JP2020119886A - 液体組成物、電極及びその製造方法、電気化学素子及びその製造方法 - Google Patents

液体組成物、電極及びその製造方法、電気化学素子及びその製造方法 Download PDF

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聡 中島
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博道 栗山
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重雄 竹内
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Abstract

【課題】電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いることが可能な、貯蔵安定性及び吐出安定性に優れた液体組成物の提供。【解決手段】本液体組成物は、電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いる液体組成物であって、分散媒と、電極材料と、前記電極材料同士及び前記電極材料と電極基体を結着できる化合物と、を含み、粘度がインクジェットヘッドから吐出可能な粘度である。【選択図】図1

Description

本発明は、液体組成物、電極及びその製造方法、電気化学素子及びその製造方法に関する。
現在、各種ウェアラブル機器や医療用パッチに搭載する薄型電池に対するニーズが高まってきており、使い捨て用の医療用パッチには一次電池も使用されている。現状、一次電池は、コイン型や円筒型のものが主流である。ウェアラブル機器や医療用に用いられる薄型電池はフレキシブルさや自由な形状等が求められている。
従来、一次電池等の電気化学素子の電極の製造方法としては、ダイコーター、コンマコーター、リバースロールコーター等を用いて、印刷用塗料を塗工することにより、電極基体上に電極合材層を形成する方法が知られている。ここで電気化学素子は、正極及び負極が絶縁体を挟む形で配置された構造であり、電気エネルギーを蓄える機能を有する。印刷用塗料は、一般に、有機溶媒又は水中にバインダが溶解しており、25℃における粘度が数千〜数万mPa・sである。
例えば、電極材料(活物質)を含む液体組成物を用い、電極基体上にスクリーン印刷で電極合材層を形成できる。しかし、スクリーン印刷で電極合材層を形成する場合、ニーズに合わせた自由な形状に印刷するためには、形状ごとにスクリーンの作製が必要となる。そこで、液体組成物を用いて、電極基体上に電極合材層をインクジェット装置で塗布する方法が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。
インクジェット装置によれば、スクリーンを用いることなく、電極合材層を自由な形状に印刷して電気化学素子を作製できる。又、印刷対象も平面に限らず、曲面や凹凸構造にも印刷可能であり、フレキシブルかつ自由な形状の電気化学素子の作製が可能である。インクジェット装置に用いる液体組成物の粘度は、貯蔵安定性及び吐出安定性を考慮すると、従来用いられる印刷用塗料の粘度よりも小さくする必要がある。
液体組成物の粘度を小さくするためには、バインダの含有量を少なくすることが考えられる。バインダは、電極材料と電極基体、及び、電極材料同士を結着させるために、電極材料に一定量添加する必要がある。
すなわち、液体組成物中のバインダの含有量を少なくすると、電極材料と電極基体、及び電極材料同士の結着が弱くなってしまうため、液体組成物中に含有可能な電極材料の量が少なくなってしまう。液体組成物中の電極材料の量が少なくなってしまうと、十分な電池特性を得ることができないことに繋がることから、バインダの含有量を少なくすることは困難であり、貯蔵安定性及び吐出安定性に優れた液体組成物は実現できていなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いることが可能な、貯蔵安定性及び吐出安定性に優れた液体組成物を提供することを目的とする。
本発明の一様態は、電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いる液体組成物であって、分散媒と、電極材料と、前記電極材料同士及び前記電極材料と電極基体を結着できる化合物と、を含み、粘度がインクジェットヘッドから吐出可能な粘度である。
開示の技術によれば、電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いることが可能な、貯蔵安定性及び吐出安定性に優れた液体組成物を提供できる。
本実施形態に係る電気化学素子に用いる負極を例示する断面図である。 本実施形態に係る電気化学素子に用いる正極を例示する断面図である。 本実施形態に係る電気化学素子に用いる電極素子を例示する断面図である。 本実施形態に係る電気化学素子を例示する断面図である 本実施形態に係る負極の製造方法を例示する図である。 本実施形態に係る液体組成物の循環装置を例示する図である。 本実施形態に係る負極の他の製造方法を例示する図である。 実施例及び比較例をまとめた図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本実施形態に係る電気化学素子に用いる負極を例示する断面図である。電気化学素子は、正極及び負極が絶縁体を挟む形で配置された構造であり、電気エネルギーを蓄える機能を有する。
図1を参照すると、負極10は、負極用電極基体11と、負極用電極基体11上に形成された負極合材層12とを有する構造である。負極10の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、平板状等が挙げられる。
図2は、本実施形態に係る電気化学素子に用いる正極を例示する断面図である。図2を参照すると、正極20は、正極用電極基体21と、正極用電極基体21上に形成された正極合材層22とを有する構造である。正極20の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、平板状等が挙げられる。
図3は、本実施形態に係る電気化学素子に用いる電極素子を例示する断面図である。図3を参照すると、電極素子40は、負極15と正極25とがセパレータ30を介して互いに絶縁された状態で積層された構造を含む。電極素子40において、正極25は負極15の両側に積層されている。負極用電極基体11には負極引き出し線41が接続されている。正極用電極基体21には正極引き出し線42が接続されている。
負極15は、負極用電極基体11の両側に負極合材層12が形成された点が負極10(図1参照)と相違し、その他の点は負極10と同様である。正極25は、正極用電極基体21の両側に正極合材層22が形成された点が正極20(図2参照)と相違し、その他の点は正極20と同様である。
なお、電極素子40において、負極15と正極25の積層数は任意に決定できる。すなわち、図3では、1つの負極15と2つの正極25の合計3層を図示しているが、これには限定されず、更に多くの負極15及び正極25を積層できる。その際、負極15の個数と正極25の個数が同一であってもよい。
