JP2020106714A - 液晶硬化フィルムの製造方法、偏光板の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶硬化フィルムの製造方法、偏光板の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境に置かれた場合の液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制できる液晶硬化フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムの製造方法であって、液晶組成物の層を形成する工程と、液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物を配向させる工程と、液晶組成物の層を硬化させて液晶硬化層を形成する工程と、液晶硬化層を所定の条件で加熱する工程と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶硬化フィルムの製造方法、偏光板の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関する。
光学フィルムの一つとして、重合性液晶化合物を用いて製造される液晶硬化フィルムが知られている。このフィルムは、一般に、重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を備える。このような液晶硬化フィルムとして、特許文献1〜3に記載のものが提案されている。
特開2007−57607号公報 特許第4717282号公報 特開2003−207642号公報
液晶硬化フィルムが備える液晶硬化層は、一般に、レターデーションを有しうる。ところが、従来の液晶硬化フィルムは、常温よりも高い高温環境に置かれた場合、液晶硬化層のレターデーションが変化することがあった。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたものであって、高温環境に置かれた場合の液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制できる液晶硬化フィルムの製造方法;並びに、前記液晶硬化フィルムを備える偏光板及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、重合性液晶化合物を含む液晶組成物の層を形成する工程と、液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物を配向させる工程と、重合性液晶化合物を重合させて、液晶化合物の重合体を含む重合体層を形成する工程と、重合体層を加熱する工程と、を含む製造方法において、加熱工程において重合体層に直接エネルギーを付与する加熱装置を用い、重合体層のガラス転移温度、加熱工程直後の重合体層の表面温度及び加熱時間の関係を所定の構成とすることで、上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムの製造方法であって、
前記液晶組成物の層を形成する工程1と、
前記液晶組成物の層に含まれる前記重合性液晶化合物を配向させる工程2と、
前記重合性液晶化合物を重合させて、当該重合性液晶化合物の重合体を含む重合体層を形成する工程3と、
前記重合体層を、加熱装置により、加熱時間(t)(時間)加熱して、前記液晶硬化層を形成する工程4と、を含み、
前記重合体層の示差走査熱量分析によって測定したガラス転移温度Tg(℃)、前記工程4を行った直後の前記重合体層の表面温度T(℃)及び前記加熱時間t(時間)が、下記式(1)を満たし、
前記加熱装置が、前記重合体層に直接エネルギーを付与する装置である、液晶硬化フィルムの製造方法。
−0.008<(T−Tg)×t<0.34 式(1)
〔2〕 前記液晶組成物が架橋剤を含む、〔1〕に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔3〕 前記表面温度Tと前記ガラス転移温度Tgとの差T−Tgが、−24℃〜41℃である、〔1〕または〔2〕に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔4〕 前記加熱時間tが、1.2秒以上30秒以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔5〕 前記重合性液晶化合物が、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔6〕 前記重合性液晶化合物が、式(I)で表される化合物である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
Figure 2020106714

(上記式(I)において、
Arは、芳香族複素環、複素環、および芳香族炭化水素環の少なくとも1つを有し、置換されていてもよい、炭素原子数6〜67の2価の有機基を表す。
及びZは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR21−C(=O)−、−C(=O)−NR21−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、及び、−C≡C−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R21は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
、A、B及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、及び、置換基を有していてもよい芳香族基、からなる群より選ばれる基を表す。
〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−NR22−C(=O)−、−C(=O)−NR22−、−O−C(=O)−O−、−NR22−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR22−、及び、−NR22−C(=O)−NR23−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基;並びに、炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH−)の1以上が−O−又は−C(=O)−に置換された基;からなる群より選ばれる有機基を表す。G及びGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子に置換されていてもよい。ただし、G及びGの両末端のメチレン基(−CH−)が−O−又は−C(=O)−に置換されることはない。
及びPは、それぞれ独立して、重合性基を表す。
p及びqは、それぞれ独立して、0又は1を表す。)
〔7〕 前記式(I)のArが、ベンゾチアゾール環を有する、〔6〕に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の製造方法で液晶硬化フィルムを製造する工程と、
前記液晶硬化フィルムと直線偏光子とを貼合する工程と、を含む、偏光板の製造方法。
〔9〕 〔8〕に記載の製造方法で偏光板を製造することを含む、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
本発明によれば、高温環境に置かれた場合の液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制できる液晶硬化フィルムの製造方法;並びに、前記液晶硬化フィルムを備える偏光板及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法;を提供できる。
図1は、一例としての液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物の分子を模式的に示す概要図である。 図2は、一例としての液晶組成物の層を重合して得られた重合体層に含まれる重合性液晶化合物の分子を模式的に示す概要図である。 図3は、重合体層を加熱する工程を行った後の一例としての液晶硬化層に含まれる重合性液晶化合物の分子を模式的に示す概要図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、ある層の「面内方向」とは、別に断らない限り、層平面に平行な方向を表す。
以下の説明において、ある層の「厚み方向」とは、別に断らない限り、層平面に垂直な方向を表す。よって、別に断らない限り、ある層の面内方向と厚み方向とは、垂直である。
以下の説明において、逆波長分散性の複屈折とは、別に断らない限り、波長450nmにおける複屈折Δn(450)及び波長550nmにおける複屈折Δn(550)が、下記式(N1)を満たす複屈折をいう。このような逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物は、通常、測定波長が長いほど、大きい複屈折を発現できる。
Δn(450)<Δn(550) (N1)
以下の説明において、順波長分散性の複屈折とは、別に断らない限り、波長450nmにおける複屈折Δn(450)及び波長550nmにおける複屈折Δn(550)が、下記式(N2)を満たす複屈折をいう。このような順波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物は、通常、測定波長が長いほど、小さい複屈折を発現できる。
Δn(450)>Δn(550) (N2)
以下の説明において、ある層の面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。レターデーションの測定波長は、別に断らない限り、590nmである。面内レターデーションReは、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて測定できる。
以下の説明において、固有複屈折値が正の樹脂とは、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも大きくなる樹脂を意味する。また、固有複屈折値が負の樹脂とは、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも小さくなる樹脂を意味する。固有複屈折値は、誘電率分布から計算しうる。
以下の説明において、ある層の遅相軸とは、別に断らない限り、面内方向の遅相軸をいう。
以下の説明において、要素の方向が「平行」及び「垂直」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±4°、好ましくは±3°、より好ましくは±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
以下の説明において、置換基を有する基の炭素原子数には、別に断らない限り、前記置換基の炭素原子数を含めない。よって、例えば「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基」との記載は、置換基の炭素原子数を含まないアルキル基自体の炭素原子数が1〜20であることを表す。
以下の説明において、「偏光板」及び「波長板」は、別に断らない限り、樹脂フィルム等の可撓性を有するフィルム及びシートを含む用語として用いる。
[1.液晶硬化フィルムの製造方法の概要]
本発明の一実施形態に係る液晶硬化フィルムの製造方法は、重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムの製造方法である。この製造方法は、
液晶組成物の層を形成する工程1と、
液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物を配向させる工程2と、
重合性液晶化合物を重合させて、重合性液晶化合物の重合体を含む重合体層を形成する工程3と、
重合体層を、加熱装置により、加熱時間(t)(時間)加熱して、液晶硬化層を形成する工程4と、を含む。
前記の製造方法は、液晶硬化層を加熱する工程(工程4)を、重合体層に直接エネルギーを付与する加熱装置により、所定の条件において行う。具体的には、工程4を、工程4を行った直後の重合体層の表面温度T(℃)と、重合体層の加熱時間t(時間)と、重合体層の示差走査熱量分析(DSC)によって測定されるガラス転移温度Tg(℃)とが、下記式(1)を満たすように行う。
−0.008<(T−Tg)×t<0.34 式(1)
前記の式(1)を満たすように行われる加熱により、高温環境に置かれた場合のレターデーションの変化が抑制可能な液晶硬化層を備える液晶硬化フィルムが得られる。また、こうして得られる液晶硬化フィルムの液晶硬化層は、通常、経時的なレターデーションの変化を抑制することが可能である。以下、各工程についてさらに説明する。
[2.工程1]
工程1は、液晶組成物の層を形成する工程である。
工程1では、通常、適切な支持面に、液晶組成物の層を形成する。このような支持面としては、液晶組成物の層を支持できる任意の面を用いうる。この支持面としては、液晶硬化層の面状態を良好にする観点から、凹部及び凸部の無い平坦面を用いることが好ましい。また、液晶硬化層の生産性を高める観点から、前記の支持面としては、長尺の基材の表面を用いることが好ましい。ここで「長尺」とは、幅に対して、5倍以上の長さを有する形状をいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムの形状をいう。長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して1万倍以下としうる。
基材としては、通常、樹脂フィルム又はガラス板を用いる。特に、工程(iv)での加熱に耐えられる基材を選択するのが好ましい。樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂を用いる。中でも、配向規制力の高さ、機械的強度の高さ、及びコストの低さといった観点から、樹脂としては、正の固有複屈折値を有する樹脂が好ましい。更には、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れることから、ノルボルネン系樹脂等の、脂環式構造含有重合体を含む樹脂を用いることが好ましい。基材に含まれる樹脂の好適な例を商品名で挙げると、ノルボルネン系樹脂として、日本ゼオン社製「ゼオノア」を挙げられる。
支持面としての基材の表面には、液晶組成物の層における重合性液晶化合物の配向を促進するため、配向規制力を付与するための処理が施されていることが好ましい。配向規制力とは、液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物等の液晶化合物を配向させることができる、面の性質をいう。支持面に配向規制力を付与するため処理としては、例えば、配向膜形成処理、光配向処理、ラビング処理、イオンビーム配向処理、延伸処理などが挙げられる。
