JP2020114895A - 組成物、塗料、プレコートメタル、プレコートメタルの製造方法 - Google Patents

組成物、塗料、プレコートメタル、プレコートメタルの製造方法 Download PDF

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ヤンシェン セドリックチン
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Shiyousuu Aikawa
将崇 相川
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俊 齋藤
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Abstract

【課題】加工性に優れるプレコートメタルを製造できる塗料に用いられる組成物を提供する。また、塗料、プレコートメタル及びプレコートメタルの製造方法を提供する。【解決手段】CF3−CH=CHF及びCF3−CF=CH2からなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく単位を有する含フッ素重合体を含む組成物であって、E型粘度計を用いて25℃において測定される回転数50rpmにおける粘度η50に対する回転数5rpmにおける粘度η5の比で表されるチクソトロピーインデックスが0.50以上であり、プレコートメタル用塗料に用いられることを特徴とする組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、塗料、プレコートメタル、及び、プレコートメタルの製造方法に関する。
近年、塗料領域において、含フッ素重合体を含む塗料が広く検討されている。含フッ素重合体を含む塗料は、プレコートメタルの製造にも適用されている。
特許文献1には、フッ化ビニリデン単量体単位等を必須構成単位とする含フッ素共重合体、及び、硬化剤からなる溶剤型塗料用組成物が開示されており、上記溶剤型塗料用組成物はプレコートメタル用として好適である旨が記載されている。
特開平05−086321号公報
本発明者らは、特許文献1に記載の溶剤型塗料用組成物を検討した結果、上溶剤型塗料用組成物を使用して製造したプレコートメタルは、現在の基準に照らして、加工性が不十分になる場合があった。
そこで、本発明は、加工性に優れるプレコートメタルを製造できる塗料に用いられる組成物の提供を課題とする。また、塗料、プレコートメタル及びプレコートメタルの製造方法の提供も課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により課題を解決できるのを見出した。
〔1〕 CF−CH=CHF及びCF−CF=CHからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく単位を有する含フッ素重合体及び有機溶剤を含む組成物であって、
E型粘度計を用いて25℃において測定される回転数50rpmにおける粘度η50に対する回転数5rpmにおける粘度ηの比で表されるチクソトロピーインデックスが0.50以上であり、
プレコートメタル用塗料に用いられることを特徴とする組成物。
〔2〕 上記チクソトロピーインデックスが2.00以下である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 固形分の含有量が、上記組成物の全質量に対して、65〜90質量%である、〔1〕または〔2〕に記載の組成物。
〔4〕 上記含フッ素重合体の含有量が、上記固形分の全質量に対して、90〜100質量%である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕 上記含フッ素重合体が、架橋性基を有する単位を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕 上記含フッ素重合体が、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく、架橋性基を有さない単位を有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物。
〔7〕 上記含フッ素重合体が、CH=CH(CFF(nは1〜6の整数)に基づく単位を有する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物。
〔8〕 上記含フッ素重合体中、
CF−CH=CHF及びCF−CF=CHからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく単位の含有量が、上記含フッ素重合体の全単位に対して、40〜60モル%であり、
CH=CH(CFF(nは1〜6の整数)に基づく単位の含有量が、上記含フッ素重合体の全単位に対して、5〜20モル%である、〔7〕に記載の組成物。
〔9〕 上記含フッ素重合体のMnが10,000〜30,000である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の組成物。
〔10〕 更に、水を含み、上記水の含有量が、上記含フッ素重合体の100質量部に対して、0.010〜0.100質量部である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の組成物。
〔11〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の組成物を含む塗料であって、
