JP2020104418A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
図1乃至図6に本発明の第1実施形態を示す。
本実施の形態の筆記具1は、筒体2と、該筒体2内に収容される筆記体3と、該筆記体3のペン先31を筒体2の前端孔21より出没自在にさせる出没機構とを備える。
筆記体3は、ペン先31と、該ペン先31が前端開口部に圧入固着されたインキ収容管32と、該インキ収容管32内に充填される熱変色性インキと、該熱変色性インキの後端に充填され且つ該熱変色性インキの消費に伴い前進する追従体(例えば高粘度流体)とからなる。
筒体2は、先細円筒状の前軸2aと、該前軸2aの後端部に連結される円筒状の中間軸2bと、該中間軸2bの後端部に連結される円筒状の後軸2cとからなる。筒体2側壁(例えば中間軸2bの側壁及び後軸2cの側壁)には、軸方向に延びるスライド孔22が形成される。筒体2の後端(即ち後軸2cの後端)には、取付孔23が軸方向に貫設され、弾性材料からなる摩擦体7が取付孔23に圧入嵌合される。摩擦体7は、操作部4の軸方向の移動に連動せず、後軸2c(筒体2)の後端外面に固定される。摩擦体7は、操作部4と独立して設けられる。また、本発明の筒体2は、前軸2a、中間軸2b又は後軸2cの少なくともいずれか一つからなる軸筒の他、筆記具のキャップ等の筒状体であってもよい。
図6に示すように、筒体2は、取付孔23の内周面に横断面非円形状を有する内向係合部25を備える。内向係合部25と後述する外向係合部78は、軸心を中心とした回転方向に夫々噛み合うことにより、摩擦体7への力の掛かり方によらず、摩擦体7の軸心を中心とした回転を抑止する。また、好ましくは、内向係合部25は後述する内向突起24の後方に設けられる。これにより、内向係合部25を、内向突起24に比べて径方向に、より大きく形成することができ、摩擦体7がより強固に固定され、より回転を抑止することができる。本実施の形態における内向係合部25は、横断面六角形状を有する。なお、当然のことながら、内向係合部25の形状は図示した形状に限定されず、例えば、楕円形状、半円形状、四角形状、その他の多角形状、又は軸方向に延びる突条若しくはキー溝であってもよい。
取付孔23の内周面には、環状の内向突起24が筒体2と一体に形成される。内向突起24は、前方に向かうに従い内径が次第に小さくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部24aを有する。また、内向突起24は、ガイド部24aの前方に、軸線に対して垂直な面よりなる前端面を有する。ガイド部24aと前端面との間に鋭角な角部よりなる最小内径部24bが形成される。
出没機構は、回転カム機構を用いたサイドスライド式出没機構である。出没機構は、中間軸2b内面に形成されたカム部と、該カム部に係合し且つ筆記体3の後端に当接する回転部材5と、該回転部材5に係合し且つスライド孔22より径方向外方に突出する操作部4と、筒体2内に収容され且つ筆記体3を後方に付勢する弾発体6(例えば圧縮コイルスプリング)とからなる。本実施の形態の出没機構は、ペン先突出操作及びペン先没入操作のいずれもが操作部4を前方にスライド操作するダブルノック式である。回転部材5は合成樹脂(例えばポリアセタール樹脂)の成形体により得られる。
操作部4は、筒体2側壁の軸方向に延びるスライド孔22より径方向外方に突出される操作基部41を備える。また、操作部4は、操作基部41より連設され且つ筒体2内に軸方向に移動可能に収容される軸部43と、操作基部41より前方に連設されるクリップ部44とを備える。クリップ部44は、ポケット等の衣服を挟持可能である。操作部4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)の成形体により得られる。クリップ部44の裏面(内面)に玉部42が突設される。操作基部41と軸部43、操作基部41とクリップ部44、クリップ部44と玉部42のそれぞれは、一部材により一体に形成されるかまたは二分材の組立により形成される。
ペン先没入状態から操作部4の操作基部41を前方に、弾発体6による後方付勢に抗してスライド操作すると、操作部4の軸部43のカム歯によって回転部材5が前方に押圧され、回転部材5の突条がカム溝に沿って前方に移動するに伴って、回転部材5が筆記体3の後端を前方に押圧し、ペン先31が前端孔21より外部に突出される。このとき、軸部43のカム歯と回転部材5の突条との当接によって回転部材5がカム部に対して一定角度だけ回転する。それにより、回転部材5の突条がカム部のカム歯に係合され、ペン先突出状態が維持される。
摩擦体7は、筒体2の後端より軸方向後方に突出する摩擦部72と、該摩擦部72から前方に一体に連設され且つ取付孔23内に挿着される挿着部74とからなり、弾性材料により一体に形成される。本実施の形態では、摩擦体7は、熱変色性の筆跡の表面を擦って筆跡を熱変色させる摩擦変色部材が採用される。摩擦部72の外面は、横断面非円形状を有する。(図5(c)又は図8(c)参照。)なお、当然のことながら、横断面非円形状は図示した形状に限定されず、例えば、三角形状、四角形状、六角形状等、その他の多角形であってもよい。これにより、摩擦体の適切な部分を使用して、熱変色性インキによる筆跡を使用者が意図した部分のみ擦過することができ、必要以上に熱変色させてしまうことを防ぐことができる。
本実施の形態における外向係合部78は、横断面六角形状を有する。言い換えれば、摩擦体7は、挿着部74に六角柱形状の凸部を備える。前述の内向係合部25と外向係合部78は、軸心を中心とした回転方向に夫々噛み合うことにより、摩擦体7への力の掛かり方によらず、摩擦体7の軸心を中心とした回転を抑止する。なお、当然のことながら、外向係合部78の形状は図示した形状に限定されず、例えば、楕円形状、半円形状、四角形状、その他の多角形状、又は軸方向に延びる突条若しくはキー溝であってもよい。
