JP2024000379A - 出没式筆記具 - Google Patents

出没式筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP2024000379A
JP2024000379A JP2022099130A JP2022099130A JP2024000379A JP 2024000379 A JP2024000379 A JP 2024000379A JP 2022099130 A JP2022099130 A JP 2022099130A JP 2022099130 A JP2022099130 A JP 2022099130A JP 2024000379 A JP2024000379 A JP 2024000379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular member
tip
writing instrument
chip
barrel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022099130A
Other languages
English (en)
Inventor
優希 有坂
Yuki ARISAKA
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp
Original Assignee
Pilot Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp filed Critical Pilot Corp
Priority to JP2022099130A priority Critical patent/JP2024000379A/ja
Publication of JP2024000379A publication Critical patent/JP2024000379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

【課題】 筆記時にチップのガタつきが防止されて安定した筆記感が得られる一方、作動不良の虞が小さく、チップの突出動作の滑らかさを長期間維持できる出没式筆記具を提供すること。【解決手段】 本発明は、前端に開口を有する軸筒と、軸筒の軸方向に移動可能なチップホルダーと、チップホルダーの移動に伴って出没可能なチップと、軸筒の開口の内周に遊嵌され軸方向に移動可能な環状部材と、チップホルダーと環状部材とを互いに相対移動可能に接続可能な弾性部材と、を備える。環状部材の外周の少なくとも一部には、前端に向かって先細状の当接面が形成されており、環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に環状部材の内径が縮径するようになっている。環状部材の前方側の内周には、チップの周囲に当接するチップ当接面が形成されており、チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域は、前端に向かって先細状である。【選択図】 図4

Description

本発明は、チップホルダーの移動に伴って軸筒の開口からチップが出没可能な出没式筆記具に関する。
特許文献1には、筆記先端部の振れ防止装置が開示されている。当該装置の構成は、筆記先端部の適宜位置に凹溝を設け、軸筒先端部の内径とほぼ等しい外径の弾性を有するOリングを前記凹溝に嵌着したものである。当該装置によれば、鉛筆タイプ及びノック式筆記具において、筆記時の筆記先端部が軸筒先端部の先端孔に当接しておこるガタツキ音を防止することができる。
特許文献2にも、筆記先端部の振れ防止装置が開示されている。当該装置の構成は、軸筒の先端内に設けた係止段部に、筆記先端部外径より僅かに小内径の弾性リングを係合したものである。当該装置によれば、弾性リングが筆記先端部を係止するため、軸筒の先端内径と筆記先端部との間に隙間があっても、筆記時にガタつく事を防止することができる。
特許文献3には、軸筒に対し前後方向に摺動して該軸筒の開口部から筆記体の筆記部を繰り出す筆記具が開示されている。筆記体の先端部外周に環状部材が配設されていて、筆記部が出没する軸筒先端の開口部周辺の内側面に、環状部材が当接する略球面状の内面が形成されている。環状部材は、筆記体に対してスプリングを介して固定されていて、前方に向けて付勢されている。筆記部が繰り出されると、スプリングの弾発力によって環状部材が軸筒先端の内側面に密着される。これにより、筆記時にガタつく事を防止することができる。
本件出願人による特許文献4は、チップのガタつきを防止した出没式筆記具として、4タイプの構成を開示している。
更に、本件出願人による特許文献5は、特許文献1~4の問題点を改善した出没式筆記具の構成を開示している(但し、特許文献5(及びそこに開示された内容)は、本願出願の時点では未公開である)。
図8は、特許文献5の第1実施形態における出没式筆記具10の概略縦断面図であって、チップ14(筆記体)が突出していない状態を示す図である。図9は、当該実施形態の出没式筆記具10の先端部分の拡大縦断面図である。
また、図10(a)は、本実施形態の出没式筆記具10の環状部材15の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)の環状部材15の平面図であり、図10(c)は、図10(a)の環状部材15の側面図であり、図10(d)は、図10(a)の環状部材の底面図であり、図10(e)は、図10(c)のA-A線断面図であり、図10(f)は、図10(a)の環状部材の正面図(先端側から見た図)であり、図10(g)は、図10(a)の環状部材の背面図である。
更に、図11は、本実施形態の出没式筆記具10において、チップ14の突出操作の過程で、チップ14が環状部材15と接触した状態を示す概略図であり、図12は、本実施形態の出没式筆記具10において、チップ14の突出操作の過程で、チップ14が最も突出した状態を示す概略図であり、図13は、本実施形態の出没式筆記具10において、チップ14の突出操作が終了した後の、チップ14が突出した状態を示す概略図である。
図8乃至図13に示す第1実施形態の出没式筆記具10は、前端に開口を有する円筒形状の軸筒11を備えている。図8乃至図10に示すように、当該軸筒11は、本実施形態では、後方部11rと、前方部11mと、を有している。後方部11rと前方部11mとは、ネジ結合(螺合)によって取り外し可能に固定されている。もっとも、後方部11rと前方部11mとは、嵌め合い結合によって固定されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。
軸筒11の内部には、軸筒11の軸方向に移動可能なチップホルダー13が収容されている。チップホルダー13の前端に、筆記体であるチップ14が固定されている。チップ14は、チップホルダー13の移動に伴って、図11乃至図13に示すように、軸筒11の開口から出没可能となっている。
チップホルダー13は、図9に示すように、基端側から先端側に向かって、基端部13a、第1カラー部13b及び第2カラー部13cを当該順序で有している。基端部13a及び第1カラー部13bは、本実施形態ではいずれも円筒形状の部位であり、第2カラー部13cは、本実施形態では切頭円錐形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、基端部13a>第1カラー部13b>第2カラー部13cとなっている。