工程1において、液晶組成物は、通常、流体状で用意される。そのため、通常は、支持面に液晶組成物を塗工して、液晶組成物の層を形成する。液晶組成物を塗工する方法としては、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、及びディッピング法が挙げられる。
[液晶組成物]
本発明において、液晶組成物は、重合性液晶化合物を含む組成物である。この液晶組成物は、2種類以上の成分を含む材料だけでなく、1種類の重合性液晶化合物のみを含む材料を包含する。
[重合性液晶化合物]
重合性液晶化合物は、液晶性を有するので、通常、当該重合性液晶化合物を配向させた場合に、液晶相を呈することができる。
また、重合性液晶化合物は、重合性を有するので、液晶相を呈した状態で重合し、液晶相における分子の屈折率楕円体において最大の屈折率を示す方向を変化させないように重合体となることができる。よって、液晶硬化層において重合性液晶化合物の配向状態を固定したり、重合性液晶化合物の重合度を高めて液晶硬化層の機械的強度を高めたりすることが可能である。このように重合性を有する重合性液晶化合物の分子は、通常、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びエポキシ基等の重合性基を含む。重合性液晶化合物の分子1つ当たりの重合性基の数は、1個でもよいが、2個以上が好ましい。
重合性液晶化合物の分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、特に好ましくは800以上であり、好ましくは2000以下、より好ましくは1700以下、特に好ましくは1500以下である。このような範囲の分子量を有する重合性液晶化合物を用いる場合に、液晶組成物の塗工性を特に良好にできる。
重合性液晶化合物としては、逆分散液晶化合物を用いてもよく、順分散液晶化合物を用いてもよく、逆分散液晶化合物と順分散液晶化合物との組み合わせを用いてもよい。
逆分散液晶化合物とは、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物である。また、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物とは、当該液晶化合物の層を形成し、その層において液晶化合物を配向させた際に、逆波長分散性の複屈折を発現する液晶化合物をいう。
順分散液晶化合物とは、順波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物である。また、順波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物とは、当該液晶化合物の層を形成し、その層において液晶化合物を配向させた際に、順波長分散性の複屈折を発現する液晶化合物をいう。
通常は、液晶化合物をホモジニアス配向させた場合に、液晶化合物の層が示す複屈折の波長分散性を調べることで、その液晶化合物が示す複屈折の波長分散性を確認できる。液晶化合物をホモジニアス配向させる、とは、当該液晶化合物を含む層を形成し、その層における液晶化合物の分子の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向を、前記層の面に平行なある一の方向に配向させることをいう。また、前記の層の複屈折は、「(層の面内レターデーション)÷(層の厚み)」から求められる。
上述の通り、逆分散液晶化合物を用いると、通常、測定波長が長いほど、大きい複屈折を発現できる。よって、広い波長範囲において、レターデーションを設計の理想値に近くできる。そのため、本発明において、重合性液晶化合物として、逆分散液晶化合物を用いると、高温環境に置く前においても、置いた後に置いても、レターデーションの理想値からのずれを少なくでき、好ましい。
測定波長590nmにおける重合性液晶化合物の複屈折Δnは、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上であり、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下である。このような範囲の複屈折Δnを有する重合性液晶化合物を用いる場合に、配向欠陥の少ない液晶硬化層を得やすい。
液晶化合物の複屈折は、例えば、下記の方法により測定できる。
液晶化合物の層を作製し、その層に含まれる液晶化合物をホモジニアス配向させる。その後、その層の面内レターデーションを測定する。そして、「(層の面内レターデーション)÷(層の厚み)」から、液晶化合物の複屈折を求めることができる。この際、面内レターデーション及び厚みの測定を容易にするために、ホモジニアス配向させた液晶化合物の層は、硬化させてもよい。
重合性液晶化合物は、芳香環構造を有する側鎖を有することが好ましい。芳香環構造を有する側鎖を構造に導入することによって、複屈折特性の設計が容易になり、重合性液晶化合物に高い複屈折を与えることができる。それによって液晶硬化層の厚みを薄くすることができ、硬化ムラなどによるレターデーション変化量の増加を抑えることができる。
重合性液晶化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合性液晶化合物の例としては、下記式(I)で表される液晶化合物が挙げられる。式(I)で表される液晶化合物は、通常、逆波長分散性の複屈折を発現できる。
Figure 2020106714
式(I)において、Arは、芳香族複素環、複素環、および芳香族炭化水素環の少なくとも1つを有し、置換されていてもよい、炭素原子数6〜67の2価の有機基を表す。芳香族複素環としては、例えば、1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン環、1−ベンゾフラン環、2−ベンゾフラン環、アクリジン環、イソキノリン環、イミダゾール環、インドール環、オキサジアゾール環、オキサゾール環、オキサゾロピラジン環、オキサゾロピリジン環、オキサゾロピリダジル環、オキサゾロピリミジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キノリン環、シンノリン環、チアジアゾール環、チアゾール環、チアゾロピラジン環、チアゾロピリジン環、チアゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、チオフェン環、トリアジン環、トリアゾール環、ナフチリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピラノン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピロール環、フェナントリジン環、フタラジン環、フラン環、ベンゾ[c]チオフェン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾトリアジン環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾピラゾール環、ペンゾピラノン環等が挙げられる。複素環としては、例えば、1,3−ジチオラン環、ピロリジン、ピペラジン等が挙げられる。芳香族炭化水素環としては、例えば、フェニル環、ナフタレン環等が挙げられる。
Arの好ましい例としては、例えば、下記式(II−1)〜式(II−4)のいずれかで表される基が挙げられる。式(II−1)〜式(II−4)において、*は、Z又はZとの結合位置を表す。また、Arは、ベンゾチアゾール環を有することが好ましい。
Figure 2020106714
前記の式(II−1)〜式(II−4)において、E及びEは、それぞれ独立して、−CR1112−、−S−、−NR11−、−CO−及び−O−からなる群より選ばれる基を表す。また、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。中でも、E及びEは、それぞれ独立して、−S−であることが好ましい。
前記の式(II−1)〜式(II−4)において、D〜Dは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい非環状基を表す。D及びDは、一緒になって環を形成していてもよい。D〜Dが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、それぞれ独立して、通常、1〜100である。
〜Dにおける非環状基の炭素原子数は、1〜13が好ましい。D〜Dにおける非環状基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基;シアノ基;カルボキシル基;炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基;炭素原子数1〜6のアルコキシ基;−C(=O)−CH;−C(=O)NHPh;−C(=O)−OR;が挙げられる。中でも、非環状基としては、シアノ基、カルボキシル基、−C(=O)−CH、−C(=O)NHPh、−C(=O)−OC、−C(=O)−OC、−C(=O)−OCH(CH、−C(=O)−OCHCHCH(CH)−OCH、−C(=O)−OCHCHC(CH−OH、及び−C(=O)−OCHCH(CHCH)−C、が好ましい。前記のPhは、フェニル基を表す。また、前記のRは、炭素原子数1〜12の有機基を表す。Rの具体例としては、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、または、水酸基で置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基が挙げられる。
〜Dにおける非環状基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数1〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−OCF;−C(=O)−R;−O−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−SO;等が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、炭素原子数1〜6のアルキル基;並びに、炭素原子数1〜6のアルキル基若しくは炭素原子数1〜6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;からなる群より選ばれる基を表す。
は、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素環基;からなる群より選ばれる基を表す。
における炭素原子数1〜20のアルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜10である。Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、およびn−イコシル基等が挙げられる。
における炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾール−2−イルチオ基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の、炭素原子数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;及び、ベンゾジオキサニル基;等が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2〜12である。Rにおける炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、およびイコセニル基等が挙げられる。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。中でも、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が好ましい。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;および、フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;等が挙げられる。中でも、シクロアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;および、フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素環基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環基としては、フェニル基が好ましい。
における炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の、炭素原子数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基;−OCF;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;ニトロ基;フラニル基、チオフェニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基;−OCF;が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
及びDが一緒になって環を形成している場合、前記のD及びDによって環を含む有機基が形成される。この有機基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式において、*は、各有機基が、D及びDが結合する炭素と結合する位置を表す。
Figure 2020106714
は、炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。
**は、炭素原子数1〜3のアルキル基、及び、置換基を有していてもよいフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。
***は、炭素原子数1〜3のアルキル基、及び、置換基を有していてもよいフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。
****は、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、水酸基、及び、−COOR13からなる群より選ばれる基を表す。R13は、炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。
フェニル基が有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基及びアミノ基が挙げられる。中でも、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基及びアルコキシ基が好ましい。フェニル基が有する置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記の式(II−1)〜式(II−4)において、Dは、−C(R)=N−N(R)R、−C(R)=N−N=C(R)R、及び、−C(R)=N−N=Rからなる群より選ばれる基を表す。Dが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、通常、3〜100である。
