからなる洗濯機モータ、槽軸11、当該槽軸11を貫通する撹拌軸12、前記洗濯機モータの回転駆動力をそれら軸11、12に選択的に伝達するクラッチ機構等を備えている。槽軸11の上端には、洗濯槽7が連結されており、撹拌軸12の上端には、パルセータ9が連結されている。
前記クラッチ機構は、例えばソレノイドを駆動源としており、後述する制御装置18により制御される。これにて、クラッチ機構は、洗い時及びすすぎ時(洗い行程)には洗濯槽7の停止状態で、洗濯機モータの駆動力を、撹拌軸12を介してパルセータ9に伝達してパルセータ9を直接正逆回転駆動する。また、脱水時(脱水行程)等には、クラッチ機構は、槽軸11と撹拌軸12との連結状態で、洗濯機モータの駆動力を槽軸11を介して洗濯槽7に伝達し、洗濯槽7(及びパルセータ9)を一方向に高速で直接回転駆動するようになっている。
図1、図2に示すように、水槽4の上部には、水槽カバー13が装着されている。この水槽カバー13には、略中央部に洗濯物出し入れ用の開口部13aが設けられていると共に、その開口部13aを開閉する内蓋14が取付けられている。また、水槽カバー13の後部寄り部分には、後述する給水機構により、水槽4内に給水を行うための給水口15(図2参照)が設けられている。尚、図示はしないが、トップカバー3内には、水槽4内に乾燥風を供給して衣類を乾燥させるための乾燥ユニットが設けられており、水槽カバー13には、乾燥ユニットの給気ダクト及び排気ダクトが夫々接続される接続口が設けられている。
図1、図2に示すように、トップカバー3は、下面が開口すると共に、その上面が前方に向けて下降傾斜するような薄形の中空箱状をなしている。そして、このトップカバー3の中央部には、洗濯槽7の上方に位置して、略円形の洗濯物の出入口3aが形成されている。トップカバー3の上面には、前記出入口3aを開閉する矩形パネル状の蓋16が当該カバー3の後辺下部を基端側として開閉可能に設けられている。
尚、トップカバー3の前辺の上面には、ユーザが洗濯機1に対する電源の入り切りや各種の設定・指示等を行うための操作部や、必要な表示を行う表示部等を備えた操作パネル17が設けられている。また、操作パネル17の裏面側には、制御装置18が設けられている。この制御装置18は、コンピュータを主体として構成され、洗濯機1全体を制御して洗い、すすぎ、脱水等の洗濯運転の各行程、更には乾燥ユニットによる乾燥の行程を実行する。
図2に示すように、トップカバー3内の後辺部には、給水源から供給される水を、給水経路を通して水槽4内へ給水するための給水機構20が設けられている。給水機構20は、図3に示すように接続口21、この接続口21から三股に分岐して延びる第1、第2、第3給水経路101、102、103、各給水経路101〜103を夫々開閉するための給水弁ユニット22、第1給水経路101及び第3給水経路103に夫々設けられたウルトラファインバブル発生装置(以下「ファインバブル発生ユニット31,33」と称す。図7参照)、注水ケース24等を備える。
先ず、図3に示すように注水ケース24は全体として横長な矩形箱状をなしており、合成樹脂材料で形成されている。注水ケース24は、洗剤収容ケース23(図4参照)が収容される下段側のケース部分24bと、その上段側のケース部分24aと、を一体に有する。注水ケース24には、その右端側に給水弁ユニット22が組付けられ、左端側にポンプ配置部26aが設けられている。ポンプ配置部26aには、給水ポンプ26(図5にのみ図示)が組付けられる。
図3に示すように、給水弁ユニット22には、上部に接続口21が設けられている。この接続口21に、外部の水源としての水道の蛇口に接続された図示しない接続ホースの先端部が接続される。また、給水弁ユニット22は、例えば電磁的に開閉動作する、メイン開閉弁としての第1給水弁27と、柔軟剤用開閉弁としての第2給水弁28と、下段用開閉弁としての第3給水弁29と、の3つの開閉弁を備える。このうち、図3中、上段側に位置する第1給水弁27及び第2給水弁28は、夫々第1給水経路101及び第2給水経路102を開閉する。下段側に位置する第3給水弁29は、第3給水経路103を開閉する。
このうち、第1給水経路101を構成する第1給水弁27の出口部27aは、図6に示すようにファインバブル発生ユニット31を介して、注水ケース24右側壁の入口部24IN1に接続されている。第1給水弁27が開放されることにより、前記接続口21から供給された水が、ファインバブル発生ユニット31を通して入口部24IN1から注水ケース24(上段側のケース部分24a)内のメイン流路Mに供給される。このとき、第1給水経路101を流れる水が、ファインバブル発生ユニット31を通ることにより、多量のファインバブルを含んだファインバブル水として、注水ケース24内に供給される。尚、図6は、図5のXI−XI線に沿う横断面図であり、説明の便宜上、上段側のケース部分24aを破断して示している。また、ファインバブル水について、詳しくは後述する。
図6、図7に示すように第2給水経路102を構成する第2給水弁28の出口部28aは、注水ケース24右側壁の入口管部(以下「入口部24IN2」と称す)に接続され、第2給水弁28が開放されることにより、接続口21から供給された水が、柔軟剤用流路Sに供給される。図6では、各流路S,Mでの水の流れを太線矢印で表しており、破線で表す円形の部分Zにおいて、メイン流路Mは、柔軟剤用流路Sの上側を通って当該流路Sと立体交差しているものとする。
