JP2020112583A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ素子からの出力が制限される温度範囲において表示画像の輝度低下を抑制することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供する。【解決手段】ヘッドアップディスプレイ装置1は、レーザ光を射出するレーザ素子26と、ミラー33と、第一駆動信号S1によってミラーを第一回転軸X1の周りに共振させてレーザ光によってスクリーン29を主走査方向MSに走査し、第二駆動信号S2によって第二回転軸X2の周りにミラーを回転振動させてレーザ光によってスクリーンを副走査方向SSに走査するミラー駆動部32と、第一駆動信号および第二駆動信号を出力する制御部25と、レーザ素子26の温度を測定して制御部25に出力する温度測定部30とを備える。制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、レーザ素子26の温度が適温の範囲内にある場合と比較して、ミラー33の回転振動の振幅を小さくする。【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
車両のウインドシールドなどを介して虚像を運転者の前方に表示するヘッドアップディスプレイ装置がある。例えば、特許文献1には、低温時において、レーザ光源からのレーザ光の射出により当該レーザ光源自体を昇温させると共に、レーザ光が外部に照射されないように凹面ミラーの角度を調整するヘッドアップディスプレイ装置が開示されている。また、特許文献2には、車両のドアの開閉状態又はキーの状態に応じて、光源部が所望の温度になるように、温度調整部により光源部の温度を調整するヘッドアップディスプレイ装置に関する技術が開示されている。
特開2013−228674号公報 特開2013−173465号公報
ところで、光源にレーザ素子を用いたヘッドアップディスプレイ装置では、レーザダイオードが適正な温度範囲外にある場合、レーザ光の出力を制限する必要があることから、表示画像の輝度が低下して虚像の視認性を損なうおそれがある。
本発明の目的は、レーザ素子からの出力が制限される温度範囲において表示画像の輝度低下を抑制することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、レーザ光を射出するレーザ素子と、前記レーザ素子から射出されたレーザ光を反射させ、かつ互いに直交する第一回転軸および第二回転軸の周りに回転振動するミラーと、第一駆動信号によって前記ミラーを前記第一回転軸の周りに共振させてレーザ光によってスクリーンを主走査方向に走査し、第二駆動信号によって前記第二駆動信号の振幅に応じた回転角度で前記第二回転軸の周りに前記ミラーを回転振動させてレーザ光によって前記スクリーンを副走査方向に走査するミラー駆動部と、前記第一駆動信号および前記第二駆動信号を前記ミラー駆動部に対して出力する制御部と、前記スクリーンに生成された画像を車両におけるアイポイントに対向する位置に配置された反射部材に向けて投射する投射手段と、前記レーザ素子の温度を測定して前記制御部に出力する温度測定手段と、を備え、前記制御部は、前記レーザ素子の温度が適温の範囲外にある場合、前記レーザ素子の温度が前記適温の範囲内にある場合と比較して、前記ミラーの回転振動の振幅を小さくする、ことを特徴とする。
また、上記ヘッドアップディスプレイ装置において、前記制御部は、前記第一駆動信号の周波数を前記ミラーの共振周波数からずらすことにより前記主走査方向における前記レーザ光の走査範囲を狭くする、ものである。
また、上記ヘッドアップディスプレイ装置において、前記制御部は、前記第二駆動信号の振幅を小さくすることにより前記回転角度を小さくして前記副走査方向における前記レーザ光の走査範囲を狭くする、ものである。
また、上記ヘッドアップディスプレイ装置において、前記制御部は、前記第二駆動信号の振幅を小さくすることにより前記回転角度を小さくし、かつ前記第二駆動信号の周期を短くして前記副走査方向における前記レーザ光の走査範囲を狭くする、ものである。
また、上記ヘッドアップディスプレイ装置において、前記制御部は、前記レーザ素子の温度が適温の範囲外にある場合、前記レーザ素子の温度に応じて前記レーザ光の走査範囲を調節する、ものである。
本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、レーザ素子からの出力が制限される温度範囲において表示画像の輝度低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置を示す概略図である。 図2は、実施形態の投影装置を示す概略構成図である。 図3は、実施形態の走査ミラーを示す概略構成図である。 図4は、実施形態の走査ミラーの断面図である。 図5は、実施形態における第一駆動信号を示すグラフ図である。 図6は、実施形態における第二駆動信号を示すグラフ図である。 図7は、実施形態における合成駆動信号を示すグラフ図である。 図8は、実施形態における画像の表示範囲の変化を示す平面図である。 図9は、実施形態における第一駆動信号の周波数とミラーの振幅との関係を示すグラフ図である。 