JP2022173740A - 塗料及び塗膜付き基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間経過後でも発光強度が維持されている塗膜を形成できる塗料、及び、塗膜付き基材の提供。【解決手段】本発明の塗料は、含フッ素重合体と、応力発光材料と、を含む塗料であって、含フッ素重合体が、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位と、を含む含フッ素重合体A1であるか、又は、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位を含む含フッ素重合体B11をコア部とし、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位を含む非フッ素重合体B12をシェル部とするコアシェル構造を有する含フッ素重合体B1である。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料及び塗膜付き基材に関する。
構造物(例えば、橋梁、橋脚、トンネル等の道路構造物)の劣化を、非破壊及び非接触で検査する方法が検討されている。特許文献1には、バインダー樹脂と、応力歪によって発光する応力発光材料と、を含む塗料を用いて得られる塗膜を構造物の表面に形成する方法が開示されている。
特開2018-090693号公報
車両等の重量物の通過によって構造物に応力が掛かった場合、構造物の劣化部分に応力が集中する。そのため、応力発光材料を含む塗膜を有する構造物の劣化部分に紫外線等を照射した場合、応力発光材料が応力歪によって発光するので、劣化部分の検知が容易になる。
本発明者が、特許文献1に記載されたような応力発光材料とエポキシ樹脂とを含む塗料を評価したところ、塗膜形成から長時間経過後の発光強度が低下する場合があり、改善の余地があることを知見した。
本発明は、長時間経過後でも発光強度が維持されている塗膜を形成できる塗料、及び、塗膜付き基材の提供を課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の含フッ素重合体と、応力発光材料と、を含む塗料を用いれば、長時間経過後でも発光強度が維持されている塗膜が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]含フッ素重合体と、応力発光材料と、を含む塗料であって、上記含フッ素重合体が、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位と、を含む含フッ素重合体A1であるか、又は、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位を含む含フッ素重合体B11をコア部とし、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位を含む非フッ素重合体B12をシェル部とするコアシェル構造を有する含フッ素重合体B1であることを特徴とする、塗料。
[2]上記含フッ素重合体A1又は上記含フッ素重合体B1が、反応性基を有する単位を含む、[1]の塗料。
[3]上記応力発光材料の含有量が、上記塗料の固形分質量に対して、1~80質量%である、[1]又は[2]の塗料。
[4]非フッ素重合体を更に含む、[1]~[3]のいずれかの塗料。
[5]上記含フッ素重合体に対する上記非フッ素重合体の質量比が、0.1~0.9である、[4]の塗料。
[6]基材と、上記基材上に配置された[1]~[5]のいずれかの塗料から形成された塗膜と、を有する、塗膜付き基材。
[7]上記基材の材質が金属又はコンクリートである、[6]の塗膜付き基材。
本発明によれば、長時間経過後でも発光強度が維持されている塗膜を形成できる塗料、及び、塗膜付き基材を提供できる。
本発明における用語を以下に説明する。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
単位とは、単量体の重合により直接形成された、上記単量体1分子に基づく原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(モル%)は、重合体を核磁気共鳴スペクトル法により分析して求められ、重合体の製造に際して使用する成分の仕込み量からも決定できる。
「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の総称であり、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の総称である。
加水分解性シリル基とは、加水分解反応してシラノール基を形成し得る基を意味する。
酸価及び水酸基価は、それぞれ、JIS K 0070-3(1992)の方法に準じて測定される値である。
