以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
(射出成形機)
図1は、一実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。図2は、一実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。本明細書において、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向およびY軸方向は水平方向を表し、Z軸方向は鉛直方向を表す。型締装置100が竪型である場合、Z軸方向が型開閉方向であり、Y軸方向が射出成形機10の幅方向であり、X軸方向が射出成形機10の正面方向である。
射出成形機10は、図1〜図2に示すように、射出成形機本体11と、フレーム載置部20とを有する。フレーム載置部20は、射出成形機本体11が分離可能に固定される部品固定面22を有する載置部本体21と、載置部本体21の部品固定面22と水平面との平行度を調整するレベリングアジャスタ30とを備える。レベリングアジャスタ30は、床面2に設置される。レベリングアジャスタ30は、特許請求の範囲に記載の平行度調整部の一例である。
射出成形機本体11は、型締装置100と、エジェクタ装置200と、射出装置300と、移動装置400と、制御装置700と、フレーム900とを有する。フレーム900は、型締装置100を支持する型締装置フレーム910と、射出装置300を支持する射出装置フレーム920とを含む。
型締装置フレーム910は、フレーム載置部20を介して床面2に設置される。型締装置フレーム910の内部空間に、制御装置700が配置される。尚、制御装置700は、型締装置フレーム910とは別のフレームの内部空間に配置されてもよい。
射出装置フレーム920は、図7に示すように、型締装置フレーム910から上方に延びる2本の支柱921と、2本の支柱921を連結する複数本の梁922とを有する。2本の支柱921は、Y軸方向に間隔をおいて配置される。以下、射出成形機10の各構成要素について説明する。
(型締装置)
型締装置100は、図1および図2に示すように、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧および型開を行う。金型装置800は、上金型810と下金型820とを含む。
型締装置100は例えば竪型であって、型開閉方向が鉛直方向である。型締装置100は、上プラテン110、下プラテン120、トグルサポート130、タイバー140、トグル機構150、型締モータ160、運動変換機構170、および型厚調整機構180を有する。
上プラテン110は、下プラテン120の上方に配設され、型締装置フレーム910に対し昇降自在とされる。上プラテン110における下プラテン120との対向面(下面)には、上金型810が取付けられる。
下プラテン120は、型締装置フレーム910に対し固定される。下プラテン120における上プラテン110との対向面(上面)には、回転テーブル121を介して複数の下金型820が取付けられる。
回転テーブル121が180°回転することで、下金型820は上金型810と向かい合う位置と成形品を取り出す位置との間を移動する。成形品を取り出す位置は、下金型820にインサート部材をセットする段取り位置を兼ねてよい。
尚、本実施形態の下金型820は、回転テーブル121を介して下プラテン120に取付けられるが、下プラテン120に直接に取付けられていてもよい。また、下金型820の個数は、2つには限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
トグルサポート130は、下プラテン120の下方において型締装置フレーム910に対し昇降自在とされ、上プラテン110と連結される。トグルサポート130を昇降させることにより、上プラテン110が昇降させられる。
タイバー140は、上プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば3本)用いられてよい。複数本のタイバー140は、型開閉方向に平行に配置され、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられてよい。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出などに用いられる。
尚、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪ゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
トグル機構150は、下プラテン120とトグルサポート130との間に配置され、下プラテン120に対しトグルサポート130を昇降させる。トグル機構150は、クロスヘッド151、一対のリンク群などで構成される。一対のリンク群は、それぞれ、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク152と第2リンク153とを有する。第1リンク152は下プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153はトグルサポート130に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を相対的に昇降させると、第1リンク152と第2リンク153とが屈伸し、下プラテン120に対しトグルサポート130が昇降させられる。
尚、トグル機構150の構成は、図1および図2に示す構成に限定されない。例えば図1および図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
型締モータ160は、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を相対的に昇降させることにより、第1リンク152と第2リンク153とを屈伸させ、上プラテン110を昇降させる。型締モータ160は、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構170に連結されるが、運動変換機構170に直結されてもよい。
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
型締モータ160はトグルサポート130に取付けられ、ねじ軸はトグルサポート130に回転自在に支持され、ねじナットはクロスヘッド151に固定される。型締モータ160を駆動してねじ軸を回転させると、ねじナットやクロスヘッド151がトグルサポート130に対し相対的に昇降させられる。これにより、第1リンク152および第2リンク153が屈伸させられ、トグルサポート130が昇降させられる。
尚、本実施形態の型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられるが、フレーム900に取付けられてもよい。この場合、ねじ軸の上端部はクロスヘッド151で回転自在に支持され、ねじ軸の下端部はフレーム900に回転自在に保持される回転部材にスプライン結合され、ねじナットはトグルサポート130に固定されてよい。型締モータ160を駆動して回転部材を回転させると、ねじ軸が回転しながら昇降し、クロスヘッド151がトグルサポート130に対し相対的に昇降させられる。これにより、第1リンク152および第2リンク153が屈伸させられ、トグルサポート130が昇降させられる。
型締装置100は、制御装置700による制御下で、型閉工程、昇圧工程、型締工程、脱圧工程、型開工程、および型回転工程などを行う。型回転工程は、例えば、型開工程の完了後、次の型閉工程の開始前に行われる。
型閉工程では、型締モータ160を駆動してトグルサポート130に対しクロスヘッド151を設定移動速度で型閉完了位置まで相対的に上昇させることにより、上プラテン110を下降させ、上金型810を下金型820にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や移動速度は、例えば型締モータエンコーダ161などを用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。
尚、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、およびクロスヘッド151の移動速度を検出するクロスヘッド移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン(本実施形態では上プラテン110)の位置を検出する可動プラテン位置検出器、および可動プラテンの移動速度を検出する可動プラテン移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
昇圧工程では、型締モータ160をさらに駆動してトグルサポート130に対しクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに相対的に上昇させることにより、上プラテン110を下降させ、型締力を生じさせる。
型締工程では、型締モータ160を駆動して、クロスヘッド151の位置を型締位置に維持する。型締工程では、昇圧工程で発生させた型締力が維持される。型締工程では、上金型810と下金型820との間にキャビティ空間801(図2参照)が形成され、射出装置300がキャビティ空間801に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。
キャビティ空間801の数は、1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合、複数の成形品が同時に得られる。キャビティ空間801の一部にインサート部材が配置され、キャビティ空間801の他の一部に成形材料が充填される。インサート部材と成形材料とが一体化した成形品が得られる。
脱圧工程では、型締モータ160を駆動してトグルサポート130に対しクロスヘッド151を型締位置から型開開始位置まで相対的に下降させることにより、上プラテン110を上昇させ、型締力を減少させる。型開開始位置と、型閉完了位置とは、同じ位置であってよい。
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型開開始位置から型開完了位置までさらに相対的に下降させることにより、上プラテン110を上昇させ、上金型810を下金型820から離間させる。
型開工程の完了後、次の型閉工程の開始前に、型回転工程が行われる。型回転工程では、回転テーブル121を回転し、下金型820と共に成形品を回転する。型回転工程の後、エジェクタ装置200が成形品の取り出し位置に位置する下金型820から成形品を突き出す。
型閉工程、昇圧工程および型締工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程および昇圧工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置は、下側から上方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
