JP2020105870A - 住宅 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各居住者に家事の分担と協働を習慣化させつつ、雑多な印象を与えずに快適に寛ぐことのできる住宅を提供することを目的とする。【解決手段】 住宅1は、洗濯物の洗濯、乾燥、畳みを行うための洗濯室6と、リビング5の一部である畳敷きの畳コーナー52と、を具備しており、洗濯室6と畳コーナー52との間で洗濯物を受渡し可能な収納部7を設置している。【選択図】図4

Description

本発明は、洗濯物を洗濯するための洗濯室と、リビングの一部である畳敷きの畳コーナーと、の間に、両室から使用可能な収納部を設置する住宅に関する。
昨今、共働きの夫婦が増加したことで、特定の居住者が1人で家事全般を行うのではなく、居住者全員で家事を分担し、各自が家事に参加する意識を持つことが重要とされている。そこで、居住者に家事の参加を促す間取りの住宅が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の発明では、洗濯室に行き来可能に隣接し、洗濯物を乾かして畳むための乾燥室と、家族が集うリビングダイニング領域とを扉レスで連通可能に構成している住宅について記載されている。この発明では、家事スペースである洗面室、洗濯室、乾燥室を連続配置することにより洗濯を短い動線で効率よく行うことができ、また、乾燥室内部がリビングダイニング領域に滞在する居住者の視界に入ることで居住者に家事の参加を促すことができる点が開示されている。
一方、特許文献2に記載の発明では、玄関と行き来可能にロッカールームを配置し、居住者は外出に必要な外出着、雨具、鞄類をロッカールームに配置された個人用ロッカーに収納することで、各自が整理整頓に対する責任感を持つことができ、室内の様々な場所に物が散在することを防止できる点が記載されている。
特開2018−178536 特開2010−255296
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、乾燥室からリビングダイニング領域への洗濯物の受渡しは容易であるものの、リビングダイニング領域で洗濯物が生じた場合に、リビングダイニング領域を一端出て洗面室を通り、洗濯室へ移動しなければ洗濯物の持ち運びをすることができないため、居住者は洗濯物の持ち運びを習慣化できずリビングダイニング領域に汚れた部屋着や靴下などの衣類が散在する可能性がある。また昨今、特許文献1に記載の住宅のように、居住者同士の団欒場所となるリビングやダイニングを仕切らずひと続きの空間とする構成の住宅が多いが、乾燥室がリビングダイニング領域と扉レスで連通しているため、家族が集い食事をするリビングダイニング領域からは雑多な印象の乾燥室内部を常時視認することになり、リビングダイニング領域でリラックスして快適に寛ぐことが難しい。そして、特許文献2に記載の発明においても、リビングやダイニングなどの共用部と洗濯を行う水廻り空間とが離れているため、リビングやダイニングで洗濯が必要な衣類が生じた場合であっても、汚れた衣類の洗濯室までの持ち運びを習慣化し難い。
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、各居住者に家事の分担を習慣化させつつ、雑多な印象を与えず快適に寛ぐことのできる住宅を提供することを目的とする。
本発明の第1の住宅は、洗濯物の洗濯、乾燥、畳みを行うための洗濯室と、リビングの一部である畳敷きの畳コーナーと、を具備する住宅において、前記洗濯室と前記畳コーナーとの間で前記洗濯物を受渡し可能な収納部を設置することを特徴としている。
本発明の第2の住宅は、前記洗濯室が、キッチンに隣接するとともに調理用電化製品を収納するキッチンクロークと、脱衣洗面室と、にそれぞれ行き来可能に隣接することを特徴としている。