上記塗料の全質量に対する固形分の含有量が65〜90質量%であり、
上記塗料の固形分の全質量に対する含フッ素重合体の含有量が10〜60質量%である塗料。
〔12〕 金属板と、上記金属板上に配置された、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の組成物を含む塗料を用いて形成された塗膜と、を有する、プレコートメタル。
〔13〕 〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の組成物を含む塗料を、塗装ガンを用いて金属板上に塗布して塗膜を形成する、プレコートメタルの製造方法。
本発明によれば、加工性に優れるプレコートメタルを製造できる塗料に用いられる組成物を提供できる。また、塗料、プレコートメタル及びプレコートメタルの製造方法も提供できる。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称であり、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。
単位とは、単量体が重合して直接形成された、上記単量体H分子に基づく原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。なお、重合体が有する全単位に対する、それぞれの単位の含有量(モル%)は、重合体を核磁気共鳴スペクトル(NMR)法により分析して求められる。
酸価及び水酸基価は、それぞれ、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて測定される値である。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定される、重合体の中間点ガラス転移温度である。ガラス転移温度はTgともいう。
数平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。数平均分子量はMnともいう。
チクソトロピーインデックスは、E型粘度計を用いて25℃において測定される、回転数50rpmにおける粘度η50に対する回転数5rpmにおける粘度ηの比(η/η50)である。
塗料が含む水分量は、水分測定装置を用いて測定される値である。より具体的には、例えば、水分気化装置VA−07を備えた電量滴定方式自動水分測定装置(CA−07型、ダイアンスツルメンツ社製品)を用い、加熱温度を120℃として、気化した水分をカールフィッシャー水分計にて測定した水分量を算出する。
塗膜の膜厚は、渦電流式膜厚計(商品名「EDY−5000」、サンコウ電子社製品名)を用いて測定される値である。塗膜が複数種の塗膜が積層されている積層構造を有する場合、各層の厚みは、エネルギー分散型X線分析装置を備えた走査型電子顕微鏡によって塗膜の断面を観察して得られる各層の厚みの比と、塗膜全体の膜厚とから算出される値である。
固形分とは、組成物又は塗料が溶媒を含む場合に、溶媒を除去して残存する成分である。なお、組成物又は塗料の固形分を構成する成分に関して、その性状が液体状であっても、固形分とみなす。固形分の質量は、組成物又は塗料の1gを130℃で20分加熱した後に残存する質量として求められる。なお、本明細書において、高固形分とは、溶媒と固形分との合計において、固形分の割合が高いことを意味する。具体的には、固形分の含有割合が、組成物又は塗料の全質量に対して65質量%以上である場合に、組成物又は塗料が高固形分であるとみなす。
本発明の組成物(以下、本組成物ともいう。)は、CF−CH=CHF及びCF−CF=CHからなる群から選択される少なくとも1種の単量体(以下、単量体Xともいう。)に基づく単位(以下、単位Xともいう。)を有する含フッ素重合体及び有機溶剤を含む組成物であって、チクソトロピーインデックスが0.50以上である。
本組成物がこのような構成をとることで本発明の課題を解決できる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
すなわち、本組成物はチクソトロピーインデックスが比較的高い値であるため、本組成物を含む塗料(以下、本塗料ともいう。)を製造した場合に、基材に塗布された塗料の粘度が高くなり、基材上の静止状態の塗料は形状変化を起こしにくい。一般的な塗料は基材上に塗布されると濡れ広がり、空隙などを含まない密な状態へと変化していく。一方で、本塗料はそのチクソトロピーインデックスの高さから基材上で形状変化を起こしにくく、その結果、含フッ素重合体同士が過密に配置されず、本塗料を用いて形成される塗膜(以下、「本塗膜」ともいう。)は、適度に疎であり柔軟性を有する。また、塗料中の単位Xが側鎖を有していることも、含フッ素重合体同士が過密に配置されることを抑制し、本塗膜の柔軟性に寄与する。このような本塗膜を有するプレコートメタルは、プレコートメタルを折り曲げても本塗膜の破断が生じにくく加工性に優れる、と本発明者らは考えている。
本組成物のチクソトロピーインデックスは、0.50以上であり、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる点から、0.50〜2.00が好ましく、0.60〜2.00がより好ましく、0.70〜1.50が更に好ましく、0.80〜1.20が特に好ましい。
本組成物の粘度は、塗料の塗工性が優れる点から、25℃にて50rpmで撹拌して測定される粘度が、300〜3,000mPa・sであるのが好ましく、400〜2,500mPa・sであるのが特に好ましい。
また、本組成物は特に、本組成物における固形分の割合が68〜85質量%である場合の、25℃にて50rpmで撹拌して測定される粘度が、1,000〜2,500mPa・sであるのがより好ましく、1,300〜2,300mPa・sであるのが特に好ましい。
