JP2020104865A - 包装袋、包装袋入りの経皮吸収剤、及び包装袋の製造方法 - Google Patents

包装袋、包装袋入りの経皮吸収剤、及び包装袋の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】収納物の薬効成分等を吸収しにくく基材の溶着層同士が十分に溶着された包装袋を提供する。【解決手段】基材の溶着層14同士が溶着され溶着層14が内側となった包装袋10において、溶着層14が二軸延伸ポリエステルフィルム又はフッ素樹脂フィルムからなり、溶着層14同士の溶着部がレーザー溶着部であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、包装袋、包装袋入りの経皮吸収剤、及び包装袋の製造方法に関する。
特許文献1に記載のように、従来から経皮吸収剤の包装袋は、複数の層からなる基材の溶着層同士がヒートシールされて形成されていた。包装袋に使用される基材の溶着層には、ヒートシールしやすいポリエチレンフィルムや無延伸ポリプロピレンフィルムが用いられていた。このような溶着層は包装袋の内側となっていた。
ところが特許文献1にも記載のように、ポリエチレンフィルムや無延伸ポリプロピレンフィルムには、経皮吸収剤の薬効成分を吸着しやすいという問題があった。経皮吸収剤の薬効成分が溶着層に吸着されて減少してしまうと経皮吸収剤の効果が十分に発揮されないため、あらかじめ経皮吸収剤に薬効成分を多めに含有させておく等の対策が必要であり、コストアップの原因となっていた。
また、ポリエチレンフィルムや無延伸ポリプロピレンフィルムからなる溶着層に吸着・吸収された薬効成分が、溶着層と他層(例えばアルミ箔の層)との間の接着部を侵してしまい、溶着層と他層とが剥がれてしまうデラミという現象が起こるという問題もあった。
比較的薬効成分を吸着しにくいフィルムとして、PAN(ポリアクリロニトリル)、EVOH(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、非晶性ポリエステルのフィルムが知られていた。しかしこれらのフィルムも、量は少ないものの薬効成分を吸着してしまうことには変わりがなかった。
一方で、上記のPAN等のフィルムよりも薬効成分を吸収しにくいフィルムとして二軸延伸ポリエステルフィルムが知られていた。そのため特許文献2に記載のように、従来から二軸延伸ポリエステルフィルムは経皮吸収剤の薬剤塗布層の剥離フィルムとして使用されていた。
しかし、二軸延伸ポリエステルフィルムは結晶性及び耐熱性が高く、特許文献3に記載のようにヒートシールできないため、ヒートシールが必要な包装袋の内側のフィルム層に使用することができなかった。
また、フッ素樹脂フィルムも薬効成分を吸収しにくいことが知られていた。しかしフッ素樹脂フィルムも耐熱性が高くヒートシールすることができなかった。
特開2008−213923号公報 特開2000−290174号公報 特開2017−165871号公報
そこで本発明は、収納物の薬効成分等を吸収しにくく基材の溶着層同士が十分に溶着された包装袋、そのような包装袋入りの経皮吸収剤、及びそのような包装袋の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の包装袋は、基材の溶着層同士が溶着され前記溶着層が内側となった包装袋において、前記溶着層が二軸延伸ポリエステルフィルム又はフッ素樹脂フィルムからなり、前記溶着層同士の溶着部がレーザー溶着部であることを特徴とする。
また、本発明の包装袋入りの経皮吸収剤は、基材の溶着層同士が溶着され前記溶着層が内側となった包装袋に経皮吸収剤が収納された包装袋入りの経皮吸収剤において、前記溶着層が二軸延伸ポリエステルフィルム又はフッ素樹脂フィルムからなり、前記溶着層同士の溶着部がレーザー溶着部であり、前記経皮吸収剤の薬剤塗布層が前記溶着層に貼り付けられたことを特徴とする。
また、本発明の包装袋の製造方法は、基材の溶着層同士を溶着して前記溶着層が内側となった袋とする包装袋の製造方法において、前記溶着層を二軸延伸ポリエステルフィルム層又はフッ素樹脂フィルムとし、前記溶着をレーザー溶着により行うことを特徴とする。
