JP2020117422A - 弱酸性次亜塩素酸水の製造方法 - Google Patents

弱酸性次亜塩素酸水の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 イオン交換法により弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造するに際し、有効塩素のロスを低減し、より効率的に弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造できる方法を提供する。【解決手段】 次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸金属塩が溶解した水溶液からなる原料水溶液と、酸性イオン交換樹脂と、を接触させて分子型次亜塩素酸が溶解した弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造するに際し、分子型次亜塩素酸や過酸化水素などの酸化性物質が溶解した水溶液からなる酸化剤水溶液で予め処理した酸性イオン交換樹脂を使用する。【選択図】なし

Description

本発明は、弱酸性次亜塩素酸水の製造方法に関する。
水溶液中の次亜塩素酸は、pHによって存在形態が変化する。具体的には、pHが3〜6程度の弱酸性領域では殆どが分子型の次亜塩素酸(HClO)として存在し、pH9以上の塩基性領域では解離した次亜塩素酸イオン(OCl)としての存在が優勢となり、また強酸性領域(たとえばpH3未満)ではpHの低下に伴い塩素分子(Cl)の発生が優勢となる。これら存在形態の中で分子型次亜塩素酸(HClO)が極めて高い殺菌効果を有し、その殺菌効果はイオン型次亜塩素酸(OCl)の約80倍であるとも言われている。このような高い殺菌効果を有する分子型次亜塩素酸を多く含むpH3〜6の弱酸性次亜塩素酸水溶液は、人体に対する安全性も比較的高いことから、医療、歯科、農業、食品加工等、様々分野における除菌剤又は殺菌剤として使用されている。そして、近年では、介護施設、教育施設、商業施設等の公共施設や、一般家庭における除菌や殺菌の用途に使用されるようになり、その消費量は年々増加している。
このような弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造する方法としては、塩化ナトリウム水溶液を電気分解する電解法(特許文献1参照)、塩基性の次亜塩素酸塩水溶液に塩酸を加える塩酸法(特許文献2参照)及び次亜塩素酸塩水溶液からなる原料水溶液を酸性イオン交換樹脂で処理する方法(以下、単に「イオン交換法」ともいう。特許文献3、特許文献4)が知られている。
これら方法の中でも前記イオン交換法は、電解装置のような特殊な装置を必要とせず、また危険な塩素ガスが発生しにくく、簡便且つ安全に弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造するための方法として優れた方法である。
特開2011−111386号公報 特開2013−39553号公報 特表2011−509275号公報 特開2013−001620号公報
イオン交換法は、上記したような優れた利点を有するものであるが、本発明者等の検討により、有効塩素の利用率の点で改善の余地があることが判明した。すなわち、イオン交換法には、酸性イオン交換樹脂と原料水溶液とを均一に混合して接触させる所謂バッチ法と、カラム内などに固定化された酸性イオン交換樹脂に原料水溶液を流通させて接触させる所謂流通法(カラム法ともいう。)があるが、何れの方法においても、生成した分子状次亜塩素酸の一部が製造中に分解してしまい、原料水溶液中に含まれる有効塩素をロスしていることが明らかとなった。具体的には、バッチ法においては、酸性イオン交換樹脂と原料水溶液とを混合・撹拌している最中に、有効塩素濃度の減少が見られ、流通法においては、その初期において(流通による接触を開始してからしばらくの間)流出してくる水溶中に含まれる有効塩素濃度が0であるか又は極めて低いものとなっていることが明らかとなった。
そこで、本発明は、イオン交換法により弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造するに際し、有効塩素のロスを低減し、より効率的に弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造できる方法を提供することを目的とする。
