JP2020104512A - 伝動ベルトのマーク印刷方法及び伝動ベルトのマーク印刷システム - Google Patents

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【課題】伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる、伝動ベルトのマーク印刷方法及び伝動ベルトのマーク印刷システムを提供する。【解決手段】加硫工程S101は、複数のリング状の金型13が積層されて構成された金型ユニット11の外周側の溝14に複数の未加硫の環状の伝動ベルトC2が嵌め込まれた状態で複数の伝動ベルトCが加硫される。第1転写工程S104は、伝動ベルトCに対して印刷されるマークMが、インクが充填されたインク供給装置20から転写媒体としてのパッド31に転写される。第2転写工程S105は、第1転写工程S104においてマークMが転写されたパッド31が、加硫された状態で金型ユニット11に保持された伝動ベルトに押し付けられることで、マークMが伝動ベルトCに転写される。【選択図】図4

Description

本発明は、伝動ベルトに対してマークを印刷する方法である伝動ベルトのマーク印刷方法、及び伝動ベルトに対してマークを印刷する伝動ベルトのマーク印刷システムに関する。
従来より、動力を伝達するために用いられる環状の伝動ベルトには、製造会社名、製品ブランド名、製造ロット番号、製造年月日、生産国、及びロゴ等の製品に関する情報が表示される。これらを含む文字及び図柄等によって構成されるマークを伝動ベルトに表示する方法としては、例えば、フィルムで構成された基材にマークを印刷し、この基材を介してマークを伝動ベルトに転写することで、伝動ベルトにマークを表示する方法が用いられている。
尚、伝動ベルトにマークを表示するその他の方法として、伝動ベルトにインクを吹き付ける方法、インクが充填されたスタンプを伝動ベルトに押圧する方法、或いは、伝動ベルトの表面に凹凸を形成する刻印を設ける方法もある。しかし、伝動ベルトにインクを吹き付ける方法、インクが充填されたスタンプを伝動ベルトに押圧する方法、及び、伝動ベルトの表面に凹凸を形成する刻印を設ける方法は、作業者の負担が非常に大きく、作業時間も非常に多く必要となる。このため、多くの伝動ベルトに効率よくマークを表示するため、従来より、マークが印刷された基材を介してマークを伝動ベルトに転写する方法が用いられている。
例えば、特許文献1においては、基材として合成樹脂製の透明なフィルムを用い、この基材を介して転写することでマークを印刷する方法について開示されている。この方法においては、あらかじめ、フィルムで構成された基材にマークが印刷される。そして、伝動ベルトの製造工程において、未加硫状態のゴム材料で構成されたゴムベルトに対して、マークが印刷された基材が重ねられ、この状態でゴムベルトが加硫されることで、加硫時の熱溶着によってマークがゴムベルトに転写される。これにより、ゴムベルトが加硫されることで形成された伝動ベルトに対してマークが印刷されて表示される。
特開平5−42754号公報
フィルムで構成されてマークが印刷された基材を未加硫状態のゴムベルトに重ねる作業は、幅の狭いゴムベルトに対して人の手によって行われ、それぞれのゴムベルトに対して、所定の印刷領域に対応させて多数の基材を配置することで行われる。また、転写に使用された基材であるフィルムは、加硫後に人の手によって剥がされる。
上述のように、マークが印刷された基材を介してマークを伝動ベルトに転写する方法においては、基材としてのフィルムが、人の手によって、幅の狭いゴムベルトに多数配置されるため、多くの作業時間を要するという問題がある。また、基材であるフィルムを加硫後に人の手によって剥がす作業は手間がかかり、多くの作業時間を要するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる、伝動ベルトのマーク印刷方法及び伝動ベルトのマーク印刷システムを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するための本発明のある局面に係る伝動ベルトのマーク印刷方法は、複数のリング状の金型が積層されて構成された金型ユニットの外周側の溝に複数の未加硫の環状の伝動ベルトが嵌め込まれた状態で複数の前記伝動ベルトが加硫される加硫工程と、前記伝動ベルトに対して印刷されるマークが、インクが充填されたインク供給装置から転写媒体としてのパッドに転写される第1転写工程と、前記第1転写工程において前記マークが転写された前記パッドが、加硫された状態で前記金型ユニットに保持された前記伝動ベルトに押し付けられることで、前記マークが前記伝動ベルトに転写される第2転写工程と、を備えることを特徴とする。
上記の伝動ベルトのマーク印刷方法では、第1転写工程においてパッドに転写されたマークは、金型ユニットに保持された加硫後の伝動ベルトに対して転写される。つまり、上記構成によると、伝動ベルトへのマーク印刷において、フィルムで構成された基材にマークを印刷してその基材を未加硫状態のゴムベルトに重ね、更に、基材を重ねたゴムベルトを加硫することで加硫時の熱溶着によって伝動ベルトにマークを転写するという従来のプロセスが全て不要となる。このため、上記の構成によると、幅の狭いゴムベルトにマークが印刷された基材を多数配置するという作業時間を多く要する従来の作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、上記のように、加硫後の状態で金型ユニットに保持されたままの状態で伝動ベルトにマークを転写することができるため、作業時間を短縮することができる。尚、伝動ベルトにマークを転写する場合、伝動ベルトを金型から取り外して、転写が行われる場所に搬送し、搬送した伝動ベルトにマークの転写を行うことも考えられる。この場合、伝動ベルトを金型から取り外して転写が行われる場所まで搬送して整列させる作業が必要となる。しかしながら、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、伝動ベルトを取り外して転写が行われる場所に搬送して整列させる作業も必要ない。従って、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を更に短縮することができる。
また、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法では、第1転写工程においては、伝動ベルトに対して印刷されるマークを転写媒体としてのパッドに転写し、第2転写工程においては、第1転写工程においてパッドに転写されたマークを加硫された状態の伝動ベルトに転写する。即ち、マークを転写する転写媒体としてパッドを使用してマークを転写する。従って、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、従来のように基材を用いてマークを印刷する必要がなく、パッドを転写媒体として用いて、パッドに転写されたマークを伝動ベルトに押し付けるだけで、伝動ベルトにマークを印刷することができる。これにより、伝動ベルトへのマークの印刷を連続的に容易に行うことができ、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
また、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、伝動ベルトにフィルムで構成される基材を配置する必要がないため、伝動ベルトに基材を配置する際に配置方向或いは配置場所を間違えるという作業ミスが生じることもない。そして、そもそも基材が用いられることがないため、基材であるフィルムにしわ、折れ、歪み等があった場合の伝動ベルトにおけるマーク表示の不具合が発生してしまうこともない。
更に、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、基材であるフィルムが用いられないため、加硫後の伝動ベルトからフィルムを剥がすという作業時間も不要となり、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
従って、上記の構成によると、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる、伝動ベルトのマーク印刷方法を提供することができる。
