JP2020116790A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】バリア性を有する上層フィルム(剥離層)と、内容物を入れた容器の開口部を封止する下層フィルム(剥離残層)からなる複合フィルムを用い、使用時には容易に上層フィルム(剥離層)を下層フィルム(剥離残層)から剥離でき、その剥離界面は衛生的に保たれる蓋材に使用される積層フィルムの提供。【解決手段】フランジ付き成形容器10の開口部12を覆い、成形容器周縁のフランジ部分と密封シールされる蓋材に使用される積層フィルムであって、上層フィルム50と下層フィルム40の2枚の積層フィルムからなり、下層フィルム40は第1層41と、ポリエチレンテレフタレート層43を有し、上層フィルムは前記ポリエチレンテレフタレート層43のコロナ処理がされていない面に少なくとも一部が接合される押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60と、第2層53とを備える、積層フィルム。【選択図】図2

Description

この発明は、食品や医薬品などの容器に用いられる、蓋材に使用される積層フィルムに関する。
液体飲料、流動食、シロップ、液体薬などの食品、医薬品等の包装容器として、フランジ部を有する容器本体と、容器本体のフランジ部上面に接合されるシート状の蓋材とよりなるものが知られている。蓋材は、通常、バリア性を有する上層フィルムと、内容物を入れた容器の開口部を封止する下層フィルムからなる複合フィルムを用いており、下層フィルムは上層フィルム、および容器本体のフランジと接合される。上層フィルムが下層フィルムに接合されている状態では、下層フィルムが上層フィルムによって閉じられているため、外気には接触せず衛生性が保たれる。使用する際は、上層フィルムを下層フィルムから剥離し、下層の面にストロー等の管を貫通させ、管を介して内容物を利用することができる。
このような食品、医薬品などといった製品を包装するための包装容器の蓋材には、様々なタイプの積層フィルムが使用される。包装容器に必要とされる特徴および機能性として、使用時には消費者が容器内の内容物を容易に利用できるように「開封が容易」であること、かつ開封後(上層フィルムを下層フィルムから剥離後)には上層フィルムと下層フィルムの層界面の衛生性が保たれていること、さらに流通時、保管時などでは、内容物の変質などを防ぐためのバリア性が施されていることが望ましい。
特許文献1で提案されている発明に依れば、外側から蓋材は上層(バリア層)/分離層/下層(通気層)が順次積層された複合フィルムからなる蓋材であって、前記分離層としては易剥離層と接着性樹脂層とからなり、剥離時には前記易剥離層の凝集剥離になるような工夫がなされている。
しかしながら、この機構では剥離後の剥離界面に前記易剥離層や前記接着性樹脂層、場合によっては各層が移行してその両方が残ってしまう。これにより、剥離界面を介して使用する場合の食品、医薬品用途には衛生的に不向きである。
また、特許文献2には、包装容器のフランジ部分と一工程のシールで密封が可能で、上層と下層に分離可能な蓋材として、蓋材をプルタブから引き剥がすことで容易に包装容器から剥離可能で、かつ、上層と下層に分離可能な蓋材が提案されている。
この蓋材は、外側から上層(基材)/分離層/下層(通気層)が順次積層された複合フィルムからなる蓋材であって、前記分離層がポリマーアロイ単層からなることを特徴とする分離可能な蓋材である。
しかしながら、この蓋材においては、剥離境界となる前記プルタブ基部は、剥離きっかけとなる、下層のみを貫通するハーフカット線をシール外周とフランジ外周の間に設けなければならずこの工程が面倒である。
特開2003−237811号公報 特開2006−131233号公報
本発明は上記の事情を鑑みてなされたもので、食品、医薬品などといった製品を包装するための包装容器の蓋材に使用される積層フィルムであって、バリア性を有する上層フィルムと、内容物を入れた容器の開口部を封止する下層フィルムからなる複合フィルムであり、使用時には容易に上層フィルムを下層フィルムから剥離でき、その剥離界面は衛生的に保たれる積層フィルムを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、フランジ付き成形容器の開口部を覆い、成形容器周縁のフランジ部分と密封シールされる蓋材に使用される積層フィルムであって、前記蓋材は上層と下層の2枚の積層フィルムからなり、下層は第1層と、ポリエチレンテレフタレート層を有し、上層は前記ポリエチレンテレフタレート層のコロナ処理がされていない面に少なくとも一部が接合される押出エチレン・メタクリル酸共重合体層と、第2層とを備える積層フィルムである。
次に請求項2に係る発明は、フランジ付き成形容器の開口部を覆い、成形容器周縁のフランジ部分と密封シールされる蓋材に使用される積層フィルムであって、前記蓋材は上層と下層の2枚の積層フィルムからなり、下層は第1層と、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層を有し、上層は前記押出エチレン・メタクリル酸共重合体層に少なくとも一部がポリエチレンテレフタレート層のコロナ処理がされていない面に接合されている、第2層とを備える積層フィルムである。