一般に、水溶液中の分子型次亜塩素酸は、pHが約3〜6の弱酸性領域であっても、自己分解(2HClO→2HCl+O 及び/又は 3HClO→2HCl+HClO)や、有機物と接触した際の急速な還元分解〔HClO→HCl+(O)〕により消失してしまうことが知られている。
本発明者らは、このような知見に基づき前記有効塩素のロスは、酸性イオン交換樹脂の表面に、低濃度の分子型次亜塩素酸であってもこれを還元分解する様な強い活性点(以下、「表面還元性活性点」ともいう。)が存在することによるものではないかと考えた。そして、流通法においては流通開始後しばらくすると流出液中の有効塩素濃度は上昇して定常となるという事実から、前記活性点は分子型次亜塩素酸との接触により、徐々に消滅していると類推すると共に、当該類推を更に進めて、予め酸化剤で処理することにより前記課題を解決できるのではないかと考え、鋭意検討を行った。
その結果、酸性イオン交換樹脂1リットル当たり0.3mol当量以上1.0mol当量以下の酸化剤が還元されるまで、酸性イオン交換樹脂と酸化剤水溶液との接触を行うことで前記したような有効塩素のロスを低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酸性イオン交換樹脂と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液と、を接触させて金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行うことにより、分子状の次亜塩素酸を生成させるイオン交換工程を含んでなる弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法であって、酸性イオン交換樹脂と、酸化性物質が溶解した酸化剤水溶液と、を酸性イオン交換樹脂1リットル当たり0.3mol当量以上1.0mol当量以下の酸化剤が還元されるまで、酸性イオン交換樹脂と酸化剤水溶液と接触させる酸化処理工程を有する前処理工程を更に含んでなり、前記イオン交換工程では、前記前処理工程を経た酸性イオン交換樹脂と、前記原料水溶液と、を接触させることを特徴とする、前記製造方法である。
上記方法においては、前記酸化性物質が、分子型次亜塩素酸、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、及び有機過酸化物よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、であることが好ましく、前記酸性イオン交換樹脂は、弱酸性イオン交換樹脂であることが好ましい。さらに、前記前処理工程は、前記酸化処理工程で酸化された前記酸性イオン交換樹脂をイオン交換水又は純水で洗浄する洗浄工程を更に含むことが好ましい。
本発明の製造方法によれば、イオン交換法により弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造するに際し、前記酸化剤水溶液で予め酸性イオン交換樹脂を処理することにより、酸性イオン交換樹脂と前記原料水溶液の接触時に起こる分子型次亜塩素酸のロスを抑制することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、弱酸性次亜塩素酸水溶液をより効率よく製造することが可能となる。
前記前処理により分子型次亜塩素酸のロスが低減されるのは、恐らく、酸性イオン交換樹脂の表面に存在する、分子型次亜塩素酸の還元反応を引起すような活性点(表面還元性活性点)が、酸化剤処理により消滅したためであると思われる。
本発明の製造方法は、酸性イオン交換樹脂と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液と、を接触させて金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行うことにより、分子状の次亜塩素酸を生成させるイオン交換工程を含んでなる弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法であって、酸性イオン交換樹脂と、酸化性物質が溶解した酸化剤水溶液と、を、酸性イオン交換樹脂1リットル当たり0.3mol当量以上1.0mol当量以下の酸化剤が還元されるまで、酸性イオン交換樹脂と酸化剤水溶液と接触させる酸化処理工程を有する前処理工程を更に含んでなり、前記イオン交換工程では、前記前処理工程を経た酸性イオン交換樹脂と、前記原料水溶液と、を接触させることを特徴とする。
