JP2020107639A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化シリコン基板を備える電気特性の優れた半導体装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係る半導体装置の製造方法は、炭化シリコン(SiC)基板を用意するステップと、一面に二酸化ケイ素(SiO2)膜の形成されたシリコン(Si)基板を用意するステップと、前記炭化シリコン(SiC)基板及び前記シリコン(Si)基板の前記二酸化ケイ素(SiO2)膜を常温直接接合法により接合するステップと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
近年、炭化シリコン(炭化ケイ素、シリコンカーバイド、SiC)を基板に用いたMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、ショットキーバリアダイオード等のパワーデバイスの開発がなされている。炭化シリコン基板を用いたパワーデバイスは、従来のシリコン系デバイスに比べて、材料のバンドギャップが広い等の理由により、高耐圧性、高速性、省エネルギー性等に優れた特長を有している。例えば、特許文献1には、炭化シリコン基板を用いた半導体装置の製造方法が提案されている。
特開2017−168688号公報
本件発明者らは、特許文献1のような、炭化シリコン基板を用いた半導体装置の従来の製造方法には、次のような問題点があることを見出した。すなわち、従来の製造方法では、MOS構造を形成するに際して、研磨された平坦な表面構造を有する炭化シリコン基板を用意し、用意した炭化シリコン基板の表面を高温で長時間酸化性雰囲気に晒すことで、ゲートとして機能する二酸化ケイ素膜をこの表面に形成する。この熱酸化処理の際に、炭化シリコン基板中の炭素原子が二酸化ケイ素膜中に取り込まれることで、二酸化ケイ素膜と炭化シリコン基板との界面において炭素原子に起因した不純物準位が形成されてしまう。この不純物準位が形成されると、MOSFETが動作する際に、電子の移動度を低下させる等、半導体装置の電気特性が劣化してしまう。本件発明者らは、従来の製造方法では、このような問題点があることを見出した。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、炭化シリコン基板を備える電気特性の優れた半導体装置及びその製造方法を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る半導体装置の製造方法は、炭化シリコン(炭化ケイ素、シリコンカーバイド、SiC)基板を用意するステップと、一面に二酸化ケイ素(SiO2)膜の形成されたシリコン(Si)基板を用意するステップと、前記炭化シリコン(SiC)基板及び前記シリコン(Si)基板の前記二酸化ケイ素(SiO2)膜を常温直接接合法により接合するステップと、を備える。
常温直接接合法によれば、高温で長時間酸化性雰囲気に晒すことなく、炭化シリコン基板の表面に二酸化ケイ素膜を接合することができる。そのため、上記製造方法によれば、炭化シリコン基板中の炭素原子が二酸化ケイ素膜中に取り込まれることなく、炭化シリコン基板の表面上に二酸化ケイ素膜を形成することができる。つまり、炭化シリコン基板及び二酸化ケイ素膜の界面において、電気特性を劣化させる原因となる不純物準位の形成を抑制することができる。したがって、上記製造方法によれば、炭化シリコン基板を備える電気特性の優れた半導体装置を得ることができる。
なお、常温直接接合法とは、対象物を中間層なしで、加熱することなく室温で接合する方法である。常温直接接合法の一例として、例えば、表面活性化接合法、原子拡散接合等が挙げられる。
上記一側面に係る半導体装置の製造方法は、前記接合するステップの後、互いに接合された前記炭化シリコン基板及び前記シリコン基板に対してアニール処理(焼成加工)を行うステップを更に備えてもよい。また、当該アニール処理の温度はセ氏500度〜セ氏900度であってよい。当該製造方法によれば、炭化シリコン基板及び二酸化ケイ素膜の界面の状態が改善され、電気特性が更に優れた半導体装置を得ることができる。
また、本発明の一側面に係る半導体装置は、炭化シリコン基板と、前記炭化シリコン基板の一面に、常温直接接合法により接合された二酸化ケイ素膜と、を備える。当該構成によれば、炭化シリコン基板を備える電気特性の優れた半導体装置を提供することができる。
なお、「常温直接接合法により接合された」か否かは、二酸化ケイ素膜の組成に基づいて判定することができる。すなわち、二酸化ケイ素膜内に炭素原子が多く(例えば、二酸化ケイ素膜内の炭素原子の濃度が閾値以上)含まれている場合には、常温直接接合法ではなく熱酸化処理により二酸化ケイ素膜が形成されていると判定することができる。一方、二酸化ケイ素膜内に炭素原子が殆ど含まれていない(例えば、二酸化ケイ素膜内の炭素原子の濃度が閾値未満)場合、二酸化ケイ素膜は、常温直接接合法により炭化シリコン基板に接合されたと判定することができる。