また請求項3に係る発明は、前記ポリエチレンテレフタレート層と前記押出エチレン・メタクリル酸共重合体層とが接合されていない剥離開始部を含む請求項1または2に記載の積層フィルムである。
また請求項4に係る発明は、前記剥離開始部は前記ポリエチレンテレフタレート層および前記押出エチレン・メタクリル酸共重合体層の一方の縁が他方の縁から突出している請求項3に記載の積層フィルムである。
また請求項5に係る発明は、前記第1層はシーラント層を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルムである。
本発明の積層フィルムを、食品、医薬品などの包装容器の蓋材に用いることによって、使用時には容易に上層を下層から剥離でき、その剥離界面を衛生的に保つことができる。
実施形態の蓋材を用いたパッケージの斜視図。 図1のX-X線に沿う断面図。 図2の積層フィルムが層間剥離している途中の断面図。 図1のX-X線に沿う別形態の積層フィルムの断面図。 図2の積層フィルムの層間剥離が完了し、内容物を使用している状態の断面図。 実施例1の層構成を示す図。 実施例2の層構成を示す図。 比較例1の層構成を示す図。 比較例2の層構成を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態の一例を具体的に説明する。図1に示されるパッケージ1は容器10、および、容器10の開口12を閉じる蓋20を備え、蓋20は、本発明の積層フィルム30によって構成される。積層フィルム30は下層フィルム40と上層フィルム50の2枚の積層フィルムからなる。容器10のの種類は任意に選択できる。図1では、容器10はボトルであるが、そのほかにトレイ、カップ、または、袋でもよい。容器10に収容される内容物100は任意に選択できる。内容物100の一例は医薬品および食品である。医薬品の一例は粉末ナトリウムである。食品の一例はヨーグルトである。容器10に収容される内容物100の状態は液体または固体である。
容器10を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、容器10は積層フィルム30を構成する下層フィルム40の第1層41と容易にヒートシールできる材料によって構成される。容器10を構成する材料の一例はポリエチレンである。容器10は内容物100を収容する収容部11、および、内容物100が通過する開口12を備える。
蓋20は開口12を閉じるように開口12の天面12Aに接合される。蓋20と容器10との接合形態は種々の形態から選択できる。第1例では、蓋20と容器10との接合形態はヒートシールである。第2例では、蓋20と容器10との接合形態は接着である。第3例では、蓋20と容器10との接合形態は粘着である。
<積層フィルム30の層構成>
(実施形態1)
蓋20は積層フィルム30によって構成される。図2に示される積層フィルム30は下層フィルム40と上層フィルム50とが押出ラミネート法によって接合されたフィルムである。押出ラミネート法の1例はサンドイッチラミネート法である。積層フィルム30は上層フィルム50が下層フィルム40から容易に剥離(以下「層間剥離」)できるように構成される。また積層フィルム30が層間剥離した場合に下層フィルム40の剥離界面30Aには、粘着剤などが存在しない。このため、容器10に収容されている内容物100の衛生状態が保たれる。
下層フィルム40は例えば、第1層41、中間層42、および、ポリエチレンテレフタレート層43が積層された3層構造を備える。第1層41は容器10の天面12Aと接合される。一例では、第1層41は天面12Aの全面と接合される。第1層41はシーラント層41Aを含む。
シーラント層41Aを構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、シーラント層41Aを構成する材料は容器10とヒートシールできるように、容器10を構成する材料と同じ材料、または、容器10にヒートシール可能な材料である。このため、第1層41を容器10等に容易にヒートシールできる。
中間層42は第1層41とポリエチレンテレフタレート層43との間に積層される。中間層42を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、中間層42は積層フィルム30が層間剥離された場合に下層フィルム40が破断しないように第1フィルム40の強度が高められる材料によって構成される。中間層42を構成する材料の一例は二軸延伸ポリプロピレンである。
