JP2020108919A - 被加工物保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワークWを保持するに当たり、加工面を本体部に対し平行度を保ったまま、簡易に、且つ、高精度に保持して固定することが可能な被加工物保持装置を提供する。【解決手段】 被加工物保持装置100は、本体部100Aの第1の軸方向に延びるガイドレール220A,220Bに取り付けられた可動ブロック240,270と、これらブロックの間隔を調整する調整ネジ260,290と、第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延びるガイドレール320に取り付けられた可動ブロック340,370と、これらブロックの間隔を調整する調整ネジ360、390とよって構成される。可動ブロック240,270,340,370には対向する位置に挟持部241,271,341,371が設けられている。被加工物保持装置100は、4つの可動ブロックの挟持部241,271,341,371でワークWを4方向から(4面で)挟み込んで固定する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のブロックで被加工物を挟み込んで保持する被加工物保持装置に関する。
従来より、マシニング装置、自動工具交換装置(ATC)、NC工作機械、ワイヤカット放電加工機等によって被加工物(ワークW)に加工を施す際、この被加工物を当該装置内で保持するための各種の被加工物保持装置が知られてる。
上記列挙した各種の加工装置のうち、例えばマシニング装置内で被加工物(ワークW)を保持して固定する被加工物保持装置として、例えば、特許文献1、特許文献2に示す5軸加工用バイスが公知となっている。
特許文献1、特許文献2で開示されている被加工物保持装置(5軸加工用バイス)は、2つのブロックで被加工物(ワークW)を2方向から(2面で)挟み込んで保持し固定する構造であり、2つのブロックの少なくとも1つが可動ブロックとなっている。
マシニング装置用の被加工物保持装置として用いられている従来の5軸加工バイス10を図27(a)〜(c)に示す。
5軸加工用バイス10は、図27(a)に示すように、固定ブロック11と可動ブロック12を有し、調整つまみ13を図中矢印方向に回動することで固定ブロック11と可動ブロック12の間隔を狭めて、その挟持部(ジョー部)11A,12AでワークW(被加工物)の底面S1を下から支えながらこれに連なる2面(図では、S2、S4)を2方向から挟み込んで保持し固定する構造となっている(図27(b))。
なお、5軸加工用バイス10の挟持部(ジョー部)11A,12Aは、固定ブロック11と可動ブロック12の対向する面の上部に設けられた段差で構成され、段差の水平方向の面がワークWの底面(S1)を下から支える載置面、垂直方向の面がワークWの2つの面(S2、S4)を挟み込む挟持面となる。
この5軸加工用バイス(被加工物保持装置)10は、通常、表面粗さが未だ「粗」である被加工物(ワークW)に前処理(例えば、表面研磨)を行なう場合に用いられる。
前処理では、まず、被加工物(ワークW)の下面(図では、S1)を固定し、次いで、残りの5面(S2〜S6)に対する研磨処理が加工刃物20によって行われる(図27(c))。
日用雑貨等、高い精度が要求されない製品の金型の加工を行うに当たっては、5軸加工用バイス10で保持し固定したまま、前処理に引き続いて後処理(最終処理)を行って金型加工を完了することが可能である。
従来の5軸加工用バイス(被加工物保持装置)10では、固定ブロック11、可動ブロック12の挟持部を構成する段差部には、ワークWを2面から強固に挟み込むための十分な高さ(挟持面の高さ)が確保されている(5mm)。また、挟持部の載置面もワークWの底面(図では、S1)を載せるために十分な奥行き幅(5mm)となっている。
特許文献1には、回転操作部56を操作して可動ブロック4を締め付け移動させることにより、被加工物(ワークW)を固定ブロック部24と可動ブロック4とで挟持する構造が開示されている。
特許文献2には、ハンドル18の操作によって可動ジョー4,6のジョー本体24,26がワーク40の挟持爪36,38によって摘まんで固定できる構造が開示されている。
特開2003−300125号公報
特開2008−264983号公報
近年、マシニング装置、自動工具交換装置(ATC)、NC工作機械、ワイヤカット放電加工機等では、各種精密機械の金型等の製作に対応可能とするため、より高精細な加工処理を可能にする制御処理(例えば、マシニング装置の加工刃物の動作制御)が行われる。
マシニング装置で半導体デバイスや、自動車のコネクタ等の精密部品用の金型を高精細に加工するのであれば、マシニング装置側の加工刃物のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の移動量の制御を正確に行って製品の精度誤差を小さくする必要がある。
ところで、上記のような高精細な金型加工を行うには、その前提として、マシニング装置内の所定の位置に被加工物(例えば.直方体のワークW)を加工面(上面)の平行度を保ったまま、側面についてもX方向、Y方向の位置合わせも高精度として配置しなければならない。
これは、被加工物(ワークW)を当該マシニング装置内で所望の位置で平行度(被加工面のZ軸方向の精度)を高精度に保ったまま固定しなければ、マシニング装置側の加工刃物等の動作制御の精度をいくら向上させても、被加工物と装置側との間で相対的に位置ずれが生じてしまい、加工後の製品の寸法精度を高めることができないからである。
従来の精度の低い被加工物保持装置(5軸加工用バイス10等)を用いて、高精細なマシニング装置、自動工具交換装置(ATC)、NC工作機械、ワイヤカット放電加工機等による加工処理に用いる場合には、以下のような熟練工による更なる調整作業が必要になる。
従来の被加工物保持装置(5軸加工用バイス)を用いて高精細な加工を行う場合、まず、被加工物(直方体のワークW)の表面研磨をしておく必要がある(前処理)。これは被加工物(ワークW)を予め研磨しておかなければ被加工物保持装置(5軸加工用バイス)に搭載する際の平行度等を所望の範囲内(所望の精度)にすることができないからである。
よって、従来の5軸加工用バイス10をそのまま用いる場合には、まず、被加工物(表面が粗い直方体のワークW)を保持して固定し、ワークWを保持した5軸加工用バイス10をマシニング装置(図示省略)内に設置して、加工刃物20でワークWの5つの面(S2〜S6)の表面研磨を行う。
続いて、5つの面を研磨したワークWを5軸加工用バイス10から一旦外し、天地を逆さまにして再び5軸加工用バイス10に取り付け、この状態で、未処理の面(S1)の研磨を行う。この時点で、直方体ワークWの6面が所望の精度で研磨される(前処理)。
この前処理に続いて、直方体ワークWに高精細な後処理(最終処理)を行う場合、5軸加工用バイス10の設計上の加工面と、実際に固定された被加工物(ワークW)の上面(加工面)との平行度の誤差を所望の範囲内(所望の精度)に調整する必要がある。
この調整は、熟練工が被加工物(ワークW)の上面を工具で叩いて被加工物(ワークW)の平行度を微調整し、叩いた後の加工面の平行度の誤差が許容範囲内となっているかを測定し、この測定結果が許容範囲内になるまで、これらの作業を繰り返す。
この調整作業は緻密かつ繊細なもので、金型に要求される精度が高い程、熟練工といえども作業に長時間を要することになる。
また、この作業を一定時間内で行うことができる熟練工の数も限られるため、仮に、この作業を未熟な作業者に行わせると、平行度の調整等に更に長時間を要し、作業効率が更に悪化するという問題もある。
また、軸方向での加工が行われる細長の被加工物(ワーク)を固定/保持する加工用バイスとして、例えば、図28に示すような簡易な加工用バイス20が一般に用いられている。