図10は、実施形態における第一駆動信号の変化を示すグラフ図である。 図11は、実施形態における第一駆動信号の他の変化を示すグラフ図である。 図12は、実施形態における画像の表示範囲の変化を示す図である。 図13は、実施形態における第二駆動信号の変化を示すグラフ図である。 図14は、実施形態におけるレーザダイオードの温度と光出力との関係を示すグラフ図である。 図15は、実施形態における制御部の動作例を示すフローチャート図である。 図16は、実施形態における画像の表示範囲の変化を示す平面図である。 図17は、実施形態の変形例における第二駆動信号の変化を示すグラフ図である。 図18は、実施形態の変形例における画像の表示範囲の変化を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図16を参照して、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置について説明する。図1は、車両に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置の概略図である。図2は、ヘッドアップディスプレイ装置を構成する投影装置の概略構成図である。図3は、投影装置を構成する走査ミラーの概略構成図である。図4は、図3に示す走査ミラーのIV−IV断面図である。図5は、第一駆動信号のグラフ図である。図6は、第二駆動信号のグラフ図である。図7は、第一駆動信号と第二駆動信号とを合成した合成駆動信号のグラフ図である。図8は、第一駆動信号の周波数調節に応じた画像の表示範囲の変化例を示す平面図である。図9は、第一駆動信号の周波数とミラーの振幅との関係を示すグラフ図である。図10は、第一駆動信号の周波数の変化を示すグラフ図である。図11は、第一駆動信号の周波数の他の変化を示すグラフ図である。図12は、第二駆動信号の振幅調節に応じた画像の表示範囲の変化例を示す平面図である。図13は、第二駆動信号の振幅の変化を示すグラフ図である。図14は、レーザダイオードの温度と光出力との関係を示すグラフ図である。図15は、制御部による画像の走査範囲の調節動作の一例を示すフローチャート図である。図16は、第一駆動信号の周波数および第二駆動信号の振幅の調節に応じた画像の表示範囲の変化例を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、車両100に搭載される。本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、表示装置20を含む。本実施形態の表示装置20は、車両100のインストルメントパネル101によって覆われた収容部に収容されている。インストルメントパネル101の上面には、開口部101aが設けられている。表示装置20は、開口部101aを介して反射部材10に向けて表示光LDを投射する。
反射部材10は、車両100におけるアイポイントEPに対向する位置に配置されている。反射部材10は、表示装置20から投射される表示光LDを反射する部材である。本実施形態の反射部材10は、ウインドシールドである。反射部材10は、入射する光の一部を反射し、光の一部を透過させる半透過性のコーティングなどがなされたウインドシールドであってもよい。表示装置20から反射部材10に向けて投射された表示光LDは、反射部材10から車両100のアイポイントEPに向けて反射される。表示光LDがアイポイントEPに向けて反射されることで、運転者Dから見た場合に反射部材10よりも車両100の前方で虚像Vが結像する。
表示装置20は、投影装置21および投射手段22を含む。本実施形態の投射手段22は、表示光LDを拡大させて反射する拡大ミラーである。例えば、拡大ミラーとしては、非球面ミラーを用いることができる。投影装置21は、投射手段22(拡大ミラー)に向かって表示光LDを投射する。投射手段22(拡大ミラー)は、投影装置21からの表示光LDを反射部材10に向けて反射する。
図2に示すように、投影装置21は、レーザ光源部23、画像生成部24、および制御部25を含む。レーザ光源部23は、レーザ素子26およびダイクロイックミラー27を含んで構成されている。
本実施形態においては、レーザ光源部23は、互いに異なる波長のレーザ光を射出する3つのレーザ素子26(第一レーザ素子26a、第二レーザ素子26b、および第三レーザ素子26c)と、2つのダイクロイックミラー27(第一ダイクロイックミラー27aおよび第二ダイクロイックミラー27b)と、温度測定部30とを含んで構成されている。画像生成部24は、走査ミラー28、およびスクリーン29を含む。制御部25は、レーザ光源部23および画像生成部24を制御する装置である。制御部25は、車両100に設けられた電源部(図示せず)からの各レーザ素子26への電流の供給を制御する。また、制御部25は、走査ミラー28を制御する駆動信号を出力する。
