JP2011246981A - 構造物の基礎補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭小な場所であっても基礎補強を行うことができる構造物の基礎補強方法を提供する。
【解決手段】既設杭51の周囲に増杭1を埋設し、増杭1に筒状の鞘管3を差し込み、増杭1の上方に既設躯体51と一体化した新設躯体4を構築し、新設躯体4を介して伝達される既設躯体51に作用する鉛直荷重を、油圧で作動するジャッキ9により増杭1に作用させ、鞘管3を上方に引き上げて、ジャッキ9を鞘管3で密封し、鞘管3と増杭1間にグラウトを注入する。
【選択図】図4

Description

本発明は、構造物の基礎を増杭によって補強する技術に関する。
プラントや建物等の構造物の改修や増設により構造物の重量が増加する場合には、既設躯体の鉛直支持力が不足するため、基礎を補強する必要がある。図11を用いて、従来の基礎補強方法について説明する。構造物の基礎は、構造物を支える既設躯体51と、既設躯体51の下端から地中に埋設される複数の既設杭52から構成される。既設杭52の支持力により、建造物の沈下を防止している。従来の基礎補強では、既設杭52の周囲に、増杭57を多数埋設し、この増杭57の上に、既設躯体51と差筋56で接続される新設躯体55を設け、質量が増加した構造物の増加鉛直荷重を増杭57に分散させることにより、既設杭52の座屈や沈下を防止し、質量が増加した構造物の沈下を防止していた。このような基礎補強では、増加荷重が、増杭57と既設杭52の鉛直剛比に応じて分配されるため、既設杭52の鉛直支持力に余裕が無く、既設杭52が座屈や沈下する恐れがある場合には、増杭57を多数埋設する必要があった。従来例では、16本の既設杭52で支える既設躯体51に作用する荷重が950kN増加する場合には、増杭57が28本必要であった。増杭57を多数埋設する基礎補強では、増杭57を埋設するための広大なスペースが必要であり、スペースが限られている場合には、基礎補強を行うことができなかった。また、増杭57を多数埋設すると、増杭57の1本当たりの許容支持力(従来例では1220kN)に対して、増杭57の1本当たりの負担荷重(従来例では150kN)にしか過ぎず、非効率的であった。
そこで、特許文献1に示されるように、増杭と新設躯体の間に油圧式ジャッキを配設し、この油圧式ジャッキで増杭と新設躯体間を拡げて増杭に作用する鉛直荷重を増加させたうえで、増杭と新設躯体の間に機械式ジャッキを配設し、機械式ジャッキで荷重を受け替えた後に、油圧式ジャッキを除去し、増杭と新設躯体間にグラウトを充填する基礎補強方法が提案されている。この方法であれば、既設躯体51に作用する増加荷重を、強制的に増杭側に作用させることができ、少ない本数の増杭を埋設するだけで構造物の沈下を防止することができ、限られたスペースであっても基礎補強を行うことができる。なお、油圧式ジャッキで増杭と新設躯体間を拡げて増杭に作用する鉛直荷重を増加させた後で、油圧式ジャッキと機械式ジャッキを交換しているのは、油圧式ジャッキを恒久的に使用した場合に、ジャッキ油の漏洩により油圧式ジャッキ内の油圧が消失すると、増杭に作用する鉛直荷重を維持できないので、これを防止するためである。
特開2005―240297号公報
しかしながら、特許文献1に示される基礎補強方法では、油圧式ジャッキと機械式ジャッキを並設するスペースや、油圧式ジャッキを機械式ジャッキに交換するためのスペースが必要であり、このスペースすら確保することができない狭小な場所では、基礎補強を行うことができないという問題があった。また、油圧式ジャッキを機械式ジャッキに交換する作業が大変手間であり、大きな交換費用が発生してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を解決し、狭小な場所であっても基礎補強を行うことができる構造物の基礎補強方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、
構造物を支える既設躯体と、この既設躯体の下端から地中に埋設された既設杭から構成される構造物の基礎を補強する方法であって、
前記既設杭の周囲に増杭を埋設する工程と、
前記増杭に筒状の鞘管を差し込む工程と、
