JP7398795B2 - クランプ中心可変バイス - Google Patents

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Description

本発明は、クランプ中心可変バイスに係り、特に、工作機械のマシニングセンタにおいて、長尺のワーク(被加工物)を高精度に加工するために好適に用いられる、センタリング機能を備えたマシンバイスに関するものである。
従来から、各種のワーク(被加工物)を加工する際等に、目的とするワークをクランプして、固定するための装置として、各種構造のバイス(万力装置)が、用いられてきている。そして、そのようなバイスの一種として、ワークをクランプして固定すると同時に、その固定されたワークが、その大きさ等に拘わらず、常に、バイスの長手方向の一定の箇所に自動的に位置せしめられるようにした、所謂、位置決め乃至はセンタリング機能を備えたバイスが知られており、例えば、特開平8-193647号公報には、その一例が明らかにされている。即ち、そこでは、相互に接近/離隔可能な二つの可動体(可動ジョー)を同時に移動せしめて、それら二つの可動体によって、加工されるべきワークを、その中心が常にバイス中心に位置するように、挟持(クランプ)するようにした構造の両締め型のバイス、所謂、センターバイス乃至はセンタリングバイスと称されるマシンバイスが提案されており、工作機械のマシニングセンタにおける5軸(5面)加工機による5面加工等に際して、ワークを保持するために、好適に用いられてきている。
また、そのようなセンタリング機能を備えたマシンバイスの一つとして、特開2004-261927号公報においては、長手のバイス本体に対して、その長手方向に延びるスピンドルが、移動不能な状態で、回転可能に配設されていると共に、このスピンドルの軸方向の一端部側と他端部側にそれぞれ設けられた、同一ピッチのねじ山を有する右ねじ部と左ねじ部に対して、右雌ねじ部材と左雌ねじ部材とが、回転不能な状態で、それぞれ螺合せしめられており、更に、それら右雌ねじ部材と左雌ねじ部材には、第一の可動体と第二の可動体とが、それぞれの前進方向に上傾する傾斜壁と半球状のスラスト部を介して、一体移動可能に設けられてなる構成が、採用されている。
従って、このような構造のマシンバイスにあっては、スピンドルの回転操作によって、右雌ねじ部材と左雌ねじ部材とが、スピンドルの軸方向において、同じ距離だけ互いに接近/離隔移動せしめられ、そして、そのような右雌ねじ部材と左雌ねじ部材の接近移動に伴って、第一の可動体と第二の可動体とが、バイス(本体)の長手方向に、互いに同一の距離だけ接近移動せしめられるようになっているところから、ワークの寸法に拘わらず、ワークの中心が、常に、バイス中心に位置するように、クランプされることとなるのである。そして、マシニングセンタで用いられる5軸加工機においては、その各軸の原点が、加工テーブルの中心となるところから、ワーク中心が加工テーブルの中心に一致するように、マシンバイスを固定することにより、加工プログラムの作成が容易となり、その効率が向上する等の利点が発揮されることとなる。
しかも、上述の特開2004-261927号公報に開示の如き構造のマシンバイスにあっては、スピンドルの回転により軸方向に移動せしめられる右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材が、それぞれ、所定のワークをクランプするための第一の可動体及び第二の可動体に対して、傾斜壁と半球状のスラスト部を介して組み付けられて、それら右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材の相互の接近移動に基づいて、それらの前進方向及び下方への押圧力がそれぞれ惹起せしめられるようになっているところから、第一の可動体と第二の可動体との間でのワークのクランプ状態下で、それら第一及び第二の可動体の浮き上がりが効果的に防止され得ることとなることに加えて、かかる下方への押圧力の反力によって、それら右及び左雌ねじ部材が、それぞれ、バイス本体に位置固定に保持せしめられ得るようになっているのである。
ところで、レール状の長尺ワークを5軸加工機において加工するに際して、上述の如き構造のマシンバイスの複数台を用いる場合において、それらマシンバイスが、かかる5軸加工機の各軸の原点が加工テーブルの中心にあることを考慮して、加工テーブル上の所定位置に並列に設置されて、長尺ワークのクランプが行なわれるようになっている。そして、それらマシンバイスは、通常、それぞれのバイス(固定口金)中心位置を揃えるために、バイス下面に取り付けられたキー又はピンにより、バイス中心とテーブル中心位置とを揃えて、ボルト等で固定されるようになっているのであるが、加工されるべき長尺ワークに、歪みや反り等が存在すると、加工後のワークの精度が悪く、高精度なワーク加工品を得ることが困難となる問題を内在している。
