JP5494943B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベーン式のアクチュエータにより、一対の吸気バルブまたは一対の排気バルブを駆動する一対のカムのうち一方のカムの位相を他方のカムに対し変更する内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式のエンジン(内燃機関)では、エンジンの排出ガスの対策やポンピングロスの改善を図るために、シリンダヘッドに可変動弁装置を搭載することが行なわれつつある。
可変動弁装置には、エンジンで多く採用されているマルチバルブ(一対の吸気バルブ、一対の排気バルブ)のバルブ間の位相を可変させて、マルチバルブの開いている期間を変更させる構造がある。例えば特許文献1,2のような一対の吸気バルブまたは一対の排気バルブを駆動する一対のカムのうち、一方のカムに対し他方のカムの位相を可変する装置が提案されている。
この可変動弁装置は、カムシャフトとして、アウタカムシャフト内にインナカムシャフトを回動可能に収め、アウタカムシャフトの外周部に固定式の第1カム、アウタカムシャフトの軸心周りに回動自在な第2カムを設け、第2カムとインナカムシャフトとをアウタカムシャフトとインナカムシャフトとでの相対変位を許しながら接続したカムシャフトを用いる。そして、このカムシャフトの端部にベーン式のアクチュエータを取り付ける構造が用いられる。具体的にはベーン式のアクチュエータは、ベーンハウジングにカムシャフトの中心周りに複数のベーン室を設け、各ベーン室内を、カムシャフトの中心から放射状に延びる複数のベーンで仕切る構造が用いられ、ベーンが変位すると、アウタカムシャフトとインナカムシャフトとが相対変位して、第2カムの位相が第1カムを基準に変更される。
特開2009−144521号公報 特開2009−144522号公報
可変動弁装置では、ベーン式のアクチュエータの取付性やメンテナンス性が求められる。特にベーン式のアクチュエータは、ベーンをインナカムシャフトに固定、ベーンハウジングをアウタカムシャフトに固定するという、別々な部材に固定する作業が求められるので、できる限り簡単な作業が求められる。
ところが、引用文献1,2のベーン式のアクチュエータ(第2位相制御機構)は、カムシャフトとは反対側からカムシャフト中心にねじ込まれるボルト部材で、ベーンをインナカムシャフトに固定したり、カムシャフトとは反対側からねじ込まれるボルト部材で、アクチュエータの本体各部を固定したりする構造が開示されているだけである。つまり、ベーンハウジングをアウタカムシャフトに固定する構造は見当たらず、ベーンハウジングとアウタカムシャフトとについては、別途、他の固定手段を用いて、ベーンハウジングをアウタカムシャフトに固定することになる。
これではベーン式のアクチュエータの取り付け取り外しは、面倒な作業が強いられ、アクチュエータの取付性やメンテナンス性の改善には至っていない。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、ベーン式のアクチュエータがアウタカムシャフト、インナカムシャフトに固定できる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、ベーン式のアクチュエータが、カムシャフトの中心の周りに配置された複数のベーン室を有するベーンハウジングと、カムシャフトの中心側から放射状に延びてベーン室内を仕切るベーンと含んで構成される本体を有し、本体は、カムシャフト側からねじ込まれる固定ボルト部材により一体化され、アクチュエータのカムシャフトとは反対側から、カムシャフトの中心へ向ってねじ込まれ、ベーンをインナカムシャフトに固定する第1ボルト部材と、アクチュエータのカムシャフトとは反対側から、カムシャフトの中心から離れた部位へねじ込まれ、ベーンハウジングをアウタカムシャフトに固定する第2ボルト部材とを有し、一体化された本体が、第1ボルト部材、第2ボルト部材にてそれぞれインナカムシャフトおよびアウタカムシャフトに固定されることとした。
求項2に記載の発明は、さらにベーン式のアクチュエータがコンパクトですむように、複数のベーン室の間を仕切る同一の仕切りハウジング部分に、カムシャフト側からの固定ボルト部材と、カムシャフトとは反対側からの第2ボルト部材との双方が通るようにした