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定される、重合体の中間点ガラス転移温度である。
最低造膜温度(MFT)は、含フッ素重合体を乾燥させたとき、亀裂のない均一な塗膜が形成される最低温度であり、例えば、造膜温度測定装置IMC-1535型(株式会社井元製作所製)を用いて測定できる。
数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。
塗料の固形分の質量とは、塗料が溶媒を含む場合に、塗料から溶媒を除去した質量である。なお、溶媒以外の塗料の固形分を構成する成分に関して、その性状が液体状であっても、固形分とみなす。なお、塗料の固形分の質量は、塗料1gを130℃で20分加熱した後に残存する質量として求められる。
本発明の塗料(以下、本塗料ともいう。)は、含フッ素重合体と応力発光材料とを含む塗料であり、上記含フッ素重合体が後述する含フッ素重合体A1又は含フッ素重合体B1である。
本塗料から形成された塗膜(以下、本塗膜ともいう。)は、長時間経過後であっても発光強度を維持できる。この理由は必ずしも明らかではないが、含フッ素重合体A1又は含フッ素重合体B1を用いたことによって塗膜の耐候性が向上して、応力発光材料が塗膜から脱落することを抑制できたとともに、塗膜劣化による屈折率上昇を抑制できたためと推定している。
また、本塗膜は、発光強度にも優れる。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられている。応力発光材料は、紫外線等の照射によって励起状態になった際に、外部から加えられた力を光として放出する材料である。そのため、応力発光材料に届く紫外線の照射量が多いと、発光強度が高くなる。本塗料に含まれる含フッ素重合体A1及び含フッ素重合体B1は、紫外線の透過率が高い。そのため、塗膜中の応力発光材料に届く紫外線の照射量が多くなり、発光強度が高くなったと推定している。
本塗料は、含フッ素重合体A1又は含フッ素重合体B1を含む。本明細書において、単に「含フッ素重合体」という場合は、特に断りのない限り、含フッ素重合体A1又は含フッ素重合体B1の一方を指す。
含フッ素重合体A1は、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位(以下、単位A11ともいう。)と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位(以下、単位A12ともいう。)と、を含む。
フルオロオレフィンは、水素原子の1以上がフッ素原子で置換されたオレフィンである。フルオロオレフィンは、フッ素原子で置換されていない水素原子の1以上が塩素原子で置換されていてもよい。フルオロオレフィンの炭素数としては、2~6が好ましく、2~4がより好ましい。
フルオロオレフィンとしては、CF=CF、CF=CFCl、CF=CHF、CH=CF、CF=CFCF、CF-CH=CHF、CF-CF=CH等が挙げられる。フルオロオレフィンは、耐候性及びフルオロオレフィン以外の単量体との重合性の点から、CF=CF又はCF=CFClがより好ましく、CF=CFClが更に好ましい。フルオロオレフィンは、2種以上を併用してもよい。
単位A11の含有量は、本塗膜の発光強度をより長時間維持できる点から、含フッ素重合体A1が含む全単位に対して、20~70モル%が好ましく、30~60モル%がより好ましく、45~55モル%が更に好ましい。
単位A12は、フッ素原子を有しない、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体(以下、単量体A12ともいう。)に基づく単位である。単位A12は、後述する反応性基を有しないことが好ましい。
単量体A12としては、フルオロオレフィンとの共重合性及び含フッ素重合体A1の耐候性の点から、ビニルエーテル及びビニルエステルの一方又は両方が好ましい。
単量体A12の具体例としては、エチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオノナン酸ビニル(HEXION社商品名 ベオバ9)、ネオデカン酸ビニル(HEXION社商品名 ベオバ10)、バーサチック酸ビニル、安息香酸ビニル、tert-ブチル安息香酸ビニル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。
単量体A12は、2種以上を併用してもよい。
単位A12の含有量は、含フッ素重合体A1が含む全単位に対して、5~60モル%が好ましく、10~50モル%がより好ましい。
含フッ素重合体A1は、反応性基を有する単位(以下、単位A13ともいう。)を含むことが好ましい。単位A13は、フッ素原子を有しないことが好ましい。