(2)好ましくは、伝動ベルトのマーク印刷方法は、前記パッドによって前記マークが転写された前記伝動ベルトを冷却する冷却工程を更に備える。
上記の伝動ベルトのマーク印刷方法では、加硫工程、第1転写工程、及び第2転写工程に加え、更に冷却工程が、マークが転写された伝動ベルトに対して行われる。即ち、伝動ベルトにマークが転写される第2転写工程が、加硫された状態の伝動ベルトが冷却される前に行われる。このため、加硫後でまだ温度の高い状態の伝動ベルトにマークが転写されることで、マークの乾燥が促進されることになる。即ち、加硫時に伝動ベルトに加えられる熱を有効的に活用し、伝動ベルトに転写されたマークを短時間で乾燥することができる。更に、加硫後の伝動ベルトを冷却した後にマークを印刷する場合は、別途マークの乾燥工程が必要となるが、そのような工程も必要なくなる。
(3)好ましくは、伝動ベルトのマーク印刷方法は、前記パッドは、前記第1転写工程において前記インク供給装置から前記マークが転写されるとともに、前記金型ユニットの回転軸と平行に延びるパッド回転軸周りで回転自在に設けられた円柱状本体部を有し、前記第2転写工程において、前記金型ユニットに嵌め込まれた前記伝動ベルトに前記パッドを押し付けた状態で前記金型ユニットを回転させることで、前記伝動ベルトに前記マークが転写される。
上記の伝動ベルトのマーク印刷方法では、伝動ベルトの周回動作を金型ユニットの回転によって行うことができる。そして、金型ユニットの回転軸と平行に延びるパッド回転軸周りで回転自在に設けられた円柱状本体部が、この周回動作する伝動ベルトに対して押し付けられる。このため、金型ユニットを伝動ベルトとともに回転させながら、伝動ベルトの全周にマークを効率よく転写させることができる。これにより、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を更に短縮することができる。
(4)上記課題を解決するための本発明のある局面に係る伝動ベルトのマーク印刷システムは、複数の未加硫の伝動ベルトを加硫する加硫装置と、インクが充填されて前記伝動ベルトに印刷されるマークを形成するインク供給装置と、加硫された状態の前記伝動ベルトに前記マークを転写する転写装置とを備え、前記加硫装置は、リング状の金型が積層されることによって外周側において複数の未加硫の環状の伝動ベルトが嵌め込まれる溝が形成される金型ユニットを有し、インク供給装置は、充填された前記インクが保持されるインク保持部と、当該インク保持部から前記インクが供給されて前記マークを形成するマーク形成部と、を有し、前記転写装置は、前記マーク形成部に形成された前記マークが転写される転写媒体としてのパッドと、当該パッドを移動可能に保持し、加硫された状態で前記金型ユニットに保持された前記伝動ベルトに前記パッドに転写された前記マークを転写させるように、前記パッドを駆動するパッド駆動部と、を有する。
本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、パッドに転写されたマークは、金型ユニットに保持された加硫後の伝動ベルトに対して転写される。つまり、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムにおいては、フィルムで構成された基材を用いて伝動ベルトにマークを転写するという従来行っていたプロセスが全て不要となる。このため、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、幅の狭いゴムベルトにマークが印刷された基材を多数配置するという作業時間を多く要する従来の作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、加硫後の状態で金型ユニットに保持されたままの状態の伝動ベルトにマークを転写することができるため、作業時間を短縮することができる。尚、伝動ベルトにマークを転写する場合、伝動ベルトを金型から取り外して搬送し、搬送した伝動ベルトにマークの転写を行うことも考えられる。この場合、伝動ベルトを金型から取り外して転写が行われる場所まで搬送して整列させる作業が必要となる。しかしながら、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、伝動ベルトを取り外して転写が行われる場所に搬送して整列させる作業も必要ない。従って、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を更に短縮することができる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、パッドとパッドを駆動するパッド駆動部とによって、加硫された状態の伝動ベルトにマークが転写される。即ち、パッド駆動部の駆動力によってパッドが移動し、マーク形成部に形成されたマークがパッドに転写され、更に、加硫された状態で金型ユニットに保持された伝動ベルトにパッドに転写されたマークが転写される。このため、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、従来のように基材を用いてマークを印刷する必要がなく、パッドを転写媒体として用いてパッド駆動部で駆動し、パッドに転写されたマークを伝動ベルトに押し付けるだけで、伝動ベルトにマークを印刷することができる。これにより、伝動ベルトへのマークの印刷を連続的に容易に行うことができ、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
また、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、伝動ベルトにフィルムで構成される基材を配置する必要がないため、伝動ベルトに基材を配置する際に配置方向或いは配置場所を間違えるという作業ミスが生じることもない。そして、そもそも基材が用いられることがないため、基材であるフィルムにしわ、折れ、歪み等があった場合の伝動ベルトにおけるマーク表示の不具合が発生してしまうこともない。
更に、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、基材であるフィルムが用いられないため、加硫後の伝動ベルトからフィルムを剥がすという作業時間も不要となり、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
従って、上記の伝動ベルトのマーク印刷システムによると、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる。
本発明は、伝動ベルトへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる、伝動ベルトのマーク印刷方法及び伝動ベルトのマーク印刷システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷システムを正面側から視た図であって一部断面を含む図である。 図2に示すマーク印刷システムの主要部を正面側から視た図であって一部断面を含む図である。 図2に示すマーク印刷システムの主要部の平面図である。 図4に示すマーク印刷システムにおける金型ユニットを軸方向と垂直な方向から視た図である。 図5に示す金型ユニットの一部の断面を拡大して示す図である。 伝動ベルトのマーク印刷方法で用いられるインク供給装置のインク保持部及びマーク形成部について説明するための模式的な図である。 伝動ベルトのマーク印刷方法で用いられるインク除去装置について説明するための図である。 伝動ベルトのマーク印刷方法で用いられるマーク形成部について説明するための図である。 伝動ベルトのマーク印刷システムによるマーク印刷の動作を説明するための一例を示す図であって、転写媒体にマークが転写された状態を模式的に示す図である。 伝動ベルトのマーク印刷システムによるマーク印刷の動作を説明するための一例を示す図であって、金型支持装置に設置された金型ユニットを転写装置とともに模式的に示す図である。 伝動ベルトのマーク印刷システムによるマーク印刷の動作を説明するための一例を示す図であって、加硫後の伝動ベルトにマークが転写された状態を模式的に示す図である。 実施例において伝動ベルトにマークを印刷する印刷工程について説明する表である。 実施例で印刷を行った伝動ベルトにおけるマークの印刷状態について評価を行った項目と評価結果について一覧にして示す表である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。尚、本発明は、伝動ベルトに対してマークを印刷する方法である伝動ベルトのマーク印刷方法、及び伝動ベルトに対してマークを印刷する伝動ベルトのマーク印刷システムとして、種々の用途に広く適用することができるものである。