本発明の製造方法は、イオン工程を行う前に酸化剤水溶液を用いて酸性イオン交換樹脂を前処理する点に最大の特徴を有し、イオン工程自体は従来の方法と特に変わる点は無い。すなわち、本発明の製造方法の目的物である、分子状の次亜塩素酸が溶解した弱酸性の水溶液は、一般に弱酸性次亜塩素酸水溶液と呼ばれるものであり、イオン交換工程は、従来のイオン交換法と同様に、酸性イオン交換樹脂と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液と、を接触させて金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行い、分子状の次亜塩素酸を生成させるものである。
したがって、酸性イオン交換樹脂及び原料水溶液としては、従来のイオン交換法で使用できるものが特に制限なく使用でき、また、イオン交換工程も前処理を施した酸性イオン交換樹脂を使用する以外は従来のイオン交換法と同様に行うことができる。これらを含めて、以下に、本発明の製造方法について詳しく説明する。
1.前処理工程
本発明の製造方法における前処理工程は、酸化処理工程を含むものであれば特に限定されないが、酸化剤として分子状の次亜塩素酸以外のものを用いた場合には、当該酸化剤が生成物中に混入することを避けるために、前記酸化処理工程後、当該工程に引き続き水洗(洗浄工程)を行うことが好ましい。以下、これら工程について説明する。
〔酸化処理工程〕
酸化処理工程では、酸性イオン交換樹脂と、酸化性物質が溶解した酸化剤水溶液と、を接触させる。当該接触により、恐らく、酸性イオン交換樹脂の表面還元性活性点が酸化されて消滅したことによると思われるが、イオン交換工程において生成した分子型次亜塩素酸の分解が抑制されて有効塩素ロスを低減することができる。
酸化処理工程で使用する(処理される)酸性イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基(−SOH)を有する強酸性イオン交換樹脂やカルボキシル基(−COOH)を有する弱酸性イオン交換樹脂が使用される。このようなイオン交換樹脂は、通常、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を重合し、ジビニルベンゼンで三次元架橋した樹脂にイオン交換基として、スルホン酸基やカルボキシル基を導入した構造を有する。特に、イオン交換基としてカルボキシル基を有する弱酸性イオン交換樹脂は、緩衝作用を有し、大量に使用しても処理水溶液のpHを約5より低い値に低下させることがないので、処理中に塩素ガスを発生させる危険性がない。また、弱酸性イオン交換樹脂は、使用後に塩酸や硫酸水溶液などの薬剤で処理することにより、容易に再生することができる(イオン交換基を−COOHの形に戻すことができる)という特徴を有しており、安全性や取り扱いの良さから弱酸性イオン交換樹脂を使用することが好ましい。
酸化処理工程で使用する酸化剤水溶液は、酸化性物質が溶解した水溶液からなる。酸化剤水溶液が金属陽イオンを大量に含む場合には、当該金属陽イオンが酸性イオン交換樹脂のイオン交換基におけるHとイオン交換してしまうため、イオン交換工程におけるイオン交換能が低下してしまう。したがって、酸化剤水溶液中における金属陽イオン濃度は、低ければ低いほどよく、全く含まないことが最も好ましい。しかし、使用する酸化性物質(酸化剤)によっては、金属塩や金属化合物以外の酸化剤を用いた場合でも水溶液とした場合に金属陽イオンが含まれてしまうことがある。このような場合には、前処理工程でイオン交換能を低下させず、より効率的な製造方法とするためには、金属陽イオンの総価数等量(eq)を、イオン交換樹脂の総イオン交換等量(eq)に対して1/5以下、好ましくは1/10以下、より好ましくは1/15以下とすることが好ましい。
酸化剤水溶液に溶解する酸化性物質(酸化剤)は、水溶性を有し、酸化剤として機能する物質であって、構成元素として金属を含まない化合物が使用される。好適に使用できる酸化性物質を例示すれば、分子型次亜塩素酸、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、並びにメチルエチルケトンパーオキサイド及び過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物を挙げることができる。これらの中でも、水洗工程で洗浄しきれず残ってしまったとしても、物性や安定性に影響がない無機化合物から成る酸化剤が好ましく、さらに目的物と同じ成分である次亜塩素酸であることが最も好ましい。