本発明の包装袋では、溶着層が二軸延伸ポリエステルフィルム又はフッ素樹脂フィルムからなるため収納物の薬効成分等が吸収されにくく、しかも溶着層同士の溶着部がレーザー溶着部であるため十分に溶着されている。
また、本発明の包装袋入りの経皮吸収剤では、経皮吸収剤の薬剤塗布層が包装袋の内側の層である溶着層に貼り付けられたことにより、経皮吸収剤の薬剤塗布層に剥離フィルムを貼り付ける必要が無くなったため、製造コストが削減され、廃棄物も削減される。
また、本発明の包装袋の製造方法では、溶着層同士の溶着をレーザー溶着により行うため、従来のヒートシールでは溶着できなかった二軸延伸ポリエステルフィルム又はフッ素樹脂フィルムの層同士を十分に溶着することが可能である。
実施形態1の包装袋入りの経皮吸収剤の平面図。 実施形態1の包装袋入りの経皮吸収剤の断面図(図1のA−Aでの断面図)。 経皮吸収剤の斜視図。 実施形態2の包装袋入りの経皮吸収剤の断面図(図1のA−Aに相当する位置での断面図)。 実施形態4の包装袋入りの経皮吸収剤の平面図。 実施形態4の包装袋のチャックテープの部分での断面図(図5のB−Bでの断面図)。 実施形態5の包装袋のチャックテープの部分での断面図(図5のB−Bに相当する位置での断面図)。 実施例のレーザー溶着部の断面写真。
実施形態について図面に基づき説明する。なお、実施形態は一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更されたものについては、本発明の範囲に含まれるものとする。また図面は、説明のために大きさや形状等が誇張されて描かれたり、模式的に描かれたりする場合がある。しかしこのような図面はあくまでも一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
<実施形態1>
図1及び図2に示すように、包装袋10は2枚の長方形の基材11の四辺同士が溶着されて形成されている(なお図示しないが、1枚の長方形の基材11が半分に折り曲げられ、折り曲げ部以外の3辺が溶着されて包装袋10が形成されても良い)。これらの基材11は複数の層からなり、具体例としては図2に示すように袋外側の基材層12と、中間層13と、袋内側の溶着層14とからなる。
基材層12には、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、又は二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が使用される。基材層12には印字が施されても良いし、基材層12に不図示の印字層が積層されても良い。また中間層13には、アルミ箔、ガスバリア性の良い樹脂フィルムもしくはコーティング、水蒸気透過性の低い樹脂フィルムもしくはコーティング、又は遮光性の高い樹脂フィルムもしくはコーティング等が使用される。ただし中間層13は無くても良い。
また、中間層13の代わりに、二酸化ケイ素や酸化アルミニウム等からなる水蒸気透過性が低くガスバリア性の良い蒸着層が設けられていても良い。蒸着層は、基材層12の袋内側となる面に通常の蒸着法により形成することができる。
また、中間層13に加えて、二酸化ケイ素や酸化アルミニウム等からなる水蒸気透過性が低くガスバリア性の良い蒸着層が設けられていても良い。すなわち、基材11が、基材層12と、中間層13と、蒸着層と、溶着層14とからなるものであっても良い。その場合、蒸着層は、中間層13と基材層12との間に形成されていても良いし、中間層13と溶着層14との間に形成されていても良い。
溶着層14には二軸延伸ポリエステルフィルムが使用される。二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムが縦横2方向に延伸されたもので、縦横同時に延伸されたものでも、縦方向に延伸された後横方向に延伸されたものでも良い。延伸は既知のテンダー式延伸機等によって行われる。延伸倍率は例えば縦横共に3〜4倍である。