この従来の加工用バイス20は、鍔部を有し、一部に切欠部21Aが形成された円柱状基体21と、その外周に嵌合される円筒部材22とで構成される(図28(a))。
円柱状基体21の切欠部21Aと円筒部材22の中空部22Aとで形成される空隙部20A(図28(b))に、被加工物(ワークW3)を挿入し、円筒部材22に設けられた孔22Bに固定ネジ23を螺合し、これを締め付けることでワークW3を固定する構造となっている(図28(c))。
被加工物(ワークW3)を固定した加工用バイス20は、マシニング装置等の内部に取り付けられて、被加工物(ワークW3)に対し加工処理が行われるが、このような構造の加工用バイスでは、円柱状基体21の切欠部21Aの2面と固定ネジ23の先端の1点で被加工物(ワークW3)を固定する構造であるため、固定が不安定となり、精密な加工には不向きである。
特に、縦長の被加工物(ワークW3)に対して軸方向(図中上下方向)の加工を行う際には、軸方向左右にぶれやすく、この加工用バイス20を用いた加工では、精度が著しく低下する。このずれは、被加工物が軸方向に長い程、顕著となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、被加工物(ワーク)を被加工物保持装置によって保持し固定するに当たって、熟練者によらずとも、当該被加工物の加工面(上面)を所望の平行度を保ったまま保持し、かつ、被加工物の側面の位置ずれも所望の誤差範囲内に納める作業を、簡単、かつ、効率よく達成でき、もって被加工物保持装置を用いた金型の加工処理等の効率を高め、製品の製作にかかる期間を大幅に短縮するができる被加工物保持装置を提供することを目的とする。
また、被加工物に対して軸方向の加工を行う際に、被加工物が軸方向にぶれることなく、高い精度での加工を可能にする被加工物保持装置を提供することを目的とする。
本願の第1の発明に係る被加工物保持装置は、本体部と、該本体部の上面で第1の軸方向に延設された第1のガイドレールと、前記本体部の上面で前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延設された第2のガイドレールと、前記第1のガイドレールに取り付けられた2つのブロックからなる第1のブロック部と、前記第2のガイドレールに取り付けられた2つのブロックからなる第2のブロック部とからなり、前記第1のブロック部の少なくとも1のブロックが、前記第1のガイドレール上を滑動自在な可動ブロックで構成され、前記第2のブロック部の少なくとも1のブロックが、前記第2のガイドレール上を滑動自在な可動ブロックで構成され、前記第1のブロック部に、2つのブロックの間隔を調整する第1の調整手段が、前記第2のブロック部に、2つのブロックの間隔を調整する第2の調整手段が備えられると共に、前記第1のブロック部の前記2つのブロックの対向する位置に被加工物を前記第1の軸方向から挟持するための第1の挟持手段が、前記第2のブロック部の前記2つのブロックの対向する位置に前記被加工物を前記第2の軸方向から挟持するための第2の挟持手段が設けられている。
本願の第2の発明に係る被加工物保持装置は、本体部が、前記第1のガイドレールが設けられた第1の台座部を有するベース部と、前記第2のガイドレールが設けられた第2の台座部を有するカートリッジ部とからなり、前記ベース部に前記カートリッジ部を収容するための凹部が設けられ、該凹部は、前記カートリッジ部が前記凹部に収容された位置において、前記カートリッジ部の第2の台座部の上面と前記ベース部の第1の台座部の上面とが同一平面、又は、前記カートリッジ部の第2のガイドレールの上面と前記ベース部の第1のガイドレールの上面とが同一平面、の少なくともいずれかとなるように構成されている。
本願の第3の発明に係る被加工物保持装置では、前記凹部は、前記ベース部の第1の台座部及び前記第1のガイドレールが略中央の位置で2つに分割されて構成されている。
本願の第4の発明に係る被加工物保持装置では、前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部の各2つのブロックに形成された前記第1の挟持手段及び前記第2の挟持手段が、共に、被加工物の底部を載置する載置面と、被加工物の底部を第1、第2の軸方向から挟み込む挟持面とを有し、このうち少なくとも前記載置面が鏡面仕上げされている。
本願の第5の発明に係る被加工物保持装置は、前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部の、各2つのブロックの対向する位置にロウ付けされた超硬合金が設けられ、該超硬合金に前記載置面と前記挟持面が刻設されている。
本願の第6の発明に係る被加工物保持装置では、前記第1のガイドレールが前記ベース部の前記第1の台座部の上面で第1の軸方向に延びる断面凸状の段差部で構成され、前記第2のガイドレールが前記カートリッジ部の前記第2の台座部の上面で第2の軸方向に延びる断面凸状の段差部で構成され、前記可動ブロックに、これら断面凸状の段差部と嵌合される凹部が形成され、前記第1のガイドレールの前記断面凸状の段差部が第1の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、前記第2のガイドレールの前記断面凸状の段差部が前記第2の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、前記ブロック部の前記凹部が、前記断面凸状の段差部の2側面と対向する2側面が下方に向かって互いに狭まるように形成されている。
本願の第7の発明に係る被加工物保持装置では、前記本体部側に雌ネジ部を有する挿通孔が形成され、前記可動ブロックの中央より上の部分に取付孔が形成され、前記第1の調整手段及び前記第2の調整手段が、前記挿通孔の雌ネジ部と螺合し、先端が前記可動ブロックの取付孔に回動自在に取り付けられた調整ネジで構成されている。
本願の第8の発明に係る被加工物保持装置は、本体部と、該本体部の上面で第1の軸方向に延設された第1のガイドレールと、前記本体部の上面で前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延設された第2のガイドレールと、前記第1のガイドレールに摺動自在に取り付けられ、前記第1の軸方向と垂直の第1の挟持面を有する第1のブロックと、前記第2のガイドレールに摺動自在に取り付けられ、前記第2の軸方向と垂直の第2の挟持面を有する第2のブロックと、前記第1のブロックに取り付けられ、該第1のブロックの前記第1のガイドレール上での移動位置を調整する第1の調整手段と、前記第2のブロックに取り付けられ、該第2のブロックの前記第2のガイドレール上での移動位置を調整する第2の調整手段とからなり、前記第1のガイドレールには、前記第2の軸方向と垂直の第1の摺動面が形成され、前記第2のガイドレールには、前記第1の軸方向と垂直の第2の摺動面が形成され、前記第2のガイドレールの前記第2の摺動面と、該第2の摺動面と対向する前記第1のブロックの前記1の挟持面とで被加工物を挟持する第1の挟持手段が構成され、前記第1のガイドレールの前記第1の摺動面と、該第1の摺動面と対向する前記第2のブロックの前記第2の挟持面とで被加工物を挟持する第2の挟持手段が構成されている。
本願の第9の発明に係る被加工物保持装置では、前記本体部が、ベース部と、該ベース部に固定され、前記第1の軸方向に延びる第1の内壁面と前記第2の軸方向に延びる第2の内壁面とを有する取付部とを有し、前記第1のガイドレールは前記第1の内壁面に前記第1の軸方向に延びるように形成された断面凸状の段差部で構成され、前記第2のガイドレールは前記第2の内壁面に前記第2の軸方向に延びるように形成された断面凸状の段差部で構成され、前記第1のブロックには、前記第1のガイドレールを構成する前記断面凸状の段差部と嵌合される凹部が形成され、前記第2のブロックには、前記第2のガイドレールを構成する前記断面凸状の段差部と嵌合される凹部が形成され、前記第1のガイドレールの前記断面凸状の段差部は、前記第1の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、前記第2のガイドレールの前記断面凸状の段差部は、前記第2の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、前記第1のブロックの凹部は、前記第1のガイドレールの前記断面凸状の段差部の前記2側面と嵌合時に対向する2側面が下方に向かって互いに狭まるように形成され、前記第2のブロックの凹部は、前記第2のガイドレールの前記断面凸状の段差部の前記2側面と嵌合時に対向する2側面が下方に向かって互いに狭まるように形成されている。