は、水素原子;並びに、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;からなる群より選ばれる基を表す。
は、水素原子;並びに、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜30の有機基;からなる群より選ばれる基を表す。
における置換基を有していてもよい炭素原子数1〜30の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜30の芳香族複素環基;−G−Y−F;−SO;−C(=O)−R;−CS−NH−R;が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。
における炭素原子数1〜20のアルキル基の好ましい炭素原子数の範囲及び例示物は、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基と同じである。
における炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の、炭素原子数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基;1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;−SO;−SR;−SRで置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;水酸基;等が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基の好ましい炭素原子数の範囲及び例示物は、Rにおける炭素原子数2〜20のアルケニル基と同じである。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜20のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、2−ペンチニル基、ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、2−オクチニル基、ノナニル基、デカニル基、7−デカニル基等が挙げられる。
における炭素原子数2〜20のアルキニル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、Rにおける炭素原子数3〜12のシクロアルキル基と同じ例が挙げられる。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基としては、例えば、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環基としては、フェニル基がより好ましい。
における炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、D〜Dにおける非環状基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜30の芳香族複素環基としては、例えば、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、キノリル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、およびベンゾピラゾリル基等が挙げられる。中でも、芳香族複素環基としては、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、オキサゾリル基、フラザニル基、チアゾリル基、及びチアジアゾリル基等の、単環の芳香族複素環基;並びに、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キノリル基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、フタルイミド基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピラジニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、及びベンゾチアジアゾリル基等の、縮合環の芳香族複素環基;がより好ましい。
における炭素原子数2〜30の芳香族複素環基が有しうる置換基としては、例えば、D〜Dにおける非環状基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜30の2価の脂肪族炭化水素基;並びに、置換基を有していてもよい炭素原子数3〜30の2価の脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR14−C(=O)−、−C(=O)−NR14−、−NR14−、または、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);からなる群より選ばれる有機基を表す。R14は、水素原子、又は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。前記「2価の脂肪族炭化水素基」は、2価の鎖状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。
は、−O−、−C(=O)−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR15−C(=O)−、−C(=O)−NR15−、−O−C(=O)−NR15−、−NR15−C(=O)−O−、−N=N−、及び、−C≡C−、からなる群より選ばれる基を表す。R15は、水素原子、又は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。中でも、Yとしては、−O−、−O−C(=O)−O−及び−C(=O)−O−が好ましい。
は、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくとも一方を有する有機基を表す。この有機基の炭素原子数は、好ましくは2以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上であり、好ましくは30以下である。前記の有機基の炭素原子数には、置換基の炭素原子を含まない。
における芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、フルオレン環等の、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環が挙げられる。Fが、複数の芳香族炭化水素環を有する場合、複数の芳香族炭化水素環は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
における芳香族炭化水素環は、置換基を有していてもよい。Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−OCF;−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−O−C(=O)−R;等が挙げられる。Rの意味は、上述した通りである。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における芳香族複素環としては、例えば、1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン環、1−ベンゾフラン環、2−ベンゾフラン環、アクリジン環、イソキノリン環、イミダゾール環、インドール環、オキサジアゾール環、オキサゾール環、オキサゾロピラジン環、オキサゾロピリジン環、オキサゾロピリダジル環、オキサゾロピリミジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キノリン環、シンノリン環、チアジアゾール環、チアゾール環、チアゾロピラジン環、チアゾロピリジン環、チアゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、チオフェン環、トリアジン環、トリアゾール環、ナフチリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピラノン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピロール環、フェナントリジン環、フタラジン環、フラン環、ベンゾ[c]チオフェン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾトリアジン環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾピラゾール環、ペンゾピラノン環等の、炭素原子数2〜30の芳香族複素環が挙げられる。Fが、複数の芳香族複素環を有する場合、複数の芳香族複素環は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
における芳香族複素環は、置換基を有していてもよい。Fにおける芳香族複素環が有しうる置換基としては、例えば、Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の好ましい例としては、「芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくとも一方を有する、置換基を有していてもよい、炭素原子数2〜20の環状基」が挙げられる。以下、この環状基を、適宜「環状基(a)」ということがある。
環状基(a)が有しうる置換基としては、例えば、Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
環状基(a)の好ましい例としては、少なくとも一つの炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素環を有する、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜20の炭化水素環基が挙げられる。この炭化水素環基を、以下、適宜「炭化水素環基(a1)」ということがある。
炭化水素環基(a1)としては、例えば、フェニル基(炭素原子数6)、ナフチル基(炭素原子数10)、アントラセニル基(炭素原子数14)、フェナントレニル基(炭素原子数14)、ピレニル基(炭素原子数16)、フルオレニル基(炭素原子数13)、インダニル基(炭素原子数9)、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基(炭素原子数10)、1,4−ジヒドロナフチル基(炭素原子数10)等の、炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素環基が挙げられる。
前記の炭化水素環基(a1)の具体例としては、下記式(1−1)〜(1−21)で表される基が挙げられる。また、これらの基は、置換基を有していてもよい。下記式中、「−」は、環の任意の位置からのびる、Yとの結合手を表す。
Figure 2020106714
環状基(a)の別の好ましい例としては、炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜18の芳香族複素環からなる群から選ばれる1以上の芳香環を有する、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の複素環基が挙げられる。この複素環基を、以下、適宜「複素環基(a2)」ということがある。
複素環基(a2)としては、例えば、フタルイミド基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジニル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノンニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノンニル基等の、炭素原子数2〜18の芳香族複素環基;キサンテニル基;2,3−ジヒドロインドーリル基;9,10−ジヒドロアクリジニル基;1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基;ジヒドロピラニル基;テトラヒドロピラニル基;ジヒドロフラニル基;およびテトラヒドロフラニル基;が挙げられる。
前記の複素環基(a2)の具体例としては、下記式(2−1)〜(2−51)で表される基が挙げられる。また、これらの基は、置換基を有していてもよい。下記式中、「−」は、環の任意の位置からのびる、Yとの結合手を表す。下記式中、Xは、−CH−、−NR−、酸素原子、硫黄原子、−SO−または−SO−を表す。YおよびZは、それぞれ独立して、−NR−、酸素原子、硫黄原子、−SO−または−SO−を表す。Eは、−NR−、酸素原子または硫黄原子を表す。ここで、Rは、水素原子;または、メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。(但し、各式中において酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO−は、それぞれ隣接しないものとする。)。
Figure 2020106714
の好ましい別の例としては、「芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくとも一方を有する、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の環状基で、少なくとも一つの水素原子が置換され、且つ、前記環状基以外の置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜18のアルキル基」が挙げられる。この置換されたアルキル基を、以下、適宜「置換アルキル基(b)」ということがある。
置換アルキル基(b)における炭素原子数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
置換アルキル基(b)において、「芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくとも一方を有する、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の環状基」としては、例えば、環状基(a)として説明した範囲の基が挙げられる。