本実施形態では、図9に示すように、軸筒11の開口の内周に、当該軸筒11に対して当該軸筒11の軸方向に移動可能な環状部材15が遊嵌されている。環状部材15の前方端は、軸筒11の前方端よりも前方側に位置している。環状部材15の後方側は、外径も内径も拡径されていて、チップ14(φ2.5とする)の周囲を非接触に覆っている。
また、環状部材15は、コイルバネ16(弾性部材の一例)の前方端に固定されている。コイルバネ16は、チップホルダー13の第2カラー部13c及びチップ14を遊嵌状態で(隙間を空けて)取り囲んでおり、コイルバネ16の後方端がチップホルダー13の基端部13aによって常時押圧されている(固定はされていない)。これにより、コイルバネ16は、チップホルダー13と環状部材15とを互いに相対移動可能に接続している。そして、図11乃至図13に示すように、チップホルダー13の移動及びコイルバネ16の伸縮変形に伴って、環状部材15は、軸筒11に対して当該軸筒11の軸方向に移動可能となっている。
環状部材15は、樹脂製(例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン製)または金属製(例えば真鍮製)である。
また、図10(a)乃至図10(g)に示すように、環状部材15の外周面は、前方側から、小外径円筒面15a(φ3.6mm、軸方向長さ1.6mm)と、先細状の当接面としての第1切頭円錐外面15b(軸方向長さ1.1mm)と、中外径円筒面15c(φ4.85mm、軸方向長さ1.5mm)と、先細状の当接面としての第2切頭円錐外面15d(軸方向長さ1.6mm)と、第1大外径円筒面15e(φ6.3mm、軸方向長さ0.8mm)と、先細状の当接面としての第3切頭円錐外面15f(軸方向長さ0.4mm)と、第2大外径円筒面15g(φ6.6mm、軸方向長さ3.3mm)と、が当該順序で設けられている。
また、図10(e)に示すように、環状部材15の内周面は、前方側から、小内径円筒面15ia(φ3.0mm、軸方向長さ2mm)と、第1切頭円錐内面15ib(軸方向長さ0.5mm)と、中内径円筒面15ic(φ3.6mm、軸方向長さ3.9mm)と、第2切頭円錐内面15id(軸方向長さ0.4mm)と、四面払い部15ie(内接円φ5.28mm、軸方向長さ0.9mm)と、大内径円筒面15if(φ5.43mm、軸方向長さ2.1mm)と、第3切頭円錐内面15ig(軸方向長さ0.4mm)と、が当該順序で設けられている。図9に示すように、本実施形態では、四面払い部15ie上に、コイルバネ16の前方端が固定(嵌合固定)されている。
また、本実施形態の環状部材15には、切欠きとして、3本のスリット15sが設けられている。図10(a)乃至図10(g)に示すように、3本のスリット15sは、環状部材15の周方向に等間隔に(120°おきに)配置されている。また、3本のスリット15sは、いずれも、幅0.8mmで、環状部材15の軸方向に前端から第2切頭円錐外面15dの略中央まで延びている(軸方向最大長さ5.5mm)。
これにより、第1切頭円錐外面15b(当接面)において荷重を受ける時、環状部材15の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材15の内径は弾性的に復帰するようになっている。
一方、図9、図12又は図13に示すように、軸筒11の開口近傍の内周面は、前方側から、小内径円筒面11ia(φ3.7mm、軸方向長さ1.2mm)と、先細状の案内面としての第1切頭円錐内面11ib(軸方向長さ1.1.mm)と、中内径円筒面11ic(φ4.95mm、軸方向長さ1.3mm)と、先細状の案内面としての第2切頭円錐内面11id(軸方向長さ1.7mm)と、第1大内径円筒面11ie(φ6.5mm、軸方向長さ0.8mm)と、第3切頭円錐内面11if(軸方向長さ0.3mm)と、第2大内径円筒面11ig(φ6.7mm、軸方向長さ4.2mm)と、規制要素としての環状突起11ih(最小絞り径φ6.5mm)と、が当該順序で設けられている。
これにより、第1切頭円錐外面15b(当接面)は、それぞれ、チップホルダー13の前端側への移動に伴って、第1切頭円錐内面11ib及び第2切頭円錐内面11id(案内面)から荷重を受けるようになっている。
なお、本実施形態のコイルバネ16は、チップ14の没入操作(例えばチップ14の突出状態を維持するロック機構を解除するための筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)がなされた時に、チップホルダー13を自動的に没入させる機能を併せ持つ。すなわち、コイルバネ16は、いわゆるノックバネとして機能するようになっている。(操作荷重は50gf~300gf程度(0.49N~2.94N程度)である。例えば、非使用時(図9)からの操作荷重は68gf、フルストローク時(図12)の荷重は288gf、筆記時(図13)からの操作荷重は227gfである。また、バネ定数は0.23N/mmである。)
以上のような構成の出没式筆記具10は、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は、図8及び図9に示すような没入状態にある。この時、コイルバネ16の軸方向長さは17mmであり、環状部材15は縮径しておらず、環状部材15の小内径円筒面15iaはφ3.0(>チップ14の外径)のままである。
そして、チップの突出操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)がなされると、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は、図11に示す状態に至る。
図11の状態では、チップ14の突出操作によって、チップホルダー13の第2カラー部13cが前方側に移動されている。これにより、コイルバネ16を介して、環状部材15が軸筒11の内面の前方側に移動され更に当該内面の前方側に対して押圧され、第1切頭円錐外面15b(当接面)が、第1切頭円錐内面11ib(案内面)から荷重を受け、環状部材15の3本のスリット15sの存在によって環状部材15の内径が縮径している。
この縮径時の内径が、チップ14の外径に対応するようになっている。すなわち、この縮径時の最小内径(例えば2.35mm~2.45mm程度)が、軸方向にはチップ14(例えばφ2.5mm)の滑らかな摺動を許容する一方で、径方向にはチップ14の効果的な振れ止め作用を奏する寸法となっている。また、チップ14の外径が前述のφ2.5mmより小さい(例えばφ2.4mm)か大きい(例えばφ2.6mm)場合でも、同一の(同一寸法の)環状部材15によって同様に効果的な振れ止め作用を得ることができる。すなわち、本実施形態の出没式筆記具10は、振れ止め作用について、異なるチップ外径を有する異なるタイプのレフィルについて互換性がある。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第2切頭円錐外面15dが第2切頭円錐内面11idと当接することによって、環状部材15の前方側への移動限界が規定されている。すなわち、本実施形態では、環状部材15の第2切頭円錐外面15dと軸筒11の第2切頭円錐内面11idとが、環状部材15の前方側への移動限界を規定するストッパ要素として機能するようになっている。もっとも、このようなストッパ要素は、省略可能である。
