JP2020114077A - 永久磁石埋設型ロータ及び永久磁石埋設型ロータの製造方法 - Google Patents

永久磁石埋設型ロータ及び永久磁石埋設型ロータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータ及び永久磁石埋設型ロータの製造方法を提供する。【解決手段】軸線回りに回転するロータコア2に形成された収容孔21に永久磁石3が収容されている永久磁石埋設型ロータ1において、収容孔21は、永久磁石3を収容可能な磁石収容部25と、磁石収容部25に隣接する空隙部26と、を含み、磁石収容部25及び空隙部26は、ロータコア2を軸方向に貫通し、空隙部26には、空隙部26への樹脂の注入時に永久磁石3を固定する固定部材4が挿入され、固定部材4は、樹脂の注入時に永久磁石3を保持する保持部41と、樹脂の注入時にロータコア2を軸方向に挟む金型6に当接する当接部43と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石埋設型ロータ及び永久磁石埋設型ロータの製造方法に関するものである。
従来、回転電機のロータとして、ロータコアに永久磁石が設けられた永久磁石埋設型ロータが使用されている。永久磁石埋設型ロータでは、ロータの性能を維持するために、ロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制する技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、複数の積層鋼板を積層して形成されるロータコアにおいて、永久磁石が挿入される打抜孔と、打抜孔の縁に沿った線状の穴と、を有する構成が開示されている。ロータコアに永久磁石を確実に固定するために、ロータコアには、線状の穴と収容孔の縁との間に形成された細長い線状の鋼板部分によって永久磁石を押圧・固定する押圧部が設けられている。例えば、押圧部は、押圧される永久磁石の外周面に対して、凸状に形成する部分と、凹状に形成する部分と、を有している。
特許文献2には、スロットに永久磁石を圧入した永久磁石回転子において、スロットを形成するヨークの内周面に永久磁石と係合するエッジを設けた構成が開示されている。小さな力で永久磁石を圧入するために、エッジの基部には空隙が設けられている。
特許文献3には、ロータコアの磁石挿入用穴部に磁石を挿入して磁石をロータコアに埋設する工程と、磁石挿入用穴部内に樹脂を注入して充填部を形成する工程と、を有するロータの製造方法が開示されている。樹脂注入の際に磁石をロータコアの径方向外方に押し付けるために、磁石に対してロータコアの径方向内方から樹脂を磁石挿入用穴部内に注入している。
特許文献4には、孔部に永久磁石を挿入固定させたロータを備え、永久磁石が少なくとも2つ以上に分割され、その分割面がロータ軸方向に沿って形成された永久磁石式モータが開示されている。永久磁石が孔内でがたつくことを抑えるために、分割された磁石間に、孔部への磁石挿入時に対して挿入後に熱膨張して厚みを増す発砲樹脂シートを設けている。
特開平7−322538号公報 特開平5−56583号公報 特許第4856990号公報 特開2010−141989号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、ロータコアに凹凸形状を設けるために複数種類の鋼板を用意する必要がある。
特許文献2に記載の技術にあっては、永久磁石にエッジの先端部が当接するので、永久磁石が割れやすくなるおそれがある。
特許文献3に記載の技術にあっては、磁石が磁石挿入用穴部の片側に寄ることにより漏れ磁束が増加しやすい。
特許文献4に記載の技術にあっては、発泡樹脂シートを熱膨張させるための加熱工程が必要となり、作業工数が増加する。
そこで、本発明は、永久磁石を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータ及び永久磁石埋設型ロータの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータ(例えば、第1実施形態における永久磁石埋設型ロータ1)は、軸線(例えば、第1実施形態における軸線C)回りに回転するロータコア(例えば、第1実施形態におけるロータコア2)に形成された収容孔(例えば、第1実施形態における収容孔21)に永久磁石(例えば、第1実施形態における永久磁石3)が収容されている永久磁石埋設型ロータにおいて、前記収容孔は、前記永久磁石を収容可能な磁石収容部(例えば、第1実施形態における磁石収容部25)と、前記磁石収容部に隣接する空隙部(例えば、第1実施形態における空隙部26)と、を含み、前記磁石収容部及び前記空隙部は、前記ロータコアを前記軸線の軸方向に貫通し、前記空隙部には、前記空隙部への樹脂(例えば、第1実施形態における樹脂10)の注入時に前記永久磁石を固定する固定部材(例えば、第1実施形態における固定部材4)が挿入され、前記固定部材は、前記樹脂の注入時に前記永久磁石を保持する保持部(例えば、第1実施形態における保持部41)と、前記樹脂の注入時に前記