増杭の上方に既設躯体と一体化した新設躯体を構築する工程と、
新設躯体を介して伝達される既設躯体に作用する鉛直荷重を、油圧で作動するジャッキにより増杭に作用させる工程と、
前記鞘管を引き上げることにより、前記ジャッキを鞘管で密封し、鞘管と増杭とを接続させる工程とからなることを特徴とする構造物の基礎補強方法。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ジャッキを密封した鞘管にグラウトまたはコンクリートを充填することにより、鞘管と増杭とを接続させることを特徴とする。
これにより、新設躯体を介して伝達される既設躯体に作用する鉛直荷重が、確実に、増杭に作用し、増杭への前記垂直荷重の伝達不良に起因する、建造物の沈下を防止することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
増杭の外周面及び鞘管の少なくとも一方には、凹凸部が形成されていることを特徴とする。
これにより、鞘管の内周面とグラウト間又は、グラウトと増杭上部の外周面間に作用する付着力を向上することができる。このため、下鞘管に作用する鉛直荷重が、鞘管の内周面とグラウトの付着力、グラウトのせん断力、及びグラウトと増杭外周面の付着力により、確実に増杭に伝達される。また、水平荷重はグラウトの支圧強度により増杭に伝達され、曲げモーメントは鞘管の周方向の開きに対する鋼材の曲げ応力と増杭側面に作用するコンクリートの圧縮力により増杭へ伝達される。このため、既設杭への増加荷重の作用を防止し、構造物の沈下を防止することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、
新設躯体内に上部鞘管を埋設し、前記上部鞘管と鞘管を接合することによりジャッキを密封することを特徴とする。
これにより、新設躯体に作用する垂直荷重を、確実に、鞘管に伝達させることが可能となり、増杭への前記垂直荷重の伝達不良に起因する、建造物の沈下を防止することが可能となる。
本発明によれば、既設杭の周囲に増杭を埋設し、前記増杭に筒状の鞘管を差し込み、増杭の上方に既設躯体と一体化した新設躯体を構築し、新設躯体を介して伝達される既設躯体に作用する鉛直荷重を、油圧で作動するジャッキにより増杭に作用させ、前記鞘管を引き上げることにより、前記ジャッキを鞘管で密封し、鞘管と増杭とを接続させる。これにより、油圧式ジャッキの除去作業が不要となり、狭小な場所であっても基礎補強を行うことが可能となる。また、従来のように、ジャッキを交換・除去を行う必要が無いので、ジャッキの交換・除去交換費用が発生することが無く、工事費を低減させることが可能となる。
本発明の実施の形態を示す構造物の基礎補強方法の説明図である。 増杭の説明図である。 下鞘管の断面図である。 本発明の実施の形態を示す構造物の基礎補強方法の説明図である。 要部説明図である。 上鞘管の詳細図である。 要部説明図である。 図5の(D)のC−C断面図である。 構造物の基礎補強工事が完了した状態の基礎部分の説明図である。 別の実施形態の要部詳細図である。 従来の基礎補強の説明図である。 増杭の別例の説明図である。 グラウト注入の別例を表した説明図である。 グラウト注入の別例を表した説明図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態を示す。まず、図1の(A)に示されるように、既設躯体51の周囲に、鋼矢板等の土留め部材91を埋設して土留めしたうえで、既設躯体51の周囲を掘削して、土砂を除去する。次に、図1の(B)に示されるように、既設杭52の周囲に、杭打ち機等により増杭1を埋設する。本実施形態では、4本の増杭1を既設杭52の周囲に埋設している。図2に示されるように、増杭1の上端には、蓋板1bが取り付けられ、閉塞されている。また、本実施形態に使用される増杭1は、鋼管であり、その上部の外周面の全周に、上下方向複数のリブ1aが形成されている。このリブ1aの役割については後述する。次に、図1の(C)に示されるように、既設躯体51の周面に複数穴をあけ、当該穴に差筋2を挿入するとともにエポキシ樹脂等の合成樹脂を注入して、既設躯体51の周面に複数の差筋2を取り付ける。次に、図1の(D)に示されるように、下鞘管3を増杭1に差し込む。図3に示されるように、本実施形態で使用される下鞘管3は、その内面の全周に、上下方向複数のリブ3aが形成されている。このリブ3aの役割については後述する。
