JP2020110780A - インクジェット塗布方法及びインクジェット塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜パターンの膜厚が不均一になる問題を抑え、膜厚精度を向上させることができるインクジェット塗布方法及びインクジェット塗布装置を提供する。【解決手段】基材上の膜形成領域に液滴を吐出して膜パターンを形成するインクジェット塗布方法であって、前記膜形成領域に液滴を吐出して流動抑制膜を形成し、この流動抑制膜により前記膜形成領域よりも面積の小さい小区画領域を有する膜パターンを形成する小区画領域形成工程と、前記小区画領域を塗布液で埋める埋設膜を形成する埋設膜形成工程と、をこの順で有するように構成する。【選択図】図5
Description
本発明は、膜形成領域の端部で膜パターンの膜厚が不均一となる問題を抑えることができるインクジェット塗布方法及びインクジェット塗布装置に関するものである。
ガラスやフィルム等の基材上にインクジェット法により塗布材料である液滴(単に塗布液ともいう)を吐出し、線分、矩形状等、様々な形状の塗布膜(膜パターンという)を形成することが望まれている。例えば、プリント基板やパッケージ基板のような配線基板(基材)における配線パターン、パワー半導体の絶縁膜パターンは、インクジェット法を用いることにより、少ない工程で塗布材料を無駄にすることなく膜パターンを形成することが検討されている。
このインクジェット法による膜パターンを形成する場合には、基材上に膜パターンに応じた膜形成領域が設定されており、その膜形成領域に塗布材料である液滴を多数吐出することにより行われる。具体的には、図8(a)に示すように、吐出された液滴が基材W上の膜形成領域100から流れ出てしまうのを防止するために、膜形成領域100を縁取るように外縁膜101を形成する。そして、図8(b)に示すように、外縁膜101が形成された内側に液滴を吐出することにより膜形成領域100に、いわゆるベタ膜102を形成する(例えば下記特許文献1参照)。その後、膜硬化処理を行うことにより外縁膜101とベタ膜102とが一体化され膜パターン103が形成される。
ところが、上述のインクジェット塗布方法では、形成された膜パターン103が均一な膜厚に形成されないという問題があった。すなわち、膜形成領域100にベタ膜を形成し硬化させると、塗布完了時には膜厚が均一に保たれている膜パターン103が、図9に示すように、いわゆるコーヒーステインにより膜パターン103端部の膜厚が厚くなり、中央部分が薄くなるという現象が発生する。例えば図9の例では、中央部分が寸法hcの膜厚に対し、膜パターン103端部の膜厚は寸法sだけ厚くなり、膜パターン103全体の膜厚が不均一になる。近年では、パターンニング精度を向上させる目的で流動性の高い塗布液が使用される場合があり、コーヒーステインの影響は流動性の高い塗布液の方が顕著である。そのため、特に流動性の高い塗布液では、形成された膜パターン103の膜厚不均一性の問題がさらに顕著なるという問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、膜パターンの膜厚が不均一になる問題を抑え、膜厚精度を向上させることができるインクジェット塗布方法及びインクジェット塗布装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明のインクジェット塗布方法は、基材上の膜形成領域に液滴を吐出して膜パターンを形成するインクジェット塗布方法であって、前記膜形成領域に液滴を吐出して流動抑制膜を形成し、この流動抑制膜により前記膜形成領域よりも面積の小さい小区画領域を有する膜パターンを形成する小区画領域形成工程と、前記小区画領域を塗布液で埋める埋設膜を形成する埋設膜形成工程と、をこの順で有することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために本発明のインクジェット塗布装置は、基材を載置するステージと、前記ステージに載置された基材に対し相対的に移動しつつ、基材上の膜形成領域に液滴を吐出して膜パターンを形成する液滴ユニットと、前記ステージと前記液滴ユニットとを制御する制御装置と、を有するインクジェット塗布装置であって、前記制御装置は、前記膜形成領域に液滴を吐出して流動抑制膜を形成し、この流動抑制膜により前記膜形成領域よりも面積の小さい小区画領域を有する膜パターンを形成する小区画領域形成モードと、前記小区画領域を塗布液で埋める埋設膜を形成する埋設膜形成モードとを備えていることを特徴としている。