請求項3に記載の発明は、さらにベーン式のアクチュエータの回転バランスが確保しやすいよう、第2ボルト部材は、カムシャフトの回転軸中心に対し、複数本が略同一半径にかつ、略線対称に配置されることとした
請求項4に記載の発明は、さらに既存の部品を流用して、奇数個のベーン室をもつアクチュエータの回転バランスが確保されるよう、固定ボルト部材と第2ボルト部材との双方が通る仕切りハウジング部分に対し、対角に配置されるベーンに、ベーンの動きを規制するロックピンを設け、仕切りハウジング部分とバランスさせることとした
請求項5の発明は、さらに最少のボルト部材で、かつ既存の部品を流用して、アクチュエータがカムシャフトに取り付けられると、回転バランスが確保されるよう、第2ボルト部材、固定ボルト部材には、それぞれ2本を用い、ベーンハウジングの3個のベーン室を仕切る3つの仕切りハウジング部分の1つに、固定ボルト部材の1本と第2ボルト部材の1本とを通し、残る一方の仕切りハウジング部分に、残る1本の固定ボルト部材を通し、他方の仕切りハウジング部分に、残る1本の第2ボルト部材を通し、固定ボルト部材と第2ボルト部材との双方が通る仕切りハウジング部分と対角に配置されるベーンに、ベーンの動きを規制するロックピンを配置して、アクチュエータがカムシャフトに取り付けられたとき、アクチュエータ全体の回転バランスが満たせる構造にした。
請求項1の発明によれば、ベーン式のアクチュエータは、カムシャフトとは反対側といった同じ方向から、第1ボルト部材、第2ボルト部材をねじ込むという同様の簡単な作業を行うだけで、それぞれアウタカムシャフト、インナカムシャフトに固定できる。
したがって、ベーン式のアクチュエータは、アウタカムシャフト、インナカムシャフトに別々に固定される部品であるが、いずれも同一方向からの簡単なねじ作業で取り付けやメンテナンスのための取り外しが行えることから、アクチュエータの取付性、メンテナンス性の向上が図れる。しかも、アクチュエータの本体は、第1、第2ボルト部材とは反対側からねじ込まれる固定ボルト部材により一体化することで、単品部品として取り扱いやすくなり、第1、第2ボルト部材による固定を含め、取扱性が向上する。
請求項2の発明によれば、同一の仕切りハウジング部分に、カムシャフト側からの固定ボルト部材と、カムシャフトとは反対側からの第2ボルト部材との双方が配置されるという、仕切りハウジング部分の共用化により、ベーンハウジングはコンパクトですむ。これにより、アクチュエータのコンパクト化が図れる。
請求項3の発明によれば、第2ボルト部材の略線対称なる配置により、アクチュエータの回転バランスは確保しやすい
請求項4の発明によれば、ロックピンという既存の部品を流用して、固定ボルト部材と第2ボルト部材との双方が通る仕切りハウジング部分に対しバランスをさせることができ、容易にアクチュエータの回転バランスが確保できる。
請求項5の発明によれば、最少本数のボルト部材で、さらには既存の部品を流用するというバランス構造により、アクチュエータをカムシャフトに取り付けるだけで、バランスの確保が難しいとされる、3つのベーン室をもつアクチュエータの回転バランスの確保ができる。
本発明の一実施形態に係る可変動弁装置を搭載した内燃機関の平面図。 図1中のI−I線に沿う断面図。 図2中のII−II線に沿う断面図。 可変動弁装置の各部の構造を示す分解斜視図。 可変動弁装置の可変特性を示す線図。 ベーン式のアクチュエータの構造を示す斜視図。 同ベーン式のアクチュエータをカムシャフトに取り付けるときを示す斜視図。 同じく異なる方向から見た斜視図。
以下、本発明を図1〜図8に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は内燃機関、例えば複数気筒のレシプロエンジン(以下、単にエンジンという)の平面を示し、図2は図1中のI−I線に沿う断面を示していて、同図中1は同エンジンのシリンダブロック、2は同シリンダブロック1の頭部に搭載されたシリンダヘッドを示している。
このうちシリンダブロック1には、図1および図2に示されるようにエンジンの前後方向に沿って複数の気筒3(一部気筒だけ図示)が形成されている。これら各気筒3内には、クランクシャフト(図示しない)からコンロッド(図示しない)を介して分かれた各ピストン4が往復動可能に収められる。