酸化処理工程で使用する前記酸化性物質(酸化剤)の量は、前記酸性イオン交換樹脂1リットル当たり0.3mol当量以上であればよいが、十分な処理を行うために、特に0.35mol当量以上であることが好ましく、0.4mol当量以上であることが最も好ましい。また、その上限値は、前記接触条件を制御できる範囲であれば特に限定されるものではないが、過剰使用を防止するという観点から、同基準で2.0mol当量以下、特に1.5mol当量以下とすることが好ましい。
ここで、mol当量とは、酸化性物質中に酸化数が変化する原子のモル数に、酸化数の変化量を乗じた値である。例えば次亜塩素酸の場合、次亜塩素酸が還元した時に酸化数が変化する原子は、塩素であり、塩素のモル数は、次亜塩素酸と同モルとなる。また、次亜塩素酸から塩素イオンに還元した時の塩素の酸化数の変化は、+1から−1に変化するため、変化量は2となる。したがって、次亜塩素酸のmol当量は次亜塩素酸のモル数に2を乗じた値となる。
前記酸化剤水溶液における前記酸化性物質(酸化剤)の濃度は、処理する酸性イオン交換樹脂の量や使用する酸化剤水溶液の量、更には使用する酸化性物質の溶解度等に応じて前記酸化性物質(酸化剤)の総量が上記範囲となるように適宜決定すればよい。
酸化剤水溶液と酸性イオン交換樹脂を接触させる方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、酸性イオン交換樹脂と酸化性物質を同一容器内に入れ、均一な状態となるように混合・撹拌したりする方法(バッチ法)や、酸性イオン交換樹脂を充填したカラムに、酸化性物質を流す方法{カラム法(流通法ともいう。)}などが採用できる。
酸化処理工程では、所期の効果を得るために、前記酸化性物質が、酸性イオン交換樹脂1リットル当たり0.3mol当量以上1.0mol当量以下の量、還元されるまで、酸性イオン交換樹脂と酸化剤水溶液とを接触させる。上記下限値を下回る場合には、イオン交換工程における分子型次亜塩素酸の分解を十分に抑制できず、上限値を越える場合には、処理に要する時間が長くなるばかりでなく、酸性イオン交換樹脂が劣化し、却って効率が低下する。効果の観点から、酸性イオン交換樹脂1リットル当たりの酸化性物質の還元量(消費量)が、0.35mol当量以上0.9mol当量以下、特に0.4mol当量以上0.8mol当量以下となるように前記接触を行うことが好ましい。酸化性物質の還元量(消費量)は、開始後における酸化剤水溶液中の酸化性物質の濃度を分析することにより把握することができるが、予め実際に使用する酸性イオン交換樹脂及び酸化剤水溶液について、実際の接触条件(たとえば、バッチ処理法の場合は、両者の量、接触時間、及び接触温度等、流通処理法の場合は、両者の量、空間速度、接触温度等)での処理時間と酸化性物質の還元量(消費量)との関係を調べておき、所定の消費量となる時間処理するようにすればよい。酸化剤水溶液中の酸化性物質の濃度の測定は、例えば液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィーなどの分析方法の中から酸化物質に応じて適宜選択して行うか、又は過酸化水素濃度計や有効塩素濃度計など、特定の酸化物質に特化した測定装置を用いて行うことができる。なお、酸化性物質が、分子型次亜塩素酸及び/又は二酸化塩素である場合には、有効塩素濃度の変化で消費量を評価してもよい。
〔洗浄工程〕
洗浄工程は、酸化剤として分子状の次亜塩素酸以外のものを用いた場合には、当該酸化剤が生成物中に混入することを避けるために、任意で行う処理であり、当該洗浄工程では、酸化処理工程後の前記酸性イオン交換樹脂を、イオン交換水及び/又は純水(蒸留水)で洗浄する。イオン交換水及び/又は純水(蒸留水)を使用するのは、酸化処理工程後の酸性イオン交換樹脂の交換容量を減少させないためであり、洗浄に使用するこれら水のイオン電導率は、3(mS/m)以下、特に2.5(mS/m)以下の水を使用することが好ましく、2(mS/m)以下の水を使用することが最も好ましい。
洗浄量や回数は特に制限はなく、酸化処理工程後に残存した余剰の酸化性物質および酸化性物質の還元によって生成した処理生成物が洗い流されていれば良い。酸化性物質や処理生成物が洗い流されているかを確認するための方法としては、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー、イオンクロマトグラフィー等の分析により確認する方法や、過酸化水素濃度計や有効塩素濃度計を用いた測定により確認する方法等が採用できる。ただし、毎回これら分析や測定による確認を行う必要はなく、予め予備実験を行い、十分な洗浄ができる条件を確認しておき、そのような条件を適用するようにしてもよい。
2.イオン交換工程