他方、前記給水ポンプ26には出口管26b(図5にのみ図示)が接続されており、出口管26bは、注水ケース24における天井壁30の入口部24IN4(図5、図6の二点鎖線の円を参照)に接続されている。給水ポンプ26から取水された風呂水は出口管26bを介して入口部24IN4からポンプ用流路P(図6参照)に供給される。
また、図7に示すように、第3給水経路103を構成する第3給水弁29の出口部29aは、ファインバブル発生ユニット33を介して、注水ケース24右側壁の入口部24IN3に接続されている。第3給水弁29が開放されることにより、前記接続口21から供給された水が、ファインバブル発生ユニット33を通して入口部24IN3から注水ケース24内の下段流路Dに供給される。下段流路Dは、図5に示す注水ケース24下段側のケース部分24bと、洗剤収容ケース23との間の空間に水を流す流路であり、入口部24IN3から当該ケース部分24bの長手方向(図5の紙面と直交する方向)へ水を流す。
尚、給水ポンプ26や給水弁ユニット22は、前記制御装置18により制御される。また、上記したメイン流路Mとその入口部24IN1、柔軟剤用流路Sとその入口部24IN2」、並びに下段流路Dとその入口部24IN3は、夫々第1給水経路101、第2給水経路102、並びに第3給水経路103に含まれる。
図4は、注水ケース24の前面開口部25(図1、図3参照)から洗剤収容ケース23を引き出して単体で示す斜視図である。洗剤収容ケース23は、注水ケース24内への収容時に前面開口部25を塞ぐような前蓋34を前面に有する。前蓋34には、手掛け部34a(図5参照)が設けられており、手掛け部34aに手を掛けて当該収容ケース23を引き出すことができる。
洗剤収容ケース23における前蓋34の背面側には、粉末洗剤収容部35と液体洗剤収容部36と柔軟剤収容部37とが左右に並んで一体的に設けられている。これらの収容部35〜37は何れも上面が開口した矩形容器状をなしている。図4に示すように、前蓋34の上面には、これらの収容部35〜37各々に対応する位置に、「粉末洗剤」「液体洗剤」「柔軟剤」を収容する洗剤収容部である旨を示す表示部が設けられている。
このうち、左側の粉末洗剤収容部35は、その底面が後方に行くほど下降する緩やかな傾斜状をなしており、その底面後辺部に流出口35aを有する。粉末洗剤収容部35内に上方から注水がなされると、その水は当該底面に沿って後方へ流され、流出口35aから排出される。
液体洗剤収容部36は、その底面における最も低い部分に、流出孔36a(図5参照)が形成され、流出孔36aの上部にサイフォン部38が設けられている。サイフォン部38は、周知のように流出孔36aに連なる筒状部38aと、これに上方から嵌め込まれるキャップ部38b(図5では図示略)を有する。液体洗剤収容部36内に上方から注水がなされて次第に水位が上がっていくと、それに合せて筒状部38a外周とキャップ部38b内周との間を水位が上昇し、その水が筒状部38aの上端を超えると、サイフォンの原理により、当該収容部36内の水が筒状部38aを通って流出孔36aから排出される。
柔軟剤収容部37も、その底面における最も低い部分に流出孔(図示略)が形成され、その流出孔の上部に位置して、前記サイフォン部38と同様のサイフォン部39が設けられている。それ故、柔軟剤収容部37内に上方から注水がなされると、前記サイフォンの原理により、当該収容部37内の水がサイフォン部39の筒状部を通って流出孔から排出される。
本実施形態の注水ケース24は、図5に示す横仕切壁40により上段側のケース部分24aと下段側のケース部分24bとで内部が仕切られ、更に、下段側のケース部分24bは、図3に示す縦仕切壁41により洗剤収容ケース23の右側に空間(領域)を空けるようにして内部が仕切られている。つまり、注水ケース24内の領域として、上段側のケース部分24aの領域A1と、下段側のケース部分24bにおける主たる領域A2−1(洗剤収容ケース23の配置領域A2−1とも称する)と、その余の右側の領域A2−2(洗剤収容ケース23が配置されない領域)とが設けられている。
このうち、上段側のケース部分24aの領域A1には、図5に示すように縦向きのリブ40aが設けられている。リブ40aは、横仕切壁40から天井壁30にわたって上下方向に延び、且つ図6のハッチングで示すように当該ケース部分24a内で迷路状に屈曲して上記した流路M,S,Pを形成するように延在する。
図6では、各流路M〜Pと、洗剤収容ケース23の各収容部35〜37と、の位置関係を示している。流路M〜Pは、横仕切壁40をその板厚方向に貫通する複数の注水孔35h,36h,37hを有する。このうち、注水孔35hは、粉末洗剤収容部35に対応する範囲H35内にある孔、注水孔36hは、液体洗剤収容部36に対応する範囲H36内にある孔、注水孔37hは、柔軟剤収容部37に対応する範囲H37内にある孔である。これにより、各流路M〜Pへの給水により、注水孔35h〜37hからシャワー状の注水が行われることで、各収容部35〜37の洗濯処理剤を充分に押し流すことができる。尚、各流路M〜Pのうち、メイン流路Mは、図6の矢印で示すように、入口部24IN1から導かれる水を、流路M1、M2、M3、M4へと導く流路を含む。
