JP2020112308A - グラスライニング製多管式熱交換器 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1のグラスライニング製多管式熱交換器では、酸性溶液や有機溶媒等の腐食性を有する被熱交換流体を流入ヘッドから導入させて、伝熱管に流通させることがある。そのため、流入ヘッド、管板および伝熱管には、被熱交換流体と接触する内面を覆うようにグラスライニングが施されている。これにより、腐食性を有する被熱交換流体と接触しても、伝熱管が腐食することを防止している。
そのため、特許文献1のグラスライニング製多管式熱交換器では、流入ノズルと伝熱管との間に伝熱媒体の流れを抑制する阻流板を設けている。これにより、流入ノズルから流入した伝熱媒体が、伝熱管に直接接触することを防ぐことで、被熱交換流体と伝熱媒体との温度差を小さくしている。
また、胴部シェルの周面に、当該胴部シェルの内部に連通する筒状の連結部が取り付けられ、当該連結部に伝熱媒体を流入させる伝熱媒体流入ノズルが接続される。そのため、例えば、胴部シェルは、中心軸線が略水平方向に沿って延び、かつ、連結部が当該胴部シェルの底部に位置するように配置された場合、伝熱媒体は、伝熱媒体流入ノズルおよび連結部を介して、胴部シェルの底部側から胴部シェルの内部に流入する。
そして、このような場合において、胴部シェルの底部に位置する連結部の内部に、伝熱媒体流入ノズルから直接的に胴部シェルの内部に流入される伝熱媒体の流れを抑制する阻流機構が配置される。これにより、流入ヘッドから被熱交換流体が流入する伝熱管を、胴部シェルの底部に沿って配置することができる。そのため、流入ヘッドの内部の被熱交換流体を排出する際に、流入ヘッドの底部近傍に滞留する被熱交換流体を、胴部シェルの底部に沿って配置した伝熱管を介して排出することができる。そのため、流入ヘッドの底部に残留する被熱交換流体を低減できる。これにより、例えば、グラスライニング製多管式熱交換器に流入させる被熱交換流体を、別の種類のものに切り替える場合に、切り替え後の被熱交換流体に対して、流入ヘッドに残留した切り替え前の被熱交換流体が混入(コンタミネーション)してしまうことを防止できる。
本発明では、流出ヘッド本体部は、大径部と、被熱交換流体流出ノズルが取り付けられる小径部と、大径部および小径部を接続させる縮径部とを有する。これにより、流出ヘッド本体部の大径部に対して、小さい径の被熱交換流体流出ノズルを取り付けることができる。この際、大径部と小径部とが偏心しているので、大径部の底部と小径部の底部とが面一となるように大径部と小径部とを偏心させれば、大径部から小径部までの間に段差がない状態で、小径部に被熱交換流体流出ノズルを取り付けることができる。これにより、大径部から被熱交換流体流出ノズルまでの間に、被熱交換流体が滞留することを抑制できるので、流出ヘッド内の被熱交換流体を排出する際に、流出ヘッドの内部に残留する被熱交換流体を低減できる。
本発明では、伝熱管は、流入側開口端部から流出側開口端部に向かって、中心軸線が水平方向に対して下向きに傾いているので、流入ヘッドから流入した被熱交換流体を、流出ヘッドに流出させやすくできる。そのため、伝熱管を介して流入ヘッドの被熱交換流体を排出する際に、流入ヘッドおよび伝熱管に残留する被熱交換流体の量を低減することができる。
本発明では、伝熱媒体流入ノズルは覆蓋部に接続されるので、伝熱媒体流入ノズルから流入する伝熱媒体は、当該覆蓋部および基部を介して、胴部シェルに流入する。この際、覆蓋部は半楕円体状に形成されているので、伝熱媒体の流入流路は緩やかに湾曲することになる。そのため、例えば、伝熱媒体の流入流路が屈曲している場合に比べて、覆蓋部を通過する際の伝熱媒体の圧力損失を低減することができる。
図1〜図3に、本発明の第1実施形態を示す。
図1は、本実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1の概略を示す正面図であり、図2は、グラスライニング製多管式熱交換器1の概略を示す断面図であり、図3は、グラスライニング製多管式熱交換器1の概略を示す別の断面図である。
