JP2020112223A

JP2020112223A - ブレーキディスク、ブレーキディスクの製造方法

Info

Publication number: JP2020112223A
Application number: JP2019003982A
Authority: JP
Inventors: 智宏横山; Tomohiro Yokoyama
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2019-01-14
Filing date: 2019-01-14
Publication date: 2020-07-27
Anticipated expiration: 2039-01-14
Also published as: US11229945B2; US20200222970A1; CN111503183A; JP7143770B2; CN111503183B

Abstract

【課題】ブレーキディスクの冷却性を向上させつつ、コストダウンを図ることである。【解決手段】本ブレーキディスクは、摺動面を有し、概して円盤状または円環板状を成す２つの第１部材と、複数のフィンおよびフィン保持部とを有する１つ以上の第２部材とを含む。２つの第１部材と１つ以上の第２部材との各々はプレス加工によって製造される。このように、ブレーキディスクが、プレス加工によって製造された２つの第１部材と１つ以上の第２部材とが結合されることにより製造される。その結果、ブレーキディスクが、鋳造により製造される場合に比較して、フィンを細くしたり、フィンの本数を増やしたりすること等ができ、冷却性を向上させることができる。また、第１部材、第２部材の各々の薄肉化を図ることができるため、ブレーキディスクの軽量化を図り、コストダウンを図ることができる。【選択図】図２

Description

本発明は、ディスクブレーキに用いられるブレーキディスク、ブレーキディスクの製造方法に関するものである。

特許文献１に記載のブレーキディスクは、ハット部と１つの摺動部とが結合装置により結合されて、一体化されたものである。摺動部は互いに反対側に位置する一対の摺動面と、それら一対の摺動面の間に位置する複数のフィンとを含むものであり、ハット部はブレーキディスクをハブに取り付ける取付部を含むものである。

特開２０１０−１０６９１７号公報

本発明の課題は、ブレーキディスクの冷却性を向上させつつ、コストダウンを図ることである。

課題を解決するための手段および効果

本発明に係るブレーキディスクは、摺動面を有し、概して円盤状または円環板状を成す２つの第１部材と、複数のフィンおよびフィン保持部とを有する１つ以上の第２部材とを含む。２つの第１部材と１つ以上の第２部材との各々はプレス加工によって製造される。このように、ブレーキディスクが、プレス加工によって製造された２つの第１部材と１つ以上の第２部材とが結合されることにより製造される。その結果、ブレーキディスクが、鋳造により製造される場合に比較して、フィンを細くし、フィンの本数を増やすことができるため、冷却性を向上させることができる。また、第１部材、第２部材の各々の薄肉化を図ることができるため、ブレーキディスクの軽量化を図り、コストダウンを図ることができる。

本発明に係るブレーキディスクが適用されるディスクブレーキの断面図である。本ブレーキディスクは、本発明に係るブレーキディスク製造方法によって製造することができる。本発明の実施例１に係るブレーキディスクについての(Ａ)側面図、(Ｂ)正面図、(Ｃ)ＡＡ断面図である。上記ブレーキディスクの構成要素である第１部材の正面図である。上記ブレーキディスクの構成要素である第２部材の正面図である。上記ＢＢ断面図である。上記ＣＣ断面図である。本発明の実施例２に係るブレーキディスクについての(Ａ)側面図、(Ｂ)正面図、(Ｃ)ＤＤ断面図である。上記ブレーキディスクの構成要素である第３部材の正面図である。上記ブレーキディスクの構成要素である第４部材の正面図である。上記ＥＥ断面図である。上記ＦＦ断面図である。