イオン交換工程では、前記前処理工程を経た酸性イオン交換樹脂と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液とを接触させ金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行うことにより、分子状の次亜塩素酸を生成させる。当該イオン交換工程は、酸性イオン交換樹脂として前記前処理工程を施したものを使用する以外は、従来のイオン交換法と特に変わる点はなく、原料水溶液や、原料使用液と酸性イオン交換樹脂との接触方法などについても従来のイオン交換法で使用される原料水溶液や方法が特に制限なく採用できる。
すなわち、原料水溶液に含まれる次亜塩素酸の金属塩としては、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜塩素酸カリウム(KClO)、次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO))、次亜塩素酸バリウム(Ba(ClO))などが使用できる。また、原料水溶液は、これら次亜塩素酸の金属塩を水に溶解させて製造してもよいが、次亜塩素酸ナトリウム水溶液である場合には、NaOHとClを電気分解することで製造してもよい。また、試薬等として販売されている次亜塩素酸塩を水に溶解させて水溶液としてもよく、さらに、試薬等として販売されている次亜塩素酸塩水溶液をそのまま又は水で希釈して用いてもよい。溶媒水や希釈水としては、前記水洗工程で使用したような低イオン電導率のイオン交換水及び/又は蒸留水を使用することが好ましい。さらに、前記酸性イオン交換樹脂前処理工程を経た酸性イオン交換樹脂と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液を接触させる方法としては、バッチ法や流通法(カラム法)などの公知の方法が特に制限なく採用できる。
以下、イオン交換法における好適な条件等について説明する。
まず、原料水溶液中の次亜塩素酸金属塩水溶液の濃度は、通常は、有効塩素濃度で表わして、10(ppm)〜50,000(ppm)の範囲であるが、接触方法により好適な範囲は若干異なる。すなわち、流通法(カラム法)の場合には、原料水溶液中に含まれる有効塩素濃度がたとえば100,000(ppm)と非常に高い場合には、イオン交換反応を終了させるために、理論段数を増やす必要性があるが、その場合、カラムの長さを長くすることとなり、その分生成したHClOが接触する時間が長くなる。前記酸化処理工程で酸性イオン交換樹脂の酸化されやすい部分を酸化したとしても、それ以上酸化されないわけではなく、酸化されるスピードが遅くなるが、少しずつ酸化されてしまう。したがって、長時間生成したHClOと接触した場合、不可逆的に起こる一定量の分解の影響を受けて、分子型次亜塩素酸の収率(溶液中に残存する分子型次亜塩素酸モル当量/原料水溶液中の次亜塩素酸金属塩モル当量に対応する)が低くなる傾向がある。このため、製造を効率的に行うという観点から、カラム法の場合における原料水溶液の濃度は、10(ppm)〜50,000(ppm)特に30(ppm)〜10,000(ppm)であることが好ましく、取り扱い易さ等を考慮すると50(ppm)〜5,000(ppm)であることが最も好ましい。
一方、バッチ法の場合には、原料水溶液中の有効塩素濃度がたとえば10(ppm)未満と低い場合には、カラム法と同様に、不可避的に起こる一定量の分解の影響を受けて、前記収率が低くなる傾向がある。また、前記有効塩素濃度がたとえば100,000(ppm)と非常に高い場合には、撹拌中の樹脂との接触頻度が多くなり、生成したHClOがより多く分解することによって前記収率が低下する傾向がある。このため、製造を効率的に行うという観点から原料水溶液の濃度は、500(ppm)〜50,000(ppm)、特に1,000(ppm)〜50,000(ppm)であることが好ましく、取り扱い易さ等を考慮すると5,000(ppm)〜30,000(ppm)であることが最も好ましい。
次に、接触させる酸性イオン交換樹脂の総量と原料水溶液の総量の比(混合比ともいう。)については、酸性イオン交換樹脂の総イオン交換等量が、次亜塩素酸の金属塩の金属イオンの総化学当量と同じかそれ以上となるようにすれば良い。ただし、酸性イオン交換樹脂のうち弱酸性イオン交換樹脂を使用した場合には、イオン交換反応が進むにつれ徐々にpHが低下していき、金属イオンの吸着と脱着が平衡に達する。また、金属イオンは、生成した弱酸性次亜塩素酸水の保存安定性を低下させる。したがって、生成する弱酸酸性次亜塩素酸水の保存安定性の観点から、弱酸性イオン交換樹脂を使用した場合の、イオン交換樹脂と次亜塩素酸の金属塩の水溶液の混合比は、弱酸性イオン交換樹脂の総イオン交換当量(EIE)と、原料水溶液中の金属イオンの総化学当量(EMI)との比(EMI/EIE)が0.01〜0.6、特に0.03〜0.55であることが好ましく、より高純度にすることにより保存安定性の向上を目指したり、弱酸性イオン交換樹脂の使用量を抑え、製造コストを低減したりという観点から、0.05〜0.5となるような量比とすることが好ましい。
