JP2020105781A - 裏込めモルタル施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削が一時中断される場合にも孔壁面を保護することができ、かつ工事終了後には型枠等の構造物を回収することができる裏込めモルタル施工方法を提供すること。【解決手段】円筒型枠20の貫通孔25に、内側から挿入管部31を備えた先端ノズル30を設置する。続いて、挿入管部31を介して、立坑の孔壁面Taと円筒型枠20の外面20aとの間に裏込めモルタルMaを注入する。裏込めモルタルMaが半乾き状態となった段階で、挿入管部31を回転させながら先端ノズル30を円筒型枠20から離脱させると、裏込めモルタルMaと挿入管部31の内部の残留モルタルMbとが分離する。これにより、新たに掘削が進めば円筒型枠20を下方に移動させて新たな裏込めモルタルMaの施工ができるし、立坑構築完了後に円筒型枠20を上方に移動させて回収することもできる。【選択図】図5

Description

本発明は、裏込めモルタル施工方法に関する。
立坑内にライナープレートを組み合わせた円筒構造体を設置し、立坑の内周壁と円筒構造体の外周壁との間にモルタルを充填することにより、立坑の内周壁が崩落するのを防ぐ技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−266992号公報
ここで、立坑の掘削現場によっては、モルタルだけで十分に立坑の内周壁が崩落するのを防ぐことができる。この場合、上記従来の技術では、円筒構造体をモルタルと一体化してしまうことから、円筒構造体を回収することができず、コスト高になる。
また、鉄道近辺での杭打ち作業のための立坑形成のような場合、作業時間が終電から始電までの短時間しかないため、掘削深さは一日について数十cm程度にとどまることもある。その一方で、日中の列車走行に伴う振動から壁面崩落を守る必要がある。このような要請の中、上記従来の技術にあるように、円筒構造体を完全に設置してからモルタルを充填することは振動対策として不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、掘削が一時中断される場合にも孔壁面を保護することができ、かつ工事終了後には型枠等の構造物を回収することができる裏込めモルタル施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、掘削立坑の孔壁面と、そこから所定間隔をおいて設置された円筒型枠との間に裏込めモルタルを施工する裏込めモルタル施工方法であって、
前記円筒型枠の板厚方向に前記円筒型枠の内外へ貫通するようにして形成された貫通孔に、裏込めモルタルを吐出する吐出部を設置する第1工程と、
前記円筒型枠の内周側から前記吐出部を介して、前記孔壁面と前記円筒型枠との間に裏込めモルタルを注入する第2工程と、
前記裏込めモルタルの流動性がなくなった後、かつ前記裏込めモルタルが固化する前段階である半乾き状態となった段階で、前記吐出部を回転させながら前記円筒型枠の内周側へ離脱させることにより、前記裏込めモルタルと前記吐出部の内部に残留している残留モルタルとを分離させる第3工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、吐出部を裏込めモルタルの半乾き状態で回転させることにより、裏込めモルタルと残留モルタルとを分離させることができ、裏込めモルタルが固化した後に残留モルタルが邪魔になることなく、円筒型枠を移動させることができる。その結果、掘削が進むにつれ、円筒型枠を順次降下させながら裏込めモルタルを施工することができ、掘削を頻繁に中断するような状況でも裏込めモルタルが施工済の状態であるため、孔壁面の崩落を防止することができる。また、立坑の完成後には円筒型枠を裏込めモルタルに沿って上方へ移動させて回収することができる。したがって、掘削が一時中断される場合にも孔壁面を保護することができ、かつ工事終了後には円筒型枠等の構造物を回収することができる
円筒型枠と円筒構造体とが連結された連結体を示す斜視図。 円筒型枠の断面構造を示す断面図。 立抗断面と立坑に設置された連結体の側面とを示す立坑断面図。 立坑に設置され、円筒構造体が省略された連結体と立坑の周辺構成とを示す平面図。 モルタルの注入から先端ノズルの分離に至る工程を説明する説明図。 立坑断面と、円筒構造体が追加された連結体の側面とを示す立坑断面図。 立坑断面と、円筒構造体が追加された連結体を下方へ移動させた状態とを示す立坑断面図。 先端ノズルの別例を示し、(a)は吐出管を断面とした側面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
初めに、立坑を掘削した最初の段階で当該立坑に設置される連結体について説明する。連結体10は、図1に示すように、円筒型枠20と円筒構造体40とが上下に連結されて構成されている。円筒型枠20及び円筒構造体40はいずれも円筒状をなすように形成され、円筒型枠20の外周径D1は円筒構造体40の外周径D2よりも若干大きく形成されている。両外周径D1,D2の差は、例えば2.7mm程度である。