発明の実施形態

以下、本発明の一実施形態であるブレーキディスクについて図面に基づいて説明する。本ブレーキディスクは、本発明の一実施形態であるブレーキディスク製造方法によって製造することができる。
本実施形態に係るブレーキディスクは、車輪に、車輪と共に回転可能に取り付けられる。ブレーキディスクは、例えば、ハブまたは車輪の回転駆動軸に取り付けられる。例えば、ブレーキディスクが、インホイールモータが搭載された車輪の摩擦ブレーキに適用される場合等には、ハブを介することなく、回転駆動軸としてのインホイールモータの出力軸と、インホイールモータの回転が減速機により減速されて出力される場合の減速機の出力軸との少なくとも一方に一体的に回転可能に取り付けることができる場合がある。ブレーキディスクは、回転駆動軸に、例えば、キーとキー溝とを利用して一体的に回転可能に直接取り付けることが可能となる。

ブレーキディスクＤは、例えば、図１に示すように、ディスクブレーキＢに適用することができる。ブレーキディスクＤはハブＨを介して車輪Ｗに、車輪Ｗと一体的に回転可能に取り付けられる。ディスクブレーキＢは、ブレーキディスクＤの両側に位置する摩擦係合部材Ｍ１、Ｍ２と、摩擦係合部材Ｍ１，Ｍ２をブレーキディスクＤに押し付ける押付装置Ｆとを含む。押付装置Ｆは、例えば、図示しない車体側部材に設けられたアクチュエータＡｃｔと、フレームＦｒとを含む。アクチュエータＡｃｔにおいて、第１押圧部材Ｒ１がＸ方向に移動させられることにより、摩擦係合部材Ｍ１がブレーキディスクＤの摺動面Ｓｉｎに押し付けられ、第２押圧部材Ｒ２が第１押圧部材Ｒ１とは逆向きのＹ方向に移動させられることによりフレームＦｒがＹ方向に移動させられ、摩擦係合部材Ｍ２がブレーキディスクＤの摺動面Ｓｏｕｔに押し付けられる。それにより、ディスクブレーキＢが作動させられ、ブレーキディスクＤの回転が抑制され、車輪の回転が抑制される。

図２Ａ〜図２Ｃに示すように、ブレーキディスクＤとしてのブレーキディスク１０は、一対の第１部材１２ａ，１２ｂと、一対の第１部材１２ａ，１２ｂの間に位置する第２部材１４とを含む。一対の第１部材１２ａ，１２ｂは、図３に示すように、概して円環板状を成し、摩擦係合部材が摺動する面である摺動面Ｓを有する。

第２部材１４は、図４に示すように、複数のフィン１６と、複数のフィン１６を保持するフィン保持部１８とを有する。フィン保持部１８は、概して円盤状を成し、中央部に、ブレーキディスク１０をハブに一体的に回転可能に取り付けるための取付部２０が設けられる。本実施例において、取付部２０は、第２部材１４の中央部に形成された中央貫通孔２１と、中央貫通孔２１の周辺に設けられた複数のボルト取付用孔２２とを含む。

複数のフィン１６は、フィン保持部１８の外周部から概して半径方向に、すなわち、放射線状に伸び出して設けられる。複数のフィン１６は、互いに設定中心角（例えば、１２０°）間隔に位置する３つのフィンである第１フィン１６ｈと、それ以外の第２フィン１６ｓとを含む。第１フィン１６ｈは、第２部材１４において、一か所に集中したり、片寄ったりすることなく、平均的に設けられるのである。また、第１フィン１６ｈは、図６に示すように、半径方向に直交する断面が概して矩形を成すものであり、第２フィン１６ｓは、図５に示すように、半径方向に直交する断面が概してひし形状を成すものである。第２フィン１６ｓの断面は、ひし形の頂点が平坦面により切欠かれた形状を成すのである。

なお、第２フィン１６ｓの第１部材１２ａ，１２ｂとの当接面が平坦面Ｐとされるが、第２フィン１６ｓの当接面である平坦面Ｐの面積Ａ１より第１フィン１６ｈの第１部材１２ａ，１２ｂとの当接面Ｑの面積Ａ２の方が大きくされる。
また、第１フィン１６ｈの幅Ｗｈは、第２フィン１６ｓの幅の最大値Ｗｓとほぼ同じであるが、第２フィン１６ｓの幅の平均値より大きい。
さらに、第２部材１４の複数のフィン１６の各々の先端によって規定される円の直径は、第１部材１２ａ，１２ｂの外径とほぼ同じである。