ロータコアを前記軸方向に挟む金型(例えば、第1実施形態における金型6)に当接する当接部(例えば、第1実施形態における第一当接部43)と、を備えることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータは、前記固定部材は、前記保持部と前記当接部との間に設けられたばね部(例えば、第1実施形態におけるばね部42)を更に有し、前記当接部は、前記ロータコアの端面よりも前記軸方向の外側に突出することを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータは、前記ばね部は、前記永久磁石に対して前記保持部よりも前記軸線の径方向の外側に設けられていることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータは、前記当接部と前記ばね部との間には、前記金型に当接し、前記永久磁石を前記軸線の径方向に押圧する第二当接部(例えば、第1実施形態における第二当接部44)が設けられていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータは、前記固定部材は、非磁性体であることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータの製造方法は、軸線回りに回転するロータコアに形成された収容孔に永久磁石が収容されている永久磁石埋設型ロータの製造方法において、前記収容孔は、前記永久磁石を収容可能な磁石収容部と、前記磁石収容部に隣接する空隙部と、を含み、前記ロータコアを軸方向に貫通する前記磁石収容部及び前記空隙部が形成された前記ロータコアを準備するロータコア準備工程と、前記ロータコア準備工程の後、前記空隙部に、前記永久磁石を保持する保持部と、前記ロータコアを前記軸方向に挟む金型に当接する当接部と、を備える固定部材を配置し、前記空隙部に樹脂を注入する樹脂注入工程と、を含むことを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明に係る永久磁石埋設型ロータの製造方法は、前記固定部材は、前記保持部と前記当接部との間に設けられたばね部を更に有し、前記樹脂注入工程は、前記当接部が前記ロータコアの端面よりも前記軸方向の外側に突出するように、前記空隙部に前記固定部材を挿入する固定部材挿入工程と、前記固定部材挿入工程の後、前記ロータコアの端面に前記金型を当接させる金型当接工程と、を含むことを特徴としている。
本発明の請求項1に記載の永久磁石埋設型ロータによれば、固定部材は保持部を有するので、収容孔には、固定部材に保持された状態で永久磁石が挿入される。これにより、ロータコアに永久磁石を保持するための突起や凹凸等を設ける必要がなく、ロータコアの製造を容易にできる。また、金属のロータコアに直接永久磁石を挿入する場合と比較して、永久磁石にかかる応力を小さくできる。よって、永久磁石の割れを抑制し、永久磁石を安定的に保持できる。例えば、固定部材を樹脂部材等により形成した場合、金属部材で形成される場合と比較して更に永久磁石の割れを抑制できる。
固定部材は当接部を有するので、ロータコアを軸方向に挟む金型に当接部が当接することにより、ロータコアに対して固定部材及び永久磁石の軸方向の位置決めができる。ここで、収容孔に対して永久磁石の片寄りや傾きが生じると、ロータ回転時のトルクリップルの悪化や軸倒モーメントの増大等により、ロータ性能が低下するおそれがある。本発明の永久磁石埋設型ロータによれば、固定部材により樹脂注入時の樹脂流動による永久磁石の移動が抑制され、ロータコアの収容孔に対する永久磁石のばらつきを抑制できる。よって、ロータ性能の低下を抑制できる。
したがって、永久磁石を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータを提供できる。
本発明の請求項2に記載の永久磁石埋設型ロータによれば、固定部材はばね部を有するので、当接部が金型に当接して固定部材に軸方向の力が加わると、ばね部が縮んで力を吸収する。ここで、永久磁石は軸方向においてばね部の間に設けられているので、両方のばねの反力が釣り合うことにより、固定部材の中間部で永久磁石が固定される。これにより、軸方向において、永久磁石を収容孔の中間部に配置できる。よって、永久磁石が収容孔の一方側に片寄ることによる漏れ磁束の増加を抑制できる。
また、ばね部の変形によりロータコアの公差が吸収されるので、ロータコアの公差等によらず安定して永久磁石をロータコアの軸方向における中間部に配置できる。さらに、金型の押圧力が変動した場合であっても、ばね部により荷重が吸収されるので、永久磁石の割れを抑制するとともに安定的に永久磁石を保持できる。
したがって、永久磁石を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータを提供できる。
