JP2010076464A - 自動車用ホイール - Google Patents

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貴彦 神野
Tomiharu Okita
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Abstract

【課題】異なる複数の金属材料から成形されてなり、ホイールディスクとホイールリムとが充分な接合強度を有する自動車用ホイールを提案するものである。
【解決手段】溶接部13aが形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の金属部分片とが、摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材によって、ホイールリム2とホイールディスク3の少なくとも一方が形成されてなり、ホイールリム2とホイールディスク3との各溶接部13a,18が、同一金属材料により成形されてなる構成としたから、ホイールリム2とホイールディスク3とを比較的容易かつ安定され、所望の接合強度と耐久性とを発揮できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤを装着するホイールリムと車軸に連結されるホイールディスクとを溶接することにより一体化してなる自動車用ホイールに関するものである。
自動車用ホイールとして、ホイールディスクとホイールリムとを溶接してなる、所謂2ピースタイプのものが良く知られている。この2ピースタイプの自動車用ホイールとしては、例えば、ドロップ嵌合タイプ、ビード嵌合タイプ、フルフェイスタイプなどの構成が存在する。ここで、ドロップ嵌合タイプの自動車用ホイールは、ホイールリムのドロップ部に、ホイールディスクのディスクフランジ部を内嵌して溶接してなるものである。また、ビード嵌合タイプの自動車用ホイールは、ホイールリムの表側ビードシート部に、ホイールディスクのディスクフランジ部を内嵌して溶接してなるものである。さらにまた、フルフェイスタイプの自動車用ホイールにあっては、ホイールディスクがその外周縁にタイヤの表側ビードを支持する表側フランジ部を設けると共に、ホイールリムが一方の開口周縁に表側ビードシート部を備え且つ他方の開口周縁に裏側リムフランジ部を備えてなり、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端をホイールディスクの裏面に突き当てて周方向に亘って全周溶接してなるものである。
上述した2ピースタイプの自動車用ホイールは、ホイールディスクとホイールリムとの両者をスチール製とした構成のものや、アルミニウム合金製とした構成のものが一般的である。ここで、スチール製の自動車用ホイールでは、ホイールディスクとホイールリムとをMAG溶接やスポット溶接により接合している。また、アルミニウム合金製の自動車用ホイールでは、ホイールディスクとホイールリムとをMIG溶接やTIG溶接などにより接合している。
ところで、上記のような2ピースタイプの自動車用ホイールの材料として用いられるスチールは、強度が高く安価である反面、重量があり、また、アルミニウム合金は、意匠性に優れ、軽量である反面、高価である。そこで、それぞれの材料の特性を活用して、ホイールディスクとホイールリムの何れか一方をアルミニウム合金製とし、他方をスチール製とすることにより、意匠性が良く比較的軽量で所定の強度を備え、かつ安価な自動車用ホイールを製作することが試みられている。しかし、スチールとアルミニウム合金とは、溶融温度が夫々異なることから、上記した一般的な溶接方法で溶接することができない。そのため、前記一般的な溶接方向と異なる手段によって、夫々に異なる金属材料からなるホイールディスクとホイールリムとを接合してなる構成のものが提案されている。
例えば、特許文献1には、スチール製のホイールリムの内周面にアルミニウム合金製のホイールディスクのディスクフランジ部を内嵌し、両者をセルフピアシングリベットにより接合するようにした構成が提案されている。また、特許文献2には、スチール製のホイールリムとアルミニウム合金製のホイールディスクとを摩擦圧接(摩擦溶接)によって接合するようにした構成が提案されている。
特開2004−345490号公報 実開昭63−131802号公報
上記した従来構成にあって、特許文献1のセルフピアシングリベットにより接合した構成では、ホイールディスクをホイールリムに嵌入した状態でセルフピアシングリベットを板厚方向へ打ち込まなければならない。自動車用ホイールは、保安部品であることから、ホイールディスクとホイールリムとを所望の接合強度により接合されていることが必須要件となる。ところが、セルフピアシングリベットの打ち込みが浅かったり、打ち込み方向が傾斜してしまうと、充分な接合強度を得ることができない。そのため、セルフピアシングリベットを安定して正確に打ち込むことが必要であり、そのための工程や専用機器を要する。これによる製造コストの増加が懸念される。また、セルフピアシングリベットは、板厚方向へ打ち込むことから、打ち込まれた部位の背面側が突出する。例えば、ホイールリムの外側から打ち込んだ場合には、ホイールディスクの打ち込み部位が内方へ突出する。ホイール内側にはブレーキが配設されていることから、このブレーキとの干渉を生じないように、該ブレーキのサイズが制限されることとなってしまう。
また、上記した従来構成にあって、特許文献2の摩擦圧接により接合した構成では、摩擦圧接が固相接合する手段であるために異種金属間を接合可能とするが、摩擦圧接による接合自体が比較的難しく、割れや未溶接部が発生し、充分な接合強度を得られないという問題が生じ易い。特に、ホイールディスクとホイールリムとは、互いに接合する部位が面方向で湾曲していることがあるため、摩擦圧接することが一層難しく、充分な接合強度を得られないという問題が顕著に生じ得る。また、摩擦圧接では、溶接部にバリが発生するため、接合後にバリ除去作業を必要とするが、前記のように溶接部位が湾曲形状であることから、このバリ除去作業が難しく、作業時間の長時間化と製造コストの増加という問題点も生ずる。
本発明は、異なる複数の金属材料からなり、ホイールディスクとホイールリムとが充分な接合強度を有する自動車用ホイールを提案するものである。
本発明は、タイヤを装着するホイールリムと、車軸に連結されるホイールディスクとが溶接されてなる自動車用ホイールにおいて、ホイールリムとホイールディスクの少なくとも一方は、他方と溶接する溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の金属部分片とが、その端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって面方向へ連接されてなる複合板材から成形されてなり、ホイールリムとホイールディスクとが、同一金属材料により成形された、相互に溶接される溶接部を夫々に備えていることを特徴とする自動車用ホイールである。
ここで、上述した従来の2ピースタイプの自動車用ホイールの場合、所定の耐久性試験に供すると、ホイールディスクとホイールリムとを溶接した接合部位に応力集中が生じ易く、該接合部位で破壊し易い。特に、ホイールディスクとホイールリムとをそれぞれ異なる金属材料で成形して両者を接合した構成の場合には、両方の各金属材料の有する力学的特性が異なることによって、前記接合部位で応力集中が一層生じ易くなってしまう。
これに対して、本発明の構成にあっては、ホイールディスクとホイールリムとの少なくとも一方が、複数の異なる金属材料により成形されてなるものであるが、両者の溶接部は同一金属材料により成形されていることから、該溶接部の金属材料に適した一般的な溶接方法(アーク溶接(プラズマ溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接)、抵抗溶接(スポット溶接、シーム溶接)、高エネルギー溶接(電子ビーム溶接、レーザー溶接)など)によって、比較的容易に溶接することができると共に、充分な接合強度を安定して発揮し得る。そして、ホイールディスクとホイールリムとの接合部位(各溶接部)は、同一金属材料であることから、上記した耐久性試験において、異なる金属材料間を接合する上記従来の構成に比して、前記接合部位に生ずる応力集中を低減できる。さらに、ホイールディスクとホイールリムとの少なくとも一方は、夫々に異なる複数の金属材料から成形されていることから、上記耐久性試験において、異なる金属材料同士の接合部に応力集中が生じ易くなるため、これに伴ってホイールリムとホイールディスクとの接合部位への応力集中が緩和され得るという優れた利点も有する。
また、同一金属材料からなる夫々の溶接部を溶接することから、従来より広く使用されている溶接設備(アーク溶接(プラズマ溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接)、抵抗溶接(スポット溶接、シーム溶接)、高エネルギー溶接(電子ビーム溶接、レーザー溶接)などの設備)をそのまま用いることができ、尚かつ当該溶接の工程に要する時間とコストとが増大することもなく、上記のように所望の溶接品質を維持でき得る。
さらに、ホイールディスクとホイールリムとの少なくとも一方が、異なる複数の金属材料からなるものであるため、各金属材料の有する夫々の利点が適切に発揮されるように設定することも可能である。例えば、アルミニウム合金とスチールとからなる構成のものとすることによって、アルミニウム合金の有する軽量化などの性能と、スチールの有する高強度や高剛性などの性能とを合わせ持つ自動車用ホイールとすることができる。さらには、自動車用ホイールとして強度や剛性を必要とする部位がスチールにより成形され、且つその他の部位がアルミニウム合金により成形されるように設定することによって、強度と軽量化とを適正化した自動車用ホイールを得ることもできる。
一方、ホイールディスクとホイールリムとの少なくとも一方を成形する複合板材は、溶接金属部分片とその他の金属部分片とが、その端縁相互を面方向に沿って突き当てて摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって連接されてなるものである。すなわち、夫々に異なる金属材料からなる溶接金属部分片とその他の金属部分片とを、その面方向に沿って突き当てた状態で、摩擦攪拌溶接を実施するため、該摩擦攪拌溶接を比較的容易かつ安定して行うことができ、各金属部分片の端縁相互を強固に接合し且つ安定した接合品質を保つことができ得る。詳述すれば、摩擦攪拌溶接は、互いに異なる金属材料からなる夫々の部材同士を強固に接合し得る方法であるが、湾曲形状などのように複雑な形状の部材同士を接合する場合やT継ぎ手溶接する場合などでは、安定した接合品質を保つことが難しい。これに対して、本発明は、各金属部分片同士をその面方向に沿って接合して平板状の複合板材を形成するために、摩擦攪拌溶接を適用していることから、前記のように強固で且つ安定した接合品質の複合板材を得ることができる。そして、このように複合板材を形成した後に、当該複合板材を成形加工することによって、所望の形状のホイールディスクまたはホイールリムを得る。そのため、上記のように耐久性試験に供した場合にあっても、互いに異なる金属部分片同士の接合部が充分に高い接合強度を有することから、破壊の起点になってしまうことが抑制され、総じて、当該自動車用ホイールは、所望の耐久性を満足することができ得る。