脱圧工程および型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、脱圧工程および型開工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置を含む)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置は、上側から下方に向けて、この順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型締位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
尚、クロスヘッド151の移動速度や位置などの代わりに、可動プラテン(本実施形態では上プラテン110)の移動速度や位置などが設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して上プラテン110に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
金型装置800の交換や金型装置800の温度変化などにより金型装置800の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば上金型810が下金型820にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、上プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
型締装置100は、型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、上プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う。尚、型厚調整のタイミングは、例えば成形サイクル終了から次の成形サイクル開始までの間である。型厚調整機構180は、例えば、タイバー140の下端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
ねじ軸181およびねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転駆動力は、回転駆動力伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。尚、回転駆動力伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
回転駆動力伝達部185は、例えば歯車などで構成される。この場合、各ねじナット182の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車および駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。尚、回転駆動力伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリなどで構成されてもよい。
型厚調整機構180の動作は、制御装置700によって制御される。制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させる。その結果、トグルサポート130の上プラテン110に対する位置が調整され、上プラテン110とトグルサポート130との間隔Lが調整される。尚、複数の型厚調整機構が組合わせて用いられてもよい。
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。尚、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、および間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
尚、本実施形態では下プラテン120が固定プラテンであり上プラテン110が可動プラテンであるが、下プラテン120が可動プラテンであり上プラテン110が固定プラテンであってもよい。この場合、トグル機構150は、トグルサポート130に対し下プラテン120を昇降させる。
尚、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。
また、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が鉛直方向である竪型であるが、型開閉方向が水平方向である横型でもよい。
(エジェクタ装置)
エジェクタ装置200は、金型装置800から成形品を突き出す。例えば、エジェクタ装置200は、成形品の取り出し位置に位置する下金型820から成形品を突き出す。エジェクタ装置200は、エジェクタロッド210と、エジェクタロッド210をZ軸方向に移動させる駆動機構220とを有する。
エジェクタロッド210は、下プラテン120の貫通穴に昇降自在に配置される。エジェクタロッド210は、回転テーブル121の貫通穴を通過し、下金型820の内部に進退自在に配置される可動部材830と接触する。
エジェクタロッド210は、回転テーブル121の回転時に、回転テーブル121と干渉しないように、回転テーブル121の下方で待機する。エジェクタロッド210は、回転テーブル121の貫通穴から退避できるように、可動部材830とは連結されない。
尚、下金型820が回転テーブル121を介さずに下プラテン120に取付けられる場合、エジェクタロッド210と回転テーブル121とが干渉する虞がないので、エジェクタロッド210と可動部材830とは連結されてもよい。
駆動機構220は、例えば、エジェクタモータと、エジェクタモータの回転運動をエジェクタロッド210の直線運動に変換する運動変換機構とを有する。運動変換機構は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
エジェクタ装置200は、制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。突き出し工程では、エジェクタモータを駆動してエジェクタロッド210を設定移動速度で待機位置から突き出し位置まで上昇させることにより、可動部材830を上昇させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータを駆動してエジェクタロッド210を設定移動速度で下降させ、可動部材830を元の待機位置まで下降させる。
エジェクタロッド210の位置や移動速度は、例えばエジェクタモータエンコーダを用いて検出する。エジェクタモータエンコーダは、エジェクタモータの回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、エジェクタロッド210の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド210の移動速度を検出するエジェクタロッド移動速度検出器は、エジェクタモータエンコーダに限定されず、一般的なものを使用できる。
エジェクタロッド210の位置や移動速度は、例えばエジェクタモータエンコーダを用いて検出する。エジェクタモータエンコーダは、エジェクタモータの回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、エジェクタロッド210の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド210の移動速度を検出するエジェクタロッド移動速度検出器は、エジェクタモータエンコーダに限定されず、一般的なものを使用できる。
(射出装置)
射出装置300は、射出装置取付部60を介してスライドベース302に固定される。射出装置取付部60は、射出装置300が分離可能に固定される部品固定面62を有する取付部本体61と、部品固定面62と鉛直面との平行度を調整する調整ボルト70とを備える。調整ボルト70は、取付部本体61とスライドベース302とを連結する。調整ボルト70は、特許請求の範囲に記載の平行度調整部の一例である。スライドベース302は、射出装置フレーム920に設けられるガイド301に沿って昇降する。ガイド301は、図7に示すように2本の支柱921のそれぞれに固定される。
射出装置300は、図1および図2に示すように、スライドベース302と共に昇降する。射出装置300は、金型装置800にタッチし、金型装置800内のキャビティ空間801に成形材料を充填する。射出装置300は、例えば、シリンダ310、ノズル320、スクリュ330、計量モータ340、射出モータ350、圧力検出器360などを有する。
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の上部に形成される。シリンダ310の上部の外周には、水冷シリンダなどの冷却器312が設けられる。冷却器312よりも下方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータなどの加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(例えばZ軸方向)に複数のゾーンに区分される。複数のゾーンのそれぞれに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。複数のゾーンのそれぞれに設定温度が設定され、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
ノズル320は、シリンダ310の下端部に設けられ、金型装置800に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
スクリュ330は、シリンダ310内に回転自在に且つ昇降自在に配置される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が下方に送られる。成形材料は、下方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の下方に送られシリンダ310の下部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が上昇させられる。その後、スクリュ330を下降させると、スクリュ330下方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置800内に充填される。
スクリュ330の下部には、スクリュ330を下方に押すときにスクリュ330の下方から上方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が昇降自在に取付けられる。
逆流防止リング331は、スクリュ330を下降させるときに、スクリュ330下方の成形材料の圧力によって上方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(図2参照)までスクリュ330に対し相対的に上昇する。これにより、スクリュ330下方に蓄積された成形材料が上方に逆流するのを防止する。
