JP2020117894A - 建物の基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱材を覆うことで防火性や耐久性などを高めることができるうえに、ひび割れの発生を抑えることが可能な建物の基礎構造を提供する。【解決手段】現場打ちコンクリートで構築される建物の基礎構造10である。そして、スラブ状に形成された基礎スラブ1と、基礎スラブの上面11の周縁に沿って間隔を置いて配置された複数の束部(コーナー束部2A,中間束部2B)と、束部間に配置される板状の断熱材3と、断熱材の外側面側に現場打ちコンクリートによって形成される保護コンクリート部5と、保護コンクリート部と束部との間に介在される変形追従性の高い目地板7とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、べた基礎などの現場打ちコンクリートで構築される建物の基礎構造に関するものである。
特許文献1,2には、鉄筋コンクリートによってスラブ状に構築された基礎スラブの周縁に、間隔を置いてプレキャストコンクリート製のブロックを配置することで形成された建物の基礎構造が開示されている。この基礎構造においては、基礎スラブ周縁に配置されたブロック間に断熱材が配置される。
一方、特許文献3には、布基礎の側面に取り付けられた断熱材の外側面側を、防蟻シートによって覆った建築物の断熱基礎構造が開示されている。
特開2018−35530号公報 特開2018−35531号公報 特開平11−350502号公報
しかしながら、基礎の防火性や防蟻性や耐久性などを高めたり、堅牢感を創出したりするために、断熱材をコンクリートなどの保護層で覆うことが望ましい。ところが、保護層を現場打ちコンクリートで形成して束部間を繋いだ場合、束部の変形に追従できずに、保護層にひび割れが生じるおそれがある。
そこで、本発明は、断熱材を覆うことで防火性や耐久性などを高めることができるうえに、ひび割れの発生を抑えることが可能な建物の基礎構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の建物の基礎構造は、現場打ちコンクリートで構築される建物の基礎構造であって、スラブ状に形成された底板部と、前記底板部の上面の周縁に沿って間隔を置いて配置された複数の束部と、前記束部間に配置される板状の断熱材と、前記断熱材の外側面側に現場打ちコンクリートによって形成される保護コンクリート部と、前記保護コンクリート部と前記束部との間に介在される前記保護コンクリート部よりも変形追従性の高い目地板とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記束部は、内側面側に外側面側より拡幅された拡幅部が形成されており、前記拡幅部間の開口を埋めるように前記断熱材が配置されるとともに、前記保護コンクリート部の内側面側と前記拡幅部及び前記断熱材の外側面側との間に前記目地板が介在される構成とすることができる。
また、前記目地板と、それに対向される前記束部の前記拡幅部及び前記保護コンクリート部とが、嵌合構造によって接合されている構成とすることができる。
また、前記束部間の開口を埋めるように前記断熱材が配置されるとともに、前記目地板は、前記束部の前記開口側の端面を覆うように配置される構成とすることができる。ここで、前記目地板から前記束部及び前記保護コンクリート部の内部にそれぞれ延伸されるアンカー部を備えていることが好ましい。
また、前記断熱材は、下部に前記保護コンクリート部側に突出する突出部を有している構成とすることができる。さらに、前記底板部の側面並びに前記束部及び前記保護コンクリート部の外側面に、面一となるように被覆層が設けられる構成とすることができる。そして、前記束部及び前記断熱材の内部側に基礎断熱材が配置される構成とすることもできる。
このように構成された本発明の建物の基礎構造は、スラブ状に形成された底板部の上面の周縁に沿って間隔を置いて配置された複数の束部間に、板状の断熱材が配置される。そして、断熱材の外側面側に現場打ちコンクリートによって形成される保護コンクリート部と束部との間には、保護コンクリート部よりも変形追従性の高い目地板が介在される。
