JP2020117799A - めっき物の製造方法 - Google Patents

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【目的】 本発明は、金属めっき膜の表面粗さが小さいめっき物の製造方法を提供することを目的とする。【構成】 本発明のめっき物の製造方法は、平滑面を有する離型フィルム1にポリピロール塗料を塗布乾燥して塗膜層2を形成する工程1、塗膜層2を覆うように樹脂ワニス溶液をキャストしてキャストフィルム3を形成する工程2、離型フィルム1を剥離して平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を形成する工程3、塗膜層2の露出面に無電解めっき法により形成された金属めっき膜4を形成する工程4、を含む製造方法を特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、めっき物の製造方法に関する。
昨今、次世代移動通信システム「5G」の開発が進んでいる。
「5G」は、既存の周波数帯よりも高い周波数を利用し、信号帯域幅を広帯域化することで、通信速度の高速化を目指している。
また、周波数が高くなるにつれて、電流が表面に集中(所謂、表皮効果)し易くなっている。その結果、導体の表面粗さが大きいと、通信信号の伝送損失が大きくなるため、導体の表面粗さが小さい、すなわち導体の表面を平滑にしたものが求められている。
一方で、パターン化されためっき物として、例えば特許文献1記載のものが提案されている。具体的には、基材上に、高分子微粒子とバインダーと無機系フィラーを含む塗料をパターン印刷し、これにより形成された塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより、パターン化されためっき物を形成する方法が記載されている。
また、パターン印刷する方法として、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、パッド印刷などが記載されている。
特開2010−95776号公報
しかしながら、各印刷方法により形成された塗膜層の表面は粗くなり、その塗膜層上に形成された金属めっき膜の表面も粗くなった。その結果、電気が通る表面の距離が長くなるため、通信信号の伝送損失が大きくなり、通信速度の高速化に適するものではなかった。
そこで、本発明は、上記課題を解決し得る、即ち、本発明は、金属めっき膜の表面粗さが小さいめっき物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
本発明のめっき物の製造方法は、
平滑面を有する離型フィルムに、ポリピロール塗料を塗布乾燥して塗膜層を形成する工程1、
塗膜層を覆うように、樹脂ワニス溶液をキャストしてキャストフィルムを形成する工程2、
離型フィルムを剥離して、平滑な露出面を有する塗膜層が設けられたキャストフィルムを形成する工程3、
塗膜層の露出面に、無電解めっき法により形成された金属めっき膜を形成する工程4、を含む製造方法を特徴とする。
本発明により、金属めっき膜の表面粗さが小さいめっき物を得ることができる。
本発明のパターン状のめっき物を製造する際の説明図である。なお、図1の(工程3)と(工程4)の図は、図1の(工程1)と(工程2)の図を反転させた図である。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明のめっき物の製造方法は、
平滑面を有する離型フィルム1に、ポリピロール塗料を塗布乾燥して塗膜層2を形成する工程1、
塗膜層2を覆うように、樹脂ワニス溶液をキャストしてキャストフィルム3を形成する工程2、
離型フィルム1を剥離して、平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を形成する工程3、
塗膜層2の露出面に、無電解めっき法により形成された金属めっき膜4を形成する工程4、を含む製造方法を特徴とする。
[離型フィルム]
本発明の離型フィルム1としては、ポリピロール塗料を塗布する面が平滑であればよく、好ましくは、ポリピロール塗料を塗布した際、塗料がはじかれないものであればよい。本発明では、原子間力顕微鏡AFM(セイコーインスツル(株)製のSPA−300)を用いて測定した表面粗さRaが200nm以下のものを平滑な面という。
また、本発明の[工程3]における離型フィルム1を剥離する際、離型フィルムに塗膜層2が転写されずに、離型できるフィルムであればよい。なお、塗膜層2がパターンで形成された場合、本発明の[工程3]における離型フィルム1を剥離する際、離型フィルムに塗膜層2およびキャストフィルム3が転写されずに、離型できるフィルムであればよい。
また、離型フィルム1として、好ましくは中〜重剥離程度がよい。
ここでいう「中剥離」とは、剥離強度が4〜40mN/mmであり、
ここでいう「重剥離」とは、剥離強度が40mN/mmを超えるものである。
なお、本発明の剥離強度はJIS C5012に基づいて測定した値である。