本発明の請求項3に記載の永久磁石埋設型ロータによれば、ばね部は保持部よりも径方向の外側に位置しているので、収容孔に対して永久磁石を径方向の内側寄りに配置できる。ここで、収容孔の径方向内側の壁面には、永久磁石の角部に対応する位置に磁石逃げ部が形成されている。よって、永久磁石を径方向の内側寄りに配置することにより、永久磁石と、磁石逃げ部が形成された収容孔の径方向内側の壁面と、を当接させることができる。これにより、磁石逃げ部を好適に利用し、永久磁石の角部に応力が集中することによる永久磁石の割れを抑制できる。
また、ロータ回転時、永久磁石は遠心力により径方向外側に押し付けられる。永久磁石の径方向外側には固定部材が配置されているので、永久磁石とロータコアとが接触して永久磁石が割れるのを抑制できる。
本発明の請求項4に記載の永久磁石埋設型ロータによれば、当接部とばね部との間には第二当接部が設けられているので、第二当接部が金型に当接することにより永久磁石が径方向に押圧される。これにより、ロータコアに対して永久磁石を径方向に位置決めできる。よって、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石のばらつきを抑制できる。
本発明の請求項5に記載の永久磁石埋設型ロータによれば、永久磁石の磁束は固定部材により影響を受けないので、永久磁石埋設型ロータの性能低下を抑制できる。よって、磁束が安定した高性能な永久磁石埋設型ロータとすることができる。
本発明の請求項6に記載の永久磁石埋設型ロータの製造方法によれば、ロータコア準備工程では、ロータコアを軸方向に貫通する収容孔(磁石収容部及び空隙部)を形成する。
また、樹脂注入工程では、空隙部に固定部材を配置し、空隙部に樹脂を注入する。固定部材は保持部を有するので、収容孔には、固定部材に保持された状態で永久磁石が挿入される。これにより、ロータコアに永久磁石を保持するための突起や凹凸等を設ける必要がなく、ロータコアの製造を容易にできる。また、金属のロータコアに直接永久磁石を挿入する場合と比較して、永久磁石にかかる応力を小さくできる。よって、永久磁石の割れを抑制し、永久磁石を安定的に保持できる。例えば、固定部材を樹脂部材等により形成した場合、金属部材により形成した場合と比較して、更に永久磁石の割れを抑制できる。
固定部材は当接部を有するので、ロータコアを軸方向に挟む金型に当接部が当接することにより、ロータコアに対して固定部材及び永久磁石の軸方向の位置決めができる。ここで、収容孔に対して永久磁石の片寄りや傾きが生じると、ロータ回転時のトルクリップルの悪化や軸倒モーメントの増大等により、ロータ性能が低下するおそれがある。本発明の永久磁石埋設型ロータの製造方法によれば、固定部材により樹脂注入時の樹脂流動による永久磁石の移動が抑制され、ロータコアの収容孔に対する永久磁石のばらつきを抑制した永久磁石埋設型ロータを製造できる。
したがって、永久磁石を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータを製造できる。
本発明の請求項7に記載の永久磁石埋設型ロータの製造方法によれば、樹脂注入工程は、固定部材挿入工程と、金型当接工程と、を含む。固定部材挿入工程では、当接部がロータコアの端面よりも軸方向の外側に突出するように、永久磁石を保持した固定部材を空隙部に挿入する。これにより、当接部を金型に確実に当接させることができる。金型当接工程では、固定部材挿入工程の後、ロータコアの端面に金型を当接させる。ここで、固定部材はばね部を有するので、金型から固定部材に軸方向の力が加わると、ばね部が縮んで力を吸収する。永久磁石は軸方向においてばね部の間に設けられているので、両方のばねの反力が釣り合うことにより、固定部材の中間部で永久磁石が固定される。これにより、軸方向において、永久磁石を収容孔の中間部に配置できる。よって、永久磁石が収容孔の一方側に片寄ることによる漏れ磁束の増加を抑制できる。
また、ばね部の変形によりロータコアの公差が吸収されるので、ロータコアの公差等によらず安定して永久磁石をロータコアの軸方向における中間部に配置できる。さらに、金型の押圧力が変動した場合であっても、ばね部により荷重が吸収されるので、永久磁石の割れを抑制するとともに安定的に永久磁石を保持できる。
したがって、永久磁石を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコアに対する永久磁石の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータを製造できる。
第1実施形態に係る永久磁石埋設型ロータの分解斜視図。 永久磁石埋設型ロータの製造工程における図1のII−II線に対応する断面図。 図2のIII部拡大図。 図3のIV−IV線に沿うロータコアの部分断面図。 第1実施形態に係る永久磁石及び固定部材の斜視図。 第2実施形態に係る永久磁石及び固定部材の側面図。 第3実施形態に係る永久磁石及び固定部材の側面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
(永久磁石埋設型ロータ)
図1は、永久磁石埋設型ロータ1の分解斜視図である。