含フッ素重合体A1が単位A13を含む場合、含フッ素重合体A1は、単位A13における反応性基の一部又は全部を、他の成分(例えば、硬化剤等)と反応した状態で有していてもよいし、他の成分と反応していない状態で有していてもよいが、他の成分と反応していない状態で有しているのが好ましい。つまり、本塗料中の含フッ素重合体A1は、硬化剤による架橋構造を有する状態で存在していてもよいし、架橋構造を有しない状態で存在していてもよい。
単位A13は、反応性基を有する単量体(以下、単量体A13ともいう。)に基づく単位であってもよく、反応性基を有する単位を含む含フッ素重合体において、該基を異なる反応性基に変換させて得られる単位であってもよい。このような単位としては、水酸基を有する単位を含む含フッ素重合体に、ポリカルボン酸やその酸無水物等を反応させて、水酸基の一部又は全部をカルボキシ基に変換させて得られる単位が挙げられる。
反応性基としては、水酸基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、加水分解性シリル基、スルホ基、カルボキシ基等が挙げられる。なお、スルホ基及びカルボキシ基は、イオン化して-SO 又は-COOとなっていてもよく、塩化して-SO Na又は-COONa等になっていてもよい。
単位A13は、本塗膜の発光強度をより長時間維持できる点から、反応性基として水酸基又はカルボキシ基を有することが好ましく、水酸基を有することがより好ましい。
水酸基を有する単量体A13としては、水酸基を有する、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル又は(メタ)アクリル酸エステル、若しくはアリルアルコール等が挙げられる。水酸基を有する単量体A13としては、ヒドロキシビニルエーテル又はヒドロキシアリルエーテルが好ましい。
水酸基を有する単量体A13としては、式X-Zで表される単量体が好ましい。
は、CH=CHC(O)O-、CH=C(CH)C(O)O-、CH=CHOC(O)-、CH=CHCHOC(O)-、CH=CHO-又はCH=CHCHO-であり、CH=CHO-又はCH=CHCHO-であることが好ましい。
は、水酸基を有する炭素数2~42の1価の有機基である。有機基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。また、有機基は、環構造からなっていてもよく、環構造を含んでいてもよい。
上記有機基としては、水酸基を有する炭素数2~6のアルキル基、水酸基を有する炭素数6~8のシクロアルキレン基を有するアルキル基、又は水酸基を有するポリオキシアルキレン基が好ましい。
水酸基を有する単量体A13の具体例としては、CH=CHO-CH-cycloC10-CHOH、CH=CHCHO-CH-cycloC10-CHOH、CH=CHO-CH-cycloC10-CH-(OCHCH15OH、CH=CHOCHCHOH、CH=CHCHOCHCHOH、CH=CHOCHCHCHCHOH、及びCH=CHCHOCHCHCHCHOHが挙げられる。
なお、「-cycloC10-」はシクロへキシレン基を表し、「-cycloC10-」の結合部位は、通常1,4-である。
カルボキシ基を有する単量体A13としては、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸、水酸基を有する単量体の水酸基にカルボン酸無水物を反応させて得られる単量体等が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体A13の具体例としては、CH=CHCOOH、CH(CH)=CHCOOH、CH=C(CH)COOH、HOOCCH=CHCOOH、CH=CH(CHn11COOHで表される単量体(ただし、n11は1~10の整数を示す。)、CH=CHO(CHn12OC(O)CHCHCOOHで表される単量体(ただし、n12は1~10の整数を示す。)が挙げられる。
単量体A13は、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体A1が単位A13を含む場合、単位A13の含有量は、含フッ素重合体A1が含む全単位に対して、0.1~45モル%が好ましく、1~30モル%がより好ましく、5~20モル%が更に好ましい。
含フッ素重合体A1は、含フッ素重合体A1が含む全単位に対して、単位A11と単位A12と単位A13とを、この順に、20~70モル%、5~60モル%、0.1~45モル%含む共重合体であるのが好ましく、30~60モル%、10~50モル%、1~30モル%含む共重合体であるのがより好ましい。また、含フッ素重合体は、単位A11、単位A12及び単位A13からなるのが更に好ましい。