本発明の第3の住宅は、前記洗濯室及び前記畳コーナーが、洗濯物を干すための物干しバーを天井に着脱自在に設置されることを特徴としている。
本発明の第4の住宅は、前記洗濯室が、カウンタを有することを特徴としている。
本発明の第5の住宅は、前記収納部が、前記洗濯室側から開閉可能な第1扉を設置されるとともに、前記畳コーナー側から開閉可能な第2扉を設置されることを特徴としている。
本発明の第6の住宅は、玄関土間、履物を収納するシューズクローク、身支度を整える身支度室、前記リビング間を結ぶ身支度動線を備えることを特徴としている。
本発明の第7の住宅は、前記玄関土間〜玄関ホール間を結ぶ動線と、当該玄関土間〜前記シューズクローク間を結ぶ動線と、を分けていることことを特徴としている。
本発明の第1の住宅によると、洗濯家事を行う洗濯室と、リビングの一部に形成された畳コーナーとの間に、両室間で洗濯物の受渡しが可能な収納部を設置するので、リビングから室間を移動することなく収納部を介して容易に洗濯前の衣類や小物類を洗濯室へ持ち運ぶことができる。したがって、居住者は、リビングに散在しがちな洗濯前の部屋着、幼児の着替え、靴下、ハンカチ等を各自洗濯室へ持ち運ぶことを習慣化でき、また、リビングに滞在する居住者は、洗濯室から収納部に保管された洗濯済の洗濯物を各自受け取って自身の収納スペースに持ち運ぶことができるので、居住者各自が主体的に家事を行い易く、無理なく家事の分担と協働を習慣化することができる。また、洗濯室は、洗濯物の洗濯から畳みまでを行うことができるので、重量物となる濡れた洗濯物を持ち運ぶ距離を短縮して洗濯家事を行う居住者の負担を軽減することができる。そして、畳コーナーは、寛ぐ空間としてだけでなく、洗濯室で洗濯して乾燥させた洗濯物が多い場合に収納部から洗濯物を受け取って畳んだり、幼い子供のいる家庭では子供の着替えを畳上でさせてそのまま汚れた衣類を収納部に一時保管したりすることができ、家事を行うスペースとしても活用することができる。
本発明の第2の住宅によると、洗濯室は、キッチンに隣接するキッチンクロークと、脱衣洗面室と、にそれぞれ行き来可能に隣接しているので、洗濯物の相互間での持ち運び、持込みを容易に行うことができ、また、脱衣洗面室で使用するタオル類や、キッチンで使用するふきん等を収納部に保管しておくことでさらに利便性を向上させることができる。
本発明の第3の住宅によると、洗濯室及び畳コーナーは、洗濯物を干すための物干しバーを天井に着脱自在に設置されるので、洗濯して乾燥させる洗濯物が多い場合は、収納部から洗濯物を受け取って畳コーナーでも室内干しすることができ、また、洗濯物が少ない場合は、各室に設置された物干しバーを取外してすっきりとした室とすることができ、利便性を向上させることができる。
本発明の第4の住宅によると、洗濯室はカウンタを有するので洗濯物を洗濯して畳むまでの一連の作業を効率的に行うことができ、また、必要に応じてアイロンを容易に掛けることができる。
本発明の第5の住宅によると、収納部は、洗濯室及び畳コーナーから開閉可能な第1扉と第2扉とを設置されているので、状況に応じて隣室からの視線を遮断することができる。また畳コーナーに面する第2扉を閉めておけば、リビングに滞在する居住者や来客の視界から収納部や洗濯室に保管された雑多な洗濯物を隠蔽することができ、団欒を楽しむリビングと家事を行う洗濯室とを区画してめりはりのある居住空間とすることができる。
本発明の第5の住宅によると、玄関土間、シューズクローク、身支度室、リビングを結ぶ身支度動線を備えているので、身支度室に外出に必要な外出着や鞄、小物類を保管しておけば、外出用品を身につけるために滞在するリビングから自室の収納スペースへ移動する必要がなく、容易に身支度を整えて外出することができる。また、帰宅時にシューズクロークや身支度室を経由して靴や小物、外出着などを保管すれば、リビングに衣類や小物類が散在することがなく、リビングの掃除や片付けにかける時間を最小限に抑えることができ家事効率を向上させることができる。また、身支度室はリビングに隣接しているので、身支度室で着替えた際に洗濯が必要な衣類などが生じた場合、リビングの一部である畳コーナーから収納部を介して洗濯室へ汚れた衣類などを容易に持ち運ぶことができ、各居住者が片付けを習慣化して各所に物が散在することを防止できる。