永久磁石埋設型ロータ1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車の動力源として使用される回転電機のロータとして用いられる。永久磁石埋設型ロータ1は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。以下の説明では、永久磁石埋設型ロータ1の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C回りの方向を周方向という場合がある。
永久磁石埋設型ロータ1の径方向の外側には、不図示のステータが間隔をあけて配置される。永久磁石埋設型ロータ1は、永久磁石埋設型ロータ1に収容された永久磁石3と、ステータに装着されたコイルと、の間に磁気的な吸引力や反発力が生じることにより、ステータに対して軸線C回りに回転可能に構成されている。
永久磁石埋設型ロータ1は、ロータコア2と、永久磁石3と、固定部材4と、端面板5と、を有する。
(ロータコア)
図2は、永久磁石埋設型ロータの製造工程における図1のII−II線に対応する断面図である。図3は、図2のIII部拡大図である。図4は、図3のIV−IV線に沿うロータコア2の部分断面図である。
図2に示すように、ロータコア2は、複数の鋼板11を軸方向に積層して形成されている。ロータコア2は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。ロータコア2は、製造工程において軸方向の両側から金型6により挟まれている。金型6は、ロータコア2の軸方向一方側(図2における上方側)に配置される上型7と、ロータコア2の軸方向他方側(図2における下方側)に配置される下型8と、を有する。
図1に示すように、ロータコア2は、収容孔21と、肉抜き孔22と、軸挿通孔23と、を有する。
収容孔21は、ロータコア2の外周部に設けられている。収容孔21は、ロータコア2を軸方向に貫通している。図4に示すように、収容孔21は、軸方向から見て3個の収容孔21がV字状に配置された収容孔群20を形成している。収容孔群20は、周方向に複数(本実施形態では12個)設けられている。各収容孔21は、磁石収容部25と、空隙部26と、を有する。
磁石収容部25は、断面矩形状に形成されている。磁石収容部25には、永久磁石3が収容されている。
空隙部26は、磁石収容部25に隣接している。本実施形態において、収容孔21のうち、永久磁石3が収容される部分(すなわち、磁石収容部25)以外の空間が空隙部26とされている。具体的に、空隙部26は、磁石収容部25の短辺から磁石収容部25の外側に向かって膨出した部分と、収容孔21の径方向内側の磁石逃げ部27と、を含む。磁石逃げ部27は、磁石収容部25に隣接している。磁石逃げ部27は、磁石収容部25の径方向内側の長辺から磁石収容部25の外側に向かって膨出している。磁石逃げ部27は、磁石収容部25に収容された永久磁石3の角部に対応する位置に形成されている。空隙部26には、樹脂10(図2参照)が注入されている。
図1に示すように、肉抜き孔22は、第一肉抜き孔22aと、第二肉抜き孔22bと、第三肉抜き孔22cと、を有する。
第一肉抜き孔22aは、収容孔21よりも径方向の内側に設けられている。第一肉抜き孔22aは、周方向において隣り合う収容孔群20同士の間に設けられている。第一肉抜き孔22aは、断面三角形状に形成されている。第一肉抜き孔22aは、ロータコア2を軸方向に貫通している。
第二肉抜き孔22bは、第一肉抜き孔22aよりも径方向の内側に設けられている。第二肉抜き孔22bは、周方向に複数設けられている。第二肉抜き孔22bは、ロータコア2を軸方向に貫通している。
第三肉抜き孔22cは、第二肉抜き孔22bよりも径方向の内側に設けられている。第三肉抜き孔22cは、周方向に複数設けられている。第三肉抜き孔22cは、ロータコア2を軸方向に貫通している。第三肉抜き孔22cの外形は、第二肉抜き孔22bの外形よりも小さい。
軸挿通孔23は、軸線Cと同軸となるように設けられている。軸挿通孔23は、ロータコア2を軸方向に貫通している。軸挿通孔23には、不図示の回転軸が貫通した状態で固定されている。これにより、ロータコア2と回転軸とが軸線C回りに一体回転する。
(永久磁石)
図4に示すように、永久磁石3は、ロータコアの収容孔21における磁石収容部25に収容されている。永久磁石3は、磁石収容部25に収容された後、空隙部26に樹脂10(図2参照)が注入されることにより、ロータコア2に固定される。永久磁石3は、直方体状に形成されている。図3に示すように、永久磁石3の軸方向の長さ寸法は、ロータコア2の軸方向の厚み寸法以下となるように形成されている。永久磁石3の側面のうち周方向における一方側(図3における右側)の側面は、ロータコア2に接触している。
図4に示すように、永久磁石3は、収容孔群20の各収容孔21に挿入されることにより、軸方向から見て3個の永久磁石3がV字状に配置された磁石群30を形成している。磁石群30は、ロータコア2の周方向に交互に異なる磁極となるように配置されている。
(固定部材)