ポリエチレンテレフタレート層43はコロナ処理がされていない面に押出コートラミネート法によって、上層の押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60と接合される。ポリエチレンテレフタレート層は、片面のみコロナ処理がされているものを使用しても良いし、両面がコロナ処理されていないものを使用しても良い。コロナ処理とはフィルムの表面にコロナ放電を施すことで、フィルム表面の高分子結合の主鎖や側鎖が切り離され、そこに放電大気中の酸素ラジカルやオゾン等が結合し、水酸基(OH)やカルボニル基(CO)などの極性官能基が形成され、親水性が付与される。これにより濡れ性が向上し、印刷適性や接着剤塗工性が向上する。一般的にラミネートすることを目的として販売されているポリエチレンテレフタレートフィルムはコロナ処理が行われており、コロナ処理が行われているポリエチレンテレフタレートフィルムは表面の濡れ性が50〜60程度であるのに対し、コロナ処理が行われていないポリエチレンテレフタレートフィルムの濡れ性は40近傍になっている。また、バリア性が必要な場合には中間層42は水蒸気バリア性や酸素バリア性を有する材料によって構成される。酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する材料の一例は酸化アルミニウムや二酸化珪素を蒸着した透明蒸着フィルムである。
上層フィルム50は例えば、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60、第1中間層51、第2中間層52、および、第2層53が積層された4層構造を備える。なお、別実施形態としては、第1中間層51、第2中間層52を含まない構成も可能である。第1中間層51は押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60と第2中間層52との間に積層される。第1中間層51を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、第1中間層51は第2中間層52と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60とが強く接合するようにポリエチレンによって構成される。
第2中間層52は第1中間層51と第2層53との間に積層される。第2中間層52を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、第2中間層52は積層フィルム30が層間剥離された場合に上層フィルム50が破断しないように、上層フィルム50の強度が高められる材料によって構成される。第2中間層52を構成する材料の一例はポリエチレンテレフタレートである。
第2層53を構成する材料は任意に選定できる。好ましい例では、第2層53はパッケージ1の流通過程において、容器10に収容されている内容物100を保護できるように酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する材料によって構成される。酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する材料の一例は酸化アルミニウムや二酸化珪素を蒸着した透明蒸着フィルムである。
図3に、下層フィルム最上面のポリエチレンテレフタレート層43と、上層フィルム最下面の押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60とが界面で層間剥離している途中の断面図を示す。
(実施形態2)
実施形態としては、層間剥離する界面がポリエチレンテレフタレート層43のコロナ処理がされていない面と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60の接合面であれば、層間剥離後容器10に残る層(以下剥離残層)は、ポリエチレンテレフタレート層43または押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60のどちらでも良い。実施形態1の場合は、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60が層間剥離した時に除去される剥離層であり、ポリエチレンテレフタレート層43が剥離残層となる。
実施形態2としては、ポリエチレンテレフタレート層43を剥離層、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60が剥離残層になる構成とすることも可能である。実施形態2としての層構成を図4に示す。
図4に示される積層フィルム30は、下層フィルム40と上層フィルム50とが押出ラミネート法によって接合されたフィルムである。下層フィルム40は例えば、第1層41、中間層42、および、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60が積層された3層構造を備える。