本発明によれば、炭化シリコン基板を備える電気特性の優れた半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す。 図2は、実施の形態に係る半導体装置の製造過程の一状態を模式的に例示する。 図3は、実施の形態に係る半導体装置の製造過程の一状態を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係る半導体装置の製造過程の一状態を模式的に例示する。 図5は、実施の形態に係る半導体装置の製造過程の一状態を模式的に例示する。 図6は、実施の形態に係る半導体装置の製造過程の一状態を模式的に例示する。 図7は、実施の形態に係る半導体装置の製造過程の一状態を模式的に例示する。 図8は、作製した試料の構成を模式的に例示する。 図9Aは、アニール処理を実施しなかった試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。 図9Bは、アニール処理(550度)を実施した試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。 図9Cは、アニール処理(900度)を実施した試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。 図9Dは、アニール処理(1150度)を実施した試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。 図10は、電圧をかけていない状態における各試料のリーク電流を計測した結果を示す。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、図面内の向きを基準として説明を行う。
§1 構成例
図1〜図7を用いて、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法の一例について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体装置1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図2〜図7は、本実施形態に係る半導体装置1の製造過程の一状態を模式的に例示する。なお、以下の各工程には、半導体製造装置等の公知の装置が用いられてよい。
(ステップS101)
ステップS101では、図2に示されるとおり、互いに対向する第1面101及び第2面102を備える炭化シリコン(SiC)基板10を用意する。炭化シリコン基板10の寸法及び形状は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、炭化シリコン基板10の厚み、すなわち、第1面101と第2面102との幅は、200μm〜300μmであってよい。炭化シリコン基板10の平面形状は、図7に示されるとおり、円形状であってよい。
(ステップS102)
ステップS102では、図3に示されるとおり、一面に二酸化ケイ素(SiO2)膜12の形成されたシリコン(Si)基板11を用意する。図3の例では、シリコン基板11は、互いに対向する第1面111及び第2面112を有しており、第2面112側に二酸化ケイ素膜12が形成されている。シリコン基板11の第2面112を十分平滑に研磨した後、この第2面112に対して熱酸化処理を行うことで、第2面112側に二酸化ケイ素膜12を形成することができる。熱酸化処理には、公知の方法が採用されてよい。また、熱酸化処理の条件(加熱温度、加熱時間等)は、形成する二酸化ケイ素膜12の厚み等に応じて適宜設定されてよい。
シリコン基板11の寸法及び形状は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、二酸化ケイ素膜12の厚みは、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、シリコン基板11の厚み、すなわち、第1面111と第2面112との幅は、200μm〜300μmであってよい。また、二酸化ケイ素膜12の厚み(図の上下方向の幅)は、10nm〜300nmであってよい。
(ステップS103)
ステップS103では、図4に示されるとおり、炭化シリコン基板10及びシリコン基板11の二酸化ケイ素膜12を常温直接接合法により接合する。図4の例では、炭化シリコン基板10の第1面101とシリコン基板11の二酸化ケイ素膜12(第2面112)とが互いに接合されている。
常温直接接合法は、対象物を中間層なしで、加熱することなく室温で接合する方法である。常温直接接合法の一例として、例えば、表面活性化接合法、原子拡散接合等が挙げられる。この常温直接接合法には、公知の常温接合装置が利用されてよい。
表面活性化接合法は、接合する2つの対象物それぞれの表面に、ビーム(例えば、アルゴンビーム)又はプラズマを照射して、各表面を洗浄化及び活性化した後、圧力を付与して表面同士を接合する接合方法である。常温直接接合法の一例として、この表面活性化接合法を採用する場合、炭化シリコン基板10の第1面101を十分平滑に(例えば、算術平均粗さRaが1nm)研磨した後、炭化シリコン基板10の第1面101とシリコン基板11の二酸化ケイ素膜12の面(第2面112)とを対向させる。次に、炭化シリコン基板10の第1面101及び二酸化ケイ素膜12の面(第2面112)それぞれにビーム又はプラズマを照射し、各面(101、112)を洗浄及び活性化する。そして、炭化シリコン基板10の第1面101と二酸化ケイ素膜12の面と接触させて外側から加圧する。これにより、炭化シリコン基板10の第1面101と二酸化ケイ素膜12の面とを強固に接合することができる。
(ステップS104)