図3に示すように、固定部材4は、永久磁石3を固定した状態で、永久磁石3とともにロータコア2の収容孔21に収容されている。具体的に、固定部材4は、収容孔21の空隙部26に挿入されている。固定部材4は、非磁性体により形成されている。固定部材4は、例えば樹脂により形成されている。
図5は、永久磁石3及び固定部材4の斜視図である。
図5に示すように、固定部材4は、保持部41と、ばね部42と、第一当接部43(請求項における当接部)と、第二当接部44と、を有する。
保持部41は、永久磁石3を保持する部分である。保持部41は、永久磁石3の軸方向端面に対抗する一対の対向部47と、一対の対向部47を連結する連結部48と、を有する。連結部48は、軸方向に直線状に延在する第一延在部48aと、第一延在部48aと対向部47とを連結する一対の第二延在部48bと、を有する。第一延在部48aは、第二延在部48bよりも永久磁石3から離間する方向に配置されている。保持部41は、対向部47と、連結部48と、によりU字状に形成されている。
ばね部42は、保持部41の第二延在部48bよりも径方向の外側に設けられている。ばね部42の一端は、保持部41の第一延在部48aの端部に接続されている。ばね部42は、軸方向の一方側及び他方側に一対設けられている。一対のばね部42は、同等の構成とされている。ばね部42は、軸方向の荷重に対して弾性変形可能とされている。
第一当接部43は、ばね部42の他端に接続されている。第一当接部43は、ロータコア2の収容孔21に樹脂10を注入する際、ロータコア2を軸方向に挟む金型6に当接している。固定部材4がロータコア2の収容孔21に収容された状態において、第一当接部43は、ロータコア2の端面よりも軸方向の外側に突出している。
第二当接部44は、ばね部42と第一当接部43との間に設けられている。第二当接部44は、ばね部42及び第一当接部43のそれぞれに対して傾斜している。図3に示すように、第二当接部44は、軸線と平行な仮想線L1と鋭角θをなすように傾斜している。第二当接部44は、ロータコア2の収容孔21に樹脂10を注入する際、金型6に当接し、永久磁石3を周方向の一方側に向かって押圧する。
このように構成された固定部材4は、ロータコア2の収容孔21に収容された状態において、軸方向から見て永久磁石3の長手方向の一方側に配置されている。具体的に、V字状に形成された収容孔群20における両端の収容孔21,21において、固定部材4は、永久磁石3の径方向外側の短辺に沿うように配置されている。収容孔群20における中央の収容孔21において、固定部材4は、永久磁石3の短辺のうちいずれか一方に沿うように配置されている。
(端面板)
図1に戻って、端面板5は、ロータコア2の軸方向一方側及び他方側の端面を覆うように一対設けられている。端面板5は、軸線Cを中心とする環状に形成されている。軸方向一方側に配置された端面板5と、軸方向他方側に配置された端面板5と、は同等の構成とされている。端面板5は、第一貫通孔51と、第二貫通孔52と、第三貫通孔53と、凹部54と、を有する。
第一貫通孔51は、端面板5の外周部に設けられている。第一貫通孔51は、端面板5を軸方向に貫通している。第一貫通孔51は、ロータコア2の第一肉抜き孔22aに連通している。第一貫通孔51は、周方向に複数形成されている。本実施形態において、第一貫通孔51は、第一肉抜き孔22aと同じ個数形成されている。
第二貫通孔52は、第一貫通孔51よりも径方向の内側に設けられている。第二貫通孔52は、端面板5を軸方向に貫通している。第二貫通孔52の外形は、第一貫通孔51の外形よりも大きい。第二貫通孔52は、ロータコア2の第二肉抜き孔22bに連通している。第二貫通孔52は、周方向に複数形成されている。
第三貫通孔53は、軸線Cと同軸となるように設けられている。第三貫通孔53は、端面板5を軸方向に貫通している。第三貫通孔53の外形は、ロータコア2における軸挿通孔23の外形と実質的に同じ大きさに形成されている。第三貫通孔53には、ロータコア2の軸挿通孔23に固定された不図示の回転軸が貫通している。
凹部54は、端面板5のうち軸方向の内側の面(ロータコア2を向く面)から軸方向の外側に向かって凹んでいる。凹部54は、ロータコア2の収容孔21に挿入された固定部材4に対応する位置に形成されている。凹部54には、固定部材4の第一当接部43(図5参照)が入り込んでいる。
(永久磁石埋設型ロータの製造方法)
永久磁石埋設型ロータ1の製造方法は、ロータコア準備工程と、樹脂注入工程と、を含む。
ロータコア準備工程では、ロータコア2を軸方向に貫通する収容孔21(磁石収容部25及び空隙部26)が形成されたロータコア2を準備する。
樹脂注入工程は、固定部材挿入工程と、金型当接工程と、を含む。
固定部材挿入工程では、ロータコア準備工程の後、空隙部26に、永久磁石3を保持する保持部41と、ロータコア2を軸方向に挟む金型6に当接する第一当接部43と、を備える固定部材4を配置する。具体的に、まず、固定部材4の保持部41により永久磁石3を保持する。次に、永久磁石3を保持した状態で固定部材4を空隙部26に挿入する。このとき、固定部材4の第一当接部43がロータコア2の端面よりも軸方向の外側に突出するように、空隙部26に固定部材4を挿入する。これにより、永久磁石3を備えた固定部材4がロータコア2に配置される。