他方、図3に示すように、下段側のケース部分24bの主たる領域A2−1は、前面開口部25により、右端部の領域A2−2は、前面開口部25aにより、夫々前側が開放されている。下段側のケース部分24b(各領域A2−1、A2−2)の各底壁43,43aには、前側に位置して水の出口45,45aが夫々形成されている。各底壁43,43aは、出口45,45aに向けて緩やかに下降傾斜している。出口45,45aは、蛇腹状のホース15a(図1参照)を介して前記給水口15(水槽4内)と接続されている。
下段側のケース部分24bにおける、主たる領域A2−1の底壁43は、図5に示す洗剤収容ケース23の下方に離間して、通水用の空間を確保している。この通水用の空間は、前記入口部24IN3(図7参照)と連通する底部通水部44とされ、前記下段流路Dを流れる水、或いは洗剤収容ケース23の各収容部35〜37から排出される水を、出口45に向けて流すようになっている。
これに対し、下段側のケース部分24bにおける、右端部の領域A2−2は、縦仕切壁41により主たる領域A2−1と仕切られた幅狭な略直方体の空間である。この領域A2−2は、前記ホース15aを介して水槽4と繋がる排水領域(以下「排水領域A2−2」と称す)とされている。
具体的には、下段側のケース部分24bの排水領域A2−2は、上段側のケース部分24aに対して右側へ張出しており(図3参照)、その張出し部分に図10の縦断面図で示すような空間を形成している。この排水領域A2−2は、前記出口45aを有する底壁43aと、ファインバブル発生ユニット31の下側に位置する天井壁46aと、ファインバブル発生ユニット33の配置スペースを空けるように段付き状に形成された後壁47aと、左壁となる縦仕切壁41と、右壁48a(図7参照)とで囲われている。ここで、洗剤収容ケース23は、各収容部35〜37が領域A2−1内に配置されたとき、その前蓋34が各領域A2−1,A2−2の前面開口部25,25aを覆う状態となる(図5、図6参照)。係る状態においても、排水領域A2−2は、底壁43の出口45a側のホース15aを介して水槽4への排水が可能である。
そして、図10に示すように、排水領域A2−2の天井壁46aには、ファインバブル発生ユニット31よりもやや前寄りの位置に、挿通孔51が設けられている。挿通孔51は、後述するファインバブル発生ユニット31の外気導入管60の挿通が可能な孔部として、天井壁46a及び右壁48aの一部を切り欠くようにして形成されている(図7参照)。また、排水領域A2−2の後壁47aには、後壁47aにおける前記段付き状の部分に位置させて、挿通孔53が設けられている。挿通孔53は、ファインバブル発生ユニット33の外気導入管60の挿通が可能な孔部として、後壁47a及び右壁48aの一部を切り欠くようにして形成されている(図7、図10参照)。
続いて、ファインバブル発生ユニット31,33について説明する。図7の分解斜視図で示すように、両ファインバブル発生ユニット31,33は同じ部品を用いて構成されているため、以下ではファインバブル発生ユニット31を中心に説明するものとする。また、図8は、外気導入管60の中心軸線に沿う断面図でファインバブル発生ユニット31とその近傍の構成を表しており、図9は、ファインバブル発生ユニット31を拡大して表している。
図7、図8に示すように、ファインバブル発生ユニット31は、第1給水経路101の第1給水弁27と注水ケース24の入口部24IN1との間に位置して設けられている。この場合、ファインバブル発生ユニット31は、第1給水弁27の出口部27aと、注水ケース24の入口部24IN1との間で、それらに挟まれるように組付けられている。尚、ファインバブル発生ユニット33は、ファインバブル発生ユニット31と同様、第3給水弁29の出口部29aと、注水ケース24の入口部24IN3との間で、それらに挟まれるように組付けられている。
図8に示すように、第1給水弁27の出口部27aは、管状をなし、注水ケース24の入口部24IN1側(図で左方)に向けて延びている。出口部27aの先端部は、その外周面が、順次径小になるような段差が形成されており、当該径小の側から順に、第1径小部27b、第2径小部27cと称する。第1径小部27bの内周部には、ファインバブル発生ユニット31の流入口55a(後述する図9のフランジ部55b側)が嵌合する。
これに対し、注水ケース24の入口部24IN1は、第1給水弁27側に向けて図で右方に突出している。入口部24IN1の外周面には、先端側の径小部54aと基端側の径大部54bとで段差が形成されており、この段差にOリング63が係止されている。また、入口部24IN1の内周面には、先端側が拡開するテーパ部54cが形成されており、ファインバブル発生ユニット31の流出口56aが同心状に嵌合する。
ファインバブル発生ユニット31は、ベンチュリ管の原理を利用したファインバブル発生装置であり、装置本体55と、これを収納する外郭部材56とを備えて構成されている。図9に示すように、装置本体55と外郭部材56が組合わさって、水が矢印方向に流れる流路57が形成される。
この流路57は、図9で右側の装置本体55の開口部が流入口55aとされ、左側の外郭部材56の開口部が流出口56aとされている。そして、流路57の中間部に、内周側に突出する絞り部58が形成されている。流路57は、装置本体55において流入口55aから流路断面積が次第に小さくなるテーパ状に構成され、残りの部分は絞り部58を除き略一定の内径のストレート状に構成されている。このように、ファインバブル発生ユニット31は、流路57の上流側にて流路断面積を狭める絞り部58を一体に有する装置本体55と、流路57の下流側を構成するとともに装置本体55を収納して当該ユニット31の外郭をなす外郭部材56との組合せからなる。