シリンダヘッド2の下面には、各気筒3に対応してそれぞれ燃焼室5が形成されている。各燃焼室5には、吸気を行なう一対の吸気ポート7(2個)、排気を行なう一対の排気ポート(図示しない)が開口している。各吸気ポート7には、ステム端にそれぞれタペット9が装着された一対の吸気バルブ10(2個)が設けられている。そして、各タペット9の上面がシリンダヘッド2の上部に臨んでいる。各排気ポート(図示しない)には、同様に一対の排気バルブ(いずれも図示しない)が設けられ、同様に、バルブ基端部がシリンダヘッド2の上部に臨んでいる。これら吸気バルブ10、排気バルブ(図示しない)にて、吸気ポート7、排気ポート(図示しない)が開閉される。さらに各燃焼室5には、図示はしないが点火プラグがそれぞれ設けられる。
またシリンダヘッド2の上部左右には、クランクシャフトの軸出力で駆動される吸気側の動弁装置6a、同じく排気側の動弁装置6bが設けられていて、各気筒3で所定の燃焼サイクル(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4サイクル)が繰り返し行なわれるようにしている。これら動弁装置6a,6bのうち、排気側の動弁装置6bには、排気カム12を一体に形成したカムシャフト13が用いられる。このカムシャフト13が、気筒3が並ぶ方向に回転自在に組み付けられ、各排気カム12のカム面をタペットの上面に当接させる。これで、各排気カム12のカム変位を排気バルブ(図示しない)に伝える。
また吸気側の動弁装置6aには、排気側のカムシャフト13とは異なり、別体の部品を組み付けて構成されるカムシャフト、いわゆる組立カム構造のカムシャフト14(本願のカムシャフトに相当)が用いられている。このカムシャフト14を用いて、図2および図4に示されるようなスプリット式の可変動弁装置15を構成している。
すなわちカムシャフト14のシャフト部材は、パイプ部材で構成されたアウタカムシャフト17a内に、制御部材をなす軸部材で構成されたインナカムシャフト17bを回動可能に収めた二重シャフト17で形成される。この二重シャフト17も排気側のカムシャフト13と同様、気筒3が並ぶ方向に沿って配置される。この二重シャフト17のうちの一方の端部となるアウタカムシャフト17aの一方の端部は、アウタカムシャフト17a端に取り付けられたカムピース37を介して、シリンダヘッド2の端側に設置されている軸受部18aに回動自在に支持される。またアウタカムシャフト17aの中間部は、タペット9,9間に設置されている中間の軸受部18bに回転自在に支持される。これで、両シャフト17a,17b共、同一軸心を中心に回転できるようにしている。なお、アウタカムシャフト17aとインナカムシャフト17bとの間は、クリアランスを有する構造にすることで、相対変位可能となっている。
アウタカムシャフト17aは、一対の吸気バルブ10(気筒毎)と対応して、一対(2個)の吸気カム19がそれぞれ設けられている。吸気カム19は、いずれも、基準位相を定める固定カム20(本願の第1カムに相当)と可動側のカムローブ22とを組み合わせて構成される。
すなわち、基準側となる固定カム20は、例えば左側のタペット9と対応したアウタカムシャフト17aの外周部分に設けられている。具体的には固定カム20は、板カムで形成され、アウタカムシャフト17aの外側に嵌めることにより固定してある。この固定カム20のカム面が左側のタペット9と当接し、固定カム20のカム変位が左側の吸気バルブ10aに伝わる。
カムローブ22は、板カムで形成されたカム山部22a(本願の第2カムに相当)を有している。このカム山部22aに、安定性を確保するための部分、すなわち中空のボス部22bが組み合わさり、カムローブ全体を構成している。カム山部22aおよびボス部22bは、アウタカムシャフト17aの外側に周方向に回動(変位)自在に嵌められ、カム山部22aを残る右側のタペット9の直上に配置させている。このカム山部22aのカム面が右側のタペット9と当接し、カム山部22aのカム変位が右側の吸気バルブ10bに伝わる。