各レーザ素子26(第一〜第三レーザ素子26a〜26c)は、レーザダイオード(Laser Diode:LD)などの発光素子である。レーザ素子26は、制御部25によって供給された電流に応じた出力でレーザ光を照射する。つまり、制御部25によってレーザ素子26へ供給される電流値が大きい場合、レーザ光の出力も大きくなる。また、制御部25によってレーザ素子26へ供給される電流値が小さい場合、レーザ光の出力も小さくなる。レーザ素子26は、レーザ光の出力が当該レーザ素子26の温度に対して制限される。例えば、図14に示すレーザ素子の出力に対する温度特性において、各温度範囲a,cではレーザ光の出力が制限されるが、温度範囲bではレーザ光の出力が制限されていない。温度範囲bは、レーザダイオードであるレーザ素子26の適温の範囲である。一方、温度範囲a,cは、レーザ素子26の適温の範囲外である。
本実施形態において、3つのレーザ素子26のうち、第一レーザ素子26aは、赤色のレーザ光(第一レーザ光)を射出するレーザ素子である。また、第二レーザ素子26bは、緑色のレーザ光(第二レーザ光)を射出するレーザ素子である。また、第三レーザ素子26cは、青色のレーザ光(第三レーザ光)を射出するレーザ素子である。
ダイクロイックミラー27は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する部材である。第一ダイクロイックミラー27aは、赤色のレーザ光を透過させ、かつ緑色のレーザ光を反射する。第二ダイクロイックミラー27bは、赤色のレーザ光および緑色のレーザ光を透過させ、かつ青色のレーザ光を反射する。
第一レーザ素子26aは、走査ミラー28に向けて第一レーザ光を照射できるように配置されている。第一ダイクロイックミラー27aおよび第二ダイクロイックミラー27bは、第一レーザ素子26aと走査ミラー28との間の光軸上に並んで配置されている。第一レーザ光の光軸上において、第二ダイクロイックミラー27bは、第一ダイクロイックミラー27aよりも走査ミラー28側に配置されている。
第一レーザ素子26aから射出された第一レーザ光は、第一ダイクロイックミラー27aおよび第二ダイクロイックミラー27bを透過し、走査ミラー28に入射する。第二レーザ素子26bは、第一ダイクロイックミラー27aにおける第一レーザ光が入射する面とは反対側の面に向けて第二レーザ光を射出する。第二レーザ光は、第一ダイクロイックミラー27aによって走査ミラー28に向けて反射される。このとき、第一ダイクロイックミラー27aによって反射された第二レーザ光は、第一レーザ光と同一軸上で合成される。第三レーザ素子26cは、第二ダイクロイックミラー27bにおける第一レーザ光および第二レーザ光が入射する面とは反対側の面に向けて、第三レーザ光を射出する。第三レーザ光は、第二ダイクロイックミラー27bによって走査ミラー28に向けて反射される。このとき、第二ダイクロイックミラー27bによって反射された第三レーザ光は、第一レーザ光および第二レーザ光と同一軸上で合成される。
つまり、赤色(第一レーザ光)、緑色(第二レーザ光)、および青色(第三レーザ光)の3つのレーザ光は、第一ダイクロイックミラー27aおよび第二ダイクロイックミラー27bによって同一軸上で合成される。したがって、第一〜第三レーザ光は、レーザ光源部23から重畳されて出力される。制御部25は、各レーザ素子26への電流の供給を制御することによって、第一〜第三レーザ光の出力を調節して、レーザ光源部23から出力されるレーザ光の色を制御することができる。
温度測定部30は、温度測定手段であり、レーザ素子26の温度を測定する。温度測定部30は、例えば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ、IC温度センサなどで構成され、3つのレーザ素子26の周辺の環境温度(周囲温度)を測定する。温度測定部30は、制御部25に電気的に接続されており、測定した結果を温度データとして制御部25に出力する。
画像生成部24は、走査ミラー28によって、レーザ素子26(第一〜第三レーザ素子26a〜26c)からのレーザ光(第一レーザ光〜第三レーザ光)でスクリーン29を走査することでスクリーン29に画像を生成する。
スクリーン29は、走査ミラー28と投射手段22(図1参照)との間の光路上に配置されている。スクリーン29は、光を透過する平面状の透過性スクリーンである。本実施形態のスクリーン29は、マイクロレンズアレイである。つまり、スクリーン29は、集積された多数のマイクロレンズを含んで平面状に構成されている。各マイクロレンズは、レーザ光を拡散させる。レーザ光が拡散されることで、運転者Dの姿勢の変化などによって、運転者Dの視線が所定の範囲内で変動したとしても、反射部材10で反射されるレーザ光が視認可能となる。ここで、スクリーン29は、走査ミラー28によって反射されたレーザ光によって画像が生成される表示領域DRを有している。
走査ミラー28は、MEMS(Micro Electro Mechanical System:微小電気機械システム)技術を利用したMEMSミラーである。MEMSミラーは、機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路などが半導体基板上に集積化された光学デバイスである。本実施形態の走査ミラー28は、本体部31、ミラー駆動部32、ミラー33、および2つのマグネット36a、36bを含む。