例えば、図10に示される如く、長尺のワークWが歪みや反り等を有して、変形している場合(変形量:E)において、それを、加工テーブルに位置固定に並列に設置された複数台の5軸マシンバイスMVにてクランプすると、それぞれのマシンバイスMVのセンタリング機能にて、ワークWは、真直な状態でクランプされることとなるのであり、これによって、ワークWは、その歪みや反り等の変形が矯正された状態でクランプされて、溝加工等の所定の加工が施されることとなる。そして、そのような所定の加工を実施することによって、溝G等が形成された後、その加工済みのワークWが、各マシンバイスMVから取り外されて、5軸加工機から取り出されると、かかる加工の済んだワークWは、矯正される前の歪み等を有する状態に戻り、そのために、真直であるべき溝Gが、図示の如く変形した状態となるのであって、高精度な加工の施されたワークWを得ることが出来なくなるのである。
そこで、そのような問題に対処すべく、ワークWのクランプ手順として、複数台のマシンバイスMVのうち、1台を基準とし、その基準のマシンバイスMVのみ、加工テーブルに固定した後、残余のマシンバイスMVを、ワークWの形状に沿って、その配設位置毎にクランプ位置を種々変化させて、加工テーブルに直接に固定せしめたり、或は、各マシンバイスMVの本体下面に、所定のスライドユニットを設置して、そのスライドユニットによって、マシンバイスMVの配設位置を種々変化させて、ワークWの形状に沿って、それぞれのマシンバイスMVのクランプ位置を変化させるようにすることが、考えられる。しかしながら、それらマシンバイスMVの固定位置を、個々に、加工テーブルに対して調整することは、極めて面倒な作業となり、実用上において採用し難いものであり、またワークWの形状の程度によって、マシンバイスMVの配設位置を種々変化させる必要があって、煩雑な手作業となることに加えて、仮に各マシンバイスMVの配設位置に正確性が欠けたりすると、ワークの加工にも影響をもたらし、ひいては加工精度が低下する問題も、惹起することとなる。
特開平8-193647号公報 特開2004-261927号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、バイス自体を位置固定に設置した状態下において、クランプ中心を自動的に変化させることの出来るバイスを提供することにあり、また、他の課題とするところは、マシニングセンタにおける5軸加工において、加工されるべき長尺のワークのクランプに好適に用いられる、長尺ワークの有する歪みや反りを矯正することなく、クランプ可能なマシンバイスを提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されるものではなく、明細書全体の記載や図面から把握され得る発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
そこで、本発明は、先ず、前記した課題を解決すべく、軸方向の一端部側に右ねじ部が設けられる一方、他端部側には左ねじ部が設けられた長手のスピンドルを、バイス本体に配設して、軸回りに回転せしめることによって、該スピンドルの右ねじ部と左ねじ部にそれぞれ螺合された右雌ねじ部材と左雌ねじ部材とを前進又は後退させて、相互に接近又は離隔移動せしめ得るように構成してなると共に、それら右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材に対して、それぞれ、所定のワークをクランプするための第一の可動体及び第二の可動体を、それぞれの前進方向に上傾する傾斜壁と半球状スラスト部を介して取り付け、かかる右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材の相互の接近移動にて惹起される前進方向及び下方への押圧力によって、それら第一及び第二の可動体を相互に接近移動せしめて、それら第一及び第二の可動体間に前記ワークをクランプすると共に、それら第一及び第二の可動体が位置固定に保持されるように構成したセンタリングバイスにおいて、前記第一及び第二の可動体による前記ワークの非クランプ状態下で、それら第一及び第二の可動体が、前記スピンドル並びに該右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材と共に、前記バイス本体に対して、該スピンドルの軸方向に一体的に移動することを許容する移動許容手段を設け、それら第一及び第二の可動体にクランプされる前記ワークのセンタリング位置を、前記スピンドルの軸方向への移動を許容することによって変化させつつ、該ワークをそれら第一及び第二の可動体にてクランプして、固定せしめるようにしたことを特徴とするクランプ中心可変バイスを、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従うクランプ中心可変バイスの好ましい態様の一つによれば、前記スピンドルが、その軸方向の少なくとも一方の端部において、軸方向外方に延出する延出部を備え、この延出部に、前記移動許容手段が配設されてなる構成が、有利に採用されることとなる。