含フッ素重合体B1は、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位(以下、単位B11ともいう。)を含む含フッ素重合体B11をコア部とし、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位(以下、単位B12ともいう。)を含む非フッ素重合体B12をシェル部とする、コアシェル構造を有する。
コア部とシェル部とは、化学結合を有していてもよい。
コア部を構成する含フッ素重合体B11としては、フルオロオレフィンの単独重合体、2種以上のフルオロオレフィンの共重合体、フルオロオレフィンとフルオロオレフィン以外の単量体との共重合体が挙げられる。
単位B11におけるフルオロオレフィンの具体例は、上述の単位A11におけるフルオロオレフィンの具体例と同様である。
フルオロオレフィン以外の単量体の具体例としては、上述の単量体A12及び単量体A13が挙げられる。
含フッ素重合体B11としては、2種以上のフルオロオレフィンの共重合体、すなわち、互いに構造が異なる2種以上の単位B11を含む共重合体であることが好ましい。
2種以上のフルオロオレフィンの共重合体としては、CH=CFとCF=CFとの共重合体、CH=CFとCF=CFCFとの共重合体、CH=CFとCF=CFClとの共重合体、CH=CFとCF=CFとCF=CFClとの共重合体、CH=CFとCF=CFとCF=CFCFとの共重合体、CF=CFとCF=CFCFとの共重合体等が挙げられ、耐候性及びシェル部との親和性の点から、CH=CFとCF=CFとの共重合体が好ましい。
シェル部を構成する非フッ素重合体B12は、単位B12を含む。単位B12は、後述する反応性基を有していてもよい。
単位B12は、(メタ)アクリル酸エステルに基づく単位であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、耐水性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは、2種以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸エステルは、後述する反応性基を有していてもよい。
含フッ素重合体B1は、反応性基を有する単位を含んでいてもよい。
反応性基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、加水分解性シリル基等が挙げられる。
反応性基を有する単位は、含フッ素重合体B11に含まれていてもよいし、非フッ素重合体B12に含まれていてもよい。
反応性基を有する単位が含フッ素重合体B11に含まれる場合、反応性基を有する単位としては、上述の単位A13が挙げられる。
反応性基を有する単位が非フッ素重合体B12に含まれる場合、反応性基を有する単位としては、反応性基を有する単位B12が挙げられる。
含フッ素重合体B1において、シェル部の非フッ素重合体B12の質量に対する、コア部の含フッ素重合体B11の質量の比(コア部の質量/シェル部の質量)は、10/90~90/10が好ましく、20/80~80/20がより好ましく、30/70~70/30が更に好ましい。
含フッ素重合体のTgは、耐傷性の点から、0~120℃が好ましく、10~70℃がより好ましい。
含フッ素重合体のMFTは、成膜性の点から、0~100℃が好ましく、10~60℃がより好ましい。
含フッ素重合体のMnとしては、機械的強度及び加工性が優れる点から、1,000~200,000が好ましく、5,000~100,000がより好ましく、8,000~50,000が更に好ましい。
含フッ素重合体が水酸基価を有する場合、応力発光材料との親和性の点から、含フッ素重合体の水酸基価は、1~200mgKOH/gが好ましく、5~100mgKOH/gがより好ましく40~60mgKOH/gが更に好ましい。
含フッ素重合体が酸価を有する場合、応力発光材料との親和性の点から、含フッ素重合体の酸価は、1~30mgKOH/gが好ましく、1~10mgKOH/gがより好ましい。
含フッ素重合体の製造方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等が挙げられる。
含フッ素重合体としては、市販品を用いてもよく、具体例としては、「ルミフロン」シリーズ(AGC社製)、「ゼッフル」シリーズ(ダイキン工業社製)、「Eterflon」シリーズ(エターナル社製)、「Zendura」シリーズ(Honeywell社製)が挙げられる。
含フッ素重合体は、2種以上を併用してもよい。
含フッ素重合体の含有量は、本塗料の固形分質量に対して、10~90質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましい。