このように、断熱材の外側面側を現場打ちコンクリートのような不燃性材料で覆うことで、防火性や耐久性などを高めることができる。さらに、変形追従性の高い目地板を保護コンクリート部と束部との間に介在させることで、ひび割れの発生を抑えることができる。
また、束部の内側面側に拡幅部を設け、保護コンクリート部の内側面側と拡幅部及び断熱材の外側面側との間に目地板を介在させる構成であれば、外側面側から内側面側まで連続して横断する継ぎ目の発生を抑えることができる。
さらに、目地板とそれに対向される束部の拡幅部及び保護コンクリート部とが嵌合構造によって接合されていれば、地震の揺れなどによって水平力が作用しても離れにくくすることができる。
また、束部間の開口を埋めるように断熱材が配置される場合に、束部の開口側の端面を覆うように目地板を配置するのであれば、束部と保護コンクリート部及び断熱材との間に仕切のように目地板を配置するだけで、簡単に構成することができる。このような場合には、目地板から束部及び保護コンクリート部の内部にそれぞれ延伸されるアンカー部を設けることで、地震の揺れなどによって水平力が作用しても離れにくくすることができる。
さらに、断熱材の下部に、保護コンクリート部側に突出する突出部が設けられていれば、断熱材と保護コンクリート部との一体性を高めることができる。また、底板部の側面並びに束部及び保護コンクリート部の外側面に連続した被覆層が設けられるのであれば、連続性と一体感のある外装の意匠を創出することが容易にできる。そして、束部及び断熱材の内部側に基礎断熱材を配置することで、より断熱性能の高い基礎構造とすることができる。
本実施の形態の建物の基礎構造の構成を拡大して説明する斜視図である。 建物の基礎構造の全体構成を説明する斜視図である。 図1のA−A矢視方向で見た平面図である。 図1のB−B矢視方向で見た断面図である。 実施例1の建物の基礎構造の構成を拡大して説明する斜視図である。 図5のC−C矢視方向で見た平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の建物の基礎構造10の構成を拡大して説明する斜視図であり、図2は、基礎構造10の全体構成を示している。
本実施の形態の基礎構造10は、場所打ちコンクリートで構築される建物のべた基礎である。すなわち基礎構造10は、図2に示すように、建物の基礎施工領域となる例えば平面視長方形領域に、鉄筋コンクリートによってスラブ状に構築された底板部としての基礎スラブ1と、その基礎スラブ1の周縁に間隔を置いて配置された複数の束部(2A,2B,2C)と、束部間に配置される板状の断熱材3と、断熱材3の外側面3a側に配置される保護コンクリート部5と、保護コンクリート部5と束部(2A,2B,2C)との間に介在される目地板7とによって、主に構成される。
基礎スラブ1は、図示は省略するが、水平方向に向けて格子状に配筋された複数の鉄筋によって構成される配筋部と、現地で打設されるコンクリート(現場打ちコンクリート)とによって主に構成される。
基礎スラブ1の下方には、図1に示すように、栗石や捨てコンクリートなどによって捨石層13が形成される。また、板状の基礎スラブ1の下部は、後工程において地面Gの下に埋め戻され(図4参照)、上部は地面Gから突出される。すなわち基礎スラブ1の側面12の上部及び上面11は、地面Gから突出されて露出された状態になる。
そして、図2に示すように、基礎スラブ1の周縁に沿って、複数の束部(2A−2C)が間隔を置いて配置される。ここで、基礎スラブ1の隅角部に配置される束部をコーナー束部2Aとし、コーナー束部2A,2A間に配置される束部を中間束部2B又はT型束部2Cとする。
束部(2A−2C)は、基礎スラブ1と一体になるように鉄筋コンクリートで構築される。基礎スラブ1と束部(2A−2C)を一度のコンクリート打設で構築することもできるし、別々にコンクリートを二度打ちして構築することもできる。ここで、コーナー束部2Aは平面視略L字形に成形され、中間束部2Bは平面視略長方形に成形され、T型束部2Cは平面視略T字形に成形される。
さらに、基礎スラブ1の内部にも、必要に応じてI型束部24や中央束部25が鉄筋コンクリートによって設けられる。対峙するT型束部2C,2C同士の交点には、平面視略長方形の中央束部25が配置され、中間束部2Bと中央束部25との間には、平面視略I字形のI型束部24が配置される。