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って下方に送られる成形材料の圧力によって下方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(図1参照)までスクリュ330に対し相対的に下降する。これにより、スクリュ330の下方に成形材料が送られる。
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
尚、射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で昇降させる駆動源を有していてもよい。
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプなどでもよい。
射出モータ350は、スクリュ330を昇降させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構などが設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラなどが設けられてよい。スクリュ330を昇降させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される力を検出する。検出した力は、制御装置700で圧力に換算される。圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の力の伝達経路に設けられ、圧力検出器360に作用する力を検出する。
圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。圧力検出器360の検出結果は、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
射出装置300は、制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程および保圧工程などを行う。充填工程と保圧工程とをまとめて射出工程とも呼ぶ。
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転速度で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を下方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の下方に送られシリンダ310の下部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が上昇させられる。スクリュ330の回転速度は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、スクリュ330の回転速度を検出するスクリュ回転速度検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
計量工程では、スクリュ330の急激な上昇を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330が計量完了位置まで上昇し、スクリュ330の下方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
計量工程におけるスクリュ330の位置および回転速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、計量開始位置、回転速度切換位置および計量完了位置が設定される。これらの位置は、下側から上方に向けてこの順で並び、回転速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、回転速度が設定される。回転速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。回転速度切換位置は、設定されなくてもよい。また、区間毎に背圧が設定される。
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定移動速度で下降させ、スクリュ330の下方に蓄積された液状の成形材料を金型装置800内のキャビティ空間801に充填させる。スクリュ330の位置や移動速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切換(所謂、V/P切換)が行われる。V/P切換が行われる位置をV/P切換位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定移動速度は、スクリュ330の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
充填工程におけるスクリュ330の位置および移動速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)、移動速度切換位置およびV/P切換位置が設定される。これらの位置は、上側から下方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。
スクリュ330の移動速度が設定される区間毎に、スクリュ330の圧力の上限値が設定される。スクリュ330の圧力は、圧力検出器360によって検出される。圧力検出器360の検出値が設定圧力以下である場合、スクリュ330は設定移動速度で下降される。一方、圧力検出器360の検出値が設定圧力を超える場合、金型保護を目的として、圧力検出器360の検出値が設定圧力以下となるように、スクリュ330は設定移動速度よりも遅い移動速度で下降される。
尚、充填工程においてスクリュ330の位置がV/P切換位置に達した後、V/P切換位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切換が行われてもよい。V/P切換の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速下降または微速上昇が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、およびスクリュ330の移動速度を検出するスクリュ移動速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を下方に押し、スクリュ330の下端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置800に向けて押す。金型装置800内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間などに応じて変更されてもよい。保圧工程における保持圧力および保持圧力を保持する保持時間は、それぞれ複数設定されてよく、一連の設定条件として、まとめて設定されてよい。
保圧工程では金型装置800内のキャビティ空間801の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間801の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間801からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間801内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮を目的として、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
尚、本実施形態の射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内には、スクリュが回転自在に且つ昇降不能に配置され、またはスクリュが回転自在に且つ昇降自在に配設される。一方、射出シリンダ内には、プランジャが昇降自在に配設される。
また、本実施形態の射出装置300は、シリンダ310の軸方向が鉛直方向である竪型であるが、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であってもよい。横型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。同様に、竪型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。
(移動装置)
移動装置400は、射出装置フレーム920に対し射出装置300を昇降させる。また、移動装置400は、金型装置800に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。移動装置400は、射出装置移動モータ410、射出装置移動モータ410の回転運動を射出装置300の直線運動(昇降運動)に変換する運動変換機構420などを含む。運動変換機構420は、ねじ軸421と、ねじ軸421に螺合するねじナット422とを含む。ねじ軸421と、ねじナット422との間には、ボールまたはローラが介在してよい。
例えば、射出装置移動モータ410はスライドベース302に取付けられ、ねじ軸421はスライドベース302に対し回転自在に支持され、ねじナット422は上プラテン110に対し固定される。射出装置移動モータ410を駆動してねじ軸421を回転させると、ねじ軸421が昇降し、上プラテン110に対し射出装置300が昇降する。
尚、本実施形態の射出装置移動モータ410は、スライドベース302に取付けられるが、上プラテン110に取付けられてもよい。この場合、ねじ軸421は上プラテン110に対し回転自在に支持され、ねじナット422はスライドベース302に対し固定されてよい。射出装置移動モータ410を駆動してねじ軸421を回転させると、ねじナット422が昇降し、上プラテン110に対し射出装置300が昇降する。
尚、本実施形態では移動装置400は射出装置移動モータ410と運動変換機構420とを含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、射出装置移動モータ410と運動変換機構420との代わりに、油圧シリンダが用いられてもよい。
(制御装置)
制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)と、メモリなどの記憶媒体と、入力インターフェースと、出力インターフェースとを有する。制御装置700は、記憶媒体に記憶されたプログラムをCPUに実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置700は、入力インターフェースで外部からの信号を受信し、出力インターフェースで外部に信号を送信する。
制御装置700は、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、型回転工程および突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」または「サイクル時間」とも呼ぶ。