上記インクジェット塗布方法及びインクジェット塗布装置によれば、小区画領域形成工程において流動抑制膜により小区画領域を形成し、その後、埋設膜形成工程において小区画領域を埋めることにより埋設膜を形成するため、コーヒーステインの影響を抑えることができる。すなわち、流動抑制膜で形成された小区画領域を埋めるように塗布された塗布液は、塗布工程後の膜硬化工程では、先に形成された流動抑制膜により流動が抑制される。一方、流動抑制膜がない状態では、塗布された塗布液は、膜形成領域を自由に移動できるため、コーヒーステインの影響により膜形成領域の端部に集中することにより膜パターンの端部の膜厚が厚くなるが、小区画領域に塗布された塗布液は、膜形成領域を自由に移動できず、その移動が小区画領域内に制限される。すなわち、小区画領域に収容された塗布液は流動が規制されるため、膜形成領域上を自由に流動できる塗布液量が少なくなり、コーヒーステインの影響により端部の膜厚が厚くなる現象を抑えることができる。したがって、従来のように膜形成領域全体に膜パターンを形成する場合に比べてコーヒーステインの影響により端部の膜厚寸法を小さくすることができるため、小区画領域を含む膜形成領域に形成される埋設膜の膜厚の寸法差を抑えて、膜形成領域に形成させる膜パターンの膜厚精度を向上させることができる。
また、前記小区画領域形成工程の小区画領域は、前記膜形成領域に複数形成されている構成にしてもよい。
この構成によれば、小区画領域が1つの場合に比べて個々の小区画領域の面積を小さくすることができるため、小区画領域内の塗布液量が少なくなり、個々の小区画領域のコーヒーステインの影響をさらに小さくすることができる。
また、前記流動抑制膜は、格子状に形成されている構成にしてもよい。
この構成によれば、流動抑制膜が直線状に形成できるため、複数の小区画領域の形成を容易にすることができる。
また、前記埋設膜は、前記流動抑制膜の高さ寸法よりも高く形成され、前記埋設膜のうち、前記流動抑制膜の高さ寸法を超える部分の高さ寸法は、前記流動抑制膜の高さ寸法を超えない寸法に形成されている構成にしてもよい。
この構成によれば、コーヒーステインの影響により小区画領域で形成される小区画領域端部の膜厚が大きくなった場合でも、膜形成領域上に形成される膜パターンの膜厚を均一にすることができる。すなわち、小区画領域を埋めるように埋設膜を形成し、小区画領域端部の膜厚が大きくなる場合、さらに小区画領域を含む膜形成領域上に埋設膜を形成する。その際、流動抑制膜の高さ寸法を超える部分の埋設膜の高さ寸法は、流動抑制膜の高さ寸法を超えない寸法にすることにより、仮に、膜形成領域に流動抑制膜を形成することなく膜パターンを形成する場合に比べて、コーヒーステインの影響により端部の膜厚が厚くなる膜厚寸法よりも抑えることができるため、膜形成領域に形成される膜パターンの膜厚の不均一性を抑えることができ、膜厚精度を向上させることができる。
本発明によれば、膜パターンの膜厚が不均一になる問題を抑え、膜厚精度を向上させることができる。
本発明のインクジェット塗布装置に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、インクジェット塗布装置の一実施形態を示す側面図であり、図2は、インクジェット塗布装置の上面図である。
インクジェット塗布装置は、図1、図2に示すように、基材Wを載置するステージ10と、基材Wに液滴(塗布材料)を塗布する液滴ユニット2とを有しており、液滴ユニット2がステージ10に載置された基材W上を移動しつつ、液滴(塗布液とも言う)を吐出することにより、基材W上に塗布膜が形成される。
なお、以下の説明では、この液滴ユニット2が移動する方向をX軸方向(主走査方向)、これと水平面上で直交する方向をY軸方向(副走査方向、又は、幅方向)、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