本願の第10の発明に係る被加工物保持装置では、前記第1のブロックが、前記第1のガイドレールに着脱自在に、前記第2のブロックは前記第2のガイドレールに着脱自在に取り付けられている。
本願の第1の発明によれば、例えば、被加工物保持装置によって直方体の被加工物を保持して固定する場合、被加工物の底面に連なる4つの側面を第1の軸方向から第1のブロック部、第2の軸方向から第2のブロック部によって挟み込むことができるため、被加工物の加工面(上面)の平行度を所望の範囲(所望の精度)に保ったまま、かつ、直方体の側面を第1の方向、第2の方向に対して平行を保ったまま、容易に保持し固定できる。
また、本願の第1の発明の被加工物保持装置を用いれば、加工装置内で被加工物を精度良く保持し固定する作業は、熟練者によらずとも簡単に行うことができるため、未熟な作業者が作業しても、被加工物を加工装置内に所望の誤差範囲内で短期間で配置でき、よって精密部品の金型加工等の作業効率が高められ、製品の製作にかかる期間を大幅に短縮するができる。
本願の第2の発明によれば、被加工物保持装置の本体部をベース部とカートリッジ部とで構成し、被加工物を第1の軸方向で挟み込む2つの挟持部をベース部側に、第2の軸方向から挟み込む2つの挟持部をカートリッジ部に設けているので、カートリッジ部をベース部側の凹部に組み込むだけで、被加工物を同一平面上の4方向から(4面で)挟み込むことができる。
また、ベース部及びカートリッジ部は、構造が単純であることから、これらベース部及びカートリッジ部を寸法誤差を極めて小さくして高精度に製造することができる。よって、これらを組み合わせた被加工物保持装置は全体として複雑な構造でありながら、寸法誤差を極めて小さくして高精度に製造することができる。
本願の第3の発明によれば、前記ベース部の第1の台座部及び前記第1のガイドレールを略中央の位置で2つに分割するだけで、カートリッジ部を本体部に取り付けるための凹部を容易に、かつ、精度良く形成することができる。
本願の第4の発明によれば、被加工物保持装置の挟持部を構成する載置面が鏡面仕上げされているので、被加工物を4つのブロックの載置面に載せた段階では、被加工物は載置面上で円滑に動くことが可能になる。その後の4つの挟持面による挟み込みが始まったとき、被加工物は載置面上を滑るので、挟持面によって側面も所望の位置に合わされ、被加工物の平行度を保ったまま、かつ、被加工物の側面も所望の位置でこれを保持し固定することができる。
特に被加工物が直方体であった場合、被加工物の側面が挟持部の挟持面と接合するので、直方体の被加工物の側面が第1の軸、第2の軸と平行を保った状態で保持されて固定することができる。
本願の第5の発明によれば、挟持部がブロック部にロウ付けされた超硬合金に刻設されるため、挟持部の強度が増し、耐久性に優れた被加工物保持装置が提供される。
本願の第6の発明によれば、第1、第2のガイドレールに沿って第1、第2のブロック部の可動ブロックが移動して被加工物(ワークW)が強固に挟み込まれた場合でも、可動ブロックが第1、第2のガイドレールから浮き上がることもなく、4つのブロックによる被加工物の挟み込みを、精度良く、かつ、強固に行うことができる。
本願の第7の発明によれば、第1、第2のガイドレール上での可動ブロックの移動位置を調整する手段を極めて簡単な構造で実現することができる。特に、調整ネジが回動されたとき、下方の凹部がガイドレールの凸部と嵌合する前記可動ブロックは、調整ネジにより該可動ブロックの中央より上の部分を押すことになり、被加工物を精度良く、強固に保持することができる。
また、構成が単純であることから可動ブロックの移動位置を高い精度で調整可能となる。
本願の第8の発明によれば、被加工物を挟持する第1の挟持手段が、第2のガイドレールの第2の摺動面と、該第2の摺動面と対向する前記第1のブロックの第1の挟持面で構成され、被加工物を挟持する第2の挟持手段が、前記第1のガイドレールの第1の摺動面と、該第1の摺動面と対向する前記第2のブロックの第2の挟持面とで構成されるので、被加工物保持装置の構造が簡素になり、部品点数も少なくて済み、小型化も可能で製造コストの低減も図ることができる。また、構造が簡素であるため、耐久性に優れ、故障等を回避できる。また、構造が簡素である分、被加工物を挟持する際の力を挟持面に集中できるため保持力を高めることができ、この被加工物保持装置を用いた加工作業において、被加工物が確実に固定されるため、加工精度を一層高めることができる。
本願の第9の発明によれば、第1、第2のガイドレールに沿って第1、第2のブロックが移動して被加工物(ワークW)を強固に挟み込んだ場合でも、第1、第2のブロックが第1、第2のガイドレールから浮き上がることもなく、被加工物の挟み込みを精度良く、かつ、強固に行うことができる。
本願の第10の発明によれば、被加工物保持装置で固定する被加工物(ワーク)の形状に合わせて、第1のガイドレール、第2のガイドレールに取り付けるブロックの大きさを適宜選択することで、各種断面形状の被加工物(ワーク)に対応可能となり、かつ、該被加工物の固定作業を簡便に行うことができる。
以下、本発明の第1の実施の形態について図1〜図21を参照して説明する。
この第1の実施の形態の被加工物保持装置100は、例えば、マシニング装置に設置可能な5軸加工用バイスとして用いることができる。
図1は、被加工物保持装置100を示す斜視図である。被加工物保持装置100の本体部100Aは、ベース部200とカートリッジ部300とによって構成される。
このうちカートリッジ部300は、図2に示すように、ベース部200の取付凹部210に嵌め込まれ、固定ボルト101,101,…で固定される。このとき固定ボルト101,101,…は、ベース部200の貫通孔201,201…を介してカートリッジ部300側の固定孔301,301…の雌ネジ(図示省略)と螺合する。
ベース部200の上面には、図1、図2に示すように、台座(第1の台座部)230が取付凹部210を挟んで2つに分割して設けられている(230A,230B)。2つに分割された台座230A,230Bの上面には、各々、第1の軸方向に延びるガイドレール(第1のガイドレール)220が2つに分割して設けられている(ガイドレール220A,220B)。
一方、カートリッジ部300の台座(第2の台座部)330の上面には、第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延びるガイドレール(第2のガイドレール)320が設けられている。
ベース部200の2つに分割されたガイドレール220(220A,220B)には、ガイドレール220A側に可動ブロック240が、ガイドレール220B側に可動ブロック270が、それぞれ滑動自在に取り付けられている(図3参照)。
また、カートリッジ部300の台座330上のガイドレール320には、一対の可動ブロック340,370が滑動自在に取り付けられている(後述の図9参照)。
図1、図2に示すように、カートリッジ部300のガイドレール320は、カートリッジ部300が取付凹部210に組み込まれた状態では、その軸方向(第2の軸方向)が、ベース部200側のガイドレール220の軸方向(第1の軸方向)と直交する。
ベース部200側の可動ブロック240,270は、調整ネジ260,290を回動することによって、ガイドレール220A,220B上での位置が調整可能となっている。