このうち、装置本体55は、例えば合成樹脂からなり、前記フランジ部55bの先端側(図9で左側)に、やや径小な胴部55cを一体に備えるとともに、その胴部55cの先端側に更に径小な径小部55dを一体に備える。フランジ部55bの外径寸法は、第1給水弁27の出口部27a先端側の外径寸法に対応しており(図8参照)、装置本体55には、フランジ部55bの右側から当該出口部27aが当接する。
装置本体55の内部には、前記流路57のうち上流側半部が形成されており、径小部55dの先端部には、流路57の内周面から中心側に突出する前記絞り部58が一体に形成されている。詳しい図示は省略するが、絞り部58は例えば、径小部55dの内周面に90度間隔で4カ所に位置して形成された、流路中心に向けて突出する先端が約90°に尖った形態の4つの突出部で構成されている。この突出部によって、絞り部58における流路57は、装置本体55の軸線方向(図9の矢印方向)から見て、突出部の各先端が互いにわずかな隙間をもって対向することで十文字(X字)のスリット状を呈し、この部分で流路断面積が最も狭くなっている。
装置本体55には、径小部55dにおける前記外気導入管60と対応する位置に、貫通孔55e(図8、図9参照)が形成されている。貫通孔55eは、径小部55dの軸線方向に対して直交する方向(外気導入管60に連なる方向)に延びて、絞り部58における流路57と合流するように貫通している。
外郭部材56は、例えばその内部を視認可能な透明材料(透明な合成樹脂材料)からなり、全体の外形が軸線方向の中間部を若干括れさせた円筒状をなし(図7参照)、その中間部に外気導入管60が一体に設けられている。
外郭部材56における一端側(図9中、右半部)の内周面には、外気導入管60に連通する第1径小部56bの部分から右側へ向かうに従い順次径大となるような段差が形成されており、当該径小の側から順に、第1径小部56b、第2径小部56c、第3径小部56d、第4径小部56eと称する。このうち、外郭部材56における第1径小部56bは、その内径寸法が装置本体55の径小部55dの外径寸法(径小部55dと嵌合する寸法)に対応しており、当該径小部55d先端側を収納する空間を形成する。また、図8、図9に示すように、外郭部材56における第2径小部56c及び第4径小部56eは、夫々Oリング61及び62を係止する段差59c及び59dを形成しており、装置本体55の胴部55c及び第1給水弁27の第2径小部27cと嵌合しつつ、当該Oリング61,62を介して水密性と気密性を確保している。こうして、外郭部材56の内周面には、右側から装置本体55及び第1給水弁27の出口部27a先端側が突き当てられるようにして、水密且つ気密に嵌合する。
外郭部材56における他端側(図9中、左部)には、前記流出口56aを形成する内側筒部56eと、その外周側の外側筒部56fとを一体に備える。図8に示すように、内側筒部56eの外径寸法及び外側筒部56fの内径寸法は、注水ケース24における入口部24IN1の内径寸法及び径大部54bの外径寸法に夫々対応している。また、内側筒部56eの外周部には、基端側に位置させて、入口部24IN1のテーパ部54cに対応するテーパ部56gが形成されている。外郭部材56は、注水ケース24の入口部24IN1に対し、そのテーパ部56gと入口部24IN1のテーパ部54cとが当接する位置まで差し込まれる。これにより、内側筒部56eと外側筒部56fは、前記Oリング63が介装された入口部24IN1に対して水密且つ気密に嵌合する。
このように、ファインバブル発生ユニット31において、外郭部材56は、第1給水弁27の出口部27aと注水ケース24の入口部24IN1との間を接続する接続部材として機能し、且つ、第1給水弁27の出口部27aと当該外郭部材56との間で、装置本体55を挟持する構成とされている。
尚、図7に示すように、ファインバブル発生ユニット33においても、外郭部材56は、第3給水弁29の出口部29aと注水ケース24の入口部24IN3との間を接続する接続部材として機能し、且つ、第3給水弁29の出口部29aと当該外郭部材56との間で、装置本体55を挟持するようになっている。また、ファインバブル発生ユニット31,33は、外郭部材56が透明材料であることから、図8に示すように組付けられた状態で、その内部に収納された装置本体55やOリング61〜63等を透かして視認することができる。
そして、外郭部材56には、その軸線方向における略中間部に位置させて、外気導入管60が一体に設けられている。外気導入管60は、例えば円管状をなし、外郭部材56外周面から径方向外側へ延びるように設けられている。本実施形態のファインバブル発生ユニット31では、外気導入管60を直接、注水ケース24の挿通孔51に挿通しており、外気導入管60は、図10に示すように、挿通孔51に合わせて下斜め前方を向いている。つまり、ファインバブル発生ユニット31では、外気導入管60を水平面より下方を向くように下向きに設けた構成としている。
また、ファインバブル発生ユニット33においても、外気導入管60を直接、注水ケース24の挿通孔53に挿通させるように下向きに設けた構成としている。これにより、ファインバブル発生ユニット31,33各々の外気導入管60,60の先端側は、注水ケース24における共通の排水領域A2−2に直接連通している。尚、同図の「α」は、外気導入管60と水平面とのなす角度を表わす。
