JP2020118096A - 可変動弁装置 - Google Patents

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恭樹 妹尾
Takaki Senoo
恭樹 妹尾
神山 栄一
Eiichi Kamiyama
栄一 神山
信樹 川本
Nobuki Kawamoto
信樹 川本
隆宜 荒井
Takanobu Arai
隆宜 荒井
素成 鎗野
Motonari Yarino
素成 鎗野
神庭 千佳
Chika Kanba
千佳 神庭
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Abstract

【課題】バルブタイミングの変更の応答性の低下を抑制しつつ、第1及び第2バルブのバルブタイミングを独立して変更可能とする。【解決手段】クランクシャフト4に連結された第1ハウジング26と第1ロータ28とを有する第1位相制御部16と、第2ハウジング38と第2ロータ40とを有する第2位相制御部18と、第1ハウジング26及び第2ロータ40と一体的に回転する第1カムシャフト20と、第2ハウジング38と一体的に回転し、かつ、第2カムロブ14が形成された第2カムシャフト22と、第1ロータ28と一体的に回転する第3カムシャフト24とを備える。第1カムロブ12の内側で、カムシャフト20、22、24は3重構造を有する。第1カムロブ12と第3カムシャフト24とは、固定ピン64によって固定される。第1カムシャフト20及び第2カムシャフト22は、固定ピン64の周囲に第1切欠き孔66及び第2切欠き孔68をそれぞれ含む。【選択図】図1

Description

この発明は、可変動弁装置に関し、より詳細には、内燃機関に搭載される可変動弁装置に関する。
例えば、特許文献1には、気筒毎に2つの吸気バルブ(第1及び第2バルブ)を備える内燃機関の可変動弁装置が開示されている。この可変動弁装置は、2重構造のカムシャフトを有するとともに、第1バルブのバルブタイミングを制御する第1位相制御機構と、第2バルブのバルブタイミングを制御する第2位相制御機構とを備えている。第1及び第2位相制御機構によれば、同一気筒の第1及び第2バルブのバルブタイミングを独立して変更することができる。
より詳細には、第1位相制御機構は、第1ハウジングと第1ロータとを備えている。第1ハウジングは、無端伝動部材を介してクランクシャフトに連結されている。第1ロータは、第1ハウジングに収容され、かつ、上記の2重構造のカムシャフトのアウターカムシャフトと一体的に回転する。第1バルブは、このアウターカムシャフトと一体的に回転する。第1位相制御機構は、第1バルブのバルブタイミングを変更するために、第1ハウジングの回転位相に対する第1ロータの回転位相を可変とする。
一方、第2位相制御機構は、第2ハウジングと第2ロータとを備えている。第2ハウジングは、第1ロータと一体的に回転するアウターカムシャフトに連結されている。第2ロータは、第2ハウジングに収容され、かつ、アウターカムシャフトの内側に配置されたインナーカムシャフトと一体的に回転する。第2バルブは、このインナーカムシャフトと一体的に回転する。第2位相制御機構は、第2バルブのバルブタイミングを変更するために、第2ハウジングの回転位相に対する第2ロータの回転位相を可変とする。
特開2009−144521号公報
特許文献1に記載の可変動弁装置によれば、第1バルブと一体的に回転する第1ロータの回転位相は、クランクシャフトに連結された第1ハウジングの回転位相を基準として変更される。そのうえで、第2バルブと一体的に回転する第2ロータの回転位相は、第1位相制御機構により可変される第1ロータの回転位相を基準として変更されることになる。したがって、この可変動弁装置の構成によると、第2ロータの回転位相の制御は、第1ロータの回転位相の制御の影響を受けることになる。その結果、第1ロータの回転位相の変化の方向と逆の方向に第2ロータの回転位相を変更しようとすると、第2ロータの回転位相の変更の応答性が低下してしまう。したがって、特許文献1に記載の可変動弁装置は、第1バルブのバルブタイミングと第2バルブのバルブタイミングとを独立して変更するうえで未だ改善の余地がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、バルブタイミングの変更の応答性の低下を抑制しつつ、第1バルブのバルブタイミングと第2バルブのバルブタイミングとを独立して変更できるようにした可変動弁装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る可変動弁装置は、
第1バルブを駆動する第1カムロブと、
第2バルブを駆動する第2カムロブと、
無端伝動部材を介してクランクシャフトと連結された第1ハウジングと、前記第1ハウジングに収容された第1ロータと、を含み、前記第1ハウジングの回転位相に対する前記第1ロータの回転位相を可変とする第1位相制御部と、
第2ハウジングと、前記第2ハウジングに収容された第2ロータと、を含み、前記第2ロータの回転位相に対する前記第2ハウジングの回転位相を可変とする第2位相制御部と、
前記第1ハウジング及び前記第2ロータと一体的に回転する第1カムシャフトと、
前記第2ハウジングと一体的に回転し、かつ、前記第2カムロブが形成された第2カムシャフトと、
前記第1ロータと一体的に回転する第3カムシャフトと、
を備える。
前記第1カムロブの内側には、内側から順に前記第3カムシャフト、前記第1カムシャフト及び前記第2カムシャフトが配置されている。
前記第1カムロブと前記第3カムシャフトとは、前記第3カムシャフトの径方向に延びるように配置された固定ピンによって固定されている。
前記第1カムシャフトは、前記固定ピンを貫通させ、かつ、前記第1カムシャフトと前記第3カムシャフトとの相対的な回転を前記固定ピンが妨げないように形成された第1切欠き孔を含む。
前記第2カムシャフトは、前記固定ピンを貫通させ、かつ、前記第1カムシャフトと前記第2カムシャフトとの相対的な回転を前記固定ピンが妨げないように形成された第2切欠き孔を含む。