図4は、本実施形態に係る電気化学素子を例示する断面図である。図4を参照すると、電気化学素子1は、電極素子40に水系電解液又は非水系電解液を注入して電解質層51を形成し、外装52で封止した構造である。電気化学素子1において、負極引き出し線41及び正極引き出し線42は、外装52の外部に引き出されている。電気化学素子1は、必要に応じてその他の部材を有してもよい。電気化学素子1としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、水系電解液電池、非水系電解液電池、水系電解液キャパシタ、非水系電解液キャパシタ等が挙げられる。
電気化学素子1の形状については、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択できる。例えば、ラミネートタイプ、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダタイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が挙げられる。
以下、電気化学素子1について詳説する。なお、負極と正極とを総称して電極、負極用電極基体と正極用電極基体とを総称して電極基体、負極合材層と正極合材層とを総称して電極合材層、正極材料と負極材料とを総称して電極材料と称する場合がある。
<電極>
<<電極基体>>
電極基体(電極集電体)を構成する材料としては、導電性を有し、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はない。
−負極用電極基体−
負極用電極基体11の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、表面に凹凸を有する構造でもよい。
負極用電極基体11の材質としては、導電性材料で形成されたものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅等が挙げられる。
−正極用電極基体−
正極用電極基体21の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、表面に凹凸を有する構造でもよい。
正極用電極基体21の材質としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、チタン、タンタル等が挙げられる。
<<電極合材層>>
負極合材層12及び/又は正極合材層22は、本実施形態に係る液体組成物をインクジェット印刷装置を用いて電極基体上に塗布し、硬化させることで形成できる。本実施形態に係る液体組成物は、熱や光、紫外線照射等の方法により硬化させることができる。
−液体組成物−
本実施形態に係る液体組成物は、電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いる液体組成物であって、分散媒と、電極材料と、バインダとを含む。バインダは、電極材料同士及び電極材料と電極基体を結着できる化合物である。
本実施形態に係る液体組成物中の活物質(電極材料)の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることが更に好ましい。本実施形態に係る液体組成物中の活物質の含有量が20質量%以上であると、所定の解像度で、基体上に電極合材層を形成したとき、より多くの電気材料を含む電極合材層を形成することが可能となり、非水系蓄電素子の容量を向上することができる。また、液体組成物中の分散媒を相対的に少なくすることができ、液体組成物の乾燥処理に有利である。
液体組成物中の活物質の含有量は、50質量%以下であることが好ましい。液体組成物中の活物質中の含有量が50質量%より大きいと粘度が高くなり、液体組成物の吐出安定性が低下してしまう。
液体組成物の25℃における粘度は、インクジェットヘッドから吐出可能な粘度であればよく、200mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下がより好ましい。液体組成物の25℃における粘度が200mPa・s以下であると、液体組成物の粒度分布の変化が生じにくくなることから吐出性が安定する。又、30mPa・s以下であると、液体組成物の粒度分布の変化がより生じにくくなることから、吐出性がより安定する。又、液体組成物の25℃における粘度は、10mPa・s以上であることが好ましい。液体組成物の25℃における粘度が10mPa・s未満であると液滴として吐出することが困難となるため吐出量を制御しにくくなってしまう。
電極材料は、最大粒子径がインクジェットヘッドノズル径よりも小さければよい。当該インクジェットヘッドノズル径は、おおよそ36〜40μmである。平均粒子径は3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。電極材料の平均粒子径が3μm以下であると、液体組成物の吐出安定性及び耐沈降性が向上する。電極材料の平均粒子径が1μm以下であると、液体組成物の吐出安定性及び耐沈降性が更に向上する。電極材料の平均粒子径は、レーザ回折法を利用した粒度分布計により測定できる。
電極材料のメジアン径(d10)は、0.1μm以上であることが好ましく、0.15μm以上であることがより好ましい。電極材料のメジアン径(d10)が0.1μm以上であると、液体組成物の貯蔵安定性が向上する。電極材料のメジアン径(d10)が0.15μm以上であると、液体組成物の貯蔵安定性が更に向上する。電極材料のメジアン径は、レーザ回折法を利用した粒度分布計により測定できる。
本実施形態に係る液体組成物は、必要に応じて、導電助剤、電極材料分散剤等を更に含んでいてもよい。
−負極材料(負極の活物質)−
負極合材層12用の液体組成物に用いる負極材料としては、例えば、亜鉛、ニッケル、鉄、FeS、炭素等の粒子が挙げられる。負極材料として、リチウム金属箔を用いることも可能である。
−正極材料(正極の活物質)−
正極合材層22用の液体組成物に用いる正極材料としては、例えば、MnO、AgO、NiOOH,V、フッ化黒鉛又はフッ化炭素、ヨウ素、FeS、CuO、CuS、TiS、AgCrO、MoO、Bi、BiPb、CuO(PO等が挙げられる。
−分散媒−
分散媒としては、正極材料又は負極材料を分散させることが可能であれば、特に制限はないが、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、メシチレン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2−n−ブトキシメタノール、2−ジメチルエタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。なお、分散媒は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
−導電助剤−
導電助剤は、予め正極材料又は負極材料と複合化してもよいし、液体組成物を調製するときに添加してもよい。