[マーク印刷方法の概略]
以下、本発明の実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷方法について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷方法(以下、単に、本実施形態のマーク印刷方法とも称する)の工程を示すフローチャートである。本発明の実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷方法は、伝動ベルトに対してマークを印刷する方法として構成される。
本実施形態のマーク印刷方法においてマークが印刷される対象となる伝動ベルトは、動力を伝達するための伝動ベルトであって、可撓性を有して無端状に設けられた環状の伝動ベルトとして構成される。マーク印刷対象の伝動ベルトとしては、動力伝達用の環状の伝動ベルトであればよく、例えば、Vベルト、Vリブドベルト、及び、平ベルト等の摩擦伝動ベルト等を例示することができる。また、マーク印刷対象の伝動ベルトは、ゴム成分が加硫された状態の伝動ベルトとして構成されており、例えば、加硫されたゴムと、心線又は芯体とを含んで構成されている。また、マーク印刷対象の伝動ベルトは、用途に応じて外被布を含んで構成されていてもよい。
また、伝動ベルトに対して印刷されるマークとしては、製品としての伝動ベルトに関する情報を表示する文字及び図柄等が印刷される。また、製品としての伝動ベルトに関する情報の項目としては、例えば、製造会社名、製品ブランド名、ロゴ、生産国、製造ロット番号、製造年月日、ベルトサイズ等が例示される。
図1に示す本実施形態のマーク印刷方法は、加硫工程S101と、インク供給工程S102と、転写工程S103と、を備えて構成されている。また、転写工程S103は、第1転写工程S104と、第2転写工程S105と、インク除去工程S106と、を備えて構成されている。
図2は、本発明の実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷システム(以下、単に、本実施形態のマーク印刷方法システムとも称する)100を正面側から視た図であって一部断面を含む図である。図3は、図2に示すマーク印刷システム100の主要部を正面側から視た図であって一部断面を含む図である。図4は、図2に示すマーク印刷システムの主要部の平面図である。また、本実施形態のマーク印刷方法は、図2に示すマーク印刷システム100によって実行される。
図2乃至図4に示すマーク印刷システム100によって、本実施形態のマーク印刷方法における加硫工程S101、インク供給工程S102、転写工程S103が、実行され、転写工程S103において、第1転写工程S104、第2転写工程S105、インク除去工程S106が、実行される。尚、図3では、加硫装置10の加硫缶12についての記載を省略している。
本実施形態のマーク印刷方法では、マーク印刷システム100によって本実施形態のマーク印刷方法が実行される形態を例にとって説明するが、この通りでなくてもよく、マーク印刷システム100が用いられず、作業者の作業に基づいて、本実施形態のマーク印刷方法が実行されてもよい。この場合、作業者による作業に基づいて、加硫工程S101、インク供給工程S102、及び転写工程S103が実行され、転写工程S103において、第1転写工程S104、第2転写工程S105、及びインク除去工程S106が実行される。
また、以下の説明においては、まず、マーク印刷システム100を説明し、次いで、マーク印刷システム100が作動することで実行される本実施形態のマーク印刷方法の各工程の詳細について説明する。
[マーク印刷システムの概略]
マーク印刷システム100は、ベルトサイズ等を含んで構成される所定のマークMを印刷対象である伝動ベルトCに対して転写媒体としてのパッド31を用いて印刷するシステムとして構成されている。マーク印刷システム100は、加硫装置10と、金型支持装置50と、インク供給装置20と、転写装置30と、インク除去装置40と、制御装置60と、を備えている。
[加硫装置]
図5は、図4に示すマーク印刷システム100における金型ユニットを軸方向と垂直な方向から視た図である。図6は、図5に示す金型ユニットの一部の断面を拡大して示す図である。加硫装置10は、複数の未加硫の伝動ベルトC2を加硫するための装置である。尚、以下において、伝動ベルトCについては、加硫された状態と未加硫の状態とがあり、加硫された状態の伝動ベルトCについては、加硫後の伝動ベルトC1とも称する。また、未加硫の状態の伝動ベルトCについては、未加硫ゴムの成形体として構成されており、未加硫ゴム成形体C2とも称する。加硫装置10は、金型ユニット11と、加硫缶12と、を有する。
金型ユニット11は、円盤状或いは円筒状に形成されるリング状の金型(以下において、リングモールドとも称する)13が積層されて構成される。金型ユニット11は、積層されることで略円筒状に形成される。また、金型ユニット11の外周側には、複数の未加硫の環状の伝動ベルトC2が嵌め込まれる溝14が形成されている。
リングモールド13は、未加硫ゴム成形体C2を加硫するための金型であって、複数積層された状態で使用される。即ち、リングモールド13は、それぞれ軸方向に重ね合わされることで金型ユニット11を構成する。軸方向に重ねられて隣り合うリングモールド13の間であってそれらの外周側において、金型ユニット11の外周に沿って延びる溝14が形成される。よって、金型ユニット11には、溝14が複数設けられている。
金型ユニット11に形成された複数の溝14のそれぞれは、金型ユニット11の周方向に対して垂直な断面において、開口側が幅広となる台形状に形成されている。そして、金型ユニット11に保持された複数の未加硫ゴム成形体C2は、互いに所定のピッチで並列に並べられる。金型ユニット11には、一つのリングモールド13に対して一つの未加硫ゴム成形体C2が装着できるように、それぞれ溝14が形成されている。即ち、金型ユニット11は、未加硫ゴム成形体C2が、リングモールド13同士が積層されるに際して個々のリングモールド13間に配置され積層されるように構成されている。尚、図5及び図6では、リングモールド13に伝動ベルトCが嵌め込まれていない状態で模式的に示している。
[金型支持装置]
金型支持装置50は、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1を回転させるための機構として設けられている。金型支持装置50は、一対の支持台51、51と、回転軸52と、駆動モータ53と、を有する。
一対の支持台51、51は、金型ユニット11を、回転軸52を介して回転自在に支持するように構成されている。本実施の形態における一対の支持台51、51の一方には、駆動モータ53が設けられている。即ち、一対の支持台51、51のうちの一方側の支持台51は、駆動側支持台54として構成されており、金型ユニット11に回転力を付与する駆動モータ53を備える。そして、他方側の支持台51は、金型ユニット11を回転自在に支持する従動側支持台55として構成されている。
回転軸52は、加硫後の伝動ベルトC1を保持する金型ユニット11とともに一対の支持台51、51に設置される。回転軸52は、水平になるように設置されている。即ち、金型ユニット11の回転軸15は、後述する一対のガイド部35、35の間に架け渡すように設けられたパッド31の回転軸に対して平行に設置されている。
金型支持装置50は、制御装置60からの制御指令に基づいて、転写装置30のパッド31の動きに連動して、駆動モータ53が回転するように制御される。
[インク供給装置]
図2乃至図4を参照して、インク供給装置20は、インクが充填され加硫後の伝動ベルトC1に印刷するマークを形成するための装置である。インク供給装置20は、インク保持部21と、マーク形成部22と、を有する。