本塗料は、応力発光材料を含む。応力発光材料は、紫外線や電子線等の照射によって励起状態になった際に、外部から加えられた力(例えば、引っ張り、摩擦、衝撃、圧縮、ねじり)を光として放出する材料である。
応力発光材料としては、スタフドトリジマイト構造、3次元ネットワーク構造、長石構造、ウルツ構造、スピネル構造、コランダム構造、又はβ-アルミナ構造を有する酸化物、硫化物、又は、窒化物を母体とする粒子が挙げられる。
応力発光材料の具体例としては、ユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu)、並びに、遷移金属又は希土類をドープした、硫化亜鉛(ZnS:Mn)、チタン酸バリウム・カルシウム((Ba,Ca)TiO:Pr)、及び、アルミン酸カルシウム・イットリウム(CaYAl:Ce)が挙げられ、中でも、ユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウム(ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム)が好ましい。
応力発光材料は、市販品を用いてもよく、具体例としては、ML200(堺化学工業社製、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム)が挙げられる。
応力発光材料の含有量は、本塗料の固形分質量に対して、1~80質質量%が好ましく、2~70質量%がより好ましく、3~60質量%が更に好ましい。
応力発光材料の含有量が1質量%以上であれば、本塗膜の発光強度がより優れる。応力発光材料の含有量が80質量%以下であれば、本塗膜の機械的強度がより優れる。
含フッ素重合体に対する応力発光材料の質量比は、0.01~2.0が好ましく、0.05~1.5がより好ましく、0.10~1.0が更に好ましい。
上記質量比が0.01以上であれば、本塗膜の発光強度がより優れる。上記質量比が2.0以下であれば、本塗膜の発光強度をより長時間維持できる。
本塗料は、非フッ素重合体を更に含んでいてもよい。非フッ素重合体は、フッ素原子を実質的に含まない重合体である。
非フッ素重合体がフッ素原子を実質的に含まないとは、非フッ素重合体の全原子に対して、フッ素原子の含有量が、0~1モル%であることを意味し、0~0.1モル%であるのが好ましく、0~0.01モル%であるのがより好ましく、0モル%であるのが更に好ましい。
非フッ素重合体としては、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
本塗料が非フッ素重合体を含有する場合、非フッ素重合体の含有量は、本塗料の固形分質量に対して、5~90質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましく、15~70質量%が更に好ましい。
含フッ素重合体に対する非フッ素重合体の質量比(非フッ素重合体の質量/含フッ素重合体の質量)は、0.1~0.9が好ましく、0.2~0.8がより好ましく、0.3~0.7が更に好ましい。
上記質量比が0.1以上であれば、塗膜の耐久性がより優れる。上記質量比が0.9以下であれば、応力発光材料との親和性がより優れる。
本塗料は、上記以外の成分を含んでいてもよい。該成分としては、添加剤が挙げられる。
添加剤としては、硬化剤、硬化触媒、着色剤(染料、有機顔料、無機顔料、金属又はマイカ等を用いた光輝顔料等)、紫外線吸収剤、光安定剤、つや消し剤、レベリング剤、表面調整剤、脱ガス剤、充填剤、熱安定剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、防錆剤、シランカップリング剤、防汚剤、低汚染化処理剤、可塑剤、接着剤等が挙げられる。
本塗料は、上述した添加剤の中でも、塗膜の耐久性(耐水性、耐薬品性、耐候性等)の点から、硬化剤を含むのが好ましい。硬化剤は、含フッ素重合体が含み得る反応性基と反応し得る反応性基を1分子中に2個以上有することが好ましく、2~30個有することがより好ましい。
含フッ素重合体が反応性基を有する場合、硬化剤が有する反応性基と、含フッ素重合体が有する反応性基とが反応すると、含フッ素重合体が硬化剤によって架橋し、架橋した含フッ素重合体が形成される。
硬化剤が有する反応性基の具体例としては、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、β-ヒドロキシアルキルアミド基が挙げられる。
特に、含フッ素重合体が有する反応性基がヒドロキシ基である場合、硬化剤が有する反応性基としては、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基が好ましい。この場合、硬化剤としては、イソシアネート基又はブロック化イソシアネート基を1分子中に2以上有する硬化剤であるポリイソシアネートが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体が好ましい。