円筒型枠20は、円弧状をなす枠板21が周方向に沿って複数(例えば、図1の図示では4つ)連結され、全体として円筒状をなすように形成されている。図1では枠板21同士の連結構成の図示が省略されているが、枠板21同士は、例えばボルト及びナットを用いるなど、適宜の方法で連結されている。各枠板21は、軸方向(上下方向)よりも周(円弧)方向に長く、円弧の内外から見ると矩形状をなすように形成されている。各枠板21の外面は、表面に段差等のない平滑面となっている。
各枠板21の上下両端部には、それぞれの円弧方向全域にわたって補強部材22,23が設けられている。図2に示すように、補強部材22,23は断面L字状をなし、枠板21に沿った円弧状に形成されている。補強部材22,23は、取付け片22a,23aとフランジ片22b,23bとを有している。取付け片22a,23aが枠板21の内面上端部に当接し、かつフランジ片22b,23bが枠板21の上端面又は下端面ととともに同一平面を形成する状態で、溶接等によって補強部材22,23が枠板21に接合されている。
上下の補強部材22,23のうち、上側補強部材22には連結用部材24が取り付けられている。連結用部材24は断面L字状をなし、上側補強部材22に沿った円弧状に形成されている。連結用部材24には取付け片24aが設けられており、取付け片24aが上側補強部材22のフランジ片22bの上面に当接した状態で、溶接等によって連結用部材24が上側補強部材22に接合されている。
図1及び図2に示すように、円筒型枠20を構成する各枠板21には、枠板21の板厚方向に円筒内外を貫通する貫通孔25が設けられている。貫通孔25は、各枠板21のそれぞれに1つずつ設けられ、枠板21の周方向の中間部であり、かつ上下方向の略中央部に配置されている。貫通孔25の内面には、ネジ溝が形成されている。
図2に示すように、各貫通孔25には、それぞれ、先端ノズル30が内側から取り付けられる。先端ノズル30は、裏込めモルタルMaを圧送するための圧送ホースHの先端に設けられている。図4は、掘削された立坑(掘削立坑)T1に設置された状態の円筒型枠20の平面を示している。図4に示すように、本実施形態では4枚の枠板21が周方向に連結されることによって円筒型枠20が形成されているため、4つの先端ノズル30が周方向に所定間隔を隔てて配置されている。
図2に示すように、先端ノズル30は、挿入管部31と、当該挿入管部31の基端に設けられたバルブ33とを有している。先端ノズル30は、圧送ホースHと着脱可能となっている。なお、圧送ホースHの他端側は、地上に設置されたモルタル圧送装置(図示略)に接続されている。モルタル圧送装置(図示略)は、例えばポンプ、ミキサー、ホッパー及びコンプレッサ等を有し、裏込めモルタルMaを圧送ホースHに送り出すための装置である。
挿入管部31は、枠板21の板厚W1と同じ長さの管長Lを有している。後述する図5(a)を参照すると、挿入管部31は先端開口部32を有している。挿入管部31の外周面には、貫通孔25のネジ溝と噛み合うネジ溝が形成されている。そのため、挿入管部31は枠板21の内側から貫通孔25に螺着され、それにより、先端ノズル30が枠板21の内側に取り付けられる。枠板21の内側に先端ノズル30が取り付けられた状態では、後述する図5(a)を参照すると、挿入管部31の先端面31aが円筒型枠20の外面20aと面一となり、その状態で挿入管部31が貫通孔25に設置されている。
この取付け状態から先端ノズル30を取付け時とは反対方向(一般には左方向)に回転させると、挿入管部31が貫通孔25から取り外され、それにより先端ノズル30が枠板21から離脱する。このように、挿入管部31を備えた先端ノズル30は、挿入管部31を回転させることにより、枠板21の貫通孔25に対して着脱自在となっている。なお、先端ノズル30に裏込めモルタルMaが供給されると、裏込めモルタルMaは挿入管部31を流通しその先端開口部32から吐出する。そのため、挿入管部31は吐出部に相当する。
挿入管部31の基端には、バルブ33が設けられている。バルブ33には、切換部としての切換レバー34が設けられている。切換レバー34は、上下方向を回転軸として回転可能に設けられ、その回転によって第1位置と第2位置とに切り換えられる。先端ノズル30が枠板21の内側に取り付けられた状態において、図2に示すように切換レバー34が第1位置に切り換えられた場合、圧送ホースHから圧送された裏込めモルタルMaはバルブ33を介して挿入管部31へ流通し、挿入管部31の先端開口部32から裏込めモルタルMaが流出する。一方、切換レバー34が第2位置に切り換えられた場合、圧送ホースHから圧送された裏込めモルタルMaの流通がバルブ33の内部で止められ、挿入管部31へ裏込めモルタルMaが流通することができなくなる。なお、第1位置は流通可能位置に、第2位置は流通不可能位置にそれぞれ相当する。
図1に戻り、円筒型枠20を構成する各枠板21には、上端部において点検口26が設けられている。点検口26は、枠板21ごとに一対ずつ設けられ、枠板21を外側から見た場合の貫通孔25を挟んだ両側であって、かつ枠板21の周方向の両端側に配置されている。図2に示すように、点検口26は、枠板21及び上側補強部材22の取付け片22aを、枠板21及び取付け片22aの板厚方向に、円筒内外を貫通するように形成されている。