本発明の他の態様に係る可変動弁装置は、
単気筒型の内燃機関の第1バルブを駆動する第1カムロブと、
前記内燃機関の第2バルブを駆動する第2カムロブと、
無端伝動部材を介してクランクシャフトと連結された第1ハウジングと、前記第1ハウジングに収容された第1ロータと、を含み、前記第1ハウジングの回転位相に対する前記第1ロータの回転位相を可変とする第1位相制御部と、
第2ハウジングと、前記第2ハウジングに収容された第2ロータと、を含み、前記第2ロータの回転位相に対する前記第2ハウジングの回転位相を可変とする第2位相制御部と、
前記第1ハウジング及び前記第2ロータと一体的に回転する第1カムシャフトと、
前記第2ハウジングと一体的に回転し、かつ、前記第2カムロブが固定された第2カムシャフトと、
前記第1ロータと一体的に回転する第3カムシャフトと、
を備える。
前記第1カムロブの内側には、内側から順に前記第3カムシャフト及び前記第1カムシャフトが配置されている。
前記第1カムロブと前記第3カムシャフトとは、前記第3カムシャフトの径方向に延びるように配置された固定ピンによって固定されている。
前記第1カムシャフトは、前記固定ピンを貫通させ、かつ、前記第1カムシャフトと前記第3カムシャフトとの相対的な回転を前記固定ピンが妨げないように形成された切欠き孔を含む。
前記第1カムシャフトと対向する前記第1ハウジングの表面は、前記第1カムシャフトの径方向内側の端に形成された第1凹部を含んでもよい。そして、前記第1ハウジングと対向する前記第1カムシャフトの表面は、前記第1凹部と係合するように形成された第1凸部を含んでもよい。
前記第1カムシャフトと対向する前記第1ハウジングの表面は、前記第1カムシャフトの径方向内側の端に形成された第2凸部を含んでもよい。そして、前記第1ハウジングと対向する前記第1カムシャフトの表面は、前記第2凸部と係合するように形成された第2凹部を含んでもよい。
前記第2カムシャフトと対向する前記第2ハウジングの表面は、前記第2カムシャフトの径方向内側の端に形成された第3凹部を含んでもよい。そして、前記第2ハウジングと対向する前記第2カムシャフトの表面は、前記第3凹部と係合するように形成された第3凸部を含んでもよい。
前記第2カムシャフトと対向する前記第2ハウジングの表面は、前記第2カムシャフトの径方向内側の端に形成された第4凸部を含んでもよい。そして、前記第2ハウジングと対向する前記第2カムシャフトの表面は、前記第4凸部と係合するように形成された第4凹部を含んでもよい。
本発明に係る可変動弁装置によれば、特許文献1に記載の可変動弁装置とは異なり、第1カムロブ及び第2カムロブの回転位相の双方をクランクシャフトの回転位相を基準として変更することができる。換言すると、一方の第1カムロブの回転位相の変更は、他方の第2カムロブの回転位相の変更の影響を受けず、また、逆も同じである。このため、特許文献1に記載の可変動弁装置とは異なり、第1ロータの回転位相の変化の方向と逆の方向に第2ロータの回転位相を変更しようとした場合であっても、第2ロータの回転位相の変更の応答性の低下を抑制することができる。したがって、本発明に係る可変動弁装置によれば、バルブタイミングの変更の応答性の低下を抑制しつつ、第1バルブのバルブタイミングと第2バルブのバルブタイミングとを独立して変更できるようになる。
本発明の実施の形態1に係る可変動弁装置の構成を示す断面図である。 図1に示す可変動弁装置を、図1中のA−A線で切断した断面図である。 図1に示す可変動弁装置により制御される吸気バルブ及び排気バルブのバルブタイミングの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る可変動弁装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る可変動弁装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る可変動弁装置の構成を示す断面図である。 インロー構造の他の例を説明するための図である。 本発明の実施の形態5に係る可変動弁装置の構成を示す断面図である。
以下に説明される各実施の形態において、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略又は簡略する。また、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.実施の形態1
まず、図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態1に係る可変動弁装置10について説明する。
1−1.可変動弁装置の構成
図1は、本発明の実施の形態1に係る可変動弁装置10の構成を示す断面図である。本実施形態の可変動弁装置10は、一例として単気筒型の内燃機関(図示省略)に搭載されている。この内燃機関は、単一の気筒の燃焼室を開閉するバルブとして、吸気バルブ1と排気バルブ2とを一例として1つずつ備えている。可変動弁装置10は、以下に説明されるように3つの第1〜第3カムシャフト20、22、24からなる多重構造の1組のカムシャフトを利用して吸気バルブ1及び排気バルブ2を駆動するように構成されている。したがって、可変動弁装置10はSOHC(Single Overhead Camshaft)方式である。
図1に示すように、可変動弁装置10は、主に、第1カムロブ12と、第2カムロブ14と、第1位相制御部16と、第2位相制御部18と、第1カムシャフト20と、第2カムシャフト22と、第3カムシャフト24とを備えている。
1−1−1.第1及び第2カムロブ
第1カムロブ12は、吸気バルブ1を駆動するように配置されている。第2カムロブ14は、排気バルブ2を駆動するように配置されている。図1に示す例では、吸気バルブ1は本発明に係る「第1バルブ」の一例に相当し、排気バルブ2は本発明に係る「第2バルブ」の一例に相当する。