摩擦部72の後面は凸曲面状を有する。摩擦部72の前端には、取付孔23の開口端(具体的には後軸2cの後端)に当接可能な肩部73が形成される。摩擦部72の最大外径は、取付孔23の内径よりも大きく且つ後軸2cの後端の外径よりも小さく設定される。
挿着部74の前端部の外周面には環状の外向突起75が一体に形成される。外向突起75は、後方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面(即ち円錐面)よりなるガイド部75aを有する。外向突起75は、軸線に対して垂直な面よりなる後端面を有する。ガイド部75aと後端面との間に鋭角な角部が形成される。角部が外向突起75における最大外径部75bとなる。即ち、外向突起75が、後方に向かうに従い外径が次第に大きくなる傾斜面よりなるガイド部75aと、該ガイド部75aより後方に形成した最大外径部75bとを備える。
挿着部74の中間部(即ち外向突起75と肩部73との間の部分)の外径aは、取付孔23の内向突起24よりも後方部分の内径bよりも小さく設定される。それにより、外向突起75が内向突起24を乗り越える直前の外向突起75と内向突起24とが当接した際、外向突起75よりも後方の挿着部74の外周面と、内向突起24よりも後方の取付孔23の内周面との間に環状空間76が形成される。
図3に示すように、摩擦体7の肩部73から外向突起75の後端(即ち最大外径部75b)までの軸方向の長さAは、後軸2cの後端から取付孔23の内向突起24の前端(即ち最小内径部24b)までの軸方向の長さBよりも僅かに大きく設定される(図3参照)。それにより、外向突起75が内向突起24を乗り越える時、外向突起75と内向突起24との滑りが悪くても、潤滑剤等を塗布すること無しに外向突起75が内向突起24を確実に乗り越えることができる。
図7乃至図9に、本発明の第2実施形態を示す。これは、第1実施形態の変形例であり、第1実施形態と異なる点は、内向係合部25と外向係合部78の形状である。他の構成及び作用効果は第1実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
図8に示すように、筒体2は、取付孔23の内周面に横断面非円形状を有する内向係合部25を備える。本実施の形態における内向係合部25は、平面取り部を有する。これにより、内向係合部25と後述する外向係合部78は、軸心を中心とした回転方向に夫々噛み合うため、摩擦体7への力の掛かり方によらず、摩擦体7の軸心を中心とした回転を抑止することができる。なお、当然のことながら、内向係合部25の形状は図示した形状に限定されず、例えば、楕円形状、半円形状、四角形状、その他の多角形状、又は軸方向に延びる突条若しくはキー溝であってもよい。
図8に示すように、本実施の形態における外向係合部78は、平面取り部を有する。前述の内向係合部25と外向係合部78は、軸心を中心とした回転方向に夫々噛み合うことにより、摩擦体7への力の掛かり方によらず、摩擦体7の軸心を中心とした回転を抑止する。なお、当然のことながら、外向係合部78の形状は図示した形状に限定されず、例えば、楕円形状、半円形状、四角形状、その他の多角形状、又は軸方向に延びる突条若しくはキー溝であってもよい。また、図8に示すように、挿着部74全体にわたり平面取り部を設けても同様の効果を奏する。
2 筒体
2a 前軸
2b 中間軸
2c 後軸
21 前端孔
22 スライド孔
23 取付孔
24 内向突起
24a ガイド部
24b 最小内径部
25 内向係合部
3 筆記体
31 ペン先
32 インキ収容管
4 操作部
41 操作基部
42 玉部
43 軸部
44 クリップ部
5 回転部材
6 弾発体
7 摩擦体
71 内孔
72 摩擦部
73 肩部
74 挿着部
75 外向突起
75a ガイド部
75b 最大外径部
76 環状空間
77 基部
78 外向係合部
79 接触部分
8 紙面
A 摩擦部の前端から外向突起の後端までの軸方向の長さ
B 筒体の後端から内向突起の前端まで軸方向の長さ
C 軸方向の隙間
a 挿着部の中間部の外径
b 取付孔の内向突起よりも後方部分の内径
Claims (4)
- 軸筒又はキャップ等の筒体を備え、前記筒体の後端部に軸方向後方に開口する取付孔を設け、前記取付孔に弾性材料よりなる摩擦体を挿着してなる筆記具であって、
前記摩擦体は、前記筒体の後端より軸方向後方に突出する摩擦部と、前記摩擦部から前方に一体に連設され且つ前記取付孔内に挿着される挿着部と、を備え、前記挿着部の外周面に外向突起と、横断面非円形状を有する外向係合部と、を備え、
前記筒体は、前記取付孔の内周面に内向突起と、横断面非円形状を有する内向係合部と、を備え、
前記外向突起と前記内向突起とが前後方向に係止され、前記内向係合部と前記外向係合部は、軸心を中心とした回転方向に夫々噛み合うことを特徴とする筆記具。 - 前記外向係合部は前記外向突起の後方に設けられ、前記内向係合部は前記内向突起の後方に設けられることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記外向係合部は少なくとも前記外向突起と軸方向同一位置に設けられ、前記内向係合部は少なくとも前記内向突起と軸方向同一位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記摩擦部の外面が横断面非円形状を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の筆記具。
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