また、本発明に従うクランプ中心可変バイスの好ましい態様の他の一つによれば、前記スピンドルが、前記延出部を前記バイス本体に配設された支持プレートに対して移動可能に挿通せしめてなる形態において、前記右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材を介して、該バイス本体に保持されていると共に、該支持プレートと該延出部との間に付勢手段を設けて、該付勢手段による付勢力によって、前記スピンドルがその軸方向への移動前の原位置に復帰せしめられ得るように構成されている。
さらに、本発明においては、有利には、前記付勢手段が、前記支持プレートの両側に位置する前記延出部位にそれぞれ介装された二つのばね部材にて構成され、それら二つのばね部材による互いに反対方向の付勢力によって、前記スピンドルが前記原位置に復帰せしめられ得るように構成されており、更にまた、かかるばね部材としては、コイルスプリング又は皿ばねが、好適に用いられることとなる。
そして、本発明に従うクランプ中心可変バイスの望ましい態様の他の一つによれば、前記スピンドルの延出部の端部に、該スピンドルを軸回りに回転せしめる回転駆動手段を取り付けるための取付部が、設けられている。
また、本発明にあっては、好ましくは、前記右雌ねじ部材と前記第一の可動体との対向部位、及び前記左雌ねじ部材と前記第二の可動体との対向部位に、それぞれ、前記傾斜壁が形成されると共に、それら右及び左雌ねじ部材の傾斜壁に対してそれぞれ前記半球状スラスト部が一体的に形成される一方、それら第一及び第二の可動体の傾斜壁に該半球状スラスト部の少なくとも一部が収容され得る球状凹部が形成されて、それら半球状スラスト部と球状凹部とが嵌合した状態で、かかる右及び左雌ねじ部材が前進せしめられることにより、前記第一及び第二の可動体に、それぞれ、前進方向と下方向への押圧力が発揮せしめられ得るように構成されている。
さらに、本発明の望ましい態様の他の一つによれば、前記バイス本体が、所定の間隙を隔てて互いに平行に延びる二つの案内レールを備え、この二つの案内レール上を前記第一及び第二の可動体が相互に接近又は離隔移動可能にそれぞれ配設されている一方、それら第一及び第二の可動体に取り付けられる前記右及び左雌ねじ部材が、前記二つの案内レールの間隙を通じて、該二つの案内レールの下方の空間内に配置された前記スピンドルの右雌ねじ部及び左雌ねじ部にそれぞれ螺合せしめられていると共に、該空間内に位置する該右及び左雌ねじ部材の部位が、それぞれ、前記前進による前記第一及び第二の可動体に対する下方への押圧力に基づく反力によって、前記二つの案内レールの下面に当接せしめられることにより、それら右及び左雌ねじ部材がバイス本体に固定されるようになっている構成が、採用される。
このように、本発明に従うクランプ中心可変バイスにあっては、加工されるべきワークをクランプする第一及び第二の可動体が、スピンドル並びに右及び左雌ねじ部材と共に、バイス本体に対して、スピンドルの軸方向に一体的に移動することを許容する移動許容手段が設けられていることによって、それら第一及び第二の可動体間にクランプされるワークのセンタリング位置が、スピンドルの軸方向に効果的に変化せしめられ得て、かかるワークのクランプが有利に実現され得ることとなるのであり、これによって、加工されるべきワークが歪みや反り等により変形していても、その変形状態を矯正することなくクランプを行なって、目的とする加工を実施することが出来るところから、加工後にワークがアンクランプ(非クランプ)状態とされたときに、ワークに対する加工部位が変形することがなく、以て、高精度な加工を実現することが出来ることとなる。
従って、マシニングセンタにおいて、歪み等が内在する長尺のワークを加工する場合において、かかるワークをクランプするバイスとして、本発明に従うクランプ中心可変バイスを有利に用いることが出来、それによって、ワーク歪み等を矯正することなくクランプを実現して、目的とする加工を行なうことにより、高精度な加工を施してなるワークが有利に実現され得ることとなったのである。
本発明に従うクランプ中心可変バイスの代表的な一例を示す正面説明図である。 図1に示されるクランプ中心可変バイスの平面説明図である。 図2におけるA-A断面拡大説明図である。 図3におけるB-B断面拡大説明図である。 図3において、スピンドルの回転駆動側の端部に設けられた移動許容手段の構成の一例を示す拡大断面説明図である。 ワーク中心がバイス中心に一致した状態において、ワークをクランプしてなる形態の一例を示す、図3に対応する断面説明図である。 ワーク中心がバイス中心から偏位した状態において、ワークをクランプしてなる形態の一例を示す、図3に対応する断面説明図である。 図1に示されるクランプ中心可変バイスの複数台を用いて、歪みが内在するワークをクランプして、所定の溝加工を施す工程を示す平面形態説明図である。 図1に示されるクランプ中心可変バイスにおいて移動許容手段に用いられている付勢手段であるばね部材の他の一例を示す、図5に相当する断面拡大説明図である。 従来のセンタリング機能を備えたマシンバイスの複数台を用いて、歪みの内在するワークに対して、所定の溝加工を施す工程を示す平面形態説明図である。