図1〜図3に示すように、グラスライニング製多管式熱交換器1は圧力容器として形成され、胴部シェル2と、流入ヘッド3と、流出ヘッド4と、脚部5と、第1管板6と、第2管板7と、伝熱管8と、締結部材9とを有する。
胴部シェル2は、胴部シェル本体部21と、フランジ部22と、連結部23と、伝熱媒体流入ノズル24と、伝熱媒体流出ノズル25と、支持ボルト26とを有する。
胴部シェル本体部21は、金属から形成された円筒状の部材であり、内部に複数の伝熱管8が収納されている。また、胴部シェル本体部21には、流入側開口端部211に第1管板6が取り付けられ、流出側開口端部212に第2管板7が取り付けられている。
本実施形態では、胴部シェル本体部21の中心軸線P方向の長さLは、約2000mmとされ、内径Dは、約300mmとされている。
フランジ部22は、第1フランジ部221と第2フランジ部222とを有する。第1フランジ部221は、胴部シェル本体部21の流入側開口端部211に取り付けられており、第2フランジ部222は胴部シェル本体部21の流出側開口端部212に取り付けられている。
基部231は、円筒状に形成され、一端側が胴部シェル本体部21の底部に接合されて取り付けられている。覆蓋部232は、半楕円体状に形成され、基部231の他端側の開口を覆うように基部231に接合されている。
本体管部241は、金属製で円筒状の部材であり、連結部23の覆蓋部232の頂部を貫通して配置されている。本実施形態では、本体管部241と覆蓋部232とは、溶接されて接合されている。
また、本体管部241の一方の開口端部にはフランジ部242が取り付けられており、他方の開口端部には、阻流機構243が取り付けられている。
阻流機構243は、金属製で円板状の部材であり、連結部23の内部に配置されている。
流入ヘッド3は、金属製で内面にグラスライニングが施されている。流入ヘッド3は、流入ヘッド本体部31と、被熱交換流体流入ノズル32と、フランジ部33と、鏡板部34とを有する。
流入ヘッド本体部31は、円筒状に形成され、一方の開口端にフランジ部33が接合され、他方の開口端に鏡板部34が接合されている。
被熱交換流体流入ノズル32は、伝熱媒体によって熱交換される被熱交換流体を流入させるノズルであり、流入ヘッド本体部31の頂部に取り付けられている。本実施形態では、被熱交換流体流入ノズル32は、溶接により流入ヘッド本体部31に接合されている。なお、被熱交換流体としては、伝熱媒体によって冷却される酸性溶液や有機溶媒等が例示される。
鏡板部34は、金属製の部材であり、頂部に向かって湾曲した半楕円体状に形成されている。
流出ヘッド4は、金属製で内面にグラスライニングが施されている。流出ヘッド4は、流出ヘッド本体部41と、被熱交換流体流出ノズル42と、フランジ部43とを有する。
流出ヘッド本体部41は、大径部411と、小径部412と、縮径部413とを有する。
小径部412は、大径部411よりも径が小さくなるように、円筒状に形成された部材である。また、小径部412は、基端側が縮径部413に接合されており、先端側にフランジ部414が設けられている。
縮径部413は、大径部411および小径部412を接続させる部材である。本実施形態では、縮径部413は錐台状に形成されており、大径部411側から小径部412側に向かうにしたがって、径が縮径している。
また、被熱交換流体流出ノズル42には、基端側にフランジ部421が設けられている。そして、当該フランジ部421と、小径部412の先端側に設けられたフランジ部414とが、図示略のボルト等により締結されている。これにより、被熱交換流体流出ノズル42は、流出ヘッド本体部41に取り付けられている。ただし、上記構成に限られるものではなく、例えば、小径部412と被熱交換流体流出ノズル42とは、溶接により接合されていてもよい。
また、本実施形態では、被熱交換流体流出ノズル42は、所謂エルボ管により構成されており、先端側が下向きに折れ曲がるように、流出ヘッド本体部41に取り付けられている。
脚部5は、金属製の部材であり、胴部シェル本体部21の底部に取り付けられて、胴部シェル本体部21を支持している。本実施形態では、脚部5は、胴部シェル本体部21に2つ取り付けられている。ただし、上記構成に限らず、例えば、脚部5は1つでもよく、あるいは、3つ以上取り付けられていてもよい。