図7は、伝動ベルトのマーク印刷方法で用いられるインク供給装置20のインク保持部21及びマーク形成部22について説明するための模式的な図である。インク保持部21は、伝動ベルトCに対して印刷されるマークMを形成するマーク形成部22にインクを供給する部分として構成されている。インク保持部21は、スポンジユニット21aと、押圧部21bと、を備えて構成されている。スポンジユニット21aは、マーク形成部22に供給するためのインクを保持している。スポンジユニット21aでは、図示が省略されたインクタンクから、図示が省略されたインク供給経路を通ってインクが吸収される。スポンジユニット21aは、押圧部21bによって押圧されると、吸収されたインクがスポンジユニット21aからマーク形成部22に染み出すように構成されている。即ち、押圧部21bは、インクを保持するスポンジユニット21aを下方から押圧して、マーク形成部22に所定量のインクを供給する。尚、インク供給装置20は、複数同時に使用されるものであってもよく、この場合、各インク供給装置20において同色又は異なる色のインクが使用されてもよい。インク保持部21では、制御装置60からの制御指令に基づいて、押圧部21bによってインクがマーク形成部22に供給される。
マーク形成部22には、パッド31を介して加硫後の伝動ベルトC1に印刷するためのマークMが形成される。マーク形成部22は、無数の孔を有する合成樹脂材料で構成されている。マーク形成部22には、図7において実線の矢印で示す方向に押圧部21bが押圧されることで、インクが保持されたスポンジユニット21aから染み出したインクが、毛細管現象によって破線の矢印で示す方向に供給される。インク供給装置20では、制御装置60からの制御指令に基づいて、転写装置30のパッド31の動きに連動してマーク形成部22にマークMが形成される。
[転写装置]
図2乃至図4を参照して、転写装置30は、マーク形成部22に形成されたマークMを金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に転写する装置として構成されている。転写装置30は、パッド31と、パッド駆動部32と、を有する。転写装置30は、加硫装置10とインク供給装置20とに隣接して配置されている。尚、パッド駆動部32は、図2において、一部の図示を省略する形で示されている。
パッド31は、転写工程S103の第1転写工程S104において、転写媒体として、マーク形成部22に形成されたマークMが転写される部分である。また、パッド31は、転写工程S103の第2転写工程S105において、加硫後の伝動ベルトC1に押し付けられる部分であり、加硫後の伝動ベルトC1にマークMを印刷する部分である。パッド31は、シリコン材料によって円柱状に形成されている。パッド31は、少なくとも一部において円柱状に形成される円柱状本体部33を有している。
円柱状本体部33は、転写工程S103の第1転写工程S104においてインク供給装置20のマーク形成部22に押し付けられながら回転することで、マークMが転写される。また、転写工程S103の第2転写工程S105において、円柱状本体部33は、加硫後の伝動ベルトC1に押し付けられるとともに、この伝動ベルトCの周回移動とともに回転しながら、伝動ベルトCにマークMを転写する。
図2乃至図4を参照して、パッド31は、パッド回転軸34を有しており、パッド駆動部32に対して回転自在に支持されている。パッド回転軸34は、水平方向になるように設置されている。即ち、円柱状本体部33は、金型ユニット11の回転軸と平行に延びるとともに回転自在に設けられる。また、パッド31は、インク供給装置20のマーク形成部22と金型ユニット11に保持された伝動ベルトCとの間においてパッド駆動部32によって移動可能に設けられている。
パッド駆動部32は、パッド31を水平方向及び上下方向に移動させるための部分である。パッド駆動部32は、パッド31を移動可能に保持し、パッド31に転写されたマークMを金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に転写させる。パッド駆動部32は、パッド31のパッド回転軸34の両端において設けられている。パッド駆動部32は、パッド31を移動させるための駆動機構(図示省略)と、パッド31の駆動を案内するガイド部35と、を有している。駆動機構は、例えば、シリンダユニット、リニアモータ機構、ボールネジ機構を用いて構成されており、パッド31を上下方向及び水平方向に駆動する。また、パッド31は、パッド回転軸34周りで回転自在にガイド部35に支持されている。転写装置30は、制御装置60からの制御指令に基づいて、駆動機構によってパッド31を駆動させる。
[インク除去装置]
図8は、伝動ベルトのマーク印刷方法で用いられるインク除去装置40について説明するための図である。本実施形態に係る伝動ベルトのマーク印刷方法に用いられるインク除去装置40は、加硫後の伝動ベルトC1に転写されるマークMを別のマークMに切り替える際等に、パッド31に含浸されているインクを吸収して除去する装置として構成されている。インク除去装置40は、インク除去シート41と、インク除去台42と、インク除去シート供給機構43と、を備えて構成されている。
インク除去シート41は、インクを吸収して保持するシート材料として構成され、例えば、含浸紙として構成されている。加硫後の伝動ベルトC1に転写されるマークMが切り替えられる際、含浸紙で構成されたインク除去シート41にパッド31が回転しながら押し付けられることで、パッド31に含浸されているインクがインク除去シート41に吸収されてパッド31から除去される。インク除去シート41にパッド31のインクを吸収させる際には、インク除去シート41上でパッド31を押し付けた状態で回転させてインクを吸収させる。また、インク除去シート41にインクを吸収させる別の方法として、インク除去シート41をインク除去台42上に保持した状態でインク除去シート41上に沿ってパッド31を移動させながら回転させてもよい。
インク除去台42は、インク除去シート41を平らな状態で載置できるよう上側の面が平面状に形成され、インク除去シート41を平らな状態で支持するように構成されている。このため、インク除去台42に載置されたインク除去シート41に対してパッド31を押し付けながら回転する際には、パッド31がインク除去シート41に確実に密着した状態で、押し付けられる。尚、インク除去台42に載置されたインク除去シート41に対してパッド31を押し付けながら回転する動作は、転写装置30のパッド駆動部32がパッド31を駆動することによって行われる。
インク除去シート供給機構43は、例えば、ロール状に巻かれたインク除去シート41を保持し、インク除去シート41を払い出してインク除去台42上にインク除去シート41を供給するとともに、インクを吸収したインク除去シート41を巻き取る機構として構成されている。インク除去シート供給機構43は、制御装置60からの制御指令に基づいて作動し、インク除去台42上でインク除去シート41にパッド31が押し付けられた状態でインク除去シート41を供給するとともに巻き取る。これにより、インク除去台42に載置されるインク除去シート41は、パッド31のインクを吸収できる状態に維持される。尚、本実施形態においては、インク除去シート供給機構43を備えるインク除去装置40について例示したが、これを有するものに限定されない。例えば、単に、インク除去シート41がインク除去台42に載置されたものであってもよい。
[制御装置]
図2乃至図4を参照して、制御装置60は、マーク印刷システム100において、加硫装置10、金型支持装置50、インク供給装置20、転写装置30、及びインク除去装置40の作動を制御する装置として設けられている。前述の通り、加硫装置10、金型支持装置50、インク供給装置20、転写装置30、及びインク除去装置40は、制御装置60からの制御指令に基づいて作動する。
制御装置60は、CPU等のプロセッサ、メモリ、ユーザによって操作される操作パネル又は操作盤等の操作部、インターフェース回路、等を備えて構成されている。制御装置60のメモリには、加硫装置10、金型支持装置50、インク供給装置20、転写装置30、及びインク除去装置40の作動を制御する制御指令を作成するためのプログラムが記憶されている。ユーザによって操作部が操作されることで、メモリから上記のプログラムがプロセッサによって読み出されて実行される。これにより、上記の制御指令が作成され、その制御指令に基づいて、加硫装置10、金型支持装置50、インク供給装置20、転写装置30、及びインク除去装置40が作動する。