またボス部22bとインナカムシャフト17bとは、連結部材、例えば二重シャフト17の直径方向を貫通するように圧入された圧入ピン24によって、内・外シャフト17a,17bの相対変位を許しながら連結されている。この連結により、カム山部22a(カムローブ22)を固定カム20に対し相対変位可能にしている。さらに述べれば、図4に示されるように圧入ピン24がそれぞれ通過するアウタカムシャフト17aの周壁部分には、圧入ピン24を逃がす孔、例えば遅角方向に延びる一対の長孔26が形成されていて、アウタカムシャフト17aに対するインナカムシャフト17bの変位(相対変位)を許す。これで、カム山部22aが、基準となる固定カム20の位相から大きく遅角するまで可変できるようにしている。なお、図4中14aは、インナカムシャフト17bに形成された圧入孔、14bは、ボス部22bの周壁部分に形成された圧入孔をそれぞれ示している。
二重シャフト17の一方の端部には、内・外シャフト17a,17bを相対変位させるベーン式のアクチュエータ25が設けられ、固定カム20を基準にカムローブ22のカム位相を変更可能にした可変動弁装置15を構成している。アクチュエータ25の本体25aには、大変位量を確保するため、図3および図6に示されるような3ベーン式(奇数個)の構造、すなわち短筒形のベーンハウジング27内に3つのベーン30を回動可能に収めた構造が用いられている。
具体的にはベーンハウジング27は、図6(b)に示されるような円筒形の胴部28の両端部に一対の端壁部29を組み合わせた構造で構成される。この胴部28の内周部に3つの花弁状の凹部26が周方向に等間隔に形成してある。
ベーン30は、胴部28の中央の空間に回動自在に収まる円形な軸部30aを有している。これで、凹部26、端壁部29および軸部30aで囲まれる部位に、例えば遅角室をなす3つのベーン室32を形成している。ベーン30は、この軸部30aの外周面から等間隔で放射状に延び各ベーン室32内に突き出て、各ベーン室32内をそれぞれ仕切っている。ベーン30のうちの一つには、各ベーン30の動きを規制するための油圧作動式のロックピン30bが突没可能に組み込んである。同構造から本体25aを構成している。
またベーンハウジング27には、位相戻し用のスプリング部材35(図2のみ図示)を内蔵した有底筒形のカバー36などが組み付いてある。
これで、本体25aは、カムシャフト14の中心の周りに、3つのベーン30、ベーン室32が配置された構造で、同本体25aの一側部、ここでは右側の端壁部29を、アウタカムシャフト端が取り付くアウタカムシャフト取付部としている。さらに軸部30aの右端部の中心部分は、右側の端壁部29中央に形成した開口部29aから外部に臨み、インナカムシャフト17bに取り付くインナカムシャフト取付部としている。
また胴部28,端壁部29は、アウタカムシャフト取付部(カムシャフト14側)からねじ込まれた2本(複数)の固定ボルト34(本願の固定ボルト部材に相当)で固定されている。具体的には胴部28,端壁部29は、3つのベーン室32間を仕切っている仕切り部分28a〜28c(本願の仕切りハウジング部分に相当)のうち、ベーン室30(1個)を挟んだ隣り合うそれぞれ仕切り部分28b,28cを通過するよう、固定ボルト34を右側の端壁部29からそれぞれ挿入し、左側の端壁部32bにねじ込む構造で締結してある。この仕切り部分28b、28cをそれぞれ通る固定ボルト34により、本体25aの各部は、ベーン30を内蔵したまま一体化され、本体25aを単品の部品として取り扱えるようにしている。図6において、33aは、仕切り部分28b,28cおよび右側の端壁部29に形成された上記固定ボルト34が通るボルト挿通孔、33bは左側の端壁部29に形成された上記固定ボルト34と組み合うねじ孔(片側のみ図示)を示している。但し、仕切り部分28cに形成したボルト挿通孔33aは、仕切り部分28cの片側、具体的には仕切り部分28a側に配置してある。
このアクチェエータ25が、図2〜図4、図6〜図8に示されるように複数本のボルト部材、ここではベーン取付用の1本の取付ボルト39a(本願の第1ボルト部材に相当)、ハウジング取付用の2本の取付ボルト39b、39b(本願の第2ボルト部材に相当)といった3本のボルト部材を用いて、カムシャフト14と反対側からのボルト止め作業で、それぞれインナカムシャフト17bの端部、アウタカムシャフト17aの端部であるところのアウタカムシャフト17a端に取り付けたカムピース37に固定されている。
