JP2020113532A - 電極合材用液体組成物、電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 - Google Patents

電極合材用液体組成物、電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 Download PDF

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Hiromichi Kuriyama
博道 栗山
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Keigo Takauji
啓吾 鷹氏
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Abstract

【課題】粘度が低くても、電極合材の剥離強度が大きい電極を製造することが可能な電極合材用液体組成物を提供する。【解決手段】電極合材用液体組成物は、活物質A、分散媒B及び重合性化合物Cを含み、25℃における液体吐出ヘッドから吐出することが可能な粘度である。【選択図】図1

Description

本発明は、電極合材用液体組成物、電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車等へ搭載され、需要が拡大している。また、各種ウェアラブル機器や医療用パッチに搭載する薄型電池に対するニーズが高まってきており、リチウムイオン二次電池に対する要求が多様化している。
従来、リチウムイオン二次電池を構成する電極の製造方法としては、ダイコーター、コンマコーター、リバースロールコーター等を用いて、電極合材用液体組成物を塗布することにより、電極基体上に電極合材を形成する方法が知られている。
電極合材用液体組成物は、一般に、活物質、分散媒及びバインダーを含むが、バインダーが分散媒中に溶解しているため、粘度が高くなる。
しかしながら、粘度が高い電極合材用液体組成物を用いると、電極の生産性が低下するという問題があった。
特許文献1の実施例に、1重量%水溶液の粘度が1〜20mPa・sであるバインダーの含有量が0.01〜0.5重量%であり、粘度が3.1〜5.8mPa・sであるインクジェット印刷用電極組成物が例示されている。
しかしながら、インクジェット印刷のような液体吐出方式による印刷用の電極組成物を用いて、電極を製造すると、電極合材の剥離強度が小さくなるという問題がある。
本発明の一態様は、粘度が低くても、電極合材の剥離強度が大きい電極を製造することが可能な電極合材用液体組成物を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電極合材用液体組成物において、活物質、分散媒及び重合性化合物を含み、25℃における粘度が液体吐出ヘッドから吐出することが可能な粘度である。
本発明の一態様によれば、粘度が低くても、電極合材の剥離強度が大きい電極を製造することが可能な電極合材用液体組成物を提供することができる。
本実施形態の電極合材用液体組成物の一例を示す模式図である。 本実施形態の電極の製造方法により製造される電極の一例を示す模式図である。 本実施形態の負極の一例を示す断面図である。 本実施形態の負極の製造方法の一例を示す模式図である。 本実施形態の負極の製造方法の他の例を示す模式図である。 図4、5の液体吐出装置の変形例を示す模式図である。 本実施形態の正極の一例を示す断面図である。 本実施形態の電気化学素子に用いる電極素子の一例を示す断面図である。 本実施形態の電気化学素子の一例を示す断面図である 実施例及び比較例の液体組成物の粘度と電極合材の剥離強度の関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。なお、同一の構成部分には、同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。
<電極合材用液体組成物>
本実施形態の電極合材用液体組成物(以下、液体組成物という)は、活物質A、分散媒B及び重合性化合物Cを含み(図1参照)、必要に応じて、導電助剤、分散剤等をさらに含んでいてもよい。
本実施形態の液体組成物の25℃における粘度は、液体吐出ヘッドから吐出することが可能な粘度であればよく、50mPa・s以下であることが好ましい。本実施形態の液体組成物の25℃における粘度が50mPa・s以下であると、本実施形態の液体組成物の粒度分布の変化が生じにくくなるため、本実施形態の液体組成物の吐出安定性が向上する。
なお、本実施形態の液体組成物の25℃における粘度は、9.5mPa・s以上であることが好ましい。本実施形態の液体組成物の25℃における粘度が9.5mPa・s以上であると、本実施形態の液体組成物を液滴として吐出しやすくなるため、吐出量を制御しやすくなる。
ここで、本実施形態の液体組成物は、電気化学素子の電極の製造に用いることができる。
なお、電気化学素子は、絶縁体の両側に電極が配置されており、電気エネルギーを蓄えるものである。
<活物質>
活物質としては、正極活物質又は負極活物質を用いることができる。
なお、正極活物質又は負極活物質は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
正極活物質としては、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能であれば、特に制限はないが、アルカリ金属含有遷移金属化合物を用いることができる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選択される一種以上の元素とリチウムとを含む複合酸化物等のリチウム含有遷移金属化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、結晶構造中にXO四面体(X=P,S,As,Mo,W,Si等)を有するポリアニオン系化合物も用いることができる。これらの中でも、サイクル特性の点で、リン酸鉄リチウム、リン酸バナジウムリチウム等のリチウム含有遷移金属リン酸化合物が好ましく、リチウム拡散係数、出力特性の点で、リン酸バナジウムリチウムが特に好ましい。
なお、ポリアニオン系化合物は、電子伝導性の点で、炭素材料等の導電助剤により表面が被覆されて複合化されていることが好ましい。
負極活物質としては、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能であれば、特に制限はないが、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を用いることができる。
炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等が挙げられる。
炭素材料以外の負極活物質としては、例えば、チタン酸リチウム、酸化チタン等が挙げられる。
また、非水系蓄電素子のエネルギー密度の点から、負極活物質として、シリコン、スズ、シリコン合金、スズ合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化スズ等の高容量材料を用いることが好ましい。