[マーク印刷方法の各工程]
本実施形態のマーク印刷方法は、上述したマーク印刷システム100が作動することによって、実行される。即ち、マーク印刷システム100によって、本実施形態のマーク印刷方法における加硫工程S101、インク供給工程S102、転写工程S103が実行され、転写工程S103において、第1転写工程S104、第2転写工程S105、インク除去工程S106が実行される。以下、マーク印刷システム100の作動によって実行される本実施形態のマーク印刷方法の各工程について更に詳しく説明する。
[加硫工程]
加硫工程S101は、外周に溝14が設けられた金型ユニット11に未加硫ゴム成形体C2を嵌め込んだ状態で加硫を行い、伝動ベルトCを生成する工程として構成されている。
加硫工程S101においては、金型ユニット11の外周に設けられた複数の溝14のそれぞれに未加硫ゴム成形体C2が嵌め込まれる。また、環状に設けられた未加硫ゴム成形体C2は、金型ユニット11の外周に沿って延びる各溝14に対して全周に亘って嵌め込まれ、金型ユニット11の外周に沿って装着される。具体的には、リングモールド13が積層される際に、一つのリングモールド13に対して一つの未加硫ゴム成形体C2が溝14に嵌め込まれ、これが繰り返されることによって、金型ユニット11に複数の未加硫ゴム成形体C2が装着される。
金型ユニット11の外周の複数の溝14に未加硫ゴム成形体C2がそれぞれ嵌め込まれると、複数の未加硫ゴム成形体C2が嵌め込まれた金型ユニット11の周囲に、円筒状のゴムスリーブ(図示省略)がさらに装着される。加硫工程S101においては、上記のように金型ユニット11及び未加硫ゴム成形体C2の外周面に円筒状のゴムスリーブが装着された状態で、それらが加硫缶12に収納され、所定の温度等の条件で加硫が行われる。
[インク供給工程]
加硫工程S101が実行された後、加硫後の伝動ベルトC1にマークMを印刷するため、マーク形成部22にマークMを形成するインク供給工程S102が行われる。インク供給工程S102は、伝動ベルトCに対して転写されるマークMを形成するマーク形成部22にインクを充填して供給する工程として構成されている。インク供給工程S102は、制御装置60からの制御指令に基づいて、インク供給装置20においてマーク形成部22にインクが供給されることで、実行される。
図9は、伝動ベルトのマーク印刷方法で用いられるマーク形成部22について説明するための図である。インク供給工程S102においては、制御装置60の指令に基づいて押圧部21bが、インクを保持するスポンジユニット21aを押圧してマーク形成部22にインクを供給する。そして、マークMが形成される領域を有するマーク形成部22にインクが供給されると、複数のマークMが形成される。尚、図9では、マーク形成部22において形成される複数のマークMのそれぞれの範囲を二点鎖線で示すとともに、マークMがそれぞれ形成される領域Sの範囲を破線で示している。
図9に示すように、マーク形成部22は、マークMが形成される領域Sを有している。マーク形成部22における領域Sには、複数の伝動ベルトCに対して転写される複数のマークMとしての複数のマークM1が形成される。
図9では、領域Sに形成されるマークM1が、例えば、製造会社名、及び製品ブランド名を表示するマークMとして表示される。そして、マークM1においては、いずれも同じ図柄及び文字で構成された、製造会社名(3つの星の図柄で構成された部分)及び製品ブランド名(「B−60」の文字で構成された部分)が表示されている。また、領域Sに形成されるマークM2においては生産国が表示されている。
マーク形成部22は、図9に示すように、領域Sにおいて複数のマークM1、M2が形成されるように、構成されている。尚、図9においては、領域Sにおいて形成されるマークM1、M2の一部について示している。
[転写工程]
転写工程S103は、マークMがパッド31によって加硫後の伝動ベルトC1に転写される工程である。転写工程S103は、第1転写工程S104、第2転写工程S105、インク除去工程S106を含んで構成されている。第1転写工程S104、第2転写工程S105、及びインク除去工程S106は、制御装置60からの制御指令に基づいて、加硫装置10、転写装置30、及びインク除去装置40が作動することで、実行される。
図10は、伝動ベルトのマーク印刷システム100によるマーク印刷の動作を説明するための一例を示す図であって、転写媒体にマークMが転写された状態を模式的に示す図である。第1転写工程S104は、加硫後の伝動ベルトC1に対して印刷されるマークMが、インクが充填されたインク供給装置20から転写媒体としてのパッド31に転写される工程である。具体的には、第1転写工程S104は、転写装置30の駆動機構の駆動によって、インクが充填されたマーク形成部22上にパッド31が押し付けられるとともに回転するようにマーク形成部22上を移動されることで行われる。第1転写工程S104においては、パッド31がマーク形成部22に押し付けられながら回転する際に、パッド31に複数のマークMが転写される。尚、伝動ベルトのマーク印刷システム100においてインク供給装置20が複数同時に使用される場合は、第1転写工程S104において、複数のマーク形成部22のうちいずれかのマーク形成部22に対して、パッド31が押し付けられる。
第1転写工程S104において、マーク形成部22にパッド31が押し付けられる際には、まず、マーク形成部22における一部の領域にパッド31における円柱状本体部33の周面の一部が押し付けられる。そして、パッド駆動部32によって水平方向にパッド31が移動するように駆動される。このとき、パッド31は、マーク形成部22に押し付けられたまま回転するとともに、マーク形成部22の領域S上を移動することでマークMがパッド31に転写される。即ち、第1転写工程S104においては、マーク形成部22に形成された各マークM1、M2が、パッド31による一回の回転移動する動作で転写される。
パッド31にマークMが転写されると、次に、パッド31は、インク供給装置20から加硫装置10まで移動される。インク供給装置20から加硫装置10までのパッド31の移動は、パッド駆動部32に設けられた駆動機構によって行われる。第1転写工程S104が実行されマークMが転写されたパッド31は、先ず、インク供給装置20から離間するように上方に移動して金型ユニット11に保持された伝動ベルトCの上方へと移動する。そして、パッド31は、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に向かって下降する。これにより、パッド31の円柱状本体部33が、金型ユニット11に保持された状態の複数の加硫後の伝動ベルトC1の外周側の面に押し付けられる。
図11は、伝動ベルトのマーク印刷システム100によるマーク印刷の動作を説明するための一例を示す図であって、金型支持装置に保持された金型ユニットを転写装置30とともに模式的に示す図である。図12は、伝動ベルトのマーク印刷システム100によるマーク印刷の動作を説明するための一例を示す図であって、加硫後の伝動ベルトC1にマークMが転写された状態を模式的に示す図である。第2転写工程S105は、第1転写工程S104に続いて行われる。第2転写工程S105は、第1転写工程S104においてマークMが転写されたパッド31が、加硫された状態で金型ユニット11に保持された伝動ベルトCに押し付けられることで、マークMが伝動ベルトCに転写される工程である。具体的には、第2転写工程S105は、転写装置30において、パッド駆動部32が、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に転写媒体としてのパッド31を押し付けるように駆動させることで、実行される。
第2転写工程S105において、パッド31の円柱状本体部33は、伝動ベルトCが嵌め込まれた金型ユニット11の上方に配置された後、伝動ベルトCに押し付けられる。そして、金型ユニット11は、円柱状本体部33が押し付けられた状態のまま駆動モータ16によって回転駆動される。この際、第1転写工程S104においてパッド31に転写された複数のマークMが金型ユニット11に保持された伝動ベルトC1に転写される。尚、第2転写工程S105では、制御装置60からの制御指令に基づいて金型支持装置50、及び転写装置30が作動することで実行される。