本発明の第6の住宅によると、玄関土間〜玄関ホール間を結ぶ動線と、玄関土間〜シューズクローク間を結ぶ動線と、を分けているので、来客用の玄関と居住者用の玄関とを分けて来客の視界からシューズクロークや身支度室などに保管された居住者の履物や衣類等を隠蔽でき、生活上散らかりやすい玄関においてすっきりとした印象を来客に与えることができる。
住宅の1階水平断面図。 図1のX部分拡大断面図。 図2のX’−X’線断面図。 図1のY部分拡大断面図。 図4のY’−Y’線断面図。
以下、本発明に係る住宅の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本願の住宅1は、主に戸建住宅を対象としており、図1は、住宅1の間取りの一例を示すもので、図1は1階の水平断面図を示している。なお、本発明において「左」、「右」、「上」、「下」とは図1における左方向、右方向、上方向、下方向をそれぞれ指すものとする。
まず住宅1の配置構成及び各階の平面構成について説明する。図1に示すように、敷地Sは、略矩形状を成しており、上、左、下側の隣地境界線を介して隣地Nと接するとともに、右側の道路境界線を介して全面道路Rと接道している。住宅1は、敷地Sの略中央に配置されており、敷地Sの上側には駐車場Pが配置され、また、敷地Sの右下側にテラスT1、左下側に室外干しスペースT2が形成されている。そして、住宅1には、住宅1の右上側の外壁に形成された屋外出入口Eに設置される屋外出入口扉Dから出入りすることができ、屋外出入口Eの屋外側に形成された玄関ポーチA1から道路境界線までは、タイル敷きのアプローチA2によって繋がっている。
また、住宅1の1階は、図1に示すように、右上側に配置される玄関室2、玄関室2の下側に形成される履物を収納するためのシューズクローク3、シューズクローク3の右側に配置される身支度を整えるための身支度室4、シューズクローク3及び身支度室4の下側に配置されるリビング5、リビング5よりも左側に位置する洗濯室6と、リビング5及び洗濯室6との間に配置された収納部7、住宅1の左下側に位置し、リビング5と仕切りの無いひと続きの空間内に形成されるダイニング8及びキッチン9、キッチン9と洗濯室6との間に配置され、主に調理用電化製品などのキッチン用品やゴミ箱、食品ストック等を収納するキッチンクローク10、洗濯室6の上側に配置される脱衣洗面室11及び浴室12、玄関室2の左側に配置される階段室13及び第1トイレ14a、そして、玄関室2、リビング5、脱衣洗面室11、階段室13、第1トイレ14a同士を接続する第1廊下15a、とから構成されており、居住者全員が使用する共用部空間が主となっている。
<玄関室廻りの構成>
続いて、玄関室2廻り、洗濯室6廻り、キッチン9廻りの構成について説明する。玄関室2は、図1及び図2に示すように、住宅1の右上の角部に配置されており、屋外出入口Eに面する玄関土間21と、玄関土間21よりも床高さが高く、1階の床高さで形成される玄関ホール22と、を有している。また、玄関土間21は、下側の第1壁体W1に形成された第1出入口E1を介してシューズクローク3と行き来可能に隣接しており、第1出入口E1には、第1壁体W1内に引き込まれる第1引き戸D1が設置されている。そして、玄関ホール22はリビング5と行き来可能な第1廊下15aと仕切りなく隣接している。