インクジェット塗布装置は、基台1を有しており、この基台1上にステージ10、液滴ユニット2が設けられている。具体的には、基台1上にステージ10が設けられており、このステージ10をY軸方向に跨ぐように液滴ユニット2が設けられている。
ステージ10は、基材Wを載置するものであり、載置された基材Wが水平な姿勢を維持した状態で載置できるようになっている。具体的には、ステージ10の表面は、平坦に形成されており、その表面には、吸引孔が複数形成されている。この吸引孔には真空ポンプが接続されており、ステージ10の表面に基材Wを載置した状態で真空ポンプを作動させることにより、吸引孔に吸引力が発生し、基材Wが水平な姿勢でステージ10の表面に吸着保持できるようになっている。
また、液滴ユニット2は、基材W上に塗布材料である液滴を着弾させて塗布するものであり、塗布材料を吐出するインクジェットヘッド部21と、このインクジェットヘッド部21を支持するガントリ部22とを有している。
このガントリ部22は、ステージ10のY軸方向両外側に配置される脚部22aと、これらの脚部22aを連結しY軸方向に延びるビーム部材22bとを有する略門型形状に形成されている。そして、このビーム部材22bにインクジェットヘッド部21が取付けられており、ガントリ部22は、ステージ10をY軸方向に跨いだ状態でX軸方向に移動可能に取り付けられている。本実施形態では、基台1のY軸方向両端部分にはそれぞれX軸方向に延びるレール(不図示)が設置されており、脚部22aがこのレールにスライド自在に取り付けられている。そして、脚部22aにはリニアモータが取り付けられており、このリニアモータを駆動制御することにより、ガントリ部22がX軸方向に移動し、任意の位置で停止できるようになっている。
また、リニアモータには、エンコーダが設けられており、エンコーダからの周期的な駆動パルス信号により、インクジェットヘッド部21のX軸方向の位置を把握することができる。すなわち、エンコーダと後述の制御装置(コントローラ)とが接続されており、エンコーダからの駆動パルス信号を受信した制御装置により、インクジェットヘッド部21のX軸上の位置が検出されるようになっている。
また、ビーム部材22bは、両脚部22aを連結する柱状部材である。このビーム部材22bには、インクジェットヘッド部21が取付けられている。具体的には、ビーム部材22bのX軸方向一方側の側面に、インクジェットヘッド部21が取り付けられており、このインクジェットヘッド部21に設けられたノズル31aがステージ10の表面に向く姿勢で取付けられている。したがって、ガントリ部22がX軸方向に移動又は停止するにしたがって、インクジェットヘッド部21もそれに付随してX軸方向に移動又は停止を行うことができ、ガントリ部22の移動量を調節することにより、ステージ10の表面に載置された基材W上にインクジェットヘッド部21を位置させて基材W上に塗布材料ある液滴を吐出できるようになっている。
また、インクジェットヘッド部21は、複数のノズル31a,41aを一体化させたものである。本実施形態では、インクジェットヘッド部21は、複数のノズル31aを有する第1ノズルユニット30と、複数のノズル41aを有する第2ノズルユニット40とを有しており、第1ノズルユニット30と第2ノズルユニット40とがX軸方向に互いに隣接して配置された状態で固定されている。
このインクジェットヘッド部21は、ビーム部材22bに沿ってY軸方向に第1ノズルユニット30と第2ノズルユニット40とが一体となって移動できるように形成されている。具体的には、ビーム部22bにはY軸方向に延びるレール(不図示)が設けられており、このレールにインクジェットヘッド部21がスライド自在に取り付けられている。そして、リニアモータを駆動制御することにより任意の位置に移動、及び、停止できるようになっている。そして、インクジェットヘッド部21は、Y軸方向に微少移動できようになっており、基材Wに対してY軸方向の所定位置に塗布材料である液滴を精度よく着弾させることができる。すなわち、ビーム部材22bには、エンコーダが設けられており、このエンコーダからの位置情報により、インクジェットヘッド部21のY軸方向の位置を把握することができるようになっている。そして、エンコーダと後述の制御装置とが接続されており、エンコーダからの出力信号を受信した制御装置により、インクジェットヘッド部21のY軸上の位置が検出されるようになっている。したがって、インクジェットヘッド部21がY軸方向に移動することにより、インクジェットヘッド部21とステージ10とが相対的に移動し、ステージ10上の基材Wの所定位置に精度よく液滴を着弾させることができるようになっている。