また、脚部5は、胴部シェル本体部21の流入側開口端部211から流出側開口端部212に向かって、胴部シェル本体部21の中心軸線Pが水平方向に対してわずかに下向きに傾くように、胴部シェル本体部21を支持している。つまり、胴部シェル本体部21は、中心軸線Pが略水平方向に沿って延びるように、脚部5に支持されている。本実施形態では、水平方向に対する中心軸線Pの傾きが約3%となるように、脚部5は胴部シェル本体部21を支持している。
ただし、上記構成に限らず、例えば、脚部5は、中心軸線Pが水平方向と平行になるように、胴部シェル本体部21を支持していてもよい。
第1管板6は、金属製で円板状の部材であり、前述したように、胴部シェル本体部21の流入側開口端部211に取り付けられている。つまり、第1管板6は、流入ヘッド3と胴部シェル本体部21との間を仕切るように配置されている。そして、第1管板6の流入ヘッド3側の面には、グラスライニングが施されている。
また、第1管板6には、伝熱管8が挿入される孔部61が複数形成されている。本実施形態では、第1管板6には、孔部61が27個形成されている。
第2管板7は、金属製で円板状の部材であり、前述したように、胴部シェル本体部21の流出側開口端部212に接合されて取り付けられている。つまり、第2管板7は、流出ヘッド4と胴部シェル本体部21との間を仕切るように配置されている。そして、第2管板7の流出ヘッド4側の面には、グラスライニングが施されている。
また、第2管板7には、伝熱管8が挿入される孔部71が複数形成されている。本実施形態では、第1管板6と同様に、第2管板7には、孔部71が27個形成されている。
伝熱管8は、金属製で管状の部材であり、内面にグラスライニングが施されている。本実施形態では、胴部シェル本体部21内に27本の伝熱管8が収納されている。そして、各々の伝熱管8は、一方の端部が第1管板6の孔部61に挿入され、他方の端部が第2管板7の孔部71に挿入されている。つまり、各々の伝熱管8は、第1管板6および第2管板7によって支持されている。
さらに、本実施形態では、伝熱管8は、中心軸線Oが胴部シェル本体部21の中心軸線Pと平行になるように、胴部シェル本体部21内に配置されている。つまり、伝熱管8は、一方の端部から他方の端部に向かって、中心軸線Oが水平方向に対して下向きに傾くように配置されている。
ただし、上記構成に限らず、例えば、伝熱管8は、中心軸線Oが水平方向と平行になるように配置されていてもよい。
締結部材9は、第1締結部材91と第2締結部材92とを有する。
第1締結部材91は、前述したように、胴部シェル2の第1フランジ部221と流入ヘッド3のフランジ部33とを締結する締結具である。図1では、一部図示を省略しているが、第1締結部材91は、第1フランジ部221およびフランジ部33の周方向に沿って、複数設けられている。これにより、流入ヘッド3と胴部シェル2との間が密閉される。
次に、前述した第1実施形態を従来技術と対比して説明するために、本発明の従来例を第1従来例として説明する。
図4〜図6に、第1従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100を示す。
図4は、第1従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100の概略を示す正面図であり、図5は、グラスライニング製多管式熱交換器100の概略を示す断面図であり、図6は、グラスライニング製多管式熱交換器100の概略を示す別の断面図である。
図4〜図6に示すように、グラスライニング製多管式熱交換器100は、圧力容器として形成され、胴部シェル120と、流入ヘッド130と、流出ヘッド140と、脚部150と、第1管板160と、第2管板170と、伝熱管180と、締結部材190とを有する。なお、流入ヘッド130、脚部150、第1管板160、第2管板170、および締結部材190は、前述した本発明の第1実施形態とほぼ同様であるため、詳細な説明を割愛する。
胴部シェル120は、胴部シェル本体部121と、フランジ部122と、伝熱媒体流入ノズル124と、伝熱媒体流出ノズル125と、支持ボルト126とを有する。前述した第1実施形態とは異なり、第1従来例の胴部シェル120には連結部が取り付けられていない。