活物質の最大粒子径は、液体吐出ヘッドのノズル径以下であることが好ましい。これにより、本実施形態の液体組成物の吐出安定性が向上する。
活物質のモード径は、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。活物質のモード径が3μm以下であると、本実施形態の液体組成物の貯蔵安定性が向上する。
なお、活物質のモード径は、0.5μm以上であることが好ましい。
活物質の10%径(D10)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.15μm以上であることがより好ましい。活物質のD10が0.1μm以上であると、本実施形態の液体組成物の貯蔵安定性が向上する。
なお、活物質のD10は、0.8μm以下であることが好ましい。
本実施形態の液体組成物中の活物質の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましい。本実施形態の液体組成物中の活物質の含有量が20質量%以上であると、電気化学素子の容量が向上する。
なお、本実施形態の液体組成物中の活物質の含有量は、50質量%以下であることが好ましい。
<分散媒>
分散媒としては、活物質を分散させることが可能であれば、特に制限はないが、水、エチレングリコール、プロピレングリコール等の水性分散媒、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、メシチレン、2−n−ブトキシメタノール、2−ジメチルエタノール、N,N−ジメチルアセトアミド等の有機分散媒が挙げられる。
分散媒は、ポロジェンを含むことが好ましい。これにより、電極合材に連通した空孔を形成することができる。その結果、電極合材は、非水電解液の保持性が向上し、イオン拡散に有利となるため、電極の単位面積当たりの容量が大きい電気化学素子が得られる。
ポロジェンとしては、重合性化合物が溶解すると共に、重合性化合物の重合の進行に伴い、重合性化合物の重合体が相分離することが可能であれば、特に制限はなく、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DEGME)、エチレングリコールモノブチルエーテル、(EGBE)等のグリコールモノエーテル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド等が挙げられる。
なお、分散媒は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
<重合性化合物>
重合性化合物は、重合開始剤又は触媒と併用することが好ましい。
なお、重合性化合物は、単官能及び多官能のいずれであってもよい。
ここで、単官能とは、重合性基を1個有することを意味し、多官能とは、重合性基を2個以上有することを意味する。
多官能の重合性化合物としては、加熱する、又は、非電離放射線、電離放射線、赤外線等を照射することによって重合することが可能であれば、特に制限はなく、例えば、アクリレート、メタクリレート、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル、エン−チオール反応を活用した樹脂等が挙げられる。これらの中でも、生産性の観点から、アクリレート、メタクリレート、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。
多官能のアクリレートは、マイケル受容体として、用いることができるため、マイケル供与体と重付加反応させることができる。
多官能のアクリレートとしては、例えば、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の低分子化合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の高分子化合物等の二官能のアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の三官能のアクリレート;ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の四官能以上のアクリレート等が挙げられる。
マイケル供与体としては、多官能のアミン、多官能のチオール等が挙げられる。
アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1、3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン等が挙げられる。
チオールとしては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、4,4−ビフェニルジチオール等が挙げられる。
重付加反応の触媒としては、マイケル付加反応に通常用いられる触媒を適宜選択して使用することができるが、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、N−メチルジシクロヘキシルアミン等のアミン触媒、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の塩基触媒、金属ナトリウム、ブチルリチウム等が挙げられる。
付加重合(ラジカル重合)することが可能な重合性化合物としては、例えば、ミルセン、カレン、オシメン、ピネン、リモネン、カンフェン、テルピノレン、トリシクレン、テルピネン、フェンチェン、フェランドレン、シルベストレン、サビネン、ジペンテン、ボルネン、イソプレゴール、カルボン等の不飽和結合を有するテルペンの二重結合をエポキシ化し、アクリル酸又はメタクリル酸を付加させたエステル;シトロネロール、ピノカンフェオール、ゲラニオール、フェンチルアルコール、ネロール、ボルネオール、リナロール、メントール、テルピネオール、ツイルアルコール、シトロネラール、ヨノン、イロン、シネロール、シトラール、ピノール、シクロシトラール、カルボメントン、アスカリドール、サフラナール、ピペリトール、メンテンモノオール、ジヒドロカルボン、カルベオール、スクラレオール、マノール、ヒノキオール、フェルギノール、トタロール、スギオール、ファルネソール、パチュリアルコール、ネロリドール、カロトール、カジノール、ランセオール、オイデスモール、フィトール等のテルペン由来のアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸のエステル;シトロネロル酸、ヒノキ酸、サンタル酸;メントン、カルボタナセトン、フェランドラール、ピメリテノン、ペリルアルデヒド、ツヨン、カロン、ダゲトン、ショウノウ、ビサボレン、サンタレン、ジンギベレン、カリオフィレン、クルクメン、セドレン、カジネン、ロンギホレン、セスキベニヘン、セドロール、グアヨール、ケッソグリコール、シペロン、エレモフィロン、ゼルンボン、カンホレン、ポドカルプレン、ミレン、フィロクラデン、トタレン、ケトマノイルオキシド、マノイルオキシド、アビエチン酸、ピマル酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、イソ−d−ピマル酸、アガテンジカルボン酸、ルベニン酸、カロチノイド、ペラリアルデヒド、ピペリトン、アスカリドール、ピメン、フェンケン、セスキテルペン類、ジテルペン類、トリテルペン類等の骨格を側鎖に有するアクリレート又はメタクリレートが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、光ラジカル発生剤を用いることができる。