第1ノズルユニット30は、図3に示すように、ノズル31aを有する複数のヘッドモジュール31を備えている。本実施形態では、複数のヘッドモジュール31がY軸方向(副走査方向)に沿って配列されており、塗布方向に対して直交する方向に配置されている。ヘッドモジュール31は、複数のノズル31aを有しており、ノズル31aが一方向に所定の配列ピッチで整列した状態で設けられている。
また、このノズル31aは、汎用性のあるノズルが使用されており、ヘッドモジュール31に駆動電圧が印加されると、各ノズル31aに共通の駆動電圧が印加され、各ノズル31aから所定の液量の液滴が吐出されるようになっている。
また、ヘッドモジュール31は、それぞれが互いに重複する部分を有するようにずらして配置されている。図3の例では、隣接するヘッドモジュール31がX軸方向に交互にずらして配置されている。すなわち、これらのヘッドモジュール31は、ノズル31aの配置間隔とヘッドモジュール31の両端部分とでは寸法が異なっているため、この両端部分の寸法分を相殺できるようにX軸方向にずらしつつY軸方向に配列される。すなわち、第1ノズルユニット30は、X軸方向に見て通常ノズル31aがY軸方向に等間隔で配置されており、第1ノズルユニット30全体としてX軸方向に見て、すべての通常ノズル31aがY軸方向に沿って一定の配列ピッチで配列され、X軸方向から見てY軸方向に亘って等間隔で配置されている。
なお、第2ノズルユニット40は、第1ノズルユニット30と同じ構成であるため、説明を省略する。
また、本実施形態では、第1ノズルユニット30は、後述の小区画領域αを形成する流動抑制膜5を形成するために用いられ、第2ノズルユニット40は、後述の埋設膜6を形成するために用いられ、それぞれ役割が分担される構成になっている。
また、本実施形態のインクジェット塗布装置には、装置全体を統括制御する制御装置(不図示)が設けられている。この制御装置は、上述した各種ユニットの駆動を制御して所定の塗布動作を行えるようになっており、本実施形態では、小区画領域形成モードと埋設膜形成モードの塗布動作を行えるように設定されている。
小区画領域形成モードは、基材W上の膜形成領域A(本実施形態では図4〜図6に示すように、説明上、基材Wと同じ大きさに設定されているが、基材W上に基材Wよりも面積の小さい膜形成領域Aが形成されているものでもよく、膜形成領域Aが複数設けられていてもよい。)に小区画領域αを形成するように設定された塗布動作モードである。小区画領域αは、膜形成領域Aよりも小さな面積で形成される領域であり、小区画領域α内の塗布液の流動を抑えるものである。小区画領域αは、小区画領域αの縁に相当する部分に線状の流動抑制膜5を形成することにより形成される。すなわち、小区画領域αは、流動抑制膜5により閉じられた領域として形成される。流動抑制膜5は、膜形成領域A上に形成される小区画領域αの縁に相当する部分に、第1ノズルユニット30のノズル31aから液滴を吐出させることにより形成される。図4の例では、ほぼ同じ高さ寸法h、ほぼ同じ線幅の流動抑制膜5が、小区画領域αの縁に相当する部分に格子状に形成されることにより、ほぼ同じ大きさの面積の9つの小区画領域αがマトリクス状に配置されて形成されている。そして、それぞれの小区画領域αに塗布液が吐出されると、それぞれの小区画領域αで塗布液の流動が小区画領域α内に制限される。
また、埋設膜形成モードは、先に形成された小区画領域αを埋める埋設膜6を形成するように設定された塗布動作モードである。埋設膜6は、形成された小区画領域αの領域内を塗布液で埋める膜であり、図5に示すように、小区画領域αを埋めることにより、膜形成領域A上に平坦な塗布膜を形成することができる。本実施形態では、第2ノズルユニット40のノズル41aから各小区画領域αに液滴が吐出されることにより埋設膜6が形成される。すなわち、小区画領域αを埋めるように吐出された塗布液により埋設膜6が形成されると、時間の経過とともに埋設膜6が先に形成された流動抑制膜5と一体化され、膜形成領域A上に一様で平坦な塗布膜を形成することができる(図5(b)参照)。