図3に示すように、本体部31は、貫通孔を有しており、ミラー駆動部32およびミラー33は、貫通孔の内側に配置されている。ミラー駆動部32は、矩形枠状であり、ミラー33は、円盤形状の部材である。ミラー33は、ミラー駆動部32で囲まれた空間に配置されている。レーザ素子26から射出されたレーザ光は、ミラー33によってスクリーン29に向けて反射される。
ミラー33は、ミラー33の両端に設けられた一対のトーションバー34を介してミラー駆動部32に接続されている。トーションバー34は、第一回転軸X1方向におけるミラー33の両端のそれぞれから、第一回転軸X1方向に沿って延在している。
ミラー駆動部32は、第二回転軸X2方向に延在する2本の梁35によって本体部31と接続されている。ここで、第二回転軸X2は、第一回転軸X1と直交する。ミラー駆動部32は、矩形枠状のステージ32aと、ステージ32aの表面に渦状に巻かれて配置されたコイル32bを含んで構成されている。
マグネット36a、36bは、本体部31を挟んで第一回転軸X1方向において対向して配置されている。図4に示すように、一方のマグネット36aは、そのN極をコイル32bに向けており、他方のマグネット36bは、そのS極をコイル32bに向けている。
制御部25は、ミラー駆動部32に対して第一駆動信号S1および第二駆動信号S2を出力する。図5に示すように、第一駆動信号S1は、正弦波状の波形を有する信号である。また、図6に示すように第二駆動信号S2は、のこぎり波状の波形を有する信号である。本実施形態において、第一駆動信号S1および第二駆動信号S2は、電流信号である。
本実施形態において、第一駆動信号S1および第二駆動信号S2は、図7に示す合成駆動信号S3として制御部25からミラー駆動部32に対して出力される。図7に示すように、合成駆動信号S3は、第一駆動信号S1の波形と第二駆動信号S2の波形とを合成した電流信号である。合成駆動信号S3は、制御部25から本体部31を介してコイル32bに出力される。
コイル32bに電流が流れると、図4に示すように、2つのマグネット36a、36bによって形成された磁界によって、コイル32bにローレンツ力LFが作用する。本実施形態においては、このローレンツ力LFにより、ミラー駆動部32が第一駆動信号S1の周波数に応じて小刻みに振動しつつ、第二駆動信号S2の周波数に応じて第二回転軸X2の周りに回転振動する。
第一駆動信号S1の周波数F1は、ミラー33の共振周波数Frに対応した周波数に設定されている。例えば、第一駆動信号S1の周波数F1は、ミラー33の共振周波数Frと実質的に等しい周波数である(図5参照)。第一駆動信号S1の周波数F1は、例えば、数kHz程度の周波数に設定され、ミラー駆動部32は、その周波数に応じて、小刻みに振動する。ミラー33は、ミラー駆動部32における第一駆動信号S1に応じた振動と共振することで、第一回転軸X1の周りに回転振動する。つまり、本実施形態においては、コイル32bおよび2つのマグネット36a、36bが第一回転軸X1周りにミラー33を共振させるアクチュエータとして機能する。ミラー33が第一回転軸X1の周りに共振することで、ミラー33に反射されたレーザ光は、スクリーン29を主走査方向MSに走査する(図2参照)。
ミラー駆動部32は、第二駆動信号S2の振幅に応じた回転角度で第二回転軸X2の周りに回転振動する。第二駆動信号S2は、スクリーン29に生成される画像のフレームレートに相当する周波数を有する。第二駆動信号S2の周波数は、例えば、60Hz程度に設定される。例えば、コイル32bにおける電流の向きは、第二駆動信号S2の周波数で周期的に逆転される。コイル32bの電流の向きが周期的に逆転することで、ミラー駆動部32は、第二回転軸X2の周りにおいて、正位相の側および逆位相の側にそれぞれ回転しながら、周期的に回転振動する。
ここで、ミラー駆動部32は、ミラー33と共に本体部31に対して回転振動する。したがって、ミラー駆動部32がミラー33と共に第二回転軸X2の周りに回転振動することで、ミラー33に反射されたレーザ光は、スクリーン29を副走査方向SSに走査する(図2参照)。
本実施形態においては、制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、レーザ素子26の温度が適温の範囲内にある場合と比較して、ミラー33の回転振動の振幅を小さくする。例えば、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、図8に示すように、主走査方向MSに沿った表示範囲が第一の範囲W1である画像を、主走査方向MSに沿った表示範囲が第一の範囲W1よりも狭い第二の範囲W2である画像に切り替えて表示することができる。この場合、制御部25は、第一駆動信号S1の周波数F1を調節してレーザ光の走査範囲を狭くすることで、主走査方向MSに沿った表示範囲を狭くする。本実施形態の第二の範囲W2である画像は、例えば、第一の範囲W1である画像の中心位置と同一の中心位置を有する。すなわち、画像の切り替えの前後において、切り替え前の画像(表示範囲が第一の範囲W1である画像)と、切り替え後の画像(表示範囲が第二の範囲W2である画像)の中心位置が同一である。切り替え前後の画像の中心位置を同一にすることで、運転者Dに違和感を与えず、かつ運転者Dが視線をあまり動かすことなく、虚像を視認させることが可能となる。