なお、上記粘度は、JIS K 5600−2−3:2014に規定されるコーン・プレート粘度計法に準拠し、No.4のローターを使用して測定できる。
単位Xは、単量体Xに基づく単位である。単量体Xは、CF−CH=CHF及びCF−CF=CHからなる群から選択される少なくとも1種である。含フッ素重合体が単位Xを含むことにより、チクソトロピーインデックスを好適に調節できる。
中でも、単位Xは、CF−CH=CHFに基づく単位が好ましい。
つまり、単量体Xは、CF−CH=CHFが好ましい。
単量体Xは2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体中の単位Xの含有量は、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる点から、含フッ素重合体の全単位に対して、5〜100モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。
含フッ素重合体は、単位X以外にも、フルオロオレフィンに基づく単位(以下、単位Fともいう。)を有するのが好ましい。
フルオロオレフィンは、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたオレフィンである。フルオロオレフィンは、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンの具体例としては、CH=CH(CFF(nは1〜6の整数を表し、1が好ましい)、CF=CF、CF=CFCl、CF=CHF、CH=CF、CFCF=CF、CFCH=CF、CFCF=CHF、CFCH=CHCl、CFCCl=CH、CFCCl=CHF、CFCCl=CF、CFCF=CHCl、CFCH=CFClが挙げられる。
中でも、フルオロオレフィンとしてはCH=CH(CFFが好ましい。つまり、含フッ素重合体は、CH=CH(CFFに基づく単位を有するのが好ましい。
CH=CH(CFFは、主鎖と直接結合するフッ素原子を有さず、かつ、側鎖にパーフルオロアルキル基を有する。含フッ素重合体がこのようなモノマーに基づく単位を有すると、含フッ素重合体同士が適度に反発し、本塗膜を形成する際に含フッ素重合体同士が過密に配置されるのを抑制しやすく、本塗膜を柔軟にできると考えられている。このような本組成物を用いて製造されるプレコートメタルは加工性がより優れる。
単量体Fは2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体中の単位F(好ましくはCH=CH(CFFに基づく単位。)の含有量は、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる点から、含フッ素重合体の全単位に対して、2〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜20モル%が特に好ましい。
中でも、単位Xの含有量が、含フッ素重合体の全単位に対して、40〜60モル%であり、かつ、CH=CH(CFFに基づく単位の含有量が、含フッ素重合体の全単位に対して、5〜20モル%であるのが好ましい。
また、含フッ素重合体の全単位に対する、単位Xと単位Fの合計の含有量は、プレコートメタルの加工性の点から、含フッ素重合体の全単位に対して、25〜80モル%が好ましく、45〜70モル%が特に好ましい。
含フッ素重合体は、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる点から、架橋性基を有する単位(以下、単位Hともいう。)、及び、架橋性基を有さない単量体(以下、単量体Dともいう。)に基づく単位(以下、単位Dともいう。)からなる群から選択される少なくとも1種の単位を有するのが好ましい。
なお、単位H及び単位Dは、フッ素原子を有さない単位であるのが好ましい。
含フッ素重合体が単位Hを有する場合、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる。
単位Hは、架橋性基を有する単量体(以下、単量体Hともいう。)に基づく単位であってもよい。
また、単位Hを有する含フッ素重合体の架橋性基を、異なる架橋性基に変換させて得られる単位であってもよい。このような単位としては、ヒドロキシ基を有する単位を有する含フッ素重合体に、ポリカルボン酸やその酸無水物等を反応させて、ヒドロキシ基の一部又は全部をカルボキシ基に変換させて得られる単位が挙げられる。
単位Hは、架橋性基としてヒドロキシ基を有する単位であるのが好ましく、ヒドロキシ基を有する単量体に基づく単位であるのが特に好ましい。
ヒドロキシ基を有する単量体の具体例としては、ヒドロキシ基を有する、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、アリルアルコールが挙げられる。ヒドロキシ基を有する単量体としては、ヒドロキシビニルエーテル又はヒドロキシアリルエーテルが好ましい。
ヒドロキシ基を有する単量体の具体例としては、CH=CHO−CH−cycloC10−CHOH、CH=CHCHO−CH−cycloC10−CHOH、CH=CHO−CH−cycloC10−CH−(OCHCH15OH、CH=CHOCHCHOH、CH=CHCHOCHCHOH、CH=CHOCHCHCHCHOH、CH=CHCHOCHCHCHCHOHが挙げられ、CH=CHCHOCHCHOH又はCH=CHOCHCHCHCHOHが好ましく、CH=CHOCHCHCHCHOHが特に好ましい。