なお、弱酸性イオン交換樹脂の総イオン交換当量(EIE)とは、イオン交換樹脂のもつすべての交換基が作用した場合のイオン交換能力を意味し、単位は当量(eq)である。例えば、総イオン交換容量が3.9(eq/L-樹脂)の弱酸性イオン交換樹脂100(ml)を使用した場合、イオン交換樹脂の総イオン交換当量は、EIE=0.39(eq)となる。また、原料水溶液の金属イオンの総化学当量(EMI)とは、原料である次亜塩素酸の金属塩の水溶液中に含まれる、金属イオンの価数の和を意味し、単位は当量(eq)で示される。例えば、原料である次亜塩素酸の金属塩の水溶液がNaClONaであり、有効塩素濃度が2000(ppm)で容量が1(L)の場合、原料水溶液の金属イオンの総化学当量は、EMI=0.028(eq)となる。
イオン交換工程における液温、すなわちイオン交換反応時の反応温度は、5℃以上40℃以下、特に10℃以上35℃以下であることが好ましい。液温がこのような範囲であれば取り扱いも容易で温度制御に要するコストも低く抑えることができるばかりでなく、製造される弱酸性次亜塩素酸水溶液中の金属イオンの低減や分子状次亜塩素酸の分解抑制が容易となる。具体的には、液温が5℃未満の場合には、イオン交換反応のスピードが遅くなり、十分なイオン交換を行うために必要な混合時間が120分を超えてしまい、金属イオン量を減少させることが困難となってしまう。一方、温度が40℃を越える場合には、原料である次亜塩素酸の金属塩の水溶液や生成した分子型次亜塩素酸の分解が促進されるとともに、分子型の次亜塩素酸の揮発も促進されることから、溶液の有効塩素濃度が大幅に低下してしまう。
イオン交換工程におけるイオン交換反応時間は、金属イオンが十分に吸着できる時間であれば特に限定されるものではない。ただし、バッチ法において弱酸性イオン交換樹脂を使用した場合には、混合時間が120分を越えると、長時間イオン交換樹脂と接触することで、生成した分子型の次亜塩素酸が徐々に分解する。分解によって発生するHCl(強酸)は、弱酸性イオン交換樹脂に吸着している金属イオンを脱離する作用を有するため、溶液内の金属イオン量が増加し、保存安定性が低下してしまうため、混合時間は120分以内が好ましい。このような点に注意することにより、バッチ法でもpHが7以下で、有効塩素濃度(CEC)に対する金属イオンの総濃度(CMI)の比(CMI/CEC)が0.5以下となる弱酸性次亜塩素酸水を得ることができる。
本発明の方法で得られる弱酸性次亜塩素酸水は、除菌剤又は殺菌剤として有用であり、様々な除菌・殺菌用途で使用される。また、その使用態様は特に限定されず、例えば、噴霧器を用いて目的水溶液を噴霧することによって所定の空間を除菌又は殺菌してもよいし、パレットなどの容器に溜めた目的水溶液に除菌又は殺菌対象物である道具、器具、布等を浸漬して、これらを除菌又は殺菌してもよいし、目的水溶液をしみこませた布などにより、壁、床、机、椅子等を清拭してもよい。本発明の方法で得られる弱酸性次亜塩素酸水溶液は、殺菌力が高く、人体に対する安全性も比較的高い分子型次亜塩素酸を含み、且つその濃度も安定していることから、医療器具や機器の簡易的な除菌に適しており、また、口腔内の除菌用のうがい液としても使用可能である。
得られた弱酸性次亜塩素酸水溶液は、そのままこれら用途に使用することもできる。しかし、得られた弱酸性次亜塩素酸水溶液を商品とした場合の輸送コストや保管スペース等を考慮すると、高い有効塩素濃度の目的水溶液からなる濃厚原液を、使用者が使用時に、使用態様に応じて好ましい有効塩素濃度となるように、水道水等の水で都度希釈して使用することが好ましい。前記したように、本発明の方法では、原料水溶液の有効塩素濃度が数千〜数万ppmのときの収率が高く、たとえば10,000(ppm)程度の有効塩素濃度を有する弱酸性次亜塩素酸水溶液を効率的に製造できるため、上記したような希釈して使用する際の濃厚原液の製造方法として有効である。ただし、有効塩素濃度が高すぎる場合には取り扱いに注意を要し、塩素系殺菌剤について専門的な知識を有さない一般人による使用を考える場合には、濃縮原液における有効塩素濃度は100(ppm)以上1,000(ppm)以下、特に300(ppm)以上800(ppm)以下であることが好ましい。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより何等制限されるものではない。