図9は、横軸に第一駆動信号S1の周波数をとり、縦軸に第一回転軸X1の周りにおけるミラー33の回転振動の振幅をとったグラフ図である。図9に示すように、第一駆動信号S1の周波数がミラー33の共振周波数Frと等しいときに、第一回転軸X1の周りにおけるミラー33の回転振動の振幅は、最大となる。そして、第一駆動信号S1の周波数が共振周波数Frからずれると、ミラー33の回転振動の振幅は、小さくなる。本実施形態において、共振周波数Frと第一駆動信号S1の周波数との差の絶対値が大きくなるほど、ミラー33の回転振動の振幅は、指数関数的に減少する。本実施形態の制御部25は、第一駆動信号S1の周波数を調節することで、ミラー33の回転振動の振幅を変化させることができる。言い換えると、第一駆動信号S1の周波数を調節することで、第一回転軸X1の周りにおけるミラー33の回転角度を変化させることができる。
例えば、主走査方向MSに沿った表示範囲が第一の範囲W1である画像は、第一駆動信号S1の周波数F1がミラー33の共振周波数Frと実質的に等しい場合に生成される。この場合、主走査方向MSに沿った表示範囲が第二の範囲W2である画像は、第一駆動信号S1の周波数F1を共振周波数Frからずらすことで、生成することができる。例えば、図10に示すように、第一駆動信号S1の周波数F1は、ミラー33の共振周波数Frよりも大きくなるように調節される。また、図11に示すように、第一駆動信号S1の周波数F1は、ミラー33の共振周波数Frよりも小さくなるように調節されてもよい。
また、制御部25は、一つのフレームで表示される画像ごとに第一駆動信号S1の周波数F1を徐々に共振周波数Frからずらしてもよい。この場合、例えば、スクリーン29に表示された画像の主走査方向MSにおける表示範囲は、フレームが切り替わるごとに徐々に狭まっていくように表示される。
第一駆動信号S1の周波数F1が共振周波数Frからずれた周波数とされることで、ミラー33の回転角度は、第一駆動信号S1の周波数F1が共振周波数Frと実質的に等しい場合におけるミラー33の回転角度よりも小さくなる。したがって、レーザ光の主走査方向MSにおける走査範囲も狭くなる。つまり、スクリーン29に生成される画像の主走査方向MSに沿う表示範囲が狭くなる。このとき、主走査方向MSに沿う表示範囲の縮小変化は、主走査方向MSにおけるレーザ光の走査時間の変化量に対して大きい。したがって、第一駆動信号S1の周波数F1を共振周波数Frからずらして主走査方向MSに沿う走査範囲を小さくすることで、表示領域DRにおける単位面積当たりのレーザ光の照射量が増加する。つまり、第一駆動信号S1を調節して画像の主走査方向MSに沿う表示領域DRを狭くすることで、レーザ素子26の出力が低下していても、生成される画像の輝度の低下を抑制することができる。例えば、ミラー33の回転角度(振り角)を1/2に減らすと表示範囲の面積が1/2になることから、表示画像の輝度が2倍になる。そのため、レーザ素子26の出力が低下した場合でも、表示画像の視認性の低下を抑制することができる。
なお、制御部25は、第一駆動信号S1の周波数F1を共振周波数Frからずらすのとは逆に、第一駆動信号S1の周波数F1を共振周波数Frに近づけてもよい。つまり、制御部25は、第一駆動信号S1の周波数F1が共振周波数Frからずれた周波数を、共振周波数Frと実質的に等しい周波数に調節することで、主走査方向MSに沿った表示範囲が第二の範囲W2の範囲である画像を主走査方向MSに沿った表示範囲が第一の範囲W1の範囲である画像に切り替えてもよい。制御部25は、第一駆動信号S1の周波数F1を共振周波数Frからどの程度ずらすかによって、主走査方向MSに沿った画像の表示範囲を調節することができる。制御部25は、第一駆動信号S1の周波数F1をミラー33が共振する周波数帯の範囲内で調節する。
また、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、図12に示すように、副走査方向SSに沿った表示範囲が第三の範囲W3である画像を副走査方向SSに沿った表示範囲が第三の範囲W3よりも小さい第四の範囲W4である画像に切り替えることができる。この場合、制御部25は、図13に示すように、第三の範囲W3に対応する第二駆動信号S2の振幅A1を小さくして、第四の範囲W4に対応する第二駆動信号S2の振幅A2になるように調節する。
第二駆動信号S2の振幅が振幅A1から振幅A2に小さくされることで、ミラー駆動部32の回転角度は、振幅A1におけるミラー駆動部32の回転角度よりも小さくなる。したがって、レーザ光の副走査方向SSにおける走査範囲も狭くなる。つまり、スクリーン29に生成される画像の副走査方向SSに沿う表示範囲が小さくなる。このとき、主走査方向MSにおけるレーザ光の走査回数は、ほぼ変化しないため、表示領域DRにおける単位面積当たりのレーザ光の照射量が増加する。したがって、画像の切り替えの前後において、レーザ素子26の出力が異なっていても、スクリーン29に生成される画像の輝度の低下を抑制することができる。本実施形態の第四の範囲W4である画像は、例えば、第三の範囲W3である画像の中心位置と同一の中心位置を有する。すなわち、画像の切り替えの前後において、切り替え前の画像(表示範囲が第三の範囲W3である画像)と、切り替え後の画像(表示範囲が第四の範囲W4である画像)の中心位置が同一である。