付け加えると、図1に示す例では、第1カムロブ12及び第2カムロブ14は、それぞれ、タペット3を介して吸気バルブ1及び排気バルブ2を駆動する。しかしながら、本発明に係るカムロブによるバルブの駆動方式は、上記の例に限定されない。すなわち、例えば、第1カムロブがロッカーアームを介して第1バルブ(1つ又は複数の第1バルブ)を駆動する方式が用いられてもよく、このことは、第2カムロブ及び第2バルブに関しても同様である。また、図1に示す例とは逆に、吸気バルブ1が第2カムロブ14によって駆動され、排気バルブ2が第1カムロブ12によって駆動されてもよい。
1−1−2.第1位相制御部
第1位相制御部16は、第1ハウジング26と第1ロータ28とを含み、第1ハウジング26の回転位相に対する第1ロータ28の回転位相を変更可能に構成されている。
より具体的には、第1ロータ28は第1ハウジング26に収容されている。第1ハウジング26は、一例として3つのハウジングピース26a、26b、26c(略円盤状のハウジングピース26a、26cと略円筒状のハウジングピース26b)を組み合わせて形成されている。第1ハウジング26(ハウジングピース26b)の外周には、スプロケット30が形成されている。スプロケット30は、クランクシャフト4に固定されたスプロケット5と無端伝動部材6(チェーン又はベルト)によって繋がれている。このように、第1ハウジング26は、無端伝動部材6を介してクランクシャフト4と連結されている。そして、第1ハウジング26は、クランクシャフト4の1/2の速度で回転するように構成されている。
第1ハウジング26の回転位相に対する第1ロータ28の回転位相を変更する手法は、特に限定されない。図1に示す第1位相制御部16は、一例として油圧式である。より詳細には、第1ハウジング26の内部には、複数の第1油圧室32が形成されている。複数の第1油圧室32の内部には、第1ロータ28に形成された複数の第1ベーン34がそれぞれ収容されている。各第1油圧室32には、第1オイルコントロールバルブ(OCV)36を介してオイルが供給される。各第1油圧室32に付与される油圧を第1OCV36によって制御することにより、第1ハウジング26の回転位相に対する第1ロータ28の回転位相が変更される。第1OCV36の制御は、電子制御ユニット(ECU)37によって行われる。
以上のように構成された第1位相制御部16によれば、第1ハウジング26の回転位相(すなわち、クランクシャフト4の回転位相)に対する第1ロータ28の回転位相を所定のクランク角範囲内で変更することが可能となる。
なお、図1に示す例では、第1OCV36からのオイルは、第3カムシャフト24及び第1ロータ28にそれぞれ形成された油路39、41(一部のみ図示)を介して各第1油圧室32に供給される。しかしながら、油圧式の第1位相制御部を利用する場合の給油方式は、上記の例に限られず、例えば、センタースプール方式(センター給油方式)であってもよい。このセンタースプール方式は、第1ロータ28の回転中心部に挿入されるように配置されたOCV(スプール弁)から各第1油圧室32に直接的にオイルを供給するというものである。また、本発明に係る第1位相制御部は、上述の油圧式の例に代え、例えば、電動式であってもよい。すなわち、第1ハウジングの回転位相に対する第1ロータの回転位相は、電動モータを用いて変更されてもよい。
1−1−3.第2位相制御部
第2位相制御部18は、第2ハウジング38と第2ロータ40とを含み、第2ロータ40の回転位相に対する第2ハウジング38の回転位相を変更可能に構成されている。以下の説明では、第2位相制御部18と第1位相制御部16との共通点に関する記載については適宜省略又は簡略される。
第2ロータ40を収容する第2ハウジング38は、一例として3つのハウジングピース38a、38b、38cを組み合わせて形成されている。第2位相制御部18は、一例として、第1位相制御部16と同様の油圧式である。すなわち、第2ハウジング38の内部に形成された複数の第2油圧室42の内部には、第2ロータ40に形成された複数の第2ベーン44がそれぞれ収容されている。各第2油圧室42には、第2オイルコントロールバルブ(OCV)46、並びに第1カムシャフト20及び第2ロータ40にそれぞれ形成された油路48、50(一部のみ図示)を介してオイルが供給される。各第2油圧室42に付与される油圧を第2OCV46によって制御することにより、第2ロータ40の回転位相に対する第2ハウジング38の回転位相が変更される。第2OCV46の制御は、電子制御ユニット(ECU)37によって行われる。
第2ロータ40は、詳細は後述されるように、クランクシャフト4と連結された第1ハウジング26と第1カムシャフト20とを介して一体的に回転するように構成されている。したがって、以上のように構成された第2位相制御部18によれば、第2ロータ40の回転位相(すなわち、クランクシャフト4の回転位相)に対する第2ハウジング38の回転位相を所定のクランク角範囲内で変更することが可能となる。
1−1−4.3本のカムシャフト及びそれらの周りの構造
既述したように、可変動弁装置10は、3本の第1〜第3カムシャフト20、22、24を備えている。以下、これらのカムシャフト20、22、24と可変動弁装置10の他の構成要素との関係について詳述する。
1−1−4−1.第1カムシャフト
第1カムシャフト20は、図1に示すように、2つの中空形状のカムシャフトピース20a、20bを組み合わせて形成されている。より詳細には、カムシャフトピース20aの一方の端部は、カムシャフトピース20bの内部に挿入されている。第1カムシャフト20の一端(カムシャフトピース20aの他端)は、第1ハウジング26(ハウジングピース26c)に締結具(例えば、ボルト52)を用いて締結されている。