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、型回転工程および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の終了は型開工程の開始と一致する。
尚、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型閉工程中に開始されてもよい。ノズル320の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320の流路を閉じていれば、ノズル320から成形材料が漏れないからである。
尚、一回の成形サイクルは、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、型回転工程および突き出し工程以外の工程を有してもよい。
例えば、保圧工程の完了後、計量工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された計量開始位置まで上昇させる計量前サックバック工程が行われてもよい。計量工程の開始前にスクリュ330の下方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、計量工程の開始時のスクリュ330の急激な上昇を防止できる。
また、計量工程の完了後、充填工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)まで後退させる計量後サックバック工程が行われてもよい。充填工程の開始前にスクリュ330の下方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、充填工程の開始前のノズル320からの成形材料の漏出を防止できる。
制御装置700は、操作装置750や表示装置760と接続されている。操作装置750は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御装置700に出力する。表示装置760は、制御装置700による制御下で、操作装置750における入力操作に応じた表示画面を表示する。
表示画面は、射出成形機10の設定などに用いられる。表示画面は、複数用意され、切り換えて表示されたり、重ねて表示されたりする。ユーザは、表示装置760で表示される表示画面を見ながら、操作装置750を操作することにより射出成形機10の設定(設定値の入力を含む)などを行う。
操作装置750および表示装置760は、例えばタッチパネルで構成され、一体化されてよい。尚、本実施形態の操作装置750および表示装置760は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。
(射出成形機本体とフレーム載置部との組立方法)
図3は、一実施形態に係る射出成形機の組立方法を示すフローチャートである。より詳細には、図3は、一実施形態に係る射出成形機本体とフレーム載置部との組立方法を示すフローチャートである。射出成形機本体11とフレーム載置部20との組立方法は、図3に示すように、例えば、フレーム載置部搬送工程S101と、平行度調整工程S102と、射出成形機本体搬送工程S103と、位置決め工程S104と、固定工程S105と、分離工程S106と、射出成形機本体再搬送工程S107と、再位置決め工程S108と、再固定工程S109とを有する。これらの工程S101〜S109は、本実施形態では手動で実施されるが、制御装置700による制御下で自動で実施されてもよい。後者の場合、射出成形機本体11とフレーム載置部20との組立を行う組立ロボットが用いられる。組立ロボットは、制御装置700による制御下で、工程S101〜S109を実施する。
フレーム載置部搬送工程S101では、フレーム載置部20を搬送する。フレーム載置部20は、床面2に設置される。フレーム載置部20は、射出成形機本体11が分離可能に固定される部品固定面22を有する載置部本体21と、載置部本体21の部品固定面22と水平面との平行度を調整するレベリングアジャスタ30とを備える。レベリングアジャスタ30は、床面2に設置される。
図4は、一実施形態に係る平行度調整工程を示す図である。平行度調整工程S102では、図4に示すように、載置部本体21の部品固定面22の基準面に対する平行度を調整する。載置部本体21の部品固定面22は、載置部本体21の上面であり、平坦面である。基準面は、仮想的な面である。基準面は、例えば水平面である。
平行度調整工程S102では、複数のレベリングアジャスタ30を用いて、載置部本体21の部品固定面22を水平に調整する。フレーム載置部20は、載置部本体21と、レベリングアジャスタ30と、アジャスタ取付部25とを有する。レベリングアジャスタ30は、アジャスタ取付部25に取付けられる。アジャスタ取付部25は、図4に示すように、例えば、載置部本体21から横に張り出す。アジャスタ取付部25は、載置部本体21の外周に沿って間隔をおいて複数設けられる。載置部本体21の外部にレベリングアジャスタ30が配置されるので、載置部本体21の外部からレベリングアジャスタ30を容易に操作できる。
図5は、一実施形態に係るレベリングアジャスタを示す断面図である。図5(a)は、一実施形態に係る載置部本体と床面との間隔が狭い時のレベリングアジャスタの状態を示す断面図である。図5(b)は、一実施形態に係る載置部本体と床面との間隔が広い時のレベリングアジャスタの状態を示す断面図である。レベリングアジャスタ30は、図5に示すように、パッド31と、パッド保護板32と、調整ボルト33と、昇降ホルダ34と、固定ナット37とを有する。
パッド31は、床面2に設置される。パッド31は、ゴムで形成される。パッド31は、弾性変形することにより振動を吸収する。射出成形機本体11と床面2との間の振動の伝達を抑制できる。パッド31は、例えば円柱状に形成される。
パッド保護板32は、パッド31の上面に固定される。パッド31の上面には凹部が形成され、その凹部の内底面にパッド保護板32が設置される。パッド保護板32とパッド31とが水平方向にずれるのを防止できる。パッド保護板32は、金属などで円盤状に形成される。パッド保護板32は、調整ボルト33とパッド31との接触を防止することにより、パッド31を保護する。
調整ボルト33は、パッド保護板32の上面に回転自在に支持される。パッド保護板32の上面には凹部が形成され、その凹部に調整ボルト33の下端部が挿入される。調整ボルト33の軸方向は鉛直方向である。
昇降ホルダ34は、円盤部35と、円盤部35の外周縁から下方に延びる円筒部36とを有する。円筒部36の内側に、パッド31が配置される。パッド31と昇降ホルダ34とが水平方向にずれるのを防止できる。
円盤部35は、調整ボルト33が螺合する螺合穴を有する。円盤部35は、載置部本体21に対し固定される。例えば、円盤部35は、アジャスタ取付部25を介して載置部本体21に対し固定される。円盤部35は、アジャスタ取付部25の下方に配置される。
固定ナット37は、調整ボルト33が螺合する螺合穴を有する。固定ナット37は、アジャスタ取付部25の上方に配置される。固定ナット37と昇降ホルダ34とは、アジャスタ取付部25を挟んで配置される。
作業者は、先ず、固定ナット37を緩める。次いで、作業者が調整ボルト33を回転させると、昇降ホルダ34が昇降する。床面2の傾斜または凹凸に応じて昇降ホルダ34を昇降することにより、載置部本体21の部品固定面22を水平にすることができる。最後に、作業者は固定ナット37を締める。
尚、平行度調整工程S102は、本実施形態では手動で実施されるが、制御装置700による制御下で自動で実施されてもよい。後者の場合、組立ロボットが、制御装置700による制御下で、平行度調整工程S102を実施する。
射出成形機本体搬送工程S103では、載置部本体21の部品固定面22に、射出成形機本体11を搬送する。搬送する射出成形機本体11の数は、本実施形態では2つであるが、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
射出成形機本体11は、予め別の場所で組立てられ、射出成形機本体11の成形動作が実施される成形場所まで搬送される。尚、成形場所の周辺には、射出成形機本体11を保管する保管場所を設けてもよい。また、成形場所の周辺には、射出成形機本体11のメンテナンス作業を行うメンテナンス場所を設けてもよい。
射出成形機本体11は、クレーンなどで吊り下げられ、載置部本体21の部品固定面22に載置される。載置部本体21の部品固定面22には、型締装置フレーム910が載置される。
図6は、一実施形態に係る位置決め工程を示す図である。図6(a)は、一実施形態に係る位置決め工程の開始時の射出成形機本体とフレーム載置部との位置関係を示す図である。図6(b)は、一実施形態に係る位置決め工程の終了時の射出成形機本体とフレーム載置部との位置関係を示す図である。図6において、射出成形機本体11を簡略化して図示する。
位置決め工程S104では、載置部本体21の部品固定面22に対する射出成形機本体11のX軸方向位置および/またはY軸方向位置を位置決め部40によって決める。位置決め部40は、載置部本体21の部品固定面22に形成され、例えば、部品固定面22に凸状に形成される。
位置決め部40は、型締装置フレーム910のX軸方向端面を位置決め部40に当接することによって、射出成形機本体11のX軸方向位置を位置決めする。また、位置決め部40は、型締装置フレーム910のY軸方向端面を位置決め部40に当接することによって、射出成形機本体11のY軸方向位置を位置決めする。
1つの射出成形機本体11の位置決めに用いる位置決め部40の数は、特に限定されないが、例えば3つである。例えば、2つの位置決め部40A、40Bに型締装置フレーム910のY軸方向端面を当接することによって、型締装置フレーム910のY軸方向位置が決まる。残りの1つの位置決め部40Cに型締装置フレーム910のX軸方向端面を当接することによって、型締装置フレーム910のX軸方向位置が決まる。
位置決め部40は、円柱状に形成される。尚、位置決め部40の形状は、特に限定されない。例えば、位置決め部40は、多角柱状に形成されてもよい。
位置決め部40は、本実施形態では型締装置フレーム910のX軸方向端面および/またはY軸方向端面を当接するものであるが、型締装置フレーム910のZ軸方向端面(より詳細には下面)を嵌合するものでもよい。型締装置フレーム910の下面は、型締装置フレーム910の載置部本体21との分割面911(図8等参照)である。例えば、型締装置フレーム910の分割面911には凹部が形成され、その凹部が位置決め部40に嵌合する。
位置決め部40は、本実施形態では部品固定面22に凸状に形成されるが、凹状に形成されてもよい。この場合、型締装置フレーム910の分割面911には凸部が形成され、その凸部が位置決め部40に嵌合する。
尚、本実施形態では射出成形機本体搬送工程S103の後に、位置決め工程S104が実施されるが、本発明はこれに限定されない。射出成形機本体搬送工程S103と、位置決め工程S104とは並行して実施されてもよい。例えば、射出成形機本体11をクレーンなどで吊り下げながら、射出成形機本体11のX軸方向位置および/またはY軸方向位置を位置決め部40によって決めてもよい。