導電助剤としては、例えば、ファーネス法、アセチレン法、ガス化法等により形成された導電性カーボンブラックの他、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子等の炭素材料を用いることができる。
炭素材料以外の導電助剤としては、例えば、アルミニウム等の金属粒子、金属繊維を用いることができる。
正極材料又は負極材料に対する導電助剤の質量比は、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。正極材料又は負極材料に対する導電助剤の質量比が10%以下であると、液体組成物の安定性が向上し、8%以下であると液体組成物の安定性が更に向上する。
−電極材料分散剤−
電極材料分散剤としては、分散媒中の正極材料又は負極材料、導電助剤の分散性を向上させることが可能であれば、特に制限はないが、例えば、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリアルキレンポリアミン系等の高分子型、アルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の界面活性剤型、ポリリン酸塩系等の無機型等が挙げられる。
−バインダ−
バインダは、負極材料同士、正極材料同士、負極材料と負極用電極基体、正極材料と正極用電極基体を結着できる化合物であれば特に制限はないが、インクジェットヘッドノズルからの吐出において、ノズルつまりを抑制する観点から、液体組成物の粘度を上昇させにくい化合物を用いることが好ましい。
液体組成物の粘度を上昇させにくくするためには、例えば、バインダとしてモノマー化合物を用いることができる。バインダとしてモノマー化合物を用いた場合、モノマー化合物を含む液体組成物をインクジェット法で電極基体上に塗布した後、モノマー化合物を高分子化する。モノマー化合物は、例えば、重合可能部位を有する分子を一種類以上含み、25℃における重合の進行により、電極材料同士及び電極材料と電極基体を結着できることが好ましい。
モノマー化合物を用いる具体的な例としては、バインダとして、例えば、重合可能部位を有する化合物と重合開始材又は触媒を含み、重合可能部位を有する化合物が溶解している液体組成物を電極基体上に塗布した後に、加熱又は非電離放射線又は電離放射線又は赤外線を照射して高分子化する方法が挙げられる。
重合可能部位を有する分子は、電極合材層の内部に複数の空孔を形成可能であり、電極合材層の内部の一の空孔が、前記一の空孔の周囲の他の空孔と連結した連通性を有して三次元的に広がっていることが好ましい。空孔同士が連通することで、電極合材層において電解質の浸み込みが十分に起きるため、イオンが円滑に移動する。
重合可能部位を有する化合物の重合部位は、分子内に一つでもよく、多官能でもよい。なお、多官能の重合性化合物とは、重合性基、即ち重合部位を2個以上有する化合物を意味する。多官能の重合性化合物としては、加熱又は非電離放射線又は電離放射線又は赤外線の照射によって重合可能であれば、特に制限はなく、例えば、アクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル、エン−チオール反応を活用した樹脂等が挙げられる。これらの中でも、生産性の観点から、アクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。
又、液体組成物の粘度を上昇させにくくするために、バインダとして高分子粒子を用いてもよい。この場合、高分子粒子は、最大粒子径がインクジェットヘッドのノズル径よりも小さければよく、平均粒子径は0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。
高分子粒子を構成する材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテフタレート、ポリブチレンテフタレート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
−セパレータ−
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために、必要に応じて、正極と負極の間に設けられる。
セパレータとしては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜等が挙げられる。
セパレータの大きさは、電気化学素子に使用可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。セパレータの構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
−電解液−
電解液は、電極材料に応じて水系電解液、非水系電解液を用いることができる。水系電解液では、電解質塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩化亜鉛等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒は、非プロトン性有機溶媒が好ましく、特に、エーテル化合物やエステル化合物等や環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系や環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒等を用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)等が挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等が挙げられる。又、エチルメチルカーボネート(EMC)に加えることができる鎖状カーボネートはジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)メチルプロピオネート(MP)、等が挙げられる。
電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、電離したカチオンが高いイオン伝導度を示すものであれば、特に制限はない。電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、スピロ系4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、Cl、Br、I、ClO 、BF 、PF 、SbF 、AsF 、CFSO 、(CFSO、(CSO等が挙げられる。
電解質塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、塩化リチウム(LiCl)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(CSO)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CFSO)等が挙げられる。