第1層41はシーラント層41Aを含み容器10にヒートシール可能な材料である。中間層42は第1層41と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60との間に積層される。中間層42を構成する材料の一例はポリエチレンテレフタレートである。押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60は押出コートラミネート法によって、ポリエチレンテレフタレート層のコロナ処理がされていない面に接合される。
また、バリア性が必要な場合には中間層42は水蒸気バリア性や酸素バリア性を有する材料によって構成される。酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する材料の一例は酸化アルミニウムや二酸化珪素を蒸着した透明蒸着フィルムである。
上層フィルム50は例えば、ポリエチレンテレフタレート層43、第1中間層51、第2中間層52、および、第2層53が積層された4層構造を備える。なお、別実施形態としては、第1中間層51、第2中間層52を含まない構成も可能である。
第1中間層51はポリエチレンテレフタレート層43と第2中間層52との間に積層される。好ましい例では、第1中間層51は第2中間層52とポリエチレンテレフタレート層43とが強く接合するようにポリエチレンによって構成される。
第2中間層52は第1中間層51と第2層53との間に積層される。好ましい例では、第2中間層52は積層フィルム30が層間剥離された場合に上層フィルム50が破断しないように、上層フィルム50の強度が高められる材料によって構成される。第2中間層52を構成する材料の一例はポリエチレンテレフタレートである。
好ましい例では、第2層53はパッケージ1の流通過程において、容器10に収容されている内容物100を保護できるように酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する材料によって構成される。酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する材料の一例は酸化アルミニウムや二酸化珪素を蒸着した透明蒸着フィルムである。
<層間剥離強度>
ポリエチレンテレフタレート層43と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60との剥離強度(以下「層間剥離強度」)は、容易に層間剥離を実施できるように設定される。層間剥離強度は、T型剥離強度試験によって測定される剥離強度である。T型剥離強度試験に用いられる積層フィルム30の形状は正方形である。積層フィルム30の一辺の長さは15mmである。剥離速度は300mm/minである。剥離の態様は上層フィルム50を下層フィルム40から剥離する態様である。
好ましい例では、層間剥離強度はパッケージ1の流通段階における層間剥離の発生のしにくさと、パッケージ1の使用段階における層間剥離のしやすさとの関係に基づいて決められる。層間剥離強度の最大値の一例は2.0N/15mmである。層間剥離強度が2.0N/15mm以下の場合、パッケージ1の使用段階においてユーザが容易に積層フィルム30の層間剥離を実施できる。層間強度の最小値の一例は0.1N/15mmである。層間剥離強度が0.1N/15mm以上の場合、パッケージ1の流通段階においてパッケージ1に衝撃が加わっても意図しない層間剥離が発生しにくい。層間剥離強度の好ましい範囲は0.1N/15mm〜2.0N/15mmである。
<剥離開始部>
図2に示されるように、積層フィルム30には、ポリエチレンテレフタレート層43と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60とが接合されていない剥離開始部30Bが設けられる。このため、ポリエチレンテレフタレート層43と押出エチレン・メタクリル酸
共重合体層60とを剥離する作業を容易に実施できる。剥離開始部30Bはポリエチレンテレフタレート層43および押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60の一方の縁が他方の縁から突出している。図2に示される例では、剥離開始部30Bは押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60の縁60Aがポリエチレンテレフタレート層43の縁43Aから突出している。図4に示される例では、剥離開始部30Bはポリエチレンテレフタレート層43の縁43Aが押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60の縁60Aから突出している。剥離開始部30Bを掴みやすいため、ポリエチレンテレフタレート層43と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60とを剥離する作業を一層容易に実施できる。