シューズクローク3及び身支度室4は、図2に示すように、それぞれ平面視略矩形状に形成される空間であり、玄関土間21に面するとともに一部屋外空間に突き出している第1壁体W1、第1壁体W1の玄関土間21と反対側の壁面に対向する第2壁体W2、第1壁体W1及び第2壁体W2に直交するとともに、互いに間隔を空けて第1壁体W1及び第2壁体W2同士を連結する第3壁体W3、及び第4壁体W4に囲われた内部空間を、第1壁体W1及び第2壁体W2に直交する第5壁体W5によって略二等分に区画することにより形成されている。また、両室3、4間は、第5壁体W5に形成された扉や戸を有しない第2出入口E2によって行き来可能に隣接しており、身支度室4はシューズクローク3よりも床高さが高く、1階の床高さで形成されている。なお第2壁体W2は、図1に示すように、シューズクローク3、身支度室4及び第1廊下15aと、リビング5とを区画するとともに、洗濯室6と脱衣洗面室11とを区画しており、図2に示す第3壁体W3は、シューズクローク3と第1廊下15aとを区画している。
図2に示すシューズクローク3は、玄関土間21と同じ土間空間で、居住者が靴などの履物を脱ぎ着する場所であり、第3壁体W3に沿って第1収納棚3aが設置されるとともに、第2壁体W2に沿って第2収納棚3bが設置されている。この第1収納棚3a及び第2収納棚3bには、履物以外にもアウトドア用品や子供の屋外用玩具など土のついた物品、傘やレインコートなどの雨具を保管しておくことができる。また、第2出入口E2は第5壁体W5の略中央に形成されており、第2出入口E2の幅方向の両側に形成される第5壁体W5の袖壁が下足のものを保管するシューズクローク3と、上足のものを保管する身支度室4とを緩やかに区画して良好な衛生環境を形成することができる。
そして、図2及び図3に示す身支度室4は、外出時に上着のような外出着や帽子やマフラーなどの小物類を身につけて身支度を整えたり、帰宅時に外出着から室内着に着替えたりするための場所であり、第4壁体W4に沿って外出着を掛ける第1ハンガーバー4a及び外出用の鞄や小物類、住宅1内部で着用する部屋着などを収納する収納ロッカー4bが設置され、外出用品や部屋着の一時保管をすることができる。第1ハンガーバー4aは、屋外で外出着に付着したほこりや花粉などを落としたり、湿気を飛ばすために一時的に仮干しすることができ、また、翌日に着用する外出着を前日などに予め掛けておけば、当日手短に身支度を整えて外出することができる。収納ロッカー4bには、居住者それぞれが整理整頓を行えるよう縦横に仕切りを入れて居住者ごとの個人用ロッカー4cが形成されており、居住者は、自身の持ち物を各々個人用ロッカー4cに収納することができる。また、身支度室4に面する第1壁体W1の壁面には、コートやマフラー、帽子などを掛けるためにフック4dが固定されている。そして、身支度室4に面する第2壁体W2には、リビング5へ通じる第3出入口E3が形成されており、この第3出入口E3に設置された第2引き戸D2を開閉することで身支度室4とリビング5とが行き来可能となっている。
図2に示すように、第1廊下15aは、第2壁体W2の第1廊下15aに面する部分に形成された第4出入口E4の第3引き戸D3を開閉することによってリビング5と行き来可能に隣接しており、玄関室2廻りには、玄関土間21、シューズクローク3、身支度室4、リビング5間を結び、居住者が身支度をしたり、その逆も可能な動線である身支度動線L1と、玄関土間21、玄関ホール22、第1廊下15a、リビング5間を結ぶ来客動線L2が形成されている。身支度動線L1は、居住者が外出時及び帰宅時に使用する動線であり、居住者は外出先から帰宅した際、玄関土間21からシューズクローク3に入室して靴を脱ぎ、そのまま身支度室4に入室して上着などの外出着を脱ぐとともに、鞄や外出時に使用した小物類などを所定の場所へ保管し、個人用ロッカー4cに置いてある部屋着に着替えて屋外から居室空間へと移動する。また、外出時は身支度室4に保管された外出着や小物類を装着し、手短に身支度を整えて屋内から屋外へ外出することができる。したがって、居住者は身支度動線L1を使用することにより、外出着や外出用品をリビング5内部に持ち込んだり部屋着をリビング5に放置することがなく、これらの衣類や物品を各自整理整頓してリビング5に物が散在することを防止できる。