又、電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。固体電解質を使用する場合、セパレータが不要となる。
電気化学素子は、電気エネルギー利用装置に用いることができる。このとき、電気エネルギー利用装置とは、前記電気化学素子に電気的に接続され、前記電気化学素子に蓄えられた電気エネルギーを利用する装置を意味する。
電気エネルギー利用装置としては、特に制限はなく、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等が挙げられる。
<電気化学素子の製造方法>
−負極、正極の作製−
図5は、本実施形態に係る負極の製造方法を例示する図であり、図1に示す負極10を作製する例である。本実施形態に係る負極10の製造方法は、本実施形態に係る液体組成物を、インクジェット法を用いて、負極用電極基体11上に吐出する工程を含む。
まず、分散媒と、負極材料と、バインダとを含み、必要に応じて、導電助剤、電極材料分散剤を加えた負極合材層12を形成するための液体組成物12Aを作製する。次に、液体組成物12Aをタンク307に貯蔵し、タンク307からチューブ308を経由して液体吐出機構306に供給可能な状態とする。液体吐出機構306、タンク307、及びチューブ308は使用する溶剤に耐性があるものを使用する。
液体吐出機構306、タンク307、及びチューブ308における液体組成物12Aが通る箇所の直径は、液体組成物12A中の各種電極材料の最大粒子径よりも大きい必要がある。液体吐出機構306、タンク307、及びチューブ308における液体組成物12Aが通る箇所の直径が液体組成物12Aの各種電極材料の最大粒子径より大きいと、液体吐出機構306やタンク307、チューブ308での液体組成物12A中の電極材料に由来する詰まりが抑制され、吐出安定性が向上する。
図6に示すように、液体組成物12Aが液体吐出装置内を循環する機構を使用してもよい。図6では、外部タンク311がバルブ312を介してタンク307と接続され、タンク307がバルブ313を介して液体吐出機構306と接続されている。更に、液体吐出機構306がバルブ314を介してポンプ315と接続され、ポンプ315がタンク307と接続されている。
図6において、ポンプ315とバルブ313及び314を用いて液体組成物12Aの流れ制御することで、タンク307に貯蔵した液体組成物12Aを液体吐出装置内で循環させることが可能である。図6のような構成とすることで、粒子の沈降を抑制することができる。又、外部タンク311を設け、バルブ312を制御することで、吐出可能な液体組成物12Aが減った際に、外部タンク311から液体吐出装置のタンク307に液体組成物12Aを供給することも可能である。
液体組成物12Aが液体吐出機構306から吐出されていないとき、乾燥等を防ぐために液体吐出機構306のノズルをキャップする機構を設けてもよい。このような構成とすることで、ノズル乾燥による吐出性能の低下を抑制できる。
負極10を作製するには、図5に示すように、負極用電極基体11を加熱可能なステージ310上に設置し、液体組成物12Aを負極用電極基体11に吐出する。このときステージ310が動いてもよく、液体吐出機構306が動いてもよい。
液体組成物12Aは、液体吐出機構306からステージ310上に配置された負極用電極基体11上に吐出され、ステージ310に加熱されて乾燥し、負極合材層12となる。乾燥はステージ310上での加熱には限定されず、ステージ310とは別に設けられた乾燥機構を用いてもよい。
乾燥機構としては、液体組成物12Aに直接接触しない機構であれば、特に制限はなく、適宜選択できる。例えば、抵抗加熱ヒータ、赤外線ヒータ、ファンヒータ、送風機等が挙げられる。又、乾燥機構309は、複数設置されてもよい。乾燥温度は使用するバインダの融解する温度よりも低くする必要があり、消費電力の観点から70〜150℃の範囲が好ましい。又、紫外光を照射する装置を乾燥機構に設けてもよい。
又、図7に例示した装置を用いて、負極10を作製することもできる。図7は、本実施形態に係る負極の他の製造方法を例示する図であり、図1に示す負極10を作製する例である。図7に示すように、まず、ステンレススチールや銅等からなる細長状の負極用電極基体11を準備する。次に、負極用電極基体11を筒状の芯に巻き付け、負極合材層12を形成するべき側が上側になるように、送り出しローラ304と巻き取りローラ305にセットする。ここで、送り出しローラ304と巻き取りローラ305は、反時計回りに回転し、負極用電極基体11は、右から左の方向に搬送される。
次に、分散媒と、負極材料と、バインダとを含み、必要に応じて、導電助剤、電極材料分散剤を加えた負極合材層12用の液体組成物12Aを作製する。作製した液体組成物12Aは、タンク307に貯蔵され、チューブ308を経由して液体吐出機構306に供給可能とする。
液体吐出機構306、タンク307、及びチューブ308は使用する溶剤に耐性があるものを使用する。又、図6に示すように、液体吐出機構306、タンク307、及びチューブ308を液体組成物が液体吐出装置内を循環する機構としてもよい。
液体吐出機構306は、送り出しローラ304と巻き取りローラ305の間の負極用電極基体11の上部に設けられている。
次に、液体吐出機構306から、負極用電極基体11上に液体組成物12Aを吐出する。液体組成物12Aは、負極用電極基体11の少なくとも一部を覆うように吐出される。なお、液体吐出機構306は、負極用電極基体11の搬送方向に対して、略平行な方向又は略垂直な方向に、複数設置されてもよい。
次に、液体組成物12Aで部分的に覆われた負極用電極基体11は、送り出しローラ304と巻き取りローラ305によって、乾燥機構309に搬送される。乾燥機構309により、負極用電極基体11上の液体組成物12Aが乾燥して負極合材層12となり、負極用電極基体11上に負極合材層12が結着した負極10が形成される。その後、負極10は、打ち抜き加工等により、所望の大きさに切断される。
乾燥機構309としては、液体組成物12Aに直接接触しない機構であれば、特に制限はなく、適宜選択できる。例えば、抵抗加熱ヒータ、赤外線ヒータ、ファンヒータ、送風機等が挙げられる。なお、乾燥機構309は、電極基体301の上下の何れか一方に設けられてもよく、両方に設けられてもよい。又、乾燥機構309は、複数設置されてもよい。乾燥温度は使用するバインダの融解する温度よりも低くする必要があり、消費電力の観点から70〜150℃の範囲が好ましい。又、紫外光を照射する装置を乾燥機構に設けてもよい。
インクジェット法は、下層の所望の箇所に対象物を塗布できる点で好適である。又、インクジェット法は、負極用電極基体11と負極合材層12の上下に接する面同士を結着できる点で好適である。又、インクジェット法は、負極合材層12の膜厚を均一にできる点で好適である。
なお、図3に示す負極15を作製するには、上記と同様の方法により、負極用電極基体11の反対面上にも負極合材層12を形成すれば良い。
又、図2に示す正極20を作製するには、上記の負極用電極基体11の代わりに正極用電極基体21を用い、負極合材層12用の液体組成物12Aの代わりに正極合材層22用の液体組成物を用いればよい。又、図3に示す正極25を作製するには、上記と同様の方法により、正極用電極基体21の反対面上にも正極合材層22を形成すれば良い。