具体的には、カムシャフト14の中心となるインナカムシャフト17bの軸端中央には、ねじ孔41が設けられ、カバー36の端壁中心部、左側の端壁部29の中心部および軸部30aの中心部にはそれぞれボルト挿通孔42が設けられている。またカムシャフト14の中心から離れた地点であるところの仕切り部分28a、仕切り部分28c、これら地点と対応した各端壁部29の壁部分およびカバー36の端壁部分には、それぞれ一対のボルト挿通孔43が設けられる。なお、仕切り部分28cのボルト挿通孔43は、固定ボルト34とは反対側(仕切り部分28b側)に設けてある。2本のボルト挿通孔43は、ボルト挿入孔42の中心(カムシャフト14の回転軸中心に相当)に対し、略同一半径でかう略線対称の位置に有る。また図7および図8に示されるようにアウタカムシャフト取付部(右側の端壁部)と合わさるカムピース37から延びたフランジ部37aには、それぞれボルト挿通孔43に対応して、ねじ孔45aをもつアーム形の固定座45(一対)が形成されている。
ここで、アクチュエータ25は、仕切り部28cに固定ボルト34および取付ボルト39bの双方が通るため、重量的に偏りが生じやすくなる。そこで、これを是正するよう、仕切り部分28cと対角に配置されるベーン30には、上記ロックピン39b(ベーン30の動きを規制するための部品)が設けてある。この既存ロックピン39bの設置を用いて、ボルト34,39bの有る仕切り部分28cをアクチュエータ中心に対し重量的にバランスさせている。
こうした構造によって、図7および図8に示されるようにアクチュエータ25のベーン30は、取付ボルト39aを、カムシャフト14と反対側から、ボルト挿通孔42へ挿入し、カムシャフト中心に有るねじ孔41にねじ込むことで、インナカムシャフト17bに固定してある。またベーンハウジング27は、2本の取付ボルト39bを、カムシャフト14とは反対側から、それぞれ一対のボルト挿入孔43へ挿入し、各固定座45に有るねじ孔45aにねじ込むことで、アウタカムシャフト17aに固定してある。
むろん各ベーン室32は、図2に示されるようにベーンハウジング27の各部やカムピース37や軸受部18aに形成された各種油路50(一部しか図示せず)を介して、オイルコントロールバルブ51(以下、OCV51という)、油圧供給部52(例えばオイルを供給するオイルポンプを有して装置で構成)に接続され、各ベーン室32内にオイルが供給されると、カム山部22aを固定カム20から遅角方向へ変位させるスプリット可変が行なわれる構造にしている。すなわち、クランクシャフトからの軸出力は、タイミングチェーン47、右側の端壁部29に設けたタイミングスプロケット38、ベーンハウジング27、カムピース37を経て、アウタシャフト17aに伝わり、固定カム20を回転駆動させ、タペット9を介して左側の吸気バルブ10aを開閉させる。ここで、OCV51から油圧が各ベーン室32の反対側の進角室に供給されると、戻り用スプリング部材35の付勢力との協同により、カム山部22aは、図5中のA状態の如く固定カム20のカム位相に揃えられ、右側の吸気バルブ10bは、左側の固定カム20と同じ位相を保ったまま開閉される。OCV51を通じて、油圧供給部52油圧がベーン室32内へ供給されると、油圧出力にしたがい、ベーン30はベーン室32内を当初位置から遅角側へ変位する。このとき油圧の出力制御により、例えばベーン30がベーン室32内の途中まで変位させると、インナカムシャフト17bは、途中位置まで遅角方向に変位する。この変位が圧入ピン24を介してカムローブ22に伝わり、カム山部22aを遅角方向に変位させる。すると、図5中のB状態に示されるように基準となる左側の吸気バルブ10aの開閉時期はそのまま変わらず、右側の吸気バルブ10bの開閉時期だけが変わる。また油圧の出力制御により、ベーン30を最遅角位置まで変位させると、図5中のC状態に示されるように左側の吸気バルブ10aの開閉時期はそのままに変わらずに、右側の吸気バルブ10bは、左側の吸気バルブ10aの開閉時期と交錯した状態を保ちながら、左側の吸気バルブ10aから最も遅角した時期で開閉する(スプリット可変)。