置換アルキル基(b)において、「芳香族炭化水素環および芳香族複素環の少なくとも一方」は、炭素原子数1〜18のアルキル基の炭素原子に、直接に結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば、−S−、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR15−C(=O)−、−C(=O)−NR15などが挙げられる。R15の意味は、上述した通りである。よって、置換アルキル基(b)における「芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくとも一方を有する、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の環状基」には、フルオレニル基、ベンゾチアゾリル基等の、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくとも一方を有する基;置換されていてもよい芳香族炭化水素環基;置換されていてもよい芳香族複素環基;連結基を有する置換されていてもよい芳香族炭化水素環よりなる基;連結基を有する置換されていてもよい芳香族複素環よりなる基;が含まれる。
置換アルキル基(b)における芳香族炭化水素環基の好ましい例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、およびフルオレニル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基が挙げられる。
置換アルキル基(b)における芳香族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
置換アルキル基(b)における芳香族複素環基の好ましい例としては、フタルイミド基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、アクリジニル基、イソキノリニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、オキサゾロピラジニル基、オキサゾロピリジニル基、オキサゾロピリダジニル基、オキサゾロピリミジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、キノリル基、シンノリニル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラノンニル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フェナントリジニル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ペンゾピラノンニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香複素環基が挙げられる。
置換アルキル基(b)における芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
置換アルキル基(b)における「連結基を有する芳香族炭化水素環よりなる基」及び「連結基を有する芳香族複素環よりなる基」としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラセニルチオ基、フェナントレニルチオ基、ピレニルチオ基、フルオレニルチオ基、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、ピレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ベンゾイソオキサゾリルチオ基、ベンゾイソチアゾリルチオ基、ベンゾオキサジアゾリルチオ基、ベンゾオキサゾリルチオ基、ベンゾチアジアゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、ベンゾチエニルチオ基、ベンゾイソオキサゾリルオキシ基、ベンゾイソチアゾリルオキシ基、ベンゾオキサジアゾリルオキシ基、ベンゾオキサゾリルオキシ基、ベンゾチアジアゾリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、ベンゾチエニルオキシ基、等が挙げられる。
置換アルキル基(b)における「連結基を有する芳香族炭化水素環よりなる基」及び「連結基を有する芳香族複素環よりなる基」は、それぞれ、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
置換アルキル基(b)が有しうる環状基以外の置換基としては、例えば、Fにおける芳香族炭化水素環が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
置換アルキル基(b)の具体例としては、下記式(3−1)〜(3−11)で表される基が挙げられる。また、これらの基は、置換基を有していてもよい。下記式中、「−」は、環の任意の位置からのびる、Yとの結合手を表す。また、下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2020106714
特に、Arが式(II−2)で表される場合、Fは、下記式(i−1)〜(i−9)のいずれかで表される基であることが好ましい。また、特に、Arが式(II−3)又は式(II−4)で表される場合、Fは、下記式(i−1)〜(i−13)のいずれかで表される基であることが好ましい。下記式(i−1)〜(i−13)で表される基は、置換基を有していてもよい。また、下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2020106714
更には、Arが式(II−2)で表される場合、Fは、下記式(ii−1)〜(ii−18)のいずれかで表される基であることが特に好ましい。また、Arが式(II−3)又は式(II−4)で表される場合、Fは、下記式(ii−1)〜(ii−24)のいずれかで表される基であることが特に好ましい。下記式(ii−1)〜(ii−24)で表される基は、置換基を有していてもよい。下記の式において、Yの意味は、上述した通りである。また、下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Arが式(II−2)で表される場合、F中の環構造に含まれるπ電子の総数は、8以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。また、Arが式(II−3)又は式(II−4)で表される場合、F中の環構造に含まれるπ電子の総数は、4以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。
上述したものの中でも、Rとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、または、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);置換基を有していてもよい炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜30の芳香族複素環基;並びに、−G−Y−F;が好ましい。その中でも、Rとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、または、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基;並びに、−G−Y−F;が特に好ましい。
は、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、有機基を表す。
の好ましい例としては、(1)一以上の炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環を有する、炭素原子数6〜40の炭化水素環基、が挙げられる。この芳香族炭化水素環を有する炭化水素環基を、以下、適宜「(1)炭化水素環基」ということがある。(1)炭化水素環基の具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2020106714
(1)炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。(1)炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;−OCF;−C(=O)−R;−O−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−SO;等が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、および、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の別の好ましい例としては、(2)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、炭素原子数2〜40の複素環基が挙げられる。この芳香環を有する複素環基を、以下、適宜「(2)複素環基」ということがある。(2)複素環基の具体例としては、下記の基が挙げられる。Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Figure 2020106714
Figure 2020106714
(2)複素環基は、置換基を有していてもよい。(2)複素環基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の更に別の好ましい例としては、(3)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環基からなる群より選ばれる1以上の基で置換された、炭素原子数1〜12のアルキル基が挙げられる。この置換されたアルキル基を、以下、適宜「(3)置換アルキル基」ということがある。
(3)置換アルキル基における「炭素原子数1〜12のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
(3)置換アルキル基における「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基」としては、例えば、Rにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
(3)置換アルキル基における「炭素原子数2〜30の芳香族複素環基」としては、例えば、Rにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
(3)置換アルキル基は、更に置換基を有していてもよい。(3)置換アルキル基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の更に別の好ましい例としては、(4)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環基からなる群より選ばれる1以上の基で置換された、炭素原子数2〜12のアルケニル基が挙げられる。この置換されたアルケニル基を、以下、適宜「(4)置換アルケニル基」ということがある。
(4)置換アルケニル基における「炭素原子数2〜12のアルケニル基」としては、例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられる。
(4)置換アルケニル基における「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基」としては、例えば、Rにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
(4)置換アルケニル基における「炭素原子数2〜30の芳香族複素環基」としては、例えば、Rにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
(4)置換アルケニル基は、更に置換基を有していてもよい。(4)置換アルケニル基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の更に別の好ましい例としては、(5)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環基からなる群より選ばれる1以上の基で置換された、炭素原子数2〜12のアルキニル基が挙げられる。この置換されたアルキニル基を、以下、適宜「(5)置換アルキニル基」ということがある。
(5)置換アルキニル基における「炭素原子数2〜12のアルキニル基」としては、例えば、エチニル基、プロピニル基などが挙げられる。
(5)置換アルキニル基における「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基」としては、例えば、Rにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
(5)置換アルキニル基における「炭素原子数2〜30の芳香族複素環基」としては、例えば、Rにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
(5)置換アルキニル基は、更に置換基を有していてもよい。(5)置換アルキニル基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2020106714
の更に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2020106714
の特に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2020106714
上述したRの具体例は、更に置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−OCF;−C(=O)−R;−O−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−SO;等が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、および、炭素原子数1〜6のアルコキシ基が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、有機基を表す。
の好ましい例としては、一以上の炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環を有する、炭素原子数6〜40の炭化水素環基が挙げられる。
また、Rの別の好ましい例としては、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、炭素原子数2〜40の複素環基が挙げられる。
の特に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。Rの意味は、上述した通りである。
Figure 2020106714
式(II−1)〜式(II−4)のいずれかで表される基は、D〜D以外に更に置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数1〜6のアルキルスルフィニル基、カルボキシル基、炭素原子数1〜6のチオアルキル基、炭素原子数1〜6のN−アルキルスルファモイル基、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(I)におけるArの好ましい例としては、下記の式(III−1)〜式(III−7)で表される基が挙げられる。また、式(III−1)〜式(III−7)で表される基は、置換基として炭素原子数1〜6のアルキル基を有していてもよい。下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2020106714