第1カムシャフト20の他端(カムシャフトピース20b側の端)は、第2ロータ40と締結されている。より詳細には、第1カムシャフト20に対する第2ロータ40の位置決め(回転方向の位置決め)がピン54を用いてなされる。そのうえで、第2ロータ40及び第1カムシャフト20のそれぞれの回転中心部に挿入されたボルト56によって、カムシャフトピース20bを第2ロータ40とカムシャフトピース20aとの間に挟み込んだ状態で第2ロータ40とカムシャフトピース20aとが締結される。
このような構造の例により、第1ハウジング26と第1カムシャフト20と第2ロータ40とを一体的に回転させることができる。
1−1−4−2.第2カムシャフト
第2カムシャフト22は、図1に示すように、中空形状を有し、より詳細には、第1カムシャフト20の一部(カムシャフトピース20b側の部位)を覆うように形成されている。第2カムシャフト22の一端は、第2ハウジング38(ハウジングピース38c)に締結具(例えば、ボルト58)を用いて締結されている。このような構造の例により、第2ハウジング38と第2カムシャフト22とを一体的に回転させることができる。そして、第2カムシャフト22の外周面には、第2カムロブ14が形成されている。
図1に示す例では、第2カムロブ14は、第1カムロブ12と比べて第2位相制御部18と近い位置に設けられており、したがって、換言すると、第1カムロブ12は、第2カムロブ14と比べて第2位相制御部18から離れた位置に設けられている。そのうえで、第2カムシャフト22は、その他端において、第1カムロブ12を貫通している。第1カムロブ12は、第2カムシャフト22に対して回転自在である。
1−1−4−3.第3カムシャフト
第3カムシャフト24は、図1に示すように、第1位相制御部16側の第1カムシャフト20の端付近の部位において、第1カムシャフト20の内部に挿入されている。第3カムシャフト24の一端は、第1ロータ28と締結されている。より詳細には、第1ロータ28に対する第3カムシャフト24の位置決め(回転方向の位置決め)がピン60を用いてなされる。そのうえで、第1ロータ28及び第3カムシャフト24のそれぞれの回転中心部に挿入されたボルト62によって、後述の第1カム角ロータ72をボルト62と第1ロータ28との間に挟み込んだ状態で第1ロータ28と第3カムシャフト24とが締結される。
このような構造の例により、第1ロータ28と第3カムシャフト24とを一体的に回転させることができる。また、第3カムシャフト24の他端は、その軸方向において、第1カムロブ12と重なる位置に及んでいる。
1−1−4−4.第1カムロブ周りの構造(固定ピン、第1及び第2切欠き孔を含む)
図1とともに図2を追加的に参照して、第1カムロブ12周りの構造について説明する。図2は、図1に示す可変動弁装置10を、図1中のA−A線で切断した断面図である。なお、図2では、軸受70の図示は省略されている。
図1及び図2に示すように、第1カムロブ12の内側には、内側から順に第3カムシャフト24、第1カムシャフト20及び第2カムシャフト22が配置されている。このように、可変動弁装置10では、第1〜第3カムシャフト20、22、24は、第1カムロブ12の周囲において3重構造を有している。
そのうえで、第1カムロブ12は、第3カムシャフト24の径方向に延びるように配置された固定ピン64を用いて第3カムシャフト24に固定されている。より詳細には、固定ピン64は、一例として、第3カムシャフト24の回転中心からその径方向の双方に向けて延びている。また、固定ピン64は、一例として、第1カムロブ12と第3カムシャフト24とに圧入されている。なお、固定ピンは、図1に示す例に代え、第3カムシャフトの回転中心からその径方向の何れか一方に向けて延びるように設けられてもよい。
そして、第1カムシャフト20における固定ピン64の周囲には、第1切欠き孔66が形成されている。第1切欠き孔66は、固定ピン64を貫通させ、かつ、第1カムシャフト20と第3カムシャフト24との相対的な回転を固定ピン64が妨げないように形成されている。同様に、第2カムシャフト22における固定ピン64の周囲には、第2切欠き孔68が形成されている。第2切欠き孔68は、固定ピン64を貫通させ、かつ、第1カムシャフト20と第2カムシャフト22との相対的な回転を固定ピン64が妨げないように形成されている。一例として、第1切欠き孔66は、第1カムシャフト20の周方向に延びる長穴形状で形成され、同様に、第2切欠き孔68は、第2カムシャフト22の周方向に延びる長穴形状で形成されている。
このような構造により、第1カムシャフト20と第3カムシャフト24との相対的な回転、及び第1カムシャフト20と第2カムシャフト22との相対的な回転を許容できるようにしつつ、第1カムロブ12を第3カムシャフト24と一体的に回転させることができる。
1−1−4−5.軸受
可変動弁装置10は、一例として2ヶ所に設けられた軸受70によって支持されている。より詳細には、図1に示す例では、可変動弁装置10は、第1カムシャフト20の軸方向における第1位相制御部16と第1カムロブ12との間の位置において、第3カムシャフト24が内側となり、第1カムシャフト20が外側となる2重構造を有している。軸受70の一方は、この2重構造を有する位置に設けられ、第1カムシャフト20を支持している。また、可変動弁装置10は、第1カムシャフト20の軸方向における第2位相制御部18と第2カムロブ14との間の位置において、第1カムシャフト20が内側となり、第2カムシャフト22が外側となる2重構造を有している。軸受70の他方は、この2重構造を有する位置に設けられ、第2カムシャフト22を支持している。個々の軸受70は、一例として、すべり軸受方式であり、シリンダヘッド(もしくは、シリンダヘッドに取り付けられるカムキャリア)に形成される軸受部70aと、この軸受部70aに組み合わされるカムキャップ70bとによって構成されている。なお、可変動弁装置10を支持する軸受の方式は、特に限定されず、すべり軸受方式に代え、例えば、ボールベアリング方式であってもよい。
1−1−5.カム角の検出手法の例