続いて、チップの突出操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)が継続されると、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は、図12に示す状態に至る。
そして、チップの突出操作が終了する(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作が解除される)と、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は、図13に示す状態に至る。通常は、図13の突出状態においてチップホルダー13の位置がロックされ、その後にチップの没入操作がなされるまで、チップ14の突出状態が維持される。この時、コイルバネ16の軸方向長さは9.9mmであり(10.1mm圧縮)、当該コイルバネ16の復元力によって環状部材15は縮径状態に維持される。これにより、チップ14をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
ここで、環状部材15の前方側への移動限界を規定するストッパ要素が機能する場合であっても、環状部材15の内周面の小内径円筒面15iaの寸法がチップ14の外径よりも十分に小さい場合(直径差が0.05mm程度以上ある場合:段落0103参照)には、チップホルダー13と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップ14をガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
その後、チップの没入操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部の再スライド操作)がなされると、例えば不図示のロック機構が解除され、出没式筆記具10のチップ14(筆記体)は再び図12の状態となり、更にコイルバネ16の作用(復元力)によって、図11の状態を経由して図9の没入状態に戻る。
図11の状態から図9の没入状態に至る過程において、チップホルダー13が後方側に移動されるため、第1切頭円錐外面15b(当接面)が、第1切頭円錐内面11ib(案内面)から受けていた荷重が消失する。これに伴って、縮径していた環状部材15の内径が元の状態に戻る。
なお、チップの出没操作の前述の過程において、環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)と軸筒11の案内面(第1切頭円錐内面11ib)とは、常時当接している。
以上の通り、本実施形態の出没式筆記具10によれば、チップホルダー13の前端側への移動に伴って環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)が軸筒11の案内面(第1切頭円錐内面11ib)から荷重を受けることによって、環状部材15のスリット15sの存在によって環状部材15の内径が縮径する。これにより、軸筒11と環状部材15とが協働してチップ14をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。更に、本実施形態の出没式筆記具10によれば、環状部材15の前方側への移動限界を規定するストッパ要素が機能しているが、環状部材15の内周面の小内径円筒面15iaの寸法がチップ14の外径よりも十分に小さいため(直径差が0.05mm程度以上ある:段落0103参照)、チップホルダー13と環状部材15とがコイルバネ16によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材15の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップ14をガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、切欠きとしての3本のスリット15sが環状部材15の周方向に等間隔に配置されており、各スリット15sが環状部材15の軸方向に延びているため、環状部材15の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)と軸筒11の案内面(第1切頭円錐内面11ib)とが、互いに対応する切頭円錐外面と切頭円錐内面であることにより、環状部材15の当接面は周方向にバランスよく荷重を受けることができ、結果的に環状部材15が周方向にバランス良く縮径することができる。このように、環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)と軸筒11の案内面(第1切頭円錐内面11ib)とは、互いに前端に向かって先細状であることが好ましい。先細状の当接面は、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していて、先細状の案内面は、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であってもよい。
また、スリット15sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、環状部材15の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。また、環状部材15の材料及び/または肉厚を変更することによっても、環状部材15の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
また、本実施形態では、軸筒11の内周面に環状突起11ihが設けられており、環状部材15の後方側の移動限界が規定されている。これにより、環状部材15の後方側への過剰な移動(特には脱落)を効果的に防止することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、環状部材15においてチップ14を把持する把持部(縮径時の最小内径部)は、当該環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)よりも前方に位置している(前記当接面の径方向内方には把持部がない)。これにより、チップ14をより前方側で把持することができ、より効果的にチップ14をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、スリット15sの後方端は、コイルバネ16よりも前方に位置している。これにより、スリット15sの存在によって環状部材15が撓んだ状態においても、コイルバネ16と環状部材15との安定的な接続を維持することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)と軸筒11の案内面(第1切頭円錐内面11ib)とが、常時当接している。これにより、チップ14の出没操作の度に環状部材15の当接面と軸筒11の案内面とが当接と離間とを繰り返すということがないため、動作が安定し、ユーザの操作感も滑らかである(違和感がない)。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、環状部材15は、軸筒11の開口から前方側に突出している。これにより、チップ14をより長い軸方向範囲で把持することができるため、チップ14をガタつき(遊び)の無い態様でより効果的に把持することを保証できる。更に、出没式筆記具10に振れ止め作用を奏する部品(環状部材15)が搭載されていることを、ユーザに対して視覚的にアピールすることができる。更に、チップ14が突出した状態の出没式筆記具10の前端近傍の外観形状について、後方からペン先にかけて滑らかな形状でつなげることができ、美観を向上させる効果も奏することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具10によれば、環状部材15が軸筒11の開口から前方側に突出する量(長さ)は、環状部材15の軸方向の可動範囲よりも小さい。これにより、環状部材15が軸筒11の開口内に没入されるように押し込まれる場合でも、依然として環状部材15が軸方向の可動範囲内にあるため、環状部材15の不所望の脱落等が有効に防止され得る。