点検口26は、ゴム等の樹脂によって形成された封止具36が円筒内側から圧入されることによって塞がれるようになっている。封止具36は、頭部37と、点検口26に圧入される挿入軸部38とを有しており、挿入軸部38の軸方向長さは、枠板21が有する板厚W1と上側補強部材22の取付け片22aが有する板厚W2とを合わせた長さと略同じ長さを有している。そのため、封止具36の挿入軸部38が点検口26に圧入されて点検口26が塞がれると、挿入軸部38の先端面38aが円筒型枠20の外面20aと面一となる。
再度図1に戻り、円筒型枠20とともに連結体10を構成する円筒構造体40について次に説明する。円筒構造体40は、複数のライナープレート41が周方向に沿って複数(例えば、図1の図示では5つ)連結され、全体として円筒状をなすように形成されている。図1ではライナープレート41同士の連結構成の図示も省略されているが、例えばボルト及びナットを用いるなど、適宜の方法で連結されている。
ライナープレート41は波形鋼板により形成され、軸方向(上下方向)よりも周(円弧)方向に長く、円弧の内外から見ると矩形状をなしている。ライナープレート41の波形状は、上下方向に沿って波形となるように形成されている。ライナープレート41の外側には蓋板42が取り付けられ、蓋板42によってライナープレート41の外側が覆われている。蓋板42により、ライナープレート41の外面は表面に段差等のない平滑面となっている。図1に示された蓋板42は、一つで外側全域を覆っているが、これに代えて、ライナープレート41同士を周方向の両端部でボルト及びナットを用いて連結する前に取り付けられる先付けのものと、連結した後に、ライナープレート41の周方向両端部に取り付けられる後付けのものとに分けて取り付けられるようにしもよい。
ライナープレート41の上端部には、上側補強部材43が取り付けられている。上側補強部材43は、円筒構造体40の周方向全域にわたって設けられている。上側補強部材43は、ライナープレート41の上端に設けられた周方向フランジ(図示略)に連結されることによって取り付けられている。また、図2に示すように、ライナープレート41の下端部には下側補強部材44が取り付けられている。下側補強部材44も、円筒構造体40の周方向全域にわたって設けられている。
上下の各補強部材43,44はそれぞれ断面L字状をなし、上下方向に延びる起立片43a,44aを有している。下側補強部材44は、その起立片44aの外面が蓋板42の外面と面一となるように、ライナープレート41に対して取り付けられている。
円筒構造体40を円筒型枠20の上に連結するときは、外側挿入締結具Fを用いて、上側となる円筒構造体40の下側補強部材44と、下側となる円筒型枠20の上端に設けられた連結用部材24とが連結される。この場合、図2に示すように、両者の起立片44a,24b同士が前後に重ね合わされた状態となる。下側補強部材44の起立片44a及び連結用部材24の起立片24bには、両者が重ね合わされた場合に、外側挿入締結具Fを円筒外側から挿入するための連結孔(図示略)が設けられる。なお、外側挿入締結具Fは本出願の発明者が発案したものであり、その詳細な構成や効果については、特開2017−106610号公報の記載を参照されたい。
円筒型枠20の上に円筒構造体40が連結された状態では、円筒構造体40の外面(蓋板42の外面と下側補強部材44の起立片44aの外面とで形成される面)が、円筒型枠20の外面20aから、円筒型枠20の板厚W1分だけ内側に奥まって配置されている。そのため、円筒型枠20の外周径D1は、円筒型枠20の板厚W1分だけ、円筒構造体40の外周径D2よりも大きくなっている。
円筒構造体40は、その上に別の円筒構造体40を順次組み付けることにより、円筒構造体40全体の上下方向の長さを延長させることが可能となっている。これにより、掘削を進めて立坑T1を深くした場合でも、立坑T1の深さに合わせて円筒構造体40の上下方向の長さを延長することができる。円筒構造体40を上下に連結する場合においても、前記外側挿入締結具Fを用いて、上側となる円筒構造体40の下側補強部材44と、下側となる円筒構造体40の上側補強部材43とが連結される。そのため、円筒構造体40の上下の補強部材43,44には、連結時において外側挿入締結具Fが挿入される連結孔45が設けられている。図1には、上側補強部材43に設けられた連結孔45が図示されている。
次に、以上の構成を有する連結体10が立坑T1に設置された状態について、図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4に示すように、立坑T1の開口部の周囲には、地面から掘り下げられ、かつ立坑T1よりも径の大きい平面視円形状に形成された拡張領域T2が設けられている。拡張領域T2の内周壁にはモルタルやライナープレートが周方向に連結されてなる円筒壁体(図示略)が設けられ、崩落が防止されている。
拡張領域T2には、可動支持装置50が設置されている。可動支持装置50は、連結体10に対して追加で連結される円筒構造体40や、円筒構造体40が追加で連結された後の連結体10を支持したり、下降させたりするための装置である。図4に示すように、可動支持装置50は、円筒構造体40や連結体10を支持する支持台51,52、支持台51,52を上下動させるためのスクリュージャッキ53、スクリュージャッキ53を駆動するためのモータ54等を有して構成されている。