なお、「−cycloC10−」はシクロへキシレン基を表し、「−cycloC10−」の結合部位は、通常1,4−である。
単位Hとしては、ヒドロキシ基を有する単量体に基づく単位以外の単位、つまりヒドロキシ基を有さない単量体に基づく単位を有していてもよい。
ヒドロキシ基を有さない単量体に基づく単位が有する架橋性基の具体例としては、カルボキシ基、アミノ基、加水分解性シリル基、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。なお、加水分解性シリル基とは、加水分解してシラノール基を生成する基である。
カルボキシ基を有する単位Hは、カルボキシ基を有する単量体に基づく単位であってもよく、カルボキシ基に変換可能な基を有する単位を有する含フッ素重合体において、上記基をカルボキシ基に変換させて得られる単位であってもよい。このような単位としては、含フッ素重合体中の、ヒドロキシ基を有する単位に、ポリカルボン酸やその酸無水物等を反応させて、ヒドロキシ基の一部又は全部をカルボキシ基に変換させて得られる単位が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体としては、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ基を有する単量体のヒドロキシ基にカルボン酸無水物を反応させて得られる単量体等が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体の具体例としては、CH=CHCOOH、CH(CH)=CHCOOH、CH=C(CH)COOH、HOOCCH=CHCOOH、CH=CH(CHn11COOHで表される単量体(ただし、n11は1〜10の整数を示す。)、CH=CHO(CHn12OC(O)CHCHCOOHで表される単量体(ただし、n12は1〜10の整数を示す。)が挙げられ、フルオロオレフィンとの共重合性の点から、CH=CH(CHn11COOHで表される単量体又はCH=CHO(CHn12OC(O)CHCHCOOHで表される単量体が好ましい。
単量体Hは、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体が単位Hを有する場合、単位Hの含有量は、含フッ素重合体の全単位に対して、0.5〜40モル%が好ましく、5〜35モル%がより好ましく、10〜30モル%が特に好ましい。
含フッ素重合体が単位Dを有する場合、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる。
単量体Dとしては、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、又は、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、ビニルエーテル又はビニルエステルがより好ましく、ビニルエステルが特に好ましい。
つまり、単位Dは、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく単位であって、架橋性基を有さない単位が好ましい。
単量体Dの具体例としては、エチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオノナン酸ビニル(HEXION社商品名「ベオバ9」)、バーサチック酸ビニル、ネオデカン酸ビニル(HEXION社商品名「ベオバ10」)、安息香酸ビニル、tert−ブチル安息香酸ビニル、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
単量体Dは、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体が単位Dを有する場合、単位Dの含有量は、含フッ素重合体の全単位に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、15〜40モル%が更に好ましく、15〜25モル%が特に好ましい。
含フッ素重合体は、含フッ素重合体の全単位に対して、単位Xと、単位F(好ましくはCH=CH(CFFに基づく単位。)と、単位Hと、単位Dとを、この順に、20〜80モル%、2〜50モル%、0.5〜40モル%、5〜60モル%有するのが好ましく、40〜60モル%、5〜20モル%、5〜35モル%、10〜50モル%有するのが特に好ましい。
含フッ素重合体のMnは、2,000〜30,000が好ましく、10,000〜30,000がより好ましく、10,000〜20,000が特に好ましい。含フッ素重合体のMnが上記範囲内にあると、本塗膜の柔軟性が優れ、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる。
含フッ素重合体のTgは、本塗膜の強度と柔軟性がバランス良く優れる点から、−10〜100℃が好ましく、−7〜30℃がより好ましく、−5〜5℃が特に好ましい。
含フッ素重合体が水酸基価を有する場合、含フッ素重合体の水酸基価は、10〜150mgKOH/gが好ましく、30〜120mgKOH/gが特に好ましい。
含フッ素重合体が酸価を有する場合、含フッ素重合体の酸価は、10〜150mgKOH/gが好ましく、30〜120mgKOH/gが特に好ましい。
含フッ素重合体は、水酸基価のみを有してもよく、両方を有してもよい。
含フッ素重合体の酸価及び水酸基価の一方又は両方が上記範囲内にあると、本塗膜の耐久性が向上する。