ステップS104では、図5に示されるとおり、シリコン基板11の不要な部分を除去する。この除去処理は、フォトリソグラフィ等の公知のパターニング方法が用いられてよい。除去する不要な部分とは、例えば、電極を形成しない部分である。この除去する不要な部分は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。
なお、図5の例では、シリコン基板11において、二酸化ケイ素膜12の形成されていない部分115が残されている。しかしながら、除去処理は、このような例に限定されなくてもよい。この部分115は除去されてもよい。
(ステップS105)
ステップS105では、互いに接合された炭化シリコン基板10及びシリコン基板11に対してアニール処理(焼成加工)を行う。このアニール処理には、縦型/横型熱処理炉、RTA熱処理炉等の汚染のない公知の装置が用いられてよい。アニール処理の温度は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。アニール処理の温度は、セ氏500度〜セ氏900度であるのが好ましい。
(ステップS106)
ステップS106では、ソース及びドレインを形成する。本実施形態では、図6及び図7に示されるとおり、炭化シリコン基板10の第1面101に、n型の不純物(リン等)をドーピングすることで、円環状のソース領域13を形成する。図7は、半導体装置1を第1面101側から見た様子を模式的に例示する。これに対して、炭化シリコン基板10の第2面102には、金属材料(例えば、銅、チタン等)を積層し、形成された金属層を熱処理することで、電極16を形成する。この電極16が、ドレインの役割を果たす。これにより、ソース及びドレインを形成することができる。
以上により、半導体装置1の製造が完了する。この半導体装置1は、炭化シリコン基板10と、炭化シリコン基板10の一面(第1面101)に、常温直接接合法により接合された二酸化ケイ素膜12と、を備える。本実施形態では、半導体装置1は、図6に例示されるようなMOSFET構造を有するように構成される。
[特徴]
以上のように、本実施形態に係る製造方法では、常温直接接合法により、炭化シリコン基板10の第1面101に二酸化ケイ素膜12を接合する。この常温直接接合法によれば、高温で長時間酸化性雰囲気に晒すことなく、炭化シリコン基板10の第1面101に二酸化ケイ素膜12を接合することができる。そのため、本実施形態に係る製造方法によれば、炭化シリコン基板10中の炭素原子が二酸化ケイ素膜12に拡散するのを回避することができる。つまり、炭化シリコン基板10及び二酸化ケイ素膜12の界面において、電気特性を劣化させる原因となる不純物準位の形成を抑制することができる。したがって、本実施形態に係る製造方法によれば、炭化シリコン基板10を備える電気特性の優れた半導体装置1を得ることができる。
なお、半導体装置に含まれる二酸化ケイ素膜が炭化シリコン基板に常温直接接合法により接合されたか否かは、半導体装置の断面の組成を分析することで計測される、二酸化ケイ素膜の部分に含まれる炭素原子の濃度に基づいて判定することができる。すなわち、二酸化ケイ素膜内に炭素原子が多く(例えば、二酸化ケイ素膜内の炭素原子の濃度が閾値以上)含まれている場合には、常温直接接合法ではなく熱酸化処理により二酸化ケイ素膜が形成されていると判定することができる。一方、二酸化ケイ素膜内に炭素原子が殆ど含まれていない(例えば、二酸化ケイ素膜内の炭素原子の濃度が閾値未満)場合、二酸化ケイ素膜は、常温直接接合法により炭化シリコン基板に接合されたと判定することができる。なお、組成の分析には、例えば、資料断面をWDX法、光電子分光法、あるいは二酸化ケイ素表面からのSIMS分析法等を採用することができる。
§2 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。すなわち、上記半導体装置1の構成に関して、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてもよい。また、上記製造方法について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<2.1>
上記製造方法の処理順序は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、上記ステップS101及びS102の処理順序は入れ替わってもよい。上記ステップS101及びS102は同時に実行されてもよい。上記ステップS105の処理は、ステップS103(接合するステップ)の後であれば、任意のタイミングで実行されてよい。上記ステップS105の処理は省略されてもよい。上記ステップS106及びS107の処理順序は入れ替わってもよい。
<2.2>
上記半導体装置1の構成は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。例えば、上記半導体装置1は、実施の形態に応じて保護部材等のその他の構成要素を備えてもよい。更に、上記半導体装置1は、MOSFET構造を有している。しかしながら、半導体装置1の構成は、MOS構造を有していれば、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
§ 実験例
アニール処理の有効性を確認するため、次の実験を行った。すなわち、本発明の製造方法により、半導体装置の各試料を作製し、作製した一部の試料にはアニール処理を適用せず、その他の試料には異なる温度のアニール処理を適用した。そして、得られた各試料の電気特性を計測した。