−電極素子、電気化学素子の作製−
電極素子40及び電気化学素子1を作製するには、まず、負極15の一方の側の負極合材層12と正極25の正極合材層22とがセパレータ30を介して対向するように負極15の一方の側に正極25を配置する。同様に、負極15の他方の側の負極合材層12と正極25の正極合材層22とが対向するように負極15の他方の側に正極25を配置する。
次に、負極用電極基体11に負極引き出し線41を溶接等により接合し、正極用電極基体21に正極引き出し線42を溶接等により接合することで、図3に示す電極素子40を作製できる。次に、電極素子40に水系電解液又は非水系電解液を注入して電解質層51を形成し、外装52で封止することで、図4に示す電気化学素子1を作製できる。
なお、前述のように、電極素子40において、負極15と正極25の積層数は任意に決定できる。すなわち、図3及び図4では、1つの負極15と2つの正極25の合計3層を図示しているが、これには限定されず、更に多くの負極15及び正極25を積層できる。
このように、本実施形態に係る電気化学素子において、負極の負極合材層及び正極の正極合材層の少なくとも一方は、分散媒と、電極材料と、バインダとして電極材料同士及び電極材料と電極基体を結着できる化合物とを含み、粘度がインクジェットヘッドで吐出可能な粘度である液体組成物から形成される。
この液体組成物は、バインダとして液体組成物の粘度を上昇させにくい化合物を用いているため、バインダや電極材料の量を増やしても、液体組成物の粘度を低くすることができる。これにより、電極材料の含有量を多くしても、貯蔵性及び吐出性が安定した液体組成物を得ることができる。
貯蔵性及び吐出性が安定した液体組成物を用いることで、負極の負極合材層及び/又は正極の正極合材層をインクジェット法により容易に形成でき、電極材料を多く含む電池特性に優れた電気化学素子を実現できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて電気化学素子等について更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
各実施例及び比較例に先立ち、まず、正極材料又は負極材料の粒度分布と、電極合材層用の液体組成物の粘度とを、以下の方法により、測定した。
[正極材料又は負極材料の粒度分布]
レーザ回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製マスターサイザー3000)を用い、水又は有機分散媒に分散して、25℃にて正極材料又は負極材料の粒度分布を計測した。
[電極合材層用の液体組成物の粘度]
B型粘度計(コーンプレート型粘度計)にNo.CPA−40Zのロータを装着して、電極合材層用の液体組成物の100rpmにおける粘度を25℃で計測した。
[非水系電解液100]
プロピレンチレンカーボネート(PC)/ジエチルカーボネート(DEC)/エチルメチルカーボネート(EMC)の重量比1:1:1の混合溶媒に1.0mol/LのLiPFを溶解させた非水系電解液100を20mL調製した。
[水系電解液200]
純水に1.0mol/LのZnClを溶解させた水系電解液200を20mL調製した。
[実施例1]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、N−メチルピロリドン(NMP、富士フイルム和光純薬社製)40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.56μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、プロピレングリコール10g、カーボンブラック0.32g、ペンタエリトリトールテトラアクリラート(東京化成工業社製)0.1g、ヘキサメチレンジアミン(東京化成工業社製)0.2g、及び触媒としてジアザビシクロウンデセン(DBU、東京化成工業社製)を加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、12.6mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500(リコー社製)を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、120℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.91mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Aとした。コイン缶中に、正極A、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Aの単位面積当りの容量は、0.252mAh/cmであった。正極の単位面積当りの容量は、充放電測定装置(東洋システム株式会社製、TOSCAT3001)を用いて計測した(他の実施例においても同様)。
なお、実施例1において、N−メチルピロリドン(NMP)及びプロピレングリコール(PG)は、分散媒である。又、実施例1において、ペンタエリトリトールテトラアクリラート及びヘキサメチレンジアミンは、バインダである。又、実施例1において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例1の結果を図8にまとめた。
なお、図8において、液体組成物作製時と作製から24時間後の液体組成物の粒度分布に変化が見られない場合に貯蔵安定性を〇とし、粒度分布に変化が見られた場合に貯蔵安定性を×とした。又、液体組成物をインクジェット印刷装置EV2500を用いてアルミニウム箔に印刷したとき、吐出不良が発生しなかった場合に吐出安定性を〇とし、吐出不良が発生した場合に吐出安定性を×とした。
[実施例2]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、N−メチルピロリドン(NMP、富士フイルム和光純薬社製)40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.57μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、2−ピロリドン10g、カーボンブラック0.32g、ペンタエリトリトールテトラアクリラート0.1g、ヘキサメチレンジアミン0.2g及び触媒としてジアザビシクロウンデセンを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、12.1mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、120℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.89mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Bとした。コイン缶中に、正極B、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Bの単位面積当りの容量は、0.241mAh/cmであった。