図3に示すように、連結体10は、クレーンで吊り下げられることによって立坑T1に設置される。吊り下げ時には、円筒構造体40の上側補強部材43に設けられた連結孔45が、吊り下げワイヤWを取り付けるための吊り金物(シャックル)の取付け箇所としても利用される。なお、図6に示すように、連結体10に円筒構造体40が追加で連結される場合には、当該追加用の円筒構造体40もクレーンで吊り下げられて、連結体10の上方に運ばれる。その際にも、円筒構造体40の連結孔45が吊り金物の取付け箇所として利用される。
図3に戻り、立坑T1を掘削し始めたばかりの最初の段階では、立坑T1の深さは、連結体10の高さよりも浅く、円筒型枠20の上端が立坑T1の上端開口側に配置された状態となっている。そのため、掘削作業を一時中断した後に、連結体10の下端を立坑T1の底面に置き、連結体10が立坑T1に設置された状態では、連結体10は円筒型枠20の上方に突出している。
連結体10が立坑T1に設置された状態において、円筒型枠20の外側には、立坑T1の孔壁面Taと円筒型枠20の外面20aとの間に、環状をなすモルタル充填空間S1が形成されている。また、円筒構造体40の外側には、立坑T1の孔壁面Taと円筒構造体40の外面40aとの間に、環状をなす構造体外周空間S2が形成されている。円筒構造体40は円筒型枠20よりも外周径D2が小さいため、その分だけ、構造体外周空間S2はモルタル充填空間S1よりも幅広となっている。
なお、立坑T1に設置された状態の連結体10においては、図4に示すように、円筒型枠20の下端部に掘削装置61及び土砂排出装置62が取り付けられている。円筒型枠20には、これら掘削装置61及び土砂排出装置62を固定するための支持枠部27が設けられている。連結体10が設置された立坑T1は掘削装置61によってさらに掘り進められ、その掘削によって発生した土砂は、土砂排出装置62を用いて地上に排出される。
連結体10の設置後、立坑T1の内周壁が崩落するのを防ぐためになされる、立坑T1の内周壁と円筒型枠20の外面20aとの間への裏込めモルタルMaの充填は、次の施工手順によって行われる。図5乃至7を参照しつつその施工手順について説明する。なお、裏込めモルタルMaとしては、4時間〜9時間程度の経過(養生)によって半乾き状態となって流動性がなくなり、24時間程度の経過(養生)によって固化するものが用いられる。
まず注入準備工程を行う。注入準備工程は、第1工程に相当する。注入準備工程では、円筒型枠20に設けられた各貫通孔25に、円筒内側から圧送ホースHの先端に設けられた先端ノズル30を取り付ける。この取付けにより、図5(a)に示すように、先端ノズル30の挿入管部31が貫通孔25に設置され、その先端面31aは円筒型枠20の外面20aと面一となる。この状態で、各貫通孔25に取り付けられたすべての先端ノズル30について、バルブ33が有する切換レバー34を回転させて第1位置に切り換え、裏込めモルタルMaの挿入管部31への流通が可能な状態とする。
続いて注入工程を行う。注入工程は、第2工程に相当する。注入工程では、モルタル圧送装置(図示略)を駆動して圧送ホースHに裏込めモルタルMaを送り出す。これにより、圧送ホースHを通じて各先端ノズル30に送られた裏込めモルタルMaが、バルブ33を介して挿入管部31に流入し、さらに挿入管部31の先端開口部32から、立坑T1の孔壁面Taと円筒型枠20の外面20aとの間に形成されたモルタル充填空間S1に、裏込めモルタルMaとして注入する。
裏込めモルタルMaの注入により、モルタル充填空間S1には、立坑T1の底面側から徐々に裏込めモルタルMaが周方向行き渡りながら充填され、さらに、充填された裏込めモルタルMaの上面は徐々に上昇していく。充填された裏込めモルタルMaの上面が円筒型枠20の上端部に至るまで充填が進むと、当該上端部に設けられた点検口26から裏込めモルタルMaが溢れ出す。これにより、点検口26に至るまでモルタル充填空間S1にモルタルが充填されたと判断し、作業者は、漏れ出した点検口26に封止具36を圧入して、当該点検口26を塞ぐ。
充填が順調に進めば、周方向に沿って複数設けられたすべての点検口26から裏込めモルタルMaが略同時期に溢れ出す。裏込めモルタルMaが溢れ出した点検口26を封止具36で塞ぐとともに、裏込めモルタルMaの充填が完了したものと判断して、モルタル圧送装置の駆動を止めて裏込めモルタルMaの圧送を停止する。なお、一部の点検口26から裏込めモルタルMaが溢れ出さない事態が発生した場合、それは、モルタル充填空間S1への裏込めモルタルMaの充填に不具合が発生していることを意味する。この場合、裏込めモルタルMaの圧送を一時的に中断し、不具合を発生させている問題を解決したうえで、裏込めモルタルMaの注入作業を再開する。
続いて、前養生工程により、充填した裏込めモルタルMaの養生を行う。ここでは、裏込めモルタルMaの圧送を停止後、図5(b)に示すように、まずは各先端ノズル30のバルブ33が有する切換レバー34を回転させて第1位置から第2位置に切り換え、裏込めモルタルMaの挿入管部31への流通が不可となる状態とする。次いで、すべての先端ノズル30から圧送ホースHを取り外し、圧送ホースHを回収する。この段階では、裏込めモルタルMaは流動性を有しているが、バルブ33が第2位置に切り換えられているため、バルブ33から裏込めモルタルMaが漏れ出すことが防止されている。そして、この状態のまま、4時間〜9時間程度放置して養生する。