先ず、実施例及び比較例で使用した、酸化性物質、次亜塩素の金属塩の水溶液、イオン交換樹脂等について説明する。
[酸化性物質]
・有効塩素濃度7500(ppm)の弱酸性次亜塩素酸水(金属陽イオン濃度:1719質量ppm、株式会社トクヤマデンタル社製)
・濃度30.0〜35.5%の過酸化水素水(富士フィルム和光純薬株式会社製)。
[次亜塩素酸金属塩水溶液]
・有効塩素濃度12.0(wt%)のNaClO水溶液(ネオラックススーパー:供給元 島田商店)。
[酸性イオン交換樹脂]
<強酸性イオン交換樹脂>
・アンバーライトIR120B(オルガノ株式会社製):総イオン交換容量2.0(eq/L)、以下、「IR120B」と略記する。
<弱酸性イオン交換樹脂>
・アンバーライトIRC−76(オルガノ株式会社製):総イオン交換容量3.9(eq/L)、以下、「IRC76」と略記する。
・ダイヤイオンWK401(三菱ケミカル株式会社製):総イオン交換容量4.4(eq/L)、以下、「WK401」と略記する。
・デュオライトC433LF(住化ケムテックス株式会社製):総イオン交換容量4.2(eq/L)、「433LF」と略記する。
実施例1〜11
(1)弱酸性次亜塩素水溶液の製造
(1−1)酸性イオン交換樹脂の前処理・酸化処理工程
(1−1−1)バッチ法:実施例1〜9
前記有効塩素濃度7500ppmの弱酸性次亜塩素酸水および濃度30.0〜35.5%の過酸化水素水を、それぞれイオン電導率が3(mS/m)以下のイオン交換水で希釈して有効塩素濃度および過酸化水素濃度が夫々表1に示す濃度となるようにして酸化剤水溶液を調製した。
Figure 2020117422
次に、酸性イオン交換樹脂を表2に示す体積量計りとり、夫々表2に示す量の前処理剤を添加し、表2に示す反応後の濃度となるまでテフロン(登録商標)フッ素樹脂製撹拌羽を用いて酸性イオン交換樹脂が均一に分散するように撹拌して混合を行った。撹拌終了後、樹脂が沈降するまで静置させ、デカンテーションにより上澄み液である前処理剤を除去した。
Figure 2020117422
(1−1−2)カラム法:実施例10
前記有効塩素濃度7500ppmの弱酸性次亜塩素酸水を、イオン電導率が3(mS/m)以下のイオン交換水で希釈して有効塩素濃度822ppmとなるようにして酸化剤水溶液(金属陽イオン濃度:188質量ppm)を調製した。次に、酸性イオン交換樹脂を100ml計りとり、カラムに充填した。前処理剤3000mlを流速2ml/秒で流した。
(1−2)前処理・洗浄工程
(1−2−1)バッチ法:実施例1〜9
前記酸化剤水溶液を除去した酸性イオン交換樹脂に、イオン電導率が3(mS/m)以下のイオン交換水を表3に示す量を添加し、10秒間テフロンフッ素樹脂製撹拌羽を用いて酸性イオン交換樹脂が均一に分散するように撹拌した。撹拌終了後、樹脂が沈降するまで静置させ、デカンテーションにより上澄み液である洗浄液を除去した。有効塩素濃度および過酸化水素濃度を測定し、15ppm以下となるまで洗浄を繰り返した。

















Figure 2020117422
(1−2−2)カラム法:実施例10
前記酸化処理後の酸性イオン交換樹脂を充填したカラムに、イオン電導率が3(mS/m)以下のイオン交換水2100mlを流速2ml/秒で流した。流したイオン交換水の最後の30mlを採取し、有効塩素濃度を測定し、10ppmであることを確認した。
(1−3)イオン交換工程
(1−3−1)バッチ法:実施例1〜9
前記12%NaClO水溶液をイオン電導率が3(mS/m)以下のイオン交換水で希釈して有効塩素濃度が夫々表4の有効塩素濃度となるよう調整して、原料水溶液を調製した。洗浄工程後の酸性イオン交換樹脂に、夫々表4に示す量の原料水溶液を添加し、表4に示す混合時間および温度でテフロンフッ素樹脂撹拌羽を用いて酸性イオン交換樹脂が均一に分散するように撹拌して混合を行った。撹拌中、混合液のpHをモニターし、pHが低下して3分間内のpHの変化が±0.3となった時点で撹拌を停止し、撹拌時間を混合時間とした。撹拌終了後、樹脂が沈降するまで静置させ、デカンテーションにより上澄み液である次亜塩素酸水溶液を、樹脂が入り込まないように#200の濾布を通してポリエチレン容器に回収した。












Figure 2020117422
(1−3−2)カラム法:実施例10