ポリイソシアネート単量体としては、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネート誘導体としては、ポリイソシアネート単量体の多量体又は変性体(アダクト体、アロファネート体、ビウレット体、イソシアヌレート体等)が好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)2-イソシアナトグルタレートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートは、上述したポリイソシアネート単量体又はポリイソシアネート誘導体が有する2以上のイソシアネート基が、ブロック化剤によってブロックされている化合物であってもよい。
ブロック化剤は、活性水素を有する化合物であり、具体例としては、アルコール、フェノール、活性メチレン、アミン、イミン、酸アミド、ラクタム、オキシム、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピリミジン、グアニジンが挙げられる。
含フッ素重合体が酸価を有する場合等に、カルボキシ基と反応し得る基(エポキシ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、β-ヒドロキシアルキルアミド基等)を1分子中に2以上有する硬化剤を使用してもよい。
硬化剤は、2種以上を併用してもよい。
本塗料における硬化剤の含有量は、本塗料中の含フッ素重合体の含有量100質量部に対して、1~80質量部が好ましく、15~75質量部がより好ましい。
本塗料は、含フッ素重合体及び応力発光材料が液状媒体に溶解又は分散している塗料であってもよく、液状媒体を実質的に含まない塗料(粉体塗料等)であってもよい。
液状媒体としては有機溶剤及び水が挙げられ、液状媒体に溶解又は分散している塗料としては、有機溶剤等に溶解している塗料(溶剤型塗料等)、及び、水に分散している塗料(水系塗料等)が挙げられる。本塗料は、本塗膜の耐候性に優れる点から溶剤型塗料であることが好ましい。
本塗料が液状媒体を実質的に含まないとは、液状媒体の含有量が、本塗料の全質量に対して、0.1質量%以下であることを意味する。
有機溶剤としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、グリコールエステル系溶剤が挙げられる。
ケトン系溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールが挙げられる。
エステル系溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
炭化水素系溶剤の具体例としては、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、キシレンが挙げられる。
アルコール系溶剤の具体例としては、ブチルアルコールが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルが挙げられる。
グリコールエステル系溶剤の具体例としては、1-メトキシプロピル-2-アセテートが挙げられる。
本塗料が液状媒体を含む場合、液状媒体の含有量は、本塗料の全質量に対して、10~95質量%が好ましく、20~90質量%がより好ましい。
本塗料は、例えば、含フッ素重合体、応力発光材料及び任意成分(例えば、非フッ素重合体、硬化剤、硬化触媒、液状媒体)を混合して製造できる。液状媒体は、含フッ素重合体を製造する際の重合溶媒であってもよい。
本発明の塗膜付き基材は、基材と、上記基材上に配置された本塗膜とを有する。
基材の材質の具体例としては、無機物、有機物、有機無機複合材が挙げられる。
無機物の具体例としては、コンクリート、自然石、ガラス、金属(鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、チタン等)が挙げられる。
有機物の具体例としては、プラスチック、ゴム、接着剤、木材が挙げられる。
有機無機複合材の具体例としては、繊維強化プラスチック、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリートが挙げられる。
また、基材は、公知の表面処理(化成処理等)が施されていてもよい。また、基材の表面には、プライマー等を塗布して形成される樹脂層(ポリエステル樹脂層、アクリル樹脂層、シリコーン樹脂層等)等をあらかじめ有していてもよい。
上記の中でも、基材の材質は、金属又はコンクリートが好ましい。
基材の形状、サイズ等は、特に限定されない。