可変動弁装置10は、図1に示すように、カム角検出用の突起を有する第1カム角ロータ72と、第1カム角センサ74とを備えている。第1カム角ロータ72を第1ロータ28と一体的に回転できるようにするために、第1カム角ロータ72は、一例として既述したようにボルト62によって第1ロータ28及び第3カムシャフト24と一体的に締結されている。第1カム角センサ74は、ECU37に接続されている。
可変動弁装置10は、カム角検出用の突起を有する第2カム角ロータ76と、第2カム角センサ78とを備えている。第2カム角ロータ76を第2ハウジング38と一体的に回転できるようにするために、第2カム角ロータ76は、一例として、ハウジングピース38cと第2カムシャフト22との間に挟み込まれた状態でボルト58によって第2ハウジング38及び第2カムシャフト22と一体的に締結されている。第2カム角センサ78は、ECU37に接続されている。
ECU37は、上述した第1カム角ロータ72と第1カム角センサ74とを利用することで、第1ロータ28(第3カムシャフト24、第1カムロブ12)の回転位相(換言すると、カム角又は位相角)を検出することができる。同様に、ECU37は、上述した第2カム角ロータ76と第2カム角センサ78とを利用することで、第2ハウジング38(第2カムシャフト22、第2カムロブ14)の回転位相(換言すると、カム角又は位相角)を検出することができる。
1−2.可変動弁装置の動作
図3は、図1に示す可変動弁装置10により制御される吸気バルブ1及び排気バルブ2のバルブタイミングの一例を示す図である。可変動弁装置10によれば、第1ロータ28と第3カムシャフト24と第1カムロブ12とが一体的に回転する。このため、クランクシャフト4と連結された第1ハウジング26の回転位相に対する第1ロータ28の回転位相を第1位相制御部16によって変更することにより、クランクシャフト4の回転位相に対する第1カムロブ12の回転位相を変更することができる。その結果、図3に示すように、第1カムロブ12によって開閉駆動される吸気バルブ1のバルブタイミングを変更(進角又は遅角)できる。より詳細には、吸気バルブ1の作用角(吸気バルブ1が開いているクランク角度幅)を固定としつつ吸気バルブ1の開閉時期を所定の制御範囲内で連続的に変更できる。
また、可変動弁装置10によれば、第2ロータ40は、クランクシャフト4と連結された第1ハウジング26及び第1カムシャフト20と一体的に回転する。そして、第2ハウジング38と、第2カムロブ14が形成された第2カムシャフト22とが一体的に回転する。このため、第2ロータ40の回転位相に対する第2ハウジング38の回転位相を第2位相制御部18によって変更することにより、クランクシャフト4の回転位相に対する第2カムロブ14の回転位相を変更することができる。その結果、図3に示すように、第2カムロブ14によって開閉駆動される排気バルブ2のバルブタイミングを変更(進角又は遅角)できる。より詳細には、排気バルブ2の作用角(排気バルブ2が開いているクランク角度幅)を固定としつつ排気バルブ2の開閉時期を所定の制御範囲内で連続的に変更できる。
1−3.効果
以上説明したように、本実施形態の可変動弁装置10によれば、吸気バルブ1と排気バルブ2とを独立して制御できるようになる。
より詳細には、本可変動弁装置10によれば、特許文献1に記載の可変動弁装置とは異なり、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相の双方をクランクシャフト4の回転位相を基準として変更することができる。換言すると、一方の第1カムロブ12の回転位相の変更は、他方の第2カムロブ14の回転位相の変更の影響を受けず、また、逆も同じである。このため、特許文献1に記載の可変動弁装置とは異なり、第1ロータ28の回転位相の変化の方向と逆の方向に第2ロータ40の回転位相を変更しようとした場合であっても、第2ロータ40の回転位相の変更の応答性の低下を抑制することができる。付け加えると、本可変動弁装置10によれば、複数のカムロブが設けられた1本のカムシャフトの回転位相を1つの位相制御部によって制御する構成を有する一般的な可変バルブタイミング機構と同等の応答性で、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相を制御可能となる。
また、本実施形態の可変動弁装置10によれば、多重構造の第1〜第3カムシャフト20、22、24の利用により、SOHC方式を採用しつつ、吸気バルブ1及び排気バルブ2のバルブタイミングを独立して変更できるようになる。このため、DOHC(Double Overhead Camshaft)方式を利用して吸排気バルブタイミングを独立して変更する例と比べて、内燃機関のコンパクト化を図ることができる。
また、一般的には、吸気バルブと排気バルブとの間で設定される相対的なバルブタイミングの位相差は、同じ気筒に配置された2つの吸気バルブの間で設定される相対的なバルブタイミングの位相差よりも大きくなる。このため、吸気バルブタイミングと排気バルブタイミングとを独立して制御するために特許文献1の可変動弁装置の構成を利用しようとすると、次のような課題が生じる。すなわち、この可変動弁装置によれば、既述したように、第2ロータの回転位相の制御は第1ロータの回転位相の制御の影響を受けてしまう。このため、吸排気バルブ間の大きな位相差を確保できるようにするためには、第1ロータの回転位相に対する第2ロータの回転位相の制御幅を大きくすることが必要になる。しかしながら、そのような大きな制御幅を許容するためには、2本のカムシャフトの相対的な回転(ピンの移動)を許容するための切欠き孔の大きさ(カムシャフトの周方向の幅)が大きくなる。このことは、カムシャフトの強度低下を招いてしまう。また、カムシャフトの強度低下を抑制しようとすると、第2ロータの回転位相の制御幅を制限する必要が生じ、その結果、吸排気バルブ間の大きな位相差を確保することが難しくなる。これに対し、本実施形態の可変動弁装置10は、既述したように、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相の双方をクランクシャフト4の回転位相を基準として変更可能である。その結果、吸排気バルブ間の大きな位相差を確保するために、第1ロータの回転位相に対する第2ロータの回転位相の制御幅が過大となることを抑制できる。このため、第1及び第2切欠き孔66、68の形成に起因する第1及び第2カムシャフト20、22の強度低下抑制と吸排気バルブ1、2間の大きな位相差の確保とを好適に両立させつつ、吸気バルブ1及び排気バルブ2のバルブタイミングを独立して変更できるようになる。