なお、実施例2において、N−メチルピロリドン(NMP)及び2−ピロリドンは、分散媒である。又、実施例2において、ペンタエリトリトールテトラアクリラート及びヘキサメチレンジアミンは、バインダである。又、実施例2において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例2の結果を図8にまとめた。
[実施例3]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、N−メチルピロリドン(NMP、富士フイルム和光純薬社製)40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.55μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、2−ピロリドン10g、カーボンブラック0.32g、ポリフェニレンスルフィド(PPS)粒子(平均粒子径0.5μm)0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、11.9mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。図5の製造方法で乾燥温度は120℃にて乾燥した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.95mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Cとした。コイン缶中に、正極C、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Cの単位面積当りの容量は、0.249mAh/cmであった。
なお、実施例3において、N−メチルピロリドン(NMP)及び2−ピロリドンは、分散媒である。又、実施例3において、ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、バインダである。又、実施例3において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例3の結果を図8にまとめた。
[実施例4]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、純水40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.51μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、プロピレングリコール10g、カーボンブラック0.32g、ポリフェニレンスルフィド(PPS)粒子(平均粒子径0.5μm)0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、11.2mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、100℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.86mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Dとした。コイン缶中に、正極D、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Dの単位面積当りの容量は、0.237mAh/cmであった。
なお、実施例4において、純水及びプロピレングリコール(PG)は、分散媒である。又、実施例4において、ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、バインダである。又、実施例4において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例4の結果を図8にまとめた。
[実施例5]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、純水30g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.50μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、カーボンブラック0.32g、ポリフェニレンスルフィド(PPS)粒子(平均粒子径0.5μm)0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、10.6mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。図5の製造方法で乾燥温度は120℃にて乾燥した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.82mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Eとした。コイン缶中に、正極E、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Eの単位面積当りの容量は、0.236mAh/cmであった。
なお、実施例5において、純水は分散媒である。又、実施例5において、ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、バインダである。又、実施例5において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例5の結果を図8にまとめた。
[実施例6]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、純水30g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.58μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、2−ピロリドン10g、カーボンブラック0.32g、ポリブチレンテレフタレート(PBT)粒子(平均粒子径0.5μm)0.32gを加え、液体組成物を作製した液体組成物の粘度は、12.4mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、100℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.88mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Fとした。コイン缶中に、正極F、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Fの単位面積当りの容量は、0.241mAh/cmであった。