また、本施形態の出没式筆記具10において、チップ14の出没操作のためのノック操作部、または、軸筒11の後部に、熱変色性筆記具用の軟質部材(擦過部材)が設けられることが好ましい。従来の構成を熱変色性筆記具に採用した場合、筆跡擦過時の振動によってチップ(またはチップホルダー)のガタつきが生じ、ノイズを発生させる虞があったが、本実施形態の構成ではそのような虞がない。従って、本実施形態の構成は、熱変色性筆記具に採用することも推奨される。
実開平5-85683 実開平5-93884 特開2013-220602 特開2019-111657 PCT/JP2021/046938(本願出願の時点で未公開)
特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、Oリングが径方向に変形し得るため、ガタつきを防止する効果が不十分である。また、Oリングの表面に筆記部が食いついてしまうことがあり、繰り出した筆記部をスムーズに収納することができない場合がある。
一方、特許文献3に開示された技術では、筆記時のガタツキを防止する効果を高めるためには、環状部材の内面と筆記部の外周面との間の寸法関係を適切に管理する必要がある。例えば、筆記部の外周面と軸筒の先端部内面との間の隙間寸法より筆記部の外周面と環状部材の内面との間の隙間寸法の方が大きければ、筆記時のガタツキを防止する効果を得られない。このため、高い寸法精度が要求され、生産性の点で問題がある。
また、特許文献4の第1タイプの構成及び第4タイプの構成では、2種類のコイルバネが併用されているため、これらのコイルバネが組立時やレフィル交換時に引っ掛かり合って、作業の円滑性が損なわれる場合がある。更に、チップホルダーの出没動作に伴うコイルバネの収縮時に、これらのコイルバネが絡み合って作動不良を生じてしまう虞がある(特許文献5の段落0040等参照)。
一方、特許文献4の第2タイプの構成及び第3タイプの構成では、樹脂バネ部の伸縮の程度(撓み量)を大きくすることが難しいため、設計の自由度が低い(特許文献5の段落0041等参照)。
特許文献5の第1実施形態の構成によれば、前述の通り、本実施形態の出没式筆記具10によれば、チップホルダー13の前端側への移動に伴って環状部材15の当接面(第1切頭円錐外面15b)が軸筒11の案内面(第1切頭円錐内面11ib)から荷重を受けることによって、環状部材15のスリット15sの存在によって環状部材15の内径が縮径する。これにより、軸筒11と環状部材15とが協働してチップ14をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
しかしながら、特許文献5の第1実施形態の構成においては、図9に示すようなチップ14(筆記体)の没入状態においても、コイルバネ16が環状部材15を前方側に付勢している。このため、環状部材15の当接面が軸筒11の案内面から荷重を受けて、環状部材15の内径が(僅かではあるが)縮径した状態となっている。そして、このような状態が長時間継続すると(チップ14(筆記体)を突出させない期間が長いと)、コイルバネ16の継続的な作用によって縮径が所望値を超える程度にまで進行してしまう(「クリープ」と呼ばれる)(チップ14を突出させることが時々あれば、当該チップ14が環状部材15内を貫通することで過剰な縮径状態を元に戻すということが期待できる)。縮径の程度が所望値を超えてしまうと、その後にチップ14を突出させる動作を実施する際に、ユーザが不快な抵抗感を感じてしまう虞がある。
より具体的には、図10(e)を参照して、環状部材15の小内径円筒面15ia(φ3.0mm、軸方向長さ2mm)と、第1切頭円錐内面15ib(小径側φ3.0mm、大径側φ3.6mm、軸方向長さ0.5mm、傾斜角度(勾配)約31°(arctan(1.8(=φ3.6/2) / 3.0(=0.5×φ3.6/(φ3.6―φ3.0)))と、の接続領域(稜線状の境界)をチップ14が通過する際に、環状部材15の縮径の程度が所望値を超えていると、ユーザが不快な抵抗感を感じてしまう虞がある。
この点、特許文献5の第1実施形態の構成においては、環状部材15の第2切頭円錐外面15dと軸筒11の第2切頭円錐内面11idとが、環状部材15の前方側への移動限界を規定するストッパ要素として機能するようになっている。しかしながら、本件発明者は、第2切頭円錐外面15d及び第2切頭円錐内面11idのいずれもが後端に向かって先細状であるために、前述の「クリープ」を十分に抑制することができないことを知見した。
本発明は、以上のような知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筆記時にチップのガタつきが防止されて安定した筆記感が得られる一方、作動不良の虞が小さく、更にチップの突出動作の滑らかさを長期間維持することができる出没式筆記具を提供することである。
本発明は、前端に開口を有する軸筒と、前記軸筒の内部に収容され、前記軸筒の軸方向に移動可能なチップホルダーと、前記チップホルダーの前端に固定され、前記チップホルダーの移動に伴って前記軸筒の前記開口から出没可能なチップと、前記軸筒の前記開口の内周に遊嵌され、当該軸筒に対して当該軸筒の軸方向に移動可能な環状部材と、前記チップホルダーと前記環状部材とを互いに相対移動可能に接続可能な弾性部材と、を備え、前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっており、前記環状部材の前方側の内周には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って当該環状部材の内径が縮径する時に前記チップの周囲に当接するチップ当接面が形成されており、前記環状部材の後方側の内周には、前記チップ及び/または前記チップホルダーに当接することなく前記チップ及び/または前記チップホルダーの軸方向の移動を許容する遊嵌面が形成されており、前記チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域は、前端に向かって先細状であることを特徴とする出没式筆記具である。
本発明によれば、チップホルダーの前端側への移動に伴って環状部材の当接面が軸筒の案内面から荷重を受けることによって、環状部材の切欠きの存在によって環状部材の内径が縮径する。これにより、軸筒と環状部材とが協働してチップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
また、本発明によれば、チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域が前端に向かって先細状であることによって、チップ当接面に対してチップが当接を始める際の抵抗を顕著に低減することができる。当該先細状領域の傾斜角度は、7°~9°程度であることが好ましい。また、当該先細状領域の軸方向長さは、1.0mm~1.2mm程度であることが好ましい。