基材の具体例としては、構造物(例えば、橋梁、橋脚、トンネル等の道路構造物)、建築物、航空機、船舶、車両(例えば、鉄道車両、自動車)、交通標識、信号機、送電線等が挙げられ、中でも、橋梁、橋脚、トンネル等の道路構造物が好ましい。
本塗膜の膜厚は、本塗膜付き基材の耐候性及び本塗膜の発光強度がより優れる点から、1~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、20~60μmが更に好ましい。
本塗膜の波長365nmにおける光線透過率は、92~100%が好ましく、95~100%がより好ましく、98~100%が更に好ましい。
光線透過率が上記範囲内にあれば、本塗膜の発光強度がより優れる。
本塗膜の光線透過率は、後述の実施例欄に記載の方法により測定できる。
本塗膜付き基材は、応力発光材料を含む塗膜を有するので、外部からの応力を受けやすい橋梁、橋脚、トンネル等の道路構造物に好適に使用できる。
本塗膜付き基材の製造方法は、基材上に本塗料を塗布して本塗膜を形成する方法である。本塗膜は、基材上に本塗料を塗布し、必要に応じて乾燥し、加熱硬化して形成すればよい。
本塗料は、基材の表面に直接塗布してもよく、基材の表面に公知の表面処理(下地処理等)を施した上に塗布してもよい。更に、基材に下塗り層を形成した後、この下塗り層上に塗布してもよい。また、本塗料は、上記基材を有する物品に塗布してもよい。
本塗料が水系塗料又は溶剤型塗料である場合、塗布方法としては、スプレーコート法、スキージコート法、フローコート法、バーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ダイコート法、インクジェット法、カーテンコート法、はけやへらを用いる方法等が挙げられる。
本塗料が粉体塗料である場合、塗装方法としては、静電塗装法、静電吹付法、静電浸漬法、噴霧法、流動浸漬法、吹付法、スプレー法、溶射法、プラズマ溶射法等が挙げられる。
本塗料が液状媒体を含む場合、塗布後に乾燥させて溶媒を除去することが好ましい。乾燥温度は、通常、0~50℃であり、乾燥時間は、通常、1分~2週間である。
本塗料が硬化剤を含む場合、塗布後に加熱硬化させることが好ましい。加熱硬化温度は、通常50℃~300℃であり、加熱硬化時間は、通常1分~24時間である。
なお、本発明の塗膜付き基材とは異なる態様であるが、上述の各材料を用いて、基材と、応力発光材料及び非フッ素重合体を含む第1塗膜と、含フッ素重合体を含み応力発光材料を実質的に含まない第2塗膜と、を厚み方向に沿ってこの順に有する積層体を製造できる。ここで、第2塗膜が応力発光材料を実質的に含まないとは、応力発光材料の含有量が第2塗膜の全質量に対して10質量%以下であることを意味する。
以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例に限定されない。なお、後述する表1中における各成分の配合量は、質量基準を示す。また、例1~6は実施例であり、例7~10は比較例である。
<使用した成分の略称と詳細>
・CTFE:クロロトリフルオロエチレン
・EVE:エチルビニルエーテル
・CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル
・HBVE:4-ヒドロキシブチルビニルエーテル
・組成物A1:後述の製造方法で製造された、含フッ素重合体A1を含むキシレン溶液(固形分濃度60質量%、含フッ素重合体の水酸基価52mgKOH/g)
・組成物A2:ゼッフル GK-570(ダイキン工業社商品、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ビニルエステルに基づく単位とを含む含フッ素重合体を含む酢酸ブチル溶液、固形分濃度65質量%、含フッ素重合体の水酸基価63mgKOH/g)
・組成物A3:ゼッフル SE-700(ダイキン工業社商品、フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位を含む含フッ素重合体をコア部とし、(メタ)アクリル酸エステルに基づく非フッ素系単位を含む非フッ素重合体をシェル部とするコアシェル構造を有する含フッ素重合体を含むエマルション、固形分濃度50質量%、含フッ素重合体の水酸基価なし、MFT31℃)
・組成物A4:Kynar 500(Arkema社商品、ポリフッ化ビニリデン、固形分濃度100質量%、水酸基価なし)
・組成物A5:SSA-500(DIC社商品、アクリルシリコーン樹脂、固形分濃度55質量%、水酸基価70mgKOH/g)
・組成物A6:アクリディック A-801-P(DIC社商品、(メタ)アクリル樹脂、固形分濃度50質量%、水酸基価なし)
・組成物A7:エポキー813(三井化学社商品、エポキシ樹脂、固形分濃度45質量%、水酸基価なし)
・組成物A8:Plaloid B44(Dow社商品、(メタ)アクリル樹脂、固形分濃度100質量%、水酸基価なし)