ここで、無延伸ポリエステルフィルムと二軸延伸のポリエステルフィルムとの違いについて説明する。まず無延伸ポリエステルフィルムでは、結晶化が促進されておらず、また特定方向への結晶配向は見られない。一方、二軸延伸ポリエステルフィルムでは、結晶化が促進されており、また特定方向への結晶配向が見られる。結晶化度は、無延伸ポリエステルフィルムの場合は例えば3%以下だが、二軸延伸ポリエステルフィルムの場合は2.5倍延伸で例えば15〜20%、3.5倍延伸で例えば20〜30%である。なお結晶化度についてはDSC曲線から求めた熱量値から算出する方法等の既知の方法により調べることができる。また結晶配向についてはラマン分光法等の既知の方法により調べることができる。二軸延伸ポリエステルフィルムは無延伸ポリエステルフィルムよりも、強度、保香性、耐溶剤性、耐熱性が高く、引裂き伝播抵抗が小さく、ガスや水蒸気を透過しにくく、薬効成分、フレーバー(香気)成分、揮発成分等(以下、まとめて「薬効成分等」とする)を吸着しにくい。
参考のため、無延伸ポリエステルフィルムと二軸延伸のポリエステルフィルムの物性値を表1にまとめる。表1の物性値は、代表的なポリエステルであるポリエチレンテレフタレートのフィルムについての値である。
また、現在市場には流通していないが、1方向のみに延伸された一軸延伸ポリエステルフィルムを実験的に製造することが可能である。一軸延伸ポリエステルフィルムでは、ある程度結晶化が促進されているが、二軸延伸ポリエステルフィルムほどには結晶化が促進されていない。また、一軸延伸ポリエステルフィルムでは、フィルム全体に一方向への結晶配向が見られ、その配向方向へ直線的に容易に切ることができる。これに対し二軸延伸ポリエステルフィルムでは、延伸加工条件にもよるが、多くの場合フィルム内の場所により結晶配向が異なり、例えばフィルム幅方向の両側と中央部とで結晶配向が異なる。
このような2枚の基材11が、その溶着層14が袋内側になるように重ねられ(つまり溶着層14同士が接触するように重ねられ)、それらの四辺において基材層12側(つまり外側)から溶着が行われる。
基材11同士の溶着にはレーザー溶着が使用される。レーザー溶着とは、レーザー透過層とレーザー吸収層とが重なった部分にレーザー透過層側からレーザーを当て、レーザー透過層を透過したレーザーのエネルギーをレーザー吸収層で熱エネルギーに変換させ、その熱でレーザー吸収層を溶融させて溶着させる溶着法である。極めて狭い範囲を非常に高い温度にして溶着できるのがレーザー溶着の特徴である。
実施形態では基材層12及び中間層13がレーザー透過層であり、溶着層14がレーザー吸収層である。基材11同士がレーザー溶着で溶着されたレーザー溶着部(図1の斜線部)では、2つの溶着層14が溶融して一体化しているのに対し、基材層12及び中間層13は溶着層14と比較して熱の影響をほとんど受けていない。
その点、従来のヒートシールの場合は、基材層12及び中間層13にも熱の影響として収縮等の変形、変質、又は溶融が見られ、またレーザー溶着の場合と比較して広範囲に熱の影響が見られる。
このような包装袋10の中には例えば経皮吸収剤20が収納される。図2及び図3に示すように、経皮吸収剤20は、例えば布、不織布、又は合成樹脂からなるシート21を有する。そして、シート21の片面に薬効成分を含む薬剤が塗布されて薬剤塗布層22が形成され、薬剤塗布層22に剥離フィルム23が貼り付けられて保護されたものである。剥離フィルム23は、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムに剥離剤としてのシリコンがコーティングされたものである。
図2では包装袋10の中に経皮吸収剤20が1枚だけ収納されているが、複数の経皮吸収剤20が重ねられて収納されても良い。また、経皮吸収剤20の代わりに、生薬、医薬品の顆粒剤、化粧品、入浴剤、食品等が収納されても良い。特に、実施形態の包装袋10は、従来の包装袋に使用されていたポリエチレンフィルム等に吸着されやすい成分や揮発性の成分を含むものの収納に適している。