この程度の時間が経過すると、裏込めモルタルMaは流動性がなくなり、かつ固化する前段階の半乾き状態となっている。この段階で、分離工程を行う。分離工程は、第3工程に相当する。
分離工程では、図5(c)に示すように、作業者が各先端ノズル30をそれぞれ個別に回転させ、円筒型枠20からその内側へ離脱させる。先端ノズル30を回転させると、先端ノズル30を構成する挿入管部31、さらに当該挿入管部31内部に残留している残留モルタルMbもともに回転するため、残留モルタルMbには回転力が作用する。一方で、裏込めモルタルMaにはこの回転力は作用せず、固定されたままとなっている。そのため、残留モルタルMbの回転により、当該残留モルタルMbと裏込めモルタルMaとの境界部で亀裂が生じ、残留モルタルMbが裏込めモルタルMaから分離される。残留モルタルMbの分離によって新たに形成された破断面Mcは、挿入管部31の先端面31a及び円筒型枠20の外面20aと略面一の状態となる。もっとも、破断面Mcは、実際は図5(c)に図示したような平滑面ではなく、若干の凹凸程度は存在している。
その後、後養生工程により、裏込めモルタルMaをさらに養生させる。後養生工程の間において、所定の作業開始時刻となれば掘削作業を再び開始し、所定の作業時間内で立坑T1の掘削を行う。掘削作業中においては、円筒型枠20の周囲には裏込めモルタルMaが設けられた状態が維持されており、裏込めモルタルMaの後養生工程が継続している。後養生工程と並行して掘削作業が行われることにより、図6に示すように、立坑T1が深くなり、連結体10の下方に新たに底空間S3が形成される。なお、図6及び後述の図7では、円筒型枠20の左右両側にのみ裏込めモルタルMaが図示されているが、実際には、裏込めモルタルMaは円筒型枠20の外周側全域に設けられている。
掘削の作業時間が経過したことにより、当該掘削作業を再び一時中断すると、連結体延長・下降工程を行う。連結体延長・下降工程では、当初、1つの円筒構造体40を有するのみであった連結体10に新たな円筒構造体40を追加し、連結体10の上下方向の長さを延長する。図示のように、新たな円筒構造体40をクレーンによって吊り下げながら既存の連結体10の上方に運び、両者を連結させる。この連結に外側挿入締結具Fが用いられることは、前述のとおりである。
次いで、新たな円筒構造体40が連結された連結体10を下方へ移動させ、図7に示すように、連結体10の下端、つまり円筒型枠20の下端を立坑T1の新たな底部に置く。これにより、連結体10を構成する円筒型枠20も下方へ移動し、新たに形成された底空間S3に配置される。
ここで、前述した分離工程において、先端ノズル30の取り外しによって残留モルタルMbが裏込めモルタルMaから分離された状態となっている。そのため、図5(c)に示すように、裏込めモルタルMaの破断面Mcは、挿入管部31の先端面31a及び円筒型枠20の外面20aと略面一の状態となり、裏込めモルタルMaには貫通孔25内に突出した部分が存在しない。これにより、円筒型枠20を固化した裏込めモルタルMaの内壁面に沿って上下に移動させることが可能となっている。また、円筒構造体40の外周径D2は、裏込めモルタルMaの内径よりも小さいため、裏込めモルタルMaの内側で円筒構造体40を下方へ移動させることもできる。そのため、連結体10を円滑に降下させることができる。ここで、円筒型枠20の外周面と固化した裏込めモルタルMaとの間には隙間がないため、両者が固着して円筒型枠20の上下移動を妨げる可能性も考えられる。この対策として、例えば円筒型枠20の外周面に離型性の高い樹脂層を形成し、裏込めモルタルMaとの固着を抑制したり、円筒型枠20の内周側にバイブレータを設置し、裏込めモルタルMaが固化した段階で円筒型枠20に振動を付与して裏込めモルタルMaの固着を解いたりしてもよい。
連結体10の下降により、円筒型枠20の周囲に設けられていた裏込めモルタルMaと円筒型枠20とは上下にずれた状態となり、円筒構造体40の周囲に形成される構造体外周空間S2に裏込めモルタルMaが設けられる。構造体外周空間S2は、モルタル充填空間S1よりも幅広なため、円筒構造体40と裏込めモルタルMaの内周壁面との間には、円筒型枠20の外周径D1と円筒構造体40の外周径D2の差の分だけ隙間が形成されている。それでも、掘削作業を一時中断する時間帯は、前日に裏込めモルタルMaの充填作業を行った時間帯と略同じであり、すでに24時間程度経過している。そのため、この段階での裏込めモルタルMaはすでに固化した状態にあり、立坑T1の内周壁が崩落することを防止するのに十分な強度が確保されている。
裏込めモルタルMaの内側に円筒構造体40が設けられていることにより、立坑T1の孔壁面Taを保護する裏込めモルタルMaが、円筒構造体40によってさらに保護されることとなる。そのため、掘削によって新たに底空間S3が形成されて立坑T1が深くなり、そこに連結体10を下降させた場合には、裏込めモルタルMaの内側に円筒構造体40が設けられている必要がある。そこで、立坑T1が深くなることで円筒構造体40が足らなくなることを避けるべく、上記のとおり円筒構造体40を追加している。
なお、新たに底空間S3が形成された場合でも、底空間S3の深さによっては、円筒構造体40が追加されていない連結体10を下降させて立坑T1に設置しても、円筒構造体40が立坑T1の上端開口部から突出した状態が維持されることもある。そのような場合には、円筒構造体40を追加することは不要となる。したがって、円筒構造体40の追加は、底空間S3の深さに応じて行われる。