また、カートリッジ部300の可動ブロック340,370は、調整ネジ360,390を回動することによって、ガイドレール320上での位置が調整可能となっている。
ベース部200の可動ブロック240,270の互いに対向する面の上部には、図1、図2に示すように、挟持部241,271が設けられている。
また、カートリッジ部300の可動ブロック340,370の互いに対向する面の上部には、挟持部341,371が設けられている。
このように被加工物保持装置100では本体部100Aが、ベース部200とカートリッジ部300とに分けられ、カートリッジ部300をベース部200側の取付凹部210に嵌合することで1つの本体部100Aを構成している。これによりワークWを4つの可動ブロック240,270,340,370で4方向から(第1の軸方向から2面、第2の軸方向から2面の合わせて、4面で)挟み込む構造となっている。
上記した取付凹部210は、カートリッジ部300がこの取付凹部210に収容されてベース部200に取り付けられたとき、収容されたカートリッジ部300の第2の台座部330の上面とベース部200の第1の台座部230の上面とが同一平面となるように形成されている。このとき、収容されたカートリッジ部300の第2のガイドレール300の上面とベース部200の第1のガイドレール220の上面も同一平面となる。
なお、取付凹部210は、収容されたカートリッジ部300の第2の台座部330の上面とベース部200の第1の台座部230の上面だけが同一平面となるようにしてもよいし、収容されたカートリッジ部300の第2のガイドレール320の上面とベース部200の第1のガイドレール220の上面だけが同一平面となるようにしてもよい。
ここで、図3〜図8を用いてベース部200の具体的な構造を説明する。
ベース部200では、前述したように、台座(第1の台座部)230が2つに分けられ(台座230A,230B)、これら2つに分けられた台座230A,230Bの、各々に、ガイドレール(第1のガイドレール)220が2つに分割されて形成されている(ガイドレール220A,220B)。
ここでガイドレール220A,220Bは、図3(a)に示すように、第1の軸方向に延びる断面凸状の段差部で構成されている。また、可動ブロック240,270には、この断面凸状の段差部と嵌合する凹部243,273が形成されている。
ガイドレール220Aの段差部の断面形状及び可動ブロック240に形成された凹部の断面形状は、図3(b)に示すようになっている。なお、ガイドレール220B及び可動ブロック270の断面形状は、ガイドレール220A及び可動ブロック240の断面形状と同一であるため、その説明は省略する。
ガイドレール220Aの凸状の段差部は、第1の軸方向に伸びる2つの側面223A,223Aが下方(図中、下側)に向かって互いに狭まように形成されている(楔形)。
一方、可動ブロック240の凹部243は、側面223A,223Aと対向する2つの内壁面243A,243Aが下方に向かって互いに狭まるように形成されている。
このようにガイドレール220Aの断面形状(凸状)を楔形とすることで、可動ブロック240,270がガイドレール220A,220B上を滑動し、ワークWを締め付ける際に、可動ブロック240,270が締め付けの力でガイドレールから浮き上がることがないので、ワークWを精度良く、強固に固定することができる。
このベース部200を組み立てる際には、図3(a)に示すように、ガイドレール220A,220Bに可動ブロック240,270が滑動自在に嵌合され、この状態で台座230Aの切欠部232に案内ブロック250が固定ボルト255で固定され、台座230Bの切欠部232に案内ブロック280が固定ボルト285で固定される(図4、図5)。
固定ボルト255,285は、案内ブロック250,280の挿通孔256、286を貫通した後、台座230A,230B側の取付孔(図5の取付孔233)内の雌ネジ234に螺合される。この結果、案内ブロック250,280は台座230A,230Bに精度良く固定される。
ここで被加工物保持装置100の調整機構(調整手段)のうちベース部200側に設けられた調整ネジ260,290について、図6、図7を用いて説明する。なお、被加工物保持装置100の4つの調整機構は全て同じ構造であるから、ここでは可動ブロック240,270の調整機構について説明し、後述のカートリッジ部300側の調整機構についての説明は省略する。
可動ブロック240,270の移動位置を調整する調整機構は調整ネジ260,290で構成されている。
この調整ネジ290は、図6、図7に示すように、ベース部200に固定された案内ブロック250,280の上部に形成された挿通孔251,281の雌ネジ部252,282と螺合する。
調整ネジ260,290の先端部には、該調整ネジ260,290を可動ブロック240,270の取付孔(図7には、取付孔275おみ図示)内で回動自在のまま固定するための括れ部262,292が形成されている。
図7に示すように、可動ブロック(可動ブロック270のみ図示)には、その中央より上の部分に取付孔275が設けられ、その近傍にピン孔278,278が設けられている。これら取付孔275と2つのピン孔278,278は内部で連通している。
ピン孔278,278に固定ピン277,277を挿入すると、取付孔275に挿入された調整ネジ290は、その括れ部292が固定ピン277,277によって係止され、調整ネジ290が可動ブロック260から脱落しないようになる。
この結果、調整ネジ260,290を、図8中、矢印方向に回動させると、調整ネジ260,290は、ベース部200に固定された案内ブロック250,280に対して相対的に移動し、結果、可動ブロック240,270が第1の軸方向に沿ってガイドレール220上を移動する。
次に、図9〜図12を用いてカートリッジ部300の構造について説明する。
カートリッジ部300の台座(第2の台座部)330の上面に設けられたガイドレール(第2のガイドレール)320も、ガイドレール220(220A,220B)と同様、その軸方向に延びる断面凸状の段差部で構成される。このガイドレール320と嵌合する可動ブロック340,370側には、凹部が形成されている。
ガイドレール320も、前述したベース部200のガイドレール220A,220Bと同様、断面凸状の段差部の2つの側面が下方に向かって狭まように形成されている(楔形)。また、可動ブロック340,370の凹部は、ガイドレール320の断面凸状の段差部に対応して2つの側面が下方に向かって狭められている。
このようにガイドレール320の断面形状(凸状)も楔形となっているので、可動ブロック340,370がガイドレール320上を滑動する際、ぶれたり浮き上がったりせずに精度良く移動する。この結果、可動ブロック340、370は、ワークWを強固にかつ精度良く挟み込むことができる。
このカートリッジ部300を組み立てるに当たっては、台座330上面のガイドレール320に可動ブロック340,370が嵌合された状態で、カートリッジ部300の台座330の両端に形成された切欠部332,332に案内ブロック350,380が嵌め込まれ、この状態で案内ブロック350,380がカートリッジ部300の台座部330に固定ボルト356,386によって固定される(図10)。
調整ネジ360,390は、図11に示すように、案内ブロック350,380に形成された雌ネジ部352,382と螺合する。また、調整ネジ360,390の先端部にも、調整ネジ360,390を可動ブロック340,370に回動自在に取付けるための括れ部が形成され、ベース部200側と同様、固定ピン347,347,377,377に係止されて、調整ネジ360,390が可動ブロック340,370から離脱しないようになっている。
これにより調整ネジ360,390の先端が可動ブロック340,370の取付孔に挿入されたまま、この調整ネジ360,390が可動ブロック340,370に回動自在に取り付けられる。