胴部シェル本体部121は、前述した第1実施形態の胴部シェル本体部21と同様の部材であり、内部に複数の伝熱管180が収納されている。また、胴部シェル本体部121の中心軸線Q方向の長さHは、約2000mmとされ、内径Eは、約300mmとされている。すなわち、第1実施形態の胴部シェル本体部21と、第1従来例の胴部シェル本体部121とは、同様の形状をしている。
また、第1従来例では、支持ボルト126は4本設けられている。
第1従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100では、本体管部1241が胴部シェル本体部121の周面の底部に直接接合されて取り付けられている。そして、阻流機構1243は、胴部シェル本体部121の内部において、底部近傍に配置されている。
流出ヘッド140は、流出ヘッド本体部141と、被熱交換流体流出ノズル142と、フランジ部143と、鏡板部144とを有する。前述した第1実施形態の流出ヘッド4と異なり、従来例の流出ヘッド本体部141には縮径部が設けられていない。
流出ヘッド本体部141は、円筒状に形成され、一方の開口端部にフランジ部143が接合され、他方の開口端部に鏡板部144が接合される。また、流出ヘッド本体部141には、底部に被熱交換流体流出ノズル142が接合される。
伝熱管180は、前述した第1実施形態の伝熱管8と同様の部材であり、胴部シェル本体部121内に27本収納されている。
また、各々の伝熱管180は、長さXが約2000mmとされ、内径Yが約27mmとされ、外径Zが約34mmとされている。
図7に示すように、第1実施形態および第1従来例では、伝熱管8,180の本数が27本と同じことから、伝熱管8,180の外径を基準とした伝熱面積5.59m2と同じになっている。なお、第1実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1および第1従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100は、通常、伝熱面積が5m2のタイプの熱交換器として使用される。
これは、第1実施形態では、伝熱管8が胴部シェル本体部21の底部に沿って配置できるため、被熱交換流体を流入ヘッド3の底部近傍まで排出できるのに対して、第1従来例では、伝熱管180を胴部シェル本体部121の底部に沿って配置できないので、流入ヘッド130の底部近傍に残留する被熱交換流体を排出できないことによるものである。
(1)第1実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1では、筒状に形成される胴部シェル本体部21の流入側開口端部211に、被熱交換流体流入ノズル32を有する流入ヘッド3が取り付けられる。そして、流入ヘッド3から被熱交換流体が流入する伝熱管8が胴部シェル本体部21内に収納されている。そのため、被熱交換流体は、被熱交換流体流入ノズル32および流入ヘッド3を介して、伝熱管8に流入される。
また、胴部シェル本体部21の周面に、当該胴部シェル本体部21の内部に連通する筒状の連結部23が取り付けられ、当該連結部23に伝熱媒体を流入させる伝熱媒体流入ノズル24が接続される。そして、胴部シェル本体部21は、中心軸線Pが略水平方向に沿って延び、かつ、連結部23が当該胴部シェルの底部に位置するように配置される。これにより、伝熱媒体は、伝熱媒体流入ノズル24および連結部23を介して、底部側から胴部シェル本体部21の内部に流入する。
そして、当該連結部23の内部に、伝熱媒体流入ノズル24から直接的に胴部シェル本体部21の内部に流入される伝熱媒体の流れを抑制する阻流機構243が配置される。これにより、流入ヘッド3から被熱交換流体が流入する伝熱管8を、胴部シェル本体部21の底部に沿って配置することができる。そのため、流入ヘッド3の内部の被熱交換流体を排出する際に、流入ヘッド3の底部近傍に滞留する被熱交換流体を、胴部シェル本体部21の底部に沿って配置した伝熱管8を介して排出することができる。そのため、流入ヘッド3の底部に残留する被熱交換流体を低減できる。これにより、例えば、グラスライニング製多管式熱交換器1に流入させる被熱交換流体を、別の種類のものに切り替える場合に、切り替え後の被熱交換流体に対して、流入ヘッド3に残留した切り替え前の被熱交換流体が混入してしまうことを防止できる。