そして、外出着等を居室空間に持ち込まないので、外出着に付着した屋外の雑菌や花粉、ほこりなどのリビング5内部への侵入を最小限に抑制して居室空間の衛生環境を良好に保つことができる。また来客時は、第1出入口E1に設置された第1引き戸D1を閉めておき、来客を玄関土間21から玄関ホール22へ移動する来客動線L2へ誘導することにより、シューズクローク3や身支度室4に保管された物品を来客の視界に入れることなく来客をリビング5に移動させることができ、来客にすっきりとした玄関室2廻りの空間を印象付けることができる。
<洗濯室廻りの構成>
図1に示すリビング5は、床高さが1階の床レベルよりも低く、居住者が寛ぐためのピットリビング51と、収納部7に面する畳敷きの畳コーナー52と、収納部7に隣接するとともに畳コーナー52に面する収納53と、を有しており、ピットリビング51を除く部分の床高さを1階の床高さと同一に形成されている。そして、ピットリビング51及びダイニング8は、開放的なテラスT1に面して配置され、また、畳コーナー52及び収納53は、洗濯室6、キッチンクローク10、及び脱衣洗面室11など家事を行う非居室に近接して配置されている。畳コーナー52は、畳上で寛ぐ他に、洗濯物を畳んだり幼い子供を着替えさせたりするための場所でもあり、また、収納53には、掃除用品や新聞、文房具などリビング5に散在しがちな物品が収納されている。そして、図4及び図5に示すように、畳コーナー52の天井には、洗濯物を掛ける棒状の第1物干しバー52aの両端を支持する吊下げ棒52bを、着脱自在に吊るすことができる吊下げ棒固定具52cが設置されており、洗濯室6で洗って乾燥させる洗濯物が多い場合は、天井に設置した第1物干しバー52aに洗濯物を掛けて室内干しをすることができる。なお、畳コーナー52で乾燥させた洗濯物は、そのまま畳上で畳み、ピットリビング51に滞在する各居住者へ直接渡して各自の収納スペースへ持ち運んでもらってもよい。
図4及び図5に示す洗濯室6は、洗濯家事を行うための平面視略矩形状に形成された室で、第2壁面W2に形成された第5出入口E5の第4引き戸D4によって脱衣洗面室11と行き来可能に隣接するとともに、洗濯室6を挟んで第2壁面W2と対向する第6壁体W6に形成された第6出入口E6の第5引き戸D5によってキッチンクローク10と行き来可能に隣接している。したがって、キッチン9や脱衣洗面室11で生じる洗濯が必要な衣類や布類の持ち込み、及び洗濯済みの洗濯物の両室9、11への持ち運びを短い動線で行うことができ、家事効率を向上させる配置構成となっている。また洗濯室6は、一連の洗濯工程を1つの室で完結させることができる家事室で、例えば、雨天時や夜間など屋外の室外干しスペースT2に洗濯物を干すことができない場合は、洗濯機6aで洗った洗濯物を畳コーナー52と同様に天井に着脱自在に設置された第1物干しバー52a及び天井に固定され、高さ方向に移動可能な第2物干しバー6bに掛けて乾燥させ、洗濯機6aに隣接するカウンタ6cで乾いた洗濯物を畳むことができる。なお、図4に示すように、洗濯室6は、第2壁体W2及び第6壁体W6に直交する外壁体である第7壁体W7によって屋外空間と区画されており、第7壁体W7に形成された開口部O1の腰窓D6を開けて換気することによって洗濯物を効率的に乾燥させることができる。また、洗濯室6内にサーキュレータや除湿機を設置してより手早く洗濯物を乾燥させてもよい。このように、1つの室で洗濯物を洗って畳むまでの洗濯家事を行うことができるので、家事効率を向上させることができる。なお晴天時の日中は、洗濯室6で洗った洗濯物をキッチンクローク10及びキッチン9を通過して室外干しスペースT2に干すことができる。