カートリッジ部300では、調整ネジ360,390を、図12中、矢印方向に回動することで、可動ブロック340,370を、第2の軸方向に沿って互いに近づくよう移動させることができる。
このときガイドレール320の断面が楔形になっているため、可動ブロック340,370がガイドレール320上を滑動する際の浮き上がり等が防止できる。
次に、可動ブロック240,270,340,370に設けられた挟持部(挟持手段)241,271,341,371について、図13を用いて説明する。なお、ここでは可動ブロック240の挟持部241について説明するが、他の可動ブロック270,340,370に設けられた挟持部の構造も挟持部241と同一であるため、その説明は省略する。
可動ブロック240の挟持部241は、ワークW(被加工物)を挟んで固定するためのもので、可動ブロック270と対向する面の上部に形成された段差によって構成されている。
可動ブロック240は、調整ネジ260が回動されたときに可動ブロック270との間隔が狭められ、挟持部241が可動ブロック270側の挟持部271と協働して、ワークWを第1の軸方向に対して垂直となる2面で(2方向から)挟み込む。
なお、カートリッジ部300側でも、可動ブロック340,370の挟持部341,371が協働してワークWを第2の軸方向に対して垂直な2面で(2方向から)挟み込んで固定するため、被加工物保持装置100全体としては、ワークW(直方体のワーク)を4方向から(4面で)挟み込むことになる。
挟持部241では、図13に示すように、段差の垂直方向の面(側面)242Aが挟持面、水平方向の面(底面)242Bが載置面となる。なお、挟持面242Aは第1の軸方向に対して垂直に交わる面である。
載置面242Bは、ワークW(被加工物)を底面から支える面であり、ワークWが載せられとき、僅かな力がかかっても、ワークWが載置面242B上を滑動するよう滑らかに仕上げられている(鏡面仕上げ;例えば、ブロックゲージA級以上に平坦化)。また、この載置面242Bは、他の3つの可動ブロックの載置面(図示省略)と高精度で同一平面となっている。
載置面242Bの表面を滑らか(鏡面仕上げ;ブロックゲージA級以上に平坦化)にするのは、被加工物保持装置100でワークWを強固に固定すべく挟持部241,271、341、371で挟み込む際に、ワークWが4つの載置面上を自由に滑べることを可能にしておくためで、これにより挟持面242Aによる挟み込みが円滑に行われる。
挟持面242Aは、他の可動ブロック270,340,370の挟持面272A,342A,372Aと協働して、4つのブロックの載置面上に載置されたワークW(好ましくは、直方体のワーク)を4方向から(4面で)挟み込むもので、ワークWが、鏡面仕上げ(例えば、ブロックゲージA級以上に平坦化)された4つの載置面(図13で載置面242Bのみ図示)上で滑るようになっているので、ワークWは、この挟持面242A,272A,342A,372Aに挟み込まれて、被加工物保持装置100の所定の位置(図14のXで示す平面上)に固定される。
このときワークW(直方体のワーク)は、その2つの側面が第1の軸方向、他の2つの側面が第2の軸方向と平行を保ったまま、被加工物保持装置100で保持されたまま固定される。
被加工物保持装置100では、載置面は、ワークWを下方から支える働きを有するので、載置面(載置面242Bのみ図示)の奥行き(第1の軸方向の幅)は、挟持面242A,272A,342A,372Aの高さ(例えば、2mm)よりも十分に大きくなっている(例えば、5mm)。
一方、挟持面242A,272A,342A,372Aは、ワークWの4つの側面を挟み込んで固定するもので必要最小限の高さとなっている(例えば、2mm)。
これは被加工物保持装置100では、ワークWの4つの側面(S2〜S5)を4方向から(4面で)挟み込んで固定するものの、これら4面(S2〜S5)に対しても、マシニング装置の加工刃物(図27(c)参照)による加工処理等が行われるためで、これにより加工可能な面積が最大限に確保される。
次に、被加工物保持装置100に直方体のワークW(表面が前処理によって鏡面仕上げされたいる場合、例えば、ブロックゲージA級以上に平坦化)を固定する手順について、図14〜図16を用いて説明する。
ワークWを載置する前に、調整ネジ260,290,360,390を回動して、可動ブロック240,270,340,370を互いに寄せておく。
可動ブロック240,270,340,370の4つの載置面(載置面242Bのみ図示)にワークW(図示例では、直方体のワークW)を載せると、その底面S1が4つの挟持部の載置面で支えられるので、この時点で高い平行度が保たれる。
これは載置面が、設計上の加工面(図14中「X」で示す平面)と一致するように互いの平行度が所望の範囲内に精度良く形成されているからである。
ワークWの下面S1を載置面(載置面242Bのみ図示)で下方から支えた状態で、図15に示すように、カートリッジ部300側の調整ネジ360,390を回動すると、可動ブロック340,370の挟持面342A,372Aが第2の軸方向に沿って2方向から(2面で)ワークWを挟み込む。
次いで、ベース部200側の調整ネジ260,290を図16中矢印で示す方向に回動すると、可動ブロック240,270の挟持面242A,272Aが第1の軸方向に沿って2方向から(2面で)ワークWを挟み込む。
これら調整ネジ260,290,360,390の回動操作を交互に繰り返して、最終的に被加工物保持装置100でワークWを、平行度を保ったまま強固に固定する。
ワークWを固定する際に、4本の調整ネジ260,290,360,390を、少しずつ順次回動すると、直方体のワークWは、4つの側面(図14のS2〜S5)のうち2つの側面(S2、S3)が第1の軸方向と平行となるように、他の2つの側面(S4、S5)が第2の軸方向と平行となるように4つの挟持部241、271、341,371の4つの載置面の上で滑動し、側面の位置が調整される。
調整ネジ260,290,360,390の回動によってワークWの4つの側面のずれが徐々に調整され(図中矢印で示す)、締め付けが完了したときには、ワークWの2つの側面(S2、S3)が第1の軸方向と平行、他の2つの側面(S4、S5)が第2の軸方向と平行となる(図17(b))。
このように調整ネジ260,290,360,390を、少しずつ順次回動することで、ワークWは、挟持面242A,272A,342A,372Aによって4方向から(4面で)、徐々に締め上げられ、最終的には、ワークWはその底面(S1)が4つの載置面によって平行度を保ったまま、その側面S2〜S5が挟持面242A,272A,342A,372Aの形状に合わせて挟み込まれる。このときワークWの上面(S6)は、被加工物保持装置100の設計上の平面(図14の「X」)と所望の平行度を保ったままで、かつ、その2つの側面(S2、S3)が第1の軸方向、他の2つの側面(S4、S5)が第2の軸方向と平行を保ったまま、精度良く固定されることになる。
この被加工物保持装置100では、挟持面242A,272A,342A,372Aによって4方向から(4面で)固定されるため掴み代を小さくしても(2mm程度)ワークWを強固に挟み込んで固定することができる。
掴み代を小さくすることで、ワークWの側面(図14のS2〜S5)での加工可能な面積を広く確保することができる。
なお、可動ブロック240,270,340,370に設けられた挟持部は、その耐久性を高めるため、可動ブロック240,270,340,370自体の素材(特殊鋼)よりも硬い素材(例えば、超硬合金)とすることができる。
図18には、超硬合金805を可動ブロック840に組み込んで、これに挟持部を形成する例を示す。
この可動ブロック840では、他方の可動ブロックと対向する位置に予め取付用凹部845を形成し、この取付用凹部845に超硬合金805がロウ付けされる。
取付用凹部845は、高さが可動ブロック840の半分程度で、底面側の奥行きが可動ブロック840の奥行き(L)の半分程度(L/2)、上面側の奥行きが4分の1程度(L/4)となっている。これにより超硬合金805が可動ブロック840から脱落し難い形状となる。