金型当接工程では、固定部材挿入工程の後、ロータコア2の端面に金型6を当接させる。具体的には、図2に示すように、ロータコア2の軸方向一方側の端面に上型7を当接させ、ロータコア2の軸方向他方側の端面に下型8を当接させる。ここで、上型7には、上型凹部71と、樹脂流通路72と、が形成されている。図3に示すように、上型凹部71は、ロータコア2に当接する端面から軸方向の一方側に向かって凹んでいる。上型凹部71は、固定部材4の軸方向一方側に設けられた第一当接部43(以下「上側第一当接部43A」ともいう。)に対応する位置に設けられている。上型7がロータコア2に当接した状態において、上型凹部71の底部71aには、固定部材4の上側第一当接部43Aが当接している。また、上型凹部71の側壁部71bには、上側第一当接部43Aに連結された第二当接部44(以下「上側第二当接部44A」ともいう。)が当接している。樹脂流通路72は、上型7の内部に形成されている。樹脂流通路72は、上型凹部71と外部とを連通している。
下型8には、下型凹部81が形成されている。下型凹部81は、ロータコア2に当接する端面から軸方向の他方側に向かって凹んでいる。下型凹部81は、固定部材4の軸方向他方側に設けられた第一当接部43(以下「下側第一当接部43B」ともいう。)に対応する位置に設けられている。下型8がロータコア2に当接した状態において、下型凹部81の底部81aには、固定部材4の下側第一当接部43Bが当接している。また、下型凹部81の側壁部81bには、下側第一当接部43Bに連結された第二当接部44(以下「下側第二当接部44B」ともいう。)が当接している。下型凹部81の深さ寸法は、上型凹部71の深さ寸法と実質的に同じに形成されている。
このように形成された上型7及び下型8にロータコア2を当接させた後、外部から樹脂流通路72に樹脂10が供給される。外部から供給された樹脂10は、樹脂流通路72を通って空隙部26に注入される。
空隙部26に樹脂10が注入された後、金型6からロータコア2を離脱させ、ロータコア2の端面に端面板5を配置することにより、永久磁石埋設型ロータ1が製造される。
(作用、効果)
次に、永久磁石埋設型ロータ1の作用、効果について説明する。
本実施形態の永久磁石埋設型ロータ1によれば、固定部材4は保持部41を有するので、収容孔21には、固定部材4に保持された状態で永久磁石3が挿入される。これにより、ロータコア2に永久磁石3を保持するための突起や凹凸等を設ける必要がなく、ロータコア2の製造を容易にできる。また、金属のロータコア2に直接永久磁石3を挿入する場合と比較して、永久磁石3にかかる応力を小さくできる。よって、永久磁石3の割れを抑制し、永久磁石3を安定的に保持できる。例えば、固定部材4を樹脂部材等により形成した場合、金属部材で形成される場合と比較して更に永久磁石3の割れを抑制できる。
固定部材4は第一当接部43を有するので、ロータコア2を軸方向に挟む金型6に第一当接部43が当接することにより、ロータコア2に対して固定部材4及び永久磁石3の軸方向の位置決めができる。ここで、収容孔21に対して永久磁石3の片寄りや傾きが生じると、ロータ回転時のトルクリップルの悪化や軸倒モーメントの増大等により、ロータ性能が低下するおそれがある。本発明の永久磁石埋設型ロータ1によれば、固定部材4により樹脂10注入時の樹脂流動による永久磁石3の移動が抑制され、ロータコア2の収容孔21に対する永久磁石3のばらつきを抑制できる。よって、ロータ性能の低下を抑制できる。
したがって、永久磁石3を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコア2に対する永久磁石3の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータ1を提供できる。
固定部材4はばね部42を有するので、第一当接部43が金型6に当接して固定部材4に軸方向の力が加わると、ばね部42が縮んで力を吸収する。ここで、永久磁石3は軸方向においてばね部42の間に設けられているので、両方のばねの反力が釣り合うことにより、固定部材4の中間部で永久磁石3が固定される。これにより、軸方向において、永久磁石3を収容孔21の中間部に配置できる。よって、永久磁石3が収容孔21の一方側に片寄ることによる漏れ磁束の増加を抑制できる。
また、ばね部42の変形によりロータコア2の公差が吸収されるので、ロータコア2の公差等によらず安定して永久磁石3をロータコア2の軸方向における中間部に配置できる。さらに、金型6の押圧力が変動した場合であっても、ばね部42により荷重が吸収されるので、永久磁石3の割れを抑制するとともに安定的に永久磁石3を保持できる。
ばね部42は保持部41よりも径方向の外側に位置しているので、収容孔21に対して永久磁石3を径方向の内側寄りに配置できる。ここで、収容孔21の径方向内側の壁面には、永久磁石3の角部に対応する位置に、磁石逃げ部27が形成されている。よって、永久磁石3を径方向の内側寄りに配置することにより、永久磁石3と、磁石逃げ部27が形成された収容孔21の径方向内側の壁面と、を当接させることができる。これにより、磁石逃げ部27を好適に利用し、永久磁石3の角部に応力が集中することによる永久磁石3の割れを抑制できる。