以上のように実施形態の包装袋10の製造方法では溶着層14同士の溶着がレーザー溶着により行われる。レーザー溶着では極めて狭い範囲を非常に高い温度にして溶着できるため、通常のヒートシールでは溶着できなかった二軸延伸ポリエステルフィルムも溶着でき、しかも溶着部以外の部分に熱の影響をほとんど残さない。
また、溶着層14にシリコンやフッ素等の剥離性の強い物質が付着している場合、ヒートシールでは剥離性の強い物質に阻害されて溶着層14同士を溶着することができなかった。しかし、レーザー溶着によれば剥離性の強い物質が付着していても溶着層14同士を溶着することができる。そのため、包装袋10の開口部から剥離性の強い物質を含む液体や固体を入れた後で、その開口部に剥離性の強い物質が付着しているような場合であっても、レーザー溶着によればその開口部の溶着層14同士を溶着することができる。
そして、実施形態の包装袋10は、袋内側の溶着層14に二軸延伸ポリエステルフィルムが用いられているため収納物の薬効成分等を吸収しにくい。そのため、包装袋10に経皮吸収剤を収納する場合に経皮吸収剤に薬効成分を多めに含有させておく等の対策が必要なく、また上記のデラミの問題も生じない。さらに実施形態の包装袋10では、溶着層14同士の溶着部がレーザー溶着部であるため、溶着層同士が十分に溶着されている。このような包装袋10は、収納物の薬効成分等を吸収しにくいために、従来の包装袋では吸着されやすかった成分を有するものの収納に適している。
なお、以上では基材11が基材層12、中間層13、及び二軸延伸ポリエステルフィルムの溶着層14の3層からなる場合について説明したが、基材が二軸延伸ポリエステルフィルムの溶着層の1層のみからなる場合もあり得る。その場合、基材全体が溶着層であると言える。
<実施形態2>
実施形態2の包装袋入りの経皮吸収剤110を図4に示す。なお「包装袋入りの経皮吸収剤」とは、包装袋とそれに収納された経皮吸収剤とからなるもののことである。実施形態2が実施形態1と異なる点は、収納されている経皮吸収剤120に剥離フィルム23が貼り付けられておらず、経皮吸収剤120が包装袋10の溶着層14に直接貼り付けられている点と、包装袋10の溶着層14に剥離剤としてのシリコンがコーティングされている点である。
このような包装袋入りの経皮吸収剤110の製造方法は次の通りである。まず、上記と同じ基材11が2枚準備され、一方又は両方の基材11の溶着層14に剥離剤としてのシリコンがコーティングされる。次に、シリコンがコーティングされた溶着層14に、剥離フィルム23の無い経皮吸収剤120の薬剤塗布層22が貼り付けられる。次に、2枚の基材11が溶着層14が袋内側になるように重ねられ、経皮吸収剤120が袋内側に配置される。その状態で、重ねられた2枚の基材11の四辺において基材層12側(つまり外側)からレーザー溶着が行われる。こうして包装袋入りの経皮吸収剤110が完成する。
このように経皮吸収剤120が包装袋10の溶着層14に直接貼り付けられ剥離フィルム23が用いられていないため、包装袋入りの経皮吸収剤110の製造コストが削減でき、廃棄物も削減できる。
また、シリコンは耐熱性及び剥離性が高いため、溶着層14にシリコンがコーティングされていると従来のヒートシールでは溶着できなかった。しかし実施形態のレーザー溶着では溶着層14にシリコンがコーティングされていても溶着することができる。
<実施形態3>
実施形態3は基材11同士のレーザー溶着の変更例である。
実施形態3では、2枚の基材11同士をレーザー溶着する前に、一方の基材11の溶着予定の部分にあらかじめ着色剤が塗布される。そして、着色剤の上から他方の基材11が重ねられて(つまり2枚の基材11で着色剤を挟んで)、着色剤の部分に向けてレーザーが照射される。すると、着色剤の部分でレーザーのエネルギーが吸収されて熱エネルギーに変換され、発熱して溶着層14同士が溶着される。このようにして形成されたレーザー溶着部は、着色剤が混合された溶着部となる。
実施形態3の方法によれば、レーザーのエネルギーが小さくても、着色剤の近傍を高温に発熱させることができ、溶着層14同士を溶着させることができる。