本実施例において、第１部材１２ａ，１２ｂ、第２部材１４は、それぞれ、プレス加工によって製造される。
従来は、ブレーキディスクが鋳造により製造されるようにされていた。そのため、フィンの幅を細くすることが困難であり、冷却性を向上させることが困難であった。また、薄肉化を図ることが困難であるため、軽量化を図り、コストダウンを図ることも困難であった。一方、ブレーキディスクは、比較的オフセット量が大きいハット部を有することが多い。そのため、仮に、ブレーキディスクを、摺動面を有する円環板状の２つの第１部材と、複数のフィンとハット部とを有する第２部材とに分割したとしても、第２部材をプレス加工により製造する場合には、オフセット量が大きいハット部を形成するために、深絞り加工が必要になる。

それに対して、本実施例においては、ブレーキディスク１０を、一対の第１部材１２ａ，１２ｂと、第２部材１４との３つの部材に分割するとともに、第２部材１４を、概して円盤状を成すフィン保持部１８を有し、ハット部を有しないものとした。ブレーキディスク１０が、例えば、図１に示すように、押付装置の車両の外側の部分の出っ張り量が小さいディスクブレーキに適用された場合等には、車輪への搭載上、ハット部のオフセット量を小さくすることが可能となり、オフセット量を０とすることもできる。そのため、第２部材１４について、深絞り加工が不要となり、安価にプレス加工が可能となったのである。

ブレーキディスク１０は、以下のように製造される。
(I)第１部材１２ａ，１２ｂ、第２部材１４をプレス加工により製造する(プレス工程)。
(II)第１部材１２ａ，１２ｂと第２部材１４とを、第２部材１４が中間に位置し、第１部材１２ａ，１２ｂが第２部材１４の両側に、摺動面Ｓが互いに反対側に位置する状態で、それぞれ、銅箔を介して合わせる。
(III)銅の溶融温度（１０８５℃）以上に加熱する（結合工程、溶着工程）。
その結果、第１部材１２ａ，１２ｂと第２部材１４とが溶着接合されて、ブレーキディスク１０が製造される。

このように、第２部材１４がプレス加工により製造されるため、鋳造によって製造される場合に比較して、フィンを細くして、フィンの本数を増やすことが可能となる。また、材料の均一化が図られるため、第１部材１２ａ，１２ｂ、第２部材１４の各々の薄肉化を図ることが可能となる。その結果、ブレーキディスク１０の冷却性を向上させ、軽量化を図り、コストダウンを図ることができる。

また、第２フィン１６ｓの第１部材１２ａ，１２ｂとの当接面Ｐの面積Ａ１より当接面Ｑの面積Ａ２が大きい第１フィン１６ｈを設けたため、第１部材１２ａ，１２ｂと第２部材１４との接合性を向上させることができる一方、第２フィン１６ｓの断面形状をひし形状とすることにより、エアとの接触面積を大きくすることができ、冷却性を向上させることができる。このように、複数のフィン１６が第１フィン１６ｈと第２フィン１６ｓとを含むため、溶着接合性の向上と冷却性の向上との両方を図ることができるのである。

例えば、第１フィン１６ｈを９０°または６０°間隔で位置するフィンとすることにより、第１フィン１６ｈの個数を増やすことができる。この場合には、第１部材１２ａ，１２ｂと第２部材１４との溶着接合性をより一層向上させることが可能となる。それに対して、第２フィン１６ｓの個数を増やすことにより冷却性をより一層向上させることができる。これらの事情を考慮して、第１フィン１６ｈを設ける設定中心角を決めることができるのである。

なお、実施例１においては、第２部材１４が、ハット部を有しないものであったが、プレス加工において支障が生じない程度のオフセット量のハット部を含むものとすることができる。
また、一対の第１部材のうちの一方を概して円盤状を成すものとして、他方を概して円環板状を成すものとするとともに、第２部材のフィン保持部を概して円環板状を成すものとすることができる。本ブレーキディスクにおいては、ブレーキディスクの厚み方向の中心ではなく、一方の側（円盤状を成す第１部材）においてハブに取り付けられることになる。