例えば、前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後方側領域は、切頭円錐面を有していることが好ましい。これによれば、チップ当接面に対してチップが当接を始める際の抵抗を、より効果的に低減することができる。
また、前記チップ当接面のうちの少なくとも後端側領域には、R面取りが設けられていることが好ましい。これによれば、特にチップの位置がいずれかの径方向に偏ってしまっているような場合において、チップ当接面に対してチップが当接を始める際の抵抗をより効果的に低減することができる。
より具体的には、前記チップ当接面に対して後方側に隣接して、前端に向かって先細状であって前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後方側領域の先細状の傾斜角度よりも傾斜角度がより大きい先細状である推移面が形成されている場合において、前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後端側領域と前記推移面との間に、R面取りが設けられていることが好ましい。これによれば、特にチップの位置がいずれかの径方向に偏ってしまっているような場合において、チップ当接面に対してチップが当接を始める際の抵抗をより効果的に低減することができる。
また、本発明において、前記チップ当接面のうちの前方側領域は、円筒状面または略円筒状面であってよい。あるいは、本発明において、前記チップ当接面の全体が、前端に向かって先細状であってもよい。
また、本発明によれば、弾性部材を「ノックバネ」として機能させることができるため、別途にノックバネ用のコイルバネを併用する必要がない。これにより、部品点数が低減され、組立作業が容易化され、作動不良の虞が顕著に低減され得る。
好ましくは、環状部材においてチップまたはチップホルダーを把持する把持部は、当該環状部材の前記当接面よりも前方に位置している(前記当接面の径方向内方には把持部がない)。これによれば、チップまたはチップホルダーをより前方側で把持することができ、より効果的にチップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
好ましくは、前記軸筒及び/または前記環状部材に、前記環状部材の後方側の移動限界を規定するストッパ要素が設けられる。この場合、環状部材の過剰な移動(特には脱落)を効果的に防止することができる。
好ましくは、前記切欠きは、前記環状部材の周方向に等間隔に複数が配置されており、前記複数の切欠きの各々は、前記環状部材の軸方向に延びるスリットである。この場合、環状部材の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、この場合、前記スリットの後方端は、前記弾性部材よりも前方に位置することが更に好ましい。これによれば、スリットの存在によって環状部材が撓んだ状態においても、弾性部材と環状部材との安定的な接続を維持することができる。
前記当接面は、前端に向かって先細状であることが好ましく、前記案内面も、前端に向かって先細状であることが好ましい。前記当接面は、例えば切頭円錐面を有していることが好ましい。この場合、前記案内面は、対応する凹切頭円錐面であることが好ましい。あるいは、前記当接面は、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していることが好ましい。この場合、前記案内面は、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であることが好ましい。
また、好ましくは、前記弾性部材は、コイルバネである。
また、好ましくは、前記環状部材と前記弾性部材とは、互いに固定されており、前記弾性部材は、前記チップホルダーの環状カラーに接続可能であり、前記弾性部材は、前記チップホルダーの前記環状カラーから離間可能である。この場合、環状部材及び弾性部材は軸筒側のみに保持された態様となるため、従来のチップホルダーを有する既存の交換用レフィルを利用することができる。
また、好ましくは、前記当接面と前記案内面とは、常時当接している。この場合、チップの出没操作の度に環状部材と軸筒内面とが当接と離間とを繰り返すということがないため、動作が安定し、ユーザの操作感も滑らかである(違和感がない)。
また、好ましくは、前記環状部材は、前記軸筒の前記開口から前方側に突出している。この場合、チップまたはチップホルダーをより長い範囲で把持することができるため、チップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様でより効果的に把持することを保証できる。
また、この場合、環状部材が軸筒の開口から前方側に突出する量(長さ)は、環状部材の軸方向の可動範囲よりも小さいことが更に好ましい。これによれば、環状部材が軸筒の開口内に没入されるように押し込まれる場合でも、依然として環状部材が軸方向の可動範囲内にあるため、環状部材の不所望の脱落等を防止することができる。
また、好ましくは、前記チップの出没操作のための操作部、または、前記軸筒の後部に、軟質部材が設けられている。従来の構成を熱変色性筆記具に採用した場合、筆跡擦過時の振動によってチップまたはチップホルダーのガタつきが生じ、ノイズを発生させる虞があったが、本発明の構成ではそのような虞がない。従って、本発明の構成は、熱変色性筆記具に採用することも推奨される。
また、好ましくは、前記軸筒に対して前後方向にスライド可能に設けられたノック部材を更に備え、前記チップは、前記ノック部材が前方に移動される度に、前記軸筒の前記開口から突出ないし没入を交互に繰り返すよう前後に移動されるようになっており、前記環状部材は、前記ノック部材が前方に移動される度に、前記軸筒に対して回転されるようになっている。これによれば、ノック部材の前方への移動(操作)に伴って環状部材が回転されるため、ユーザは環状部材の回転を視認可能である。これにより、ユーザに視覚的な面白さを提供することができる。
また、本発明は、以上の出没式筆記具の軸筒のみをも対象とするものである。すなわち、本発明は、前端にチップが固定されたチップホルダーを軸方向に移動可能に収容可能であって、前端に開口を有し、前記チップホルダーの移動に伴って前記チップを前記開口から出没させることが可能な出没式筆記具用の軸筒であって、当該軸筒の前記開口の内周に遊嵌され、当該軸筒に対して当該軸筒の軸方向に移動可能な環状部材と、前記チップホルダーと前記環状部材とを互いに相対移動可能に接続可能な弾性部材と、前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっており、前記環状部材の前方側の内周には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って当該環状部材の内径が縮径する時に前記チップの周囲に当接するチップ当接面が形成されており、前記環状部材の後方側の内周には、前記チップ及び/または前記チップホルダーに当接することなく前記チップ及び/または前記チップホルダーの軸方向の移動を許容する遊嵌面が形成されており、前記チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域は、前端に向かって先細状であることを特徴とする出没式筆記具用の軸筒である。