ここで、図1及び図2を参照しながら、コーナー束部2Aを例にして束部の構成についてさらに説明する。コーナー束部2Aには、基礎スラブ1の上面11から壁状に立ち上げられる外側面21aが形成される。この外側面21aは、基礎スラブ1の側面12とほぼ連続する鉛直面を形成する。
また、束部(2A−2C)には、図3に示すように、内側面21b側に外側面21a側より拡幅された拡幅部26が形成される。すなわち、束部(2A−2C)は、両側の側縁部が開口側に突出しており、例えば中間束部2Bは、平面視略凸形に形成される。
コーナー束部2Aの上面には、アンカーボルト23を介して建物本体U(図4参照)を連結させるための補強プレート22が配置される。また、束部間の開口を埋めるように板状の断熱材3が配置される。すなわち、コーナー束部2Aと中間束部2Bとの間、中間束部2B,2B間、中間束部2BとT型束部2Cとの間の長方形の開口を塞ぐように長方形板状の断熱材3が配置される。
このような断熱材3は、1枚の断熱板によって形成することができるが、複数枚の断熱板を重ねて形成することもできる。この断熱板には、押出法ポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材が使用できる。
本実施の形態の建物の基礎構造10では、図3及び図4に示すように、突出部31と内側部32となる2枚の断熱板を重ねて断熱材3とする。突出部31は、束部(2A−2C)の外側面21a側に配置され、内側部32は、基礎スラブ1の内部側に配置される。図3に示すように、突出部31の束部間方向の長さとなる幅は、内側部32よりも短く、両者を中央で位置合わせすると、突出部31の両側に内側部32の両側の側縁部が突出する形状となる。
また、図4に示すように、突出部31の上面の高さは内側部32の上面の高さより低い位置になり、突出部31の上方は保護コンクリート部5によって覆われる。また、突出部31は、内側部32の厚さの半分程度の厚さに形成される。例えば、厚さ100mm程度の断熱材3を設けるために、厚さ60mm−70mm程度の内側部32となる断熱板と、厚さ30mm−40mm程度の突出部31となる断熱板とを組み合わせる。
この断熱材3の外側面3a側に設けられる保護コンクリート部5は、現場打ちコンクリートによって形成される。すなわち、保護コンクリート部5の内側面5bは、突出部31及び内側部32の外側面3aを型枠として形成される。このため、保護コンクリート部5の内側面5b側の下部には、突出部31の形状に合わせた凹状部51が形成される。
一方、図3に示すように、保護コンクリート部5の両側の側縁部と束部(2B)との間には、目地70となる隙間が設けられる。要するに、基礎スラブ1の周縁の延伸方向において、保護コンクリート部5と束部(2A−2C)とは離隔していて、連続していない。
さらに、保護コンクリート部5の両側の側縁部周辺において、保護コンクリート部5の内側面5bと断熱材3(内側部32)の外側面3a及び拡幅部26との間に、目地板7が介在される。
この目地板7は、保護コンクリート部5の上縁から下縁まで配置できるように、側面視略長方形の帯板状に形成される。要するに、一体の目地板7が、束部(2A−2C)の拡幅部26と断熱材3の内側部32の側縁部とに跨って配置される。
目地板7は、変形追従性の高い材料によって成形される。例えば、押出法ポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材が使用できる。例えば、ポリカーボネート樹脂を高倍率に発泡させることで硬質にして、防蟻性能などを高めた材料にもできる。ポリカーボネート樹脂材は、ポリスチレンフォームに比べて高い耐熱性能及び靭性を備えるとともに、セメント系材料との接着性能が高い。そして、発泡プラスチック系断熱材のようにコンクリートよりも変形追従性が高い材料によって目地板7を形成することで、束部(2A−2C)の変形が、直接、保護コンクリート部5に伝達されるのを防ぐことができる。
目地板7は、それに対向される束部(2A−2C)の拡幅部26及び保護コンクリート部5と、嵌合構造によって接合される。この嵌合構造は、目地板7に設けられる断面視略V字形の溝部71と、拡幅部26及び保護コンクリート部5側に設けられる断面視略V字形の凸部27,52とによって形成される。すなわち、目地板7の溝部71に嵌り込んだ凸部27,52との嵌合により、目地板7の幅方向(板面と略平行な水平方向)の力に対して対抗させることができる。