式(III−1)の特に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2020106714
Figure 2020106714
式(I)において、Z及びZは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR21−C(=O)−、−C(=O)−NR21−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、及び、−C≡C−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R21は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
式(I)において、A、A、B及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、及び、置換基を有していてもよい芳香族基、からなる群より選ばれる基を表す。A、A、B及びBが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、それぞれ独立して、通常、3〜100である。中でも、A、A、B及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素原子数5〜20の環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の芳香族基が好ましい。
、A、B及びBにおける環状脂肪族基としては、例えば、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−シクロヘプタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等の、炭素原子数5〜20のシクロアルカンジイル基;デカヒドロナフタレン−1,5−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基等の、炭素原子数5〜20のビシクロアルカンジイル基;等が挙げられる。中でも、置換されていてもよい炭素原子数5〜20のシクロアルカンジイル基が好ましく、シクロヘキサンジイル基がより好ましく、シクロヘキサン−1,4−ジイル基が特に好ましい。環状脂肪族基は、トランス体であってもよく、シス体であってもよく、シス体とトランス体との混合物であってもよい。中でも、トランス体がより好ましい。
、A、B及びBにおける環状脂肪族基が有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
、A、B及びBにおける芳香族基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、4,4’−ビフェニレン基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;フラン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;等が挙げられる。中でも、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基が好ましく、フェニレン基がさらに好ましく、1,4−フェニレン基が特に好ましい。
、A、B及びBにおける芳香族基が有しうる置換基としては、例えば、A、A、B及びBにおける環状脂肪族基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(I)において、Y〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−NR22−C(=O)−、−C(=O)−NR22−、−O−C(=O)−O−、−NR22−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR22−、及び、−NR22−C(=O)−NR23−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
式(I)において、G及びGは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基;並びに、炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH−)の1以上が−O−又は−C(=O)−に置換された基;からなる群より選ばれる有機基を表す。G及びGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよい。ただし、G及びGの両末端のメチレン基(−CH−)が−O−又は−C(=O)−に置換されることはない。
及びGにおける炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基の具体例としては、炭素原子数1〜20のアルキレン基が挙げられる。
及びGにおける炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基の具体例としては、炭素原子数3〜20のアルキレン基が挙げられる。
式(I)において、P及びPは、それぞれ独立して、重合性基を表す。P及びPにおける重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の、CH=CR31−C(=O)−O−で表される基;ビニル基;ビニルエーテル基;p−スチルベン基;アクリロイル基;メタクリロイル基;カルボキシル基;メチルカルボニル基;水酸基;アミド基;炭素原子数1〜4のアルキルアミノ基;アミノ基;エポキシ基;オキセタニル基;アルデヒド基;イソシアネート基;チオイソシアネート基;等が挙げられる。R31は、水素原子、メチル基、又は塩素原子を表す。中でも、CH=CR31−C(=O)−O−で表される基が好ましく、CH=CH−C(=O)−O−(アクリロイルオキシ基)、CH=C(CH)−C(=O)−O−(メタクリロイルオキシ基)がより好ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
式(I)において、p及びqは、それぞれ独立して、0又は1を表す。
式(I)で表される液晶化合物は、例えば、国際公開第2012/147904号および国際公開第2018/173954号に記載される、ヒドラジン化合物とカルボニル化合物との反応により製造しうる。
式(I)で表される液晶化合物としては、具体的には、例えば、下記の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020106714
[架橋剤(任意成分)]
液晶組成物は、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤は任意の成分である。架橋剤とは、重合性化合物に、橋かけ結合を形成しうる剤をいう。架橋剤には、上記重合性液晶化合物は含まれない。
本発明において液晶組成物は、架橋剤を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上の任意の比率の組み合わせとして含んでいてもよい。
架橋剤は、好ましくは多官能性モノマーである。多官能性モノマーとは、重合性の基を一分子中に2個以上有する化合物を意味する。
多官能性モノマーが有しうる重合性の基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニル基が挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、2官能性モノマー(例、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート)、3官能性以上の、多官能性モノマー(例、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート)が挙げられる。
架橋剤は、より好ましくは、2官能性モノマーである。2官能性モノマーとは、重合性の基を一分子中に2個有する化合物を意味する。
架橋剤は、好ましくは脂環式構造を有する化合物であり、より好ましくは脂環式構造を有する、2官能性モノマーである。
脂環式構造としては、例えば、単環の脂環式構造(例、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環)、2環以上の多環の脂環式構造(例、ビシクロヘプタン環、トリシクロデカン環、ビシクロデカン環)が挙げられる。
架橋剤の具体例としては、下記の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020106714
上記式(C−3)において、a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ独立して、1以上2以下の整数を表す。Yは、アクリロイル基又はヒドロキシ基を表す。Xは、下記式により表される基である。
Figure 2020106714
Yは、好ましくはアクリロイル基である。式(C−3)で表される化合物であってYがアクリロイル基である化合物は、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと称される。
液晶組成物における架橋剤の重合性液晶化合物に対する重量比率は、好ましくは1/100以上、より好ましくは3/100以上、更に好ましくは5/100以上であり、好ましくは30/100以下、より好ましくは25/100以下、更に好ましくは20/100以下である。
[他の任意成分]
液晶組成物は、重合性液晶化合物、及び架橋剤以外の任意の成分を含んでいてもよい。かかる任意の成分としては、例えば、重合開始剤、界面活性剤、溶媒、及び紫外線吸収剤が挙げられる。
重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれを用いてもよい。中でも、本発明の所望の効果を顕著に得る観点では、光重合開始剤を用いることが好ましい。
重合開始剤の種類は、液晶組成物に含まれる重合性の化合物の種類に応じて選択しうる。例えば、重合性の化合物がラジカル重合性であれば、ラジカル重合開始剤を使用しうる。また、重合性の化合物がアニオン重合性であれば、アニオン重合開始剤を使用しうる。さらに、重合性の化合物がカチオン重合性であれば、カチオン重合開始剤を使用しうる。重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の量は、重合性液晶化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。重合開始剤の量が前記範囲に収まる場合、重合を効率的に進行させることができる。
界面活性剤としては、配向性に優れた液晶硬化層を安定して得る観点から、分子中にフッ素原子を含む界面活性剤が好ましい。以下の説明において、分子中にフッ素原子を含む界面活性剤を、適宜「フッ素系界面活性剤」ということがある。
界面活性剤はノニオン系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤がイオン性基を含まないノニオン系界面活性剤である場合に、液晶硬化層の面状態及び配向性を、特に良好にすることができる。
界面活性剤としては、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズ(S242、S386、S420など)、DIC社製のメガファックシリーズ(F251、F554、F556、F562、RS−75、RS−76−Eなど)、ネオス社製のフタージェントシリーズ(FTX601AD、FTX602A、FTX601ADH2、FTX650A、209Fなど)等が挙げられる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の量は、重合性液晶化合物100重量部に対して、好ましくは0.005重量部以上、より好ましくは0.010重量部以上であり、好ましくは1.00重量部以下、より好ましくは0.50重量部以下である。界面活性剤の量が前記の範囲にある場合、液晶硬化層の面状態を良好にしたり、液晶硬化層の配向欠陥の発生を抑制したりできる。
溶媒としては、重合性液晶化合物を溶解できるものが好ましい。このような溶媒としては、通常、有機溶媒を用いる。有機溶媒の例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル溶媒;及びトルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;が挙げられる。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
溶媒の沸点は、取り扱い性に優れる観点から、好ましくは60℃〜250℃、より好ましくは60℃〜150℃である。
溶媒の量は、重合性液晶化合物100重量部に対して、好ましくは200重量部以上、より好ましくは250重量部以上、特に好ましくは300重量部以上であり、好ましくは650重量部以下、より好ましくは600重量部以下、特に好ましくは500重量部以下である。溶媒の量が前記範囲の下限値以上である場合に、異物発生の抑制ができる。また、溶媒の量が前記範囲の上限値以下である場合に、乾燥負荷の低減ができる。
液晶組成物が含みうる任意のその他の成分としては、例えば、金属;金属錯体;酸化チタン等の金属酸化物;染料、顔料等の着色剤;蛍光材料、燐光材料等の発光材料;レベリング剤;チキソ剤;ゲル化剤;多糖類;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;抗酸化剤;イオン交換樹脂;等が挙げられる。これらの成分の量は、重合性液晶化合物の合計100重量部に対して、各々0.1重量部〜20重量部としうる。
[3.工程2(配向工程)]
工程2は、液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物を配向させる工程である。工程2は工程1を行った後に行う。工程2を行うことにより液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物を配向させることができる。
工程2を行う際には、通常、液晶組成物の層を、所定の温度条件に所定の時間だけ保持する。これにより、液晶組成物の層において、重合性液晶化合物等の液晶化合物が配向する。この配向処理の条件は、使用する液晶組成物の性質に応じて適切に設定しうる。配向処理の条件の具体例を挙げると、50℃〜160℃の温度条件において、30秒間〜5分間処理する条件としうる。
[4.工程3(重合工程)]
工程3は、重合性液晶化合物を重合させて、当該重合性液晶化合物の重合体を含む重合体層を形成する工程である。工程3は、工程2を行った後に行う。工程2の後に工程3を行うことで、液晶組成物に含まれる重合性の液晶化合物を重合させ、液晶組成物の層を硬化させうる。工程3を行うことにより液晶組成物の層が硬化すると、硬化前の流動性が失われるので、通常、得られる重合体層では、重合性液晶化合物の配向状態は、固定されうる。