次に、図4の(A)や図5の(A)に示されるように、増杭1の蓋板1b上に、油圧式ジャッキ9を設置し、更に、油圧式ジャッキ9に上鞘管5を差し込み、油圧式ジャッキ9上に上鞘管5のプレート5bを載置する。図6を用いて、上鞘管5の構造について説明する。なお、図6の(A)は上鞘管5の側面図であり、図6の(B)は上鞘管5の縦断面図であり、図6の(C)は図6の(A)のA−A矢視図であり、図6の(D)は図6の(B)のB−B断面図である。上鞘管5は、主に、円筒形状の筒部5aと、この筒部5a内を仕切るように筒部5a内に取り付けられたプレート5bとから構成されている。筒部5aの、プレート5bよりも上側は脚部5cとなっている。脚部5cの外周面には、複数のリブ5dが全周に渡って突設されている。また、脚部5cの内周面には、複数のリブ5fが全周に渡って突設されている。図6の(C)に示されるように、プレート6bの外縁よりもやや内側位置には、3つの連通穴5eが連通形成されている。図6の(B)に示されるように、各連通穴5eには、それぞれ、注入管6、エア抜き管7、操作配管8が、脚部5c内に挿通した状態で接続されている。注入管6、エア抜き管7、操作配管8は、脚部5cから上方に突出している。
次に図4の(B)に示されるように、既設躯体51の周囲に、コンクリートにより新設躯体4を形成する。新設躯体4は、差筋2により、既設躯体51と一体に接合される。勿論、新設躯体4内は、図示しない鉄筋により補強されている。図4の(B)に示されるように、新設躯体4には、外側に突出する突出部4aが形成されている。図4の(B)や図5の(B)に示されるように突出部4a内には、上鞘管5の脚部5c及び注入管6、エア抜き管7、操作配管8が埋め込まれている。図5の(B)に示されるように、突出部4aの下端面と、プレート5bの上面が同一平面に位置している。言い換えると、プレート5bは、突出部4aの下端面に貼設されて、取り付けられている。図5の(B)に示されるように、注入管6、エア抜き管7、操作配管8の上端は、突出部4aの上端面に開口している。一方で、注入管6、エア抜き管7、操作配管8の下端は、油圧式ジャッキ9がある上鞘管5の筒部5a内に開口している。プレート5bと増杭1の蓋板1bは、互いに相対向し、所定寸法離間した状態となっていて、この位置に、油圧式ジャッキ9が挿入されている状態となっている。
次に、図5の(C)に示されるように、操作配管8内に、油圧式ジャッキ9の油圧ホース10を挿入し、油圧式ジャッキ9に接続する。そして、油圧ホース10内にジャッキ油を圧送して、プレート5bと増杭1の蓋板1bを離間させる方向に、油圧式ジャッキ9を作動させ、増杭1に鉛直方荷重を加える。この際に、全ての油圧ジャッキ9を均等に作動させ、全ての増杭1に均等に鉛直方向の荷重を加える。この際に、各増杭1の沈下量及び歪みを段階的に計測する。所定期間、設定された鉛直荷重を各増杭1に加えて沈下が収束した後に、油圧式ジャッキ9をロックする。
次に、図4の(D)及び図5の(D)に示されるように、予め各増杭1に差し込んであった下鞘管3を上方に引き上げて、上鞘管5の下端及び下鞘管3の上端を全周溶接する。そして、図5の(D)に示されるように、下鞘管3の下端側の開放部分を、受蓋部材11を取り付けて閉塞する。図8に図5の(D)のC−C断面を示して、当該部分を説明する。図5の(D)や図8に示されるように、受蓋部材11は、受板11bと、補強部材11aとから構成されている。図8に示される実施形態では、受板11bは円弧状であり、受板11bの内縁は、増杭1の外周面に対応した形状となっている。また、補強部材11aは、L字形状の所謂アングル材である。図5の(D)に示されるように、まず、受板11bと下鞘管3の下端及び、受板11bと増杭1の外周面を全周溶接して、下鞘管3の下端開放部分を閉塞する。このようにして、油圧式ポンプ9の周囲に、プレート5b、上下鞘管5、3、受蓋部材11に囲まれた密封された閉空間が形成される。この状態では、図7の(B)に示されるように、下鞘管3の内周面と増杭1先端部外周面とが離間して対向する空間が形成されている。そして、増杭1の外周面に、周方向所定角度をおいて、補強部材11aを溶接し、更に、当該補強部材11aと受板11bの下面を溶接する。このように、補強部材11aにより、後述するグラウト注入時に、受板11bに作用する下方向の荷重により、受板11bの変形を防止している。