例えば、第2転写工程S105において、金型ユニット11に保持された伝動ベルトCに、パッド31が押し付けられる際には、まず、パッド31が金型ユニット11の上方において、金型ユニット11の回転軸がパッド回転軸34と平行になるように配置される。そして、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1の外周側の一部の領域にパッド31が押し付けられる。この際、加硫後の伝動ベルトC1が金型ユニット11とともに周回移動されパッド31によってマークMが転写される。転写工程S103で加硫後の伝動ベルトC1に印刷されたマークMは、加硫工程S101において加えられた熱によって乾燥が促進されるため、別途の乾燥工程を経ることなく早期に自然乾燥される。
[インク除去工程]
インク除去工程S106は、パッド31からマークMを除去する工程であり、未加硫ゴム成形体C2に転写されるマークMが切り替えられる際等に、パッド31に含浸されているインクを吸収して除去する工程として構成されている。そして、インク除去工程S106は、制御装置60からの制御指令に基づいて転写装置30及びインク除去装置40が作動することで、実行される。
インク除去工程S106においては、まず、インク除去装置40において、インク除去シート41におけるインクが吸収されていない部分がインク除去台42上に供給された状態となる。その状態で、転写装置30のパッド31が、インク除去台42に載置されたインク除去シート41に対して押し付けられる。次に、パッド31がインク除去シート41に押し付けられた状態のまま、インク除去シート供給機構43が作動し、インク除去シートをインク除去台42上に供給するとともに巻き取る。このとき、インク除去装置40では、インク除去シート41におけるインクが吸収されていない部分がインク除去台42上に供給されるとともに、インク除去シート50におけるインクを吸収した部分がインク除去シート供給機構43に巻き取られる。一方、インク除去シート41に押し付けられたパッド31は、回転するとともにインク除去シート41にインクが吸収される。
上記のように、転写工程S103においては、第1転写工程S104及び第2転写工程S105と、インク除去工程S106とが、適宜繰り返されることで、加硫後の伝動ベルトC1に複数の種類のマークMが印刷される。
[冷却工程]
冷却工程S107は、第2転写工程S106においてマークMが転写された加硫後の伝動ベルトC1を冷却する工程である。冷却工程S107では、加硫後の伝動ベルトC1が転写されたマークMとともに冷却される。
第1転写工程S104、第2転写工程S105、及びインク除去工程S106が行われ、転写工程S103が終了すると、伝動ベルトCへのマークMの印刷が終了し、本実施形態のマーク印刷方法が終了することになる。
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、第1転写工程S104においてパッド31に転写されたマークMは、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に対して転写される。つまり、上記構成によると、伝動ベルトCへのマーク印刷において、フィルムで構成された基材にマークMを印刷してその基材を未加硫状態のゴムベルトに重ね、更に、基材を重ねたゴムベルトを加硫することで加硫時の熱溶着によって伝動ベルトCにマークMを転写するという従来のプロセスが全て不要となる。このため、上記の構成によると、幅の狭いゴムベルトにマークMが印刷された基材を多数配置するという作業時間を多く要する従来の作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、上記のように、加硫後の状態で金型ユニット11に保持されたままの状態で伝動ベルトCにマークMを転写することができるため、作業時間を短縮することができる。尚、伝動ベルトCにマークMを転写する場合、伝動ベルトCを金型から取り外して、転写が行われる場所に搬送し、搬送した伝動ベルトCにマークMの転写を行うことも考えられる。この場合、伝動ベルトCを金型から取り外して転写が行われる場所まで搬送して整列させる作業が必要となる。しかしながら、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、伝動ベルトCを取り外して転写が行われる場所に搬送して整列させる作業も必要ない。従って、伝動ベルトCへのマーク印刷の際の作業時間を更に短縮することができる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、第1転写工程S104においては、伝動ベルトCに対して印刷されるマークMを転写媒体としてのパッド31に転写し、第2転写工程S105においては、第1転写工程S104においてパッド31に転写されたマークMを加硫された状態の伝動ベルトCに転写する。即ち、マークMを転写する転写媒体としてパッド31を使用してマークMを転写する。従って、上記の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、従来のように基材を用いてマークMを印刷する必要がなく、パッド31を転写媒体として用いて、パッド31に転写されたマークMを伝動ベルトCに押し付けるだけで、伝動ベルトCにマークMを印刷することができる。これにより、伝動ベルトCへのマークMの印刷を連続的に容易に行うことができ、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、伝動ベルトCにフィルムで構成される基材を配置する必要がないため、伝動ベルトCに基材を配置する際に配置方向或いは配置場所を間違えるという作業ミスが生じることもない。そして、そもそも基材が用いられることがないため、基材であるフィルムにしわ、折れ、歪み等があった場合の伝動ベルトCにおけるマーク表示の不具合が発生してしまうこともない。
更に、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、基材であるフィルムが用いられないため、加硫後の伝動ベルトC1からフィルムを剥がすという作業時間も不要となり、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
従って、本実施形態によると、伝動ベルトCへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる、伝動ベルトのマーク印刷方法を提供することができる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、加硫工程S101、第1転写工程S104、及び第2転写工程S105に加え、更に冷却工程S107が、マークMが転写された伝動ベルトCに対して行われる。即ち、伝動ベルトCにマークMが転写される第2転写工程S105が、加硫された状態の伝動ベルトC1が冷却される前に行われる。このため、加硫後でまだ温度の高い状態の伝動ベルトCにマークMが転写されることで、マークMの乾燥が促進されることになる。即ち、加硫時に伝動ベルトCに加えられる熱を有効的に活用し、伝動ベルトCに転写されたマークMを短時間で乾燥することができる。更に、加硫後の伝動ベルトCを冷却した後にマークMを印刷する場合は、別途マークMの乾燥工程が必要となるが、そのような工程も必要なくなる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷方法によると、伝動ベルトCの周回動作を金型ユニット11の回転によって行うことができる。そして、金型ユニット11の回転軸と平行に延びるパッド回転軸34周りで回転自在に設けられた円柱状本体部33が、この周回動作する伝動ベルトCに対して押し付けられる。このため、金型ユニット11を伝動ベルトCとともに回転させながら、伝動ベルトCの全周にマークMを効率よく転写させることができる。これにより、伝動ベルトCへのマーク印刷の際の作業時間を更に短縮することができる。