本発明によれば、チップホルダーの前端側への移動に伴って環状部材の当接面が軸筒の案内面から荷重を受けることによって、環状部材の切欠きの存在によって環状部材の内径が縮径する。これにより、軸筒と環状部材とが協働してチップまたはチップホルダーをガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。また、本発明によれば、チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域が前端に向かって先細状であることによって、チップ当接面に対してチップが当接を始める際の抵抗を顕著に低減することができる。また、本発明によれば、弾性部材を「ノックバネ」として機能させることができるため、別途にノックバネ用のコイルバネを併用する必要がない。これにより、部品点数が低減され、組立作業が容易化され、作動不良の虞が顕著に低減され得る。
本発明の第1実施形態における出没式筆記具の概略縦断面図であって、チップ(筆記体)が突出していない状態を示す図である。 図2(a)は、図1の出没式筆記具の環状部材の斜視図である。図2(b)は、図2(a)の環状部材の平面図である。図2(c)は、図2(a)の環状部材の側面図である。図2(d)は、図2(a)の環状部材の底面図である。図2(e)は、図2(c)のA-A線断面図である。図2(f)は、図2(a)の環状部材の正面図(先端側から見た図)である。図2(g)は、図2(a)の環状部材の背面図である。 図3は、図2(e)の拡大図である。 図4は、本発明の第1実施形態の出没式筆記具の作用を説明するための概略縦断面図である。 図5は、本発明の第2実施形態の出没式筆記具の環状部材の断面拡大図である(図3に対応する図である)。 図6は、本発明の第2実施形態の出没式筆記具の作用を説明するための概略縦断面図である。 図7は、チップの好適な形状について説明する図である。 特許文献5の第1実施形態における出没式筆記具の概略縦断面図であって、チップ(筆記体)が突出していない状態を示す図である。 図9は、図8の出没式筆記具の先端部分の拡大縦断面図である。 図10(a)は、図8の出没式筆記具の環状部材の斜視図である。図10(b)は、図10(a)の環状部材の平面図である。図10(c)は、図10(a)の環状部材の側面図である。図10(d)は、図10(a)の環状部材の底面図である。図10(e)は、図10(c)のA-A線断面図である。図10(f)は、図10(a)の環状部材の正面図(先端側から見た図)である。図10(g)は、図10(a)の環状部材の背面図である。 図8の出没式筆記具において、チップの突出操作の過程で、チップが環状部材と接触した状態を示す概略図である。 図8の出没式筆記具において、チップの突出操作の過程で、チップが最も突出した状態を示す概略図である。 図8の出没式筆記具において、チップの突出操作が終了した後の、チップが突出した状態を示す概略図である。 レフィルの縦断面図である。 レフィルの後端部の斜視図である。 レフィルの後端部の平面図である。 例示的な軸筒の前軸の縦断面図である。 例示的な軸筒の中間軸の縦断面図である。 例示的な軸筒の後軸の縦断面図である。 ノック部材の縦断面図である。 出没回転部材の斜視図である。 出没回転部材の正面図である。 出没回転部材の底面図である。 図23のC-C線断面図である。 回転カム機構の原理を説明する概略図である。 出没回転部材とレフィル後端との当接状態を示す縦断面図である。 出没回転部材とレフィル後端との当接状態を示す斜視図である。 図1の拡大図に対応する図であって、コイルバネの巻き方向を逆にした態様の図である。 図29(a)は、変形例の出没式筆記具の環状部材の斜視図である。図29(b)は、図29(a)の環状部材の平面図である。図29(c)は、図29(a)の環状部材の側面図である。図29(d)は、図29(a)の環状部材の底面図である。図29(e)は、図29(c)のA-A線断面図である。図29(f)は、図29(a)の環状部材の正面図(先端側から見た図)である。図29(g)は、図29(a)の環状部材の背面図である。
以下、図面を参照して本発明の2つの実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における出没式筆記具110の概略縦断面図であって、チップ114(筆記体)が突出していない状態を示す図である。
また、図2(a)は、本実施形態の出没式筆記具110の環状部材115の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の環状部材115の平面図であり、図2(c)は、図2(a)の環状部材115側面図であり、図2(d)は、図2(a)の環状部材の底面図であり、図2(e)は、図2(c)のA-A線断面図であり、図2(f)は、図2(a)の環状部材の正面図(先端側から見た図)であり、図2(g)は、図2(a)の環状部材の背面図である。また、図3は、図2(e)の拡大図である。
更に、図4は、本実施形態の出没式筆記具110において、チップ114の突出操作の過程で、チップ114が環状部材115と接触した状態を示す概略図である。本実施形態の出没式筆記具110は、図4に示す状態を経由して、チップ114が最も突出した状態となり(図12と概ね同じ状態)、チップ114の突出操作が終了した後、チップ114が筆記用に突出した状態に位置決めされる(図13と概ね同じ状態)。
図1乃至図4に示す第1実施形態の出没式筆記具110は、前端に開口を有する円筒形状の軸筒111を備えている。図1に示すように、当該軸筒111は、本実施形態では、後方部111rと、前方部111mと、を有している。後方部111rと前方部111mとは、ネジ結合(螺合)によって取り外し可能に固定されている。もっとも、後方部111rと前方部111mとは、嵌め合い結合によって固定されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。
軸筒111の内部には、軸筒111の軸方向に移動可能なチップホルダー113が収容されている。チップホルダー113の前端に、筆記体であるチップ114が固定されている。チップ114は、チップホルダー113の移動に伴って、図4に示すように、軸筒111の開口から出没可能となっている。
チップホルダー113は、図4に示すように、基端側から先端側に向かって、基端部113a、第1カラー部113b及び第2カラー部113cを当該順序で有している。基端部113a及び第1カラー部113bは、本実施形態ではいずれも円筒形状の部位であり、第2カラー部113cは、本実施形態では切頭円錐形状の部位であり、それらの断面直径の相互関係は、基端部113a>第1カラー部113b>第2カラー部113cとなっている。
本実施形態では、図4に示すように、軸筒111の開口の内周に、当該軸筒111に対して当該軸筒111の軸方向に移動可能な環状部材115が遊嵌されている。環状部材115の前方端は、軸筒111の前方端よりも前方側に位置している。環状部材115の後方側は、外径も内径も拡径されていて、チップ114(φ2.5とする)の周囲を非接触に覆っている。