2.実施の形態2
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2に係る可変動弁装置80について説明する。上述した実施の形態1においては、単気筒型の内燃機関に適用された可変動弁装置10について説明した。しかしながら、本発明に係る「可変動弁装置」を適用可能な内燃機関は、単気筒型に限定されず、任意の多気筒型(例えば、直列型、V型、水平対向型又はW型)を含む。以下、一例として、直列4気筒型の内燃機関に適用される可変動弁装置80について説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る可変動弁装置80の構成を示す断面図である。図4に示すように、可変動弁装置80は、4つの気筒(#1気筒〜#4気筒)のそれぞれに、第1カムロブ12と第2カムロブ14とを一例として1つずつ備えている。そのうえで、可変動弁装置80は、第1位相制御部16及び第2位相制御部18とともに、第1カムシャフト82と、第2カムシャフト84と、第3カムシャフト86とを備えている。第1位相制御部16は、気筒の列方向の一端(#1気筒側の端)に配置され、第2位相制御部18は、当該列方向の他端(#4気筒側の端)に配置されている。
第1カムシャフト82は、図1に示す第1カムシャフト20と同様に、2つの中空形状のカムシャフトピース82a、82bを組み合わせて形成されている。そして、第1カムシャフト20と同様に、第1カムシャフト82の一端は、第1ハウジング26に締結され、その他端は、第2ロータ40に締結されている。したがって、第1カムシャフト82は、第1ハウジング26及び第2ロータ40と一体的に回転する。
第2カムシャフト84は、図1に示す第2カムシャフト22と同様に、中空形状を有し、第1カムシャフト82の一部(カムシャフトピース82b側の部位)を覆っている。第2カムシャフト84の一端は、第2ハウジング38に締結されている。したがって、第2カムシャフト84は、第2ハウジング38と一体的に回転する。第2カムシャフト84は、各気筒の第1カムロブ12を貫通しつつ、#4気筒側から#1気筒の第1カムロブ12と重なる位置にまで及ぶように形成されている。そして、第2カムシャフト84の外周面には、各気筒の第2カムロブ14が形成されている。一方、各気筒の第1カムロブ12は、第2カムシャフト84に対して回転自在である。
第3カムシャフト86は、図1に示す第3カムシャフト24と同様に、第1位相制御部16側の第1カムシャフト20の端付近の部位において、第1カムシャフト20の内部に挿入されている。第3カムシャフト86の一端は、第1ロータ28と締結されている。したがって、第3カムシャフト86は、第1ロータ28と一体的に回転する。また、第3カムシャフト24の他端は、その軸方向において、#4気筒の第1カムロブ12と重なる位置に及んでいる。
上述のように構成された第1〜第3カムシャフト82、84、86は、#1〜#4気筒の全体を通して3重構造を有している。したがって、各気筒の第1カムロブ12の内側には、内側から順に第3カムシャフト24、第1カムシャフト20及び第2カムシャフト22が配置されている。そして、各気筒の第1カムロブ12は、実施の形態1と同様に、固定ピン64を用いて第3カムシャフト86に固定されている。また、第1カムシャフト82及び第2カムシャフト84のそれぞれにおける各固定ピン64の周囲には、第1切欠き孔66及び第2切欠き孔68がそれぞれ形成されている。
可変動弁装置80は、可変動弁装置10と同様に2ヶ所に設けられた軸受70と、3か所に設けられた軸受88とによって支持されている。より詳細には、3つの軸受88は、#1気筒と#2気筒との間の部位、#2気筒と#3気筒との間の部位、及び#3気筒と#4気筒との間の部位において、3重構造の最も外側となる第2カムシャフト84を支持している。個々の軸受88は、一例として、軸受部70a及びカムキャップ70bと同様の軸受部88a及びカムキャップ88bとによって構成されている。
以上のように構成された可変動弁装置80によれば、多気筒型の内燃機関を対象として、バルブタイミングの変更の応答性の低下を抑制しつつ、各気筒の吸気バルブ1と排気バルブ2とを独立して制御できるようになる。その他、実施の形態1と同様の他の効果を奏する。
3.実施の形態3
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3に係る可変動弁装置90について説明する。図5は、本発明の実施の形態3に係る可変動弁装置90の構成を示す断面図である。本実施形態の可変動弁装置90は、軸受の位置において実施の形態2の可変動弁装置80と相違している。
具体的には、図5に示すように、可変動弁装置90は、可変動弁装置10と同様に2ヶ所に設けられた軸受70と、4か所に設けられた軸受92とによって支持されている。より詳細には、4つの軸受92は、気筒間ではなく、各気筒における第1カムロブ12と第2カムロブ14との間の部位において、3重構造の最も外側となる第2カムシャフト84を支持している。個々の軸受92は、一例として、軸受部70a及びカムキャップ70bと同様の軸受部92a及びカムキャップ92bとによって構成されている。
以上のように構成された可変動弁装置90によっても、実施の形態2の可変動弁装置80と同様に、多気筒型の内燃機関を対象として、バルブタイミングの変更の応答性の低下を抑制しつつ、各気筒の吸気バルブ1と排気バルブ2とを独立して制御できるようになる。その他、実施の形態1と同様の他の効果を奏する。
4.実施の形態4.