図7は、一実施形態に係る固定工程を示す図である。固定工程S105では、載置部本体21の部品固定面22に射出成形機本体11を分離可能に固定する。部品固定面22に射出成形機本体11を分離可能に固定する固定部としては、例えば固定ボルト50が用いられる。固定ボルト50を締めることで、射出成形機本体11が部品固定面22に固定される。また、固定ボルト50を緩めることで、射出成形機本体11が部品固定面22から分離可能になる。
射出成形機本体11は、固定ボルト50が取付けられるボルト取付部930を有する。ボルト取付部930は、例えば型締装置フレーム910から型締装置フレーム910の外部に張り出す。ボルト取付部930の下面と型締装置フレーム910の下面とは、同一平面上に配置される。ボルト取付部930と型締装置フレーム910とが、載置部本体21の部品固定面22に載置される。
固定ボルト50は、例えば、ボルト取付部930のストレート穴に挿通され、載置部本体21のボルト穴に螺合する。固定ボルト50を締めることで、ボルト取付部930が部品固定面22に締め付けられ、射出成形機本体11が部品固定面22に固定される。また、固定ボルト50を緩めることで、射出成形機本体11が部品固定面22から分離可能になる。
ボルト取付部930が型締装置フレーム910の外部に配置されるので、型締装置フレーム910の外部から固定ボルト50を容易に操作できる。
尚、本実施形態のボルト取付部930は型締装置フレーム910の外部に配置されるが、本発明はこれに限定されない。ボルト取付部930は、型締装置フレーム910の内部に配置されてもよい。ボルト取付部930は、型締装置フレーム910の外部にはみ出さないので、他の部材と干渉しない。
尚、部品固定面22に射出成形機本体11を分離可能に固定する固定部は、固定ボルト50には限定されない。例えば、固定ボルト50の代わりに、電磁石などが用いられてもよい。電磁石は、例えば載置部本体21に配置され、射出成形機本体11を吸着する。電磁石は、射出成形機本体11に配置され、載置部本体21を吸着してもよい。いずれにしろ、電磁石への電流供給を制御することにより、射出成形機本体11を部品固定面22に分離可能に固定できる。
載置部本体21の部品固定面22には、複数の射出成形機本体11A、11Bが固定される。複数の射出成形機本体11A、11Bは、同一の寸法Aを有する。寸法Aは、型締装置フレーム910の分割面911と、下金型820が取付けられる下金型取付面122とのZ軸方向距離である。型締装置フレーム910の分割面911と、下金型取付面122とは、平行である。
下金型取付面122は、例えば回転テーブル121の上面である。尚、下金型820は、上述の如く、回転テーブル121を介さずに下プラテン120に直接に取り付けられてもよい。この場合、下金型取付面122は、下プラテン120の上面である。
複数の射出成形機本体11A、11Bは、載置部本体21の部品固定面22に載置される。載置部本体21の部品固定面22は、予め水平に調整済みである。従って、一の射出成形機本体11Aの下金型取付面122と、別の射出成形機本体11Bの下金型取付面122とを、同一の水平面に配置できる。
複数の射出成形機本体11A、11Bの間で下金型820の高さが揃うので、下金型820の高さを揃える調整が不要になる。下金型820の高さを揃えるのは、複数の射出成形機本体11A、11Bに共通の周辺機器が用いられるからである。
なお、本実施形態では複数の射出成形機本体11A、11Bの間で下金型820の高さを揃えるが、本発明はこれに限定されない。レベリングアジャスタ30は下金型820の高さを所定の高さに調整する。下金型820の高さに合わせて周辺機器の配置が決められてもよいし、周辺機器の配置に合わせて下金型820の高さが決められてもよい。
周辺機器としては、取出機が挙げられる。取出機は、下金型820から成形品を取り出す。周辺機器としては、取出機の他に、インサート機も挙げられる。インサート機は、下金型820にインサート部材をセットする。尚、インサート機の機能を、取出機が有してもよい。
図8は、一実施形態に係る分離工程を示す図である。分離工程S106では、固定工程S105で固定した射出成形機本体11Bを、載置部本体21の部品固定面22から分離する。分離工程S106は、固定工程S105の後に実施される。分離工程S106は、例えば、固定工程S105で固定された射出成形機本体11Bの故障時に実施される。故障した射出成形機本体11Bは、成形場所からメンテナンス場所に搬送され、メンテナンス場所でメンテナンスされる。その後、メンテナンス済みの射出成形機本体11Bは、メンテナンス場所から保管場所に搬送され、保管場所で保管される。尚、メンテナンス場所は、保管場所を兼ねてもよい。
図9は、一実施形態に係る再搬送工程の途中の状態を示す図である。射出成形機本体再搬送工程S107では、射出成形機本体11Cを、載置部本体21の部品固定面22に搬送する。射出成形機本体11Cは、予め別の場所で組立てられ、保管場所で保管されており、保管場所から成形場所に搬送される。
射出成形機本体11Cは、クレーンなどで吊り下げられ、載置部本体21の部品固定面22に載置される。載置部本体21の部品固定面22には、型締装置フレーム910が載置される。
再位置決め工程S108では、載置部本体21の部品固定面22に対する射出成形機本体11CのX軸方向位置および/またはY軸方向位置を位置決め部40によって決める。再位置決め工程S108は、図6に示す位置決め工程S104と同様に行われる。
尚、本実施形態では射出成形機本体再搬送工程S107の後に、再位置決め工程S108が実施されるが、本発明はこれに限定されない。射出成形機本体再搬送工程S107と、再位置決め工程S108とは並行して実施されてもよい。例えば、射出成形機本体11Cをクレーンなどで吊り下げながら、射出成形機本体11CのX軸方向位置および/またはY軸方向位置を位置決め部40によって決めてもよい。
図10は、一実施形態に係る再固定工程を示す図である。再固定工程S109では、載置部本体21の部品固定面22に、射出成形機本体11Cを分離可能に固定する。再固定工程S109で固定する射出成形機本体11Cと、分離工程S106で分離する射出成形機本体11Bとは、同一の寸法Aを有する。寸法Aは、上述の如く、型締装置フレーム910の分割面911と、下金型820が取付けられる下金型取付面122とのZ軸方向距離である。型締装置フレーム910の分割面911と、下金型取付面122とは、平行である。
以上説明したように、本実施形態の組立方法は、平行度調整工程S102と、固定工程S105とを有する。平行度調整工程S102では、載置部本体21の部品固定面22を水平に調整する。固定工程S105では、載置部本体21の部品固定面22に、射出成形機本体11を分離可能に固定する。
従来の射出成形機本体11は、アジャスタ取付部25と溶接などで一体化されており、アジャスタ取付部25と分離不能であった。それゆえ、例えば成形場所からメンテナンス場所に射出成形機本体11を移動するには、射出成形機本体11と共にレベリングアジャスタ30を移動することになってしまう。
メンテナンス済みの射出成形機本体11を元の成形場所に戻す時に、レベリングアジャスタ30を元の設置位置に正確に同じ位置に目視で戻すことは難しい。アジャスタ取付部25を元の設置位置と目視では同じ位置に戻した後に、射出成形機本体11の下金型取付面122を水平に戻す作業を実施することになってしまう。
また、射出成形機本体11のメンテナンス中に、別の射出成形機本体11を成形場所に据え付ける場合も同様である。入替後のレベリングアジャスタ30の設置位置を、入替前のレベリングアジャスタ30の設置位置と正確に同じ位置にすることは目視では難しいからである。
本実施形態の射出成形機本体11は、載置部本体21の部品固定面22に分離可能に固定される。載置部本体21の部品固定面22は、分離工程S106から再固定工程S109までの間、水平に保たれる。水平な部品固定面22に射出成形機本体11を載置するだけで、射出成形機本体11の下金型取付面122を水平にできる。従って、下金型取付面122を水平に調整する作業の頻度を低減できる。
再固定工程S109で固定する射出成形機本体11Cと、分離工程S106で分離する射出成形機本体11Bとは、別のものである。メンテナンス場所で射出成形機本体11Bをメンテナンスしながら、成形場所で射出成形機本体11Cの成形動作を実施できる。射出成形機本体11Bのメンテナンス中に別の射出成形機本体11Cの成形動作を実施するので、成形品の生産速度の低下を防止できる。
再固定工程S109で固定する射出成形機本体11Cと、分離工程S106で分離する射出成形機本体11Bとは、同一の寸法Aを有する。入替後の射出成形機本体11Cの下金型取付面122を、入替前の射出成形機本体11Bの下金型取付面122と同一の水平面に配置できる。射出成形機本体11の入替の前後で、下金型820と周辺機器との鉛直方向位置関係を維持できる。下金型820と周辺機器との鉛直方向位置合わせの手間を省けるので、射出成形機本体11の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
再固定工程S109で固定する射出成形機本体11Cと、固定工程S105で固定する射出成形機本体11Aとは、同一の寸法Aを有する。並べて配置される複数の射出成形機本体11C、11Aの間で、下金型820の高さを揃えることができる。下金型820の高さを揃えるのは、複数の射出成形機本体11C、11Aに共通の周辺機器が用いられるからである。
尚、本実施形態では複数の射出成形機本体11A、11B、11Cが同一の寸法Aを有するが、本発明はこれに限定されない。例えば、射出成形機本体11毎に周辺機器が配置される場合、入替前の射出成形機本体11Bと入替後の射出成形機本体11Cとが同一の寸法Aを有していればよく、全ての射出成形機本体11A、11B、11Cが同一の寸法Aを有していなくてもよい。
本実施形態の組立方法は、位置決め工程S104と、再位置決め工程S108とを有する。位置決め工程S104と再位置決め工程S108との両方で、同じ位置決め部40が用いられる。従って、位置決め工程S104で位置決めした射出成形機本体11BのX軸方向位置と、再位置決め工程S108で位置決めした射出成形機本体11CのX軸方向位置とを揃えることができる。また、位置決め工程S104で位置決めした射出成形機本体11BのY軸方向位置と、再位置決め工程S108で位置決めした射出成形機本体11CのY軸方向位置とを揃えることができる。射出成形機本体11の入替の前後で、下金型820と周辺機器との水平方向位置関係を維持できる。周辺機器の設定変更の手間を低減でき、射出成形機本体11の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
尚、本実施形態では再固定工程S109で固定する射出成形機本体11Cと分離工程S106で分離する射出成形機本体11Bとは別のものであるが、本発明はこれに限定されない。分離工程S106で分離した射出成形機本体11Bの代わりのものが保管場所にない場合、分離工程S106で分離した射出成形機本体11Bのメンテナンスの終了を待って再固定工程S109が実施される。再固定工程S109では、載置部本体21の部品固定面22に、メンテナンス済みの射出成形機本体11Bを再び分離可能に固定する。