また、環状部材115は、コイルバネ116(弾性部材の一例)の前方端に固定されている。コイルバネ116は、チップホルダー113の第2カラー部113c及びチップ114を遊嵌状態で(隙間を空けて)取り囲んでおり、コイルバネ116の後方端がチップホルダー113の基端部113aによって常時押圧されている(固定はされていない)。これにより、コイルバネ116は、チップホルダー113と環状部材115とを互いに相対移動可能に接続している。そして、図4に示すように、チップホルダー113の移動及びコイルバネ116の伸縮変形に伴って、環状部材115は、軸筒111に対して当該軸筒111の軸方向に移動可能となっている。
環状部材115は、樹脂製(例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン製)または金属製(例えば真鍮製)である。
また、図2(a)乃至図2(g)に示すように、環状部材115の外周面は、前方側から、小外径円筒面115a(φ3.6mm、軸方向長さ1.6mm)と、先細状の当接面としての第1切頭円錐外面115b(軸方向長さ1.1mm)と、中外径円筒面115c(φ4.85mm、軸方向長さ1.5mm)と、先細状の当接面としての第2切頭円錐外面115d(軸方向長さ1.6mm)と、第1大外径円筒面115e(φ6.3mm、軸方向長さ0.8mm)と、先細状の当接面としての第3切頭円錐外面115f(軸方向長さ0.4mm)と、第2大外径円筒面115g(φ6.6mm、軸方向長さ3.3mm)と、が当該順序で設けられている。
また、図2(e)及び図3に示すように、環状部材115の内周面は、前方側から、小内径円筒面115ia(φ3mm、軸方向長さ0.2mm)(チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域))と、チップ当接案内用の補助切頭円錐内面115is(傾斜角度約8°、軸方向長さ1.2mm)と、第1切頭円錐内面115ib(傾斜角度約30°、軸方向長さ0.4mm)と、中内径円筒面115ic(φ3.6mm、軸方向長さ3.9mm)(円筒面でなく緩やかな傾斜角度の切頭円錐面であってもよい)と、第2切頭円錐内面115id(軸方向長さ0.4mm)と、四面払い部115ie(内接円φ5.28mm、軸方向長さ0.9mm)と、大内径円筒面115if(φ5.43mm、軸方向長さ2.1mm)と、第3切頭円錐内面115ig(軸方向長さ0.4mm)と、が当該順序で設けられている。図4に示すように、本実施形態では、四面払い部115ie上に、コイルバネ116の前方端が固定(嵌合固定)されている。
小内径円筒面115iaと補助切頭円錐内面115isとが、チップホルダー113の前端側への移動に伴って環状部材115の内径が縮径する時にチップ114の周囲に当接するチップ当接面を形成している。小内径円筒面115iaが、チップ当接面のうちの前方側領域であり、補助切頭円錐内面115isが、チップ当接面のうちの後方側領域である。
また、第1切頭円錐内面115ibと、中内径円筒面115icと、第2切頭円錐内面115idと、四面払い部115ieと、大内径円筒面115ifと、第3切頭円錐内面115igとが、チップ114及び/またはチップホルダー113に当接することなく当該チップ114及び/または当該チップホルダー113の軸方向の移動を許容する遊嵌面を形成している。
更に、遊嵌面の一部である第1切頭円錐内面115ibは、補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)に対して後方側に隣接しており、前端に向かって先細状であって補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)の先細状の傾斜角度よりも傾斜角度がより大きい先細状である推移面を形成している。
また、本実施形態の環状部材115には、切欠きとして、3本のスリット115sが設けられている。図2(a)乃至図2(g)に示すように、3本のスリット115sは、環状部材115の周方向に等間隔に(120°おきに)配置されている。また、3本のスリット115は、いずれも、幅0.8mmで、環状部材115の軸方向に前端から第2切頭円錐外面115dの略中央まで延びている(軸方向最大長さ5.5mm)。
これにより、第1切頭円錐外面115b(当接面)において荷重を受ける時、環状部材115の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材115の内径は弾性的に復帰するようになっている。
一方、図4に示すように、軸筒111の開口近傍の内周面は、前方側から、小内径円筒面111ia(φ3.7mm、軸方向長さ1.2mm)と、先細状の案内面としての第1切頭円錐内面111ib(軸方向長さ1.1mm)と、中内径円筒面111ic(φ4.95mm、軸方向長さ1.3mm)と、先細状の案内面としての第2切頭円錐内面111id(軸方向長さ1.7mm)と、第1大内径円筒面111ie(φ6.5mm、軸方向長さ0.8mm)と、第3切頭円錐内面111if(軸方向長さ0.3mm)と、第2大内径円筒面111ig(φ6.7mm、軸方向長さ4.2mm)と、規制要素としての環状突起111ih(最小絞り径φ6.5mm)と、が当該順序で設けられている。
これにより、第1切頭円錐外面115b(当接面)は、それぞれ、チップホルダー113の前端側への移動に伴って、第1切頭円錐内面111ib及び第2切頭円錐内面111id(案内面)から荷重を受けるようになっている。
なお、本実施形態のコイルバネ116は、チップ114の没入操作(例えばチップ114の突出状態を維持するロック機構を解除するための筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)がなされた時に、チップホルダー113を自動的に没入させる機能を併せ持つ。すなわち、コイルバネ116は、いわゆるノックバネとして機能するようになっている。(操作荷重は50gf~300gf程度(0.49N~2.94N程度)である。例えば、非使用時(図1)からの操作荷重は68gf、フルストローク時(図12参照)の荷重は288gf、筆記時(図13参照)からの操作荷重は227gfである。また、バネ定数は0.23N/mmである。)
以上のような構成の出没式筆記具110は、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具110のチップ114(筆記体)は、図1に示すような没入状態にある。製造直後においては、コイルバネ116の軸方向長さは17mmであり(予め2mm程度圧縮された長さである)、環状部材115は縮径しておらず、環状部材115の小内径円筒面115iaはφ3.0(>チップ114の外径)のままである。一方、製造後に非使用状態のまま長時間が経過する等して前述の「クリープ」が生じている場合には、コイルバネ116の軸方向長さが17mmよりも長くなっていて環状部材115が既に縮径していて、環状部材115の小内径円筒面115iaはφ3.0よりも小さくなっている(チップ114の外径より大きい範囲を維持している場合もあり得るし、チップ114の外径以下になっている場合もあり得る)。
そして、チップの突出操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)がなされると、出没式筆記具110のチップ114(筆記体)は、図4に示す状態に至る。
図4の状態では、チップ114の突出操作によって、チップホルダー113の第2カラー部113cが前方側に移動されている。これにより、コイルバネ116を介して、環状部材115が軸筒111の内面の前方側に移動され更に当該内面の前方側に対して押圧され、第1切頭円錐外面115b(当接面)が、第1切頭円錐内面111ib(案内面)から荷重を受け、環状部材115の3本のスリット15sの存在によって環状部材115の内径が縮径している(前述の「クリープ」のためにチップ114の突出操作前において既に縮径している場合、チップ114の突出操作によって更に縮径の程度が増大される)。