含フッ素重合体は、公知の方法で製造されればよい。例えば、含フッ素重合体は、溶媒とラジカル重合開始剤の存在下、各単量体を共重合させて得られる。含フッ素重合体の製造方法としては、溶液重合が好ましい。含フッ素重合体の製造時又は製造後には、必要に応じて、重合安定剤、重合禁止剤、界面活性剤等が使用されていてもよい。
含フッ素重合体は、2種以上を併用してもよい。
本組成物における含フッ素重合体の含有量は、本組成物の固形分の全質量に対して、通常5〜100質量%であり、高固形分の組成物を得る点から、65〜100質量%であるのが好ましく、90〜100質量%であるのが特に好ましい。本発明における含フッ素重合体であれば、本組成物における含有割合が高くとも、本組成物の粘度を低くできる。
本組成物は、更に、有機溶剤を含む。
本組成物中で、上述の含フッ素重合体は、有機溶剤に溶解しているのが好ましい。
有機溶剤は、2種以上を併用してもよい。
本組成物中、有機溶剤の含有量は、本組成物の固形分の含有量が、65〜90質量%となる量が好ましく、67〜85質量%となる量がより好ましく、68〜75質量%となる量が特に好ましい。
本組成物は、固形分の含有量が65〜90質量%かつ固形分の全質量に対して含フッ素重合体を90〜100質量%含む場合のチクソトロピーインデックスが上述した範囲内にあることが好ましく、固形分の含有量が67〜85質量%かつ固形分の全質量に対して含フッ素重合体を90〜100質量%含む場合のチクソトロピーインデックスが上述した範囲内にあることがより好ましく、固形分の含有量が68〜75質量%かつ固形分の全質量に対して含フッ素重合体を90〜100質量%含む場合のチクソトロピーインデックスが上述した範囲内にあることが特に好ましい。
本組成物は、固形分の含有量が65〜90質量%かつ固形分の全質量に対して含フッ素重合体を90〜100質量%含む場合の粘度が上述した範囲内にあることが好ましく、固形分の含有量が67〜85質量%かつ固形分の全質量に対して含フッ素重合体を90〜100質量%含む場合の粘度が上述した範囲内にあることがより好ましく、固形分の含有量が68〜75質量%かつ固形分の全質量に対して含フッ素重合体を90〜100質量%含む場合の粘度が上述した範囲内にあることが特に好ましい。
有機溶剤は、常温(20〜25℃程度)で液状の有機溶剤が好ましい。有機溶剤の具体例としては、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素が挙げられ、メタノール、エタノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、酢酸ブチル、又は、ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン等)が好ましい。
本組成物は、本組成物のチクソトロピーインデックスを調節する点から、含フッ素重合体の100質量部に対して水を0.010〜0.100質量部含むのが好ましく、0.020〜0.080質量部含むのがより好ましく、0.030〜0.070質量部含むのが特に好ましい。
本組成物における水の含有割合は、本組成物のチクソトロピーインデックスを調節する点から、100〜1,000質量ppmが好ましく、150〜800質量ppmがより好ましく、250〜500質量ppmが特に好ましい。なお、ppmとは、partspermillionの略であり、100万分の1を意味する。
本組成物において、水は、有機溶剤中に溶解していてもよく、分散していてもよい。
本組成物は、例えば、含フッ素重合体及び有機溶剤を混合して得ればよい。
また、含フッ素重合体を有機溶剤中で重合して、得られた含フッ素重合体と有機溶剤との混合液をそのまま本組成物としてもよい。
本組成物が水を含む場合、含フッ素重合体の重合時に添加してもよく、含フッ素重合体を有機溶剤中で重合して得たのち、各成分の含有量を本組成物の範囲内になるよう適宜添加又は除去して得てもよい。
本塗料は、本組成物を含む。
本塗料は、本組成物そのものであってもよいし、本組成物及び本組成物以外の成分(後述する硬化剤等)を混合して得てもよい。
本塗料は、本塗料の全質量に対して本組成物の10〜90質量%と、本組成物以外の成分の10〜90質量%とを含むのが好ましく、本組成物の40〜60質量%と、本組成物以外の成分の40〜60質量%とを含むのが特に好ましい。
本塗料は、VOC(揮発性有機溶剤)含有量を低減し、かつ塗料の塗工性が優れる点から、本塗料における固形分の含有割合が65〜90質量%であるのが好ましく、70〜85質量%であるのが特に好ましい。
本塗料における含フッ素重合体の含有量は、塗料の固形分の全質量に対して、10〜60質量%が好ましく、30〜55質量%がより好ましく、40〜50質量%が特に好ましい。
本塗料は、塗料の塗工性が優れる点から、25℃にて50rpmで撹拌した場合の粘度が、100〜3,000mPa・sであるのが好ましく、200〜1,000mPa・sであるのがより好ましく、240〜600mPa・sであるのが特に好ましい。
本塗料は、更に、水を含むのが好ましい。
本塗料における水の含有割合は、30〜1,000質量ppmが好ましく、50〜400質量ppmが好ましく、80〜300質量ppmが特に好ましい。
本塗料は、含フッ素重合体の100質量部に対して水を0.010〜0.100質量部含むのが好ましく、0.020〜0.080質量部含むのがより好ましく、0.030〜0.070質量部含むのが特に好ましい。
水の含有量が上記範囲の上限以下であると、本塗料の安定性に優れ、ゲル化しにくい。また、水の含有量が上記範囲の上限以下であると、本塗料から形成される本塗膜の外観も優れる。