他方、外気導入管60の基端側は、図9に示すように外郭部材56における第1径小部56bの内周面(つまり装置本体55の収納空間)と連通する。外気導入管60の内部は、同断面図における基端側の小孔部60aとその余の拡径部60bとで漏斗状を呈しており、外気導入管60の孔径は、基端側の小孔部60aに比して、拡径部60bで大きく設定されている。また、外気導入管60の基端側(小孔部60a側)は、外郭部材56内において装置本体55径小部55dの外周面(前記貫通孔55e)に臨む。小孔部60aと貫通孔55eとの位置合わせは、例えば装置本体55外周面にDカット面(図示略)を形成して外郭部材56内周面(図示しないDカット孔部)に係合させることにより行うなど周知の方法が採用可能である。それ故、外気導入管60の基端側では、装置本体55の貫通孔55eを通して、絞り部58の流路57と合流している。こうして、ファインバブル発生ユニット31において、外気導入管60は、外気(外部の空気)を装置本体55内へ導入可能な外気導入路として構成されている。
上記したファインバブル発生ユニット31においては、第1給水弁27の開放によって水が流入口55aから流路57内に流入すると、絞り部58まで流路断面積が絞られることによって、ベンチュリ効果により、流速が高められ、圧力が急激に低下される。これにより、水中に溶存している気体例えば空気を微細な気泡として多量に析出させることができる。この微細な気泡は、直径が50nm〜1μm程度のウルトラファインバブル、及び、直径が1μm〜数百μm程度のマイクロバブルを含んだファインバブルとして多量に発生し、これを含んだ水(以下、ファインバブル水と称する)が、流出口56aから流出される。
また、ファインバブル水には、前記ベンチュリ効果により、外気導入管60を介して絞り部58の負圧領域に外気が導入されそこで細分化されてファインバブルとなるため、一層多くの量のファインバブルを含ませることができる。
次に、上記構成の作用について説明する。
洗濯運転を開始するにあたって、ユーザは、洗濯槽7に衣類を収容し、洗剤収容ケース23を引き出して、粉末洗剤収容部35に粉末洗剤を投入する(或いは液体洗剤収容部36に液体洗剤を投入する)。また柔軟剤を使用する場合には、柔軟剤収容部37に柔軟剤を投入しておく。この後、洗剤収容ケース23を注水ケース24内に収納した上で、ユーザは、操作パネル17にて開始操作を行う。
これにより、制御装置18は、操作パネル17におけるユーザの設定操作等に応じて、各センサからの入力信号や予め記憶された制御プログラムに基づき、洗濯機1の各機構を制御し、周知の洗い、すすぎ、脱水の各行程からなる洗濯運転を自動で実行する。尚、ユーザは、操作パネル17の設定により、通常の水道水を用いた給水の他にも、給水ポンプ26を利用した風呂水等の給水を指定することが可能であるが、ここでは、風呂水を用いた洗濯運転に関する説明を省略する。
洗い行程開始時には、制御装置18により第1給水弁27を開放させる。これにより、水道水がファインバブル発生ユニット31を通り、その際に多量のファインバブルが発生してファインバブル水となって注水ケース24内に供給される。このファインバブル水は、注水ケース24内のメイン流路Mを通して洗剤収容ケース23内の洗剤を溶かしながら流れ、水槽4内に供給される。
この場合、図6に示すファインバブル発生ユニット31から供給されるファインバブル水は、メイン流路MにおけるM1の流路へと導かれ、液体洗剤収容部36に対応する範囲H36の注水孔36hからシャワー状に液体洗剤収容部36内に注がれる。このファインバブル水は、液体洗剤収容部36に収容されていた液体洗剤とともに、サイフォン部38を通して流出孔36a(図5参照)から底部通水部44に流れ落ち、出口45を通って水槽4に供給される。
また、メイン流路Mにおいて、M1からM2の流路へ導かれたファインバブル水は、粉末洗剤収容部35に対応する範囲H35の注水孔35hからシャワー状に粉末洗剤収容部35に注がれる。このファインバブル水は、粉末洗剤収容部35に収容されていた粉末洗剤を溶かしながら、流出口35a(図4参照)から底部通水部44に流れ落ち、出口45を通って水槽4に供給される。
更に、メイン流路Mにおいて、M2からM3,M4の流路へ導かれたファインバブル水は、洗剤収容ケース23の後方に対応する範囲H33の注水孔からシャワー状に注がれる(図6参照)。このファインバブル水は、洗剤収容ケース23後縁部と下段側のケース部分24b後側壁との間を通して底部通水部44側へ流れ落ちる(図5参照)。それ故、このファインバブル水は、底部通水部44にて、収容部35,36の流出口35a,36aから流出する水と合流し、出口45を通って水槽4へ落下する流れを促進させる。
また、この場合、制御装置18により第3給水弁29を開放させる。これにより、水道水がファインバブル発生ユニット33を通りファインバブル水となって注水ケース24内に供給される(図7の下段流路D参照)。このファインバブル水は、注水ケース24内の洗剤収容ケース23を経ずに、底部通水部44を横方向(底部通水部44を流下する流れに対して交差する方向)へ勢いよく供給される。このため、注水ケース24から流れ落ちてきた液体洗剤や粉末洗剤を充分に分散、溶解することができる。