尚、本発明にあって、複合板材を構成する溶接金属部分片および金属部分片を夫々に構成する複数種類の金属材料としては、スチール、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金のように、全く異なる金属材料を用いても良い。また、異なる成分のものや熱処理条件の異なるものなどを用いることもできる。例えば、アルミニウム合金であれば、2000系合金、4000系合金、5000系合金、6000系合金、7000系合金などを用いることができ得る。
さらに、本発明にあって、溶接金属部材片の他の金属部材片としては、該溶接金属部材片の金属材料と異なる単一種類の金属材料からなる構成のみを適用する場合、該溶接金属部材片の金属材料と夫々異なる複数種類の金属材料からなる各構成を適用する場合のいずれとすることもでき得る。
上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムとホイールディスクの一方は、溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料とからなる他の金属部分片とが、摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材により成形されてなり、ホイールリムとホイールディスクの他方が、前記溶接金属部分片と同一金属材料のみにより成形されてなるものであるとした構成が提案される。
かかる構成にあっては、ホイールディスクとホイールリムのいずれかが、溶接金属部分片と同一金属材料のみで成形されていることから、ホイールディスクとホイールリムとを接合する際に、両者の周方向位置を位置決めすることなく、溶接作業を行うことができる。そのため、ホイールディスクとホイールリムの両者を同一金属材料のみから夫々成形した従来構成の場合と同様の溶接工程を適用でき、該溶接工程に要する時間とコストの増加を生じないという利点を有する。
又は、上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムとホイールディスクの両方は、溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の金属部分片とが、摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる夫々の複合板材により成形されてなるものであるとした構成が提案される。
かかる構成にあっては、ホイールリムとホイールディスクとの両者が複合板材から成形されていることから、複合板材を成す溶接金属部分片と他の金属部分片との各々の金属材料の有する特性を発揮するという上述した本発明の作用効果を一層効果的に発揮され得る。また、ホイールリムとホイールディスクとがそれぞれ、溶接金属部材片と他の金属部材片との接合部を有することから、上述した耐久性試験における応力集中を前記接合部へ分散する効果が向上する。そのため、ホイールリムとホイールディスクとの接合部位に生ずる応力集中を緩和するという本発明の作用効果を一層向上できる。
一方、上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールディスクは、アルミニウム合金からなる溶接金属部分片とスチールからなる金属部分片とが摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材から成形されてなり、ホイールリムは、前記ホイールディスクを成形する複合板材の溶接金属部分片と同一のアルミニウム合金のみにより成形されている構成が提案される。
ここで、ホイールリムに求められる強度(以下、必要強度という)は、通常、ホイールディスクに比して低く設定されることから、本構成のようにアルミニウム合金のみによりホイールリムを成形しても、その必要強度を十分に満足することができる。かかる構成にあっては、ホイールリムがその必要強度を有し且つアルミニウム合金のみにより成形されて軽量化されていると共に、高い強度を必要とするホイールディスクがスチールとアルミニウム合金とから成形されていることから、高い強度(耐久性)と軽量化とを高レベルでバランス良く発揮するものとなる。ここで、ホイールディスクは、ハブ取付部の外周縁部位(以下、ハブ面アール部という)に応力集中を生じ易いことから、このハブ面アール部を少なくともスチールにより成形されるようにした構成が好適である。
尚、本構成では、ホイールリムとホイールディスクとが、アルミニウム合金の溶接に適したMIG溶接やTIG溶接などによって溶接されてなることにより、この溶接による接合部位が充分な強度(耐久性)を発揮でき得る。
又は、上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールリムは、スチールからなる溶接金属部分片とアルミニウム合金からなる金属部分片とが摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材から成形されてなり、ホイールディスクは、前記ホイールディスクを成形する複合板材の溶接金属部分片と同一のスチールのみにより成形されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、自動車用ホイールとして高い強度(耐久性)を必要とするホイールディスクがスチールのみによって成形されていると共に、ホイールリムがスチールとアルミニウム合金とから成形されていることから、該ホイールリムの必要強度を有し且つ軽量化されている。したがって、本構成の自動車用ホイールは、高い強度(耐久性)と軽量化とを高レベルでバランス良く発揮するものとなる。
尚、本構成では、ホイールリムとホイールディスクとが、スチールの溶接に適したMAG溶接やスポット溶接などによって溶接されることにより、この溶接による接合部位が充分な強度(耐久性)を発揮でき得る。
また、上述した本発明の自動車用ホイールにあって、ホイールディスクは、溶接部が形成される円環状の溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の円環状又は/及び円板状の金属部分片とを、同心状に径方向へ連続配列して、各周端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向へ連接してなる複合板材から成形されてなるものであるとした構成が提案される。
ここで、上述したドロップ嵌合タイプ、ビード嵌合タイプ、フルフェイスタイプの各自動車用ホイールにあって、夫々のホイールディスクは、その外周縁部にホイールリムと溶接する溶接部が存在する。本構成は、ホイールディスクを、円環状の溶接金属部分片と円環状又は/及び円板状の他の金属部分片とを接合した複合板材により成形することによって、前記溶接金属部分片により溶接部が形成されるようにしたものである。
かかる構成にあっては、上述した本発明の作用効果を適正に発揮することができ得る。
又は、上述した自動車用ホイールにあって、ホイールリムとホイールディスクとを溶接する溶接部を、ホイール周方向で間欠的に複数備えてなるものであって、ホイールリムは、溶接部が形成される矩形状の溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の矩形状の金属部分片とが、前記溶接金属部分片が長手方向で所定間隔をおいて配設されるように一列状に連続配列して、その端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向へ連接されてなる長方形状の複合板材から成形されてなるものであるとした構成が提案される。
ここで、上述したドロップ嵌合タイプやビード嵌合タイプの自動車用ホイールは、各々のホイールディスクとホイールリムとの接合部位が、タイヤを装着したときに、該タイヤ内に存在しない。そのため、ホイールディスクとホイールリムとは、周方向に亘って全周溶接する必要がなく、周方向に沿って間欠的に溶接するようにした構成が存在する。
本構成は、上記のように周方向に沿って間欠的に溶接部が形成されるものであって、ホイールリムを、矩形状の溶接金属部分片と矩形状の他の金属部分片とを連続配列した長方形状の複合板材により形成する。すなわち、ホイールリムは、この複合板材を、その短辺同士を突き合わせ溶接して、その周方向に間欠的に前記溶接金属部分片が配設された円筒体とした後に、この円筒形体を、上述したようにロール加工することにより成形される。このホイールリムは、その周方向に、溶接金属部分片により形成された溶接部が間欠的に複数形成された構成となる。
かかる構成にあっては、上述した本発明の作用効果を適正に発揮することができ得る。
本発明の自動車用ホイールは、上述したように、溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の金属部分片とが、その端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって面方向へ連接されてなる複合板材によって、ホイールリムとホイールディスクの少なくとも一方が成形されてなり、ホイールリムとホイールディスクとの各溶接部が、同一金属材料により成形されてなるものである。ここで、ホイールリムとホイールディスクの一方を前記複合板材から成形し、他方を溶接金属部分片と同一金属材料のみから成形した構成、又は、ホイールリムとホイールディスクの両方を、夫々の複合板材から成形した構成とするものとできる。このような本発明の構成にあっては、ホイールリムとホイールディスクの各溶接部同士を、該溶接部の金属材料に適した溶接方法によって比較的容易かつ安定して溶接することができる。また、複合板材から成形される少なくとも一方は、異なる金属材料からなる各金属部分片同士の接合部に応力集中が生じ易く、ホイールリムとホイールディスクとの接合部位への応力集中を緩和できるという優れた利点も生じ得る。
上述した自動車用ホイールにあって、ホイールディスクは、アルミニウム合金からなる溶接金属部分片とスチールからなる金属部分片とが摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材から成形されてなり、ホイールリムは、前記溶接金属部分片と同一のアルミニウム合金のみにより成形されてなる構成とした場合には、アルミニウム合金からなり軽量化されたホイールリムと、スチールおよびアルミニウム合金からなるホイールディスクとにより、高い強度(耐久性)と軽量化とを高レベルでバランスされた自動車用ホイールとなる。
又は、上述した自動車用ホイールにあって、ホイールリムは、スチールからなる溶接金属部分片とアルミニウム合金からなる金属部分片とが摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材から成形されてなり、ホイールディスクは、前記溶接金属部分片と同一のスチールのみにより成形されている構成とした場合には、ホイールディスクがスチールにより成形されて高い強度を有し、且つホイールリムがアルミニウム合金とスチールとにより成形されて軽量化されることによって、高い強度(耐久性)と軽量化とを高レベルでバランスされた自動車用ホイールとなる。
一方、ホイールディスクは、円環状の溶接金属部分片と円環状又は/及び円板状の他の金属部分片とを、同心状に径方向へ連続配列して、各周端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向へ連接してなる複合板材から成形されてなるものであるとした構成の場合には、円環状の溶接金属部分片によりホイールディスクの溶接部が形成され、上述した本発明の作用効果を発揮し得る。