水の含有量が上記範囲の下限以上であると、特に本塗料がポリイソシアネートを含む場合に、製造されるプレコートメタルの加工性がより優れる。これは、本塗膜を形成する際に、ポリイソシアネートと水とが反応して二酸化炭素が発生するため、本塗膜を適度に疎な状態にでき、本塗膜が柔軟になるためと考えられる。
また、水の含有量が上記範囲の下限以上であると、特に本塗料がポリイソシアネートを含む場合に、本塗料の速乾性に優れる。したがって、工場でライン塗装され短時間での塗膜を形成させる必要があるプレコートメタル用の塗料として好適である。
本塗料は、本組成物以外の成分を含んでよい。
本組成物以外の成分としては、硬化剤、上述の含フッ素重合体以外の樹脂、硬化触媒、フィラー(シリカ等の無機フィラー、樹脂ビーズ等の有機フィラー等)、着色剤(染料、有機顔料、酸化チタン等の無機顔料、金属又はマイカ等を用いた光輝顔料等)、紫外線吸収剤、光安定剤、つや消し剤、レベリング剤、表面調整剤、脱ガス剤、充填剤、熱安定剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、防錆剤、シランカップリング剤、防汚剤、低汚染化処理剤、可塑剤、接着剤等が挙げられる。
また、本塗料は、本塗料の耐候性を向上させるために、炭素原子1個分の層厚みを有する単層又は多層のグラフェンを含んでいてもよい。グラフェンの層厚みは、0.1〜100nmであるのが好ましく、3.0〜10nmであるのが特に好ましい。本塗料であれば、高固形分であっても、グラフェンのように通常は分散しにくい化合物を良好に分散させて使用できる。
添加剤は、2種以上を併用してもよい。
本塗料は、本組成物以外の成分として、硬化剤を含むのが好ましい。
硬化剤は、含フッ素重合体が有する架橋性基(単位Hが有する架橋性基等)と反応し得る基を1分子中に2以上有する化合物である。
例えば、硬化剤と、含フッ素重合体が有するヒドロキシ基又はカルボキシ基とが反応すると、含フッ素重合体が硬化剤を介して架橋し、フッ素樹脂が形成される。硬化剤は、ヒドロキシ基又はカルボキシ基と反応し得る基を、2〜30個有するのが好ましい。
硬化剤としては、イソシアネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、又は、β−ヒドロキシアルキルアミド基等を1分子中に2以上有する化合物が好ましい。
含フッ素重合体がヒドロキシ基を有する場合、硬化剤としては、イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物であるポリイソシアネートが好ましい。
ポリイソシアネートとは、イソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物である。
ポリイソシアネートとしては、ポリイソシアネート単量体又はポリイソシアネート誘導体が好ましい。
ポリイソシアネート単量体としては、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、又は、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネート誘導体としては、ポリイソシアネート単量体の多量体又は変性体(アダクト体、アロファネート体、ビウレット体、イソシアヌレート体等)が好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートは、上述したポリイソシアネート単量体又はポリイソシアネート誘導体が有する2以上のイソシアネート基が、ブロック化剤によってブロックされている化合物であってもよい。
ブロック化剤は、活性水素を有する化合物であり、具体例としては、アルコール、フェノール、活性メチレン、アミン、イミン、酸アミド、ラクタム、オキシム、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピリミジン、グアニジンが挙げられる。
硬化剤の分子量は、100〜900が好ましく、200〜550が特に好ましい。
硬化剤の25℃における粘度は、含フッ素重合体と硬化剤との相溶性の点から、100〜900mPa・sが好ましく、200〜600mPa・sが特に好ましい。
硬化剤は、2種以上を併用してもよい。
本塗料が硬化剤を含む場合、硬化剤の含有量は、含フッ素重合体の全質量に対して、2〜50質量%が好ましく、5〜32質量%が特に好ましい。
本塗料は、本組成物以外の成分として、上述の含フッ素重合体以外の樹脂を含んでもよい。本発明における含フッ素重合体以外の樹脂としては、CF−CH=CHFに基づく単位及びCF−CF=CHに基づく単位のいずれも有さない含フッ素重合体、フッ素原子を有さない樹脂((メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)等が挙げられる。
本塗料は、例えば、各成分を順次又は同時に混合して製造できる。
本塗料は、プレコートメタルに用いられる基材に塗布して用いられる。言い換えると、本塗料は、基材に塗布してプレコートメタルを形成するのに用いられる、プレコートメタル用塗料である。
なお、プレコートメタルに用いられる基材は、通常、金属板である。
つまり、本塗料を用いれば、金属板と、金属板上に配置された本塗膜と、を有するプレコートメタルが得られる。
上記金属板を構成する金属の具体例としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫、チタン、鉛、銅、マグネシウム、マンガン、ケイ素、クロム、ジルコニウム、バナジウム、ニッケル、ビスマス等の金属を含む材料が挙げられる。金属としては、鉄又はアルミニウムが特に好適である。金属は、2種以上の金属を含む合金でもよい。