なお、円筒構造体40を追加したり、円筒構造体40が追加された連結体10を下降させたりする動作は、拡張領域T2に設けられた可動支持装置50を用いて行われる。この動作時には、円筒構造体40の上端外側に設けられたU字金具46が、可動支持装置50の支持台51,52(図4参照)に載置されることで、円筒構造体40や連結体10が立坑T1内で支持される。支持台51,52を上下動させることにより、円筒構造体40や連結体10は上下に移動する。
連結体10の下端を立坑T1の新たに形成された立坑1の底部に置き、当該連結体10が立坑T1に設置された状態において、円筒型枠20と施工済みの裏込めモルタルMaとが一部重複した状態を維持する。円筒型枠20の周囲には、裏込めモルタルMaの下方に、新たなモルタル充填空間S1が形成される。この新たなモルタル充填空間S1に対し、再び裏込めモルタルMaの充填を行う。その充填の手順は、上記した工程と同じである、すなわち、注入準備工程、注入工程、前養生工程及び分離工程を順次施工する。その後、後養生工程を経て掘削作業を新たに開始するととともに、掘削作業の再度の一時中断後は、連結体延長・下降工程を行う。
以上の手順を繰り返して実施することにより、裏込めモルタルMa及び円筒構造体40によって立坑T1の孔壁面Taの崩落が防止されながら、立坑T1を掘り進め、必要な深さの立坑T1を構築することができる。連結体延長・下降工程を繰り返す場合には、円筒型枠20を順次下方へ移動させる都度、円筒型枠20の上部と施工済みの裏込めモルタルMaの下部とを一部重複させた状態が常に維持される。
その後、立坑T1の掘削が完了し、孔壁面Taへの裏込めモルタルMaの施工も完了すると、円筒構造体40を順次外して回収しつつ、円筒型枠20を上方へ移動させて立坑T1からこれを除去し、地上に回収する。円筒構造体40の外周径D2は裏込めモルタルMaの内径よりも小さいため、円筒構造体40の回収を円滑に行える。また、円筒型枠20を上方へ移動させる場合においても、下降動作と同様、円筒型枠20の上下動を妨げる部分が存在しないため、上方への移動を円滑に行うことができる。
以上、本実施形態の裏込めモルタル施工方法を詳しく説明した。本実施形態のモルタル施工方法によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)分離工程において、裏込めモルタルMaが半乾き状態となった段階で、各貫通孔25に設置された先端ノズル30を回転させて取り外すことにより、裏込めモルタルMaと、挿入管部31の内部に残留した残留モルタルMbとを分離させている。この分離により、裏込めモルタルMaが固化した後に、円筒型枠20を移動させることができる。その結果、立坑T1の掘削が進むにつれ、円筒型枠20を順次降下させながら裏込めモルタルMaを施工することができ、掘削を頻繁に中断するような状況でも孔壁面Taの崩落を防止することができるし、立坑T1の完成後には円筒型枠20を回収することができる。
(2)連結体10においては、円筒型枠20の上端に、当該円筒型枠20の外周径D1よりも外周径D2が小さい円筒構造体40が連結されている。立坑T1の掘削が進むにつれて、連結体延長・下降工程により、円筒構造体40の追加による連結体10の延長と、円筒型枠20の順次降下が行われる。
円筒型枠20を単体で立坑T1内に降下させていく場合、円筒型枠20の中心を設定しにくくなるし、円筒型枠20の歪みも生じやすくなる。そこで、円筒型枠20の上端に順次、ライナープレート41等よりなる円筒構造体40を組み付けていくことにより、そのような問題が生じにくくなる。また、円筒構造体40の外周径D2は円筒型枠20よりも小さくなっていることから、円筒構造体40が裏込めモルタルMaと干渉することがなく、連結体10の上下移動を円滑に行うことができる。また、立坑T1の掘削の完了に至るまで、孔壁面Taを保護する裏込めモルタルMaを円筒構造体40で保護することになり、鉄道付近での振動の大きな環境であっても孔壁面Taの崩落を確実に抑制することができる。
(3)立坑T1の掘削が進むにつれて円筒型枠20を下方へ移動させる場合には、移動後も、円筒型枠20の上部と施工済みの裏込めモルタルMaの下部とが一部重複した状態を常に維持するようにしている。施工済みの裏込めモルタルMaの内径と円筒型枠20の外周径D1とがほぼ一致しているため、いったん円筒型枠20を施工済みの裏込めモルタルMaよりも下方に移動させて、一部重複した状態を解消してしまうと、円筒型枠20を裏込めモルタルMaの孔壁面Taに沿わせながら上方へ移動させて円筒型枠20を回収することができなくなる。そこで、裏込めモルタルMaと円筒型枠20とが常に重複した状態を維持しながら円筒型枠20を下方へ移動させることで、円筒型枠20の回収ができなくなることを防止できる。
(4)円筒型枠20の上端部には、モルタル充填空間S1に注入された裏込めモルタルMaの充填の様子を点検できる点検口26が設けられている。モルタル充填空間S1に注入された裏込めモルタルMaが円筒型枠20の上端部より更に上方まで及ぶと、裏込めモルタルMaが固化した後に、円筒型枠20を上方へ移動させてそれを回収することができなくなるおそれがある。そこで、点検口26を設けることにより、裏込めモルタルMaが必要以上に充填される可能性を抑制することができる。