又は、ホイールディスクとホイールリムとが周方向で間欠的に複数の溶接部を夫々に備えてなるものであって、ホイールリムは、矩形状の溶接金属部分片と矩形状の他の金属部分片とを、前記溶接金属部分片が長手方向で所定間隔をおいて配設されるように一列状に連続配列して、その端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向へ連接してなる長方形状の複合板材から成形されてなるものであるとした構成の場合には、各溶接金属部分片によりホイールリムの溶接部が形成され、上述した本発明の作用効果を発揮し得る。
本発明にかかる実施例1〜12を各添付図面を用いて説明する。
図1は、実施例1の自動車用ホイール1の平面図であり、図2は、当該自動車用ホイール1の縦断面図である。この自動車用ホイール1は、ホイールリム2のドロップ部18に、ホイールディスク3のディスクフランジ部13を内嵌して、ドロップ部18とディスクフランジ部13とを隅肉溶接して一体化してなる、いわゆるドロップ嵌合タイプの自動車用ホイール1である。尚、本実施例にあって、ホイールディスク3の背面側から意匠面側へ向かう方向を表方向とし、逆向きを裏方向としている。また、ホイール径方向に沿って、自動車用ホイール1の中心へ向かう方向を径方向内方向とし、逆向きを径方向外方向としている。
本実施例1にあっては、ホイールリム2がアルミニウム合金製の平板から成形されてなり、ホイールディスク3は、スチール製の金属部分片23とアルミニウム合金製の溶接金属部分片22とを接合した複合板材21から成形されてなる(図3参照)。ここで、複合板材21を構成する溶接金属部分片22は、ホイールリム2と同一金属材料であるアルミニウム合金からなるものである。
ホイールリム2は、異形断面の円筒状を呈し、その表裏の開口端縁に図示しないタイヤのサイドウォール部を支持する表裏のリムフランジ部16a,16bが夫々形成されており、各リムフランジ部16a,16bに夫々に連続させて、タイヤのビードを保持する表裏のビードシート部17a,17bがホイールリム2の軸方向と略平行に夫々形成されている。さらに、各ビードシート部17a,17b間には、内方へ突出するドロップ部18が設けられており、タイヤ装着時にタイヤのビードを該ドロップ部18に落とし込むことによって、その装着が容易となるようにしている。
このホイールリム2は、所定寸法とした長方形平板状のアルミニウム合金板から成形する。詳述すると、長方形平板のアルミニウム合金板を、その短辺同士を突き当てるように湾曲させ、短辺同士をアプセットバット溶接により突き合わせ接合して円筒体(図示省略)とする。その後、この円筒体を、その内外両側から所定の金型を回動しながら挟み込むロール加工を行うことにより、所望のホイールリム形状に成形する。尚、この長方形平板からホイールリム2を成形する手段は、従来から公知の方法を用いることができ、詳細については省略する。
ホイールディスク3は、中央にハブ孔7が開口されたハブ取付部8が形成されており、該ハブ取付部8の外周部分から当該ホイールディスク3の外周縁に至る中間部分に、表方へ隆起するハット部11が形成されている。このハブ取付部8には、ハブ孔7の周囲にナット座9を備えた複数のボルト孔10が同一円周上に等間隔で穿設されている。また、ハット部11には、周方向に均等間隔で複数の飾り孔12が形成されている。そして、ハット部11の外周部分から裏方へ延出したディスクフランジ部13が形成されている。尚、ディスクフランジ部13は、周方向に沿った湾曲部13aとアーチ状の凹部13bとが交互に連成する形状となっている。また、ハブ取付部8の外周縁からハット部11に至る周部位がハブ面アール部15である(図2参照)。
次に本発明の要部にかかるホイールディスク3について、その製造工程から順に説明する。
本実施例1にあって、ホイールディスク3を成形する複合板材21は、図3(A)のように、アルミニウム合金からなる略円環状平板の溶接金属部分片22と、スチールからなる円板状の金属部分片23とを接合してなるものである。詳述すれば、金属部分片23は、所定の外径寸法の円板状であり、溶接金属部分片22は、正四角形平板の四つ角を円弧状に切り落とし且つその内部に円形孔(図示省略)が開口された略円環状となっている。この円形孔は、その中心が溶接金属部分片22の中心として形成され、前記金属部分片の外径と同じ内径寸法として形成されている。そして、溶接金属部分片22の円形孔内に金属部分片23を嵌め合わせて同心状に配列し、溶接金属部分片22の内周端縁22aと金属部分片23の外周端縁23aとを突き当てて、この両者を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、溶接金属部分片22と金属部分片23とを、その面方向に沿って連接させた平板状の複合板材21を得る。尚ここで、溶接金属部分片22と金属部分片23とは、同じ板厚寸法のものである。また、溶接金属部分片22のアルミニウム合金は、上述したように、ホイールリム2を成形する長方形平板と同一金属材料のアルミニウム合金である。
上記の摩擦攪拌溶接は、超鋼丸棒からなるプローブを、上記の溶接金属部分片22と金属部分片23とを嵌合した両者の周端縁22a,23aに、その面方向と直行するように押し当て、所定回転速度により自転させながら前記周端縁22a,23aに沿って移動させることによって行う(図示省略)。プローブの回転により生ずる摩擦熱によって、溶接金属部分片22のアルミニウム合金と金属部分片23のスチールとが、両者の周端縁22a,23aで塑性流動を生じ且つ攪拌されることから、両者が接合される。このような摩擦攪拌溶接は、従来のMIG溶接やTIG溶接などと異なり、材料を溶融しないことから、溶融温度が異なる異種金属材料同士でも接合することができる。さらに、金属材料を溶融しないことから材料の特性が維持され易いと共に、摩擦熱の熱量が比較的小さいことから熱歪みが少ないという利点も有する。
この複合板材21は、上記のように、プローブを平面方向に沿って移動することによって摩擦攪拌溶接を行なって形成されることから、溶接金属部分片22と金属部分片23との各周端縁を塑性流動させて攪拌し易いため、当該摩擦攪拌溶接により両者を安定して強固に接合でき得る。さらに、摩擦攪拌溶接を比較的容易に行うことができるため、安定した接合品質を維持することができ得る。
このように成形された複合板材21は、内部にスチールからなる金属部分片23を備え、外周縁にアルミニウム合金からなる溶接金属部分片22を備えた構成となっている。この複合板材21をプレス加工することによって、所望のホイールディスク3を成形する(図3(B)参照)。詳述すると、前記複合板材21を、その中央を円形凹部とする受け皿状に形成した後、絞り加工によりハブ取付部8、ハット部11の形状を形成し、飾り孔12やボルト孔10を穿設する加工を行う。さらに、リストライク加工によりディスクフランジ部13を形成し、ホイールディスク3を成形する。このようにホイールディスク3を成形する工程にあっては、従来と同様の工程により行うことができるため、その詳細については省略する。
そして、このホイールディスク3を成形するプレス加工の工程にあって、複合板材21は、上記のように摩擦攪拌溶接により溶接金属部分片22と金属部分片23とを強固に接合してなるものであるから、前記プレス加工の負荷によって接合部に割れや欠けなどを生ずることがない。そのため、上記のように従来と同様のプレス加工によって、所望のホイールディスク3を得ることができる。
このように成形されたホイールディスク3は、図3(B)のように、溶接金属部分片22によりディスクフランジ部13が成形され、金属部分片23により該ディスクフランジ部13を除く部位が成形されている。すなわち、ディスクフランジ部13がアルミニウム合金により形成され、その他部位が全てスチールにより形成されてなる。また、本実施例1にあって、ディスクフランジ部13は、複合板材21の溶接金属部分片22の直線状の四辺により四つの凹部13bが形成され、各四辺間の円弧状辺により四つの湾曲部13aが形成されてなる。
このホイールディスク3と上記したホイールリム2とを、該ホイールディスク3のディスクフランジ部13がホイールリム2のドロップ部18に内嵌するように嵌合し、MIG溶接によりディスクフランジ部13の湾曲部13aとドロップ部18の内周面とを隅肉溶接する。ここで、ディスクフランジ部13とドロップ部18とは同一金属材料のアルミニウム合金から形成されていることから、アルミニウム合金の溶接に適したMIG溶接によって、ホイールリム2とホイールディスク3とを容易かつ強固に接合することができる。これにより、ホイールディスク3とホイールリム2とを一体化して、本実施例1の自動車用ホイール1を得る。尚、この自動車用ホイール1には、前記溶接により、周方向で四箇所に、ホイールディスク3とホイールリム2とを接合している溶接ビード19が形成されている。
ここで、本実施例1にあって、ホイールディスク3では、ディスクフランジ部13を構成する四つの湾曲部13aが本発明にかかる溶接部であり、ホイールリム2では、ドロップ部18が溶接部である。そして、ドロップ部18は、周方向に亘って形成されていることから、ホイールディスク3とホイールリム2との周方向位置を位置決めすることなく、ホイールディスク3をホイールリム2に内嵌して溶接することができる。すなわち、同一金属材料からなるホイールディスクとホイールリムとを溶接する従来と同様の溶接工程を適用することができる。そのため、従来より広く使用されている溶接設備(本実施例1にあってはMIG溶接の設備)をそのまま用いることができ、尚かつ溶接工程に要する時間とコストが増加しないという利点も有する。
本実施例1の自動車用ホイール1は、ホイールリム2をアルミニウム合金製として軽量化すると共に、ホイールディスク3を、そのハブ取付部8からハット部11までをスチール製として自動車用ホイール1としての強度を確保し、さらに、ホイールリム2と溶接するディスクフランジ部13をアルミニウム合金製としたものである。このホイールディスク3は、自動車用ホイールとして充分な強度確保が必要とされるハブ取付部8からハット部11への連成部位が、強度と耐久性に優れるスチールにより成形され、また、ディスクフランジ部13が、軽量化のためにアルミニウム合金製としたホイールリムと同じアルミニウム合金により成形されている。そのため、アルミニウム合金による軽量化効果とスチールによる高強度化(高耐久性)効果とを両立している。さらに、ホイールディスク3は、アルミニウム合金の溶接金属部分片22からなる部位とスチールの金属部分片23との各端縁が接合されていることから、この接合部(図示省略)にも応力集中を生じ易くなるため、ホイールディスク3とホイールリム2との接合部位への応力集中を緩和することができる。そのため、自動車用ホイール1としての耐久性を向上することができる。したがって、本実施例1の自動車用ホイール1は、所望の耐久性を発揮できると共に、軽量化をも達成することができ、両者を高レベルでバランスさせたものとなっている。
尚、本実施例1の構成にあっては、ホイールディスク3のアルミニウム合金とスチールとの接合した部位が、意匠面側(表方)から視認し難く、これに伴う意匠性低下を生じないという利点も有する。