金属としては、耐候性の点から、鉄合金(鉄鋼、ステンレス等)又はアルミニウム合金が好ましく、鉄鋼が特に好ましい。
金属板は、公知の表面処理がなされていてもよい。表面処理としては、金属皮膜処理、化成処理等が挙げられる。金属皮膜処理の具体例としては、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっきが挙げられる。化成処理の具体例としては、クロメート処理、リン酸塩処理が挙げられる。
金属板上に下塗り塗膜を形成したのちに、下塗り塗膜上に本塗膜を形成してもよい。下塗り塗膜は、下塗り塗料を用いて形成すればよく、下塗り塗料としては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を含む塗料が挙げられる。
本塗膜は、金属板上に本塗料を塗布し、乾燥させて形成すればよい。
塗布方法の具体例としては、スプレーコート法、スキージコート法、フローコート法、バーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ダイコート法、インクジェット法、カーテンコート法、はけやへらを用いる方法が挙げられる。
中でも、本塗料の塗布方法は、塗装ガンを用いたスプレーコート法が好ましい。つまり、プレコートメタルは、本塗料を、塗装ガンを用いて金属板上に塗布して製造するのが好ましい。
本塗料が硬化剤を含む場合、塗布後に乾燥させて溶媒を除去したのち、加熱して硬化させるのが好ましい。乾燥温度は、通常、0〜50℃であり、乾燥時間は、通常、1分〜2週間である。加熱硬化温度は、通常50℃〜300℃であり、加熱硬化時間は、通常1分〜24時間である。
本塗膜の膜厚は、本塗膜の耐候性の点から、1〜1,000μmが好ましく、25〜500μmがより好ましく、40〜100μmが特に好ましい。
プレコートメタルは、金属板上の片面に本塗膜を有していてもよいし、両面に本塗膜を有していてもよい。また、金属板の面上の一部に本塗膜を有していてもよいし、全部に本塗膜を有していてもよい。
以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例に限定されない。なお、例1〜4は実施例であり、例5は比較例である。
(製造例1)
真空脱気したオートクレーブ内に、酢酸ブチル(400g)、CF−CH=CHF(291g)、CF−CH=CH(63g)、バーサチック酸ビニル(203g)、及び、ヒドロキシエブチルビニルエーテル(82g)を導入して撹拌下で昇温し、65℃に保持した。次いで、オートクレーブ内にtert−ブチルペルオキシピバレートの50質量%キシレン溶液を添加して重合を開始させ、15時間後にオートクレーブを水冷して重合を停止した。オートクレーブ内溶液をろ過した後、酢酸ブチルの一部を減圧留去するとともに水を添加して混合して、含フッ素重合体1を含む組成物1を得た。組成物1の固形分は69.9質量%であり、チクソトロピーインデックスは1.17であり、粘度は2,203mPa・sであり、組成物の全質量に対する水の含有量は447質量ppmであった。 含フッ素重合体1は、含フッ素重合体1が含む全単位に対して、CF−CH=CHFに基づく単位、CF−CH=CHに基づく単位、バーサチック酸ビニルに基づく単位、ヒドロキシブチルビニルエーテルに基づく単位を、この順に51モル%、13モル%、22モル%、14モル%含む重合体であった。含フッ素重合体1のMnは18,400であり、水酸基価は75mgKOH/gであった。
(製造例2および3)
製造例1において、添加する水の量を変更する以外は同様にして、含フッ素重合体1を含む組成物2および3を得た。
組成物2の固形分は69.9質量%であり、チクソトロピーインデックスは0.53であり、粘度は2,304mPa・sであり、組成物の全質量に対する水の含有量は1100質量ppmであった。
組成物3の固形分は69.9質量%であり、チクソトロピーインデックスは1.25であり、粘度は1,987mPa・sであり、組成物の全質量に対する水の含有量は50質量ppmであった。
(製造例4)
製造例1において、CF−CH=CHを添加せず、また各単量体の配合比を変更した以外は同様にして、含フッ素重合体4を含む組成物4を得た。
組成物4の固形分は70.0質量%であり、チクソトロピーインデックスは0.75であり、粘度は2,250mPa・sであり、組成物の全質量に対する水の含有量は451質量ppmであった。
含フッ素重合体4は、含フッ素重合体4が含む全単位に対して、CF−CH=CHFに基づく単位、バーサチック酸ビニルに基づく単位、ヒドロキシブチルビニルエーテルに基づく単位を、この順に67モル%、15モル%、18モル%含む重合体であった。含フッ素重合体4のMnは20,000であり、水酸基価は83mgKOH/gであった。
(製造例5)
KYNAR500(アルケマ社製、ポリフッ化ビニリデン)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解したのち、水を添加して組成物5を得た。組成物5の固形分は60質量%であり、チクソトロピーインデックスは2.79であり、粘度は295mPa・sであり、組成物の全質量に対する水の含有量は250質量ppmであった。
〔例1〕
組成物1、酸化チタン顔料(R−960、デュポン社商品)、硬化剤(N3390、Bayer社商品(ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体))、及び、酢酸ブチルを混合して塗料を得た。得られた塗料を、75mm×150mmのアルミニウム基材にアプリケーターを用いて塗布し、25℃で30分乾燥して溶媒を除去した後、200℃にて1分間加熱して、乾燥膜厚40μmの塗膜を形成した。これにより、組成物1を含む塗料からなる塗膜を有する塗膜付き基材を得て試験片1とし、後述の通り評価した。