光ラジカル発生剤としては、例えば、α−ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンジルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、モノアシルホスフィンオキシド、ジアシルホスフィンオキシド、チタノセン、フルオレセン、アントラキノン、チオキサントン、キサントン、ロフィンダイマー、トリハロメチル化合物、ジハロメチル化合物、活性エステル化合物、有機ホウ素化合物等が挙げられる。
なお、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のビスアジド化合物等の光架橋型ラジカル発生剤を光ラジカル発生剤と併用してもよい。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。
重合開始剤として、光酸発生剤を用いてもよい。この場合、塗布された液体組成物に光を照射すると、光酸発生剤が酸を発生し、重合性化合物が重合する。
酸の存在下で重合する重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタン基、オキソラン基等の環状エーテル基を有する化合物、上述した置換基を側鎖に有するアクリル化合物又はビニル化合物、カーボネート系化合物、低分子量のメラミン化合物、ビニルエーテル類、ビニルカルバゾール類、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体、ビニルアルコールと、アクリル酸、メタクリル酸等とのエステル化合物等のビニルアルコールエステル類等のカチオン重合することが可能なビニル基を有するモノマー等が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド、有機ハロゲン化物、芳香族スルホネート、ジスルホン化合物、スルホニル化合物、スルホネート、スルホニウム塩、スルファミド、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。これらの中でも、オニウム塩が好ましい。
オニウム塩としては、例えば、フルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、ヘキサフルオロヒ素酸イオン、トリフルオロメタンスルホネートイオン、p−トルエンスルホネートイオンを対イオンとするジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
上記以外の光酸発生剤としては、ハロゲン化トリアジンを使用することができる。
なお、光酸発生剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、光酸発生剤を使用する場合は、増感色素を併用してもよい。
増感色素としては、例えば、アクリジン、ベンゾフラビン、ペリレン、アントラセン、レーザ色素等が挙げられる。
<導電助剤>
導電助剤としては、例えば、ファーネス法、アセチレン法、ガス化法等により製造されている導電性カーボンブラックや、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子等の炭素材料を用いることができる。炭素材料以外の導電助剤としては、例えば、アルミニウム等の金属粒子、金属繊維を用いることができる。なお、導電助剤は、予め活物質と複合化されていてもよい。
活物質に対する導電助剤の質量比は、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。活物質に対する導電助剤の質量比が10%以下であると、本実施形態の電極合材用液体組成物の安定性が向上する。また、活物質に対する導電助剤の質量比が8%以下であると、本実施形態の電極合材用液体組成物の安定性がさらに向上する。
<分散剤>
分散剤としては、分散媒中の活物質、導電助剤の分散性を向上させることが可能であれば、特に制限はないが、例えば、ポリカルボン酸系分散剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系分散剤、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系分散剤、ポリエーテル系分散剤、ポリアルキレンポリアミン系分散剤等の高分子型分散剤、アルキルスルホン酸系分散剤、四級アンモニウム塩系分散剤、高級アルコールアルキレンオキシド系分散剤、多価アルコールエステル系分散剤、アルキルポリアミン系分散剤等の界面活性剤型分散剤、ポリリン酸塩系分散剤等の無機型分散剤等が挙げられる。
<電極の製造方法>
本実施形態の電極の製造方法は、本実施形態の液体組成物を、電極基体上に塗布する工程を含む。
液体組成物の塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、液体吐出印刷法等が挙げられる。これらの中でも、電極の生産性の点で、液体吐出印刷法が特に好ましい。
本実施形態の液体組成物を、電極基体D上に塗布した後に、加熱する、又は、非電離放射線、電離放射線、赤外線等を照射することにより、重合性化合物Cが重合し、バインダーC'が生成する(図2参照)。
電極基体(集電体)を構成する材料としては、導電性を有し、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はない。
<負極>
図3に、本実施形態の負極の一例を示す。
負極10は、負極基体11の片面に、負極合材層12が形成されている。
なお、負極合材層12は、負極基体11の両面に形成されていてもよい。
負極10の形状としては、特に制限はなく、例えば、平板状等が挙げられる。
負極基体11を構成する材料としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅等が挙げられる。
<負極の製造方法>
図4に、本実施形態の負極の製造方法の一例を示す。
負極10の製造方法は、液体吐出装置300を用いて、負極基体11上に、負極合材12用液体組成物12A(以下、液体組成物12Aという)を吐出する工程を含む。
ここで、液体組成物12Aは、負極活物質、分散媒及び重合性化合物を含み、25℃における粘度が液体吐出ヘッド306から吐出することが可能な粘度である。
液体組成物12Aは、タンク307に貯蔵されており、タンク307からチューブ308を経由して液体吐出ヘッド306に供給される。
また、液体吐出装置300は、液体組成物12Aが液体吐出ヘッド306から吐出されていない際に、乾燥を防ぐため、ノズルをキャップする機構が設けられていてもよい。
負極10を製造する際には、加熱することが可能なステージ400上に、負極基体11を設置した後、負極基体11に液体組成物12Aの液滴を吐出した後に、加熱する。このとき、ステージ400が移動してもよく、液体吐出ヘッド306が移動してもよい。