また、ロータ回転時、永久磁石3は遠心力により径方向外側に押し付けられる。永久磁石3の径方向外側には固定部材4が配置されているので、永久磁石3とロータコア2とが接触して永久磁石3が割れるのを抑制できる。
第一当接部43とばね部42との間には第二当接部44が設けられているので、第二当接部44が金型6に当接することにより永久磁石3が径方向に押圧される。これにより、ロータコア2に対して永久磁石3を径方向に位置決めできる。よって、簡易な方法によりロータコア2に対する永久磁石3のばらつきを抑制できる。
固定部材4は非磁性体により形成されているので、永久磁石3の磁束は固定部材4により影響を受けない。このため、永久磁石埋設型ロータ1の性能低下を抑制できる。よって、磁束が安定した高性能な永久磁石埋設型ロータ1とすることができる。
また、本実施形態の永久磁石埋設型ロータ1の製造方法によれば、ロータコア準備工程では、ロータコア2を軸方向に貫通する収容孔21(磁石収容部25及び空隙部26)を形成する。また、樹脂注入工程では、空隙部26に固定部材4を配置し、空隙部26に樹脂10を注入する。固定部材4は保持部41を有するので、収容孔21には、固定部材4に保持された状態で永久磁石3が挿入される。これにより、ロータコア2に永久磁石3を保持するための突起や凹凸等を設ける必要がなく、ロータコア2の製造を容易にできる。また、金属のロータコア2に直接永久磁石3を挿入する場合と比較して、永久磁石3にかかる応力を小さくできる。よって、永久磁石3の割れを抑制し、永久磁石3を安定的に保持できる。例えば、固定部材4を樹脂部材等により形成した場合、金属部材により形成した場合と比較して、更に永久磁石3の割れを抑制できる。
固定部材4は第一当接部43を有するので、ロータコア2を軸方向に挟む金型6に第一当接部43が当接することにより、ロータコア2に対して固定部材4及び永久磁石3の軸方向の位置決めができる。ここで、収容孔21に対して永久磁石3の片寄りや傾きが生じると、ロータ回転時のトルクリップルの悪化や軸倒モーメントの増大等により、ロータ性能が低下するおそれがある。本発明の永久磁石埋設型ロータ1の製造方法によれば、固定部材4により樹脂10注入時の樹脂流動による永久磁石3の移動が抑制され、ロータコア2の収容孔21に対する永久磁石3のばらつきを抑制した永久磁石埋設型ロータ1を製造できる。
樹脂注入工程は、固定部材挿入工程と、金型当接工程と、を含む。固定部材挿入工程では、第一当接部43がロータコア2の端面よりも軸方向の外側に突出するように、永久磁石3を保持した固定部材4を空隙部26に挿入する。これにより、第一当接部43を金型6に確実に当接させることができる。金型当接工程では、固定部材挿入工程の後、ロータコア2の端面に金型6を当接させる。ここで、固定部材4はばね部42を有するので、金型6から固定部材4に軸方向の力が加わると、ばね部42が縮んで力を吸収する。永久磁石3は軸方向においてばね部42の間に設けられているので、両方のばねの反力が釣り合うことにより、固定部材4の中間部で永久磁石3が固定される。これにより、軸方向において、永久磁石3を収容孔21の中間部に配置できる。よって、永久磁石3が収容孔21の一方側に片寄ることによる漏れ磁束の増加を抑制できる。
また、ばね部42の変形によりロータコア2の公差が吸収されるので、ロータコア2の公差等によらず安定して永久磁石3をロータコア2の軸方向における中間部に配置できる。さらに、金型6の押圧力が変動した場合であっても、ばね部42により荷重が吸収されるので、永久磁石3の割れを抑制するとともに安定的に永久磁石3を保持できる。
したがって、永久磁石3を安定に保持するとともに、簡易な方法によりロータコア2に対する永久磁石3の位置や傾き等のばらつきを抑制した高性能な永久磁石埋設型ロータ1を製造できる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係る永久磁石3及び固定部材204の側面図である。本実施形態では、ばね部42が径方向において保持部41と同等の位置に設けられた点で上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、保持部241は、永久磁石3の軸方向端面に対向する一対の対向部247と、一対の対向部247を連結するように軸方向に直線状に延在する連結部248と、を有する。ばね部42の一端は、保持部41の軸方向を向く端面(対向部247)に接続されている。ばね部42の他端には第一当接部43が設けられている。第一当接部43は、ばね部42の他端から永久磁石3の軸方向端面と平行となるように延びている。
本実施形態によれば、固定部材204を径方向に小型化できるので、収容孔21に対する永久磁石3の占有面積を増加させることができる。よって、トルクを向上した高性能な永久磁石埋設型ロータ1とすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態に係る永久磁石3及び固定部材304の側面図である。本実施形態では、固定部材4が分割されている点で上述した実施形態と相違している。