また、着色剤が塗布された場合と塗布されない場合とで、溶着に適したレーザーの波長が異なる。着色剤が塗布された場合の溶着には例えば800〜1200nmの波長が適しており、着色剤が塗布されない場合の溶着には例えば8000〜12000nmの波長が適している。そこでそのことを利用したレーザー溶着も可能である。
具体的には、溶着予定の部分にあらかじめ着色剤が塗布され、その着色剤を挟むように2枚の基材11が重ねられる。そして、着色剤が塗布された部分を含む広い範囲に、着色剤が塗布された場合の溶着に適した波長のレーザーが照射される。すると、レーザーが照射された部分のうち、着色剤が塗布された部分だけが溶着される。このとき、着色剤が塗布されていない部分は、レーザーが照射されても溶着されない。この方法によれば、レーザーの照射場所を精密に制御しなくても、着色剤が塗布された部分だけを溶着させることができ、目的とする部分を溶着させることができる。
また、2枚の基材11のそれぞれの溶着層14(つまり対向する2つの溶着層14)のうち一方又は両方が、着色剤が混合されて形成されたフィルム等であっても良い。その場合も、小さなエネルギーで溶着層14同士をレーザー溶着することができる。なお、二軸延伸ポリエステルフィルム及びフッ素樹脂フィルムは一般に透明だが、着色剤が混合されることによって着色されたものとなる。
なお、着色剤としては、染料、顔料、又は染料と顔料の混合物を使用したものが使用される。染料としては例えばアジン系化合物(ニグロシン等)が使用される。また顔料としては例えばカーボンブラックが使用される。
<実施形態4>
本発明の包装袋のメーカーと、包装袋の中に経皮吸収剤等の収納物を収納するメーカー(ここでは例として「最終製品メーカー」とする)とが異なる場合があり得る。その場合、包装袋のメーカーが基材11の3辺をレーザー溶着して最終製品メーカーに納品し、最終製品メーカーが包装袋に収納物を収納して最後の1辺を閉じることになる。ところが、最終製品メーカーがレーザー溶着の設備を所有していない場合はレーザー溶着で最後の1辺を閉じることができず、レーザー溶着で最後の1辺を閉じるためにはレーザー溶着の設備を導入しなければならない。この問題を解決できるのが実施形態4である。
図5に示す実施形態4では、実施形態1のように2枚の長方形の基材11の4辺同士が溶着されるのではなく、2枚の長方形の基材11の3辺同士が上記のレーザー溶着により溶着されている。残りの1辺は包装袋10の開口部である。その1辺の近傍にはチャックテープ30(ジッパーテープとも言う)が溶着されており、チャックテープ30により包装袋10の開口部を開閉自在となっている。
図6に示すように、チャックテープ30は、2枚のシート部31と、一方のシート部31から相手方に向かって突出した凸形状部32と、他方のシート部31に形成された凹形状部33とからなる。そして、図示されているように凸形状部32が凹形状部33に嵌まることによって、チャックテープ30が閉じられる。チャックテープ30は全体が樹脂(例えばポリエステル)で出来ている。ここで、チャックテープ30のシート部31は、上記のレーザー溶着により基材11の溶着層14に溶着されている。
このような包装袋によれば、最終製品メーカーがレーザー溶着の設備を所有していなくても、包装袋の開口部から収納物を収納してチャックテープ30を閉じることにより、最後の1辺を容易に閉じることができる。
<実施形態5>
実施形態5では、包装袋を形成する基材が、実施形態1のように複数の層からなるのではなく、図7に示すように1枚のフッ素樹脂フィルム111からなる。従って実施形態5では包装袋を形成する基材(すなわちフッ素樹脂フィルム111)全体が溶着層であると言える。そして実施形態5においても、フッ素樹脂フィルム111の辺同士が実施形態1と同じレーザー溶着により溶着され、包装袋として形成されている。
フッ素樹脂フィルム111の具体例として、PFA、FEP、ETFE、PCTFE等のフィルムが挙げられる。
また、包装袋を形成する基材としてフッ素樹脂フィルム111が用いられる場合において、実施形態4と同様に、2枚の長方形のフッ素樹脂フィルム111の3辺同士がレーザー溶着により溶着され、残りの1辺がチャックテープ30により開閉自在となっていても良い。この場合、チャックテープ30もフッ素樹脂で出来ていることが望ましい。