図4に示す収納部7は、畳コーナー52と洗濯室6との間に配置され、畳コーナー52〜洗濯室6間で洗濯物の受け渡しが可能となっている。図5に示すように、収納部7内部には、洗濯前後の洗濯物やアイロン台、洗濯用備品などを載置する棚板7aや、洗濯物を掛ける第2ハンガーバー7bが設置されており、棚板7a及び第2ハンガーバー7bに設置された洗濯物は、畳コーナー52及び洗濯室6の両側から取り出すことができる。また収納部7は、洗濯室6側から開閉可能な第1扉D7を設置されるとともに、畳コーナー52側から開閉可能な第2扉D8を設置されており、必要に応じて各扉D7、D8を閉じることによって、収納部7を挟んで対向する隣室からの視線を遮断することができる。したがって、第1扉D7を閉めておけば、リビング5に滞在する居住者の話し声やTVの音を気にすることなく洗濯家事に集中することができ、また、第2扉D8を閉めておけば、畳コーナー52やリビング5から洗濯室6や収納部7内部の雑多な洗濯物を隠蔽することができ、リビング5で快適に寛ぐことができる。反対に、幼い子供を畳コーナー52に滞在させた状態で畳コーナー52から洗濯室6に移動する必要がある場合は、あらかじめ第2扉D8を開けておき、洗濯室6に移動して第1扉D7を開ければ、畳コーナー52にいる子供の様子を窺いながら洗濯室6で洗濯家事を行うことができる。
このようにリビング5の一部である畳コーナー52と洗濯室6との間に収納部7を配置することにより、居住者はリビング5から洗濯室6へ室間を移動することなく、各自で洗濯前の部屋着、靴下、ハンカチ等の小物類、使用後の子供の着替え等を収納部7を介して容易に洗濯室6へ持ち込むことができ、これらの衣類等がリビング5に散在することを効果的に防止することができる。また、畳コーナー52で畳んだ洗濯物をキッチンクローク10や脱衣洗面室11に収納する必要がある場合は、畳コーナー52から収納部7に洗濯物を一時保管しておき、洗濯室6で洗濯家事を行う際に洗濯室6側から一時保管した洗濯物を受け取ってキッチンクローク10や脱衣洗面室11に洗濯物を持ち運び収納することができる。したがって、リビング5からキッチンクローク10及び脱衣洗面室11へ移動せずに洗濯物を各室へ持ち運ぶことができるので、利便性を向上させることができる。そして、洗濯室6で洗って乾燥させた洗濯物が多い場合は、収納部7を介して畳コーナー52へ乾いた洗濯物を受渡し、そのまま畳コーナー52で畳んでアイロン掛けをしてもよく、洗濯物を畳む居住者は、リビング5に滞在する他の居住者とコミュニケーションを取りながら家事を行うことができる。
また、図1に示す身支度室4はリビング5に面しているので、居住者は帰宅時に身支度室4で着替えた後、着替えの際に生じた洗濯が必要な外出着やハンカチ、靴下、及び部屋着などの洗濯物を持ち、そのまま第3出入口E3を通過してリビング5の畳コーナー52へと持ち運び、収納部7を介して洗濯室6に洗濯物を受渡すことができる。したがって、身支度室4からリビング5に入室した後に、第4出入口E4から第1廊下15a、脱衣洗面室11を通過して洗濯室6にこれらの洗濯物を持ち運ぶ必要がなく、居住者は短い動線、且つ、生活動線に従って洗濯物を持ち運ぶことができ、利便性を向上させることができる。
このように、身支度室4及び収納部7が居住者の集まるリビング5に面しているので、各居住者は無理なく片付けや整理整頓を習慣化することができ、リビング5に部屋着などの衣類が散在することを効果的に防止してリビング5の掃除や片付けにかける時間を最小限に抑え、家事効率を向上させることができる。
<キッチン廻りの構成>
キッチン9には、調理工程を分担しやすいように食器類を洗ったり調理の下ごしらえなどを行う流し台9aと、加熱調理を行う加熱コンロ台9bと、を分けて設置しており、居住者全員で調理や片付けを協力して行いやすい構成となっている。流し台9aは、長手方向をダイニング8に向けて設置されており、加熱コンロ台9bは、流し台9aと長手方向を揃え、通路を挟んで流し台9aに平行に配置されている。流し台9aと加熱コンロ台9bとの間の距離Zは、1100mm〜1300mm程度で形成されており、それぞれの調理台9a、9bで居住人が背中合わせで調理を行える寸法となっている。また、キッチン9は、隣接するキッチンクローク10と第8壁体W8によって区画されるとともに、第8壁体W8の略中央に形成された第7出入口E7によって行き来可能に連通している。