また、負極基体11に吐出された液体組成物12Aを加熱する際には、ステージ400により加熱してもよいし、ステージ400以外の加熱機構により加熱してもよい。
加熱機構としては、液体組成物12Aに直接接触しなければ、特に制限はなく、例えば、抵抗加熱ヒータ、赤外線ヒータ、ファンヒータ等が挙げられる。
なお、加熱機構は、複数個設置されていてもよい。
加熱温度は、重合性化合物が重合する温度であれば、特に制限はなく、使用エネルギーの観点から、70〜150℃の範囲であることが好ましい。
また、負極基体11に吐出された液体組成物12Aを加熱する際に、紫外光を照射してもよい。
図5に、本実施形態の負極の製造方法の他の例を示す。
負極10の製造方法は、液体吐出装置300を用いて、負極基体11上に、液体組成物12Aを吐出する工程を含む。
まず、細長状の負極基体11を準備する。そして、負極基体11を筒状の芯に巻き付け、負極合材層12を形成する側が、図中、上側になるように、送り出しローラ304と巻き取りローラ305にセットする。ここで、送り出しローラ304と巻き取りローラ305は、反時計回りに回転し、負極基体11は、図中、右から左の方向に搬送される。そして、送り出しローラ304と巻き取りローラ305の間の負極基体11の上方に設置されている液体吐出ヘッド306から、搬送される負極基体11上に、液体組成物12Aの液滴を吐出する。液体組成物12Aの液滴は、負極基体11の少なくとも一部を覆うように吐出される。
なお、液体吐出ヘッド306は、負極基体11の搬送方向に対して、略平行な方向又は略垂直な方向に、複数個設置されてもよい。
次に、液体組成物12Aが吐出された負極基体11は、送り出しローラ304と巻き取りローラ305によって、加熱機構309に搬送される。その結果、負極基体11上の液体組成物12Aに含まれる重合性化合物が重合して負極合材層12が形成され、負極10が得られる。その後、負極10は、打ち抜き加工等により、所望の大きさに切断される。
加熱機構309としては、液体組成物12Aに直接接触しなければ、特に制限はなく、例えば、抵抗加熱ヒータ、赤外線ヒータ、ファンヒータ等が挙げられる。
なお、加熱機構309は、負極基体11の上下の何れか一方に設置されてもよいし、複数個設置されていてもよい。
加熱温度は、重合性化合物が重合する温度であれば、特に制限はなく、使用エネルギーの観点から、70〜150℃の範囲であることが好ましい。
また、負極基体11に吐出された液体組成物12Aを加熱する際に、紫外光を照射してもよい。
図6に、液体吐出装置300の変形例を示す。
液体吐出装置300'は、ポンプ310と、バルブ311、312を制御することにより、液体組成物12Aが液体吐出ヘッド306、タンク307、チューブ308を循環することが可能である。
また、液体吐出装置300'は、外部タンク313が設けられており、タンク307内の液体組成物12Aが減少した際に、ポンプ310と、バルブ311、312、314を制御することにより、外部タンク313からタンク307に液体組成物12Aを供給することも可能である。
液体吐出装置300、300'を用いると、負極基体11の狙ったところに液体組成物12Aを吐出することができる。また、液体吐出装置300、300'を用いると、負極基体11と負極合材層12の上下に接する面同士を結着することができる。さらに、液体吐出装置300、300'を用いると、負極合材層12の厚さを均一にすることができる。
<正極>
図7に、本実施形態の正極の一例を示す。
正極20は、正極基体21の片面に、正極合材層22が形成されている。
なお、正極合材層22は、正極基体21の両面に形成されていてもよい。
正極20の形状としては、特に制限はなく、例えば、平板状等が挙げられる。
正極基体21を構成する材料としては、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、チタン、タンタル等が挙げられる。
<正極の製造方法>
正極20の製造方法は、正極基体21上に、正極合材22用液体組成物を吐出する以外は、負極10の製造方法と同様である。
ここで、正極合材22用液体組成物は、正極活物質、分散媒及び重合性化合物を含み、25℃における粘度が液体吐出ヘッドから吐出することが可能な粘度である。
<電気化学素子の製造方法>
本実施形態の電気化学素子の製造方法は、本実施形態の電極の製造方法を用いて電極を製造する工程を含む。
<電極素子>
図8に、本実施形態の電気化学素子に用いる電極素子の一例を示す。
電極素子40は、負極15と正極25が、セパレータ30を介して、積層されている。ここで、正極25は、負極15の両側に積層されている。また、負極基体11には、引き出し線41が接続されており、正極基体21には、引き出し線42が接続されている。
負極15は、負極基体11の両面に、負極合材層12が形成されていること以外は、負極10と同様である。
正極25は、正極基体21の両面に、正極合材層22が形成されていること以外は、正極20と同様である。
なお、電極素子40の負極15と正極25の積層数は、特に制限は無い。
また、電極素子40の負極15の個数と正極25の個数は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<セパレータ>
セパレータ30は、負極15と正極25の短絡を防ぐために、必要に応じて、負極15と正極25の間に設けられている。
セパレータ30としては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜等が挙げられる。
セパレータ30の大きさは、電気化学素子に使用することが可能であれば、特に制限はない。
セパレータ30は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
なお、固体電解質を使用する場合は、セパレータ30を省略することができる。
<電気化学素子>
図9に、本実施形態の電気化学素子の一例を示す。
電気化学素子1は、電極素子40に、電解質水溶液又は非水電解質を注入することにより、電解質層51が形成されており、外装52により封止されている。電気化学素子1において、引き出し線41及び42は、外装52の外部に引き出されている。
電気化学素子1は、必要に応じて、その他の部材を有してもよい。
電気化学素子1としては、特に制限はなく、例えば、水系蓄電素子、非水系蓄電素子等が挙げられる。
電気化学素子1の形状としては、特に制限はなく、例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。
<電解質水溶液>
電解質水溶液を構成する電解質塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩化亜鉛等が挙げられる。
<非水電解質>
非水電解質としては、固体電解質又は非水電解液を使用することができる。
ここで、非水電解液とは、電解質塩が非水溶媒に溶解している電解液である。
<非水溶媒>
非水溶媒としては、特に制限はなく、例えば、非プロトン性有機溶媒を用いることが好ましい。