また、第1実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1では、伝熱媒体流入ノズル24から胴部シェル本体部21に流入される伝熱媒体の流れを妨害する阻流機構243が連結部23の内部、つまり、伝熱媒体流入ノズル24と伝熱管8との間に配置される。そのため、伝熱媒体流入ノズル24から流入した伝熱媒体は、当該阻流機構243を迂回して胴部シェル本体部21に流入されるので、当該伝熱媒体が伝熱管8に直接接触することを防ぐことができる。これにより、伝熱管8の内面に接触する被熱交換流体と、伝熱管8の外面に接触する伝熱媒体との温度差を小さくできるので、伝熱管8の内面に施されたグラスライニングに熱割れが生じることを抑制することができる。
これに対し、第1従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100では、流出ヘッド本体部141の底部に被熱交換流体流出ノズル142が接合されているので、流出ヘッド140内の被熱交換流体を排出する際に、鏡板部144の底部近傍に被熱交換流体が残留してしまう。
したがって、第1実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1では、流出ヘッド4内の被熱交換流体を排出する際に、底部に残留する被熱交換流体を低減できる。
図8に、本発明の第2実施形態を示す。
図8は、本実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1Aの概略を示す断面図である。
本実施形態において、胴部シェル2Aおよび伝熱管8Aに係る構成以外の構成は、前述した第1実施形態と共通である。したがって、以下には相違する部分についてのみ説明する。
本実施形態の胴部シェル2Aの胴部シェル本体部21Aは、前述した第1実施形態と同様に、金属から形成された円筒状の部材であり、内部に複数の伝熱管8Aが収納されている。本実施形態では、胴部シェル本体部21Aの内径D1は、約390mmとされている。なお、図示は略すが、胴部シェル本体部21Aの長さは、前述した第1実施形態と同様に、約2000mmとされている。
また、本実施形態では、支持ボルト26Aは4本設けられている。
伝熱管8Aは、前述した第1実施形態と同様に、金属製で管状の部材であり、内面にグラスライニングが施されている。本実施形態では、胴部シェル本体部21A内に52本の伝熱管8Aが収納されている。
また、本実施形態では、各々の伝熱管8Aは、内径M1が約27mmとされ、外径N1が約34mmとされている。なお、図示は略すが、伝熱管8Aの長さは、前述した第1実施形態と同様に、約2000mmとされている。
次に、図9に、第2従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Aを示す。
図9は、第2従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Aの概略を示す断面図である。
第2従来例において、胴部シェル120Aおよび伝熱管180Aに係る構成以外の構成は、前述した第1従来例と共通である。したがって、以下には相違する部分についてのみ説明する。
第2従来例の胴部シェル120Aの胴部シェル本体部121Aは、前述した第1従来例と同様に、金属から形成された円筒状の部材であり、内部に複数の伝熱管180Aが収納されている。第2従来例では、胴部シェル本体部121Aの内径E1は、約390mmとされている。なお、図示は略すが、胴部シェル本体部121Aの長さは、前述した第1従来例と同様に、約2000mmとされている。すなわち、第2実施形態の胴部シェル本体部21Aと、第2従来例の胴部シェル本体部121Aとは、同様の形状をしている。
また、第2従来例では、支持ボルト126Aは4本設けられている。