重合方法としては、液晶組成物に含まれる成分の性質に適合した方法を選択しうる。重合方法としては、例えば、活性エネルギー線を照射する方法、及び、熱重合法が挙げられる。中でも、加熱が不要であり、室温で重合反応を進行させられるので、活性エネルギー線を照射する方法が好ましい。ここで、照射される活性エネルギー線には、可視光線、紫外線、及び赤外線等の光、並びに電子線等の任意のエネルギー線が含まれうる。
なかでも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。紫外線照射時の温度は、基材のガラス転移温度以下とすることが好ましく、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下である。紫外線照射時の温度の下限は、15℃以上としうる。紫外線の照射強度は、好ましくは0.1mW/cm以上、より好ましくは0.5mW/cm以上であり、好ましくは10000mW/cm以下、より好ましくは5000mW/cm以下である。紫外線の照射量は、好ましくは0.1mJ/cm以上、より好ましくは0.5mJ/cm以上であり、好ましくは10000mJ/cm以下、より好ましくは5000mJ/cm以下である。
こうして得られた重合体層では、重合性液晶化合物の重合反応が十分に進行するので、通常、当該重合体層における未重合の重合性液晶化合物の含有量は、工程2の後の液晶組成物の層における未重合の重合体液晶化合物の含有量よりも少ない。具体的な範囲を示すと、重合体層に含まれる未重合の重合性液晶化合物の割合は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。このように未重合の重合性液晶化合物の割合が少ない場合に、高温環境に置かれた場合における液晶硬化層のレターデーションの変化を効果的に抑制できる。
層(重合体層または液晶硬化層)に含まれる未重合の重合性液晶化合物の量は、対象となる層から未重合の重合性液晶化合物を抽出して抽出溶液を得て、当該抽出溶液中の未重合の重合性液晶化合物の量を定量することにより、測定できる。抽出溶液中の未重合の重合性液晶化合物の定量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行うことができる。
[5.工程4(加熱工程)]
工程4は、重合体層を加熱装置により加熱時間t(時間)加熱して液晶硬化層を形成する工程である。工程3で重合体層を得た後で、この液晶硬化層を加熱する工程4を行う。
工程4における加熱は、重合体層に直接エネルギーを付与する加熱装置を用い、重合体層のガラス転移温度Tg(℃)、加熱工程直後の重合体層の表面温度T(℃)及び加熱時間t(時間)が上記式(1)を満たすように行う。通常、液晶硬化層における未重合の重合性液晶化合物の含有量は、工程3を行った後に形成される重合体層における未重合の重合体性液晶化合物の含有量と、概ね同じである。
工程4において、加熱装置として、重合体層に直接エネルギーを付与する装置(「直接加熱装置」ともいう)を用いることにより、重合体層そのものの温度を短時間で上昇させることができる。また、式(1)を満たすように加熱を行うこと、具体的には「(T−Tg)×t」が−0.008より大きく0.34よりも小さくなるような条件で加熱を行うことにより、高温環境に置かれた場合における液晶硬化層のレターデーションの変化を効果的に抑制できる。このように短時間で効率的な加熱ができるので生産効率にも優れる。
本発明において、「直接エネルギーを付与する」とは、加熱対象以外のものを介さずに、加熱対象にエネルギーを与えることをいう。「直接エネルギーを付与する装置」とは、加熱対象自体にエネルギーを付与して加熱対象自体を加熱する装置をいう。例えば、加温した筐体内に加熱対象を配置して加熱する手段のみを備えた装置は、直接エネルギーを付与する装置に含まない。
本発明において、直接エネルギーを付与する装置としては、例えば、可視光線、紫外線、及び赤外線等の電磁波、並びに電子線等の任意のエネルギー線を、加熱対象に直接照射し、輻射による加熱を行う装置等が挙げられる。このような装置の具体例としては、例えば、IR(赤外線)ランプ、電気ヒーター、フラッシュ(閃光)ランプ、マイクロウェーブ加熱装置等が挙げられる。このうちエネルギーを有効に付与できるため、IR(赤外線)ランプが好ましい。
本発明においては、直接加熱装置とともに、重合体層に間接的に熱エネルギーを付与する加熱手段を併用してもよい。このような間接的に熱エネルギーを付与する加熱手段としては、熱風オーブンなどが挙げられる。
工程4における加熱は、筐体内で行ってもよいし、筐体外で行ってもよい。
「(T−Tg)×t」は、−0.008より大きく、好ましくは0.001より大きく、さらに好ましくは0.003より大きい。また、「(T−Tg)×t」は、0.34よりも小さく、好ましくは0.1よりも小さく、さらに好ましくは0.008よりも小さい。「(T−Tg)×t」が前記範囲の上限値より小さいことにより、加熱による膨張及びその後の冷却による収縮によって液晶硬化層及び基材に生じる応力を抑制できるので、前記応力によるシワ等の変形の発生を抑制できる。さらに、「(T−Tg)×t」が上限より小さいことにより、過剰な熱処理による劣化によって液晶硬化層の光学性能が低下することを抑制できる。「(T−Tg)×t」が前記範囲の下限値より大きいことにより、高温環境に置かれた場合における液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制する効果を有効に発現できる。
表面温度Tは75℃以上が好ましい。この範囲とすることで、液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制する効果を有効に発現できる。
重合体層のガラス転移温度Tg(℃)は、示差走査熱量分析によって測定される値を採用する。このガラス転移温度Tg(℃)は、工程4の前に重合体層からサンプルを採取して測定できる。測定の際には、サンプルを一度130℃まで加熱し、室温まで冷却する。その後、サンプルを、昇温速度5℃/minで150℃まで昇温しながら、吸熱曲線を測定する。そして、この吸熱曲線から、ガラス転移温度Tg(℃)を計測できる。
(表面温度Tの測定方法)
工程4の直後の重合体層(液晶硬化層)の表面温度Tは、赤外温度計(FLIR社製、「FLIRC3」)を用いて計測しうる。
工程4の直後の重合体層の表面温度Tと前記ガラス転移温度Tgとの差(T−Tg)は、好ましくは−24℃以上、より好ましくは−9℃以上、特に好ましくは1℃以上であり、好ましくは41℃以下、より好ましくは20℃以下、特に好ましくは15℃以下である。温度差(T−Tg)が前記の範囲にある場合に、高温環境に置かれた場合における液晶硬化層のレターデーションの変化を効果的に抑制できる。また、温度差(T−Tg)が前記の範囲の下限値以上である場合、加熱時間tを短くできるので、液晶硬化フィルムの生産効率を高めることができる。さらに、温度差T−Tgが前記範囲の上限値以下である場合、重合体層の表面温度Tを低くできるので、耐熱性が高くない基材を用いることが可能となり、基材の選択の自由度を高めることができる。
重合体層のガラス転移温度Tgは、好ましくは75℃より高く、より好ましくは76℃以上、特に好ましくは77℃以上である。重合体層がこのような範囲のガラス転移温度Tgを有する場合に、高温環境に置かれた場合における液晶硬化層のレターデーションの変化を効果的に抑制できる。前記ガラス転移温度Tgの上限は、特段の制限は無く、例えば200℃以下でありうる。
工程4における加熱時間tは、好ましくは1.2秒以上、より好ましくは1.5秒以上であり、好ましくは30秒以下、より好ましくは5秒以下である。加熱時間tが前記の範囲にある場合に、高温環境に置かれた場合における液晶硬化層のレターデーションの変化を効果的に抑制できる。特に、加熱時間tが前記範囲の上限値未満である場合、液晶硬化フィルムの生産効率を高めることができる。
[6.任意の工程]
本発明の液晶硬化フィルムの製造方法は、上述した工程1〜工程4に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
上述した態様の製造方法では、通常、基材と、この基材の支持面上に形成された液晶硬化層とを含む液晶硬化フィルムが得られる。よって、このような態様の製造方法で液晶硬化フィルムを製造する場合、液晶硬化フィルムの製造方法は、例えば、支持面から液晶硬化層を剥離する工程を含んでいてもよい。
また、液晶硬化フィルムの製造方法は、例えば、液晶硬化層上に、更に任意の層を形成する工程を含んでいてもよい。
さらに、液晶硬化フィルムの製造方法は、例えば、基材上に形成された液晶硬化層を、任意のフィルム層に転写する工程を含んでいてもよい。よって、例えば、液晶硬化フィルムの製造方法は、基材上に形成された液晶硬化層と任意のフィルム層とを貼り合わせた後で、必要に応じて基材を剥離して、液晶硬化層及び任意のフィルム層を含む液晶硬化フィルムを得る工程を含んでいてもよい。この際、貼り合わせには、適切な粘着剤又は接着剤を用いてもよい。
また、液晶硬化フィルムの製造方法は、例えば、工程3の前に、液晶組成物の層を乾燥させる工程を含んでいてもよい。かかる乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥等の乾燥方法で達成しうる。かかる乾燥により、液晶組成物の層から、溶媒を除去することができる。
前記のような製造方法によれば、長尺の基材を用いて、長尺の液晶硬化フィルムを得ることができる。このような長尺の液晶硬化フィルムは、連続的な製造が可能であり、生産性に優れる。また、長尺の液晶硬化フィルムは、他のフィルムとの貼り合わせを、ロールトゥロールによって行うことができるので、この点でも、生産性に優れる。通常、長尺の液晶硬化フィルムは、巻き取られてロールの状態で保存及び運搬がなされる。
[7.液晶硬化フィルム]
本発明の製造方法により得られた液晶硬化フィルムは、上述した液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を含む。液晶組成物の硬化物で形成されているので、液晶硬化層は、重合性液晶化合物の分子を含む。
液晶組成物の硬化は、通常、当該液晶成物が含む重合性の化合物の重合によって達成される。よって、液晶硬化層は、通常、液晶組成物が含んでいた成分の一部又は全部の重合体を含む。したがって、液晶硬化層は、重合性液晶化合物の重合体を含む層でありうる。通常、重合によって重合性液晶化合物の液晶性は失われるが、本願においては、そのように重合した重合性液晶化合物も、用語「液晶硬化層に含まれる重合性液晶化合物」に含める。
液晶硬化層において、重合性液晶化合物は、通常、その配向状態を固定されうる。用語「配向状態を固定された重合性液晶化合物」には、前記の重合性液晶化合物の重合体が包含される。液晶硬化層は、配向状態を固定された重合性液晶化合物の分子に組み合わせて配向状態を固定されていない重合性液晶化合物の分子を含んでいてもよいが、液晶硬化層に含まれる重合性液晶化合物の分子の全てが配向状態を固定されていることが好ましい。
上述した製造方法で製造された液晶硬化フィルムの液晶硬化層は、高温環境に置かれた場合におけるレターデーションの変化が抑制されている。このような効果が得られる仕組みは下記の通りであると、本発明者は推察する。ただし、本発明の技術的範囲は、下記にて説明する仕組みによって制限されない。
図1は、一例としての液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物の分子100を模式的に示す概要図である。図1に示すように、重合性液晶化合物の分子100は、通常、当該重合性液晶化合物の分子100の屈折率楕円体において最大の屈折率を示す方向に長軸を有する主鎖骨格110に組み合わせて、この主鎖骨格110の長軸の方向に交差する方向に長軸を有する側鎖骨格120を含みうる。ただし、重合性液晶化合物の分子100は、これら主鎖骨格110及び側鎖骨格120に組み合わせて任意の分子骨格を含みうるが、図1及び後述する図2〜図3では任意の分子骨格の図示を省略する。前記の主鎖骨格110及び側鎖骨格120は重合性液晶化合物のメソゲンに含まれうるので、重合性液晶化合物の分子の複屈折は、主鎖骨格110及び側鎖骨格120の構造及び配向方向に依存しうる。
工程2において液晶組成物の層に配向処理が施されると、その液晶組成物の層に含まれる重合性液晶化合物の分子100は、安定な状態となるように配向する。このように配向した状態においては、例えば、主鎖骨格110の長軸方向は一定の方向に配向し、側鎖骨格120の長軸方向は主鎖骨格110の長軸方向に対して垂直な方向に配向する。この液晶組成物の層には、主鎖骨格110の長軸方向とそれに対して垂直な方向との間で屈折率の差が生じ、その差に応じたレターデーションが発現する。
図2は、一例としての液晶組成物の層を硬化して得られた液晶硬化層に含まれる重合性液晶化合物の分子100を模式的に示す概要図である。通常、液晶硬化層においては、重合性液晶化合物は重合して結合しているが、図2及び後述する図3では、説明のため、その分子100の結合を省略して示す。工程2の後で液晶組成物の層に含まれる液晶化合物を重合(硬化)させる工程3を行うと、重合性液晶化合物が重合し、その分子100同士が結合する。この硬化の際、硬化収縮が生じるが、主鎖骨格110の配向方向は、通常、変化しない。しかし、側鎖骨格120の配向方向は、硬化収縮によって変化しうる。よって、主鎖骨格110の長軸方向とそれに対して垂直な方向との間での屈折率の差の大きさが、硬化前に比べて変化する。そして、この変化した屈折率の差の大きさに応じたレターデーションを、液晶硬化層は発現する。
この液晶硬化層が高温環境に置かれると、熱エネルギーによって側鎖骨格120の再配置が進行する。この再配置では、重合性液晶化合物の分子100は、安定な状態になるように配向しようとする。よって、ここで示す例において、高温環境に置かれた後では、側鎖骨格120の長軸方向が、主鎖骨格110の長軸方向に対して垂直な方向に近づくように配向する。よって、主鎖骨格110の長軸方向とそれに対して垂直な方向との間での屈折率の差の大きさは、高温環境に置かれる前に比べて変化する。そして、この変化した屈折率の差の大きさに応じたレターデーションの変化が、液晶硬化層に生じる。この現象が、従来の液晶硬化層におけるレターデーションの変化の原因の一つと考えられる。
また、本発明者の検討の結果、側鎖骨格120の再配置は、長い期間でみると、高温環境だけでなく常温環境においても生じうることが判明している。
このように、高温環境に置かれた場合、及び、常温環境に長期間置かれた場合の従来の液晶硬化層のレターデーションの変化は、側鎖骨格120の再配置によって生じていた。特に、逆分散液晶化合物は、側鎖骨格120の屈折率が一般に大きい傾向があるので、前記の再配置によるレターデーションへの影響は、特に逆分散液晶化合物を用いた液晶硬化層において顕著であった。