非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
また、非プロトン性有機溶媒は、粘度が低いことが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、50質量%以上であることが好ましい。非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量が50質量%以上であると、鎖状カーボネート以外の非水溶媒が誘電率が高い環状物質(例えば、環状カーボネート、環状エステル)であっても、環状物質の含有量が少なくなる。このため、2M以上の高濃度の非水電解液を作製しても、非水電解液の粘度が低くなり、非水電解液の電極へのしみ込みやイオン拡散が良好となる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等が挙げられる。
なお、カーボネート系有機溶媒以外の非水溶媒としては、例えば、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒
等を用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(例えば、酢酸メチル(MA)、酢酸エチル)、ギ酸アルキルエステル(例えば、ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル)等が挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
<電解質塩>
電解質塩としては、イオン伝導度が高く、非水溶媒に溶解することが可能であれば、特に制限はない。
電解質塩は、ハロゲン原子を含むことが好ましい。
電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、リチウムイオン等が挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、例えば、BF 、PF 、AsF 、CFSO 、(CFSO、(CSO等が挙げられる。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド(LiN(CSO)等が挙げられる。これらの中でも、イオン伝導度の点から、LiPFが好ましく、安定性の点から、LiBFが好ましい。
なお、電解質塩は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、目的に応じて適宜選択することができるが、非水系蓄電素子がスイング型である場合、1mol/L〜2mol/Lであることが好ましく、非水系蓄電素子がリザーブ型である場合、2mol/L〜4mol/Lであることが好ましい。
<電気化学素子の用途>
電気化学素子の用途としては、特に制限はなく、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
活物質の粒度分布、液体組成物の粘度、電極合材の剥離強度、電極の単位面積当たりの容量を、以下の方法により、測定した。
[活物質の粒度分布]
実施例で用いた分散媒に活物質を分散させた後、レーザ回折式粒度分布測定装置マスターサイザー3000(マルバーン製)を用いて、25℃で活物質の粒度分布を計測した。
[液体組成物の粘度]
B型粘度計(コーンプレート型粘度計)にNo.CPA−40Zのロータを装着して、回転数100rpm、温度25℃の条件で、液体組成物の粘度を測定した。
[電極合材の剥離強度]
粘着皮膜剥離解析装置VPA−3(協和界面科学製)を用いて、電極合材の剥離強度を測定した(ピール強度試験法)。具体的には、作製した電極を、幅1cm×長さ10cmに切断した試験片の電極合材側の表面にセロハンテープを貼り付けた後、剥離速度30mm/分、剥離角度90°の条件で、試験片の一端からセロハンテープを100mm引き剥がし、その時の応力を測定した。このような測定を10回実施し、その加重平均を求めた。
[正極の単位面積当たりの容量(正極活物質1−4)]
充放電測定装置TOSCAT3001(東洋システム製)を用いて、正極の単位面積当たりの容量を測定した。室温(25℃)において、非水系蓄電素子に0.1mA/cmの定電流で充電終止電圧4.2Vまで充電した後、0.1mA/cmの定電流で2.5Vまで放電して初期充放電を実施した。次に、非水系蓄電素子に0.1mA/cmの定電流で4.2Vまで充電した後、0.1mA/cmの定電流で2.5Vまで放電する充放電サイクルを2回実施し、正極の単位面積当たりの容量を測定した。
[正極の単位面積当たりの容量(正極活物質5、6)]
充放電測定装置TOSCAT3001(東洋システム製)を用いて、正極の単位面積当たりの容量を測定した。室温(25℃)において、非水系蓄電素子に0.1mA/cmの定電流で充電終止電圧3.8Vまで充電した後、0.1mA/cmの定電流で2.7Vまで放電して初期充放電を実施した。次に、非水系蓄電素子に0.1mA/cmの定電流で3.8Vまで充電した後、0.1mA/cmの定電流で2.7Vまで放電する充放電サイクルを2回実施し、正極の単位面積当たりの容量を測定した。
[正極活物質1、2]
五酸化バナジウム、水酸化リチウム、リン酸、スクロース、水を混合して沈殿を生成させた後、粉砕して、リン酸バナジウム粒子の前駆体を得た。次に、窒素雰囲気下、900℃で、リン酸バナジウムの前駆体を焼成し、炭素含有量3質量%のリン酸バナジウムリチウム(LVP)(正極活物質1)を得た。正極活物質1は、モード径が10μmであった。さらに、ジェットミルを用いて、正極活物質1を解砕して、正極活物質2を得た。正極活物質2は、モード径が0.7μmであった。
[正極活物質3、4]
正極活物質3として、ニッケル系正極活物質(NCA)(JFEミネラル製)を用いた。正極活物質3は、モード径が12μmであった。さらに、ジェットミルを用いて、正極活物質3を解砕して、正極活物質4を得た。正極活物質4は、モード径が1.5μmであった。
[正極活物質5、6]
正極活物質5として、リン酸鉄リチウム(LFP)(TATUNG FINE CHEMICALS製)を用いた。正極活物質5は、モード径が8.0μmであった。さらに、ビーズミルを用いて、正極活物質5を解砕して、正極活物質6を得た。正極活物質6は、モード径が1.0μmであった。
[負極の単位面積当たりの容量(負極活物質1、2)]
充放電測定装置TOSCAT3001(東洋システム製)を用いて、負極の単位面積当たりの容量を測定した。室温(25℃)において、非水系蓄電素子に0.1mA/cmの定電流で充電終止電圧1.0Vまで充電した後、0.1mA/cmの定電流で2.0Vまで放電して初期充放電を実施した。次に、非水系蓄電素子に0.1mA/cmの定電流で1.0Vまで充電した後、0.1mA/cmの定電流で2.0Vまで放電する充放電サイクルを2回実施し、負極の単位面積当たりの容量を測定した。
[負極活物質1、2]
負極活物質1として、チタン酸リチウム(LTO)(石原産業製)を用いた。負極活物質1は、モード径が2.0μmであった。さらに、ビーズミルを用いて、負極活物質1を解砕して、負極活物質2を得た。負極活物質2は、モード径が1.0μmであった。
表1に、正極活物質及び負極活物質の特性を示す。