・応力発光材料:ML200(堺化学工業社商品、ユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム)
・硬化剤:スタビオ370N(三井化学社商品)
・硬化触媒:ジブチルチンジラウレート(東京化成社商品)
・MEK:メチルエチルケトン
(含フッ素重合体A1の製造)
オートクレーブ内に、キシレン(645g)、CTFE(437g)、EVE(72g)、CHVE(142g)、HBVE(87g)、炭酸カリウム(12.3g)、及び、tert-ブチルペルオキシピバレートの50質量%キシレン溶液(20mL)を導入して昇温し、65℃で11時間重合した。続いて、オートクレーブ内溶液をろ過し、含フッ素重合体A1を含む溶液を得た。
含フッ素重合体A1は、CTFEに基づく単位、EVEに基づく単位、CHVEに基づく単位、HBVEに基づく単位をこの順にそれぞれ50モル%、25モル%、15モル%、10モル%含む重合体であった。
<例1~10>
表1に記載の塗料の成分を混合して各例の塗料を得た。得られた塗料の約10gを、クロメート処理されたAl-Mg系合金基材(JIS 4000H A5052P、150mm×70mm×0.8mm)に滴下し、ドクターブレードにより塗布した。塗布後、3時間25℃で養生し、200℃で30分間加熱硬化したのち冷却して、各例の塗装板(塗膜付き基材)を得た。なお、塗装板における塗膜の膜厚はいずれも、50μmであった。
得られた塗装板を後述の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
(評価方法)
・光線透過率
光線透過測定器(MPC-3100;島津製作所社商品)を使用して、試験片(塗膜)の波長365nmの光線透過率を測定した。
なお、光線透過率の測定に使用した試験片は、塗装板から基材を剥離して得られた塗膜である。
・発光強度
暗黒室にて試験片(塗装板)を設置し、試験片にスチールウール#0000にて荷重200gで往復した時のスチールウール接地面で発光する強度を目視により判定した。
A:発光している
B:やや発光している
C:ほぼ発光していない
・発光維持時間
スーパーUVテスター(イワサキ電気社商品)にて、下記条件にて促進耐候性試験を実施し、100時間毎に試験片(塗装板)を取り出した。促進耐候性試験の実施前の試験片(塗装板)を比較板として、促進耐候性試験の実施後の試験片(塗装板)の発光の維持程度を目視で確認し、発光の維持時間を測定した。維持時間は長いほど好ましい。
(促進耐候性試験条件)
・アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製)
紫外線照度150mW/cm
温度63℃/湿度50%RH
シャワー頻度120分中18分
Figure 2022173740000001
表1に示す通り、本発明の塗料を用いて得られた塗膜は、発光が長時間維持され、また、耐候促進試験実施前の発光強度(初期の発光強度)が高いことが確認できた(例1~6)。

Claims (7)

  1. 含フッ素重合体と、応力発光材料と、を含む塗料であって、
    前記含フッ素重合体が、
    フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位と、を含む含フッ素重合体A1であるか、又は、
    フルオロオレフィンに基づくフッ素系単位を含む含フッ素重合体B11をコア部とし、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、及び、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の単量体に基づく非フッ素系単位を含む非フッ素重合体B12をシェル部とするコアシェル構造を有する含フッ素重合体B1であることを特徴とする、塗料。
  2. 前記含フッ素重合体A1又は前記含フッ素重合体B1が、反応性基を有する単位を含む、請求項1に記載の塗料。
  3. 前記応力発光材料の含有量が、前記塗料の固形分質量に対して、1~80質量%である、請求項1又は2に記載の塗料。
  4. 非フッ素重合体を更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の塗料。
  5. 前記含フッ素重合体に対する前記非フッ素重合体の質量比が、0.1~0.9である、請求項4に記載の塗料。
  6. 基材と、前記基材上に配置された請求項1~5のいずれか1項に記載の塗料から形成された塗膜と、を有する、塗膜付き基材。
  7. 前記基材の材質が金属又はコンクリートである、請求項6に記載の塗膜付き基材。
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