埋設膜6は、本実施形態では、図5に示すように、小区画領域α内と、この小区画領域αの高さ寸法(流動抑制膜5の高さ寸法h)を超えて形成される。具体的には、図5に示すように、第2ノズルユニット40のノズル41aから各小区画領域αに液滴が吐出されることにより、小区画領域α内に埋設膜6が形成された後、さらに塗布液が吐出されることにより、埋設膜6が小区画領域αの高さ寸法(流動抑制膜5の高さ寸法h)を超えて形成される。
この流動抑制膜5の高さ寸法hを超える部分の高さ寸法sは、前記流動抑制膜5の高さ寸法hを超えない寸法に形成されている。本実施形態では、流動抑制膜5の高さ寸法を超える部分の高さ寸法sは、流動抑制膜5の高さ寸法hの10%〜20%に設定されている。これにより、埋設膜6がコーヒーステインの影響により端部の膜厚が厚くなる現象を抑えることができる。すなわち、埋設膜6のうち、小区画領域α内に収容される埋設膜6は、流動抑制膜5によりその流動が制限されるため、仮に流動した場合でも小区画領域α内に制限される。一方、流動抑制膜5の高さ寸法hを超える部分の埋設膜6は、流動が制限されないものの、流動抑制膜5の高さ寸法hの10%〜20%に設定されているため、流動できる塗布液量が小区画領域αを形成しない場合に比べて少ない。すなわち、小区画領域αが形成されていない場合は、形成された塗布膜の塗布液が膜形成領域A全体を移動できるのに対して、本実施形態の埋設膜6の場合には、膜形成領域A全体を移動できる塗布液は、流動抑制膜5の高さ寸法hを超える部分の埋設膜6を形成する塗布液に制限されるため、コーヒーステインの影響を受けた場合でも、膜形成領域Aの端部に集中する塗布液量を少なくすることができる。したがって、コーヒーステイン現象により膜形成領域Aの端部に形成される膜厚の高さ寸法t1は、小区画領域αを形成せず直接塗布膜を形成した場合に膜形成領域Aの端部に形成される膜厚の高さ寸法に比べて小さくすることができ、塗布膜の膜厚均一性を向上させることができる。
また、埋設膜形成モードには、埋設膜6が流動抑制膜5の高さ寸法hを超えないように形成されるモードが含まれている。すなわち、図6に示すように、埋設膜6が小区画領域αに収まるように形成され、埋設膜6の表面高さが流動抑制膜5の表面高さとほぼ同じになるように形成される。このモードであっても、コーヒーステイン現象により端部の膜厚が厚くなる影響を抑えることができる。すなわち、埋設膜6を形成する小区画領域α内の塗布液は、流動抑制膜5により流動が抑制されるため、小区画領域αの端部には、小区画領域α内の塗布液に制限される。そのため、小区画領域αの端部に集中する塗布液量は、小区画領域αを形成しない膜形成領域A上に直接塗布膜を形成する場合に比べて少ない。したがって、小区画領域αの埋設膜6は、コーヒーステイン現象により端部の膜厚が厚くなった場合であっても(図6(b)におけるt2)、小区画領域αを形成しない場合に比べて端部の膜厚が厚くなる影響を抑えることができ、膜厚の不均一性を抑えることができる。なお、このモードは、使用する塗布液の粘度等により小区画領域αの端部における膜厚の寸法t2が許容できる場合に使用される。
なお、上述の小区画領域形成モードと埋設膜形成モードは、設定を変更することができ、制御装置と接続されたタッチパネルから、塗布液の種類、形成する塗布膜等の条件に応じて変更できるようになっている。
次に、本実施形態のインクジェット塗布装置の塗布動作について図7のフローチャートに基づいて説明する。
インクジェット塗布装置の塗布動作前に、塗布膜を形成する塗布液の種類(溶剤の有無、粘度等)、膜パターンの形状、膜厚等から、小区画領域α、埋設膜6等のレシピ設定を行う。具体的には、タッチパネルから各種条件に応じて膜パターンの製造レシピを設定登録する。制御装置は、登録されたレシピ情報にしたがって各種演算を行ってインクジェット塗布装置を稼働させる。すなわち、小区画領域αを形成する流動抑制膜5、及び、小区画領域αを埋める埋設膜6のマッピングデータや、吐出すべき塗布液量等がそれぞれ演算され記憶される。