これに対し、上述した実施形態に係る製造方法では、工程3の後で、直接加熱装置を用いて、式(1)を満たすように重合体層を加熱する工程4を行っている。前記工程4を行った後の一例としての液晶硬化層に含まれる重合性液晶化合物の分子100を、図3に模式的に示す。この図3に示すように、工程4での加熱によれば、硬化収縮によって生じた側鎖骨格120の配向方向の変化を解消するように、逆分散液晶化合物の分子100の配向状態が変化する。よって、重合性液晶化合物の分子100の配向状態は、硬化前の液晶組成物の層における配向状態のような、安定な状態へと近づく。具体的には、ここで示す例では、工程4の後には、側鎖骨格120の長軸方向は、主鎖骨格110の長軸方向に対して垂直な方向又は垂直に近い方向に、安定して配向する。
そして、このような安定した側鎖骨格120の配向方向は、液晶硬化層が高温環境に置かれた場合であっても、変化を生じ難い。また、変化を生じた場合でも、その変化量が小さい。したがって、本実施形態に係る製造方法で得られる液晶硬化フィルムでは、液晶硬化層が高温環境に置かれた場合の液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制できる。
さらに、前記の安定した側鎖骨格120の配向方向は、常温環境に長期間置かれた場合であっても、変化を生じ難く、また、変化量が小さい。よって、本実施形態に係る製造方法で得られる液晶硬化フィルムでは、通常、常温環境に長期間置かれた場合の液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制できる。
前記の工程4では、工程3での硬化収縮によって生じた側鎖骨格120の配向方向の変化を解消するのに十分な熱エネルギーを重合体層に与えることが求められる。上述したように、本発明においては、工程4において、重合体層に直接エネルギーを付与する装置により、式(1)を満たすように、重合体層が加熱される。このような加熱装置を用いた場合に重合体層に付与すべきエネルギーの範囲が式(1)の下限値により特定されている。
ただし、過剰な熱エネルギーが与えられると、熱劣化によって液晶硬化層の光学性能が劣化することがある。また、液晶硬化層には熱膨張及びその後の冷却による収縮によって内部応力が蓄積する。このような内部応力が大きいと、基材を剥離した場合に、前記の内部応力によって液晶硬化層にシワが生じることがある。また、基材と一緒に液晶硬化層を加熱する際、熱エネルギーが過剰であると、基材が変形したり、基材の変形に伴う応力が液晶硬化層に与えられたりすることがありうる。さらに、過剰な熱エネルギーが与えられる場合、加熱時間が長時間になり、生産効率の低下を招く可能性がある。よって、これらの熱劣化、シワ及び基材の変形を抑制しながら、効率良く液晶硬化フィルムを製造する観点から、式(1)の上限値が特定されている。
上述したように、工程4においては、工程3での硬化収縮によって生じた側鎖骨格120の配向方向の変化を解消するのに十分な熱エネルギーを重合体層に与えることが求められる。本実施形態の製造方法では工程4において、重合体層に直接エネルギーを付与する装置で、重合体層を加熱するので、例えば、熱風オーブンのように対象物を間接的に加熱する手段のみで加熱を行う場合よりも、重合体層への熱エネルギーの付与を、短時間で効率よく行いうる。その結果、本発明によれば、短時間の加熱で、工程4を行うことができるので生産効率に優れる。
以上、効果が得られる仕組みについて図面及び例を示して説明したが、ここで示した図面及び例は、本発明の技術的範囲を制限するものではない。例えば、上述した説明においては、安定した配向状態において側鎖骨格120の長軸方向が主鎖骨格110の長軸方向に対して垂直な方向に配向する例を図示して説明したが、安定した配向状態において側鎖骨格120の長軸方向が主鎖骨格110の長軸方向に対して垂直でない方向に配向する場合にも、上述した効果を得ることが可能である。
液晶硬化層の面内方向においては、重合性液晶化合物の分子の配向方向は、通常、均一である。よって、液晶硬化層は、通常、液晶硬化層を厚み方向から見た重合性液晶化合物の分子の配向方向に平行な面内遅相軸を有する。そして、このように面内方向において重合性液晶化合物が一定の配向方向に配向するので、液晶硬化層は、通常、所定の大きさの面内レターデーションを有する。
液晶硬化層の具体的な面内レターデーションの範囲は、この液晶硬化層の用途に応じて任意に設定しうる。
例えば、液晶硬化層を1/4波長板として機能させたい場合、液晶硬化層の面内レターデーションは、測定波長590nmにおいて、好ましくは100nm以上、より好ましくは110nm以上、特に好ましくは120nm以上であり、好ましくは180nm以下、より好ましく170nm以下、特に好ましくは160nm以下である。
また、例えば、液晶硬化層を1/2波長板として機能させたい場合、液晶硬化層のレターデーションは、測定波長590nmにおいて、好ましくは245nm以上、より好ましくは265nm以上、特に好ましくは270nm以上であり、好ましくは320nm以下、より好ましくは300nm以下、特に好ましくは295nm以下である。
液晶硬化層は、逆波長分散性のレターデーションを有することが好ましい。具体的には、測定波長450nm及び550nmにおける液晶硬化層の面内レターデーションRe(450)及びRe(550)は、好ましくは下記式(N3)を満たし、より好ましくは下記式(N4)を満たす。
Re(450)/Re(550)<1.00 (N3)
Re(450)/Re(550)<0.90 (N4)
Re(450)/Re(550)は液晶硬化層の、測定波長550nmの面内レタデーションに対する、測定波長450nmにおける面内レターデーションの比である。このように逆波長分散性の面内レターデーションを有する液晶硬化層は、1/4波長板又は1/2波長板等の光学用途において、広い波長帯域において均一に機能を発現できる。逆波長分散性の面内レターデーションを有する液晶硬化層は、重合性液晶化合物として逆分散液晶化合物を用いることにより、実現できる。工程4を行うことにより、Re(450)/Re(550)の値を、重合体層の、測定波長550nmの面内レタデーションに対する、測定波長450nmにおける面内レターデーションの比よりも、小さくしうる。液晶硬化層のRe(450)/Re(550)の値は、重合体層の、測定波長550nmの面内レタデーションに対する、測定波長450nmにおける面内レターデーションの比よりも小さいことが好ましい。
また、液晶硬化層に含まれる重合性液晶化合物の分子の全てが厚み方向に配向している場合、面内レターデーション(即ち、液晶硬化層の入射角0°でのレターデーション)が0nmとなり、面内レターデーションによる波長分散性の評価が難しいことがありうる。しかし、このような液晶硬化層でも、厚み方向のレターデーションを有することがありえる。この場合、液晶硬化層を傾けて0°でない入射角でのレターデーションRexを測定することにより、波長分散性を評価できる。具体的には、測定波長450nm及び550nmで液晶硬化層のレターデーションRex(450)及びRex(550)を測定する。そして、その比Rex(450)/Rex(550)が1.00より小さければ、当該液晶硬化層が逆波長分散性のレターデーションを発現できると判定できる。
液晶硬化層の厚み方向においては、重合性液晶化合物の分子の配向方向は、任意である。例えば、液晶硬化層の厚み方向において、重合性液晶化合物の分子の配向方向は、液晶硬化層の面に平行でもよく、非平行でもよい。また、液晶硬化層の厚み方向において、重合性液晶化合物の分子の配向方向は、均一でもよく、不均一でもよい。具体例を挙げると、重合性液晶化合物の分子は、液晶硬化層の面に平行なある一の方向に配向していてもよい(ホモジニアス配向)。さらに、逆分散液晶化合物の分子は、液晶硬化層の面に垂直な方向に配向していてもよい(垂直配向)。また、重合性液晶化合物の分子は、液晶硬化層の面に平行でも垂直でもないある一の方向に配向していてもよい(傾斜配向)。さらに、重合性液晶化合物の分子は、当該重合性液晶化合物の分子が液晶硬化層の層平面に対してなす傾斜角が、液晶硬化層の一側に近いほど小さく、前記一側から遠いほど大きい態様で配向していてもよい(ハイブリッド配向)。
液晶硬化層の厚みは、レターデーション等の特性を所望の範囲にできるように、適切に設定しうる。具体的には、液晶硬化層の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。
液晶硬化フィルムは、液晶硬化層のみを含むフィルムであってもよく、液晶硬化層に組み合わせて任意の層を含むフィルムであってもよい。任意の層としては、液晶硬化層の製造に用いる基材;位相差フィルム;他の部材と接着するための接着層;フィルムの滑り性を良くするマット層;耐衝撃性ポリメタクリレート樹脂層などのハードコート層;反射防止層;防汚層;等が挙げられる。
液晶硬化フィルムは、透明性に優れることが好ましい。具体的には、液晶硬化フィルムの全光線透過率は、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは84%以上である。また、液晶硬化フィルムのヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。全光線透過率は、紫外・可視分光計を用いて、波長400nm〜700nmの範囲で測定できる。また、ヘイズは、ヘイズメーターを用いて測定できる。
液晶硬化フィルムの厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。
[8.偏光板の製造方法]
上述した製造方法により得られた液晶硬化フィルムを用いることにより、偏光板を製造しうる。この偏光板の製造方法は、通常、上述の製造方法で液晶硬化フィルムを製造する工程と、前記液晶硬化フィルムと直線偏光子とを貼合する工程と、を含む。
こうして得られた偏光板は、液晶硬化フィルムと直線偏光子とを含む。この偏光板は、円偏光板又は楕円偏光板として機能できることが好ましい。このような偏光板は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、適宜「有機EL表示装置」ということがある。)に設けることにより、有機EL表示装置の表示面において外光の反射を抑制できる。特に、液晶硬化層が逆波長分散性の面内レターデーションを有する場合、広い波長範囲において外光の反射抑制が可能である。
直線偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるフィルム;ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ延伸しさらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるフィルム;が挙げられる。また、直線偏光子の他の例としては、グリッド偏光子、多層偏光子などの、偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子が挙げられる。これらのうち、直線偏光子としては、ポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
直線偏光子に自然光を入射させると、一方の偏光だけが透過する。この直線偏光子の偏光度は特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
また、直線偏光子の厚みは、好ましくは5μm〜80μmである。
偏光板を円偏光板として機能させたい場合、直線偏光子の偏光吸収軸に対して液晶硬化層の面内遅相軸がなす角度は、45°またはそれに近い角度であることが好ましい。前記の角度は、具体的には、好ましくは45°±5°、より好ましくは45°±4°、特に好ましくは45°±3°である。
偏光板は、直線偏光子及び液晶硬化層に組み合わせて、更に任意の層を含んでいてもよい。任意の層としては、例えば、直線偏光子と液晶硬化層とを貼り合わせるための接着層;直線偏光子を保護するための偏光子保護フィルム層;などが挙げられる。
[9.有機EL表示装置の製造方法]
上述した偏光板を用いることにより、有機EL表示装置を製造できる。この有機EL表示装置は、通常、上述した製造方法で偏光板を製造することを含む製造方法により、製造できる。
この有機EL表示装置は、上述した偏光板を含む。有機EL表示装置は、通常、表示素子として有機EL素子を含み、この有機EL素子の視認側に、偏光板が設けられる。また、偏光板は、有機EL素子側から、液晶硬化フィルム及び直線偏光子をこの順に含む。そして、このような構成において、前記の偏光板が反射抑制フィルムとして機能できる。
以下、偏光板が円偏光板として機能する場合を例に挙げて、反射抑制の仕組みを説明する。装置外部から入射した光は、その一部の直線偏光のみが直線偏光子を通過し、次にそれが液晶硬化層を通過することにより、円偏光となる。円偏光は、表示装置内の光を反射する構成要素(有機EL素子の反射電極等)により反射され、再び液晶硬化層を通過することにより、入射した直線偏光の振動方向と直交する振動方向を有する直線偏光となり、直線偏光子を通過しなくなる。ここで、直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。これにより、反射抑制の機能が達成される。このような反射抑制の原理は、特開平9−127885号公報を参照してよい。
有機EL素子は、通常、透明電極層、発光層及び電極層をこの順に備え、透明電極層及び電極層から電圧を印加されることにより発光層が光を生じうる。有機発光層を構成する材料の例としては、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリフルオレン系、およびポリビニルカルバゾール系の材料を挙げることができる。また、発光層は、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。さらに、有機EL素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、等電位面形成層、電荷発生層等の機能層を備えていてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中において行った。
[評価方法]
(1.ガラス転移温度Tgの測定方法)
工程3を行った後、工程4を行う前の複層フィルムから基材を剥がして、重合体層のサンプルを採取した。このサンプルのガラス転移温度Tg(℃)を、示差走査熱量計を用いて測定した。測定条件は、下記の通りであった。
・装置:日立ハイテクサイエンス社製「EXSTAR6000」
・測定条件:サンプルを昇温速度5℃/分で130℃まで加熱した後、室温まで放冷した。その後、サンプルを、昇温速度5℃/分で150℃まで昇温し、その時の吸熱曲線からガラス転移温度Tg(℃)を計測した。
・サンプル質量:7mg
(2.表面温度Tの測定方法)
工程4(重合体層の加熱)を行った直後の複層フィルムの重合体層側の表面温度を、赤外温度計(FLIR社製、「FLIRC3」)を用いて測定した。測定位置は複層フィルムの幅方向の中心位置とした。
(3.耐熱試験)
(3.1.耐熱試験前の面内レターデーションRe0の測定)