[ポリピロール塗料]
本発明のポリピロール塗料は、ポリピロール微粒子を含む塗料であればよく、好ましくはポリピロール微粒子に加えて、バインダーやフィラーを含むものがよい。
(ポリピロール微粒子)
ポリピロール微粒子は、π−共役二重結合を有するピロールモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できるポリピロール微粒子を使用することもできる。
また、ポリピロール微粒子は、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10〜100nmとするのがよい。
また、ポリピロール微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、ポリピロール微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の5質量%以下(固形分比)となるようにするのがよい。
ポリピロール微粒子を分散する有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、ポリピロール微粒子は、導電性のポリピロール微粒子でよいし、還元性のポリピロール微粒子であってもよい。
ここでいう、導電性のポリピロール微粒子とは、0.01S/cm以上の導電率を有するπ−共役二重結合を有するポリピロール微粒子であり、
還元性のポリピロール微粒子とは、0.01S/cm未満の導電率を有するπ−共役二重結合を有するポリピロール微粒子である。
(バインダー)
バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ(N−ビニルカルバゾール) 樹脂、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂
、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
使用するバインダー量は、ポリピロール微粒子1質量部に対して、0.1質量部以上使用することができ、具体的には、ポリピロール微粒子1質量部に対して0.1質量部ないし60質量部の範囲である。バインダーが60質量部を超えると金属めっきが析出しにくくなる場合があり、バインダーが0.1質量部未満であると、塗料の粘度を上げ難く、塗料を塗布し難くなる。
(フィラー)
フィラーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、酸化チタン及びシリカ粒子などが挙げられる。
フィラーの使用量は、特に、限定されるものではないが、バインダー1質量部に対して0.1ないし30質量部の範囲であるのが好ましい。
フィラーの使用量が、バインダー1質量部に対して30質量部を超える場合、塗膜強度が低下して塗膜層が脆くなることがあり、また、0.1質量部未満となる場合、金属めっきが析出しにくくなることがある。
更に、ポリピロール塗料は、分散安定剤、増粘剤、インキバインダなどの樹脂を加えることも可能である。
本発明のポリピロール塗料は、上述の成分を含むことにより、その溶液の粘度を50cps以上に調製し易く、汎用の印刷機、例えば、グラビア印刷機、スクリーン印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機、ドライオフセット印刷機、パッド印刷機を用いて印刷(塗布)することができる。
また、例えば線幅が1mm以下の細線のパターンであっても精度良く印刷することができる。
[製造方法]
本発明におけるめっき物の製造方法は、例えば以下の方法が挙げられる。
平滑面を有する離型フィルム1に、ポリピロール塗料を塗布乾燥して塗膜層2を形成する工程1、
塗膜層2を覆うように、樹脂ワニス溶液をキャストしてキャストフィルム3を形成する工程2、
離型フィルム1を剥離して、平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を形成する工程3、
塗膜層2の露出面に、無電解めっき法により形成された金属めっき膜4を形成する工程4、を含むめっき物の製造方法。
[工程1]
図1の(工程1)に示すように、平滑面を有する離型フィルム1に、ポリピロール塗料を塗布乾燥して塗膜層2を形成する工程である。
ポリピロール塗料を塗布する際、平滑面を有する離型フィルム1に対して、図1の(工程1)に示すようにパターン状に塗布してもよいし、図示省略するが全面(ベタ)塗布でもよい。塗布する方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの方法で塗布することができる。また、ポリピロール塗料を塗布乾燥して形成される塗膜層2の厚みは、0.1〜20μmにするのがよい。
[工程2]
図1の(工程2)に示すように、[工程1]で形成された塗膜層2を覆うように、樹脂ワニス溶液をキャストしてキャストフィルム3を形成する工程である。