また、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を一つのフレームで表示される画像ごとに徐々に小さくしてもよい。この場合、例えば、スクリーン29に表示された画像の副走査方向SSにおける表示範囲は、フレームが切り替わるごとに徐々に狭まっていくように表示される。つまり、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を調節することで、画像の副走査方向SSに沿う表示範囲を調節することができる。
なお、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を小さくするのとは逆に、第二駆動信号S2の振幅を大きくしてもよい。つまり、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を振幅A2から振幅A1に調節してもよい。この場合、画像の副走査方向SSに沿う表示範囲は、広くなる。また、第一駆動信号S1の周波数を調節すること、および第二駆動信号S2の振幅を調節することは、組み合わせて実行されてもよい。
また、本実施形態の制御部25は、第二駆動信号S2の波形の中心をシフトさせるように電流値を調節することで、副走査方向SSにおける表示領域DRの位置を調節することもできる。つまり、第二駆動信号S2の振幅を調節することで画像の副走査方向SSに沿う表示範囲を狭くした場合であっても、副走査方向SSにおける所定の位置に通常時の輝度を有する画像を表示することができる。例えば、第二駆動信号S2の波形の中心をより高い電流値とした場合、表示領域DRは、スクリーン29の下方向へとシフトする。例えば、第二駆動信号S2の波形の中心をより低い電流値とした場合、表示領域DRは、スクリーン29の上方向へとシフトする。
また、制御部25は、スクリーン29に表示される画像の表示範囲を狭くすることから、表示コンテンツ(例えば、速度表示、案内表示等)をそのまま小さくしても、視認性が低下するため、必要とされる表示コンテンツのみを表示することができる。ヘッドアップディスプレイ装置1の起動直後に車両100が走行状態となることは稀であることから、速度表示や案内表示等の表示コンテンツを表示せずに、画像の表示範囲を狭くした状態で、例えば『起動中』との表示を行うようにしてもよい。
次に、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1におけるレーザ光の走査範囲の調節動作について図15を参照して説明する。
ステップS1では、温度測定部30は、レーザ素子26の温度を測定して制御部25に出力する。例えば、温度測定部30は、ヘッドアップディスプレイ装置1の起動直後にレーザ素子26の温度を測定し、測定結果を制御部25に出力する。その後、温度測定部30は、一定の間隔をおいてレーザ素子26の温度を測定して測定結果を制御部25に出力する。
ステップS2では、制御部25は、温度測定部30から入力されたレーザ素子26の温度が適温の範囲内か否かを判定する。レーザ素子26の温度が適温の範囲内にある場合は、ステップS3に進む。一方、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、ステップS4に進む。
ステップS3では、制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲内にあることから、基準となる走査範囲で走査するように投影装置21を制御して、ステップS1に戻る。ここで基準となる走査範囲とは、レーザ素子26の温度が適温の範囲内にあってレーザ光の出力が制限されていない状態における画像の走査範囲である。
ステップS4では、制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にあってレーザ光の出力が制限されている状態にあることから、ミラー33の回転振動の振幅を小さくし基準となる走査範囲より狭くすることで走査範囲を調節してステップS1に戻る。例えば、制御部25は、図8に示すように、主走査方向MSに沿った表示範囲が第一の範囲W1である画像を、主走査方向MSに沿った表示範囲が第一の範囲W1よりも狭い第二の範囲W2である画像に切り替えて表示する。または、制御部25は、図12に示すように、副走査方向SSに沿った表示範囲が第三の範囲W3である画像を副走査方向SSに沿った表示範囲が第三の範囲W3よりも小さい第四の範囲W4である画像に切り替えて表示する。本実施形態の制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、予め設定された表示範囲(第二の範囲W2、第四の範囲W4)である画像に切り替える。例えば、レーザ素子26の温度が温度範囲aまたはcにて細かく変化し、その都度、走査範囲が切り替わると、表示画像の細かいサイズ変化で画像品位が損なわれるおそれがある。