図8は、作製した試料の構造を模式的に例示する。本実験例では、まず、炭化シリコン基板30を用意した。続いて、熱酸化法を利用して、シリコン基板31に対して熱酸化処理を行い、二酸化ケイ素膜を形成した。その後、炭化シリコン基板30の上面裏面の二酸化ケイ素膜を除去し、二酸化ケイ素膜32(厚み:30nm)を備えるシリコン基板31を用意した。そして、常温接合装置を利用して、常温直接接合法(表面活性化接合法)により、炭化シリコン基板30の上面とシリコン基板31の二酸化ケイ素膜32側の面(下面)とを接合した。すなわち、高真空度(10〜6Pa)中で炭化シリコン基板30の上面とシリコン基板31の二酸化ケイ素膜32側の面との表面にそれぞれイオンガンでアルゴンイオンビームを照射して、炭化シリコン基板30の上面とシリコン基板31の二酸化ケイ素膜32側の面とに活性化された表面を形成し、その後炭化シリコン基板30の上面とシリコン基板31の二酸化ケイ素膜32側の面と20kN以下にて接合した。このとき、炭化シリコン基板30の厚みは、300μmであった。シリコン基板31の厚みは、300μmであった。その後、炭化シリコン基板30の下面及びシリコン基板31の上面それぞれにチタン系の金属材料を積層することで、0.5μmの厚みを有する各電極(35、36)を形成した。
本実験例では、4タイプの試料を作製したが、そのうちの3タイプの試料には、各電極(35、36)を形成する前に、熱処理炉を利用して、アニール処理(60分)を実施した。具体的に、第1タイプの試料には、アニール処理を実施しなかった。第2タイプの試料には、セ氏550度のアニール処理を実施した。第3タイプの試料には、セ氏900度のアニール処理を実施した。第4タイプの試料には、セ氏1150度のアニール処理を実施した。これにより、各タイプの試料を作製した。各タイプの試料を15〜20個ずつ作製し、I−V測定装置を利用して、作製した各試料の各電極(35、36)に−10Vから+10Vまで電圧をかけ、各試料の電流−電圧特性を計測した。
図9Aは、第1タイプの試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。図9Bは、第2タイプの試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。図9Cは、第3タイプの試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。図9Dは、第4タイプの試料の電流−電圧特性を計測した結果を示す。図10は、各タイプの試料における電流−電圧特性の測定において、電圧が0Vであるときの電流値と、各タイプの資料のアニール処理の温度との関係を示す。
図9A〜図9Dに示されるとおり、アニール処理を実施しなかった試料では、0V付近で電流のノイズが大きかった。これに対して、セ氏550度及びセ氏900度のアニール処理を実施した試料では、0V付近での電流のノイズを抑えることができた。セ氏1150度のアニール処理を実施した試料では、0V付近でやや電流のノイズが発生した。
また、図10に示されるとおり、比較的に低温のセ氏550度のアニール処理を実施した試料では、アニール処理を実施しなかった試料と比べて、ゼロバイアスでのリーク電流を抑えることができた。ただし、アニール処理の温度を上げるにつれて、リーク電流は大きくなっていった。
これらの結果から、セ氏500度〜セ氏900度のアニール処理を実施することで、炭化シリコン基板及び二酸化ケイ素膜の界面におけるリーク電流を抑えつつ、ノイズレベルを抑えることができることが分かった。そのため、炭化シリコン基板及び二酸化ケイ素膜の界面の状態を改善し、半導体装置の電気特性を更に良好にするためには、炭化シリコン基板及び二酸化ケイ素膜を接合した後、セ氏500度〜セ氏900度のアニール処理を行うのが好ましいことが分かった。
1…半導体装置、
10…炭化シリコン(SiC)基板、
101…第1面、102…第2面、
11…シリコン(Si)基板、
111…第1面、112…第2面、
12…二酸化ケイ素(SiO2)膜、
13…ソース領域、
16…電極

Claims (4)

  1. 炭化シリコン基板を用意するステップと、
    一面に二酸化ケイ素膜の形成されたシリコン基板を用意するステップと、
    前記炭化シリコン基板及び前記シリコン基板の前記二酸化ケイ素膜を常温直接接合法により接合するステップと、
    を備える、
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記接合するステップの後、互いに接合された前記炭化シリコン基板及び前記シリコン基板に対してアニール処理を行うステップを更に備える、
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記アニール処理の温度は500度〜900度である、
    請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 炭化シリコン基板と、
    前記炭化シリコン基板の一面に、常温直接接合法により接合された二酸化ケイ素膜と、
    を備える、
    半導体装置。
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