洗い行程の終了後、すすぎ行程では、第2給水弁28が開放され、柔軟剤用流路Sを通して給水が行われる。この場合、図6に示す第2給水弁28の開放により、水道水が柔軟剤用流路Sへと導かれ、柔軟剤収容部37に対応する範囲H37の注水孔37hからシャワー状に柔軟剤収容部37内に注がれる。これにより、柔軟剤収容部37に収容されていた柔軟剤を水に溶かしながら、柔軟剤が溶けた水がサイフォン部39を通して前記流出孔から排出され、底部通水部44に流れ落ち、出口45を通って水槽4に供給される。
上記したファインバブルは、水中で不規則な運動を生じるブラウン運動を起こし、その速度は浮上速度よりも速いため、長時間に渡って液体中に止まる性質を有する。そして、ファインバブルの表面はマイナスに帯電しているため、洗濯水に含まれている塊となっていた洗剤分(界面活性剤)をほぐすようにしながら吸着し、洗剤の分散性を向上させる役割を果たす。ファインバブル同士は反発し合い、結合することがない。また、そのように洗剤分を吸着したファインバブルは、衣類の繊維の隙間(例えば10μm)中に容易に入り込み、効率良く洗剤を衣類の内部に運んで汚れをはがすことができ、その汚れの衣類への再付着を抑制する。
本実施形態では、ファインバブル発生ユニット31,33の何れにおいてもファインバブル水とした後に、そのファインバブル水に洗剤が投入されるため、ファインバブル濃度が高い状態の洗濯水中に、洗剤を効果的に分散させることができる。これとは逆に、洗剤を水に投入した後に、ファインバブルを発生させると、洗濯水が過剰に泡立ってしまい微細なファインバブルを充分に発生させることができず、ファインバブル濃度が低下する虞がある。
また、ベンチュリ効果を利用したファインバブル発生ユニット31,33において、微細な気泡を発生させるためには、ある程度高い水圧で水を流す必要がある。この点、洗濯機1の給水源としては一般的に水道が用いられ、この水道水圧を極力下げることなく利用することで、特別な加圧手段を用いることなく、ファインバブル発生ユニット31,33により、効果的に多量のファイバブルを発生させることが可能となる。本実施形態では、第1給水弁27の出口部27aから排出される水の流れ方向とファインバブル発生ユニット31の流路57の水の流れ方向とが同方向になり(図8参照)、又、第3給水弁29の出口部29aから排出される水の流れ方向とファインバブル発生ユニット31の流路57の水の流れ方向とが同方向になるように構成されているため、給水経路101,103からファインバブル発生ユニット31,33に至る各々の流路の抵抗が少なく、水圧の低下を抑制してファインバブルを効果的に発生させることができる。
こうして、多量のファインバブルが含まれたファインバブル水に洗剤を溶かした洗濯水を用いて洗い行程を行うことにより、優れた洗浄作用を得ることができる。尚、給水機構20に、ファインバブル発生ユニット31,33を通らない第2給水経路102が設けられ、すすぎ時にはファインバブルが含まれていない水を水槽4内に給水するため、その給水時の水の流量を比較的大きくして短時間で給水を行うことが可能となる。
ところで、上記した洗い行程において水槽4内が所定水位に達した後、給水を終える際に、制御装置18によって第1給水弁27及び第3給水弁29は各々閉塞される。このとき、ファインバブル発生ユニット31,33内でベンチュリ効果により低下していた圧力が元の圧力に戻ることに伴い、流路57の水が外気導入管60の基端側から先端側へ逆流する。係る給水弁27,29の閉塞動作時の外気導入管60における逆流量は比較的少ないものの、その逆流水が外気導入管60から流出することが想定される。また、例えば注水ケース24側の給水経路101,103が凍結して、給水経路101,103内が詰まるような場合には、第1、第3給水弁27,29を開放しても、通常のように給水を行うことができず、外気導入管60から比較的多くの逆流水が溢れ出る事態も想定される。
この点、本実施形態では、図10に示すようにファインバブル発生ユニット31,33各々の外気導入管60の先端側を直接、注水ケース24の挿通孔51,53に挿通して、共通の排水領域A2−2に連通させている。このため、各々の流路57の水が外気導入管60を逆流しても、そのまま排水領域A2−2へ排水されることとなる。この注水ケース24において、外気導入管60から排水領域A2−2に排出された水は、底壁43の出口45a側のホース15aを介して水槽4へ供給される。なお、ホース15aは、必ずしも必要ではなく、例えばホース15aを省いても、排水領域A2−2の水が注水ケース24の出口45aから、そのまま水槽4へ流下することとなる。
以上説明したように、本実施形態のファインバブル発生ユニット31,33は、絞り部58を有する装置本体55と、この装置本体55内に流入した水が絞り部58を通過する際のベンチュリ効果により当該水に外気を導入する外気導入管60と、を備えた外気導入式のものであり、外気導入管60は、その基端側が装置本体55に連通し、先端側が水槽4に繋がる排水領域A2−2に連通する。
これによれば、例えばファインバブル発生ユニット31,33において内部の水が外気導入管60の基端側から先端側に至る逆流水が生じても、これを排水領域A2−2に排水して水槽4に流すことができ、その水が洗濯機1内部へこぼれ落ちたり、電装品にかかることを防止することができる。
尚、本実施形態と異なり、排水領域A2−2の出口45aと前記溢水ホース6とを、図示しない排水管で繋げるようにしてもよい。また、図示は省略するが、排水領域A2−2の出口45aと前記排水路とを排水管で繋げるようにしてもよい。何れの場合でも、排水領域A2−2に排水された水を、当該排水管を通して溢水ホース6或いは排水路へ流すことができる。