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態4に係る可変動弁装置100、及びその変形例に係る可変動弁装置100’について説明する。
4−1.可変動弁装置の構成
実施の形態1の可変動弁装置10の第1〜第3カムシャフト20、22、24は、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相を独立して変更可能とするために、第1カムロブ12の周囲では3重構造を有し、他の部位においても2重構造を有している(図1参照)。このため、これらのカムシャフト20、22、24が互いに高い精度(同軸度)で適切なクリアランスを保って組み付けられていないと、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相を可変させる際に、隣接するカムシャフト間の摺動抵抗が増大することが懸念される。このような課題に鑑み、本実施形態の可変動弁装置100は、以下に説明するように構成されている。
図6は、本発明の実施の形態4に係る可変動弁装置100の構成を示す断面図である。本実施形態の可変動弁装置100は、第1ハウジングと第1カムシャフトとの接合部、及び第2ハウジングと第2カムシャフトとの接合部の形状において、実施の形態1の可変動弁装置10と相違している。
具体的には、図6に示すように、第1ハウジング102は、ハウジングピース102a、102b、102cによって構成されている。第1カムシャフト104と対向する第1ハウジング102(ハウジングピース102c)の表面102dは、第1カムシャフト104の径方向内側の端に形成された凹部102eを備えている。一方、第1ハウジング102(ハウジングピース102c)と対向する第1カムシャフト104の表面104aは、凹部102eと係合するように形成された凸部104bを備えている。凹部102eと凸部104bとは、一例として、第1カムシャフト104の周方向の全周に形成されている。
上述のように、第1ハウジング102と第1カムシャフト104との接合部は、両者の凹部102eと凸部104bとによるインロー構造を有している。なお、凹部102eは、本発明に係る「第1凹部」の一例に相当し、凸部104bは、本発明に係る「第1凸部」の一例に相当する。
同様に、第2ハウジング106と第2カムシャフト108との接合部は、両者の凹部106eと凸部108bとによるインロー構造を有している。具体的には、図6に示すように、第2ハウジング106は、ハウジングピース106a、106b、106cによって構成されている。(第2カム角ロータ76を間に介在して)第2カムシャフト108と対向する第2ハウジング106(ハウジングピース106c)の表面106dは、第2カムシャフト108の径方向内側の端に形成された凹部106eを含む。一方、第2ハウジング106(ハウジングピース106c)と対向する第2カムシャフト108の表面108aは、凹部106eと係合するように形成された凸部108bを含む。凹部106eと凸部108bとは、一例として、第2カムシャフト108の周方向の全周に形成されている。なお、凹部106eは、本発明に係る「第3凹部」の一例に相当し、凸部108bは、本発明に係る「第3凸部」の一例に相当する。
4−2.効果
以上説明したように、本実施形態の可変動弁装置100によれば、第1ハウジング102と第1カムシャフト104との接合部はインロー構造を有する。これにより、第1ハウジング102と第1カムシャフト104との同軸度を高めることができる。このことは、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相を可変させる際に、隣接するカムシャフト間の摺動抵抗の増大抑制に寄与する。
同様に、第2ハウジング106と第2カムシャフト108との接合部もインロー構造を有する。これにより、第2ハウジング106と第2カムシャフト108との同軸度を高めることができる。このことも、第1カムロブ12及び第2カムロブ14の回転位相を可変させる際に、隣接するカムシャフト間の摺動抵抗の増大抑制に寄与する。
付け加えると、上述のインロー構造によれば、隣接するカムシャフト間の摺動抵抗の増大を抑制できるため、第1及び第2位相制御部16、18の省動力化を図ることができる。このことは、第1及び第2位相制御部16、18の体格の増大抑制に繋がる。
4−3.インロー構造の他の例
図7は、インロー構造の他の例を説明するための図である。図7に示す可変動弁装置100’は、以下の点において、図6に示す可変動弁装置100と相違している。まず、第1カムシャフト104’と対向する第1ハウジング102’の表面102d’は、第1カムシャフト104’の径方向内側の端に、凹部102eに代えて凸部102e’を備えている。そして、第1ハウジング102’と対向する第1カムシャフト104’の表面104a’は、凸部104bに代え、凸部102e’に係合するように形成された凹部104b’を備えている。なお、凸部102e’は、本発明に係る「第2凸部」の一例に相当し、凹部104b’は、本発明に係る「第2凹部」の一例に相当する。
さらに、第2カムシャフト108’と対向する第2ハウジング106’の表面106d’は、第2カムシャフト108’の径方向内側の端に、凹部106eに代えて凸部106e’を備えている。第2ハウジング106’と対向する第2カムシャフト108’の表面108a’は、凸部108bに代え、凸部106e’に係合するように形成された凹部108b’を備えている。なお、凸部106e’は、本発明に係る「第4凸部」の一例に相当し、凹部108b’は、本発明に係る「第4凹部」の一例に相当する。
付け加えると、図6及び図7を参照して説明したインロー構造は、多気筒型の内燃機関に搭載された可変動弁装置(例えば、上述の可変動弁装置80、90)に対して適用されてもよい。気筒数が多くなると、第1〜第3カムシャフトが長くなる。このため、インロー構造の採用による上述の摺動抵抗の増大抑制効果がより高くなる。
5.実施の形態5
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態5に係る可変動弁装置110について説明する。図8は、本発明の実施の形態5に係る可変動弁装置110の構成を示す断面図である。本実施形態の可変動弁装置110は、単気筒型の内燃機関に適用されており、第1カムロブ及び第2カムシャフトの形状において、実施の形態1の可変動弁装置10と相違している。
具体的には、図8に示すように、第2カムシャフト112は、図1に示す第2カムシャフト22とは異なり、第1カムロブ114を貫通していない。換言すると、第2カムシャフト112は、その軸方向において第1カムロブ114と重なる位置にまで及んでいない。このため、図8に示す例では、第1カムロブ114の内側には、内側から順に第3カムシャフト24及び第1カムシャフト20が配置されている。また、第1カムロブ114は、その内部を貫通する第1カムシャフト20に対して回転自在である。
上述のように構成された可変動弁装置110は、第1カムロブ114の位置及びこの位置よりも第1位相制御部に近い部位においては、第1カムシャフト20と第3カムシャフト24による2重構造を有し、第2カムロブ14の位置及びこの位置よりも第2位相制御部18に近い部位においては、第1カムシャフト20と第2カムシャフト112による2重構造を有している。
また、図1に示す例と同様に、第1カムロブ114と第3カムシャフト24とは、固定ピン64によって固定されている。そして、第1カムシャフト20には、固定ピン64の周囲に、上述の第1切欠き孔66と同じ切欠き孔116が形成されている。