伝熱管180Aは、前述した第1従来例と同様に、金属製で管状の部材であり、内面にグラスライニングが施されている。第2従来例では、胴部シェル本体部121A内に50本の伝熱管180Aが収納されている。
また、第2従来例では、各々の伝熱管180Aは、内径Y1が約27mmとされ、外径Z1が約34mmとされている。なお、図示は略すが、伝熱管180Aの長さは、前述した第1従来例と同様に、約2000mmとされている。
図10に示すように、伝熱管8A,180Aの本数は、第2実施形態では52本であるのに対して、第2従来例では50本となっている。すなわち、第2実施形態では、第2従来例よりも伝熱管8Aを多く収納することができる。これは、阻流機構を連結部に配置したことから、胴部シェル本体部21Aの内部のスペースに余裕ができたことによるものである。これにより、第2実施形態では、第2従来例に比べて、伝熱管8A,180Aの外径を基準とした伝熱面積を大きくできるので、熱交換効率を高めることができる。なお、第2実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1Aおよび第2従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Aは、通常、伝熱面積が10m2のタイプの熱交換器として使用される。
(5)第2実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1Aでは、第2従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Aに比べて、胴部シェル本体部21Aに伝熱管8Aを多く収納することができる。そのため、第2従来例に比べて、伝熱管8Aの伝熱面積を大きくすることができ、熱交換効率を高くすることができる。
図11に、本発明の第3実施形態を示す。
図11は、本実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1Bの概略を示す断面図である。
本実施形態において、胴部シェル2Bおよび伝熱管8Bに係る構成以外の構成は、前述した第1、第2実施形態と共通である。したがって、以下には相違する部分についてのみ説明する。
本実施形態の胴部シェル2Bの胴部シェル本体部21Bは、前述した第1、第2実施形態と同様に、金属から形成された円筒状の部材であり、内部に複数の伝熱管8Bが収納されている。本実施形態では、胴部シェル本体部21Bの内径D2は、約490mmとされている。なお、図示は略すが、胴部シェル本体部21Bの長さは、約2750mmとされている。
また、本実施形態では、支持ボルト26Bは8本設けられている。
伝熱管8Bは、前述した第1実施形態と同様に、金属製で管状の部材であり、内面にグラスライニングが施されている。本実施形態では、胴部シェル本体部21B内に77本の伝熱管8Bが収納されている。
また、本実施形態では、各々の伝熱管8Bは、内径M2が約27mmとされ、外径N2が約34mmとされている。なお、図示は略すが、伝熱管8Bの長さは、約2750mmとされている。
次に、図12に、第3従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Bを示す。
図12は、第3従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Bの概略を示す断面図である。
第3従来例において、胴部シェル120Bおよび伝熱管180Bに係る構成以外の構成は、前述した第1、第2従来例と共通である。したがって、以下には相違する部分についてのみ説明する。
第3従来例の胴部シェル120Bの胴部シェル本体部121Bは、前述した第1、第2従来例と同様に、金属から形成された円筒状の部材であり、内部に複数の伝熱管180Bが収納されている。第3従来例では、胴部シェル本体部121Bの内径E2は、約490mmとされている。なお、図示は略すが、胴部シェル本体部121Bの長さは、約2750mmとされている。すなわち、第3実施形態の胴部シェル本体部21Bと、第3従来例の胴部シェル本体部121Bとは、同様の形状をしている。
また、第3従来例では、支持ボルト126Bは8本設けられている。