(5)点検口26は円筒型枠20の内外を貫通しており、注入工程では、注入された裏込めモルタルMaが点検口26から溢れ出した段階で注入完了とし、点検口26を封止具36によって封止するようにした。点検口26から裏込めモルタルMaが溢れ出した場合、モルタル充填空間S1に裏込めモルタルMaが行き渡ったと推定することができる。そのため、裏込めモルタルMaの充填を点検する作業が容易になる。また、点検口26から裏込めモルタルMaが溢れた後は、点検口26を封止具36によって封止することにより、裏込めモルタルMaが必要以上に円筒型枠20の内周側に溢れ出してしまうことを抑制できる。
(6)前述したように、円筒型枠20を下方に移動させて新たにモルタル充填空間S1が形成される場合でも、円筒型枠20の上部と施工済みの裏込めモルタルMaの下部とが一部重複した状態が常に維持される。しかも、円筒型枠20の外面20aと裏込めモルタルMaの内面とが当接し、両者の間にほとんど隙間が存在しない。その上で、円筒型枠20の上部には、円筒型枠20の内外を貫通する点検口26が設けられている。
そのため、モルタル充填空間S1に裏込めモルタルMaが充填される際、充填が進んで円筒型枠20の上部に至った裏込めモルタルMaは、円筒型枠20と裏込めモルタルMaとの重複部分を経て構造体外周空間S2に漏れ出す前に、点検口26を通じて円筒型枠20の内側へ溢れ出る。構造体外周空間S2に裏込めモルタルMaが漏れ出してそこで固化すると、漏れ出して固化した部分が障害となって円筒型枠20を上方へ移動させ、回収することができなくなるおそれがある。この点、円筒型枠20と裏込めモルタルMaとの重複部分が存在し、かつ点検口26が円筒型枠20の上部に設けられていることにより、裏込めモルタルMaが構造体外周空間S2に漏れ出すことを防止できる。
なお、円筒型枠20の外周下端に、裏込めモルタルMaが下端側から漏れ出すことを防止するために、公知のモルタル受け部材を設けるようにしてもよい。モルタル受け部材が設けられることにより、上記のような円筒型枠20の上側での重複部分というバリアと、下側でのモルタル受け部材というバリアとでモルタル充填空間S1が区画され、当該空間S1の外に裏込めモルタルMaが漏れ出すことを防止できる。
(7)円筒型枠20の各貫通孔25に設けられる先端ノズル30において、挿入管部31は円筒型枠20の外面20aの位置まで延び、先端面31aは円筒型枠20の外面20aと面一となっている。これにより、先端ノズル30の回転に伴って、裏込めモルタルMaと残留モルタルMbとの境界部分での分離が一層確実なものになる。
(8)円筒型枠20の各貫通孔25の内周及び先端ノズル30の挿入管部31の外周には、互いに噛合うネジ溝が形成されており、先端ノズル30を取り付けたり、取り外ししたりすることは、挿入管部31の回転によって行われる。挿入管部31を貫通孔25内に留め置く場合も、残留モルタルMbを裏込めモルタルMaから分離するために挿入管部31を回転させる場合も、ネジ溝の存在により単に挿入管部31を貫通孔25から着脱する動作のみで実現することができる。そのため、作業者は単にネジ込み又はネジ外しの作業を行うだけであり、作業が容易になる。
(9)先端ノズル30にはバルブ33が設けられ、バルブ33には、裏込めモルタルMaが挿入管部31へ流通することを可能とする第1位置と、その流通を不可能とする第2位置とに切り換える切換レバー34が設けられている。モルタル充填空間S1へ裏込めモルタルMaを注入する注入工程では切換レバー34を第1位置に切り換え、注入完了後、切換レバー34を第2位置に切り換え、裏込めモルタルMaの更なる注入を停止させるようにした。
バルブ33の切換によって裏込めモルタルMaの流通可・不可を切り換えることができるので、裏込めモルタルMaの注入完了後には、バルブ33の切換レバー34によって裏込めモルタルMaの流通を止めることができる。この状態となれば、バルブ33へ裏込めモルタルMaを流通させる圧送ホースHを先端ノズル30から外しておくことができるので、圧送ホースH内の裏込めモルタルMaが固化してしまう前に、圧送ホースH内の裏込めモルタルMaを除去することができる。また、バルブ33を含む先端ノズル30を回転させれば挿入管部31も一体回転することになるため、貫通孔25内に設置された挿入管部31だけを回転させる場合と比較して回転させる作業が簡単になる。
なお、裏込めモルタル施工は、本実施形態の施工方法やそれに用いられる構成に限定されるものではなく、次の施工方法や構成を採用してもよい。
(a)上記実施の形態では、先端ノズル30が有する挿入管部31において、その流路は断面円形状をなすように形成されている。これに代えて、図8に別例として一例を示すように、断面非円形状をなす流路断面を有していてもよい。例えば、図8に実線で示すように、流路の周方向の一部に凸部63を設けたり、仮想線で示すように、凹部64を設けたりしてもよい。凸部63及び凹部64が併用して設けられた構成としてもよく、また、挿入管部31の流路の一部ではなく全域に凸部63や凹部64が設けられた構成を採用してもよい。また、図8(b)に仮想線で示すように、断面がD型をなす流路65を有する形態としてもよい。このように挿入管部31の流路断面を非円形状に形成することにより、挿入管部31と残留モルタルMbとが一体に回転しやすくなり、破断面Mcが円筒型枠20の外面20aと面一となった状態を形成しやすい。