可動ブロック840にロウ付けされた超硬合金805には、上部の角に高さ2mm、奥行き5mmの段差が刻設される。
この段差により高さが2mmの挟持面542Aと、幅(奥行き)が5mmの載置面842Bが形成される。
超硬合金805部分に段差を刻設するに当たっては、少なくとも載置面842Bは、これに載置されるワークWが滑るように鏡面仕上げされる(ブロックゲージA級以上に平坦化)。
このように可動ブロック840にロウ付けされた超硬合金805に段差を刻設して挟持部とすることで、被加工物保持装置100の挟持部の耐久性を向上させることができる。
図19は、被加工物保持装置100を構成するベース部200を単体で用いて、2方向からの(2面での)挟み込みでワークW’を保持する状態を示す図である。
また、図20は、カートリッジ部300を単体で用いて、2方向からの(2面での)挟み込みでワークWを保持する状態を示す図である。
被加工物保持装置100では、カートリッジ部300をベース部200の取付凹部210に組み込んで固定ボルト101で強固に、且つ、精密に固定して被加工物保持装置100としているが、その着脱が簡単であるため、ベース部200とカートリッジ部300を分離して、図19、図20に示すように、各々、単体で使用することが可能となる。
特に、ベース部200を単体で使用する場合、台座230A,230Bの間に凹部(取付凹部210)が設けられているため、ワークW’のように底面に凸部があっても該凸部をこの凹部内に納めたまま保持することができる。
なお、上記した実施の形態では、挟持部241,271,341,371の載置面(載置面242Bのみ図示)を鏡面仕上げする例を示したが、被加工物保持装置100のベース部200の表面、カートリッジ部300の表面、可動ブロック240,270,340,370の表面、案内ブロック250,280の表面等を全て鏡面仕上げすることで、被加工物保持装置100自体の寸法精度を高めることができる。
このような高精度の被加工物保持装置100を用いれば、直方体のワークWを保持する際の精度を更に高めることができる。
特に、カートリッジ部300をベース部200の取付凹部210に収容する際の精度を上げることができるため、ベース部200のガイドレール220とカートリッジ部300のガイドレール320を高精度に直交させることができる。
被加工物保持装置100の各部品の表面をも鏡面仕上げした場合、この被加工物保持装置100に、前処理(表面加工)されたワークWを保持する際の精度誤差(設計上の加工面と保持されているワークWの加工面との平行度の誤差)を、±5ミクロン以下にすることができる。
この誤差範囲内でワークWを保持し、例えばマシニング装置による金型加工等を行った場合には、最終加工品の部品精度は、±2ミクロン以下に抑えることができる。
なお、被加工物保持装置100では、ベース部200、カートリッジ部300に各々設けられるブロック部の一対のブロックを共に可動ブロックとしているが、図21の被加工物保持装置400のように、ベース部の2つのブロック410,420のうちブロック410のみ可動ブロックとしてもよい。また、カートリッジ部400Bの2つのブロック430,440のうちブロック430のみ可動ブロックとしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る被加工物保持装置500について、図22から図26を用いて説明する。
この被加工物保持装置500では、本体部500Aを構成するL字型の取付部700の内壁面700Aに第1の軸方向に延設された第1のガイドレールが断面凸状に形成され、その上面となる摺動面SAが、前記本体部を構成するベース部600の上面と垂直に形成されている。また、前記L字型取付部700の内壁面700Bに前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延設された第2のガイドレールが断面凸状に形成され、その摺動面SBが、前記ベース部600の上面と垂直に形成されている点が、前述した第1の実施の形態の被加工物保持装置100と異なる。
なお、第1のブロックは、前記第2のガイドレールに容易に着脱できるように構成され、更に、前記第2のブロックも、前記第2のガイドレールに容易に着脱できるように構成されている。
以下、被加工物保持装置500について、前述の第1の実施の形態の被加工物保持装置100と異なる点を中心に説明する。この第2の実施の形態の被加工物保持装置500も、第1の実施の形態の被加工物保持装置100と同様、マシニング装置等に設置可能な5軸加工用バイスとして用いることができる。
図22,図23は被加工物保持装置500の構成を説明するための斜視図である。
ベース部600には、L字型取付部700が取付ネジ501によって取り付けられ、これらベース部600とL字型取付部700とによって、本体部500Aが構成されている。
L字型取付部700の、互いに直交する内壁部(互いの面が垂直)700A、700Bには、ガイドレール520A,520Bが、第1の軸方向、第2の軸方向にそれぞれ延びる断面凸状の段差部で構成されている。また、可動ブロック540,570には、この断面凸状の段差部と嵌合する凹部が形成されている(図3(a)参照)。
ガイドレール520A、520Bのそれぞれの段差部の断面形状、及び、可動ブロック540、570にそれぞれ形成された凹部の断面形状は、第1の実施の形態と同じである(図3(b)参照)。
被加工物保持装置500でも、ガイドレール520Aの断面形状(凸状)を楔形とすることで、可動ブロック540,570がガイドレール520A,520B上を滑動し、被加工物(ワークW1〜3)を強固に締め付けた場合であっても、可動ブロック540,570がガイドレールから浮き上がることがなく、被加工物(ワークW1〜W3)を精度良く、強固に固定することができる。
L字型取付部700のガイドレール520A,520Bには、可動ブロック540,570が滑動自在に取り付けられ、L字型取付部700の端部に形成された2つの切欠部に、案内ブロック550、580が固定ボルト555,585で固定される(図23)。
被加工物保持装置500の調整ネジ(第1の調整手段)560,調整ネジ(第2の調整手段)590は、可動ブロック540,570の移動位置を調整するためのものである。
なお、これら調整手段の構成及び作用は、前述した第1の実施の形態の調整機構と同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
調整ネジ560,590を回動させると(例えば、図24の矢印方向)、可動ブロック540,570は、それぞれ第1の軸方向、第2の軸方向に沿ってガイドレール220A、220Bの摺動面SA、SB上をそれぞれ移動する。
なお、第2の実施の形態では、被加工物(ワークW)を挟持する手段が、第1、第2のガイドレールの第1、第2の摺動面SA、SBと、2つの可動ブロック540,270の挟持面540A、570Aとで構成されている。
すなわち、前記第2のガイドレール520Bの摺動面(第2の摺動面)SBと、該摺動面SBと対向する前記可動ブロック540の挟持面(第1の挟持面)540Aとで被加工物を挟持するの第1の挟持手段が構成され、前記第1のガイドレール520Aの摺動面(第1の摺動面)SAと、該摺動面SAと対向する前記可動ブロック570の挟持面(第2の挟持面)570Aとで被加工物を挟持する第2の挟持手段が構成される。
この被加工物保持装置500でも、各部品の表面が高精度に平坦化される(例えば、ブロックゲージA級以上に平坦化)。
次に、被加工物保持装置500で、形状の異なる被加工物(ワークW1〜W3)を固定する手法について、図24〜図26を用いて説明する。
図24(a)〜(c)は、断面が略正方形の直方体被加工物(ワークW1)を保持する手順を示す。
ワークW1をベース部600の上面に載せ、L字型取付部700の摺動面(SA、SB)に当接させる(図24(b))。