Figure 2020113532
[非水電解液]
エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒(質量比1:1:1)に、1.5mol/LのLiPFを溶解させ、非水電解液1(20mL)を得た。
[実施例1]
正極活物質1(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、ペンタエリトリトールテトラアクリラート(PETTA)(東京化成工業製)(0.3質量%)、ヘキサメチレンジアミン(HMD)(東京化成工業製)(0.7質量%)、触媒ジアザビシクロウンデセン(DBU)(東京化成工業製)(0.01質量%)、N−メチルピロリドン(NMP)(富士フイルム和光純薬製)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が15.3mPa・sであった。
ホットプレートで80℃に加熱したアルミニウム箔(正極基体)上に、バーコート法により、正極合材用液体組成物を塗布し、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.54Nであった。
正極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工した後、コイン缶中に、厚さ100μmのセパレータ(ガラスセパレータ)(ADVANTEC製)、非水電解液1及び厚さ200μmの対極(リチウム電極)(本庄金属製)と共に入れ、非水系蓄電素子を得た。非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.24mAh/cmであった。
[実施例2]
正極活物質2(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPとプロピレングリコール(PG)(富士フイルム和光純薬製)の混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が11.2mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、90℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.62Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.24mAh/cmであった。
[実施例3]
正極活物質2(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPと2−ピロリドン(富士フイルム和光純薬製)の混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が10.5mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.60Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.24mAh/cmであった。
[実施例4]
正極活物質2(40質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPと2−ピロリドンの混合分散媒(質量比7:3)(57.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が15.6mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.0mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.61Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.23mAh/cmであった。
[実施例5]
正極活物質2(20質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPと2−ピロリドンの混合分散媒(質量比7:3)(77.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が9.7mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.0mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.61Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.23mAh/cmであった。
[実施例6]
正極活物質3(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMP(67.99質量%)を混合し、液体組成物を得た。液体組成物は、粘度が13.8mPa・sであった。
バーコート法により、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を塗布した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.0mg/cmである正極を得た。正極は正極合材の剥離強度が0.55Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.35mAh/cmであった。
[実施例7]
正極活物質4(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPとPGの混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が12.4mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.2mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.61Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.35mAh/cmであった。
[実施例8]
正極活物質5(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMP(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が15.1mPa・sであった。
バーコート法により、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を塗布した後、100℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.54Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.29mAh/cmであった。
[実施例9]
正極活物質6(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPとPGの混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が14.8mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.55Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.29mAh/cmであった。