以下、本発明の構成を更に具体的に明らかにするために、本発明に従うクランプ中心可変バイスの代表的な実施の形態の一例について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構造を有するクランプ中心可変バイスの一例であるマシンバイス10が、その正面形態と平面形態と断面形態とにおいて、それぞれ、概略的に示されている。それらの図において、マシンバイス10は、全体として長手の矩形平面形状を呈するブロック状のバイス本体12と、かかるバイス本体12の長手方向に形成される空間内に収容保持されるスピンドル14と、このスピンドル14の回転操作によって、相互に接近/離隔移動せしめられる第一の可動ジョー(可動体)16及び第二の可動ジョー(可動体)18とを含んで、構成されている。そして、バイス本体12の上部部位には、所定の間隔を隔てて、バイス本体12の長手方向に沿って互いに平行に延びる二つの案内レール20,20が、一体的に形成されている。また、それら二つの案内レール20,20上に跨って載置された状態において、第一の可動ジョー16と第二の可動ジョー18とが、バイス本体12の長手方向両端部側に、その長手方向の中央(中心)から同一の距離だけ離間した位置に、それぞれ、互いに対向配置せしめられて、接近/離隔移動せしめられ得るようになっている。なお、第一及び第二の可動ジョー16,18には、それらの対向部側部位に、ここでは、矩形板状を呈する口金16a,18aが設けられており、それら口金16a,18a間において、加工されるべきワークが、クランプされ得るようになっている。
また、バイス本体12における二つの案内レール20,20の間には、図2乃至図4から明らかな如く、上方に開口する凹溝22が、バイス本体12の長手方向に連続して延びるように形成されて、長手方向に延びる空間が形成されている。そして、この凹溝22内に、スピンドル14が、その軸回りに回転可能に、収容配置せしめられているのである。なお、かかるスピンドル14には、その中央から等距離の位置から、端部に至るまでの長さにおいて、それぞれ、右ねじ部14aと左ねじ部14bとが、形成されている。
そして、第一の可動ジョー16と第二の可動ジョー18との相互の接近/離隔移動のために、先に先行技術文献の一つとして挙げた、特開2004-261927号公報にも明らかにされているように、図3に示される如き、公知の移動機構が、採用されているのである。即ち、図3及び図4から明らかな如く、それぞれ、バイス本体12の凹溝22内に収容されると共に、かかる凹溝22、の二つの案内レール20,20間に位置する開口から、上方に突出する頭部24a,26aを有する、右雌ねじ部材24と左雌ねじ部材26とが、バイス本体12の長手方向の中央から同一の距離だけ離間して収容されて、スピンドル14の右ねじ部14aと左ねじ部14bとに、それぞれ、螺合せしめられているのである。そして、かかるスピンドル14の一方向への回転によって、それら右雌ねじ部材24と左雌ねじ部材26とが、同一距離において、相互に接近移動せしめられ得るようになっている一方、スピンドル14の前記一方向とは逆方向への回転によって、それら右雌ねじ部材24と左雌ねじ部材26とが、同一距離だけ相互に離隔移動させられ得るように、構成されている。
さらに、それら右雌ねじ部材24や左雌ねじ部材26において、バイス本体12の二つの案内レール20,20の間隙から上方に向かって所定高さ突出する頭部24a,26aが、第一及び第二の可動ジョー16,18の内部に形成された下方に開口する凹所16b,18b内に、それぞれ、突入位置せしめられて、各可動ジョー16,18のそれぞれの前進方向に上傾する傾斜壁と半球状スラスト部を介して、第一の可動ジョー16と右雌ねじ部材24、並びに第二の可動ジョー18と左雌ねじ部材26が、それぞれ、組み付けられている。
具体的には、図3から明らかな如く、第一及び第二の可動ジョー16,18の前進方向(互いに接近移動する方向)において、第一及び第二の可動ジョー16,18の凹所16b,18bの内面と右及び左雌ねじ部材24,26の頭部24a,26aの対向面が、それぞれ、それらの前進方向に向かって上傾する傾斜面を形成する傾斜壁にて構成されているのである。そして、それぞれの対向する傾斜壁の一方(ここでは、頭部24a,26a側の傾斜壁)に、半球形状において突出する半球状スラスト部30,32が、一体的に形成されている一方、他方の傾斜壁(ここでは、第一及び第二の可動ジョー16,18の凹所16b,18b側の傾斜壁)には、半球状スラスト部30,32の半球形状に対応して凹陥した半球状の座面34,36が、形成されている。従って、それら半球状の座面34,36に半球状スラスト部30,32がそれぞれ収容されるようにして、第一の可動ジョー16と右雌ねじ部材24、並びに第二の可動ジョー18と左雌ねじ部材26が、それぞれ組み付けられることによって、それらの取り付けが行なわれ得るようになっているのである。なお、右及び左雌ねじ部材24,26の頭部24a,26aは、それぞれの背後から、第一及び第二の可動ジョー16,18の凹所16b,18b内にそれぞれ螺入せしめられる止めねじ38,40の当接によって作用せしめられる押圧力によって、それぞれの半球状スラスト部30,32が、それぞれの半球状の座面34,36に、しっかりと当接せしめられて、固定されるようになっている。