次に、分離工程S106で分離した射出成形機本体11Bを、再固定工程S109で固定する場合について説明する。この場合、分離工程S106で分離した射出成形機本体11Bと、再固定工程S109で固定する射出成形機本体11Bとは、同一である。同一の射出成形機本体11Bは、当然に同一の寸法Aを有する。従って、メンテナンスの前後で下金型820と周辺機器との鉛直方向位置関係を維持できる。周辺機器の設定変更の手間を低減でき、成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。また、メンテナンスの前後で、下金型820と周辺機器との水平方向位置関係を位置決め部40によって維持できる。周辺機器の設定変更の手間を低減でき、成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
図11は、図3に示す組立方法の変形例を示すフローチャートである。上記実施形態の組立方法では図3に示すように平行度調整工程S102の後に固定工程S105が行われるのに対し、本変形例の組立方法では図11に示すように固定工程S105の後に平行度調整工程S102が行われる。
図11に示すように、先ず、位置決め工程S104と固定工程S105とがこの順番で行われ、次いで、フレーム載置部搬送工程S101と射出成形機本体搬送工程S103とが同時に行われる。これらの工程S101、S103の前に、射出成形機本体11がフレーム載置部20に分離可能に固定されているので、射出成形機本体11とフレーム載置部20とは、まとめて、成形場所まで搬送される。
続いて、図11に示すように、平行度調整工程S102が行われる。平行度調整工程S102では、複数のレベリングアジャスタ30を用いて、載置部本体21の部品固定面22を水平に調整する。平行度調整工程S102では、下金型取付面122を水平に調整することで、載置部本体21の部品固定面22を水平に調整してよい。また、平行度調整工程S102では、下金型取付面122の高さを予め設定された高さに調整する。
その後、図11に示すように、分離工程S106、射出成形機本体再搬送工程S107、再位置決め工程S108、再固定工程S109が行われる。これらの工程S106〜S109の順序は、図3に示す工程S106〜S109の順序と同じであるので、説明を省略する。
図12は、図7に示すフレーム載置部の変形例を示す図である。上記実施形態のフレーム載置部20は図7に示すように射出成形機本体11を分離可能に固定する領域を複数有するのに対し、本変形例のフレーム載置部20は図12に示すように射出成形機本体11を分離可能に固定する領域を1つ有する。上記実施形態と同様に、本変形例においても、射出成形機本体11とフレーム載置部20との組立は、図11に示す順番で行われてもよいし、図3に示す順番で行われてもよい。
図13は、横型の射出成形機本体とフレーム載置部との一例を示す図である。上記実施形態のフレーム載置部20には図7に示すように竪型の射出成形機本体11が分離可能に固定されるのに対し、本変形例のフレーム載置部20には図13に示すように横型の射出成形機本体11が分離可能に固定される。
横型の射出成形機本体11は、横型の型締装置100と、横型の射出装置300とを備える。型締装置100が横型である場合、X軸方向が型開閉方向であり、Y軸方向が射出成形機10の幅方向であり、Z軸方向が鉛直方向である。射出装置300が横型である場合、移動装置400は射出装置300をX軸方向に移動させる。
横型の射出成形機本体11は、フレーム900を有する。フレーム900は、型締装置フレーム910と射出装置フレーム920とを有する。射出装置フレーム920の内部に、制御装置700が配置される。型締装置フレーム910と射出装置フレーム920とが、載置部本体21の部品固定面22に載置される。フレーム900の下面は、フレーム900の載置部本体21との分割面901である。
横型の射出成形機本体11は、載置部本体21の部品固定面22に、分離可能に固定される。レベリングアジャスタ30は、載置部本体21の部品固定面22の基準面に対する平行度を調整する。載置部本体21の部品固定面22は、載置部本体21の上面であり、平坦面である。基準面は、仮想的な面である。基準面は、例えば水平面である。レベリングアジャスタ30は、載置部本体21の部品固定面22を、水平に調整する。
フレーム900の分割面901と、フレーム900の上面902とは、平行である。載置部本体21の部品固定面22は水平に調整されるので、その部品固定面22にフレーム900を載置するだけで、フレーム900の上面902を水平にできる。また、フレーム900の分割面901とフレーム900の上面902との寸法Bが予め調整済みであれば、部品固定面22にフレーム900を載置するだけで、フレーム900の上面902の高さを所定の高さにできる。
尚、図13に示すフレーム載置部20は横型の射出成形機本体11を分離可能に固定する領域を1つ有するが、本発明はこれに限定されない。フレーム載置部20は、横型の射出成形機本体11を分離可能に固定する領域を複数有してもよい。
(射出装置と射出装置取付部との組立方法)
図14は、一実施形態に係る射出装置と射出装置取付部との組立方法を示すフローチャートである。図15は、一実施形態に係る射出装置の固定状態と分離状態とを示す図である。図15(a)は、一実施形態に係る射出装置の固定状態を示す図である。図15(b)は、一実施形態に係る射出装置の分離状態を示す図である。射出装置300は、射出装置取付部60を介してスライドベース302に固定される。射出装置取付部60は、射出装置300が分離可能に固定される部品固定面62を有する取付部本体61と、部品固定面62と鉛直面との平行度を調整する調整ボルト70とを備える。調整ボルト70は、取付部本体61とスライドベース302とを連結する。
射出装置300と射出装置取付部60との組立方法は、図14に示すように、例えば、位置決め工程S201と、固定工程S202と、射出装置取付部搬送工程S203と、射出装置搬送工程S204と、平行度調整工程S205と、分離工程S206と、射出装置再搬送工程S207と、再位置決め工程S208と、再固定工程S209とを有する。これらの工程S201〜S209は、本実施形態では手動で実施されるが、制御装置700による制御下で自動で実施されてもよい。後者の場合、射出装置300と射出装置取付部60との組立を行う組立ロボットが用いられる。組立ロボットは、制御装置700による制御下で、工程S201〜S209を実施する。
位置決め工程S201では、取付部本体61の部品固定面62に対する射出装置300のY軸方向位置および/またはZ軸方向位置を位置決め部80によって決める。位置決め部80は、取付部本体61の部品固定面62に形成され、例えば、部品固定面62に凸状に形成される。
位置決め部80は、射出装置300のY軸方向端面を位置決め部80に当接することによって、射出装置300のY軸方向位置を位置決めする。射出装置300のY軸方向位置は、ノズル320のY軸方向位置と金型装置800の注入口のY軸方向位置とが一致するように決められる。また、位置決め部80は、射出装置300のZ軸方向端面を位置決め部80に当接することによって、射出装置300のZ軸方向位置を位置決めする。
1つの射出装置300の位置決めに用いる位置決め部80の数は、特に限定されないが、例えば3つである。例えば、2つの位置決め部80A、80Bに射出装置300のY軸方向端面を当接することにより、射出装置300のY軸方向位置が決まる。残りの1つの位置決め部80Cに射出装置300のZ軸方向端面を当接することにより、射出装置300のZ軸方向位置が決まる。
位置決め部80は、円柱状に形成される。尚、位置決め部80の形状は、特に限定されない。例えば、位置決め部80は、多角柱状に形成されてもよい。
位置決め部80は、本実施形態では射出装置300のY軸方向端面および/またはZ軸方向端面を当接するものであるが、射出装置300のX軸方向端面を嵌合するものでもよい。射出装置300のX軸方向端面は、射出装置300の取付部本体61との分割面304である。例えば、射出装置300の分割面304には凹部が形成され、その凹部が位置決め部80に嵌合する。
位置決め部80は、本実施形態では部品固定面62に凸状に形成されるが、凹状に形成されてもよい。この場合、射出装置300の分割面304には凸部が形成され、その凸部が位置決め部80に嵌合する。
固定工程S202では、取付部本体61の部品固定面62に射出装置300を分離可能に固定する。部品固定面62に射出装置300を分離可能に固定する固定部としては、例えば固定ボルト90が用いられる。固定ボルト90を締めることで、射出装置300が部品固定面62に固定される。また、固定ボルト90を緩めることで、射出装置300が部品固定面62から分離可能になる。
射出装置300は、固定ボルト90が取付けられるボルト取付部303を有する。ボルト取付部303は、例えば射出装置300から射出装置300の外部に張り出す。ボルト取付部303と射出装置300とが、取付部本体61の部品固定面62に当接される。
固定ボルト90は、例えば、ボルト取付部303のストレート穴に挿通され、取付部本体61のボルト穴に螺合する。固定ボルト90を締めることで、ボルト取付部303が部品固定面62に締め付けられ、射出装置300が部品固定面62に固定される。また、固定ボルト90を緩めることで、射出装置300が部品固定面62から分離可能になる。
ボルト取付部303が射出装置300の外部に配置されるので、射出装置300の外部から固定ボルト90を容易に操作できる。
尚、本実施形態のボルト取付部303は射出装置300の外部に配置されるが、本発明はこれに限定されない。ボルト取付部303は、射出装置300の内部に配置されてもよい。ボルト取付部303は、射出装置300の外部にはみ出さないので、他の部材と干渉しない。
尚、部品固定面62に射出装置300を分離可能に固定する固定部は、固定ボルト90には限定されない。例えば、固定ボルト90の代わりに、電磁石などが用いられてもよい。電磁石は、例えば取付部本体61に配置され、射出装置300を吸着する。電磁石は、射出装置300に配置され、取付部本体61を吸着してもよい。いずれにしろ、電磁石への電流供給を制御することにより、射出装置300を部品固定面62に分離可能に固定できる。
射出装置取付部搬送工程S203では、射出装置取付部60を搬送する。また、射出装置搬送工程S204では、射出装置300を搬送する。本実施形態では、これらの工程S203、S204の前に、射出装置300が射出装置取付部60に分離可能に固定されているので、射出装置取付部60と射出装置300とは、まとめて、成形場所まで搬送される。射出装置取付部60と射出装置300とは、射出成形機本体11の一部として成形場所まで搬送されてよく、例えば図3に示す射出成形機本体搬送工程S103、または図11に示す射出成形機本体搬送工程S103において、成形場所まで搬送される。
平行度調整工程S205では、複数の調整ボルト70を用いて、取付部本体61の部品固定面62の基準面に対する平行度を調整する。取付部本体61の部品固定面62は、射出装置300が分離可能に固定されるものである。取付部本体61の部品固定面62は、例えば取付部本体61の横側面(より詳細にはX軸方向端面)である。この横側面は平坦面である。基準面は、仮想的な面である。基準面は、例えば鉛直面である。