こうしたスプリット式可変動弁装置15は、ベーン式のアクチュエータ25の取り付けに際し、アクチュエータ25をアウタカムシャフト17a,インナカムシャフト17bに個別に固定するために面倒な作業が強いられやすい難点をもつが、図7および図8に示されるようにアクチュエータ25のベーン30およびベーンハウジング27を、ベーンハウジング27のカムシャフト14とは反対側からねじ込まれる取付ボルト39a,39bで、それぞれインナカムシャフト17b、アウタカムシャフト17aに固定する構造とすると、固定される部品は異なっても、同じ方向(同一方向)から同様なねじ込み作業だけで、アクチュエータ25の各部をそれぞれ別部品たるアウタカムシャフト17a、インナカムシャフト17bに固定させることができる。
それ故、アクチュエータ25は、簡単な構造、さらには容易な作業で、アウタカムシャフト17a、インナカムシャフト17bに固定できる。これにより,アクチュエータ25の取り付け、取り外しが容易となり、アクチュエータ25の取付性、メンテナンス性の向上を図ることができる。特にカムシャフト14の中心から離れた地点に配置される複数の取付ボルト39b(ベーンハウジング27とアウタカムシャフト17aを固定)は、カムシャフト14の回転軸中心に対し、略同一半径でかつ略線対称に配置されるから、アクチュエータ25の回転バランスも確保しやすい。しかも、アクチュエータ25の本体25aは、取付ボルト39a,39bとは反対側からねじ込まれる固定ボルト34により一体化されるので、単品部品として取り扱え、取付ボルト39a,39bによる取付けを含め取扱性が向上する(検査や部品流通など)。特に、図1,2のようにカム回転軸中心がシリンダヘッド上面にある場合はカムシャフト14(カム軸)を回転させれば、取付ボルト39bがシリンダヘッド上面より上方位置に移動することも可能であり、取付ボルト39bの作業性は容易となる。
また、同一の仕切り部分28c(ベーン室32間を仕切る部分)に、カムシャフト14側からねじ込まれる固定ボルト34と、カムシャフト14とは反対側からねじ込まれる取付ボルト39bとの双方を配置すると、仕切り部分28cを共用するだけでなく、固定ボルト34と取付ボルト39bのできるだけ接近させた配置が可能となるから、その分、ベーンハウジング27はコンパクトですみ、アクチュエータ25のコンパクト化が図れる。しかも、ベーン30の動きを規制するロックピン30bは、固定ボルト34と取付ボルト39bとの双方が通る仕切り部分28cと対角な位置のベーン30に配置したので、重量的に重くなる仕切り部分28cとバランスしやすく、既存のロックピン30bを流用して、容易にアクチュエータ25の回転バランスが確保できる。
さらには、固定ボルト34と取付ボルト39bをベーン30の外径の内側に配置することで、アクチュエータ25をコンパクトにすることができる。
特に、バランスの確保が難しいとされる3つのベーン室30をもつアクチュエータ25は、2本の固定ボルト34、2本の取付ボルト39bを用い、ベーンハウジング27の1つの仕切り部分28cに、固定ボルト34の1本と取付ボルト39bの1本との両方を通し、残るうちの1つの仕切り部分28bに、残る1本の固定ボルト34を通し、残る仕切り部分28aに残る1本の取付ボルト39bを通し、仕切り部分28cと対角に配置されるベーン30にロックピン30bを配置する構造にすると、アクチュエータ25の単体部品では回転バランスは乱れるものの、アクチュエータ25をカムシャフト14に取り付けると、その時点から各部のバランスが採れる構造となり、アクチュエータ25全体の回転バランスが満たせる。つまり、最少のボルト数、さらには既存の部品の流用で、容易に3つのベーン室30をもつアクチュエータ25の回転バランスを確保することができる。本実施形態では、高い精度の回転バランスを確保するために、ベーン30の大きさを変えたり、ベーン30に重さ抜き用の孔部31を形成したりしている(重量配分の変更)。
なお、本発明は一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば本発明は一対の吸気カムの位相を相対的に変更する可変動弁装置に適用したが、これに限らず、一対の排気カムの位相を相対的に変更する可変動弁装置(図示せず)に適用しても構わない。
14 カムシャフト
15 可変動弁装置
17a アウタカムシャフト
17b インナカムシャフト
20 固定カム(第1カム)
22a カム山部(第2カム)
25 ベーン式のアクチュエータ
25a 本体
27 ベーンハウジング
28a〜28c 仕切り部分(仕切りハウジング部分)
30 ベーン