かくして、そのような第一及び第二の可動ジョー16,18と右及び左雌ねじ部材24,26との取付け状態下において、スピンドル14を、公知の如く、ハンドル等を用いて右回転させたり、或はその反対方向である左方向に回転させたりすることによって、第一及び第二の可動ジョー16,18は、それぞれ等距離だけ前進或は後退させられて、互いに接近移動せしめられたり、或は互いに離隔移動せしめられることとなるのである。そして、それら第一及び第二の可動ジョー16,18の接近移動によって、口金16a,18a間にクランプされるワーク(被加工物)の中心がスピンドル14の長手方向の中心に位置するように、更には、ここでは、バイス本体12の長手方向の中心に位置するように、センタリング機能が発揮されて、目的とするワークのクランプが実現されることとなるのである。
従って、スピンドル14を、公知の如く、ハンドル等にて軸回りに回転せしめることによって、右及び左雌ねじ部材24,26を等しい距離それぞれ前進させて、互いに接近移動せしめるようにすると、それら右及び左雌ねじ部材24,26に設けられた半球状スラスト部30,32が、それぞれ、第一及び第二の可動ジョー16,18の凹所16b,18bの内面傾斜壁に形成された半球状の座面34,36に嵌合されているところから、それら右及び左雌ねじ部材24,26の前進による押圧力は、それぞれ、第一及び第二の可動ジョー16,18を互いに接近移動させる前進方向への力(分力)として作用せしめられると共に、下方向となる鉛直下方の押圧力(分力)としても、作用せしめられることとなるのである。そして、これによって、それら第一及び第二の可動ジョー16,18の間でワークをクランプした状態下において、それら第一及び第二の可動ジョー16,18の浮き上がりが、効果的に防止され得ることとなる。
しかも、それら第一及び第二の可動ジョー16,18に対する下方向への押圧力(分力)の反力として、右及び左雌ねじ部材24,26には、それぞれ、上方向への力が作用することとなるのであるが、図4に示される如く、バイス本体12に設けられた凹溝22の上部開口部の両側部の下面に、換言すれば、凹溝22の上側開口部を規定する案内レール20,20の下面に、それぞれ、右及び左雌ねじ部材24,26の両側部に設けられた段付面24b,26bが当接し、前記上方への力の大きさに応じて、それら二本の案内レール20,20と右及び左雌ねじ部材24,26との間に、所定の当接力が、惹起されることとなる。このため、そのような当接力によって、右及び左雌ねじ部材24,26はバイス本体12に対して固定され、以て、スピンドル14のバイス本体12に対する位置固定も有効に行なわれ得るようになっている。
そして、本発明にあっては、かくの如き構造のマシンバイス10において、スピンドル14をその軸方向に移動可能として、右及び左雌ねじ部材24,26、ひいては第一及び第二の可動ジョー16,18を、バイス本体12に対して、スピンドル軸方向に一体的に同方向に移動し得る移動許容手段が、ここでは、左雌ねじ部材26が螺合される側のスピンドル14の端部に、配設されているのである。
すなわち、図3、更には図5に拡大して示されるように、第二の可動ジョー18や左雌ねじ部材26の配設側となるバイス本体12の長手方向の端部に、バイス本体12に設けられた凹溝22の開口部を閉塞するように、支持プレート42が固設されている一方、スピンドル14の端部には、そこから、その軸方向外方に所定長さ延出する延出部44が、一体的に設けられている。そして、その延出部44が、支持プレート42を貫通して、スピンドル14の軸方向に摺動可能に支持され得るようになっているのである。また、支持プレート42の両側に位置する延出部44の部位には、それぞれ、内側コイルスプリング46及び外側コイルスプリング48が外装されて、互いに逆方向の付勢力が作用せしめられ得るように配置されているのであり、そこでは、外側コイルスプリング48は、延出部44の先端部外周に固設されたストッパ50にて規制されて、その軸方向外方への抜け出しが阻止され得るようになっている。なお、内側コイルスプリング46や外側コイルスプリング48のそれぞれの両側には、特に、図5から明らかな如く、スプリング受けとなるワッシャ52がそれぞれ配置されており、それらワッシャ52を介して、それぞれのコイルスプリング46,48の付勢力が作用せしめられ得るようになっている。また、ここでは、内側コイルスプリング46と外側コイルスプリング48の付勢力は同程度とされ、第一及び第二の可動ジョー16,18による被加工物のアンクランプ状態下において、それら第一及び第二の可動ジョー16,18のクランプ中心が、スピンドル14の長手方向の中心、更には、マシンバイス10(バイス本体12)の長手方向の中心(バイス中心)に一致するように構成されている。
なお、かかるスピンドル14の端部に一体的に設けられた所定長さの延出部44の先端面に開口するように、所定深さの六角穴形状の係合穴54が、スピンドル14をその軸回りに回転せしめる回転駆動手段を取り付けるための取付部として形成されている。この係合穴54に、例えば、回転駆動手段であるハンドルの係合部を嵌合せしめて、手動にて回転させることにより、スピンドル14が、その軸回りに回転せしめられ得るようになっているのである。