本実施例においては、図７〜１１に示すように、ブレーキディスクＤとしてのブレーキディスク５０が、一対の（２つの）第１部材５２ａ，５２ｂと、２つの第２部材５４ａ，５４ｂと、１つの第３部材５６とを含む。２つの第１部材５２ａ，５２ｂは、それぞれ、概して円環板状を成し、摩擦係合部材と係合させられる摺動面Ｓ´を有する。第２部材５４ａ，５４ｂは、図９に示すように、それぞれ、複数のフィン６０と、フィン６０を保持するフィン保持部６２とを含む。フィン保持部６２は概して円環板状を成すものであり、ハブへの取付部を含まない。複数のフィン６０は、実施例１における場合と同様に、中心角１２０°毎に位置する３つの第１フィン６０ｈと、それ以外の第２フィン６０ｓとを含む。第１フィン６０ｈは、図１１に示すように、断面が概して矩形を成し、第２フィン６０ｂは、図１０に示すように、断面が概してひし形状を成す。第２フィン６０ｂの断面は、ひし形の頂点が平坦面により切欠かれた形状を成す。第２フィン６０ｓの第１部材５２ａまたは５２ｂ、第３部材５６との当接面は上述のように頂点を切り欠く平坦面Ｐ´とされる。この第２フィン６０ｓの各々の平坦面Ｐ´の面積Ａ３より、第１フィン６０ｈの第１部材５２ａまたは５２ｂ、第３部材５６との当接面Ｑ´の面積Ａ４の方が大きい。また、当接面である平坦面Ｐ´の幅Ｗｓ´より当接面Ｑ´の幅Ｗｈ´の方が大きい。

第３部材５６は、図８に示すように、概して円盤状を成し、中央部にブレーキディスク５０のハブへの取付部７０が設けられる。取付部７０は、実施例１における場合と同様に、中央貫通孔７２と、中央貫通孔７２の周辺に形成された複数のボルト取付け用孔７４とを含む。また、第３部材５６の直径、第１部材５２ａ，５２ｂの外径、第２部材５４ａ，５４ｂのフィン６０の先端によって規定される円の直径は、互いにほぼ同じである。

本ブレーキディスク５０の製造方法について説明する。
(I)これら第１部材５２ａ，５２ｂ、第２部材５４ａ，５４ｂ、第３部材５６を、プレス加工によって製造する（プレス工程）。
(II)第３部材５６が中央に位置し、第３部材５６の両側に第２部材５４ａ，５４ｂが位置し、第２部材５４ａ，５４ｂに、それぞれ、第１部材５２ａ，５２ｂが、摺動面Ｓ´が互いに反対側に位置する状態で、それぞれ、銅箔を介して重ね合わせる。
(III)その状態で、銅の溶融温度以上に加熱する（結合工程、溶着工程）。それにより、第１部材５２ａ，５２ｂ、第２部材５４ａ，５４ｂ、第３部材５６が結合され、ブレーキディスク５０が製造される。
本実施例に係るブレーキディスク５０においても、同様に、冷却性を向上させ、軽量化を図り、コストダウンを図ることができる。

その他、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。

１０，５０：ブレーキディスク１２，５２：第１部材１４，５４：第２部材１６，６０：フィン１６ｈ、６０ｈ：第１フィン１６ｓ、６０ｓ:第２フィン１８，６２：フィン保持部２０，７０：取付部５６：第３部材