ここでいう「樹脂ワニス溶液」とは、反応性のない樹脂(高分子、ポリマー)を溶剤(溶媒)で希釈した溶液や、反応性を有する樹脂(高分子前駆体、プレポリマー)を溶剤(溶媒)で希釈した溶液である。なお、樹脂ワニス溶液をキャストして形成された樹脂ワニス溶液層を、加熱(焼成)すれば耐熱性の高いキャストフィルムを形成できる。
ここでいう「キャスト」とは、溶液を支持体上に展開して溶媒を揮発させてフィルムを得ることであり、本発明においては、[工程1]で形成された塗膜層2を覆うように樹脂ワニス溶液層を設け、溶剤(溶媒)を揮発させてキャストフィルム3を得ることである。また、キャストする装置や方法は、特に制限はないが、例えばバーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイヤーバー、ロールコーター、リップコーターなどを用いることができる。
また、キャストフィルム3の厚みは5〜30μmにするのがよく、塗膜層2の厚み以上にするのがより好ましい。
[工程3]
図1の(工程3)に示すように、離型フィルム1を剥離して、平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を形成する工程である。
離型フィルム1を剥離する方法は、特に制限はないが、全ての物理的方法を利用することができ、自動機などを使って物理的に剥離することができる。また、平滑な露出面を有する塗膜層2とは、平滑な面を有する離型フィルム1を剥離することにより、離型フィルム1の平滑な面と接触していた塗膜層2の面が露出し、その露出した面が平滑である。
また、図1の(工程1)に示すように、離型フィルム1に、塗膜層2がパターンで形成された場合、図1の(工程3)に示すように、平滑な露出面を有する塗膜層2が埋め込まれたキャストフィルム3となるが、離型フィルムに、塗膜層が全面(ベタ)で形成された場合、[工程3]において、離型フィルムを剥離すると、キャストフィルム上に、平滑な露出面を有する塗膜層が連続して設けられ、すなわち、平滑な露出面を有する塗膜層は連続した面となる。
[工程4]
図1の(工程4)に示すように、塗膜層2の平滑な露出面に、無電解めっき法により形成された金属めっき膜4を形成する工程である。
無電解めっき法としては、通常知られた方法に従って行うことができる。
即ち、[工程3]で形成された平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を、塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することにより金属めっき膜を設けることができる。
触媒液としては、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、塗膜層2中のポリピロール微粒子上に触媒金属が吸着され、結果的に、導電性のポリピロール微粒子となる。
次に、上記触媒液で処理された塗膜層2が設けられたキャストフィルム3は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これにより金属めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき品は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
形成される金属めっき膜4の厚さは、0.1〜10μmの範囲とするのが好ましく、0.3〜3.0μmの範囲とするのがより好ましい。
また、導電性のポリピロール微粒子を用いたポリピロール塗料から塗膜層2を形成した場合、脱ドープ処理を行った後に、無電解めっき法により金属めっき膜4を設けるのがよい。
脱ドープ処理としては、塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。
操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液で処理するのが好ましい。
特に、導電性高分子微粒子を含むめっき下地層は非常に薄いものであるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記脱ドープ処理により、塗膜層2中に存在する導電性のポリピロール微粒子は、還元性のポリピロール微粒子となり、触媒金属が吸着され易くなる。
また、必要に応じて、無電解めっき法により形成された金属めっき膜上に、電解めっき法による金属めっき膜を形成してもよい。
本発明の製造方法を用いれば、金属めっき膜の表面粗さが小さいめっき物が得られる。ここで、表面粗さが小さいとは、原子間力顕微鏡AFMを用いて測定した表面粗さRaが200nm以下のものであり、離型フィルムの表面粗さと同程度のものである。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(製造例1:ポリピロール塗料の調製)
スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え、20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。