前記12%NaClO水溶液をイオン電導率が3(mS/m)以下のイオン交換水で希釈して有効塩素濃度が855ppmとなるよう原料水溶液を調製した。洗浄後の酸性イオン交換樹脂を充填したカラムに、調製した原料水溶液1000mlを流速2ml/秒で流し、流出した弱酸性次亜塩素酸水をポリエチレン容器に回収した。
(2)評価方法
(2−1)有効塩素濃度測定
(1)で製造した弱酸性次亜塩素酸水溶液の一部をサンプル溶液とし、当該サンプル溶液を原料溶液の有効塩素濃度に応じ、下記希釈倍率でイオン交換水を用いて希釈し、測定用試料を調製し、有効塩素濃度測定キットAQ−202型(柴田科学株式会社)にて希釈後の有効塩素濃度を測定した。測定結果及び希釈倍率からサンプル溶液の有効塩素濃度を求めた。
・原料溶液の有効塩素濃度301〜900ppm:希釈倍率3倍
・原料溶液の有効塩素濃度901〜3000ppm:希釈倍率10倍
・原料溶液の有効塩素濃度3001〜15000ppm:希釈倍率50倍
・原料溶液の有効塩素濃度15001〜120000ppm:希釈倍率500倍。
(2−2)pH測定
pHメーターF−55型(株式会社堀場製作所)を用いて、(1)で製造した弱酸性次亜塩素酸水溶液の一部をサンプル溶液とし、当該測定サンプル液のpHを測定した。
(2−3)Naイオン濃度測定
(1)で製造した弱酸性次亜塩素酸水溶液の一部をサンプル溶液とし、当該測定サンプル液を原料溶液のナトリウムイオン濃度に応じ、下記希釈倍率でイオン交換水を用いて希釈し、測定用試料を調製し、Naイオンメーター(株式会社堀場製作所)を用いて、測定サンプルのNaイオン濃度を測定した。測定結果及び希釈倍率からサンプル溶液のNaイオン濃度を求めた。
・原料溶液のNaイオン濃度101〜500ppm:希釈倍率5倍
・原料溶液のNaイオン濃度501〜5000ppm:希釈倍率50倍
・原料溶液のNaイオン濃度5001〜20000ppm:希釈倍率200倍。
(3)得られた弱酸性次亜塩素酸水の評価
表1〜4に示した条件で弱酸性次亜塩素酸水を製造し、製造した弱酸性次亜塩素酸水の有効塩素濃度、pH、Naイオン濃度、CMI/CEC値と、有効塩素残存率を表5に示す。ここで、有効塩素残存率とは、製造した弱酸性次亜塩素酸水の有効塩素濃度を原料水溶液の有効塩素濃度で除した数値(%)であり、その値が100%に近いほど製造中に減少する有効塩素が少ないことを意味する。
Figure 2020117422
比較例1
表2に示した酸性イオン交換樹脂を用い、前処理工程を行うことなく、表4に示す条件でバッチ法(比較例1−1)及びカラム法(比較例1−2)でイオン交換工程を行い、弱酸性次亜塩素酸水溶液を製造し、実施例と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例1〜10は、本発明の製造方法における各条件を全て満足するものであり、有効塩素濃度残存率は78%以上であった。一方比較例1は、酸性イオン交換樹脂の前処理を行わなかった場合であるが、残存率がバッチ法では71%、カラム法では29%であった。

Claims (4)

  1. 酸性イオン交換樹脂と、次亜塩素酸の金属塩の水溶液からなる原料水溶液と、を接触させて金属イオンと水素イオンとのイオン交換を行うことにより、分子状の次亜塩素酸を生成させるイオン交換工程を含んでなる弱酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法であって、
    酸性イオン交換樹脂と、酸化剤水溶液と、を前記酸性イオン交換樹脂1リットル当たり0.3mol当量以上1.0mol当量以下の前記酸化性物質が還元されるまで、接触させる酸化処理工程を有する前処理工程を更に含んでなり、前記イオン交換工程では、前記前処理工程を経た酸性イオン交換樹脂と、前記原料水溶液と、を接触させることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 前記酸化性物質が、分子型次亜塩素酸、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、及び有機過酸化物よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記酸性イオン交換樹脂が弱酸性イオン交換樹脂である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記前処理工程が、前記酸化処理工程で酸化された前記酸性イオン交換樹脂をイオン交換水又は純水で洗浄する洗浄工程を更に含む、請求項1乃至3の何れかに記載の製造方法。
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