図3および図5を参照して、パッケージ1の使用方法の1例を説明する。パッケージ1はバリア性を有する第2層53を含む上層フィルム50が、下層フィルム40に接合されている状態で流通する。ユーザはパッケージ1の使用段階において、積層フィルム30の剥離開始部30Bを掴み、図3に示されるように、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60を下層フィルム40から剥離させる。積層フィルム30の層間剥離が完了した後、図5に示されるように、ユーザは希釈水注入用のストロー状の治具70を下層フィルム40に貫通するように突き刺す。剥離界面30Aには粘着剤等が存在しないため、下層フィルム40に治具70を貫通させる場合に収容部11に異物が混入しにくい。治具70を介して収容部11に希釈水が投入されることによって、内容物100の一例である塩化ナトリウム剤が希釈される。
パッケージ1によれば、次のような作用および効果が得られる。押出コートラミネートによってポリエチレンテレフタレート層43のコロナ処理がされていない面と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60とが接合される場合、ポリエチレンテレフタレート層43と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60とを容易に剥離できることが確認された。
本願発明者は実施例1および2と、比較例1および2の試料を用いて、積層フィルム30の層構成と層間剥離強度の関係を確認する試験を実施した。表1は試験の結果である。以下の説明では、説明の便宜上、比較例の試料における実施例の試料と共通する部分について同一の符号を付している。実施例の試料は、実施形態の層構成を備える積層フィルム30である。比較例の試料は、実施例の積層フィルム30とは異なる層構成を備える積層フィルム30である。
<実施例1>
実施例1の積層フィルム30の層構成を図6に示す。下層フィルム40と上層フィルム50とが押出ラミネート法によって接合されたフィルムである。下層フィルム40は、第1層41、中間層42、および、ポリエチレンテレフタレート層43(PET)が積層された3層構造を備える。第1層41はポリエチレン層(PE)である。中間層42は第1層41とポリエチレンテレフタレート層43との間に積層される。中間層42は二軸延伸ポリプロピレン(OPP)である。ポリエチレンテレフタレート層43のコロナ処理がされていない面には押出コートラミネート法によって、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60(押出EMAA)と接合される。上層フィルム50は、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60、第1中間層51、第2中間層52、および、第2層53が積層された4層構造を備える。第1中間層51はポリエチレン層(PE)である。第2中間層52はポリエチレンテレフタレート層(PET)である。第2層53は酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する酸化アルミニウムを蒸着した透明蒸着フィルムである。
<実施例2>
実施例2の積層フィルム30の層構成を図7に示す。実施例2の積層フィルム30は、
下層フィルム40と上層フィルム50とが押出ラミネート法によって接合されたフィルムである。下層フィルム40は、第1層41、中間層42、および、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60(押出EMAA)が積層された3層構造を備える。第1層41はポリエチレン層(PE)である。中間層42は第1層41と押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60との間に積層される。中間層42はポリエチレンテレフタレート層(PET)である。押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60は押出コートラミネート法によって、ポリエチレンテレフタレート層43のコロナ処理がされていない面に接合される。上層フィルム50は、ポリエチレンテレフタレート層43(PET)、第2層53の2層からなり、第2層53は、酸素バリア性や水蒸気バリア性を有する酸化アルミニウムを蒸着した透明蒸着フィルムである。
<比較例1>
比較例1の積層フィルム30の層構成を図8に示す。比較例1の積層フィルム30は下層フィルム40のポリエチレンテレフタレート層43のコロナ処理がされた面に押出コートラミネート法によって、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60(押出EMAA)と接合されている点において実施例1の積層フィルム30と相違し、その他の点において実施例1の積層フィルム30と同じ構成を備える。
<比較例2>
比較例2の積層フィルム30の層構成を図9に示す。比較例2の積層フィルム30は押出エチレン・メタクリル酸共重合体層60に代えて、押出ポリエチレン層60(押出PE)を備える点において実施例1の積層フィルム30と相違し、その他の点において実施例1の積層フィルム30と同じ構成を備える。