実施例2の自動車用ホイール31にあっては、図4のように、上述した実施例1と同様のドロップ嵌合タイプのものであって、スチール製のホイールディスク33と、複合板材41から成形されたホイールリム32とから構成されてなるものである。尚、実施例2にあっては、ホイールディスク33をスチール板により成形し、ホイールリム32を複合板材41により成形したものであり、夫々の材料構成以外は、実施例1のホイールディスク3とホイールリム2と夫々に同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
ホイールディスク33は、四つ角を円弧状に切り落とした略正方形状のスチール製平板を、プレス加工により成形することにより得る。このプレス加工は、上述した実施例1と同様、従来と同じ工程で行うことができる。
また、ホイールリム32は、その周方向に、スチール製のスチール円弧部32aとアルミニウム合金製のアルミ円弧部32bとが交互に連成されている(図5(B)参照)。これにより、ホイールリム32を構成する表裏のリムフランジ部16a,16b、ビードシート部17a,17b、ドロップ部18はそれぞれ、その周方向に連成されたスチール円弧部32aとアルミ円弧部32bとから構成されている。
このホイールリム32は、上記のように複合板材41により成形される。すなわち、図5(A)のように、複合板材41を、上記ホイールディスク33と同じスチールからなる矩形状平板の溶接金属部分片42,43と、アルミニウム合金からなる矩形状平板の金属部分片44とを接合して形成する。ここで、三枚の溶接金属部分片42と四枚の金属部分片44とは、同じ寸法形状の矩形状平板であり、交互に列ぶようにして面方向に一列状に配列し、各側端縁42a,44aとを突き当てる。そして、両側に位置する各金属部分片44,44の外側に、溶接金属部分片42に比して列方向幅を半分に設定した二枚の溶接金属部分片43,43を夫々に配列し突き当てる。そして、各溶接金属部分片42,43と金属部分片44とを、各側端縁42a,43a,44aを夫々に摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向に連接する。これにより、前記した長方形状平板の複合板材41を得る。尚、溶接金属部分片43は、列方向幅を半分に設定した以外は、溶接金属部分片42と同じ寸法形状となっている。
この複合板材41にあっても、上述した実施例1と同様に、各溶接金属部分片42,43と金属部分片44とを夫々の面方向に沿って配列して摩擦攪拌溶接によって形成していることから、該摩擦攪拌溶接を比較的容易かつ安定して行うことができるため、強固に接合でき且つ安定した接合品質を保つことができ得る。
上記の複合板材41を、その短辺同士と突き当てるようにして湾曲して、両側の溶接金属部分片43,43の各外側端縁を突き当て、アプセットバット溶接により接合することによって、円筒体(図示省略)を形成する。ここで、接合した溶接金属部分片43,43は、他の溶接金属部分片42と同じ円弧長となることから、各溶接金属部分片42および2枚を接合した溶接金属分片(43+43)が周方向に間欠的に配設されてなる。この円筒体を、上述した実施例1と同様に、ロール加工することによって、所望のホイールリム32を得る(図5(B)参照)。
上記したホイールディスク33およびホイールリム32を溶接して一体化することにより、本実施例2の自動車用ホイール31を得る。すなわち、ホイールリム32のドロップ部18にホイールディスク33のディスクフランジ部13を内嵌し、該ディスクフランジ部13の湾曲部13aとドロップ部18とをMAG溶接により隅肉溶接することによって、ホイールディスク33とホイールリム32とを一体化する。
ここで、ホイールディスク33のディスクフランジ部13の各湾曲部13aが、ホイールリム32のドロップ部18を構成する各スチール円弧部32aに夫々内嵌するように、ホイールディスク33とホイールリム32との周方向位置を位置決めする。これにより、同一金属材料のスチール同士をMAG溶接により溶接することができ、従来から用いられているMAG溶接を適用して、ホイールディスク33とホイールリム32とを安定した溶接品質により接合することができる。
尚、このホイールディスク33にあって、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aが、本発明にかかる溶接部であり、また、ホイールリム32にあって、ドロップ部18の、各スチール円弧部32aにより形成された各部位が、本発明にかかる溶接部35である。
このように本実施例2の自動車用ホイール31は、ホイールディスク33をスチール製とすると共に、ホイールリム32をホイールディスク33と同一スチール製の溶接金属部分片42,43とアルミニウム合金製の金属部分片44とからなる複合板材41により成形したものである。そして、ホイールディスク33のディスクフランジ部13を構成する周方向に間欠的に形成された湾曲部13aと、ホイールリム32のドロップ部18に周方向に間欠的に形成された溶接部35とを、周方向に位置決めして同一金属材料のスチール同士を溶接してなるものである。
本実施例2の自動車用ホイール31にあっては、そのホイールリム32の略半分をアルミニウム合金により構成して軽量化していると共に、ホイールディスク33との溶接部35はスチールにより成形して充分な接合強度を得ることができるようにしている。また、ホイールディスク33は、スチールにより成形されていることから、自動車用ホイールとして要求される強度と耐久性とを充分に発揮できる。この自動車用ホイール31にあっても、軽量化と高強度化とを高いレベルでバランス良く有した構成である。
さらに、ホイールリム32は、スチール製の溶接金属部分片42,43とアルミニウム合金製の金属部分片44とを摩擦攪拌溶接により接合してなる複合板材41を、円筒体に形成してロール加工することによって成形されるものであるから、上述した実施例1と同様に、溶接金属部分片42,43と金属部分片44とが強固に接合し且つ高い接合品質に保たれる。
このように、本実施例2の自動車用ホイール31にあっても、上述した実施例1と同様の作用効果を奏するものである。
実施例3の自動車用ホイール61にあっては、図6のように、上述した実施例1と同様にドロップ嵌合タイプの構成であり、スチール製のホイールリム62と、複合板材71から成形されたホイールディスク63とを溶接してなるものである。尚、実施例3にあって、ホイールリム62とホイールディスク63との夫々の材料構成以外は、実施例1のホイールディスク3およびホイールリム2と夫々同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
上記のホイールリム62は、長方形状のスチール板を、その短辺同士を接合して円筒体とし、該円筒体をロール加工することによって成形される。このように、上述した実施例1と同様に成形できる。
ホイールディスク63にあっては、図7(A)のように、アルミニウム合金からなる金属部分片74,75と、ホイールリムと同一金属材料のスチールからなる溶接金属部分片72,73とを接合してなるものである。詳述すれば、図7(A)のように、アルミニウム合金からなる円板状の金属部分片75と、スチールからなる円環状平板の溶接金属部分片73と、アルミニウム合金からなる円環状平板の金属部分片74とを、各面方向に沿って同心状に径方向に順に配列し、各周端縁75a,73b,73a,74bを突き当てて摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合する。さらに、四枚の略三日月状平板の溶接金属部分片72を、周方向に互いに均等間隔をおいて配設されるように、各溶接金属部分片72の円弧端縁72aを、前記円環状平板の金属部分片74の外周端縁74aに夫々突き当てて摩擦攪拌溶接により接合する。これにより、金属部分片74,75と溶接金属部分片72,73とが面方向に沿って連接された複合板材71を得る。この複合板材71は、上述した実施例1と同様に、正方形の四つ角を円弧状に切り落とした略正方形状となっている。
尚、各溶接金属部分片72,73および金属部分片74,75は、夫々の配列順に従って、各周端縁が突き当たるように各寸法形状が設定されている。
上記した複合板材71をプレス加工することにより、ホイールディスク63を成形する。図7(B)のように、このホイールディスク63にあって、そのディスクフランジ部13は、各湾曲部13aの外端縁13cがスチール製の各溶接金属部分片72から夫々に形成され、その他の部位がアルミニウム合金製の金属部分片74から形成されており、ホイールリム62と溶接される部位(各湾曲部13aの外端縁13c)のみを、ホイールリム62と同一金属材料のスチール製としている。また、ホイールディスク63は、ハブ取付部8の外周縁からハット部11に至るハブ面アール部15をスチール(溶接金属部分片73)により成形している。これは、ハブ面アール部15が、自動車用ホイールとして強度を必要する部位であることによる。
このようなホイールディスク63をホイールリム62に内嵌し、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aの外端縁13cとドロップ部18とをMAG溶接により溶接して一体化する。これにより、本実施例3の自動車用ホイール61を得る。尚、本実施例3のホイールディスク63にあって、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aの外端縁13cが、本発明にかかる溶接部であり、また、ホイールリム62にあって、ドロップ部18が、本発明にかかる溶接部である。
この自動車用ホイール61にあっても、スチールの適用による高強度化とアルミニウム合金の適用による軽量化とによって、軽量化と高強度化とが高いレベルでバランスされたものとなる。特に、本実施例3では、上記のように、ハブ面アール部15をスチールにより成形していることから、一層高い強度を発揮できると共に、ホイールディスク63が、前記ハブ面アール部15以外をアルミニウム合金により成形していることから、アルミニウム合金による優れた意匠性を発揮できる。さらに、本実施例3にあっても、上述した実施例1と同様の作用効果を発揮でき得る。
実施例4の自動車用ホイール81にあっては、図8のように、実施例1と同様のアルミニウム合金製のホイールリム2と、各ボルト孔10の孔周縁を成すナット座9をスチールから成形し且つその他部位をアルミニウム合金から成形したホイールディスク83とを溶接してなる、ドロップ嵌合タイプの構成である。尚、実施例4にあって、ホイールディスク83の夫々の材料構成以外は、実施例1のホイールディスク3と同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
ホイールディスク83を成形する複合板材85は、図9(A)のように、アルミニウム合金からなる正方形状平板をその四つ角を円弧状に切り落とし且つナット座9を形成する部位に円孔(図示省略)を夫々形成してなる略正方形状平板の溶接金属部分片86と、前記円孔に内嵌する各円板状のスチールからなる金属部分片87とからなる。すなわち、溶接金属部分片86の各円孔に金属部分片87を夫々に内嵌し、各円孔の外周端縁86aに金属部分片87の各周端縁87aを突き当てて、この両者を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向に沿って連接された複合板材85を得る。そして、この複合板材85を、上述した実施例1と同様にプレス加工することによって、図9(B)のように、ホイールディスク83を成形する。尚ここで、本実施例4にあっては、五つのナット座9を形成する構成としている。