フッ素樹脂フィルム111は薬効成分を吸収しにくいため、フッ素樹脂フィルム111からなる包装袋は実施形態1と同様に経皮吸収剤等を収納するのに適している。また、フッ素樹脂フィルム111は耐熱性が高くヒートシールできないが、レーザー溶着により十分に溶着させて包装袋とすることができる。
包装袋を形成する基材としてフッ素樹脂フィルム111が用いられる場合も、実施形態2や実施形態3のように実施することができる。
また、包装袋を形成する基材が複数の層からなり、袋内側の溶着層がフッ素樹脂フィルムとなっていても良い。例えば、実施形態1における溶着層14として、二軸延伸ポリエステルフィルムの代わりにフッ素樹脂フィルムが使用されても良い。
<実施例>
表2に示すように構成の異なる2種類の基材A及びBを準備し、それぞれの基材同士のレーザー溶着部の評価を行った。具体的には、まず、基材Aを2枚準備し、それぞれの溶着層が袋内側になるようにして重ね(つまり溶着層同士が接触するようにして重ね)、袋外側となる基材層側からレーザー溶着を行った。また、基材Bについても同様にしてレーザー溶着を行った。
次に、レーザー溶着部の断面を観察した。図8に示すように、基材A同士のレーザー溶着部では、2つの溶着層が溶融して一体化しているのに対し、基材層は熱の影響をほとんど受けていないことが確認できた。図示省略するが、基材B同士のレーザー溶着部でも、2つの溶着層が溶融して一体化しているのに対し、基材層及び中間層は熱の影響をほとんど受けていないことが確認できた。
また、レーザー溶着部の溶着強度を測定した。測定はJIS Z 1707に記載の方法で、引張速度300mm/分にて行った。測定結果は表2の通りで、基材A、基材Bともに十分な溶着強度で溶着されていることが確認できた。
10…包装袋、11…基材、12…基材層、13…中間層、14…溶着層、20…経皮吸収剤、21…シート、22…薬剤塗布層、23…剥離フィルム、30…チャックテープ、31…シート部、32…凸形状部、33…凹形状部33、110…包装袋入りの経皮吸収剤、111…フッ素樹脂フィルム、120…経皮吸収剤

Claims (10)

  1. 基材の溶着層同士が溶着され前記溶着層が内側となった包装袋において、
    前記溶着層が二軸延伸ポリエステルフィルム又はフッ素樹脂フィルムからなり、
    前記溶着層同士の溶着部がレーザー溶着部である包装袋。
  2. 前記基材が前記溶着層を含む複数の層を有する、請求項1に記載の包装袋。
  3. レーザー溶着されていない開口部を有し、その開口部がチャックテープにより開閉可能である、請求項1又は2に記載の包装袋。
  4. 前記レーザー溶着部に着色剤が混合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋。
  5. 前記溶着層に着色剤が混合されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋。
  6. 収納物が経皮吸収剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装袋。
  7. 請求項1〜5のいずれかの包装袋の前記溶着層に経皮吸収剤の薬剤塗布層が貼り付けられた、包装袋入りの経皮吸収剤。
  8. 基材の溶着層同士を溶着して前記溶着層が内側となった袋とする包装袋の製造方法において、
    前記溶着層を二軸延伸ポリエステルフィルム層又はフッ素樹脂フィルムとし、
    前記溶着をレーザー溶着により行う、包装袋の製造方法。
  9. 前記レーザー溶着の前に前記基材の溶着予定の部分に着色剤を塗布し、前記レーザー溶着のときに、前記着色剤が塗布された部分にレーザーを照射する、請求項8に記載の包装袋の製造方法。
  10. 前記溶着層の少なくとも一方に、着色剤が混合された二軸延伸ポリエステルフィルム層又はフッ素樹脂フィルムが使用される、請求項8に記載の包装袋の製造方法。
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