伝熱管180Bは、前述した第1、第2従来例と同様に、金属製で管状の部材であり、内面にグラスライニングが施されている。第3従来例では、胴部シェル本体部121B内に76本の伝熱管180Bが収納されている。
また、第3従来例では、各々の伝熱管180Bは、内径Y2が約27mmとされ、外径Z2が約34mmとされている。なお、図示は略すが、伝熱管180Bの長さは、約2750mmとされている。
図13に示すように、伝熱管8B,180Bの本数は、第3実施形態では77本であるのに対して、第3従来例では76本となっている。すなわち、第3実施形態では、第3従来例よりも伝熱管8Bを多く収納することができる。これにより、第3実施形態では、第3従来例に比べて、伝熱管8B,180Bの外径を基準とした伝熱面積を大きくすることができ、熱交換効率を高くすることができる。なお、第3実施形態のグラスライニング製多管式熱交換器1Bおよび第3従来例のグラスライニング製多管式熱交換器100Bは、通常、伝熱面積が20m2のタイプの熱交換器として使用される。
本発明は、前述した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれるものである。
例えば、前述した各実施形態では、阻流機構243は連結部23内に配置されていたが、これに限られない。例えば、阻流機構は、その一部が胴部シェル本体部内に配置されていてもよく、胴部シェル本体部の底部に沿って配置された伝熱管と干渉しない位置に配置されていればよい。
また、前述した各実施形態では、流出ヘッド4に縮径部413が設けられていたが、これに限定されず、流出ヘッドに縮径部が設けられない場合も本発明に含まれる。
さらに、伝熱管8,8A,8Bの配置は、前述した各実施形態に示したものに限られるものではなく、胴部シェル本体部21,21A,21Bに収納可能に配置されていればよい。
Claims (4)
- 筒状に形成される胴部シェルと、
前記胴部シェルの流入側開口端部に取り付けられ、被熱交換流体を流入させる被熱交換流体流入ノズルを有する流入ヘッドと、
前記胴部シェルに収納され、内面にグラスライニングが施されて、前記流入ヘッドから前記被熱交換流体が流入する伝熱管と、
前記胴部シェルの周面に取り付けられ、前記胴部シェルの内部に連通する筒状の連結部と、
前記連結部に接続され、前記被熱交換流体と熱交換する伝熱媒体を流入させる伝熱媒体流入ノズルと、
前記連結部の内部に配置され、前記伝熱媒体流入ノズルから直接的に前記胴部シェルの内部に流入される前記伝熱媒体の流れを抑制する阻流機構と、を備える
ことを特徴とするグラスライニング製多管式熱交換器。 - 請求項1に記載のグラスライニング製多管式熱交換器において、
前記胴部シェルの流出側開口端部に取り付けられる流出ヘッドを備え、
前記流出ヘッドは、前記胴部シェルに取り付けられる筒状の流出ヘッド本体部と、前記流出ヘッド本体部に取り付けられ前記被熱交換流体を流出させる被熱交換流体流出ノズルとを有し、
前記流出ヘッド本体部は、大径部と、前記被熱交換流体流出ノズルが取り付けられる小径部と、前記大径部および前記小径部を接続させる縮径部とを有し、
前記大径部と前記小径部とは偏心している
ことを特徴とするグラスライニング製多管式熱交換器。 - 請求項2に記載のグラスライニング製多管式熱交換器において、
前記伝熱管は、前記胴部シェルの前記流入側開口端部から前記流出側開口端部に向かって、中心軸線が水平方向に対して下向きに傾くように配置されている
ことを特徴とするグラスライニング製多管式熱交換器。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のグラスライニング製多管式熱交換器において、
前記連結部は、一端側が前記胴部シェルに取り付けられる筒状の基部と、半楕円体状に形成され前記基部の他端側の開口を覆うように前記基部に接合される覆蓋部とを有し、
前記伝熱媒体流入ノズルは、前記覆蓋部に接続される
ことを特徴とするグラスライニング製多管式熱交換器。
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2019
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