そこで、制御部25は、切り替え後の走査範囲を固定して、レーザ素子26の温度が細かく変化しても表示画像のサイズが細かく変化しないようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1は、レーザ光を射出するレーザ素子26と、レーザ素子26から射出されたレーザ光を反射させ、かつ互いに直交する第一回転軸X1および第二回転軸X2の周りに回転振動するミラー33と、第一駆動信号S1によってミラー33を第一回転軸X1の周りに共振させてレーザ光によってスクリーン29を主走査方向MSに走査し、第二駆動信号S2によって第二駆動信号S2の振幅に応じた回転角度で第二回転軸X2の周りにミラー33を回転振動させてレーザ光によってスクリーン29を副走査方向SSに走査するミラー駆動部32と、第一駆動信号S1および第二駆動信号S2をミラー駆動部32に対して出力する制御部25と、スクリーン29に生成された画像を車両におけるアイポイントEPに対向する位置に配置された反射部材10に向けて投射する投射手段22(反射ミラー)と、レーザ素子26の温度を測定して制御部25に出力する温度測定部30と、を含み、制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、レーザ素子26の温度が適温の範囲内にある場合と比較して、ミラー33の回転振動の振幅を小さくする。
本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1において、制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、レーザ素子26の温度が適温の範囲内にある場合と比較して、ミラー33の回転振動の振幅を小さくする。ミラー33の回転振動の振幅を小さくすることでレーザ光の走査範囲が狭くなり、走査範囲内の走査線密度が高くなることで、レーザ素子26の出力が制限される温度範囲において表示画像の輝度低下を抑制することができる。この結果、レーザ素子26の出力が制限されても、ヘッドアップディスプレイ装置1によって表示される虚像の視認性を維持することができる。また、従来と同じ構成で輝度の低下を抑制することができるので、構造の複雑化や部品の追加によるコストアップを抑えることが可能となる。
また、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1において、制御部25は、第一駆動信号S1の周波数F1をミラー33の共振周波数Frからずらすことにより主走査方向におけるレーザ光の走査範囲を狭くする。主走査方向におけるレーザ光の走査範囲が狭くなることで走査範囲内の走査線密度が高くなり、輝度の低下を抑制することができる。この結果、レーザ素子26の出力が制限されても、ヘッドアップディスプレイ装置1によって表示される虚像の視認性を維持することができる。
また、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1において、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を小さくすることにより回転角度を小さくして副走査方向SSにおけるレーザ光の走査範囲を狭くする。副走査方向におけるレーザ光の走査範囲が狭くなることで走査範囲内の走査線密度が高くなり、輝度の低下を抑制することできる。この結果、レーザ素子26の出力が制限されても、ヘッドアップディスプレイ装置1によって表示される虚像の視認性を維持することができる。
また、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置1において、制御部25は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、レーザ素子26の温度に応じてレーザ光の走査範囲を調節する。これにより、例えばレーザ素子26の温度が適温の範囲外にあって当該適温より低い場合でも、レーザ光の走査範囲を調節して表示画像の輝度低下を抑制することができる。したがって、ヘッドアップディスプレイ装置1によって表示される虚像の視認性を維持することができる。
なお、上記実施形態では、制御部25は、主走査方向MSに沿った表示範囲を第一の範囲W1よりも狭い第二の範囲W2に切り替えるか(図8参照)、副走査方向SSに沿った表示範囲を第三の範囲W3よりも小さい第四の範囲W4に切り替える(図12参照)構成について説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、制御部25は、図16に示すように、主走査方向MSに沿った表示範囲を第一の範囲W1から第二の範囲W2に切り替え、かつ副走査方向SSに沿った表示範囲を第三の範囲W3から第四の範囲W4に切り替えるようにしてもよい。これにより、走査範囲内の走査線密度がより高くなり、表示画像における輝度の低下を効果的に抑制することができる。なお、切り替え前後の画像の中心位置が同一であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、ヘッドアップディスプレイ装置1は、レーザ素子26の温度が適温の範囲外にある場合、例えばペルチェ素子等を利用することなく、レーザ素子26の自己発熱により適温に向けて加熱しているが、これに限定されるものではなく、ペルチェ素子等を利用してレーザ素子26の温度調節を行う構成であってもよい。