特許請求可能な発明

（１）車両の車輪と一体的に回転可能であって、前記車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキの摩擦係合部材が摺動可能な一対の摺動面を有するブレーキディスクであって、
概して円盤状または円環板状を成し、前記摺動面を有する一対の第１部材と、
複数のフィンと、前記複数のフィンを保持する概して円盤状または円環状を成すフィン保持部とを備えた１つ以上の第２部材と
を含み、前記一対の摺動面が互いに反対側に位置する状態で、前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とが結合されて成るブレーキディスク。
一対の第１部材と１つ以上の第２部材とは、溶接または溶着等により結合されるようにしたり、複数の結合部材を用いて結合されるようにしたりすること等ができる。
第２部材のフィン保持部は、概して円盤状または円環状を成すが、凸部（例えば、オフセット量が小さいハット部）を有する形状を成してもよい。

（２）前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とが、それぞれ、金属板のプレス加工により製造されたものである(1)項に記載のブレーキディスク。
第１部材、第２部材は金属材料により製造されるが、金属材料の種類は問わない。例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等により製造することができる。第３部材についても同様である。

（３）当該ブレーキディスクが、前記一対の第１部材の各々と前記１つ以上の第２部材の各々とが、前記フィンにおいて溶着接合されて成る(1)項または(2)項に記載のブレーキディスク。
第１部材と第２部材とを、例えば、接着層としての銅箔を介して重ねて加熱することにより、結合することができる。

（４）前記一対の第１部材が、それぞれ、概して円環板状を成し、
前記フィン保持部が、概して円盤状を成し、中央部に設けられ、当該ブレーキディスクをハブまたは回転駆動軸に取り付ける取付部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
ブレーキディスクは、取付部において車輪に一体的に回転可能に取り付けられる。ブレーキディスクは、車輪にハブによって取り付けられる場合、インホイールモータ等の回転駆動軸にハブによることなく取り付けられる場合等がある。

（５）前記一対の第１部材が、それぞれ、概して円環板状を成し、
前記フィン保持部が、概して円環状を成し、
当該ブレーキディスクが、前記１つ以上の第２部材として２つの前記第２部材を含むとともに、中央部に設けられ、当該ブレーキディスクをハブまたは回転駆動軸に取り付ける取付部を有する概して円盤状を成す１つの第３部材を含み、
前記１つの第３部材の両側に前記第２部材が位置し、前記第２部材の外側に、それぞれ、第１部材が位置する状態で、前記一対の第１部材、前記２つの第２部材および前記１つの第３部材が結合されて成る(1)項ないし(3)項のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
ブレーキディスクは、第３部材において車輪に取り付けられる。ブレーキディスクは、車輪にハブによって取り付けられる場合、インホイールモータ等の回転駆動軸にハブによることなく取り付けられる場合等がある。第２部材は、複数のフィンを含むがハブまたは回転駆動軸への取付部を含まないものである。第３部材は、ハブまたは回転駆動軸への取付部を含むがフィンを含まないものである。第３部材は概して円盤状を成すが、凸部（例えば、オフセット量が小さいハット部）を有するものとすることもできる。

（６）前記第３部材が、金属板のプレス加工によって製造されたものである(5)項に記載のブレーキディスク。

（７）前記複数のフィンの各々が、前記フィン保持部から放射線状に伸びたものであり、
前記複数のフィンのうちの設定間隔で位置する１つ以上のフィンである第１フィンの周方向の幅が、前記複数フィンのうちの前記１つ以上の前記第１フィンを除く１つ以上のフィンである第２フィンの周方向の幅以上である(1)項ないし(6)項のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
第１フィンは、例えば、複数のフィンのうち、フィン保持部または第２部材の設定中心角ずつ隔たって位置するフィンとしたり、設定個数隔たって位置するフィンとしたりすること等ができる。第１フィンは、第２部材において片寄ることなく平均的に設けることが望ましい。設定中心角は、例えば、１２０°としたり、９０°としたり、６０°としたりすること等ができる。
幅とは、幅が回転軸線方向において変化する場合には、幅の最大値または平均値を採用することができる。

（８）前記複数のフィンのうちの設定間隔で位置する１つ以上のフィンである第１フィンの前記第１部材との当接面の面積が、前記複数フィンのうちの前記１つ以上の第１フィンを除く１つ以上のフィンである第２フィンの前記第１部材との当接面の面積より大きくされた(1)項ないし(7)項のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
第２部材のフィンは、第１部材との当接面に限らず、第３部材との当接面を有する場合がある。フィンの各々において、第１部材との当接面の面積と、第３部材との当接面の面積とはほぼ同じである。