次に、図7の(A)に示されるように、注入管6から、上下鞘管5、3内にセメント系のグラウト15を注入する。なお、グラウト15は、膨張剤を含有し、拘束条件下で無収縮性が期待できる無収縮グラウトである。注入管6から、上下鞘管5、3内にグラウト15が注入されると、上下鞘管5、3内の空気が、エア抜き管7から排出される。そして、図7の(A)に示されるように、エア抜き管7からグラウト15が排出されるのが確認されると、上下鞘管5、3内へグラウト15が充填され、グラウトの注入作業が完了する。グラウトが固化し、土留め部材91を除去して掘削した土砂を埋め戻すと、構造物の基礎補強工事が完了する。このように本発明の構造物の基礎補強方法では、油圧式ジャッキ9は、上下鞘管5、3内に埋設される。このため、油圧式ジャッキ9の除去作業が不要となり、狭小な場所であっても基礎補強を行うことが可能となる。
図7の(B)は、図7(A)の上下鞘管5、3部分の拡大断面図である。
図9に示されるように、構造物の質量増により既設躯体51に作用する増加鉛直荷重(図9の(1))は、新設躯体4に作用し(図9の(2))、上下鞘管5、3に伝達して作用する(図9の(3))。なお、図6や図7の(A)に示されるように、脚部5cの内外周面には、リブ5d、5fが形成されているので、脚部5cが新設躯体4に強固に固着され、新設躯体4に作用する鉛直荷重が確実に、内外鞘管5、3に伝達される。そして、図7の(B)に示されるように、上下鞘管5、3に伝達された鉛直荷重は(図7の(B)の(3))、下鞘管3と増杭1間に充填されたグラウト15に伝達し(図7の(B)の(4))、そして、前記グラウトを介して、増杭1に伝達する(図7の(B)の(5))。このため、油圧式ジャッキ9内の油圧が消失したとしても、構造物の重量増により既設躯体51に作用する増加鉛直荷重が増杭1に伝達する。更に、本発明では、油圧ジャッキ9で強制的に増杭1に鉛直荷重を加えてから、グラウト15注入により固定化することにしたので、構造物の重量増により既設躯体51に作用する増加鉛直荷重が、既設杭52に座屈や沈下を生じさせること無く、増杭1に確実に分配し伝達するので既設杭52に悪影響を及ぼさず基礎補強できる。
図7の(B)に示されるように、下鞘管3の内周面にはリブ3aが形成され、増杭1上部の外周面にもリブ1aが形成されているので、下鞘管3の内周面とグラウト15間及び、グラウト15と増杭1上部の外周面間が、強固に固着され、グラウト15の剥離が防止される。このため、下鞘管3に作用する鉛直荷重が、確実に、増杭1に伝達されるようになっている。なお、下鞘管3の内周面及び増杭1上部の外周面に、リブ3a、1aを形成する代わりに、当該部分に溝を形成する等により、下鞘管3の内周面及び増杭1先端部の外周面に凹凸部を形成し、下鞘管3の内周面とグラウト15間及び、グラウト15と増杭1上部の外周面間を、強固に固着することにしても差し支えない。
図10を用いて、本発明の別の実施形態について以上説明した実施形態と異なる点について説明する。図10に示される実施形態では、プレート5bの上面に、脚部5cが貼設されている。増杭1の蓋板1b上に、油圧式ジャッキ9を設置し、新設躯体4を形成し、油圧式ジャッキ9で鉛直荷重を各増杭1に加えた後に、油圧式ジャッキ9をロックする。そして、予め各増杭1に差し込んであった下鞘管3を上方に引き上げて、下鞘管3の上端をプレート5bの下面に全周溶接し、下鞘管3の下端側の開放部分を、受蓋部材11を取り付けて閉塞する。その後の工程は、前述した実施形態と同様である。
なお、以上の説明では、鋼管製の増杭1を使用した実施形態について本発明を説明したが、鋼管製の増杭1の代わりに、図12に示されるような、PHC杭等のコンクリート杭21aの杭頭上部に有底円筒状の金具21bを取り付けた増杭21を使用しても差し支えない。なお、PHC杭(Pretensioned Spun High Strength Concret Piles杭の略)とは、高強度コンクリートを遠心締固めによって製造したコンクリート杭である。金具21bの上端には、蓋板21dが取り付けられ、閉塞されている。また、金具21bの外周面の全周に、上下方向複数のリブ21cが形成されている。