この状態で調整ネジ560,590を回動すると、可動ブロック540,570の挟持面540A,570Aが摺動面SB、SA側に移動する。
調整ネジ560,590を回動操作し続けると、やがてワークW1は、4つの面(挟持面540A、570A、摺動面SA、SBで平行度を保ったまま強固に固定される。
このときワークW1は、挟持面540A、570A、摺動面SA、SBによって4方向から(4面で)締め付けられる。
なお、高精細加工分野では、通常、被加工物も加工の前段階で表面が高精度に平坦化される。一方、被加工物保持装置500では、少なくとも挟持面540A、570A、摺動面SA、SBが高精度に平坦化(少なくとも、ブロックゲージA級以上に平坦化)されているため、被加工物(ワークW)の被挟持面が高精度に平坦化されていればいるほど、リンキング(密着)の作用により、僅かな挟持力(調整ネジによる締め付け力)であっても、被加工物(ワークW)を強固に保持することができる。
このとき締め付け力自体を小さくすることができれば、被加工物を被加工物保持装置500から開放する際、僅かな力で調整ネジを緩めることができる。
図25(a)〜(c)は、被加工物保持装置500で、円柱状の被加工物(ワークW2)を保持する手順を示す図である。
被加工物保持装置500で円柱状の被加工物(ワークW2)を保持する場合でも、ワークW2を先ずベース部600の上面に載せ、L字型取付部700の摺動面(SA、SB)に当接させる(図25(b))。
この状態で調整ネジ560,590を回動すると、可動ブロック540,570の挟持面540A,570Aが、被加工物(ワークW2)を摺動面SA、SB側に押し当て、更に調整ネジ560,590を回動操作していくことで、断面が円状のワークW2でも、4つの面(挟持面540A、570A、摺動面SA、SB)で強固に固定される。
図26(a)、(b)は、断面が長方形の両辺が極端に異なる直方体の被加工物(ワークW3)を保持する手順を示す。
断面の長方形の2つの辺の長さが極端に異なる場合には、同じ形状の可動ブロックを用いると、4つの面(挟持面540A、570A、摺動面SA、SB)で挟み込むことができない場合がある。
ここで被加工物保持装置500では、可動ブロック540,570が、L字型取付部700の第1、第2のガイドレール520A、520Bから着脱自在であるため、被加工物の形状に応じた可動ブロックに変更することで(図26では、可動ブロック541)、その固定作業が確実、かつ、容易となる(可動ブロックの大きさを、ワークW3の形状に応じて選択することで、調整ネジによる調整幅を小さくでき、調整が容易になる)。
以上説明したように、この第2の実施の形態では、調整ネジ560,590を回動することで、被加工物(ワーク)は、挟持面540A、570A、摺動面SA、SBによって4方向から(4面で)締め付けられ、特に、被加工物が直方体の場合、その4つの側面が、挟持面540A、570A、摺動面SA、SBの4つの面で押し当てられ、強固に固定される。
なお、上記した第1及び第2の実施の形態では、被加工物保持装置をマシニング装置に設置する例について説明したが、被加工物保持装置を利用する装置はこれに限ることなく、他の工作機器、加工装置(例えば、自動工具交換装置(ATC)、NC工作機械、ワイヤカット放電加工機等)に用いることができるのは勿論である。
本願の実施の形態に係る被加工物保持装置100の全体構成を示す斜視図である。 ベース部200にカートリッジ部300を取り付けて被加工物保持装置100を組み立てる状態を示す斜視図である。 ベース部200の台座230の第1のガイドレール220に可動ブロック240,270を取り付ける手順を示す説明図である。 可動ブロック240,270を取り付けられた状態でベース部200に案内ブロック250,280を固定する手順を示す説明図である。 案内ブロック250を台座230に固定する手順を示す要部拡大図である。 台座230に案内ブロック250,280を組み付けた後、調整ネジ260,290を取り付ける手順を示す説明図である。 調整ネジ290の先端部の括れ部292を用いて可動ブロック240,270に固定した状態を示す要部拡大図である。 組立後のベース部200を示す斜視図である。 カートリッジ部300の第2のガイドレール320に可動ブロック340,370を取り付ける手順を示す説明図である。 可動ブロック340,370を取り付けた状態で案内ブロック350,380をカートリッジ部300に固定する手順を示す説明図である。 案内ブロック350,380を組み付けた後、カートリッジ部300に調整ネジ360,390を取り付ける手順を示す説明図である。 組立後のカートリッジ部300を示す斜視図である。 被加工物保持装置100の挟持部の構造を示す斜視図である。 被加工物保持装置100にワークWを載置する手順を示す説明図である。 ワークWをカートリッジ部300の挟持部で挟み込む動作を示す説明図である。 ワークWをベース部200の挟持部で挟み込む動作を示す説明図である。 調整ネジ260,290,360,390によりワークWを挟み込む手順を示す説明図である。 可動ブロックにロウ付けされた超硬合金に挟持部を刻設する例を示す斜視図である。 ベース部200を単体で被加工物保持装置として用いる例を示す斜視図である。 カートリッジ部300を単体で被加工物保持装置として用いる例を示す斜視図である。等 可動ブロックと固定ブロックとを備えた被加工物保持装置400を示す斜視図である。 第2の実施の形態に係る被加工物保持装置500を示す斜視図である。 第2の実施の形態に係る被加工物保持装置500の構成を示すための分解斜視図である。 第2の実施の形態に係る被加工物保持装置500で細長の直方体ワークS1を固定する様子を示す図である。 第2の実施の形態に係る被加工物保持装置500で細長の円柱状ワークS2を固定する様子を示す図である。 第2の実施の形態に係る被加工物保持装置500で断面が長方形の直方体ワークS3を固定する様子を示す図である。 従来の5軸加工用バイス(被加工物保持装置)10を示す斜視図である。 従来の加工用バイス(被加工物保持装置)20を示す斜視図である。
100,400,500 被加工物保持装置
100A,500A 本体部
200,600 ベース部
210 取付凹部(凹部)
220,220A,220B ガイドレール(第1のガイドレール、段差部)
223A 側面
230 台座(第1の台座部)
240,270 可動ブロック(第1のブロック部)
241,271 挟持部(第1の挟持手段)
250,280 案内ブロック
260,290 調整ネジ(第1の調整手段)
300 カートリッジ部
320 ガイドレール(第2のガイドレール、段差部)
330 台座(第2の台座部)
340,370 可動ブロック(第2のブロック部)
341,371 挟持部(第2の挟持手段)
350,380 案内ブロック
360,390 調整ネジ(第2の調整手段)
540,570 可動ブロック
600 ベース部
700 取付部(L字型取付部)
W,W1,W2,W3 ワーク(被加工物)

Claims (10)

  1. 本体部と、
    該本体部の上面で第1の軸方向に延設された第1のガイドレールと、
    前記本体部の上面で前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延設された第2のガイドレールと、
    前記第1のガイドレールに取り付けられた2つのブロックからなる第1のブロック部と、
    前記第2のガイドレールに取り付けられた2つのブロックからなる第2のブロック部とからなり、
    前記第1のブロック部の少なくとも1のブロックが、前記第1のガイドレール上を滑動自在な可動ブロックで構成され、
    前記第2のブロック部の少なくとも1のブロックが、前記第2のガイドレール上を滑動自在な可動ブロックで構成され、
    前記第1のブロック部に、2つのブロックの間隔を調整する第1の調整手段が、