従って、上述の如き構造のマシンバイス10を用いて、所定の被加工物であるワークをクランプするに際して、かかるワークの中心を、マシンバイス10のバイス中心、具体的には、バイス本体12の中心に一致させるだけでよい場合にあっては、図6に示される如く、ハンドル56をスピンドル14の延出部44の端部に設けた係合穴54に嵌合せしめて、スピンドル14を、その軸回りに回転させることにより、右及び左雌ねじ部材24,26の相互の接近移動にて、第一及び第二の可動ジョー16,18を互いに等距離だけ接近移動せしめて、ワーク60をクランプすることによって、ワーク60の中心は、マシンバイス10のバイス中心と一致するようになるのである。また、そのようなワーク60の第一及び第二の可動ジョー16,18によるクランプによって、それら可動ジョー16,18の浮き上がり防止のために受ける下方向への力の反力として、右及び左雌ねじ部材24,26には、それぞれ上方向の力が作用し、以て、それら雌ねじ部材24,26がバイス本体12に対して固定せしめられることにより、スピンドル14は位置固定に保持されることとなるのである。なお、その際、スピンドル14の移動許容手段を構成する支持プレート42の両側に配置された、内側コイルスプリング46と外側コイルスプリング48の軸方向長さは、同一の長さ:Lとなることとなる。
一方、ワーク60が歪み等により変形して、ワーク60の中心がマシンバイス10の中心からずれた位置において、クランプする必要がある場合にあっては、移動許容手段を構成する支持プレート42の両側に配置された内側コイルスプリング46及び外側コイルスプリング48の何れか一方の付勢力に抗して、コイルスプリングの配設間隔が縮小するように、第一及び第二の可動ジョー16,18が、右及び左雌ねじ部材24,26とスピンドル14と共に、バイス本体12の長手方向、換言すればスピンドル14の長手方向に、移動せしめられるようになるのである。
すなわち、図7に示される如く、ワーク60の中心が、バイス本体12の中心よりも、図において右側に偏位している場合にあっては、かかるワーク60をクランプするために、第一及び第二の可動ジョー16,18は、図において全体的に右側に移動し、それに伴って、右及び左雌ねじ部材24,26、更にはスピンドル14も右側に移動するようになり、これによって、スピンドル14を付勢している内側コイルスプリング46が圧縮せしめられる一方、外側コイルスプリング48の圧縮が緩和されてなる状態において、スピンドル14が支持プレート42にて支持されるようになるのである。
そして、第一及び第二の可動ジョー16,18にて、ワーク60が両側からクランプされてなる状態において、右及び左雌ねじ部材24,26は、それぞれ、第一及び第二の可動ジョー16,18に作用せしめられる下方向への圧力の反力として作用する上方向への力によって、それぞれの両側部に形成された段付面24b,26bが、バイス本体12のレール20,20の下面に当接して、押圧されるようになることによって、スピンドル14の軸方向への移動が阻止されて、第一及び第二の可動ジョー16,18や右及び左雌ねじ部材24,26が固定されるようになる。
これによって、内側及び外側コイルスプリング46,48のスピンドル14の軸方向長さは、図示の如く、内側コイルスプリング46の長さ:L1 は、外側コイルスプリング48の長さ:L2 よりも、短くなることとなるのである。また、このように、マシンバイス10の中心からワーク60の中心がズレた状態において、ワーク60がマシンバイス10にてクランプされて固定せしめられることとなり、そして、この状態において、目的とする加工を施すことが可能となるのである。
このように、上述の如き構成のマシンバイス10にあっては、バイス中心に対してワーク60の中心がずれていた場合にあっても、そのようなズレを矯正することなく、ワーク60のクランプが有利に行なわれ得て、目的とする加工を実施することが出来ることとなるのである。即ち、図8に示されるように、マシニングセンタにおける5軸加工に際して、変形量:Eにて示される、歪みや反り等の変形の生じた長尺のワーク60には、従来と同様にして、目的とする加工が施されても、高精度に加工されたワーク60を得ることが出来るのである。
具体的には、複数台(ここでは4台)のマシンバイス10が、マシニングセンタの加工テーブル上に直線的に配設されて、固定された状態下において、先ず、一箇所の基準のマシンバイス10(ここでは、一方の端部に配置されたマシンバイス)にてワーク60をクランプした後、残りのマシンバイス10にて、長尺のワーク60の所定位置をそれぞれクランプせしめることにより、残りの各々のマシンバイス10は、ワーク60の歪み(変形)に沿って、ワーク中心と第一及び第二の可動ジョー16,18のクランプ中心とを一致させるように、スピンドル14がその軸方向に移動せしめられてなる状態において、ワーク60がクランプされることとなる。かくして、長尺のワーク60は、その歪み(変形)を矯正することなく、クランプされてなる形態において、目的とする加工(ここでは溝加工)が施されることとなるのである。