図1に示すキッチンクローク10は、冷蔵庫10aや電子レンジ、炊飯器、ミキサー、オーブントースターなど(図示しない)の主に調理用電化製品を設置するスペースで、これらの調理電化製品を収納するための棚板10bに調理に使用する備品やストック品等を併せて載置したり、また、棚下にキッチン用ゴミ箱などを併せて収納したりしてもよい。このように、調理を行うキッチン9と調理に関する電化製品や備品等を収納するキッチンクローク10とを分けることによって、居住者全員が食に関する収納物の所在を容易に把握することができ、食事に関する家事に参加しやすい環境を構築することができる。そして、キッチンクローク10を形成することにより、雑多な調理用電化製品や調理用備品などが隠蔽されてキッチン9の意匠性を向上させることができ、さらに第7出入口E7がリビング5及びダイニング8に面して形成されていないので、リビング5やダイニング8に滞在する居住者や来客は、快適に団欒や食事を楽しむことができる。
このように、本願の住宅1は、玄関室2やリビング5といった居住者全員が必ず通過し、集う空間と、洗濯家事を行う洗濯室6とに繋がりを持たせ、また、キッチン9とキッチンクローク10とを分けた配置構成とすることによって、各居住者に無理なく整理整頓や家事の分担を習慣化させつつ雑多な印象を与えない快適な住宅とすることができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明に係る住宅1は、共働きの夫婦が居住する戸建住宅に好適に使用することができる。
1 住宅
21 玄関土間
22 玄関ホール
3 シューズクローク
4 身支度室
5 リビング
52 畳コーナー
52a 物干しバー(第1物干しバー)
6 洗濯室
6c カウンタ
7 収納部
9 キッチン
10 キッチンクローク
11 脱衣洗面室
D7 第1扉
D8 第2扉
L1 身支度動線

Claims (7)

  1. 洗濯物の洗濯、乾燥、畳みを行うための洗濯室と、リビングの一部である畳敷きの畳コーナーと、を具備する住宅において、
    前記洗濯室と前記畳コーナーとの間で前記洗濯物を受渡し可能な収納部を設置することを特徴とする住宅。
  2. 前記洗濯室は、キッチンに隣接するとともに調理用電化製品を収納するキッチンクロークと、脱衣洗面室と、にそれぞれ行き来可能に隣接することを特徴とする請求項1に記載の住宅。
  3. 前記洗濯室及び前記畳コーナーは、洗濯物を干すための物干しバーを天井に着脱自在に設置されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の住宅。
  4. 前記洗濯室は、カウンタを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の住宅。
  5. 前記収納部は、前記洗濯室側から開閉可能な第1扉を設置されるとともに、前記畳コーナー側から開閉可能な第2扉を設置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の住宅。
  6. 玄関土間、履物を収納するシューズクローク、身支度を整える身支度室、前記リビング間を結ぶ身支度動線を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の住宅。
  7. 前記玄関土間〜玄関ホール間を結ぶ動線と、当該玄関土間〜前記シューズクローク間を結ぶ動線と、を分けていることを特徴とする請求項6に記載の住宅。
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