この目地板7によるV字形の凹凸嵌合の形状については、これに限定されるものではない。例えば、断面視略台形のアリ溝、断面視略U字形の溝、断面視略長方形の溝などのトリマーなどで容易に加工できる形状であれば、いずれの形状の溝部にすることもできる。
この目地板7の板面に設ける凹凸嵌合の溝形状の選定においては、1)付着強度、2)コンクリート打設時のジャンカ率、3)加工性、4)溝という欠損を設けたことによる強度低下、などが考慮される。
そこで、1)付着強度について検討すると、強度が高い方から、アリ溝>長方形溝>U字形溝>V字形溝となる。一方、2)ジャンカ率については、小さいほど良く、良好な順に、V字形溝<U字形溝<長方形溝=アリ溝となる。また、3)加工性については、作業効率の高い順で、V字形溝>U字形溝>長方形溝=アリ溝となる。さらに、4)欠損による強度低下については、少ないほど良く、強度低下が少ない順に、U字形溝<長方形溝=アリ溝<V字形溝となる。
ここで、4)の欠損による強度低下については、目地板7の厚みを付着力以上になるように設計することで回避できるため、重要な選定ポイントにはならない。そして、加工コストあたりの付着強度及び施工不良によるジャンカ率を考慮した場合に、V字形の溝部71が最も好ましくなるため、以下ではV字形溝を例に説明する。
本実施の形態では、目地板7の外側面7a側においては、拡幅部26に対向する位置と断熱材3の内側部32に対向する位置とに、それぞれV字形の溝部71,71が形成される。また、目地板7の内側面7b側においては、拡幅部26に対向する位置にV字形の溝部71が形成される。
一方、保護コンクリート部5の外側面5a側は、被覆層6によって覆われる。この被覆層6は、建物本体Uの外壁U1の外側面とほぼ面一となる。また、保護コンクリート部5の上縁は、建物本体Uの下縁から張り出された水切材U2によって覆われる。
さらに、束部(2A−2C)の内側面21b側及び断熱材3の内側部32の側面に沿って、図1及び図4に示すように、基礎断熱材4が配置される。この基礎断熱材4には、例えば微細な気泡構造の発泡プラスチック系断熱材(厚さ100mm程度)が使用できる。
また、面一に形成された基礎構造10の外側面には、図1に示すように、外装として連続した被覆層6を設けることができる。例えば、高弾性樹脂モルタルなどを塗布した下地層の表面に、塗装を仕上層として塗布することで被覆層6を形成することができる。
次に、本実施の形態の建物の基礎構造10の構築方法について説明する。
まず、基礎施工領域となる地面Gを掘削し、栗石(砕石)が敷き均された後に、捨てコンクリートを打設することで捨石層13を設ける。そして、捨石層13の上に基礎スラブ1用の鉄筋を配筋する。
また、基礎スラブ1用の鉄筋の上には、束部(2A−2C)並びにI型束部24及び中央束部25の配筋も行う。さらに、束部(2A−2C)の拡幅部26,26間の開口の形状に合わせて成形された断熱材3の内側部32を配置するとともに、内側部32の外側面3a側には、それよりも幅が狭い突出部31を配置する。
また、断熱材3の内側部32の両側の側縁部に沿って、目地板7,7を配置する。さらに、目地板7の側縁に略直交する隙間となる目地70を形成する箇所には、コンクリート硬化後に容易に除去が出来たり、隙間と同等と見なせたりするボイド材などを配置する。
そして、保護コンクリート部5の外側面5aを覆う位置や束部(2A−2C)の外側面21aとなる位置などに型枠を組み立て、現場打ちのコンクリートを打設する。ここで、コンクリートは、1度に打設することができるが、基礎スラブ1用とそれ以外の2度に分けて打設することもできる。
基礎スラブ1や束部(2A−2C)にコンクリートが打設されると、目地板7の溝部71に流れ込んだコンクリートが硬化して凸部27,52となる。また、突出部31が配置されてコンクリートが充填されなかった箇所が、保護コンクリート部5の凹状部51となる。
コンクリートの養生後に、型枠を撤去し、束部(2A−2C)や基礎スラブ1などの表面に付着しているコンクリートノロなどの汚れや異物を除去する。
そして、束部(2A−2C)の内側面21b及び断熱材3の内側部32の側面には、接着剤が塗布された基礎断熱材4を貼り付ける。さらに、断熱材3、保護コンクリート部5及び束部(2A−2C)の上面は、必要に応じて防水シートで覆うことができる。