なお、以上説明した実施形態では、上下鞘管5、3内へグラウト15を充填しているが、グラウトの代わりに、更に砂を含む無収縮コンクリートを上下鞘管5、3内へ充填させても差し支えない。
また、以上説明した実施形態では、上下鞘管5、3内へグラウト15や無収縮コンクリートを充填させる実施形態について本発明を説明したが、下鞘管3の内周面と増杭1先端部外周面とが離間して対向する空間のみに、グラウト15や無収縮コンクリートを注入する実施形態であっても差し支えない。この実施形態であっても、上下鞘管5、3に伝達された鉛直荷重は、下鞘管3と増杭1間に注入されたグラウト15や無収縮コンクリートを介して、増杭1に伝達する。
なお、図13に示されるように、下鞘管3の下端に受蓋部材11を取り付ける代わりに、下鞘管3の下部外周面及び増杭1の外周面をフレキシブル型枠22で覆い、フレキシブル型枠22内に連通する注入管24からグラウト15や無収縮コンクリートを注入することにしても差し支えない。この場合には、グラウト15や無収縮コンクリートの漏洩を防止するために、フレキシブル型枠22は、ワイヤー23により、下鞘管3の下部外周面及び増杭1の外周面に縛られて固定されている。
或いは、図14に示されるように、下鞘管3が上鞘管5内に連通する注入管25からグラウト15や無収縮コンクリートを注入することにしても差し支えない。
なお、以上説明した実施形態では、油圧式ジャッキ9で鉛直荷重を各増杭1に加えた後に、油圧ジャッキ9の代わりに、油圧式ジャッキと機械式ジャッキとが一体化したいわゆるニューキリンジャッキを使用して、鉛直荷重を各増杭1に加えることにしても差し支えない。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う構造物の基礎補強方法また技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 増杭
1a リブ
1b 蓋板
2 差筋
3 下鞘管
3a リブ
4 新設躯体
4a 突出部
5 上鞘管
5a 筒部
5b プレート
5c 脚部
5d リブ
5e 連通穴
5f リブ
6 注入管
7 エア抜き管
8 操作配管
9 油圧式ジャッキ
10 油圧ホース
11 受蓋部材
11b 受板
11a 補強部材
15 グラウト
21 増杭(コンクリート製)
21a コンクリート杭
21b 金具
21c リブ
21d 蓋板
22 フレキシブル型枠
23 ワイヤー
24 注入管
25 注入管
51 既設躯体
52 既設杭
55 新設躯体
56 差筋
57 増杭
91 土留め部材

Claims (4)

  1. 構造物を支える既設躯体と、この既設躯体の下端から地中に埋設された既設杭から構成される構造物の基礎を補強する方法であって、
    前記既設杭の周囲に増杭を埋設する工程と、
    前記増杭に筒状の鞘管を差し込む工程と、
    増杭の上方に既設躯体と一体化した新設躯体を構築する工程と、
    新設躯体を介して伝達される既設躯体に作用する鉛直荷重を、油圧で作動するジャッキにより増杭に作用させる工程と、
    前記鞘管を引き上げることにより、前記ジャッキを鞘管で密封し、鞘管と増杭とを接続させる工程とからなることを特徴とする構造物の基礎補強方法。
  2. ジャッキを密封した鞘管にグラウトまたはコンクリートを充填することにより、鞘管と増杭とを接続させることを特徴とする請求項1記載の構造物の基礎補強方法。
  3. 増杭の外周面及び鞘管の少なくとも一方には、凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の構造物の基礎補強方法。
  4. 新設躯体内に上部鞘管を埋設し、前記上部鞘管と鞘管を接合することによりジャッキを密封することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の構造物の基礎補強方法。
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