本実施形態の伝動ベルトCのマーク印刷システム100によると、パッド31に転写されたマークMは、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に対して転写される。つまり、上記の伝動ベルトのマーク印刷システム100においては、フィルムで構成された基材を用いて伝動ベルトCにマークMを転写するという従来行っていたプロセスが全て不要となる。このため、上記の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、幅の狭いゴムベルトにマークMが印刷された基材を多数配置するという作業時間を多く要する従来の作業が不要となり、作業時間を短縮することができる。また、加硫後の状態で金型ユニット11に保持されたままの状態の伝動ベルトCにマークMを転写することができるため、作業時間を短縮することができる。尚、伝動ベルトCにマークMを転写する場合、伝動ベルトCを金型から取り外して搬送し、搬送した伝動ベルトCにマークMの転写を行うことも考えられる。この場合、伝動ベルトCを金型から取り外して転写が行われる場所まで搬送して整列させる作業が必要となる。しかしながら、上記の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、伝動ベルトCを取り外して転写が行われる場所に搬送して整列させる作業も必要ない。従って、伝動ベルトCへのマーク印刷の際の作業時間を更に短縮することができる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、パッド31とパッド31を駆動するパッド駆動部32とによって、加硫された状態の伝動ベルトC1にマークMが転写される。即ち、パッド駆動部32の駆動力によってパッド31が移動し、マーク形成部22に形成されたマークMがパッド31に転写され、更に、加硫された状態で金型ユニット11に保持された伝動ベルトCにパッド31に転写されたマークMが転写される。このため、上記の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、従来のように基材を用いてマークMを印刷する必要がなく、パッド31を転写媒体として用いてパッド駆動部32で駆動し、パッド31に転写されたマークMを伝動ベルトCに押し付けるだけで、伝動ベルトCにマークMを印刷することができる。これにより、伝動ベルトCへのマークMの印刷を連続的に容易に行うことができ、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
また、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、伝動ベルトCにフィルムで構成される基材を配置する必要がないため、伝動ベルトCに基材を配置する際に配置方向或いは配置場所を間違えるという作業ミスが生じることもない。そして、そもそも基材が用いられることがないため、基材であるフィルムにしわ、折れ、歪み等があった場合の伝動ベルトCにおけるマーク表示の不具合が発生してしまうこともない。
更に、本実施形態の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、基材であるフィルムが用いられないため、加硫後の伝動ベルトC1からフィルムを剥がすという作業時間も不要となり、印刷の際の作業時間を短縮することができる。
従って、上記の伝動ベルトのマーク印刷システム100によると、伝動ベルトCへのマーク印刷の際の作業時間を短縮することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のような変形例が実施されてもよい。
(1)前述の実施形態では、金型ユニット11は、その回転軸が、一対のガイド部35、35の間に架け渡すように設けられたパッド31の回転軸に対して平行な方向に設置される場合を例として説明しているが、この通りでなくてもよい。例えば、金型ユニット11は、その回転軸が、鉛直方向に設置されるものであってもよい。尚、この場合、金型ユニット11に保持された加硫後の伝動ベルトC1に対してマークMを転写するパッド31についても、鉛直方向、即ち金型ユニット11の回転軸と平行な方向に設置される。また、このとき、金型支持装置50は、金型ユニット11を鉛直方向に保持した状態で回転自在に支持する。
(2)また、前述の実施形態では、冷却工程S107において、マークMが転写された加硫後の伝動ベルトC1を自然乾燥によって冷却を行うものとしたが、この通りでなくてもよい。例えば、冷却工程S107は、パッド31によってマークMが転写された加硫後の伝動ベルトC1に冷却媒体を吹き付ける冷却装置70によって行われてもよい。尚、マークMが転写された加硫後の伝動ベルトC1を冷却する冷却媒体としては、例えば、空気或いは水等であってもよい。
(3)また、前述の実施形態では、加硫装置10とは別の場所に金型支持装置50が設けられるものであったが、この通りでなくてもよい。例えば、加硫缶12の中に金型支持装置50が組み込まれるように構成されているものであってもよい。
[実施例]
以下、上述した本発明の実施形態に係るマーク印刷システム100によって、加硫後の伝動ベルトC1にマークQを印刷した実施例について説明する。また、実施例においては、印刷が行われた伝動ベルトC1について、印刷の仕上がり状態についての評価を行った。
図13は、実施例において伝動ベルトC1にマークQを印刷する転写工程S103について説明する表である。伝動ベルトC1へのマークQの印刷の仕上がり状態に関する評価では、JIS規格で定められている種類のうちのB形のラップドVベルトを印刷対象として用いた。具体的には、印刷対象として長さ3048.0mm、厚み11.0mm、奥行き16.5mmの寸法の伝動ベルトC1を用いた。尚、伝動ベルトC1の長さは、環状の伝動ベルトC1の周方向の長さである。伝動ベルトC1の厚み寸法は、伝動ベルトC1の内周側から外周側、及び、外周側から内周側に向かう方向の寸法である。伝動ベルトC1の奥行き寸法は、金型ユニット11に保持された状態における環状の伝動ベルトC1の軸方向に平行な方向の寸法である。
実施例に係る伝動ベルトC1の作製においては、伝動ベルトC1に対して印刷されるマークとして、例えば、製品ブランド名、生産国、仕様、製品規格等を含む6種類の製品に関する情報を表示するマークQ(Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6)を使用した。尚、各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の色として、白色又は赤色を使用したが、6種類の各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6全て同じ色を使用してもよいし、6種類全て異なる色を使用してもよい。
実施例に係る伝動ベルトC1の作製においては、加硫された状態で、金型ユニット11に保持された状態の15個の伝動ベルトC1に対して印刷を行った後に、次に加硫された別の15個の印刷されていない伝動ベルトC1に対して印刷を行う手順で合計8回繰り返して印刷を行った。つまり、全てのマークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の転写を行った伝動ベルトC1の全体数は120個である。尚、伝動ベルトC1への各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の印刷は、マークQ1、Q2、Q3の転写動作とマークQ4、Q5、Q6の転写動作とに分けて行ったパッド31による二回の転写動作で15個の伝動ベルトC1に対して行った。
また、実施例に係る伝動ベルトC1の作製は、第1転写工程S104、第2転写工程S105、及びインク除去工程S106を組み合わせた転写工程S103で行った。尚、転写工程S103に先立っては、各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6のパッド31への転写の状態を確認するため、試し刷りを行った。試し刷りは、インク供給装置20のマーク形成部22に形成された各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6をパッド31に転写した後、パッド31に転写された各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6をインク除去シート41に押し付けることによって行った。インク除去シート41に押し付けられて転写された各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6については、目視によって印刷状態を確認した。以下、具体的な転写工程S103について説明する。