そして、図1に示すように、束部(2A−2C)の外側面21aと基礎スラブ1の側面12と保護コンクリート部5の外側面5aとに、連続して高弾性樹脂モルタルを塗布して下地層を設け、その上から仕上層となる塗装をして被覆層6を完成させる。なお、被覆層6は、一度塗りで完成させることもできる。
次に、本実施の形態の建物の基礎構造10の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の建物の基礎構造10は、スラブ状に形成された基礎スラブ1の上面11の周縁に沿って間隔を置いて配置された複数の束部(2A−2C)間に、開口を埋めるように板状の断熱材3が配置される。
そして、断熱材3の外側面3a側に現場打ちコンクリートによって形成される保護コンクリート部5と束部(2A−2C)の拡幅部26との間には、保護コンクリート部5よりも変形追従性の高い目地板7が介在される。
このように、断熱材3の外側面3a側を現場打ちコンクリートのような不燃性材料の保護コンクリート部5で覆うことで、防火性を高めることができる。また、現場打ちコンクリートの付着力により、高い密着性を確保することができる。そして、現場打ちコンクリートは、安価で入手しやすい材料であるため、施工性に優れている。
さらに、変形追従性の高い目地板7を保護コンクリート部5と束部(2A−2C)との間に介在させることで、ひび割れの発生を抑えることができる。要するに、引張力が比較的小さい現場打ちコンクリートによる保護コンクリート部5に、目地板7を介して束部(2A−2C)の変形などによる力を作用させることで、ひび割れを起こすような応力が生じることを抑えることができる。
そして、束部(2A−2C)の内側面21b側に拡幅部26,26を設け、保護コンクリート部5の内側面5b側と拡幅部26及び断熱材3の外側面21a,3a側との間に目地板7を介在させる構成とすることで、外側面側から内側面側まで連続して横断する継ぎ目の発生を抑えることができる。
さらに、目地板7とそれに対向される束部(2A−2C)の拡幅部26及び保護コンクリート部5とが嵌合構造によって接合されていれば、地震の揺れなどによって水平力が作用しても離れにくくすることができる。また、大地震の揺れや外部衝撃などによって大きな水平力が作用しても、目地板7はその変形に追従できるので、防水性や防蟻性などの密着性能は保持される。
また、断熱材3の外側面3a側の下部に、保護コンクリート部5側に突出する突出部31が設けられていれば、保護コンクリート部5の凹状部51に突出部31が嵌り込んで、断熱材3と保護コンクリート部5との一体性を高めることができる。
さらに、束部(2A−2C)の外側面21aと保護コンクリート部5の外側面5aとが面一に形成されていれば、これらに跨る外装材などが設けやすくなるので、外装の意匠性を高めることが自由にできる。
また、基礎スラブ1の側面12側に突出部が発生しないので、外装パネルなどを使用する必要がなく、高い意匠性を保ちつつコスト削減を図ることを、制約の少ない中で自由に行うことができる。
そして、基礎スラブ1の側面12並びに束部(2A−2C)の外側面21a及び保護コンクリート部5の外側面5aに連続した被覆層6が設けられるのであれば、連続性と一体感のある外装の意匠を創出することが容易にできる。また、束部(2A−2C)及び断熱材3の内部側に基礎断熱材4を配置することで、より断熱性能の高い基礎構造とすることができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例1の建物の基礎構造10Aは、目地80の構成が前記実施の形態で説明した目地70の構成と異なっている。すなわち基礎構造10Aは、図5に示すように、底板部としての基礎スラブ1と、その基礎スラブ1の周縁に間隔を置いて配置された複数の束部(2D,2E)と、束部間に配置される板状の断熱材3Aと、断熱材3Aの外側面3a側に配置される保護コンクリート部5Aと、保護コンクリート部5Aと束部(2D,2E)との間に介在される目地板8とによって、主に構成される。
本実施例1では、基礎スラブ1の隅角部に配置される束部であるコーナー束部2Dと、コーナー束部2D,2D間に配置される中間束部2Eのみを束部として図示して説明するが、前記実施の形態と同様にT型束部などの束部も設けられる。