30b ロックピン
32 ベーン室
34 固定ボルト(固定ボルト部材)
39a 取付ボルト(第1ボルト)
39b 取付ボルト(第2ボルト)

Claims (5)

  1. 外周部に第1カムと当該第1カムを基準に周方向に変位可能な第2カムとを有するアウタカムシャフト内にインナカムシャフトを回動可能に収めて構成されるカムシャフトと、
    前記カムシャフトの端部に設けられ、前記アウタカムシャフトと前記インナカムシャフトとを相対変位させ前記第1カムを基準に前記第2カムの位相を変更させるベーン式のアクチュエータとを備え、
    前記アクチュエータは、前記カムシャフトの中心の周りに配置された複数のベーン室を有するベーンハウジングと、前記カムシャフトの中心側から放射状に延びて前記ベーン室内を仕切るベーンと含んで構成される本体を有し、
    前記本体は、前記カムシャフト側からねじ込まれる固定ボルト部材により一体化され、
    記アクチュエータの前記カムシャフトとは反対側から、前記カムシャフトの中心へ向ってねじ込まれ前記ベーンを前記インナカムシャフトに固定する第1ボルト部材と
    記アクチュエータの前記カムシャフトとは反対側から、前記カムシャフトの中心から離れた部位へねじ込まれ前記ベーンハウジングを前記アウタカムシャフトに固定する第2ボルト部材とを有し、
    前記一体化された本体が、前記第1ボルト部材、前記第2ボルト部材にてそれぞれ前記インナカムシャフトおよび前記アウタカムシャフトに固定される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記ベーンハウジングは、前記複数のベーン室の間を仕切る仕切りハウジング部分をそれぞれ有し、
    同一の仕切りハウジング部分に、前記カムシャフト側からの固定ボルト部材と前記カムシャフトとは反対側からの第2ボルト部材との双方が通る
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記第2ボルト部材は、前記カムシャフトの回転軸中心に対し、複数本が略同一半径でかつ、略線対称に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記ベーンハウジングは、奇数個のベーン室を有し、
    前記ベーン室内を仕切るベーンは、当該ベーンの動きを規制するロックピンを有し、
    前記隣り合うベーン室の間を仕切る同一の仕切りハウジング部分に、前記固定ボルト部材と前記第2ボルト部材との双方が通り、
    当該第2ボルト部材と固定ボルト部材との双方が通る仕切りハウジング部分と対角に配置されるベーンに、当該仕切りハウジング部分に対しバランスさせるように前記ロックピンが設けられる
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記ベーンハウジングのベーン室は、3個であり、隣り合うベーン室の間はそれぞれ仕切りハウジング部分で仕切られ、
    前記ベーン室内を仕切るベーンは、当該ベーンの動きを規制するロックピンを有し、
    前記アクチュエータは、前記ベーンハウジングおよび前記ベーンを含んで構成される本体を有するとともに、当該本体の各部が、カムシャフト側からねじ込まれる2本の固定ボルト部材により一体化され、
    当該一体化された本体が、1本の第1ボルト部材、2本の第2ボルト部材にて前記カムシャフトとは反対側から前記アウタカムシャフトおよび前記インナカムシャフトに固定され、
    前記3つの仕切りハウジング部分の1つに、前記固定ボルト部材の1本と前記第2ボルト部材の1本とが通り、
    残る一方の仕切りハウジング部分に、残る1本の固定ボルト部材が通り、他方の仕切りハウジング部分に、残る1本の第2ボルト部材が通り、
    前記固定ボルト部材と前記第2ボルト部材とが通る仕切りハウジング部分と対角に配置されるベーンに、前記ロックピンが配置され、
    前記アクチュエータが前記カムシャフトに取り付けられたとき、当該アクチュエータ全体の回転バランスが満たせるようにしてある
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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