前記排水領域A2−2は、水槽4へ給水を行うための注水ケース24内の領域にあって、当該注水ケース24内に配置される洗剤収容部35〜37の配置領域A2−1とは仕切られた別の領域として当該排水領域A2−2が設けられている。これによれば、注水ケース24を利用してファインバブル発生ユニット31,33での逆流水を排水するにしても、その水が洗剤収容部35〜37の洗剤にかからないように仕切ることができる。尚、本実施形態のようにファインバブル発生ユニット31,33を注水ケース24と隣り合うように設け、外気導入管60を直接排水領域A2−2に臨ませることで、逆流水の排水経路を極力短くして、コンパクトな配置構成とすることができる。
複数のファインバブル発生ユニット31,33において各々の外気導入管60は、共通の排水領域A2−2に連通するように構成されているため、排水領域A2−2を1つで済ませることができる。
外気導入管60は、管状をなす外気導入路として下向きに設けられているため、逆流水が生じても、外気導入管に水が残らないように流下させることができる。尚、「下向き」とは、外気導入管において、その先端が水平面よりも下方に位置する向き、或いは真下に位置する向きを意味しており、水平面とのなす角度は図10に例示した角度αに限定するものではない。
ファインバブル発生ユニット31,33は、外気導入管60が設けられ装置本体55を収納する外郭部材56を備え、外郭部材56は、その内部を視認可能な透明材料で構成されている。これによれば、ファインバブル発生ユニット31,33として洗濯機1に組込まれた状態でも、内部の装置本体55を透かして視認することできる。それ故、例えば本実施形態の如く外郭部材56内において、装置本体55の他、Oリング61〜63を収納する構成にあっても、それら装置本体55やOリング61〜63の欠品の有無を、ファインバブル発生ユニット31,33をばらさずに確認することができる。
ファインバブル発生ユニット31,33における外郭部材56は、水源に接続される給水弁27,29と、この給水弁27,29により供給される水を受けて水槽4へ給水を行う注水ケース24と、の間を接続し、且つ、給水弁27,29と当該外郭部材56との間で装置本体55を挟むように設けられている。これによれば、比較的高い水圧を用いて、ファインバブルを効率的に発生させることができるとともに、ファインバブル発生ユニット31,33の組付け作業性も向上させることができる。また、本実施形態のように外郭部材56を給水弁と注水ケース24との間の接続部材として構成した場合、部品点数を極力少なくすることができる。
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態の注水ケース24´とファインバブル発生ユニット31´を表わす給水機構20´の縦断側面図を示している。尚、同図においては便宜上、ハッチングを省略している。本第2実施形態の給水機構20´は、第1実施形態の給水機構20と次の点で相違する。
即ち、注水ケース24´下段側のケース部分24bは、その内部において縦仕切壁41で仕切られておらず、排水領域A2−2が無い、洗剤収容ケース23の配置領域A2−1とされている(図12の注水ケース24´参照)。また、第3給水弁29の出口部29aと注水ケース24´の入口部24IN3との間には、ファインバブル発生ユニット33に代えて、接続部材65が設けられている。接続部材65は、管状をなしており(図11参照)、第3給水弁29の出口部29aから供給される水道水を注水ケース24の入口部24IN3へ通す管状部材として用いられている。
図11に示すように、ファインバブル発生ユニット31´は、外郭部材56における外気導入管60´の先端部が上方を向くようにして設置されている。このように、先端部が上向きとなる外気導入管を、「外気導入管60´」と称する。外気導入管60´は、例えば装置本体55に対して上側に位置し、水平面に対して直交する角度βつまり鉛直上向きに延設されている。
この場合、外気導入管60´における、前記小孔部60aと拡径部60b(図9参照)は容積部とされ、逆流水を内部に貯留となる。即ち、外気導入管60´において、小孔部60aと拡径部60bを合わせた容積は、第1給水弁27の閉塞動作に伴い当該外気導入管60´の下端側から上端側へ向かう逆流水が生じたときの、当該逆流水の分量(みずかさの分)を貯留可能な大きさに設定されている。それ故、係る逆流水は、図11に示すように外気導入管60´が上向きに設けられていれば、小孔部60aと拡径部60bの部分に留まり、その先端側から溢れないようになっている。外気導入管60´に貯留された逆流水は、重力による静水圧が流路57内の圧力を超えた時点で、或いは、その後の第1給水弁27の開放動作に伴い当該ファインバブル発生ユニット31´で生じる前記ベンチュリ効果により、元の流路57へ戻る。
以上のように本第2実施形態の外気導入管60´は、管状をなす外気導入路として上向きに設けられているため、逆流水の分量が比較的少ない場合(例えば上記した第1給水弁27の閉塞動作に伴う逆流の場合)、逆流水が溢れないようにすることができる。尚、「上向き」とは、外気導入管において、その先端が水平面よりも上方に位置する向き、或いは真上に位置する向きを意味しており、水平面とのなす角度は図11に例示した角度βに限定するものではない(後述の図13参照)。