束部(2D,2E)は、基礎スラブ1と一体になるように鉄筋コンクリートで構築される。ここで、コーナー束部2Dは平面視略L字形に成形され、中間束部2Eは平面視略長方形に成形される。
また、実施例1の束部(2D,2E)は、断熱材3Aを配置する開口側の端面が、正面視略長方形の平面に形成される。すなわち束部(2D,2E)には、外側面21a及び内側面21bに対して略直交する端面が開口側に形成される。
そして、束部間の開口を埋めるように板状の断熱材3Aが配置される。すなわち、コーナー束部2Dと中間束部2Eとの間、中間束部2E,2E間などの長方形の開口を塞ぐように長方形板状の断熱材3Aが配置される。
このような断熱材3Aは、押出法ポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材などの断熱板によって形成することができる。本実施例1の建物の基礎構造10Aでは、図5及び図6に示すように、突出部31Aと内側部32となる2枚の断熱板を重ねて断熱材3Aとする。突出部31Aは、束部(2D,2E)の外側面21a側に配置され、内側部32は、基礎スラブ1の内部側に配置される。
図6に示すように、突出部31Aと内側部32は、束部間方向の長さとなる幅が同じに形成される。また、突出部31Aの上面の高さは内側部32の上面の高さより低い位置になり、突出部31Aの上方は保護コンクリート部5Aによって覆われる(前記実施の形態の図4参照)。また、突出部31Aは、内側部32の厚さの半分程度の厚さに形成される。
この断熱材3Aの外側面3a側に設けられる保護コンクリート部5Aは、突出部31A及び内側部32の上部の外側面3aを型枠として、現場打ちコンクリートによって形成される。
そして、保護コンクリート部5A及び断熱材3Aの両側の側縁部と束部(2E)との間には、目地80が設けられる。この目地80は、束部(2E)の外側面21a及び内側面21bに略直交するように設けられる。
そして、この目地80には、束部(2E)の開口側の端面を覆うように目地板8が配置される。すなわち、保護コンクリート部5A及び断熱材3Aの両側の側縁部と束部(2E)との間に、目地板8が介在される。
この目地板8は、束部(2E)の端面の上縁から下縁まで配置できるように、正面視略長方形の帯板状に形成される。要するに、一体の目地板8が、束部(2E)の外側面21a側から内側面21b側まで広がって、保護コンクリート部5Aと断熱材3Aとに跨るように配置される。
この目地板8は、前記実施の形態で説明した目地板7と同じ材料によって形成される。すなわち、変形追従性の高いポリカーボネート樹脂材や押出法ポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材などによって成形される。
目地板8は、それに対向される束部(2E)及び保護コンクリート部5Aと、嵌合構造によって接合される。この嵌合構造は、目地板8に設けられる断面視略台形のアリ溝となる溝部81と、束部(2E)及び保護コンクリート部5A側に設けられる断面視略台形の凸部27A,52Aとによって形成される。すなわち、目地板8の溝部81に嵌り込んだ凸部27A,52Aとの嵌合により、目地板8の幅方向(板面と略平行な水平方向)の力に対して対抗させることができる。なお、図6では、1枚の目地板8の3箇所に溝部81を設ける場合について説明したが、これに限定されるものではない。図示のように3箇所に溝部81を設けて、束部(2E)側と保護コンクリート部5A側の両方に対する付着力を高めた場合は、目地板8が厚さ方向に伸縮することによって変形に追従させることができる。一方、外側面側と内側面側の2箇所の溝部81にした場合でも、目地80に斜めに架け渡されるように目地板8が残っていれば、伸縮による変形追従によって隙間を塞ぎ続けることができる。
さらに、目地板8には、板面に略直交する方向に向けてアンカー部としてのビスアンカー82が取り付けられる。ビスアンカー82は、頭部が板面に引っ掛かるように、目地板8の板面に対して垂直に挿し込まれる。
ビスアンカー82は、断熱材3A側から束部(2E)の内部に延伸されるように取り付けられるものと、束部(2E)側から保護コンクリート部5Aの内部に延伸されるように取り付けられるものとがある。すなわち、ビスアンカー82は、目地板8を束部(2E)と保護コンクリート部5Aとに定着させるために設けられる。