従って、加工後のワーク60は、材料歪み等の影響を受けることなく、高精度な加工(溝加工)が、歪み(変形)を有する長尺なワーク60に有利に施され得て、設定通りの形状の加工部、ここでは真直な形態の加工溝62が、長尺のワーク60に対して、正確に形成され得るようになるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上記した実施形態においては、スピンドル14に付勢力を作用させて、軸方向に移動せしめるためのばね部材として、内側コイルスプリング46と外側コイルスプリング48とが組み合わせて用いられているが、そのようなばね部材として、皿ばねを用いることも可能であり、例えば、図9に示されるように、支持プレート42の両側に、内側皿ばね組合せ体70と外側皿ばね組合せ体72とを配置せしめて、それら皿ばね組合せ体70,72の付勢力によって、スピンドル14をその軸方向の両方向に移動可能とするように構成することも、可能である。
また、本発明においては、バイス本体12に対して、第一及び第二の可動ジョー16,18と右及び左雌ねじ部材24,26とスピンドル14とを、スピンドル軸方向に一体的に移動せしめる移動許容手段としても、例示の如きコイルスプリングや皿ばねの如きばね部材を組み合わせて、構成されてなる構造が、好適に採用され得るところであるが、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、他の公知の構造や移動許容手段を採用することも可能であることは、勿論である。
さらに、前記移動許容手段によるスピンドル14の移動量としては、マシンバイス10自体の大きさの他、ワーク60の種類やその形状、更にはその変形の程度等によって、適宜に選定されるところであるが、一般に、スピンドル14中心が、バイス中心(バイス本体12の中心)から、それぞれ、その両側に少なくとも3mm以上、好ましくは5mm以上の距離移動し得るように構成され、その上限としては、一般に20mm程度、好ましくは15mm程度が採用されることとなる。
なお、長尺のワーク60を加工すべく、図8に示される如く、複数台のマシンバイスを用いてクランプする場合において、それら複数台のマシンバイスの全てを、例示の実施形態に係る構造のマシンバイス10にて、構成することも可能ではあるが、長尺のワーク60を最初にクランプして位置決めする基準となる1つのマシンバイスについては、本発明に係る移動許容手段を具備していない、センタリング機能を備えたマシンバイスや、そのようなセンタリング機能も備えていない通常のバイスを用いる一方、残りのマシンバイスを、本発明に従う構造を有するマシンバイス10にて構成するようにすることも可能である。
加えて、本発明に係るクランプ中心可変バイスにおいて、第一及び第二の可動ジョー16,18が、スピンドル14並びに右及び左雌ねじ部材24,26と共に、バイス本体12に対して、スピンドル14の軸方向に一体的に移動することを許容する移動許容手段を除いて、ワーク60を第一及び第二の可動ジョー16,18にてクランプする構造としては、第一及び第二の可動ジョー16,18に対して、傾斜壁と半球状スラスト部を介して、右及び左雌ねじ部材24,26の相互の接近移動にて前進方向及び下方への押圧力が惹起せしめられ得る限りにおいて、公知の何れの構造をも採用可能である。
例えば、例示の実施形態においては、右及び左雌ねじ部材24,26の上傾する傾斜壁に対して、半球状スラスト部30,32がそれぞれ設けられている一方、第一及び第二の可動ジョー16,18の傾斜壁には、それら半球状スラスト部30,32が嵌合せしめられる半球状の座面34,36が設けられているが、それとは逆に、それら半球状スラスト部30,32及び半球状の座面34,36を、それぞれ、第一及び第二の可動ジョー16,18及び右及び左雌ねじ部材24,26に設けてなる構成も採用可能である。
また、第一及び第二の可動ジョー16,18に、ワーク60のクランプのために配設される口金16a,18aとしても、各種の形態のものが、従来から用いられてきており、本発明においても、従来と同様に、ワークの形状や目的とする加工形態に応じて、公知の各種のクランプ治具が適宜に選択されて、第一及び第二の可動ジョー16,18に対して取り付けられることとなる。
さらに、例示の実施形態においては、スピンドル14を軸回りに回転せしめる回転駆動手段を取り付けるための取付部(54)が、コイルスプリング46,48配設側となるスピンドル14の延出部44の端部に設けられているが、そのような延出部44配設側とは反対側のスピンドル14の端部に設けることも可能であり、加えて、回転駆動手段にあっても、例示の如きハンドル56の他、機械的にスピンドル14を回転せしめ得る公知の他の装置や、モータ等を用いて自動的に回転せしめる装置等の公知のものが、適宜に採用されることとなる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
10 マシンバイス 12 バイス本体
14 スピンドル 16 第一の可動ジョー
18 第二の可動ジョー 20 案内レール
22 凹溝 24 右雌ねじ部材