なお、実施例6において、純水及び2−ピロリドンは、分散媒である。又、実施例6において、ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、バインダである。又、実施例6において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例6の結果を図8にまとめた。
[実施例7]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGEE、東京化成工業社製)40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.56μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、プロピレングリコールモノメチルエーテル10g、カーボンブラック0.32g、ペンタエリトリトールテトラアクリラート0.3g、及び反応開始材としてV−65(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル、富士フイルム和光純薬社製)を加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、9.7mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、110℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量1.89mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Gとした。コイン缶中に、正極G、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Gの単位面積当りの容量は、0.245mAh/cmであった。
なお、実施例7において、プロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGEE)は、分散媒である。又、実施例7において、ペンタエリトリトールテトラアクリラートは、バインダである。又、実施例7において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例7の結果を図8にまとめた。
[実施例8]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、N−メチルピロリドン(NMP、富士フイルム和光純薬社製)32g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.42μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、2−ピロリドン8g、カーボンブラック0.32g、ポリフェニレンスルフィド(PPS)粒子(平均粒子径0.5μm)0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、15.6mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、120℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量2.17mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Hとした。コイン缶中に、正極H、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Hの単位面積当りの容量は、0.286mAh/cmであった。
なお、実施例8において、N−メチルピロリドン(NMP)及び2−ピロリドンは、分散媒である。又、実施例8において、ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、バインダである。又、実施例8において、材料固形分は、20.0wt%である。実施例8の結果を図8にまとめた。
[実施例9]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、N−メチルピロリドン(NMP、富士フイルム和光純薬社製)24g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.42μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、2−ピロリドン6g、カーボンブラック0.32g、ポリフェニレンスルフィド(PPS)粒子(平均粒子径0.5μm)0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、17.2mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、粒度分布に変化は見られず、液体組成物の貯蔵安定性は良好であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、100℃に加熱した。印刷中の液体組成物の吐出安定性は良好であり、吐出不良は発生しなかった。その結果、単位面積当たりの活物質量2.85mg/cmの正極合材層に相当する塗膜を形成でき、正極合材層用の液体組成物の印刷効率は良好であった。
印刷した電極を直径16mmの丸型に打ち抜き加工して正極Iとした。コイン缶中に、正極I、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、非水系電解液100、及び対極としてリチウム(本庄金属株式会社製、厚み200μm)を入れ、非水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧1.5Vまで放電した。正極Iの単位面積当りの容量は、0.366mAh/cmであった。
なお、実施例9において、N−メチルピロリドン(NMP)及び2−ピロリドンは、分散媒である。又、実施例9において、ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、バインダである。又、実施例9において、材料固形分は、25.0wt%である。実施例9の結果を図8にまとめた。
[実施例10]
実施例4と同様にして正極Dを作製した。コイン缶中に、正極D、セパレータ(ガラスセパレータ、ADVANTEC社製、100μm)、水系電解液200、及び対極として99.9%の亜鉛板を入れ、水系電解液一次電池を作製した。得られた電池に室温(25℃)において0.05mA/cmの定電流で終止電圧0.3Vまで放電した。正極Dの単位面積当りの容量は、0.231mAh/cmであった。
なお、実施例10において、純水及びプロピレングリコール(PG)は、分散媒である。又、実施例10において、ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、バインダである。又、実施例10において、材料固形分は、16.7wt%である。実施例10の結果を図8にまとめた。