また、平行度調整工程S205では、取付部本体61の部品固定面62のX軸方向位置を調整する。部品固定面62のX軸方向位置は、金型装置800の注入口のX軸方向位置とノズル320のX軸方向位置とが一致するように調整される。ノズル320は、金型装置800の注入口から金型装置800の内部に成形材料を射出するからである。金型装置800の注入口は、例えば上金型810の上面に形成される。
図16は、一実施形態に係る調整ボルトを示す断面図である。図16(a)は、一実施形態に係る取付部本体とスライドベースとの間隔が狭い時の調整ボルトの状態を示す断面図である。図16(b)は、一実施形態に係る取付部本体とスライドベースとの間隔が広い時の調整ボルトの状態を示す断面図である。調整ボルト70は、図16に示すように、固定ボルト71と、回転ボルト72とを有する。
固定ボルト71と回転ボルト72とは、同軸的に配置される。固定ボルト71の軸方向と回転ボルト72の軸方向とは、水平方向(例えばX軸方向)である。固定ボルト71は、回転ボルト72のストレート穴に挿通され、スライドベース302のボルト穴に螺合する。固定ボルト71の頭部とスライドベース302とは、回転ボルト72を回転自在に挟み込む。回転ボルト72は、取付部本体61のボルト穴に螺合する。
作業者が回転ボルト72を回転させると、取付部本体61が回転ボルト72の軸方向に移動する。取付部本体61とスライドベース302とのX軸方向距離を調整でき、取付部本体61の部品固定面62を鉛直にすることができる。尚、平行度調整工程S205は、本実施形態では手動で実施されるが、制御装置700による制御下で自動で実施されてもよい。後者の場合、組立ロボットが、制御装置700による制御下で、平行度調整工程S205を実施する。
分離工程S206では、固定工程S202で固定した射出装置300を、取付部本体61の部品固定面62から分離する。分離工程S206は、固定工程S202の後に実施される。分離工程S206は、例えば固定工程S202で固定された射出装置300の故障時に実施される。故障した射出装置300は、成形場所からメンテナンス場所に搬送され、メンテナンス場所でメンテナンスされる。その後、メンテナンス済みの射出装置300は、メンテナンス場所から保管場所に搬送され、保管場所で保管される。尚、メンテナンス場所は、保管場所を兼ねてもよい。
射出装置再搬送工程S207では、射出装置300を、取付部本体61の部品固定面62に搬送する。射出装置300は、予め別の場所で組立てられ、保管場所で保管されており、保管場所から成形場所に搬送される。
再位置決め工程S208では、取付部本体61の部品固定面62に対する射出装置300のY軸方向位置および/またはZ軸方向位置を位置決め部80によって決める。位置決め部80は、取付部本体61の部品固定面62に形成され、例えば部品固定面62に凸状に形成される。
尚、本実施形態では射出装置再搬送工程S207の後に、再位置決め工程S208が実施されるが、本発明はこれに限定されない。射出装置再搬送工程S207と、再位置決め工程S208とは並行して実施されてもよい。例えば、射出装置300をクレーンなどで吊り下げながら、射出装置300のY軸方向位置および/またはZ軸方向位置を位置決め部80によって決めてもよい。
再固定工程S209では、取付部本体61の部品固定面62に、射出装置300を分離可能に固定する。再固定工程S209で固定する射出装置300Bと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、同一の寸法Cを有する。寸法Cは、射出装置300の分割面304と、射出装置300のシリンダ310の中心線310ZとのX軸方向距離である。シリンダ310の中心線310Zは、シリンダ310の軸方向に延びるものである。射出装置300の分割面304と、射出装置300のシリンダ310の中心線310Zとは、平行である。シリンダ310の中心線310Z上に、ノズル320が配置される。
以上説明したように、本実施形態の組立方法は、固定工程S202と、平行度調整工程S205とを有する。固定工程S202では、取付部本体61の部品固定面62に、射出装置300Aを分離可能に固定する。平行度調整工程S205では、取付部本体61の部品固定面62を鉛直に調整する。
従来の射出装置300は、取付部本体61と分割されておらず、取付部本体61と分離不能であった。スライドベース302から射出装置300を分離するには、調整ボルト70の固定ボルト71を緩め、緩めた固定ボルト71をスライドベース302から取外すことになってしまう。
本実施形態の射出装置300は、取付部本体61の部品固定面62に分離可能に固定される。取付部本体61の部品固定面62は、分離工程S206から再固定工程S209までの間、鉛直に保たれる。鉛直な部品固定面62に射出装置300を当接するだけで、シリンダ310の中心線310Zを鉛直にできる。従って、シリンダ310の中心線310Zを鉛直に調整する作業の頻度を低減できる。
再固定工程S209で固定する射出装置300Bと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、別のものである。メンテナンス場所で射出装置300Aをメンテナンスしながら、成形場所で射出装置300Bの成形動作を実施できる。射出装置300Aのメンテナンス中に別の射出装置300Bの成形動作を実施するので、成形品の生産速度の低下を防止できる。
再固定工程S209で固定する射出装置300Bと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、同一の寸法Cを有する。入替後の射出装置300Bのノズル320のX軸方向位置を、入替前の射出装置300Aのノズル320のX軸方向位置に一致できる。射出装置300の入替の前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのX軸方向位置関係を維持できる。ノズル320と金型装置800の注入口とのX軸方向位置合わせの手間を低減できるので、射出装置300の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
本実施形態の組立方法は、位置決め工程S201と、再位置決め工程S208とを有する。位置決め工程S201と再位置決め工程S208との両方で、同じ位置決め部80が用いられる。
従って、例えば、位置決め工程S201で位置決めした射出装置300AのY軸方向位置と、再位置決め工程S208で位置決めした射出装置300BのY軸方向位置とを揃えることができる。射出装置300の入替の前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのY軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。ノズル320と金型装置800の注入口とのY軸方向位置合わせの手間を低減できるので、射出装置300の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
また、位置決め工程S201で位置決めした射出装置300AのZ軸方向位置と、再位置決め工程S208で位置決めした射出装置300BのZ軸方向位置とを揃えることができる。射出装置300の入替の前後で、スライドベース302と、スライドベース302と共に昇降するノズル320とのZ軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。ノズル320を昇降させる移動装置400の設定変更の手間を省略できるので、射出装置300の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
尚、本実施形態では再固定工程S209で固定する射出装置300Bと分離工程S206で分離する射出装置300Aとは別のものであるが、本発明はこれに限定されない。分離工程S206で分離した射出装置300Aの代わりのものが保管場所にない場合、分離工程S206で分離した射出装置300Aのメンテナンスの終了を待って再固定工程S209が実施される。再固定工程S209では、取付部本体61の部品固定面62に、メンテナンス済みの射出装置300Aを再び分離可能に固定する。
次に、分離工程S206で分離した射出装置300Aを、再固定工程S209で固定する場合について説明する。この場合、再固定工程S209で固定する射出装置300Aと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、同一である。同一の射出装置300Aは、当然に同一の寸法Cを有する。従って、メンテナンスの前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのX軸方向位置関係を維持できる。また、メンテナンスの前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのY軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。また、メンテナンスの前後で、スライドベース302と、スライドベース302と共に昇降するノズル320とのZ軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。従って、成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
図17は、図14に示す組立方法の変形例を示すフローチャートである。上記実施形態の組立方法では図14に示すように固定工程S202の後に平行度調整工程S205が行われるのに対し、本変形例の組立方法では図17に示すように平行度調整工程S205の後に固定工程S202が行われる。
図17に示すように、先ず射出装置取付部搬送工程S203が行われる。射出装置取付部搬送工程S203では、例えば、射出装置300を取り外した状態で、射出成形機本体11が成形場所まで搬送される。次いで、平行度調整工程S205が行われる。平行度調整工程では、複数の調整ボルト70を用いて、取付部本体61の部品固定面62を鉛直に調整する。
続いて、図17に示すように、射出装置搬送工程S204が行われる。射出装置搬送工程S204では、射出装置300が成形場所まで搬送される。次いで、位置決め工程S201が行われる。位置決め工程S201では、取付部本体61の部品固定面62に対する射出装置300のY軸方向位置および/またはZ軸方向位置を位置決め部80によって決める。
射出装置搬送工程S204と位置決め工程S201とは並行して実施されてもよい。例えば、射出装置300をクレーンなどで吊り下げながら、射出装置300のY軸方向位置および/またはZ軸方向位置を位置決め部80によって決めてもよい。射出装置搬送工程S204および位置決め工程S201の後で、固定工程S202が行われる。固定工程S202では、取付部本体61の部品固定面62に射出装置300を分離可能に固定する。