[実施例10]
正極活物質1(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(ダイセル・オルネクス製)(0.4質量%)、HMD(0.6質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPとPGの混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が13.2mPa・sであった。
バーコート法により、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を塗布した後、110℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.45Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.24mAh/cmであった。
[実施例11]
正極活物質2(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETA(0.4質量%)、HMD(0.6質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPとPGの混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を作製した。正極合材用液体組成物の粘度は、12.1mPa・sであった。
ホットプレートで80℃に加熱したアルミニウム箔(正極基体)上に、液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、正極合材用液体組成物を印刷し、単位面積当たりの正極活物質量が2.2mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.44Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.26mAh/cmであった。
[実施例12]
正極活物質2(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、IRR 214−K(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)(ダイセル・オルネクス製)(3.3質量%)、重合開始剤V−65(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))(富士フイルム和光純薬製)(0.033質量%)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(GPGME)(65.667質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が15.1mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.2mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.41Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.26mAh/cmであった。
[実施例13]
正極活物質2(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETA(3.3質量%)、重合開始剤V−65(0.033質量%)、GPGME(65.667質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が17.1mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.2mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.44Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.26mAh/cmであった。
[実施例14]
正極活物質4(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、IRR 214−K(ダイセル・オルネクス製)(1質量%)、重合開始剤V−65(0.01質量%)、GPGME(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が14.9mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.2mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.64Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.27mAh/cmであった。
[実施例15]
正極活物質4(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETA(1質量%)、重合開始剤V−65(0.01質量%)、GPGME(67.99質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が16.8mPa・sであった。
液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、アルミニウム箔(正極基体)上に、正極合材用液体組成物を印刷した後、80℃で乾燥させ、単位面積当たりの正極活物質量が2.2mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.66Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.26mAh/cmであった。
[実施例16]
負極活物質1(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(触媒量)、NMP(68質量%)を混合し、負極合材用液体組成物を得た。負極合材用液体組成物は、粘度が16.6mPa・sであった。
ホットプレートで80℃で加熱したアルミニウム箔(負極基体)上に、バーコート法により、負極合材用液体組成物を塗布し、単位面積当たりの負極活物質量が2.0mg/cmである負極を得た。負極は、負極合材の剥離強度が0.66Nであった。
負極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工した後、コイン缶中に、厚さ100μmのセパレータ(ガラスセパレータ)(ADVANTEC製)、非水電解液1及び厚さ200μmの対極(リチウム電極)(本庄金属製)と共に入れ、非水系蓄電素子を得た。非水系蓄電素子は、負極の単位面積当たりの容量が0.30mAh/cmであった。
[実施例17]