（９）前記複数のフィンが、前記フィン保持部から放射線状に伸びたものであり、
前記複数のフィンのうちの設定間隔で位置する１つ以上のフィンである第１フィンの前記第２部材の半径方向に直交する断面が、概して矩形を成し、前記複数フィンのうちの前記１つ以上の第１フィンを除く１つ以上のフィンである第２フィンの前記第２部材の半径方向に直交する断面が、概してひし形状を成す(1)項ないし(8)項のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
第２フィンの断面は、例えば、ひし形の頂点が平坦面により切欠かれた形状とすることができる。

（１０）車両の車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキの摩擦係合部材が摺接する一対の摺動面を有し、前記車輪と一体的に回転可能なブレーキディスクの製造方法であって、
前記ブレーキディスクが、
概して円盤状または円環板状を成し、前記摺動面を有する一対の第１部材と、
複数のフィンと、前記複数のフィンを保持する円盤状または円環状を成すフィン保持部とを備えた１つ以上の第２部材とを含み、
前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とを、それぞれ、プレス加工により製造するプレス工程と、
前記プレス工程において製造された前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とを、前記摺動面が互いに反対側に位置する状態で合わせて結合させる結合工程と
を含むブレーキディスクの製造方法。
結合工程において、第１部材と第２部材との結合の方法は問わない。
なお、本製造方法には、(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。

（１１）前記結合工程が、前記一対の第１部材の各々と前記１つ以上の第２部材の各々との間に接着層を介在させて、加熱することにより、前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とを溶着接合させる溶着工程である(10)項に記載のブレーキディスクの製造方法。
接着層として、例えば、銅箔等を用いることができる。

（１２）前記一対の第１部材が、それぞれ、概して円環板状を成し、
前記フィン保持部が、概して円環状を成し、
前記ブレーキディスクが、前記１つ以上の第２部材としての２つの前記第２部材を含むとともに、概して円盤状を成し、中央部に前記ブレーキディスクをハブまたは回転駆動軸に取り付ける取付部を有する１つの第３部材を含み、
前記プレス工程において、前記１つの第３部材と、前記２つの前記第２部材とが、プレス加工により製造され、
前記結合工程において、前記プレス工程において製造された前記第３部材の両側に、それぞれ、前記第２部材が位置し、前記第２部材の外側に、それぞれ、前記第１部材が位置する状態で、前記一対の第１部材と、前記２つの第２部材と、前記１つの第３部材とが結合される(10)項または(11)項に記載のブレーキディスクの製造方法。

（１３）車両の車輪と一体的に回転可能なブレーキディスクと、
前記ブレーキディスクの両側に位置する一対の摩擦係合部材と、
前記一対の摩擦係合部材を、それぞれ、前記ブレーキディスクの摺動面に押し付ける押し付け装置と
を含むディスクブレーキであって、
前記ブレーキディスクが、
概して円盤状または円環板状を成し、前記摺動面を有する一対の第１部材と、
それぞれ半径方向に伸びた複数のフィンと、前記複数のフィンを保持する概して円盤状または円環状を成すフィン保持部とを備えた１つ以上の第２部材と
を含み、前記一対の摺動面が互いに反対側に位置する状態で、前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とが結合されて成るものであるディスクブレーキ。
本項に記載のディスクブレーキのブレーキディスクには、(1)項ないし(12)項に記載のブレーキディスクの特徴を採用することができる。