また、ビスアンカー82は、鉛直方向に間隔を置いて複数本が取り付けられる。例えば、目地板8に対して、鉛直方向に均等に分布するように複数のビスアンカー82,・・・が配置される。
このように構成された実施例1の建物の基礎構造10Aでは、束部間の開口を埋めるように断熱材3Aが配置され、束部(2D,2E)の開口側の端面を覆うように目地板8が配置される。
こうした目地板8の配置であれば、束部(2D,2E)と保護コンクリート部5A及び断熱材3Aとの間に仕切のように配置するだけでよいため、簡単に構成することができる。また、このような目地板8の配置の場合であっても、目地板8から束部(2D,2E)及び保護コンクリート部5Aの内部にそれぞれ延伸されるビスアンカー82を設けることで、地震の揺れなどによって水平力が作用しても離れにくくすることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例1では、V字形や台形の凹凸嵌合によって目地板7,8の付着力を高める場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば目地板に穴を穿孔しておいて、その穴にコンクリートを充填することで凹凸嵌合を形成することができる。
10,10A:建物の基礎構造
1 :基礎スラブ(底板部)
11 :上面
12 :側面
2A,2D :コーナー束部(束部)
2B,2E :中間束部(束部)
2C :T型束部(束部)
21a :外側面
21b :内側面
26 :拡幅部
27,27A:凸部
3,3A :断熱材
3a :外側面
31,31A:突出部
4 :基礎断熱材
5,5A :保護コンクリート部
5a :外側面
5b :内側面
52,52A:凸部
6 :被覆層
7 :目地板
71 :溝部
8 :目地板
81 :溝部
82 :ビスアンカー(アンカー部)
U :建物本体(建物)

Claims (8)

  1. 現場打ちコンクリートで構築される建物の基礎構造であって、
    スラブ状に形成された底板部と、
    前記底板部の上面の周縁に沿って間隔を置いて配置された複数の束部と、
    前記束部間に配置される板状の断熱材と、
    前記断熱材の外側面側に現場打ちコンクリートによって形成される保護コンクリート部と、
    前記保護コンクリート部と前記束部との間に介在される前記保護コンクリート部よりも変形追従性の高い目地板とを備えたことを特徴とする建物の基礎構造。
  2. 前記束部は、内側面側に外側面側より拡幅された拡幅部が形成されており、前記拡幅部間の開口を埋めるように前記断熱材が配置されるとともに、
    前記保護コンクリート部の内側面側と前記拡幅部及び前記断熱材の外側面側との間に前記目地板が介在されることを特徴とする請求項1に記載の建物の基礎構造。
  3. 前記目地板と、それに対向される前記束部の前記拡幅部及び前記保護コンクリート部とが、嵌合構造によって接合されていることを特徴とする請求項2に記載の建物の基礎構造。
  4. 前記束部間の開口を埋めるように前記断熱材が配置されるとともに、
    前記目地板は、前記束部の前記開口側の端面を覆うように配置されることを特徴とする請求項1に記載の建物の基礎構造。
  5. 前記目地板から前記束部及び前記保護コンクリート部の内部にそれぞれ延伸されるアンカー部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の建物の基礎構造。
  6. 前記断熱材は、下部に前記保護コンクリート部側に突出する突出部を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建物の基礎構造。
  7. 前記底板部の側面並びに前記束部及び前記保護コンクリート部の外側面に、面一となるように被覆層が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物の基礎構造。
  8. 前記束部及び前記断熱材の内部側に基礎断熱材が配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建物の基礎構造。
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