26 左雌ねじ部材 30,32 半球状スラスト部
34,36 座面 42 支持プレート
44 延出部 46 内側コイルスプリング
48 外側コイルスプリング 50 ストッパ
54 係合穴 60 ワーク

Claims (5)

  1. 軸方向の一端部側に右ねじ部が設けられる一方、他端部側には左ねじ部が設けられた長手のスピンドルを、バイス本体に配設して、軸回りに回転せしめることによって、該スピンドルの右ねじ部と左ねじ部にそれぞれ螺合された右雌ねじ部材と左雌ねじ部材とを前進又は後退させて、相互に接近又は離隔移動せしめ得るように構成してなると共に、それら右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材に対して、それぞれ、所定のワークをクランプするための第一の可動体及び第二の可動体を、それぞれの前進方向に上傾する傾斜壁と半球状スラスト部を介して取り付け、かかる右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材の相互の接近移動にて惹起される前進方向及び下方への押圧力によって、それら第一及び第二の可動体を相互に接近移動せしめて、それら第一及び第二の可動体間に前記ワークをクランプすると共に、それら第一及び第二の可動体が位置固定に保持されるように構成し
    前記第一及び第二の可動体による前記ワークの非クランプ状態下で、それら第一及び第二の可動体が、前記スピンドル並びに該右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材と共に、前記バイス本体に対して、該スピンドルの軸方向に一体的に移動することを許容する移動許容手段を設け、それら第一及び第二の可動体にクランプされる前記ワークのセンタリング位置を、前記スピンドルの軸方向への移動を許容することによって変化させつつ、該ワークをそれら第一及び第二の可動体にてクランプして、固定せしめるようにしたセンタリングバイスにおいて、
    前記スピンドルが、その軸方向の少なくとも一方の端部において、軸方向外方に延出する延出部を備え、この延出部に、前記移動許容手段が配設され、更に該移動許容手段が、前記延出部を前記バイス本体に配設された支持プレートに対して移動可能に挿通せしめてなる形態において、前記右雌ねじ部材及び左雌ねじ部材を介して、該バイス本体に前記スピンドルを保持させてなると共に、該支持プレートと該延出部との間に付勢手段を設けて、該付勢手段による付勢力によって、前記スピンドルがその軸方向への移動前の原位置に復帰せしめられ得るように構成されており、
    そして前記付勢手段が、前記支持プレートの両側に位置する前記延出部の部位にそれぞれ介装された二つのばね部材にて構成され、それら二つのばね部材による互いに反対方向の付勢力によって、前記スピンドルが前記原位置に復帰せしめられ得るように構成されていることを特徴とするクランプ中心可変バイス。
  2. 前記ばね部材が、コイルスプリング又は皿ばねであることを特徴とする請求項に記載のクランプ中心可変バイス。
  3. 前記スピンドルの延出部の端部に、該スピンドルを軸回りに回転せしめる回転駆動手段を取り付けるための取付部が、設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項に記載のクランプ中心可変バイス。
  4. 前記右雌ねじ部材と前記第一の可動体との対向部位、及び前記左雌ねじ部材と前記第二の可動体との対向部位に、それぞれ、前記傾斜壁が形成されると共に、それら右及び左雌ねじ部材の傾斜壁に対してそれぞれ前記半球状スラスト部が一体的に形成される一方、それら第一及び第二の可動体の傾斜壁に該半球状スラスト部の少なくとも一部が収容され得る球状凹部が形成されて、それら半球状スラスト部と球状凹部とが嵌合した状態で、かかる右及び左雌ねじ部材が前進せしめられることにより、前記第一及び第二の可動体に、それぞれ、前進方向と下方向への押圧力が発揮せしめられ得るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のクランプ中心可変バイス。
  5. 前記バイス本体が、所定の間隙を隔てて互いに平行に延びる二つの案内レールを備え、この二つの案内レール上を前記第一及び第二の可動体が相互に接近又は離隔移動可能にそれぞれ配設されている一方、それら第一及び第二の可動体に取り付けられる前記右及び左雌ねじ部材が、前記二つの案内レールの間隙を通じて、該二つの案内レールの下方の空間内に配置された前記スピンドルの右雌ねじ部及び左雌ねじ部にそれぞれ螺合せしめられていると共に、該空間内に位置する該右及び左雌ねじ部材の部位が、それぞれ、前記前進による前記第一及び第二の可動体に対する下方への押圧力に基づく反力によって、前記二つの案内レールの下面に当接せしめられることにより、それら右及び左雌ねじ部材がバイス本体に固定されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のクランプ中心可変バイス。
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