表1に、層間剥離強度の測定結果を示す。層間剥離強度測定は、積層フィルム30を15mm幅にカットし、300mm/minの速度で90度剥離し、剥離強度を測定した。また、表1中の層間剥離強度の測定の項目における「○」は層間剥離強度が0.1N/15mm〜2.0N/15mmに含まれる場合を示す。図5中の層間剥離強度の測定の項目における「×」は層間剥離強度が0.1N/15mm以下もしくは2.0N/15mm以上の場合を示す。表1中の項目の「シール前」は積層フィルム30を容器10に接合していない場合の積層フィルム30の層間剥離強度を示す。表1中の項目の「シール後」は積層フィルム30の第1層41をヒートシールによって容器10に接合した場合の積層フィルム30の層間剥離強度を示す。ヒートシールの条件は温度、圧力、時間、および、回数を含む。温度の条件は190℃である。圧力の条件は0.4MPaである。時間の条件は2.5秒である。回数の条件は3回である。
Figure 2020116790
表1に示されるように、実施例1および2の積層フィルム30によれば、シール前、およびシール後において、層間剥離強度が実施形態で示される好ましい範囲に含まれることが確認された。比較例1の積層フィルム30によれば、シール後に層間剥離強度が実施形態で示される好ましい範囲に含まれないことが確認された。比較例1の積層フィルム30のシール後の層間剥離強度は2.0N/15mm超であった。比較例2の積層フィルム30によれば、シール前、および、シール後ともに層間剥離強度が実施形態で示される好ましい範囲に含まれないことが確認された。比較例2の積層フィルム30のシール前、および、シール後の層間剥離強度は2.0N/15mm超であった。
なお、上記実施形態は本発明に関する積層フィルムおよびパッケージが取りうる形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する積層フィルムおよびパッケージは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。実施形態としては、層間剥離する界面がポリエチレンテレフタレート層43と押出エチレン・メタクリル
酸共重合体層60の接合面である構成であれば、他の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態も可能である。これらの変形した形態でも、層間剥離強度は実施例と同傾向を示すことが確認された。
以上から、本発明の積層フィルムを、食品、医薬品などの包装容器の蓋材に用いることによって、使用時には容易に上層フィルム(剥離層)を下層フィルム(剥離残層)から層間剥離でき、その剥離界面を衛生的に保つことができることが確認された。
1・・・パッケージ
10・・・容器
12・・・開口
30・・・積層フィルム
30B・・・剥離開始部
40・・・下層フィルム
41・・・下層フィルムに積層された第1層
42・・・下層フィルムに積層された中間層
43・・・ポリエチレンテレフタレート層
43A・・・縁
50・・・上層フィルム
51・・・上層フィルムに積層された第1中間層
52・・・上層フィルムに積層された第2中間層
53・・・上層フィルムに積層された第2層
60・・・押出エチレン・メタクリル酸共重合体層
60A・・・縁
100・・・内容物

Claims (5)

  1. フランジ付き成形容器の開口部を覆い、成形容器周縁のフランジ部分と密封シールされる蓋材に使用される積層フィルムであって、前記蓋材は上層と下層の2枚の積層フィルムからなり、下層は第1層と、ポリエチレンテレフタレート層を有し、上層は前記ポリエチレンテレフタレート層のコロナ処理がされていない面に少なくとも一部が接合される押出エチレン・メタクリル酸共重合体層と、第2層とを備える積層フィルム。
  2. フランジ付き成形容器の開口部を覆い、成形容器周縁のフランジ部分と密封シールされる蓋材に使用される積層フィルムであって、前記蓋材は上層と下層の2枚の積層フィルムからなり、下層は第1層と、押出エチレン・メタクリル酸共重合体層を有し、上層は前記押出エチレン・メタクリル酸共重合体層に少なくとも一部がポリエチレンテレフタレート層のコロナ処理がされていない面に接合されている、第2層とを備える積層フィルム。
  3. 前記ポリエチレンテレフタレート層と前記押出エチレン・メタクリル酸共重合体層とが接合されていない剥離開始部を含む請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記剥離開始部は前記ポリエチレンテレフタレート層および前記押出エチレン・メタクリル酸共重合体層の一方の縁が他方の縁から突出している請求項3に記載の積層フィルム。
  5. 前記第1層はシーラント層を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
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