[比較例1]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、純水40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで、1分続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.5μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、プロピレングリコール10g、カーボンブラック0.32g、カルボキシメチセルロースナトリウム(CMCダイセル1220、ダイセルファインケム社製)を0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、35.6mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、ピークの高さが減少し、15μmに新たなピークが出現し、d90が25μmであった。このため、正極合材層用の液体組成物の貯蔵安定性は不良であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、120℃に加熱した。印刷開始直後から、いくつかのノズルに吐出不良がみられ、印刷を続けるに従い、吐出不良のノズルが増え続けた。このため、正極合材層用の液体組成物の吐出安定性は不良であった。粒子径がノズル径よりも大きくなったことに起因すると考えられる。
なお、比較例1において、純水及びプロピレングリコール(PG)は、分散媒である。又、比較例1において、カルボキシメチセルロースナトリウム(CMC)は、バインダである。又、比較例1において、材料固形分は、16.7wt%である。比較例1の結果を図8にまとめた。
[比較例2]
ジルコニア容器中に二酸化マンガン10g、N−メチルピロリドン40g、直径0.2mmのジルコニアボール50gを加えシンキー社製自転・公転ナノ粉砕機NP−100にて粉砕を実施した。1000rpmで1分、続いて400rpmで1分のサイクルを20回実施したのち、粒度分布計で粒子径を計測すると、粒度分布のピークが1.5μmであった。
ジルコニアボールを取り除いたのち、プロピレングリコール10g、カーボンブラック0.32g、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.32gを加え、液体組成物を作製した。液体組成物の粘度は、45.8mPa・sであった。24時間後に液体組成物の粒度分布を再計測したところ、ピークの高さが減少し、25μmに新たなピークが出現し、d90が35μmであった。このため、正極合材層用の液体組成物の貯蔵安定性は不良であった。
この液体組成物を、インクジェット印刷装置EV2500を用いて、正極用電極基体となるアルミニウム箔に印刷した。アルミニウム箔はホットプレート上に固定し、120℃に加熱した。印刷開始直後から、いくつかのノズルに吐出不良がみられ、印刷を続けるに従い、吐出不良のノズルが増え続けた。このため、正極合材層用の液体組成物の吐出安定性は不良であった。
なお、比較例2において、N−メチルピロリドン(NMP)及びプロピレングリコール(PG)は、分散媒である。又、比較例2において、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、バインダである。又、比較例2において、材料固形分は、16.7wt%である。比較例2の結果を図8にまとめた。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 電気化学素子
10、15 負極
11 負極用電極基体
12 負極合材層
12A 液体組成物
20、25 正極
21 正極用電極基体
22 正極合材層
30 セパレータ
40 電極素子
41 負極引き出し線
42 正極引き出し線
51 電解質層
52 外装
特許第5571304号 特開第5913780号

Claims (13)

  1. 電気化学素子に含まれる電極合材層の形成に用いる液体組成物であって、
    分散媒と、電極材料と、前記電極材料同士及び前記電極材料と電極基体を結着できる化合物と、を含み、
    粘度がインクジェットヘッドから吐出可能な粘度であることを特徴とする液体組成物。
  2. 前記液体組成物の25℃における粘度がインクジェットヘッドから吐出可能な粘度であることを特徴とする請求項1に記載の液体組成物。
  3. 前記液体組成物の25℃における粘度が200mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体組成物。
  4. 前記液体組成物は、重合可能部位を有する分子を一種類以上含み、25℃における重合の進行により、前記電極材料同士及び前記電極材料と前記電極基体を結着できることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体組成物。
  5. 前記重合可能部位を有する分子は、前記電極合材層の内部に複数の孔を形成可能であり、前記電極合材層の内部の一の孔は、前記一の孔の周囲の他の孔と連結していることを特徴とする請求項4に記載の液体組成物。
  6. 前記化合物は、高分子粒子であり、最大粒子径がインクジェットヘッドのノズル径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液体組成物。
  7. 前記化合物は、平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の液体組成物。
  8. 前記電極材料の含有量が20質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の液体組成物。
  9. 前記電極材料は、平均粒子径が3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の液体組成物。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の液体組成物を、前記電極基体上に吐出することで形成される電極。
  11. 請求項10記載の電極を有することを特徴とする電気化学素子。
  12. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の液体組成物を、前記電極基体上に吐出する工程を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  13. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の液体組成物を、前記電極基体上に吐出する工程を含むことを特徴とする電気化学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022220249A1 (ja) * 2021-04-16 2022-10-20 東ソー株式会社 リチウムイオン電池バインダ用ポリフェニレンサルファイド粉末、リチウムイオン電池負極用バインダ、リチウムイオン電池負極合材層形成用スラリー、リチウムイオン電池用負極及びリチウムイオン電池

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