このホイールディスク83とホイールリム2とを嵌合してMIG溶接により、ディスクフランジ部13の湾曲部13aとドロップ部18とを接合し、本実施例4の自動車用ホイール81を得る。尚、ホイールディスク83にあって、ディスクフランジ部13の湾曲部13aが、本発明にかかる溶接部であり、ホイールリム2にあって、ドロップ部18が、本発明にかかる溶接部である。
この自動車用ホイール81は、車軸に配設されたボルトとナットとにより締緊されるナット座9のみをスチールにより成形し、他の全部位をアルミニウム合金により成形してなる構成であるから、2ピースタイプのアルミニウム合金製の構成にあって、各ナット座9の強度を向上することができ得る。この構成にあっても、ホイールディスク83を複合板材85により成形することから、溶接金属部分片86と各金属部分片87との接合品質を安定して維持でき、これに伴う上述した実施例1と同様の作用効果を奏する。
実施例5の自動車用ホイール91にあっては、図10のように、実施例1と同様のアルミニウム合金製のホイールリム2と、アルミニウム合金からなる溶接金属部分片96とスチールからなる金属部分片97とを周方向に交互に接合してなる複合板材95により成形されたホイールディスク93とを、MIG溶接により溶接して一体化してなるドロップ嵌合タイプの構成である。尚、実施例5にあって、ホイールディスク93の夫々の材料構成以外は、実施例1のホイールディスク3と同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
ホイールディスク93を成形するための複合板材95は、図11(A)のように、ホイールリム2と同一金属材料のアルミニウム合金からなる扇形状の溶接金属部分片96とスチールからなる二等辺三角形状の金属部分片97とを接合してなるものである。すなわち、各溶接金属部分片96と各金属部分片97とを、面方向に沿って周方向に交互に配列する。そして、各溶接金属部分片96の両側端縁96a,96aと各金属部分片97の二等辺を構成する両側端縁97a,97aとを、互いに隣り合うもの同士夫々に突き当てて、摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合する。これにより本実施例5の複合板材95を得る。この複合板材95は、上述した実施例1と同様に、正方形の四つ角が円弧状に切り落とされた略正方形状平板である。
この複合板材95をプレス加工することによって、所望のホイールディスク93を成形する。ここで、ホイールディスク93は、図11(B)のように、その周方向にアルミニウム合金製のアルミ部位93aとスチール製のスチール部位93bとが交互に形成されており、ディスクフランジ部13を構成する各湾曲部13aは、アルミニウム合金により成形されている。
このホイールディスク93をホイールリム2に内嵌し、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aとドロップ部18とをMIG溶接により溶接して、本実施例5の自動車用ホイール91を得る。ここで、ホイールディスク93にあって、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aが、本発明にかかる溶接部であり、ホイールリム2にあって、ドロップ部18が本発明にかかる溶接部である。すなわち、本実施例5にあっても、ホイールディスク93とホイールリム2とは、同一金属材料のアルミニウム合金からなるディスクフランジ部13の各湾曲部(溶接部)13aとドロップ部(溶接部)18とを溶接することにより接合されている。
本実施例5の自動車用ホイール91は、ホイールディスク93が、周方向にアルミ部位93aとスチール部位93bとを交互に連接した構成である。これにより、スチールのみからなるホイールディスクに比して、本構成のホイールディスク93は、アルミ部位93aを有することにより軽量化される。また、自動車用ホイール91は、車両走行中は高速回転することから、走行中の負荷が実質上周方向に分担される。そのため、スチール部位93bとアルミ部位93aとを周方向に交互に配設することによって、夫々に作用する負荷の強弱が均等化され、総じてホイールディスク93は、走行中に作用する負荷に対する耐性が向上する。
このように本実施例5の自動車用ホイール91にあっても、上述した実施例1と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
実施例6の自動車用ホイール101にあっては、図12のように、実施例2と同様のスチール製のホイールディスク33と、スチールからなる溶接金属部分片106とアルミニウム合金からなる金属部分片107とを並列状に接合してなる複合板材105により成形されたホイールリム102とを、MAG溶接により溶接して一体化してなるドロップ嵌合タイプの構成である。尚、実施例6にあって、ホイールリム102の夫々の材料構成以外は、実施例2のホイールリム32と同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
ホイールリム102を成形するための複合板材105は、図13(A)のように、長尺な矩形平板状のスチール製溶接金属部分片106と同じく長尺な矩形平板状のアルミニウム合金製金属部分片107とを、夫々の長辺を構成する各一側端縁106a,107aを面方向に沿って突き当て、各側端縁106a,107aを摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって形成される。ここで、溶接金属部分片106は、ホイールディスク33と同一金属材料のスチールからなる。また、溶接金属部分片106と金属部分片107とは、長手方向の寸法が同一な長方形状であり、溶接金属部分片106の幅寸法がホイールリム102の表側リムフランジ部16aからドロップ部18までを形成するように設定されている。
この長方形状の複合板材105を、その短辺同士を突き当てるようにして湾曲させて、短辺同士をアプセットバット溶接により接合する。ここで、複合板材105では、その溶接金属部分片106の両端同士を接合し、金属部分片107の両端同士を接合することから、同じ金属材料同士を溶接する。そのため、接合する両端縁を夫々に電極で挟んで加圧することによって溶接するアプセットバット溶接により、複合板材105を円筒体とすることができる。尚、アプセットバット溶接にあって、溶接金属部分片106と金属部分片107の各両端を夫々に電極で挟み、溶接金属部分片106と金属部分片107とのそれぞれに流す電流量を、スチールとアルミニウム合金とに夫々に適した値に設定することによって、円滑な溶接ができ得る。
そして、このように複合板材105から形成した円筒体を、上述した実施例1と同様にロール加工等を行うことによって、ホイールリム102を得る。図13(B)のように、このホイールリム102は、上述したように、表側リムフランジ部16aからドロップ部18に至る範囲がスチール部位102aであり、該ドロップ部18より裏側の範囲がアルミ部位102bである。すなわち、スチール部位102aが幅方向で表側の周方向全周を成し、アルミ部位102bが幅方向で裏側の周方向全周を成すように、幅方向で表裏に二区画化された構成となっている。
このホイールリム102にホイールディスク33を内嵌し、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aとドロップ部18とをMAG溶接により溶接して、本実施例6の自動車用ホイール101を得る。ここで、ホイールリム102にあって、ドロップ部18が本発明にかかる溶接部であり、ホイールディスク33にあって、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aが本発明にかかる溶接部である。すなわち、本実施例6にあっても、ホイールディスク33とホイールリム102とは、同一金属材料のスチールからなるドロップ部(溶接部)18とディスクフランジ部13の各湾曲部(溶接部)13aとを溶接することにより接合されている。
本実施例6の自動車用ホイール101は、ホイールリム102が、その幅方向にスチール部位102aとアルミ部位102bとを連接してなる構成である。これにより、スチールのみからなるホイールリムに比して、本構成のホイールリム102は、アルミ部位102bを有することにより軽量化される。このように、本実施例6の自動車用ホイール101にあっても、上述した実施例1,2と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
実施例7の自動車用ホイール111にあっては、図14のように、実施例2と同様のスチール製のホイールディスク33と、スチールからなる溶接金属部分片116とアルミニウム合金からなる金属部分片117,118とを並列状に接合してなる複合板材115により成形されたホイールリム112とを、MAG溶接により溶接して一体化してなるドロップ嵌合タイプの構成である。尚、実施例7にあって、上述した実施例6と同様、ホイールリム112の夫々の材料構成以外は、実施例2のホイールリム32と同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
ホイールリム112を成形するための複合板材115は、図15(A)のように、長尺な矩形平板状のスチール製溶接金属部分片116を、同じく長尺な矩形平板状のアルミニウム合金製金属部分片117,118との間に挟むように並列して配置し、溶接金属部分片116の両側端縁116a,116aに各金属部分片117,118の各側端縁117a,118aを面方向に沿って突き当て、各端縁116a,117a,116a,118aを摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって形成される。ここで、溶接金属部分片116は、ホイールディスク33と同一金属材料のスチールからなる。また、溶接金属部分片116と金属部分片117,118とは、長手方向の寸法が同一な長方形状であり、溶接金属部分片116がホイールリム112のドロップ部18を形成するように、夫々の幅寸法が設定されている。
この長方形状の複合板材115を、上述した実施例6と同様に、その短辺同士を突き当てるようにして湾曲させて、短辺同士をアプセットバット溶接により接合する。本実施例7にあっても、複合板材115は、その溶接金属部分片116の両端同士を接合し、金属部分片117,118の両端同士を接合してなる。そして、このように複合板材115から形成した円筒体にロール加工等を行うことにより、ホイールリム112を得る。図15(B)のように、このホイールリム112は、上述したように、ドロップ部18がスチール部位112aであり、該ドロップ部18より表側と裏側の各範囲がアルミ部位112b,112cである。このスチール部位112aおよびアルミ部位112b,112cは幅方向で表側の周方向全周を成し、ホイールリム112は幅方向で表裏に三区画化された構成となっている。
このホイールリム112にホイールディスク33を内嵌し、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aとドロップ部18とをMAG溶接により溶接して、本実施例7の自動車用ホイール111を得る。ここで、ホイールリム112にあって、ドロップ部18が本発明にかかる溶接部であり、ホイールディスク33にあって、ディスクフランジ部13の各湾曲部13aが本発明にかかる溶接部である。すなわち、本実施例7にあっても、ホイールディスク33とホイールリム112とは、同一金属材料のスチールからなるドロップ部(溶接部)18とディスクフランジ部13の各湾曲部(溶接部)13aとを溶接することにより接合されている。