以上のように構成された可変動弁装置110によっても、バルブタイミングの変更の応答性の低下を抑制しつつ、吸気バルブ1と排気バルブ2とを独立して制御できるようになる。その他、実施の形態1と同様の他の効果を奏する。
6.DOHC方式への適用例
上述した実施の形態1〜5においては、吸気バルブ1及び排気バルブ2を駆動するためのSOHC方式の可変動弁装置10、80、90、100、100’、110を例に挙げた。しかしながら、本発明に係る「可変動弁装置」は、SOHC方式に限定されず、DOHC方式で提供されてもよい。具体的には、本可変動弁装置は、例えば、同じ気筒に配置された複数の吸気バルブを第1カムロブと第2カムロブとで分担して駆動する構成を有することにより、当該複数の吸気バルブのバルブタイミングを独立して切り替えるものであってもよい。同様に、本可変動弁装置は、同じ気筒に配置された複数の排気バルブのバルブタイミングを独立して切り替えるものであってもよい。
以上説明した各実施の形態に記載の例及び他の各変形例は、明示した組み合わせ以外にも可能な範囲内で適宜組み合わせてもよいし、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形してもよい。
1 吸気バルブ
2 排気バルブ
4 クランクシャフト
6 無端伝動部材
10、80、90、100、100’、110 可変動弁装置
12、114 第1カムロブ
14 第2カムロブ
16 第1位相制御部
18 第2位相制御部
20、82、104、104’ 第1カムシャフト
22、84、108、108’、112 第2カムシャフト
24、86 第3カムシャフト
26、102、102’ 第1ハウジング
28 第1ロータ
32、42 油圧室
34、44 ベーン
36 第1オイルコントロールバルブ(OCV)
38、106、106’ 第2ハウジング
40 第2ロータ
46 第2オイルコントロールバルブ(OCV)
64 固定ピン
66 第1切欠き孔
68 第2切欠き孔
70、88、92 軸受
72 第1カム角ロータ
74 第1カム角センサ
76 第2カム角ロータ
78 第2カム角センサ
102d 第1ハウジングの表面
102e 第1ハウジングの凹部
102e’ 第1ハウジングの凸部
104a、104a’ 第1カムシャフトの表面
104b 第1カムシャフトの凸部
104b’ 第1カムシャフトの凹部
106d、106d’ 第2ハウジングの表面
106e 第2ハウジングの凹部
106e’第2ハウジングの凸部
108 第2カムシャフト
108a、108a’ 第2カムシャフトの表面
108b 第2カムシャフトの凸部
108b’ 第2カムシャフトの凹部
116 切欠き孔

Claims (6)

  1. 第1バルブを駆動する第1カムロブと、
    第2バルブを駆動する第2カムロブと、
    無端伝動部材を介してクランクシャフトと連結された第1ハウジングと、前記第1ハウジングに収容された第1ロータと、を含み、前記第1ハウジングの回転位相に対する前記第1ロータの回転位相を可変とする第1位相制御部と、
    第2ハウジングと、前記第2ハウジングに収容された第2ロータと、を含み、前記第2ロータの回転位相に対する前記第2ハウジングの回転位相を可変とする第2位相制御部と、
    前記第1ハウジング及び前記第2ロータと一体的に回転する第1カムシャフトと、
    前記第2ハウジングと一体的に回転し、かつ、前記第2カムロブが形成された第2カムシャフトと、
    前記第1ロータと一体的に回転する第3カムシャフトと、
    を備え、
    前記第1カムロブの内側には、内側から順に前記第3カムシャフト、前記第1カムシャフト及び前記第2カムシャフトが配置されており、
    前記第1カムロブと前記第3カムシャフトとは、前記第3カムシャフトの径方向に延びるように配置された固定ピンによって固定されており、
    前記第1カムシャフトは、前記固定ピンを貫通させ、かつ、前記第1カムシャフトと前記第3カムシャフトとの相対的な回転を前記固定ピンが妨げないように形成された第1切欠き孔を含み、
    前記第2カムシャフトは、前記固定ピンを貫通させ、かつ、前記第1カムシャフトと前記第2カムシャフトとの相対的な回転を前記固定ピンが妨げないように形成された第2切欠き孔を含む
    ことを特徴とする可変動弁装置。
  2. 単気筒型の内燃機関の第1バルブを駆動する第1カムロブと、
    前記内燃機関の第2バルブを駆動する第2カムロブと、
    無端伝動部材を介してクランクシャフトと連結された第1ハウジングと、前記第1ハウジングに収容された第1ロータと、を含み、前記第1ハウジングの回転位相に対する前記第1ロータの回転位相を可変とする第1位相制御部と、
    第2ハウジングと、前記第2ハウジングに収容された第2ロータと、を含み、前記第2ロータの回転位相に対する前記第2ハウジングの回転位相を可変とする第2位相制御部と、
    前記第1ハウジング及び前記第2ロータと一体的に回転する第1カムシャフトと、
    前記第2ハウジングと一体的に回転し、かつ、前記第2カムロブが固定された第2カムシャフトと、
    前記第1ロータと一体的に回転する第3カムシャフトと、
    を備え、
    前記第1カムロブの内側には、内側から順に前記第3カムシャフト及び前記第1カムシャフトが配置されており、
    前記第1カムロブと前記第3カムシャフトとは、前記第3カムシャフトの径方向に延びるように配置された固定ピンによって固定されており、
    前記第1カムシャフトは、前記固定ピンを貫通させ、かつ、前記第1カムシャフトと前記第3カムシャフトとの相対的な回転を前記固定ピンが妨げないように形成された切欠き孔を含む
    ことを特徴とする可変動弁装置。
  3. 前記第1カムシャフトと対向する前記第1ハウジングの表面は、前記第1カムシャフトの径方向内側の端に形成された第1凹部を含み、
    前記第1ハウジングと対向する前記第1カムシャフトの表面は、前記第1凹部と係合するように形成された第1凸部を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可変動弁装置。
  4. 前記第1カムシャフトと対向する前記第1ハウジングの表面は、前記第1カムシャフトの径方向内側の端に形成された第2凸部を含み、
    前記第1ハウジングと対向する前記第1カムシャフトの表面は、前記第2凸部と係合するように形成された第2凹部を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可変動弁装置。
  5. 前記第2カムシャフトと対向する前記第2ハウジングの表面は、前記第2カムシャフトの径方向内側の端に形成された第3凹部を含み、
    前記第2ハウジングと対向する前記第2カムシャフトの表面は、前記第3凹部と係合するように形成された第3凸部を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の可変動弁装置。
  6. 前記第2カムシャフトと対向する前記第2ハウジングの表面は、前記第2カムシャフトの径方向内側の端に形成された第4凸部を含み、
    前記第2ハウジングと対向する前記第2カムシャフトの表面は、前記第4凸部と係合するように形成された第4凹部を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の可変動弁装置。
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