    前記第2のブロック部に、2つのブロックの間隔を調整する第2の調整手段が備えられると共に、
    前記第1のブロック部の前記2つのブロックの対向する位置に被加工物を前記第1の軸方向から挟持するための第1の挟持手段が、
    前記第2のブロック部の前記2つのブロックの対向する位置に前記被加工物を前記第2の軸方向から挟持するための第2の挟持手段が設けられている
    ことを特徴とする被加工物保持装置。
  2. 前記本体部は、前記第1のガイドレールが設けられた第1の台座部を有するベース部と、
    前記第2のガイドレールが設けられた第2の台座部を有するカートリッジ部とからなり、
    前記ベース部に前記カートリッジ部を収容するための凹部が設けられ、
    該凹部は、前記カートリッジ部が前記凹部に収容された位置において、前記カートリッジ部の第2の台座部の上面と前記ベース部の第1の台座部の上面とが同一平面、又は、前記カートリッジ部の第2のガイドレールの上面と前記ベース部の第1のガイドレールの上面とが同一平面、の少なくともいずれかとなるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の被加工物保持装置。
  3. 前記凹部は、前記ベース部の第1の台座部及び前記第1のガイドレールが略中央の位置で2つに分割されて構成されている
    ことを特徴とする請求項から請求項2に記載の被加工物保持装置。
  4. 前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部の各2つのブロックに形成された前記第1の挟持手段及び前記第2の挟持手段は、共に、被加工物の底部が載置される載置面と、被加工物の底部を第1、第2の軸方向から挟み込むための挟持面とを有し、
    前記載置面が鏡面仕上げされている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の被加工物保持装置。
  5. 前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部の、各2つのブロックの対向する位置には、ロウ付けされた超硬合金が設けられ、
    該超硬合金に前記載置面と前記挟持面が刻設されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の被加工物保持装置。
  6. 前記第1のガイドレールは、前記ベース部の前記第1の台座部の上面で前記第1の軸方向に延びる断面凸状の段差部で構成され、前記第2のガイドレールは、前記カートリッジ部の前記第2の台座部の上面で前記第2の軸方向に延びる断面凸状の段差部で構成され
    前記可動ブロックには前記断面凸状の段差部と嵌合される凹部が形成され、
    前記第1のガイドレールの前記断面凸状の段差部は、前記第1の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、
    前記第2のガイドレールの前記断面凸状の段差部は、前記第2の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、
    前記ブロック部の凹部は、前記断面凸状の段差部の前記2側面と嵌合時に対向する2側面が下方に向かって互いに狭まるように形成されている
    ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の被加工物保持装置。
  7. 前記本体部の側には雌ネジ部を有する挿通孔が形成され、
    前記可動ブロックの中央より上の部分には取付孔が形成され、
    前記第1の調整手段及び前記第2の調整手段は、前記挿通孔の雌ネジ部と螺合し、先端が前記可動ブロックの取付孔に回動自在に取り付けられた調整ネジで構成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の被加工物保持装置。
  8. 本体部と、
    該本体部の上面で第1の軸方向に延設された第1のガイドレールと、
    前記本体部の上面で前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延設された第2のガイドレールと、
    前記第1のガイドレールに摺動自在に取り付けられ、前記第1の軸方向と垂直の第1の挟持面を有する第1のブロックと、
    前記第2のガイドレールに摺動自在に取り付けられ、前記第2の軸方向と垂直の第2の挟持面を有する第2のブロックと、
    前記第1のブロックに取り付けられ、該第1のブロックの前記第1のガイドレール上での移動位置を調整する第1の調整手段と、
    前記第2のブロックに取り付けられ、該第2のブロックの前記第2のガイドレール上での移動位置を調整する第2の調整手段とからなり、
    前記第1のガイドレールには、前記第2の軸方向と垂直の第1の摺動面が形成され、
    前記第2のガイドレールには、前記第1の軸方向と垂直の第2の摺動面が形成され、
    前記第2のガイドレールの前記第2の摺動面と、該第2の摺動面と対向する前記第1のブロックの前記1の挟持面とで被加工物を挟持する第1の挟持手段が構成され、
    前記第1のガイドレールの前記第1の摺動面と、該第1の摺動面と対向する前記第2のブロックの前記第2の挟持面とで被加工物を挟持する第2の挟持手段が構成されていることを特徴とする被加工物保持装置。
  9. 前記本体部は、ベース部と、該ベース部に固定され、前記第1の軸方向に延びる第1の内壁面と前記第2の軸方向に延びる第2の内壁面とを有する取付部とを有し、
    前記第1のガイドレールは前記第1の内壁面に前記第1の軸方向に延びるように形成された断面凸状の段差部で構成され、
    前記第2のガイドレールは前記第2の内壁面に前記第2の軸方向に延びるように形成された断面凸状の段差部で構成され、
    前記第1のブロックには、前記第1のガイドレールを構成する前記断面凸状の段差部と嵌合される凹部が形成され、
    前記第2のブロックには、前記第2のガイドレールを構成する前記断面凸状の段差部と嵌合される凹部が形成され、
    前記第1のガイドレールの前記断面凸状の段差部は、前記第1の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、
    前記第2のガイドレールの前記断面凸状の段差部は、前記第2の軸方向に伸びる2側面が互いに下方に向かって狭まように形成され、
    前記第1のブロックの凹部は、前記第1のガイドレールの前記断面凸状の段差部の前記2側面と嵌合時に対向する2側面が下方に向かって互いに狭まるように形成され、
    前記第2のブロックの凹部は、前記第2のガイドレールの前記断面凸状の段差部の前記2側面と嵌合時に対向する2側面が下方に向かって互いに狭まるように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の被加工物保持装置。
  10. 前記第1のブロックは、前記第1のガイドレールに着脱自在に、前記第2のブロックは前記第2のガイドレールに着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9の何れかに記載の被加工物保持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112171338A (zh) * 2020-11-09 2021-01-05 仇帅康 一种用于有色金属加工的夹具
CN113334116A (zh) * 2021-06-28 2021-09-03 重庆大学 双斜面工件及其夹具体的加工方法
CN114515854A (zh) * 2022-02-25 2022-05-20 福建省庆川数控机械有限公司 一种双头圆台立式数控铣床

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