外気導入管60´は、逆流水を内部に貯留可能な容積の小孔部60aと拡径部60bを有することから、その容積でもって逆流水を貯留することができる。尚、容積部は、図9の断面図で示す漏斗状の小孔部60aと拡径部60bに限らず、外気導入管60´の孔径を略一定とするストレート状に形成してもよいし、外気導入管60´全体の径寸法や軸方向の寸法を、逆流水の分量に対応させて適宜変更してもよい。
<第3実施形態>
図12は、本第3実施形態のファインバブル発生ユニット70とともに示す給水機構20´の斜視図である。本第3実施形態のファインバブル発生ユニット70について、第2実施形態のファインバブル発生ユニット31´と異なるところを説明する。
本第3実施形態のファインバブル発生ユニット70は、外気導入管60の先端側に、椀部材71が接続されている。椀部材71は、例えば外郭部材56と同じ透明材料からなり、図12に示すように上面側が開放された椀状をなす。詳しい図示は省略するが椀部材71の底部71aは、貫通孔部とされていて、外気導入管60´の周囲に配設された筒部材72により、外気導入管60´の先端部と繋がるように接続されている。これにより、ファインバブル発生ユニット70において、外気は椀部材71と外気導入管60´を通して装置本体55側の流路57へ導入される。
また、ファインバブル発生ユニット70において、椀部材71の内部は所定量、水を貯留可能な空間73を形成しており、外気導入管60´の小孔部60aと拡径部60bの容積に加え、当該椀部材71の容積の分、多くの水を貯留可能である。それ故、仮令、外気導入管60´の容積を超える分量の逆流水が流れても、その逆流水を椀部材71で貯留することができる。尚、椀部材71や外気導入管60´に貯留された水は、第2実施形態で述べたように、元の流路57へ戻ることとなる。
以上のように本第3実施形態の外気導入管60´は、その基端側が装置本体55に連通し、先端側が所定量水を貯留可能な椀部材71の空間73に連通する。これによれば、ファインバブル発生ユニット70において、外気導入管60´を逆流水が流れても椀部材71の空間73に貯留することができる。また、逆流水の分量を見越して椀部材71の空間73の大きさを適宜設定することにより、逆流水が漏れ出て電装品にかかるといった問題を解消することができる等、上記した実施形態と同様の効果を奏する。
尚、外郭部材56における外気導入管60´と椀部材71とを一体成型により形成してもよい。この場合でも、外気導入管60´と椀部材71は容積部として機能し、内部に逆流水を貯留することができる。また、所定量水を貯留可能な空間73は、椀部材71に限らず、他の中空状の部材で形成してもよい。
<第4実施形態>
図13は、本第4実施形態の給水機構75を示す平面図である。本第4実施形態の給水機構75について、第2実施形態の給水機構20´と異なるところを説明する。
図13に示すように、給水機構75における注水ケース24´(上段側のケース部分24a)の天井壁30には、入口部24IN5が設けられている。入口部24IN5は、図6の破線で表す円形の部分Zに対応する位置にあり、注水ケース24の流路M(他の流路S,Pでもよい)上にある。この上段側のケース部分24aの入口部24IN5には、排水管76の一端部が接続されている。排水管76の他端部は、ファインバブル発生ユニット31´の外気導入管60´の上端部に接続されている。尚、本第4実施形態の外気導入管60´は、若干前側へ傾いており、上斜め前方を向いている。
排水管76は、例えばゴム製のチューブである。排水管76は、その一端側の内周面が入口部24IN5の外周面に密接し、他端側の内周面が外気導入管60´の外周面に密接するように嵌め込まれている。このため、ファインバブル発生ユニット31´において、内部の水が外気導入管60´を逆流しても、その逆流水の分量が比較的少ない場合、その外気導入管60´や排水管76の内部に貯留される。
逆流水の分量が比較的多い場合(例えば注水ケース24側の給水経路101が凍結した場合)には、その逆流水は、外気導入管60´と排水管76を通って、上段側のケース部分24aの入口部24IN5から当該ケース部分24a内へ流下する。ケース部分24a内の流路Mに流下した水は、その凍結した給水経路101へ至り或いは横仕切壁40の注水孔35h,36hから洗剤収容ケース23側へ流れる。このため、逆流水を利用して、給水経路101の凍った部分を溶かすことができ、給水経路101の凍結による破損を防ぐことも可能となる。尚、本第4実施形態において、上段側のケース部分24a内の領域A1(空間)は、水槽4に繋がる排水領域(以下「排水領域A1」と称す)に相当する。
以上説明したように、本第4実施形態の外気導入管60´は、上段側のケース部分24aの排水領域A1と排水管76を介して連通し、その排水管76と当該外気導入管60´とが直接接続が可能な管状をなす外気導入路として形成されている。これによれば、ファインバブル発生ユニット31´において内部の水が外気導入管60´の基端側から先端側に至る逆流水が生じても、これを注水ケース24の排水領域A1に排水して水槽4に流すことができる。
上記した各実施形態では、縦軸型の洗濯機に適用したが、縦軸型の洗濯機に限らず、ドラム式洗濯機など洗濯機全般に適用することができる。また、上記した各実施形態やその変形例は、係る構成を適宜組み合わせるようにしてもよいし、一部の構成を変更し或いは省略してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。