本実施形態において、永久磁石埋設型ロータ1は、2個の固定部材304を有する。各固定部材4の保持部341は、永久磁石3の軸方向端面を保持する軸方向保持部345と、軸方向保持部345と連結されるとともに永久磁石3の径方向外側面を保持する径方向保持部346と、を有する。保持部341は、軸方向保持部345と、径方向保持部346と、によりL字状に形成されている。ばね部42の一端は、保持部41の軸方向を向く端面(軸方向保持部345)に接続されている。ばね部42の他端には第一当接部43が設けられている。第一当接部43は、ばね部42の他端から径方向の内側及び外側に延びている。
本実施形態によれば、2個の固定部材304の間に樹脂10を注入できるので、永久磁石3をより確実にロータコア2に固定できる。また、固定部材304を軽量化できる。また、収容孔21に永久磁石3を挿入した後に固定部材304を取り付け又は取り外しできるので、汎用性の高い永久磁石埋設型ロータ1とすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態においては、固定部材4は、軸方向から見て永久磁石3の長辺側に配置された構成としたが、これに限られない。固定部材4は、軸方向から見て永久磁石3の短辺側に配置されてもよい。
ロータコア2は圧粉コアであってもよい。
また、ロータコア2に形成された肉抜き孔22の一部を、冷媒が流通可能な冷媒通路として利用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 永久磁石埋設型ロータ
2 ロータコア
3 永久磁石
4 固定部材
6 金型
10 樹脂
21 収容孔
25 磁石収容部
26 空隙部
41 保持部
42 ばね部
43 第一当接部(当接部)
44 第二当接部
C 軸線

Claims (7)

  1. 軸線回りに回転するロータコアに形成された収容孔に永久磁石が収容されている永久磁石埋設型ロータにおいて、
    前記収容孔は、前記永久磁石を収容可能な磁石収容部と、前記磁石収容部に隣接する空隙部と、を含み、
    前記磁石収容部及び前記空隙部は、前記ロータコアを前記軸線の軸方向に貫通し、
    前記空隙部には、前記空隙部への樹脂の注入時に前記永久磁石を固定する固定部材が挿入され、
    前記固定部材は、前記樹脂の注入時に前記永久磁石を保持する保持部と、前記樹脂の注入時に前記ロータコアを前記軸方向に挟む金型に当接する当接部と、を備えることを特徴とする永久磁石埋設型ロータ。
  2. 前記固定部材は、前記保持部と前記当接部との間に設けられたばね部を更に有し、
    前記当接部は、前記ロータコアの端面よりも前記軸方向の外側に突出することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石埋設型ロータ。
  3. 前記ばね部は、前記永久磁石に対して前記保持部よりも前記軸線の径方向の外側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の永久磁石埋設型ロータ。
  4. 前記当接部と前記ばね部との間には、前記金型に当接し、前記永久磁石を前記軸線の径方向に押圧する第二当接部が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の永久磁石埋設型ロータ。
  5. 前記固定部材は、非磁性体であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型ロータ。
  6. 軸線回りに回転するロータコアに形成された収容孔に永久磁石が収容されている永久磁石埋設型ロータの製造方法において、
    前記収容孔は、前記永久磁石を収容可能な磁石収容部と、前記磁石収容部に隣接する空隙部と、を含み、前記ロータコアを軸方向に貫通する前記磁石収容部及び前記空隙部が形成された前記ロータコアを準備するロータコア準備工程と、
    前記ロータコア準備工程の後、前記空隙部に、前記永久磁石を保持する保持部と、前記ロータコアを前記軸方向に挟む金型に当接する当接部と、を備える固定部材を配置し、前記空隙部に樹脂を注入する樹脂注入工程と、
    を含むことを特徴とする永久磁石埋設型ロータの製造方法。
  7. 前記固定部材は、前記保持部と前記当接部との間に設けられたばね部を更に有し、
    前記樹脂注入工程は、前記当接部が前記ロータコアの端面よりも前記軸方向の外側に突出するように、前記空隙部に前記固定部材を挿入する固定部材挿入工程と、
    前記固定部材挿入工程の後、前記ロータコアの端面に前記金型を当接させる金型当接工程と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の永久磁石埋設型ロータの製造方法。
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