まず、ステップS1により基材Wが搬入される(基材W搬入工程)。具体的には、ロボットハンド等の搬送装置により、基材Wがステージ10上に供給されると、基材Wが所定位置に位置決めされてステージ10上に吸着固定される。
次に、ステップS2により塗布工程が行われる。この塗布工程には、小区画領域形成工程と、埋設膜形成工程の2つの工程が含まれており、この順で処理が進められる。
まず、ステップS21により小区画形成工程が行われる。具体的には、予め演算した小区画形成領域のマッピングデータに基づいて、ガントリ部22をX軸方向に移動させつつ、同時にインクジェットヘッド部21をY軸方向に移動させつつ第1ノズルユニット30のノズル31aから液滴を吐出させる。そして、図4に示すように、基材W上に高さhの流動抑制膜5が格子状に形成される。
次に、ステップS22により埋設膜形成工程が行われる。具体的には、予め演算した埋設膜形成領域Aのマッピングデータに基づいて、ガントリ部22をX軸方向に移動させつつ、同時にインクジェットヘッド部21をY軸方向に移動させて第2ノズルユニット40のノズル41aから液滴を吐出させる。本実施形態では、小区画領域αの高さ寸法(流動抑制膜5の高さ寸法h)を超えて形成されるため、小区画領域α内に収容される塗布液量を超える塗布液量が吐出される。本実施形態では、流動抑制膜5の高さ寸法hの10%だけ小区画領域αの高さ寸法を超えて形成され、図5に示すように、膜形成領域A上に一様で平坦な埋設膜6が形成される。
次に、ステップS3により基材Wが搬出される。そして、次工程の乾燥、硬化工程に進み、膜形成領域A上に形成された膜パターンが乾燥、硬化される。この際、コーヒーステイン現象が発生するが、小区画領域α内の埋設膜6は、流動抑制膜5により流動が抑制されるため、実際に膜形成領域A全体に流動する塗布液は、小区画領域αを超えた部分の塗布液に制限され、コーヒーステイン現象の影響の少ない膜パターンを形成することができる。
このように、上記実施形態におけるインクジェット塗布方法及びインクジェット塗布装置によれば、小区画領域形成工程において流動抑制膜5により小区画領域αを形成し、その後、埋設膜形成工程において小区画領域αを埋めることにより埋設膜6を形成するため、コーヒーステインの影響を抑えることができる。すなわち、流動抑制膜5で形成された小区画領域αを埋めるように塗布された塗布液は、塗布工程後の膜硬化工程では、先に形成された流動抑制膜5により流動が抑制される。一方、流動抑制膜5がない状態では、塗布された塗布液は、膜形成領域Aを自由に移動できるため、コーヒーステインの影響により膜形成領域Aの端部に集中することにより膜パターンの端部の膜厚が厚くなるが、小区画領域αに塗布された塗布液は、膜形成領域Aを自由に移動できず、その移動が小区画領域α内に制限される。すなわち、小区画領域αに収容された塗布液は流動が規制されるため、膜形成領域A上を自由に流動できる塗布液量が少なくなり、コーヒーステインの影響により端部の膜厚が厚くなる現象を抑えることができる。したがって、従来のように膜形成領域A全体に膜パターンを形成する場合に比べてコーヒーステインの影響により端部の膜厚寸法を小さくすることができるため、小区画領域αを含む膜形成領域Aに形成される埋設膜6の膜厚の寸法差を抑えて、膜形成領域Aに形成させる膜パターンの膜厚精度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、埋設膜6が小区画領域αの高さ寸法を超えて形成される例について説明したが、埋設膜6が小区画領域α内に収まるように形成し、埋設膜6の高さ位置が小区画領域αの高さ位置とほぼ一致するように形成するものであってもよい。この場合でも、小区画領域α内の埋設膜6は、流動が流動抑制膜5に制限されるため、コーヒーステインの影響により小区画領域αの端部の膜厚が厚くなるのを抑えることができる。
また、上記実施形態では、流動抑制膜5を格子状に形成することにより小区画領域αが矩形の形状を有する場合について説明したが、小区画領域α内に塗布された塗布液の流動が抑えられるように閉じられた領域であれば形状は特に限定しない。例えば、小区画領域αが円径、楕円形、三角形で形成されたものであってもよい。なお、小区画領域αの形状によっては、膜形成領域Aの縁部分に流動抑制膜5が形成されない場合があるが、塗布液の粘性が低く流動が激しい場合には、膜形成領域Aの縁部分に小区画領域αとは別に塗布液の流出を防止する膜を形成するものであってもよい。