粘着材(日東電工社製「CS9621T」)を貼合したガラス板に、各例で得られた液晶硬化フィルムの、液晶硬化層側の面を貼合した。その後、基材を剥離した。これにより、液晶硬化層/粘着層/ガラス板の層構成を有する評価サンプルを得た。この評価サンプルの液晶硬化層の面内レターデーション(即ち、液晶硬化層の入射角0°でのレターデーション)Re0を、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、測定波長590nmで測定した。前記の評価サンプルにおいて、粘着層及びガラス板は光学等方性を有するので、評価サンプルを用いて測定された面内レターデーションは、液晶硬化層自体の面内レターデーションを表す。
(3.2.耐熱試験)
その後、評価サンプルを、85℃に設定されたオーブンに100時間入れて加熱する耐熱試験(劣化促進試験)を行った。耐熱試験後、評価サンプルをオーブンから取り出した。
(3.3.耐熱試験後の面内レターデーションRe1の測定)
耐熱試験の後で、評価サンプルの液晶硬化層の面内レターデーションRe1を、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、測定波長590nmで測定した。
(3.4.Re変化率の算出)
耐熱試験による液晶硬化層の面内レターデーションの変化率(Re変化率)を、下記の式によって計算した。この変化率が0%に近いほど、耐熱試験によるレターデーションの変化を効果的に抑制できていることを表す。
Re変化率(%)={(Re1−Re0)/Re0}×100
[実施例1]
(1−1.液晶組成物の調製)
重合性液晶化合物として、下記式(A−1)で表される化合物を19.18部、架橋剤(商品名「NKエステルA−DCP」、新中村化学工業社製)1.92部(重合性液晶化合物100部に対して10部)、界面活性剤(商品名「メガファックF−562」、DIC社製)0.06部、光重合開始剤(商品名「IrgacureOXE04」、BASF社製)0.84部(重合性液晶化合物100部に対して4部)、及びシクロペンタノンおよび1,3−ジオキソランの混合溶媒78部を混合し、組成物(X1)を調製した。下記式(A−1)で表される化合物は、逆波長分散性重合性液晶化合物である。
Figure 2020106714
(1−2.延伸前基材の製造)
脂環式構造を有する重合体を含む樹脂である、熱可塑性ノルボルネン樹脂(日本ゼオン株式会社製、Tg 126℃)のペレットを、90℃で5時間乾燥させた。乾燥させたペレットを押し出し機に供給し、押し出し機内で溶融させ、ポリマーパイプおよびポリマーフィルターを通し、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押し出し、冷却し、マスキングフィルム(トレテガー社製「FF1025」)で保護しながら巻取り、厚み80μm、幅800mmの延伸前基材のロールを得た。
(1−3.基材の製造)
(1−2)で得られた延伸前基材のロールから、延伸前基材を引き出し、連続的にマスキングフィルムを剥離してテンター延伸機に供給し、基材フィルムの遅相軸が幅手方向に対して45°(長手方向に対して45°)となるように斜め延伸を行い、さらに基材フィルム幅手方向の両端をトリミングし、幅600mmで長尺状の、基材を得た。得られた基材のReは143nm、膜厚は77μmであった。得られた基材は、新たなマスキングフィルム(トレテガー社製「FF1025」)で保護しながら巻取り、基材のロールを得た。
(1−4.液晶組成物の層の形成(工程1))
(1−3)で得られた基材のロールから、基材を繰り出し、マスキングフィルムを剥離して搬送した。室温25℃において、搬送される基材の一方の面(マスキングフィルムが貼合されていた側の面)に、(1−1)で得られた組成物(X1)を、ダイコーターを用いて直接塗布し、組成物(X1)の層を形成した。
(1−5.配向処理(工程2))
(1−4)で形成した、基材上の組成物の層を、110℃の乾燥炉中で2.5分間乾燥させた。これにより、基材上の組成物の層が配向処理された。
(1−6.重合工程(工程3))
その後、窒素雰囲気下で、(1−5)の処理を行った後の組成物の層に、積算照度700mJ/cm(照射強度350mW/cm、照射時間2秒)以上の紫外線をアイグラフィックス社製「水銀ランプ」より照射して、組成物中の重合性液晶化合物を重合させて、硬化液晶分子を形成した。これにより、乾燥膜厚2.4μmの、ホモジニアス配向した組成物の硬化物で形成された重合体層を得て、(基材)/(重合体層)の層構成を有する複層フィルムを得た。得られた複層フィルムをロール状に巻き取り複層フィルムのフィルムロールとした。基材上に形成された重合体層のガラス転移温度Tgを上記方法により測定したところ、84.2℃であった。
(1−7.重合体層の加熱(工程4))
(1−6)で製造した複層フィルムのフィルムロールから、複層フィルムを繰り出して、直接加熱装置として1台のIR照射装置を用いて重合体層側を加熱し、液晶硬化層を形成した。これにより液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムを得た。
複層フィルムの搬送速度を5m/分とし、IR照射装置のヒーター出力を2.9kWとした。使用したIR照射装置は、4本の定格出力1kW(定格電圧:230V)のカーボンIRランプ(長さ=600mm、直径19mm)を備えており、その出力波長は1〜6μm、出力範囲は4.2〜33.3W/cmで可変であった。本工程においてIR照射時間は2.4秒であった。
加熱処理直後の重合体層(液晶硬化層)の表面温度を測定したところ96℃であった。得られた液晶硬化フィルムについて、上記方法により耐熱試験前後の面内方向のレタデーションをそれぞれ測定し、Re変化率を算出し、結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1の(1−7)において、複層フィルムの搬送速度を6m/分、IR照射時間を2.0秒としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムを得た。加熱処理直後の重合体層(液晶硬化層)の表面温度は90℃であった。
得られた液晶硬化層について上記方法により耐熱試験前後の面内方向のレタデーションをそれぞれ測定し、Re変化率の評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1の(1−7)において、複層フィルムの搬送速度を7m/分、IR照射時間を1.7秒としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムを得た。加熱処理直後の重合体層(液晶硬化層)の表面温度は85℃であった。
得られた液晶硬化層について上記方法により耐熱試験前後の面内方向のレタデーションをそれぞれ測定し、Re変化率の評価を行い、結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1の(1−7)において、複層フィルムの搬送速度を8m/分、IR照射時間を1.5秒としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムを得た。加熱処理直後の重合体層(液晶硬化層)の表面温度は76℃であった。
得られた液晶硬化層について上記方法により耐熱試験前後の面内方向のレタデーションをそれぞれ測定し、Re変化率の評価を行い、結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1の(1−7)において、複層フィルムの搬送速度を10m/分、IR照射時間を1.2秒としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムを得た。加熱処理直後の重合体層(液晶硬化層)の表面温度は64℃であった。
得られた液晶硬化層について上記方法により耐熱試験前後の面内方向のレタデーションをそれぞれ測定し、Re変化率の評価を行い、結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1の(1−7)において、複層フィルムの搬送速度を4m/分、ヒーター出力が2.9kWのIR照射装置を2台用いたこと、IR照射時間を30秒としたこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。本例において、加熱処理直後の重合体層の表面温度は128℃であった。本例では、加熱工程後(工程4の後)に得られた複層フィルムに、しわが発生し、Reの測定ができなかったため、Re変化率の評価を行うことができなかった。表のRe変化率の欄には測定不可と示した。
(比較例3)
実施例1の(1−7)において、IRランプ(直接加熱装置)を用いずに乾燥炉により加熱処理を行ったこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。具体的には、90℃の乾燥炉中で加熱処理を行い、液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムを得た。また、加熱工程においては、複層フィルムの重合体側に熱電対を貼付け、加熱処理直後の表面温度が90℃で、加熱処理時間が5秒となるように複層フィルムの搬送速度を調整した。得られた液晶硬化層について、上記方法により耐熱試験前後の面内方向のレタデーションをそれぞれ測定し、Re変化率の評価を行い、結果を表1に示した。
[結果]
実施例及び比較例の結果を、下記の表1に示す。下記の表1において、略称の意味は、下記の通りである。
Tg:重合体層のガラス転移温度。
T:工程4を行った直後の重合体層の表面温度。
t:工程4における加熱時間(単位はhr(時間))。
Re変化率:耐熱試験による液晶硬化層の面内レターデーションの変化率。
Figure 2020106714
[結果]
表1の結果から明らかなように、表1および表2に示すように、本発明の要件を満たす実施例の液晶硬化フィルムは、耐熱試験による液晶硬化層の面内レターデーションの変化率(Re変化率)が小さかった。その結果、本発明の要件を満たす実施例の方法により得られた液晶硬化フィルムは、高温環境に置かれた場合の液晶硬化層のレターデーションの変化を抑制できることがわかった。
100 重合性液晶化合物の分子
110 主鎖骨格
120 側鎖骨格

Claims (9)

  1. 重合性液晶化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層を含む液晶硬化フィルムの製造方法であって、
    前記液晶組成物の層を形成する工程1と、
    前記液晶組成物の層に含まれる前記重合性液晶化合物を配向させる工程2と、
    前記重合性液晶化合物を重合させて、当該重合性液晶化合物の重合体を含む重合体層を形成する工程3と、
    前記重合体層を、加熱装置により、加熱時間(t)(時間)加熱して、前記液晶硬化層を形成する工程4と、を含み、
    前記重合体層の示差走査熱量分析によって測定したガラス転移温度Tg(℃)、前記工程4を行った直後の前記重合体層の表面温度T(℃)及び前記加熱時間t(時間)が、下記式(1)を満たし、
    前記加熱装置が、前記重合体層に直接エネルギーを付与する装置である、液晶硬化フィルムの製造方法。
    −0.008<(T−Tg)×t<0.34 式(1)
  2. 前記液晶組成物が架橋剤を含む、請求項1に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  3. 前記表面温度Tと前記ガラス転移温度Tgとの差T−Tgが、−24℃〜41℃である、請求項1または2に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  4. 前記加熱時間tが、1.2秒以上30秒以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  5. 前記重合性液晶化合物が、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  6. 前記重合性液晶化合物が、式(I)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
    Figure 2020106714

    (上記式(I)において、
    Arは、芳香族複素環、複素環、および芳香族炭化水素環の少なくとも1つを有し、置換されていてもよい、炭素原子数6〜67の2価の有機基を表す。
    及びZは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR21−C(=O)−、−C(=O)−NR21−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、及び、−C≡C−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R21は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
    、A、B及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、及び、置換基を有していてもよい芳香族基、からなる群より選ばれる基を表す。
    〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−NR22−C(=O)−、−C(=O)−NR22−、−O−C(=O)−O−、−NR22−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR22−、及び、−NR22−C(=O)−NR23−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
    及びGは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基;並びに、炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH−)の1以上が−O−又は−C(=O)−に置換された基;からなる群より選ばれる有機基を表す。G及びGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は、ハロゲン原子に置換されていてもよい。ただし、G及びGの両末端のメチレン基(−CH−)が−O−又は−C(=O)−に置換されることはない。
    及びPは、それぞれ独立して、重合性基を表す。
    p及びqは、それぞれ独立して、0又は1を表す。)
  7. 前記式(I)のArが、ベンゾチアゾール環を有する、請求項6に記載の液晶硬化フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法で液晶硬化フィルムを製造する工程と、
    前記液晶硬化フィルムと直線偏光子とを貼合する工程と、を含む、偏光板の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で偏光板を製造することを含む、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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