負極活物質2(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PETTA(0.3質量%)、HMD(0.7質量%)、触媒DBU(0.01質量%)、NMPとPGの混合分散媒(質量比7:3)(67.99質量%)を混合し、負極合材用液体組成物を得た。負極合材用液体組成物は、粘度が15.4mPa・sであった。
ホットプレートで80℃で加熱したアルミニウム箔(負極基体)上に、液体吐出印刷装置EV2500(リコー製)を用いて、負極合材用液体組成物を印刷し、単位面積当たりの負極活物質量が2.0mg/cmである負極を得た。負極は、負極合材の剥離強度が0.66Nであった。
実施例16と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、負極の単位面積当たりの容量が0.30mAh/cmであった。
[比較例1]
正極活物質1(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(1質量%)、NMP(68質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が1092mPa・sであった。
ホットプレートで120℃に加熱したアルミニウム箔(正極基体)上に、バーコート法により、正極合材用液体組成物を塗布し、単位面積当たりの正極活物質量が2.0mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.66Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.23mAh/cmであった。
[比較例2]
正極活物質1(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、PVDF(0.5質量%)、NMP(68.5質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が611mP・sであった。
ホットプレートで120℃に加熱したアルミニウム箔(正極基体)上に、バーコート法により、正極合材用液体組成物を塗布し、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.37Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製したところ、非水系蓄電素子は、正極の単位面積当たりの容量が0.24mAh/cmであった。
[比較例3]
正極活物質1(30質量%)、カーボンブラック(1質量%)、NMP(69質量%)を混合し、正極合材用液体組成物を得た。正極合材用液体組成物は、粘度が10.2mPa・sであった。ホットプレートで120℃に加熱したアルミニウム箔(正極基体)上に、バーコート法により、正極合材用液体組成物を塗布し、単位面積当たりの正極活物質量が2.1mg/cmである正極を得た。正極は、正極合材の剥離強度が0.002Nであった。
実施例1と同様にして、非水系蓄電素子を作製しようとしたが、正極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工する際に、アルミニウム箔から正極合材が剥がれ落ちてしまい、非水系蓄電素子を作製することができなかった。
表2に、液体組成物の粘度、電極合材の剥離強度、電極の単位面積当たりの容量の測定結果を示す。
Figure 2020113532
表2から、実施例1〜17の電極は、電極合材の剥離強度が大きいことがわかる。
これに対して、比較例1の電極は、液体組成物の粘度が高いため、電極の生産性が低下する。
また、比較例2、3の電極は、液体組成物が重合性化合物を含まないため、電極合材の剥離強度が小さい。
図10に、実施例及び比較例の液体組成物の粘度と電極合材の剥離強度の関係を示す。
図10から、重合性化合物を含む液体組成物を用いると、バインダーを含む液体組成物を用いる場合と比較して、液体組成物の粘度が低くても、電極合材の剥離強度が大きくなることがわかる。
[高レート放電試験]
電極の単位面積当たりの容量を測定した実施例1及び実施例12の非水系蓄電素子に1mA/cmの電流で放電した以外は、電極の単位面積当たりの容量と同様にして、電極の単位面積当たりの容量を測定した。その結果、式
(1mA/cmの電流で放電した際の容量)/(0.1mA/cmの電流で放電た際の容量)
で表される値は、実施例1の正極が95.1%であり、実施例12の正極が97.2%であった。次に、実施例1及び実施例12の非水系蓄電素子に5mA/cmの電流で放電した以外は、電極の単位面積当たりの容量と同様にして、電極の単位面積当たりの容量を測定した。その結果、式
(5mA/cmの電流で放電した際の容量)/(0.1mA/cmの電流で放電した際の容量)
で表される値は、実施例1の正極は87.3%であり、実施例12の正極が94.2%であった。
A 活物質
B 分散媒
C 重合性化合物
C' バインダー
D 電極基体
1 電気化学素子
10、15 負極
11 負極基体
12 負極合材層
12A 液体組成物
20、25 正極
21 正極基体
22 正極合材層
30 セパレータ
40 電極素子
41、42 引き出し線
51 電解質層
52 外装
300、300' 液体吐出装置
306 液体吐出ヘッド
特許第5571304号公報

Claims (9)

  1. 活物質、分散媒及び重合性化合物を含み、
    25℃における粘度が液体吐出ヘッドから吐出することが可能な粘度であることを特徴とする電極合材用液体組成物。
  2. 25℃における粘度が50mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極合材用液体組成物。
  3. 前記活物質は、アルカリ金属イオンを挿入又は放出することが可能な材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極合材用液体組成物。
  4. 前記活物質の含有量が20質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電極合材用液体組成物。
  5. 前記活物質は、最大粒子径が前記液体吐出ヘッドのノズル径以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電極合材用液体組成物。
  6. 前記活物質は、モード径が3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電極合材用液体組成物。
  7. 前記分散媒は、ポロジェンを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電極合材用液体組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電極合材用液体組成物を、電極基体上に塗布する工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電極の製造方法を用いて、電極を製造する工程を含むことを特徴とする電気化学素子の製造方法。
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