本実施例7の自動車用ホイール111は、ホイールリム112が、その幅方向にスチール部位112aとアルミ部位112b,112cとを連接してなる構成である。これにより、スチールのみからなるホイールリムに比して、本構成のホイールリム112は、アルミ部位112b,112cを有することにより軽量化される。このように、本実施例7の自動車用ホイール111にあっても、上述した実施例1,2と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
本実施例8の自動車用ホイール121にあっては、図16(A)のように、ホイールディスク123をホイールリム2の表側ビードシート部17aに内嵌して溶接してなる、所謂ビード嵌合タイプの構成である。ここで、ホイールリム2は、上述した実施例1と同じものであり、アルミニウム合金から成形されてなるものである。
上記のホイールディスク123にあっては、円盤状を呈し、中央にハブ孔127が開口されたハブ取付部128が形成されており、該ハブ取付部128の外周縁から当該ホイールディスク123の外周縁に至る中間部分に、径方向に沿って複数のスポーク部131が形成されている。このハブ取付部128には、ハブ孔127の周囲に、同一円周上に均等間隔でボルト孔130が形成されており、各スポーク部131の間には、飾り孔132が夫々に形成されている。また、ホイールディスク123の外周縁には、ディスクフランジ部133が周設されている。
ここで、ホイールディスク123は、円板状の複合板材135をプレス加工することによって成形される。この複合板材135は、図16(B)のように、ホイールリム2と同一金属材料のアルミニウム合金からなる円環状の溶接金属部分片136と、スチールからなる円形状の金属部分片137とから構成されている。ここで、溶接金属部分片136は複合板材135の外周縁を成し、当該ホイールディスク123のディスクフランジ部133を形成するように寸法形状(内外径など)が設定されている。さらに、金属部分片137の外径が、溶接金属部分片136の内径と同寸法となるように設定されている。複合板材135は、溶接金属部分片136に金属部分片137を内嵌し、溶接金属部分片136の内周端縁136aと金属部分片137の外周端縁137aとを突き当てて、この両者を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することにより、溶接金属部分片136と金属部分片137とが面方向に沿って連接されて形成される。
このホイールディスク123とホイールリム2とを、該ホイールディスク123のディスクフランジ部133がホイールリム2の表側ビードシート部17aに内嵌するように嵌合し、MIG溶接によりディスクフランジ部133と表側ビードシート部17aの内周面とを隅肉溶接する。これにより、本実施例8の自動車用ホイール121を得る。ここで、ホイールディスク123にあって、ディスクフランジ部133が本発明にかかる溶接部であり、ホイールリム2にあって、表側ビードシート部17aが本発明にかかる溶接部である。すなわち、本実施例8のビード嵌合タイプの自動車用ホイール121にあっても、ホイールディスク123とホイールリム2とは、同一金属材料のアルミニウム合金からなるディスクフランジ部(溶接部)133と表側ビードシート部(溶接部)17aとを周方向の複数箇所で溶接(図16(A)の溶接ビード19を参照)することにより接合されている。
本実施例8の自動車用ホイール121は、ビード嵌合タイプの構成であって、上述した実施例1と同様に、アルミニウム合金製のホイールリム2による軽量化と、ホイールディスク123のディスクフランジ部133を除く部位をスチール製とすることによる強度確保とを有するものであり、さらに、ディスクフランジ部133をホイールリム2と同一金属材料のアルミニウム合金製として溶接してなるものである。この自動車用ホイール121にあっても、上述した実施例1と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
実施例9の自動車用ホイール141にあっては、図17(A)のように、フルフェイスタイプの構成である。すなわち、ホイールディスク143がその外周縁に表側フランジ部156を備えると共に、ホイールリム142が一方の開口周縁に表側ビードシート部157aを備え且つ他方の開口周縁に裏側フランジ部158を備えてなる。そして、ホイールディスク143の裏面に、ホイールリム142の表側ビードシート部157aの開口端を突き当てて周方向に亘って全周溶接(図17(A)の溶接ビード19を参照)してなる。
ホイールリム142は、裏側フランジ部158から連成される裏側ビードシート部157bを備えると共に、該裏側ビードシート部157bと表側ビードシート部157aとの間にドロップ部18を備えている。一方、ホイールディスク143は、中央にハブ孔149が形成されたハブ取付部150を備えると共に、該ハブ取付部150に、ハブ孔149の周囲に均等間隔で複数のボルト孔151が周成されている。さらに、ハブ取付部150の外周縁から径方向に沿って複数のスポーク部152が設けられており、各スポーク部152の間に夫々に飾り孔153が形成されている。
本実施例9では、上記のホイールリム142がアルミニウム合金板から成形されており、ホイールディスク143が、ホイールリム142と同一金属材料のアルミニウム合金からなる溶接金属部分片146とスチールからなる金属部分片147とを接合した複合板材145から成形されてなる。
ここで、ホイールディスク143は、円板状の複合板材145をプレス加工することによって成形される。この複合板材145は、図17(B)のように、ホイールリム142と同一金属材料のアルミニウム合金からなる円環状の溶接金属部分片146と、スチールからなる円形状の金属部分片147とから構成されている。ここで、円環状の溶接金属部分片146は、複合板材145の外周縁を成し、ホイールディスク143の外周縁(表側フランジ部156)を形成するように寸法形状が設定されている。そして、溶接金属部分片146の内径と金属部分片147の外径と同寸法としている。複合板材145は、溶接金属部分片146に金属部分片147を内嵌し、溶接金属部分片146の内周端縁146aと金属部分片の外周端縁147aとを突き当てて、両者を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することにより、溶接金属部分片146と金属部分片147とが面方向に沿って連接された複合板材145を形成する。
尚、ホイールディスク143を複合板材145から成形するためのプレス加工などの工程は、従来から適用されている工程により実施することができるため、詳細については省略する。同様に、ホイールリム142にあっても、ロール加工等からなる従来の工程により成形することができるため、詳細については省略する。
このホイールディスク143とホイールリム142とを、両者が同心状となるようにして該ホイールディスク143の裏面にホイールリム142の表側ビードシート部157aの開口端を突き当てて、MIG溶接により全周に亘ってT継ぎ手溶接する。これにより、本実施例9の自動車用ホイール141を得る。ここで、ホイールリム142にあって、表側ビードシート部157aが本発明にかかる溶接部であり、ホイールディスク143にあって、その外周縁(表側フランジ部156)が本発明にかかる溶接部159である。すなわち、ホイールディスク143とホイールリム142とは、同一金属材料のアルミニウム合金からなる表側ビードシート部(溶接部)157aとホイールディスク143の外周縁(溶接部159)とを溶接することにより接合されている。
本実施例9の自動車用ホイール141は、フルフェイスタイプの構成であって、上述した実施例1と同様に、アルミニウム合金製のホイールリム142による軽量化と、ホイールディスク143の外周縁を除く部位をスチール製とすることによる強度確保とを有するものであり、さらに、ホイールディスク143の外周縁(溶接部159)をホイールリム142と同一金属材料のアルミニウム合金製として両者を溶接してなるものである。この自動車用ホイール141にあっても、上述した実施例1と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
実施例10の自動車用ホイール161は、図18(A)のように、スチール製のホイールディスク163と、複合板材165から成形されたホイールリム162とを溶接してなる、所謂フルフェイスタイプの構成である。尚、本実施例10にあっては、ホイールディスク163とホイールリム162との夫々の材料構成以外、上述した実施例9と同じ形状としており、各構成部位の説明は省略する。
ホイールディスク163は、円形状のスチール板をプレス加工することにより成形される。ホイールリム162は、長方形状の複合板材165を円筒体とした後にロール加工することにより成形される。
ホイールリム162を成形するための複合板材165は、上述した実施例6と同様、図18(B)のように、長尺な矩形平板状のスチール製溶接金属部分片166と同じく長尺な矩形平板状のアルミニウム合金製金属部分片167とを、長辺を構成する各一側端縁166a,167aを面方向に沿って突き当て、各側端縁166a,167aを摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって形成される。ここで、溶接金属部分片166は、ホイールディスク163と同一金属材料のスチールからなる。また、溶接金属部分片166と金属部分片167とは、長手方向の寸法が同一な長方形状であり、溶接金属部分片166の幅寸法がホイールリム162の表側ビードシート部157aを形成するように設定されている。
この長方形状の複合板材165を、上述した実施例6と同様に、その短辺同士を突き当てるようにして湾曲させて、短辺同士をアプセットバット溶接により接合する。本実施例10にあっても、複合板材165は、その溶接金属部分片166の両端同士を接合し、金属部分片167の両端同士を接合してなる。そして、このように複合板材165から形成した円筒体にロール加工等を行うことにより、ホイールリム162を得る。このホイールリム162は、上述したように、表側ビードシート部157aがスチール部位162aあり、それ以外の部位がアルミ部位162bである。
このホイールディスク163とホイールリム162とを、両者が同心状となるようにして該ホイールディスク163の裏面にホイールリム162の表側ビードシート部157aの開口端を突き当てて、MAG溶接により全周に亘ってT継ぎ手溶接(図18(A)の溶接ビード19を参照)する。これにより、本実施例10の自動車用ホイール161を得る。ここで、ホイールリム162にあって、表側ビードシート部157aが本発明にかかる溶接部であり、ホイールディスク163にあって、その外周縁が本発明にかかる溶接部169である。すなわち、本実施例10にあっても、ホイールディスク163とホイールリム162とは、同一金属材料のスチールからなる表側ビードシート部157aとホイールディスク163の外周縁(溶接部169)とを溶接することにより接合されている。
本実施例10の自動車用ホイール161は、フルフェイスタイプの構成であって、上述した実施例1と同様に、ホイールリム162が、その幅方向にスチール部位162aとアルミ部位162bとを連接してなる構成である。これにより、スチールのみからなるホイールリムに比して、本構成のホイールリム162は、アルミ部位162bを有することにより軽量化される。このように、本実施例10の自動車用ホイール161にあっても、上述した実施例1,2と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