また、上記実施形態では、小区画領域αが複数形成される場合について説明したが、膜形成領域Aの大きさによっては、小区画領域αが1つだけ形成されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、小区画領域形成工程後に、埋設膜形成工程が行われる例について説明したが、小区画領域形成工程を実行中に埋設膜形成工程が開始されるものであってもよい。すなわち、図4(a)において、例えば小区画領域形成工程において、下側の1列目の小区画領域αが形成されると、埋設膜形成工程が開始され、先に完成した下側1列目の小区画領域αに塗布液を吐出して埋設膜6を形成し、次に下側から2列目の小区画領域αが形成されると、その小区画領域αに埋設膜6を形成するというように、小区画領域形成工程が完全に完了する前に埋設膜形成工程が開始されるように構成してもよい。この場合、上記実施形態では、第1ノズルユニット30と第2ノズルユニット40とが一体化されてY軸方向に移動する例について説明したが、それぞれ独立してY軸方向に移動するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、乾燥、硬化工程が塗布工程後に行われる場合について説明したが、塗布工程中に仮硬化工程を有するものであってもよい。例えば、塗布液がUV硬化型樹脂が使用されており粘度が低い場合、形成した流動抑制膜5が形状を維持できず流出してしまう場合がある。そのような場合には、流動抑制膜5を形成した直後にUV照射することにより流動抑制膜5の流出を抑える程度に仮硬化させて小区画領域αを形成し、その後、埋設膜形成工程を経て、その後に本硬化工程を施すものであってもよい。
2 液滴ユニット
5 流動抑制膜
6 埋設膜
10 ステージ
21 インクジェットヘッド部
30 第1ノズルユニット
40 第2ノズルユニット
A 膜形成領域
α 小区画領域
W 基材
5 流動抑制膜
6 埋設膜
10 ステージ
21 インクジェットヘッド部
30 第1ノズルユニット
40 第2ノズルユニット
A 膜形成領域
α 小区画領域
W 基材
Claims (5)
- 基材上の膜形成領域に液滴を吐出して膜パターンを形成するインクジェット塗布方法であって、
前記膜形成領域に液滴を吐出して流動抑制膜を形成し、この流動抑制膜により前記膜形成領域よりも面積の小さい小区画領域を有する膜パターンを形成する小区画領域形成工程と、
前記小区画領域を塗布液で埋める埋設膜を形成する埋設膜形成工程と、
をこの順で有することを特徴とするインクジェット塗布方法。 - 前記小区画領域形成工程の小区画領域は、前記膜形成領域に複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗布方法。
- 前記流動抑制膜は、格子状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット塗布方法。
- 前記埋設膜は、前記流動抑制膜の高さ寸法よりも高く形成され、前記埋設膜のうち、前記流動抑制膜の高さ寸法を超える部分の高さ寸法は、前記流動抑制膜の高さ寸法を超えない寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット塗布方法。
- 基材を載置するステージと、
前記ステージに載置された基材に対し相対的に移動しつつ、基材上の膜形成領域に液滴を吐出して膜パターンを形成する液滴ユニットと、
前記ステージと前記液滴ユニットとを制御する制御装置と、
を有するインクジェット塗布装置であって、
前記制御装置は、前記膜形成領域に液滴を吐出して流動抑制膜を形成し、この流動抑制膜により前記膜形成領域よりも面積の小さい小区画領域を有する膜パターンを形成する小区画領域形成モードと、前記小区画領域を塗布液で埋める埋設膜を形成する埋設膜形成モードとを備えていることを特徴とするインクジェット塗布装置。
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-
2019
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