Claims

車両の車輪と一体的に回転可能であって、前記車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキの摩擦係合部材が摺動可能な一対の摺動面を有するブレーキディスクであって、
概して円盤状または円環板状を成し、前記摺動面を有する一対の第１部材と、
複数のフィンと、前記複数のフィンを保持する概して円盤状または円環状を成すフィン保持部とを備えた１つ以上の第２部材と
を含み、前記一対の摺動面が互いに反対側に位置する状態で、前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とが結合されて成るブレーキディスク。
前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とが、それぞれ、金属板のプレス加工により製造されたものである請求項１に記載のブレーキディスク。
当該ブレーキディスクが、前記一対の第１部材の各々と前記１つ以上の第２部材の各々とが前記複数のフィンにおいて溶着接合されて成る請求項１または２に記載のブレーキディスク。
前記フィン保持部が、概して円盤状を成し、中央部に形成され、当該ブレーキディスクをハブまたは回転駆動軸に取り付ける取付部を含む請求項１ないし３のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
前記一対の第１部材が、それぞれ、概して円環板状を成し、
前記フィン保持部が、概して円環状を成し、
当該ブレーキディスクが、前記１つ以上の第２部材として２つの前記第２部材を含むとともに、中央部に当該ブレーキディスクをハブまたは回転駆動軸に取り付ける取付部を有する概して円盤状を成す１つの第３部材を含み、
前記１つの第３部材の両側に前記第２部材が位置し、前記第２部材の外側に、それぞれ、第１部材が位置する状態で、前記一対の第１部材、前記２つの第２部材および前記１つの第３部材が結合されて成る請求項１ないし３のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
前記複数のフィンの各々が、前記フィン保持部から放射線状に伸びたものであり、
前記複数のフィンのうちの設定間隔で位置する１つ以上のフィンである第１フィンの前記第１部材との当接面の面積が、前記複数フィンのうちの前記１つ以上の第１フィンを除く１つ以上のフィンである第２フィンの前記第１部材との当接面の面積より大きくされた請求項１ないし５のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
前記複数のフィンが、前記フィン保持部から放射線状に伸びたものであり、
前記複数のフィンのうちの設定間隔で位置する１つ以上のフィンである第１フィンの前記第２部材の半径方向に直交する断面が、概して矩形を成し、前記複数フィンのうちの前記１つ以上の第１フィンを除く１つ以上のフィンである第２フィンの前記第２部材の半径方向に直交する断面が、概してひし形状を成す請求項１ないし６のいずれか１つに記載のブレーキディスク。
車両の車輪の回転を抑制する摩擦ブレーキの摩擦係合部材が摺接する一対の摺動面を有し、前記車輪と一体的に回転可能なブレーキディスクの製造方法であって、
前記ブレーキディスクが、
概して円盤状または円環板状を成し、前記摺動面を有する一対の第１部材と、
複数のフィンと、前記複数のフィンを保持する円盤状または円環状を成すフィン保持部とを備えた１つ以上の第２部材とを含み、
当該ブレーキディスクの製造方法が、
前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とを、それぞれ、プレス加工により製造するプレス工程と、
前記プレス工程において製造された前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とを、前記摺動面が互いに反対側に位置する状態で合わせて結合させる結合工程と
を含むブレーキディスクの製造方法。
前記結合工程が、前記一対の第１部材の各々と前記１つ以上の第２部材の各々との間に接着層を介在させて、加熱することにより、前記一対の第１部材と前記１つ以上の第２部材とを溶着接合させる溶着工程である請求項８に記載のブレーキディスクの製造方法。
前記一対の第１部材の各々が、概して円環板状を成し、
前記フィン保持部が、概して円環状を成し、
前記ブレーキディスクが、前記１つ以上の第２部材としての２つの前記第２部材を含むとともに、概して円盤状を成し、中央部に前記ブレーキディスクをハブまたは回転駆動軸に取り付ける取付部を有する１つの第３部材を含み、
前記プレス工程において、前記１つの第３部材と、前記２つの前記第２部材とが、プレス加工により製造され、
前記結合工程において、前記プレス工程において製造された前記第３部材の両側に、それぞれ、前記第２部材が位置し、前記第２部材の外側に、それぞれ、前記第１部材が位置する状態で、前記一対の第１部材と、前記２つの第２部材と、前記１つの第３部材とが結合される請求項８または９に記載のブレーキディスクの製造方法。