実施例11の自動車用ホイール171は、図19(A)のように、トラック等の大型車用のものであり、ドロップ嵌合タイプの構成である。この自動車用ホイール171は、上述した実施例1と類似形状のホイールリム172と、略椀形状のホイールディスク173とを溶接してなるものであり、本実施例11にあっては、ホイールリム172をアルミニウム製とし、ホイールディスク173を複合板材195から成形されてなる構成としている。
この大型車用の自動車用ホイール171は、そのホイールリム172が、両端に表裏のリムフランジ部186a,186bを備え、各リムフランジ部186a,186bに夫々連成する表裏のビードシート部187a,187bを備えている。ここで、表側のビードシート部187aが比較的長尺状に形成されている。そして、表裏のビードシート部187a,187bの間にドロップ部188を備えている。一方、ホイールディスク173は、ハブ孔177と複数のボルト孔178が形成されたハブ取付部179と、該ハブ取付部179の外周縁から裏方へ湾曲状に傾斜する湾曲周部181と、当該ホイールディスク173の外周縁に設けられたディスクフランジ部183とを備えてなる。
上記したホイールディスク173は、円形状の複合板材195をプレス加工することにより成形される。この複合板材195は、上述した実施例8と同様、図19(B)のように、ホイールリム172と同一金属材料のアルミニウム合金からなる円環状の溶接金属部分片196と、スチールからなる円形状の金属部分片197とから構成されている。ここで、溶接金属部分片196は複合板材195の外周縁を成し、当該ホイールディスク173のディスクフランジ部183を形成するように寸法形状(内外径など)が設定されている。さらに、金属部分片197の外径が、溶接金属部分片196の内径と同寸法となるように設定されている。複合板材195は、溶接金属部分片196に金属部分片197を内嵌し、溶接金属部分片196の内周端縁196aと金属部分片197の外周端縁197aとを突き当てて、両者を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することにより、溶接金属部分片196と金属部分片197とが面方向に沿って連接された複合板材195を形成する。
このホイールディスク173とホイールリム172とを、該ホイールディスク173のディスクフランジ部183がホイールリム172のドロップ部188に内嵌するように嵌合し、MIG溶接によりディスクフランジ部183とドロップ部188の内周面とを隅肉溶接する。これにより、本実施例11の自動車用ホイール171を得る。ここで、ホイールディスク173にあって、ディスクフランジ部183が本発明にかかる溶接部であり、ホイールリム172にあって、ドロップ部188が本発明にかかる溶接部である。すなわち、本実施例11の大型車用の自動車用ホイール171にあっても、ホイールディスク173とホイールリム172とは、同一金属材料のアルミニウム合金からなるディスクフランジ部(溶接部)183とドロップ部(溶接部)188とを周方向の複数箇所で溶接(図19(A)の溶接ビード19を参照)することにより接合されている。
本実施例11の自動車用ホイール171は、大型車用のドロップ嵌合タイプの構成であって、上述した実施例1と同様に、アルミニウム合金製のホイールリム172による軽量化と、ホイールディスク173のディスクフランジ部183を除く部位をスチール製とすることによる強度確保とを有するものであり、さらに、ディスクフランジ部183をホイールリム172と同一金属材料のアルミニウム合金製として溶接してなるものである。この自動車用ホイール171にあっても、上述した実施例1と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
実施例12の自動車用ホイール201にあっては、図20(A)のように、大型自動車用のものであって、分割式のホイールリム202を備えた構成(以下、リム分割タイプという)である。この自動車用ホイール201は、分割式のホイールリム202と、略皿形状のホイールディスク203とを溶接してなるものであり、本実施例12にあっては、ホイールリム202をアルミニウム製とし、ホイールディスク203を複合板材225から成形されてなる構成としている。
ここで、分割式のホイールリム202について説明する。このホイールリム202は、一端に裏側フランジ部213を備え且つ他端縁に表側ビードシート部216aを備えた略円筒形状のリム本体202aと、該リム本体202aに装着される、表側フランジ部214を備えた略円環状のサイドリング202bとから構成されている。リム本体202aの表側ビードシート部216aが形成された他端の開口縁には、周方向で所定間隔をおいて複数のフック部220が形成されている。また、サイドリング202bには、その内周端縁に、前記フック部220に係止する係止部221が、周方向で所定間隔をおいて複数形成されている。そして、リム本体202aの表方からサイドリング202bを、その係止部221がフック部220に当たらないように外嵌し、周方向へ回転することによって、各フック部220に係止部221を係合し、ホイールリム202となる。このようなホイールリム202は、大型自動車のように、高剛性のタイヤを装着する場合に、リム本体202aに表方からタイヤをスライドさせて外嵌した後、サイドリング202bを前記のように装着することによって、タイヤを装着することができるようにしている。
尚、本実施例12にあって、リム本体202aは、裏側フランジ部213に連成する裏側ビードシート部216bを備え、表裏のビードシート部216a,216b間を略ストレート円筒形状としており、ドロップ部を備えてない。さらに、リム本体202aとサイドリング202bとは、図示しないシール部材を介在しており、タイヤ内の空気が漏れることを防止している。また、このようなリム本体202aは、アルミニウム合金板から成形することができる。また、サイドリングにあっても、円環状のアルミニウム合金板から成形することができる。いずれの成形工程も、従来から用いられている方法を適用できるため、詳細については省略する。
一方、ホイールディスク203は、ハブ孔207と複数のボルト孔208が形成されたハブ取付部209と、該ハブ取付部209の外周縁から裏方へ傾斜する傾斜周部211と、当該ホイールディスク203の外周縁に設けられたディスクフランジ部210とを備えてなる。このホイールディスク203は、円形状の複合板材225をプレス加工することにより成形される。この複合板材225は、上述した実施例11と同様、図20(B)のように、ホイールリム202と同一金属材料のアルミニウム合金からなる円環状の溶接金属部分片226と、スチールからなる円形状の金属部分片227とから構成されている。ここで、溶接金属部分片226は複合板材225の外周縁を成し、当該ホイールディスク203のディスクフランジ部210を形成するように寸法形状(内外径など)が設定されている。さらに、金属部分片227の外径が、溶接金属部分片226の内径と同寸法となるように設定されている。複合板材225は、溶接金属部分片226に金属部分片227を内嵌し、溶接金属部分片226の内周端縁226aと金属部分片227の外周端縁227aとを突き当てて、両者を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することにより、溶接金属部分片226と金属部分片227とが面方向に沿って連接されて形成される。
このホイールディスク203と上記したリム本体202aとを、該ホイールディスク203のディスクフランジ部210がリム本体202aの表側の開口端縁に内嵌するように嵌合し、MIG溶接によりディスクフランジ部210とリム本体202aの表側開口端縁の内周面とを隅肉溶接する。これにより、本実施例12の自動車用ホイール201を得る。ここで、ホイールディスク203にあって、ディスクフランジ部210が本発明にかかる溶接部であり、ホイールリム202にあって、リム本体202aの表側開口端縁が本発明にかかる溶接部229である。すなわち、本実施例12の自動車用ホイール201にあっても、ホイールディスク203とホイールリム202とは、同一金属材料のアルミニウム合金からなるディスクフランジ部(溶接部)210とリム本体202aの表側開口端縁(溶接部229)とを周方向の複数箇所で溶接(図20(A)の溶接ビード19を参照)することにより接合されている。
本実施例12の自動車用ホイール201は、リム分割タイプの構成であって、上述した実施例1と同様に、アルミニウム合金製のホイールリム202による軽量化と、ホイールディスク203のディスクフランジ部210を除く部位をスチール製とすることによる強度確保とを有するものであり、さらに、ディスクフランジ部210をホイールリム202と同一金属材料のアルミニウム合金製として溶接してなるものである。この自動車用ホイール201にあっても、上述した実施例1と同様に、軽量化と高強度化とを高レベルでバランスできるという本発明の作用効果を奏する。
一方、上述した実施例1〜12にあって、ホイールリムおよびホイールディスクを成形する構成材料としてアルミニウム合金とスチールとを入れ替えた構成とすることもできる。例えば、実施例1にあって、ホイールリムをスチール製とし、且つホイールディスクを、ホイールリムと同一金属材料のスチールからなる溶接金属部分片とアルミニウム合金からなる金属部分片とを摩擦攪拌溶接した複合板材により成形してなる構成とすることができる。かかる構成にあっても、ホイールリムとホイールディスクとを同一金属材料のスチールからなる各部位をMAG溶接することにより接合できる。他の実施例2〜12にあっても同様である。
また、上述した実施例1〜12にあっては、ホイールリムとホイールディスクの一方のみを複合板材により成形されてなる構成としたものであるが、ホイールリムとホイールディスクとの両者を夫々の複合板材により成形してなる構成とすることもできる。例えば、実施例1のホイールディスク3と実施例2のホイールリム32とを溶接してなる構成とすることもできる。この構成にあっては、ホイールディスク3のディスクフランジ部13の湾曲部13aを、ホイールリム32のドロップ部18のアルミ円弧部32bからなる部位に内嵌するように周方向位置決めし、両者をMIG溶接により溶接することにより一体化されて成る構成である。同様に、実施例1,3〜5の各ホイールディスクと実施例2,6,7の各ホイールリムとを溶接してなる構成とすることもできる。尚、実施例1〜7は、ドロップ嵌合タイプの構成であり、上述した実施例8〜12は、ビード嵌合タイプ、フルフェイスタイプ、大型自動車用のドロップ嵌合タイプ、リム分割タイプの構成であるが、実施例1〜7の構成を実施例8〜12の構成にも同様に適用可能である。