図13の上段は、例えば、6つのマークQ1〜Q6のうちの3つのマークQ1、Q2、Q3を伝動ベルトC1に印刷する転写工程S103について示している。印刷マークQ1は、伝動ベルトC1の製品ブランド名を表示する白色のマークであり、印刷マークQ2は、伝動ベルトC1の仕様を表示する白色のマークであり、印刷マークQ3は、伝動ベルトC1の製品規格を表示する白色のマークである。マークQ1、Q2、Q3の転写工程S103では、第1転写工程S104として、インク供給装置20のマーク形成部22に形成されたマークQ1、Q2、Q3をパッド31に転写した後、第2転写工程S105として、パッド31に転写されたマークQ1、Q2、Q3を、金型ユニット11に保持された状態の複数の伝動ベルトC1に転写した。第2転写工程S105に際しては、一回の転写の動作ごとに15個の伝動ベルトC1に対して、マークQ1、Q2、Q3の転写を行った。尚、第2転写工程S105においてマークQ1、Q2、Q3を伝動ベルトC1に転写した後は、パッド31をインク除去シート41に押し付けてインク除去工程S106を行った。
図13の下段は、例えば、6つのマークQ1〜Q6のうちの残余の3つのマークQ4、Q5、Q6を伝動ベルトC1に印刷する転写工程S103について示している。印刷マークQ4は、伝動ベルトC1としての製品に関する情報を表示する赤色の英文字のマークであり、印刷マークQ5は、伝動ベルトC1の生産国を表示する赤色のマークであり、印刷マークQ6は、伝動ベルトC1としての製品に関する情報を表示する赤色の数字のマークである。マークQ4、Q5、Q6の転写工程S103では、マークQ1、Q2、Q3と同様に、第1転写工程S104として、マーク形成部22に形成されたマークQ4、Q5、Q6をパッド31に転写した後、第2転写工程S105として、パッド31に転写されたマークQ4、Q5、Q6を、金型ユニット11に保持された状態の複数の伝動ベルトC1に転写した。第2転写工程S105に際しては、転写の動作ごとに15個の伝動ベルトC1に対して、マークQ4、Q5、Q6の転写を行った。尚、第2転写工程S105においてマークQ4、Q5、Q6を伝動ベルトC1に転写した後は、インク除去工程S106を行った。
上述のように各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6を、金型ユニットに保持された状態の15個の伝動ベルトC1に印刷した後、更に同じ動作を7回繰り返し、全体数120個の伝動ベルトC1に対して各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の印刷を行った。
図14は、実施例で印刷を行った伝動ベルトC1におけるマークQの印刷状態について評価を行った項目と評価結果について一覧にして示す表である。伝動ベルトC1に印刷された各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6については、印刷の仕上がり状態について目視により評価を行った。具体的には、評価項目として、転写されたマークQのズレ、傾き、マークQ同士の間隔のバラツキといった印刷位置に関する不良の発生の有無についての評価を行うとともに、にじみ、かすれ、剥がれといった印刷品質に関する不良の発生の有無についても評価を行った。そして、図14に示すように、評価結果としてマークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6を印刷した伝動ベルトC1の全体数120に対する不良発生個数を示している。
上述の120個の伝動ベルトC1に対して各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の印刷を行った結果、各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6のズレ、及び傾きはなかった。また、マークQ同士の間隔のバラツキもなかった。更に、各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6のにじみ、かすれ、剥がれもなかった。即ち、全ての評価項目において、全体数120個に対する不良発生個数は0個であり、120個全ての伝動ベルトC1に対して6種類の各マークQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6を良好な状態で印刷することができた。従って、印刷工程を自動化した上述の伝動ベルトのマーク印刷システム100によって無人でマークQを不具合なく印刷できることが確認できた。
本発明は、伝動ベルトに対してマークを印刷する方法である伝動ベルトのマーク印刷方法、及び伝動ベルトに対してマークを印刷する伝動ベルトのマーク印刷システムに対して、広く適用することができる。
10 加硫装置
11 金型ユニット
13 リング状の金型(リングモールド)
14 溝
20 インク供給装置
21 インク保持部
22 マーク形成部
30 転写装置
31 パッド
32 パッド駆動部
33 円柱状本体部
34 パッド回転軸
100 伝動ベルトのマーク印刷システム
C 伝動ベルト
C1 加硫後の伝動ベルト(加硫された状態の伝動ベルト)
C2 未加硫ゴム成形体(未加硫の伝動ベルト)
M マーク
S101 加硫工程
S104 第1転写工程
S105 第2転写工程
S107 冷却工程

Claims (4)

  1. 複数のリング状の金型が積層されて構成された金型ユニットの外周側の溝に複数の未加硫の環状の伝動ベルトが嵌め込まれた状態で複数の前記伝動ベルトが加硫される加硫工程と、
    前記伝動ベルトに対して印刷されるマークが、インクが充填されたインク供給装置から転写媒体としてのパッドに転写される第1転写工程と、
    前記第1転写工程において前記マークが転写された前記パッドが、加硫された状態で前記金型ユニットに保持された前記伝動ベルトに押し付けられることで、前記マークが前記伝動ベルトに転写される第2転写工程と、を備えることを特徴とする、伝動ベルトのマーク印刷方法。
  2. 請求項1に記載の伝動ベルトのマーク印刷方法であって、
    前記パッドによって前記マークが転写された前記伝動ベルトを冷却する冷却工程を更に備えることを特徴とする、伝動ベルトのマーク印刷方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の伝動ベルトのマーク印刷方法であって、
    前記パッドは、前記第1転写工程において前記インク供給装置から前記マークが転写されるとともに、前記金型ユニットの回転軸と平行に延びるパッド回転軸周りで回転自在に設けられた円柱状本体部を有し、
    前記第2転写工程において、前記金型ユニットに嵌め込まれた前記伝動ベルトに前記パッドを押し付けた状態で前記金型ユニットを回転させることで、前記伝動ベルトに前記マークが転写されることを特徴とする、伝動ベルトのマーク印刷方法。
  4. 複数の未加硫の伝動ベルトを加硫する加硫装置と、インクが充填されて前記伝動ベルトに印刷されるマークを形成するインク供給装置と、加硫された状態の前記伝動ベルトに前記マークを転写する転写装置とを備え、
    前記加硫装置は、リング状の金型が積層されることによって外周側において複数の未加硫の環状の伝動ベルトが嵌め込まれる溝が形成される金型ユニットを有し、
    インク供給装置は、充填された前記インクが保持されるインク保持部と、当該インク保持部から前記インクが供給されて前記マークを形成するマーク形成部と、を有し、
    前記転写装置は、前記マーク形成部に形成された前記マークが転写される転写媒体としてのパッドと、当該パッドを移動可能に保持し、加硫された状態で前記金型ユニットに保持された前記伝動ベルトに前記パッドに転写された前記マークを転写させるように、前記パッドを駆動するパッド駆動部と、を有することを特徴とする、伝動ベルトのマーク印刷システム。
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