その後、図17に示すように、分離工程S206、射出装置再搬送工程S207、再位置決め工程S208、再固定工程S209が行われる。これらの工程S206〜S209の順序は、図14に示す工程S206〜S209の順序と同じであるので、説明を省略する。
(変形例等)
以上、射出成形機の組立方法、および射出成形機の実施形態などについて説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
例えば、上記実施形態では、取付部本体61の部品固定面62は、例えば取付部本体61の横側面(より詳細にはX軸方向端面)であるが、取付部本体61の上面(Z軸方向端面)であってもよい。以下、変形例に係る射出装置300と射出装置取付部60との組立方法と、上記実施形態に係る射出装置300と射出装置取付部60との組立方法との相違点について主に説明する。
変形例に係る射出装置300と射出装置取付部60との組立方法は、図14に示すように、例えば、位置決め工程S201と、固定工程S202と、射出装置取付部搬送工程S203と、射出装置搬送工程S204と、平行度調整工程S205と、分離工程S206と、射出装置再搬送工程S207と、再位置決め工程S208と、再固定工程S209とを有する。なお、これらの工程S201〜S209は本変形例では図14に示す順番で行われるが、その順番は特に限定されない。例えば、これらの工程S201〜S209は、図17に示す順番で行われてもよい。
図18は、変形例に係る射出装置の固定状態と分離状態とを示す図である。図18(a)は、変形例に係る射出装置の固定状態を示す図である。図18(b)は、変形例に係る射出装置の分離状態を示す図である。射出装置300は、射出装置取付部60を介してスライドベース302に固定される。スライドベース302と上プラテン110との間には油圧シリンダ430が配置される。油圧シリンダ430は、スライドベース302を昇降させることにより、取付部本体61および射出装置300を昇降させる。油圧シリンダ430は、移動装置400を構成する。射出装置取付部60は、射出装置300が分離可能に固定される部品固定面62を有する取付部本体61と、部品固定面62と水平面との平行度を調整する調整ボルト70とを備える。調整ボルト70は、取付部本体61とスライドベース302とを連結する。
位置決め工程S201では、取付部本体61の部品固定面62に対する射出装置300のX軸方向位置および/またはY軸方向位置を位置決め部80によって決める。位置決め部80は、取付部本体61の部品固定面62に形成され、例えば、部品固定面62に凸状に形成される。
位置決め部80は、射出装置300のX軸方向端面を位置決め部80に当接することにより、射出装置300のX軸方向位置を位置決めする。射出装置300のX軸方向位置は、ノズル320のX軸方向位置と金型装置800の注入口のX軸方向位置とが一致するように決められる。また、位置決め部80は、射出装置300のY軸方向端面を位置決め部80に当接することにより、射出装置300のY軸方向位置を位置決めする。
位置決め部80は、本変形例では射出装置300のX軸方向端面および/またはY軸方向端面を当接するものであるが、射出装置300のZ軸方向端面を嵌合するものでもよい。射出装置300のZ軸方向端面は、射出装置300の取付部本体61との分割面304である。例えば、射出装置300の分割面304には凹部が形成され、その凹部が位置決め部80に嵌合する。
固定工程S202では、取付部本体61の部品固定面62に射出装置300を分離可能に固定する。部品固定面62に射出装置300を分離可能に固定する固定部としては、例えば固定ボルト90が用いられる。
射出装置取付部搬送工程S203では、射出装置取付部60を搬送する。また、射出装置搬送工程S204では、射出装置300を搬送する。本実施形態では、これらの工程S203、S204の前に、射出装置300が射出装置取付部60に分離可能に固定されているので、射出装置取付部60と射出装置300とは、まとめて、成形場所まで搬送される。
平行度調整工程S205では、複数の調整ボルト70を用いて、取付部本体61の部品固定面62の基準面に対する平行度を調整する。取付部本体61の部品固定面62は、射出装置300が分離可能に固定されるものである。取付部本体61の部品固定面62は、例えば取付部本体61の上面である。取付部本体61は平坦面である。基準面は、仮想的な面である。基準面は、例えば水平面である。
分離工程S206では、固定工程S202で固定した射出装置300を、取付部本体61の部品固定面62から分離する。分離工程S206は、固定工程S202の後に実施される。分離工程S206は、例えば、固定工程S105で固定された射出装置300の故障時に実施される。故障した射出装置300は、成形場所からメンテナンス場所に搬送され、メンテナンス場所でメンテナンスされる。その後、メンテナンス済みの射出装置300は、メンテナンス場所から保管場所に搬送され、保管場所で保管される。尚、メンテナンス場所は、保管場所を兼ねてもよい。
射出装置再搬送工程S207では、射出装置300を、取付部本体61の部品固定面62に搬送する。射出装置300は、予め別の場所で組立てられ、保管場所で保管されており、保管場所から成形場所に搬送される。
再位置決め工程S208では、取付部本体61の部品固定面62に対する射出装置300のX軸方向位置および/またはY軸方向位置を位置決め部80によって決める。位置決め部80は、取付部本体61の部品固定面62に形成され、例えば部品固定面62に凸状に形成される。
再固定工程S209では、取付部本体61の部品固定面62に、射出装置300を分離可能に固定する。再固定工程S209で固定する射出装置300Bと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、同一の寸法Dを有する。寸法Dは、射出装置300の分割面304と、射出装置300のノズル320の下端とのZ軸方向距離である。射出装置300の分割面304と、射出装置300のシリンダ310の中心線310Zとは、垂直である。シリンダ310の中心線310Zは、シリンダ310の軸方向に延びるものである。
以上説明したように、本変形例の組立方法は、固定工程S202と、平行度調整工程S205とを有する。固定工程S202では、取付部本体61の部品固定面62に、射出装置300Aを分離可能に固定する。平行度調整工程S205では、取付部本体61の部品固定面62を水平に調整する。
従来の射出装置300は、取付部本体61と分割されておらず、取付部本体61と分離不能であった。スライドベース302から射出装置300を分離するには、調整ボルト70の固定ボルト71を緩め、緩めた固定ボルト71をスライドベース302から取外すことになってしまう。
本変形例の射出装置300は、取付部本体61の部品固定面62に分離可能に固定される。取付部本体61の部品固定面62は、分離工程S206から再固定工程S209までの間、水平に保たれる。水平な部品固定面62に射出装置300を当接するだけで、シリンダ310の中心線310Zを鉛直にできる。従って、シリンダ310の中心線310Zを鉛直に調整する作業の頻度を低減できる。
再固定工程S209で固定する射出装置300Bと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、別のものである。メンテナンス場所で射出装置300Aをメンテナンスしながら、成形場所で射出装置300Bの成形動作を実施できる。射出装置300Aのメンテナンス中に別の射出装置300Bの成形動作を実施するので、成形品の生産速度の低下を防止できる。
再固定工程S209で固定する射出装置300Bと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、同一の寸法Dを有する。射出装置300の入替の前後で、スライドベース302と、スライドベース302と共に昇降するノズル320とのZ軸方向位置関係を維持できる。ノズル320を昇降する移動装置400の設定変更を省略できるので、射出装置300の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
本変形例の組立方法は、位置決め工程S201と、再位置決め工程S208とを有する。位置決め工程S201と再位置決め工程S208との両方で、同じ位置決め部80が用いられる。
従って、例えば、位置決め工程S201で位置決めした射出装置300AのX軸方向位置と、再位置決め工程S208で位置決めした射出装置300BのX軸方向位置とを揃えることができる。射出装置300の入替の前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのX軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。ノズル320と金型装置800の注入口とのX軸方向位置合わせの手間を低減できるので、射出装置300の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
また、位置決め工程S201で位置決めした射出装置300AのY軸方向位置と、再位置決め工程S208で位置決めした射出装置300BのY軸方向位置とを揃えることができる。射出装置300の入替の前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのY軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。従って、ノズル320と金型装置800の注入口とのY軸方向位置合わせの手間を低減できるので、射出装置300の入替から成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。
尚、本変形例では再固定工程S209で固定する射出装置300Bと分離工程S206で分離する射出装置300Aとは別のものであるが、本発明はこれに限定されない。分離工程S206で分離した射出装置300Aの代わりのものが保管場所にない場合、分離工程S206で分離した射出装置300Aのメンテナンスの終了を待って再固定工程S209が実施される。再固定工程S209では、取付部本体61の部品固定面62に、メンテナンス済みの射出装置300Aを再び分離可能に固定する。
次に、分離工程S206で分離した射出装置300Aを、再固定工程S209で固定する場合について説明する。この場合、再固定工程S209で固定する射出装置300Aと、分離工程S206で分離する射出装置300Aとは、同一である。同一の射出装置300Aは、当然に同一の寸法Dを有する。従って、メンテナンスの前後で、スライドベース302と、スライドベース302と共に昇降するノズル320とのZ軸方向位置関係を維持できる。また、メンテナンスの前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのX軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。また、メンテナンスの前後で、ノズル320と、金型装置800の注入口とのY軸方向位置関係を位置決め部80によって維持できる。従って、成形動作の再開までの準備の手間を削減できる。