また、上記実施形態では、温度測定部30は、赤色、緑色、青色の3つのレーザ素子26の周囲温度を測定しているが、各レーザ素子26の周囲温度を測定する構成であってもよい。一般的に、赤色、緑色、青色の各レーザダイオードでは、温度特性が互いに異なる場合がある。具体的には、赤色のレーザダイオードは、緑色や青色のレーザダイオードに比べて相対的に低い温度で出力が低下し始める。そこで、制御部25は、3つのレーザ素子26の温度に基づいて、画像の走査範囲を調節する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を小さくすることにより回転角度を小さくして副走査方向SSにおけるレーザ光の走査範囲を狭くし、画像の副走査方向SSに沿う表示領域DRを狭くしているが、これに限定されるものではない。図17は、実施形態の変形例における第二駆動信号S2の変化を示すグラフ図である。図18は、実施形態の変形例における画像の表示範囲の変化を示す図である。制御部25は、例えば、第一駆動信号S1の周波数F1を変更することなく、第二駆動信号S2の振幅を小さくすることにより回転角度を小さくし、かつ第二駆動信号S2の周期T2を短くする。例えば、図17に示すように、第二駆動信号S2の振幅が振幅A1から振幅A2に小さくなることで、ミラー駆動部32の回転角度が、振幅A1におけるミラー駆動部32の回転角度よりも小さくなり、副走査方向SSにおける走査範囲が狭くなる。さらに、第二駆動信号S2の周期が周期T2から周期T2′に短くなることで、走査密度を変更することなく、ミラー駆動部32の回転角度(振り角)が小さくなる。例えば、図18に示すように、第三の範囲W3である画像が11本の走査線で走査されていた場合、第二駆動信号S2の周期T2と電流値をそれぞれ5/11にすると、走査密度を変更することなく、表示範囲を略半分にすることができる。すなわち、第三の範囲W3よりも小さい第四の範囲W4にすることができる。上述したように、第二駆動信号S2の波形の中心をより低い電流値にシフトすることで、図18に示すように、表示領域DRをスクリーン29の上方向へとシフトする。以上のように、制御部25は、第二駆動信号S2の振幅を小さくすることにより回転角度を小さくし、かつ第二駆動信号S2の周期を短くして副走査方向SSにおけるレーザ光の走査範囲を狭くする。これにより、走査範囲内の走査線密度を一定の状態にしたまま、画像の表示サイズを小さくすることが可能となる。
1 ヘッドアップディスプレイ装置
21 投影装置
23 レーザ光源部
25 制御部
26 レーザ素子
27 ダイクロイックミラー
28 走査ミラー
29 スクリーン
30 温度測定部
32 ミラー駆動部
33 ミラー
100 車両
101a 開口部
D 運転者
EP アイポイント
MS 主走査方向
SS 副走査方向
X1 第一回転軸
X2 第二回転軸

Claims (5)

  1. レーザ光を射出するレーザ素子と、
    前記レーザ素子から射出されたレーザ光を反射させ、かつ互いに直交する第一回転軸および第二回転軸の周りに回転振動するミラーと、
    第一駆動信号によって前記ミラーを前記第一回転軸の周りに共振させてレーザ光によってスクリーンを主走査方向に走査し、第二駆動信号によって前記第二駆動信号の振幅に応じた回転角度で前記第二回転軸の周りに前記ミラーを回転振動させてレーザ光によって前記スクリーンを副走査方向に走査するミラー駆動部と、
    前記第一駆動信号および前記第二駆動信号を前記ミラー駆動部に対して出力する制御部と、
    前記スクリーンに生成された画像を車両におけるアイポイントに対向する位置に配置された反射部材に向けて投射する投射手段と、
    前記レーザ素子の温度を測定して前記制御部に出力する温度測定手段と、を備え、
    前記制御部は、
    前記レーザ素子の温度が適温の範囲外にある場合、前記レーザ素子の温度が前記適温の範囲内にある場合と比較して、前記ミラーの回転振動の振幅を小さくする、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第一駆動信号の周波数を前記ミラーの共振周波数からずらすことにより前記主走査方向における前記レーザ光の走査範囲を狭くする、
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第二駆動信号の振幅を小さくすることにより前記回転角度を小さくして前記副走査方向における前記レーザ光の走査範囲を狭くする、
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記制御部は、
    前記第二駆動信号の振幅を小さくすることにより前記回転角度を小さくし、かつ前記第二駆動信号の周期を短くして前記副走査方向における前記レーザ光の走査範囲を狭くする、
    請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記制御部は、
    前記レーザ素子の温度が適温の範囲外にある場合、前記レーザ素子の温度に応じて前記レーザ光の走査範囲を調節する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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