(b)上記実施の形態では、円筒型枠20に設けられる貫通孔25は、円筒型枠20を構成する枠板21ごとに1つずつ設けられ、枠板21の周方向の中間部であり、かつ上下方向の略中央部に配置されている。そのため、貫通孔25に取り付けられる先端ノズル30の数も、枠板21ごとに1つずつであり、合計4つとされている。
この点、円筒型枠20を構成する枠板21の数は任意であることはもちろん、枠板21ごとに設けられる貫通孔25の数も任意であり、また枠板21ごとに異なる数の貫通孔25が設けられていてもよい。貫通孔25が設けられる位置も任意である。例えば、枠板21ごとに一つの貫通孔25が設けられる場合には、枠板21の下端側に貫通孔25を設けたり、複数の貫通孔25が設けられる場合には、枠板21の上下両端部や同じ高さ位置に所定間隔を隔てて左右に並べて設けたりしてもよい。
(c)上記実施の形態では、点検口26は枠板21ごとに一対ずつ設けられ、枠板21を外側から見た場合の貫通孔25を挟んだ両側であって、かつ枠板21の周方向の両端側に配置されている。この点、点検口26の数は任意であり、その設置箇所も任意であるが、設置箇所は少なくとも上記実施形態のように上端部であることが好ましい。また、点検口26は、円筒型枠20の内外を貫通する孔によって形成されるのではなく、例えば、円筒型枠20と円筒構造体40との間に隙間を設けて両者を連結する場合であれば、当該隙間を点検口として利用してもよい。
20…円筒型枠、25…貫通孔、26…点検口、31…挿入管部(吐出部)、33…バルブ、34…切換レバー(切換部)、36…封止具、40…円筒構造体、Ma…裏込めモルタル、Mb…残留モルタル、T1…掘削立坑,Ta…孔壁面。

Claims (8)

  1. 掘削立坑の孔壁面と、そこから所定間隔をおいて設置された円筒型枠との間に裏込めモルタルを施工する裏込めモルタル施工方法であって、
    前記円筒型枠の板厚方向に前記円筒型枠の内外へ貫通するようにして形成された貫通孔に、裏込めモルタルを吐出する吐出部を設置する第1工程と、
    前記円筒型枠の内周側から前記吐出部を介して、前記孔壁面と前記円筒型枠との間に裏込めモルタルを注入する第2工程と、
    前記裏込めモルタルの流動性がなくなり、かつ前記裏込めモルタルが固化する前段階である半乾き状態となった段階で、前記吐出部を回転させながら前記円筒型枠の内周側へ離脱させることにより、前記裏込めモルタルと前記吐出部の内部に残留している残留モルタルとを分離させる第3工程と、
    を備えることを特徴とする裏込めモルタル施工方法。
  2. 前記円筒型枠の上端には、前記円筒型枠よりも外周径が小さい円筒構造体が連結されており、
    前記円筒構造体の上端に前記円筒構造体を順次組み付けることにより、掘削が進むにつれて前記円筒型枠を順次下方へ移動させる工程を含む、請求項1に記載の裏込めモルタル施工方法。
  3. 前記円筒型枠を下方へ移動させた後も、前記円筒型枠の上部と施工済みの前記裏込めモルタルの下部とが高さ方向に重複した状態を維持する、請求項2に記載の裏込めモルタル施工方法。
  4. 前記円筒型枠の上端部には、前記円筒型枠の外周側に吐出された裏込めモルタルを前記円筒型枠の内周側から点検することのできる点検口が設けられている、請求項2又は3に記載の裏込めモルタル施工方法。
  5. 前記点検口は、前記円筒型枠の内外に貫通しており、
    前記第2工程において、前記点検口から前記裏込めモルタルが溢れてきた段階で注入完了として、前記点検口を封止具によって封止する、請求項4に記載の裏込めモルタル施工方法。
  6. 前記第1工程において設置される前記吐出部の先端は、前記円筒型枠の外周面の位置まで延びている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の裏込めモルタル施工方法。
  7. 前記貫通孔の内周及び前記吐出部の外周には、互いに噛合うネジ溝が形成されており、
    前記第1工程では、前記吐出部を回転させることにより前記貫通孔に対して前記吐出部を設置し、
    前記第3工程では、前記吐出部を回転させることにより前記貫通孔に対して前記吐出部を取り外す、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の裏込めモルタル施工方法。
  8. 前記吐出部の基端には、モルタルを圧入するためのバルブが設けられており、
    前記バルブは前記円筒型枠の内周側に配置されており、
    前記バルブにはモルタルの前記吐出部への流通を可能とする流通可能位置と、その流通を不可能とする流通不可能位置とに切り換える切換部が設けられており、
    前記バルブと前記吐出部とは一体回転可能であり、
    前記第1工程及び前記第3工程では前記バルブを回転させ、
    前記第2工程では前記切換部を前記流通可能位置から前記流通不可能位置に切り換える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の裏込めモルタル施工方法。
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