〔例2〜5〕
例1において、塗料の成分を表1に示すように変更する以外は同様にして、試験片2〜5を得て、後述の通り評価した。
(水分量)
水分気化装置VA−07を備えた電量滴定方式自動水分測定装置(CA−07型、ダイアンスツルメンツ社製品)を用い、加熱温度を120℃として、気化した水分をカールフィッシャー水分計にて測定し、組成物中の水分量を算出した。
(粘度)
JIS K 5600−2−3:2014に規定されるコーン・プレート粘度計法に準拠し、No.4のローターを使用して、25℃において回転数50rpmにて組成物の粘度を測定した。
(チクソトロピーインデックス)
JIS K 5600−2−3:2014に規定されるコーン・プレート粘度計法に準拠し、No.4のローターを使用して、25℃における、E型粘度計による回転数が5rpmのときの粘度ηと、回転数が50rpmのときの粘度η50の粘度比(η/η50)を算出した。
(加工性)
円筒形マンドレル法(JIS K 5600−5−1)によって判定した。得られた試験片の塗膜面を外にして、規定された直径のマンドレルに沿って折り曲げたときに、塗膜に割れ、はがれ、基材からの浮き等の致命的な変状が生じない最小の直径を求め、以下の基準で評価した。直径が小さいほど加工性に優れ、プレコートメタル用途として最適である。
A:3.0mm以下
B:3.0mm超5.0mm以下
C:5.0mm超
下記表中、「含フッ素重合体に対する水分量」の欄は、各塗料又は組成物における、含フッ素重合体の100質量部に対する水の含有量(質量部)を示す。
「塗料の固形分」の欄は、塗料の全質量に対する固形分の含有量(質量%)を示す。
「含フッ素重合体/塗料の固形分」の欄は、塗料の固形分の全質量に対する含フッ素重合体の含有量(質量%)を示す。
本組成物を用いた塗料を用いた塗膜は割れや剥がれが生じにくく、本組成物を用いた塗料によれば加工性に優れるプレコートメタルを製造できることが確認された。

Claims (13)

  1. CF−CH=CHF及びCF−CF=CHからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく単位を有する含フッ素重合体及び有機溶剤を含む組成物であって、
    E型粘度計を用いて25℃において測定される回転数50rpmにおける粘度η50に対する回転数5rpmにおける粘度ηの比で表されるチクソトロピーインデックスが0.50以上であり、
    プレコートメタル用塗料に用いられることを特徴とする組成物。
  2. 前記チクソトロピーインデックスが2.00以下である、請求項1に記載の組成物。
  3. 固形分の含有量が、前記組成物の全質量に対して、65〜90質量%である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記含フッ素重合体の含有量が、前記固形分の全質量に対して、90〜100質量%である、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記含フッ素重合体が、架橋性基を有する単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記含フッ素重合体が、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく、架橋性基を有さない単位を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記含フッ素重合体が、CH=CH(CFF(nは1〜6の整数)に基づく単位を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記含フッ素重合体中、
    CF−CH=CHF及びCF−CF=CHからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく単位の含有量が、前記含フッ素重合体の全単位に対して、40〜60モル%であり、
    CH=CH(CFF(nは1〜6の整数)に基づく単位の含有量が、前記含フッ素重合体の全単位に対して、5〜20モル%である、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記含フッ素重合体のMnが10,000〜30,000である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 更に、水を含み、前記水の含有量が、前記含フッ素重合体の100質量部に対して、0.010〜0.100質量部である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を含む塗料であって、
    前記塗料の全質量に対する固形分の含有量が65〜90質量%であり、
    前記塗料の固形分の全質量に対する含フッ素重合体の含有量が10〜60質量%である塗料。
  12. 金属板と、前記金属板上に配置された、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を含む塗料を用いて形成された塗膜と、を有する、プレコートメタル。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を含む塗料を、塗装ガンを用いて金属板上に塗布して塗膜を形成する、プレコートメタルの製造方法。
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