得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分撹拌し、次いで0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(6mmol相当)を少量ずつ滴下し、4時間反応を行った。
反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエン中に黒色の導電性ポリピロール微粒子が分散したポリピロール系分散液を得た。
次に、バインダー樹脂溶液:バイロン(VYLON)23CS(非晶質ポリエステル樹脂:東洋紡績株式会社製)と無機フィラー:粉末シリカ アエロジル200(平均1次粒子径:12nm 日本アエロジル株式会社製)とを固形分比(質量比)がバインダー:無機フィラー=4:1.15となるように配合し、プレ攪拌後、3本ロールミルにて粉末シリカを分散させて、バインダー及び無機フィラーを含む分散液を得た。
次に、上記で調製したポリピロール系分散液に、前記で調製したバインダー及び無機フィラーを含む分散液を、固形分比(質量比)がポリピロール微粒子:バインダー:シリカ=1:4:1.15となるように配合し、攪拌、脱泡を行うことにより、固形分が約30%で、粘度が5000CPSとなるようにポリピロール塗料を調製した。
(実施例1)
[工程1]
図1の(工程1)に示すように、平滑な離型フィルム1(東洋紡(株)製のTN200:ポリエステル系フィルム)の表面上に、製造例1で調製したポリピロール塗料をスクリーン印刷機にて、パターン状に塗工し、100℃で10分間乾燥して、パターン状の塗膜層(めっき下地層)2を形成した。
[工程2]
続いて、図1の(工程2)に示すように、[工程1]で形成された塗膜層(めっき下地層)2を覆うよう、樹脂ワニス溶液を、ウェット膜厚100μmでキャストし、100℃で10分間乾燥し、キャストフィルム3を形成した。
[工程3]
続いて、図1の(工程3)に示すように、離型フィルム1を剥離して、平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を形成した。
[工程4]
続いて、図1の(工程4)に示すように、[工程3]で得られた平滑な露出面を有する塗膜層2が設けられたキャストフィルム3を、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して脱ドープ処理を行った。
続いて、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、平滑な露出面を有する塗膜層2に、パターン状の銅めっき膜4を形成し、パターン状のめっき物を得た。
(実施例2)
平滑な離型フィルム1(ユニチカ(株)製のTR1)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてパターン状のめっき物を得た。
(比較例1)
[工程1’]
平滑な基材(東洋紡(株)製のコスモシャインA4100:PETフィルム)の表面上に、製造例1で調製したポリピロール塗料をスクリーン印刷機にて、パターン状に塗工し、100℃で10分間乾燥して、パターン状の塗膜層(めっき下地層)を形成した。
[工程2’]
続いて、[工程1’]で得られたパターン状の塗膜層(めっき下地層)を、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して表面処理(脱ドープ処理)を行った。
続いて、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、パターン状の銅めっき膜を形成し、パターン状のめっき物を得た。
[試験例1]
実施例1、2、および比較例1で得られたパターン状のめっき物について、表面粗さ(Ra)、ピール強度の各評価を行い、その結果を表1に示す。なお、評価方法および評価基準は以下の通りとする。
<表面粗さ>
[評価方法]
得られたパターン状のめっき物について、金属めっき膜の表面粗さRaを、原子間力顕微鏡AFM(セイコーインスツル(株)製のSPA−300)を用いて測定した。なお、測定範囲は縦50μm、横50μmとし、当該範囲から無作為に選択した測定点3箇所の平均値を採用した。
<ピール強度>
[評価方法]
得られたパターン状のめっき物について、JIS C6471に基づき、銅めっき膜の180度ピール強度の測定を行った。

Claims (1)

  1. 平滑面を有する離型フィルムに、ポリピロール塗料を塗布乾燥して塗膜層を形成する工程1、
    塗膜層を覆うように、樹脂ワニス溶液をキャストしてキャストフィルムを形成する工程2、
    離型フィルムを剥離して、平滑な露出面を有する塗膜層が設けられたキャストフィルムを形成する工程3、
    塗膜層の露出面に、無電解めっき法により形成された金属めっき膜を形成する工程4、を含むめっき物の製造方法。

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