上述した実施例1〜12は、複合板材の溶接金属部分片がアルミニウム合金とスチールのいずれか一方からなり、金属部分片が他方からなる構成であるが、その他の構成として、例えば、スチールの代わりにチタン合金またはマグネシウム合金を適用した構成、又はアルミニウム合金の代わりにチタン合金またはマグネシウム合金を適用した構成とすることもできる。具体的には、スチールからなる溶接金属部分片とチタン合金またはマグネシウム合金からなる金属部分片とを摩擦攪拌溶接により接合してなる複合板材により、ホイールリム及び/又はホイールディスクを成形してなる構成としても良い。また、スチール、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金のいずれか一からなる溶接金属部分片と、残りの二種からなる各金属部分片とを摩擦攪拌溶接して接合してなる複合板材を適用することも可能である。つまり、スチールとアルミニウム合金との二種類の金属材料から複合板材を構成するのではなく、スチール、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金のうちの二種類の金属材料から複合板材を構成し、この二種類の金属材料からなる複合板材を用いた本発明にかかる自動車用ホイールを得ることもできる。また、スチール、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金のうちの三種類の金属材料から複合板材を構成し、この三種類の金属材料からなる複合板材を用いた本発明にかかる自動車用ホイールを得ることもできる。さらには、スチール、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金の四種類の金属材料から複合板材を構成し、この四種類の金属材料からなる複合板材を用いた本発明にかかる自動車用ホイールを得ることもできる。
上述した実施例2にあっては、ホイールリム32を成形する複合板材41を、その長手方向両端に同一金属材料のスチールからなる矩形状金属部分片を配設した構成であるが、その他の構成として、同一形状の矩形状の溶接金属部分片と金属部分片とを交互に一列状に連接してなる複合板材(図示省略)を適用することもできる。この場合の複合板材は、その長手方向一側に溶接金属部分片が在り且つ他側に金属部分片が在る構成となる。そのため、この複合板材からホイールリムを成形する際にあって、該複合板材の両端の短辺同士を接合するために、両端縁を平らな板状として突き当てて摩擦攪拌溶接により接合する。これにより、複合板材の両端を構成する溶接金属部分片と金属部分片とを接合することができる。そして、接合後に、接合した領域を湾曲する加工を行い、所望の円筒体とし、ロール加工等を実施して所望のホイールリムを成形する。このホイールリムにあっては、複合板材の構成が異なるために成形工程が異なるものの、成形後には実施例2と同じ構成となるため、上述した実施例2と同様の作用効果も奏する。
上述した実施例3にあっては、ホイールディスクが、そのディスクフランジ部の各湾曲部13aの外端縁13cとハブ面アール部とをスチールにより成形し、その他の部位をアルミニウム合金により成形した構成であるが、前記ハブ面アール部と異なる部位をスチールにより成形した構成とすることもできる。例えば、ハット部をスチールにより成形した構成としたり、ハブ取付部をスチールにより成形した構成などのように、様々に設定することも可能である。尚、ディスクフランジ部の各湾曲部13aの外端縁13cは、ホイールリムと溶接する部位であることから、スチールにより成形することを要する。一方、実施例1にあっても、前記実施例3と同様に、ハブ面アール部、ハット部、ハブ取付部のいずれかをスチールにより成形した構成とすることも可能である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
本発明にかかる実施例1の自動車用ホイール1の平面図である。 同上の自動車用ホイール1の、図1のL−L断面図である。 (A)溶接金属部部片22と金属部分片23とからなる複合板材21の平面図と、(B)複合板材21により成形されたホイールディスク3の斜視図である。 実施例2の自動車用ホイール31の縦断面図である。 (A)溶接金属部部片42,43と金属部分片44とからなる複合板材41の平面図と、(B)複合板材41により成形されたホイールリム32の斜視図である。 実施例3の自動車用ホイール61の縦断面図である。 (A)溶接金属部部片72,73と金属部分片74,75とからなる複合板材71の平面図と、(B)複合板材71により成形されたホイールディスク63の斜視図である。 実施例4の自動車用ホイール81の縦断面図である。 (A)溶接金属部部片86と金属部分片87とからなる複合板材85の平面図と、(B)複合板材85により成形されたホイールディスク83の斜視図である。 実施例5の自動車用ホイール91の縦断面図である。 (A)溶接金属部部片96と金属部分片97とからなる複合板材95の平面図と、(B)複合板材95により成形されたホイールディスク93の斜視図である。 実施例6の自動車用ホイール101の縦断面図である。 (A)溶接金属部部片106と金属部分片107とからなる複合板材105の平面図と、(B)複合板材105により成形されたホイールリム102の斜視図である。 実施例7の自動車用ホイール111の縦断面図である。 (A)溶接金属部部片116と金属部分片117,118とからなる複合板材115の平面図と、(B)複合板材115により成形されたホイールリム112の斜視図である。 (A)実施例8の自動車用ホイール121の縦断面図と、(B)溶接金属部部片136と金属部分片137とからなる複合板材135の平面図である。 (A)実施例9の自動車用ホイール141の縦断面図と、(B)溶接金属部部片146と金属部分片147とからなる複合板材145の平面図である。 (A)実施例10の自動車用ホイール161の縦断面図と、(B)溶接金属部部片166と金属部分片167とからなる複合板材165の平面図である。 (A)実施例11の自動車用ホイール171の縦断面図と、(B)溶接金属部部片196と金属部分片197とからなる複合板材195の平面図である。 (A)実施例12の自動車用ホイール201の縦断面図と、(B)溶接金属部部片226と金属部分片227とからなる複合板材225の平面図である。
符号の説明
1,31,61,81,91,101,111,121,141,161,171,201 自動車用ホイール
2,32,62,102,112,142,162,172,202 ホイールリム
3,33,63,83,93,123,143,163,173,203 ホイールディスク
13a 湾曲部(実施例1,2,4,5,6,7の溶接部)
13c 外端縁(溶接部)
17a 表側ビードシート部(実施例8の溶接部)
18 ドロップ部(実施例1,3,4,5,6,7の溶接部)
21,41,71,85,95,105,115,135,145,165,195,225 複合板材
22,42,43,72,73,86,96,106,116,136,146,166,196,226 溶接金属部分片
22a,42a,43a,72a,73a,73b,86a,96a,106a、116a、146a、166a、196a、226a 端縁
23,44,74,75,87,97,107,117,118,137,147,167,197,227 金属部分片
23a,44a,74a,74b,75a,87a,97a,107a、117a、118a、137a、147a、167a、197a、227a 端縁
35,159,169,229 溶接部
133,183,210 ディスクフランジ部(溶接部)
157a,167a 表側ビードシート部(溶接部)
188 ドロップ部(溶接部)

Claims (7)

  1. タイヤを装着するホイールリムと、車軸に連結されるホイールディスクとが溶接されてなる自動車用ホイールにおいて、
    ホイールリムとホイールディスクの少なくとも一方は、他方と溶接する溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の金属部分片とが、その端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって面方向へ連接されてなる複合板材から成形されてなり、
    ホイールリムとホイールディスクとが、同一金属材料により成形された、相互に溶接される溶接部を夫々に備えていることを特徴とする自動車用ホイール。
  2. ホイールリムとホイールディスクの一方は、溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料とからなる他の金属部分片とが、摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材により成形されてなり、
    ホイールリムとホイールディスクの他方が、前記溶接金属部分片と同一金属材料のみにより成形されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
  3. ホイールリムとホイールディスクの両方は、溶接部が形成される溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の金属部分片とが、摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる夫々の複合板材により成形されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
  4. ホイールディスクは、アルミニウム合金からなる溶接金属部分片とスチールからなる金属部分片とが摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材から成形されてなり、
    ホイールリムは、前記ホイールディスクを成形する複合板材の溶接金属部分片と同一のアルミニウム合金のみにより成形されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用ホイール。
  5. ホイールリムは、スチールからなる溶接金属部分片とアルミニウム合金からなる金属部分片とが摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合されてなる複合板材から成形されてなり、
    ホイールディスクは、前記ホイールディスクを成形する複合板材の溶接金属部分片と同一のスチールのみにより成形されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用ホイール。
  6. ホイールディスクは、
    溶接部が形成される円環状の溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の円環状又は/及び円板状の金属部分片とを、同心状に径方向へ連続配列して、各周端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向へ連接してなる複合板材から成形されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ホイール。
  7. ホイールリムとホイールディスクとを溶接する溶接部を、ホイール周方向で間欠的に複数備えてなるものであって、
    ホイールリムは、
    溶接部が形成される矩形状の溶接金属部分片と、該溶接金属部分片の材料とは異なる金属材料からなる他の矩形状の金属部分片とが、前記溶接金属部分片が長手方向で所定間隔をおいて配設されるように一列状に連続配列して、その端縁相互を摩擦攪拌溶接により突き合わせ接合することによって、面方向へ連接されてなる長方形状の複合板材から成形されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ホイール。
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