この縮径時の(図4の状態での)内径が、チップ114の外径に対応するように設計されている。すなわち、この縮径時の最小内径(例えば2.35mm~2.45mm程度)が、軸方向にはチップ114(例えばφ2.5mm)の滑らかな摺動を許容する一方で、径方向にはチップ114の効果的な振れ止め作用を奏する寸法となっている。また、チップ114の外径が前述のφ2.5mmより小さい(例えばφ2.4mm)か大きい(例えばφ2.6mm)場合でも、同一の(同一寸法の)環状部材115によって同様に効果的な振れ止め作用を得ることができる。すなわち、本実施形態の出没式筆記具110は、振れ止め作用について、異なるチップ外径を有する異なるタイプのレフィルについて互換性がある。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、この縮径時の(図4の状態での)内径が、前述のクリープが生じている場合には、元々の所望値よりも小さくなってしまう(縮径の程度が大きくなってしまう)場合がある。特許文献5に記載された実施形態では、このような場合、チップの突出操作の際にユーザが不快な抵抗感を感じてしまう虞があった。これに対して、本実施形態によれば、小内径円筒面115ia(チップ当接面のうちの前方側領域)と第1切頭円錐内面115ib(遊嵌面の一部である推移面)との間にチップ当接案内用の補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)が設けられているため、チップ当接面に対してチップ114が当接を始める際の抵抗を顕著に低減することができる。
本件発明者が得た知見によれば、補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)の傾斜角度は、7°~9°程度であることが好ましい。また、補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)の軸方向長さは、1.0mm~2.0mm程度であることが好ましい。
なお、本実施形態では、第2切頭円錐外面115dが第2切頭円錐内面111idと当接することによって、環状部材115の前方側への移動限界が規定されている。すなわち、本実施形態では、環状部材115の第2切頭円錐外面115dと軸筒111の第2切頭円錐内面111idとが、環状部材115の前方側への移動限界を規定するストッパ要素として機能するようになっている。もっとも、このようなストッパ要素は、省略可能である。
続いて、チップの突出操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)が継続されると、チップ114が最も突出した状態(図12と概ね同じ状態)となり、チップの突出操作が終了する(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作が解除される)と、チップ114が筆記用に突出した状態(図13と概ね同じ状態)に位置決めされる。通常は、この突出状態においてチップホルダー113の位置がロックされ、その後にチップの没入操作がなされるまで、チップ114の突出状態が維持される。この時、コイルバネ116の軸方向長さは9.9mmであり(図1の状態から10.1mm圧縮)、当該コイルバネ116の復元力によって環状部材115は縮径状態に維持される。これにより、チップ114をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
ここで、環状部材115の前方側への移動限界を規定するストッパ要素が機能する場合であっても、環状部材115の内周面の小内径円筒面115iaの寸法がチップ114の外径よりも十分に小さい場合(直径差が0.05mm程度以上ある場合:段落0103参照)には、チップホルダー113と環状部材115とがコイルバネ116によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材115の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップ114をガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
その後、チップの没入操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部の再スライド操作)がなされると、例えば不図示のロック機構が解除され、出没式筆記具110のチップ114(筆記体)は再び最も突出した状態(図12と概ね同じ状態)となり、更にコイルバネ116の作用(復元力)によって、図4の状態を経由して図1の没入状態に戻る。
図4の状態から図1の没入状態に至る過程において、チップホルダー113が後方側に移動されるため、第1切頭円錐外面115b(当接面)が、第1切頭円錐内面111ib(案内面)から受けていた荷重が消失する。これに伴って、縮径していた環状部材115の内径が元の状態に戻る(縮径していない状態か、あるいは、クリープによる縮径状態に戻る)。
なお、チップの出没操作の前述の過程において、環状部材115の当接面(第1切頭円錐外面115b)と軸筒111の案内面(第1切頭円錐内面111ib)とは、常時当接している。
以上の通り、本実施形態の出没式筆記具110によれば、チップホルダー113の前端側への移動に伴って環状部材115の当接面(第1切頭円錐外面115b)が軸筒111の案内面(第1切頭円錐内面111ib)から荷重を受けることによって、環状部材115のスリット115sの存在によって環状部材115の内径が縮径する。これにより、軸筒111と環状部材115とが協働してチップ114をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)が前端に向かって先細状であることによって、チップ当接面(小内径円筒面115ia及び補助切頭円錐内面115is)に対してチップ114が当接を始める際の抵抗を顕著に低減することができる。
特に、本実施形態の出没式筆記具110によれば、補助切頭円錐内面115is(チップ当接面のうちの後方側領域)が切頭円錐面であるために、チップ当接面に対してチップ114が当接を始める際の抵抗を、より効果的に低減することができる。もっとも、少なくとも本願出願の時点では、切頭円錐面である補助切頭円錐内面115isに代えて、前端に向かって先細状であって且つ軸線周りに回転対称な凸曲面(断面曲率半径は例えば1mm~4mm)が設けられている態様も、本発明の範囲内に含まれる
更に、本実施形態の出没式筆記具110によれば、環状部材115の前方側への移動限界を規定するストッパ要素が機能しているが、環状部材115の内周面の小内径円筒面115iaの寸法がチップ114の外径よりも十分に小さいため(直径差が0.05mm程度以上ある:段落0103参照)、チップホルダー113と環状部材115とがコイルバネ116によって互いに相対移動可能に接続されていることにより、環状部材115の内径の縮径の程度等について高精度の寸法管理をしなくても、チップ114をガタつき(遊び)の無い態様で効果的に把持することを保証できる。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、切欠きとしての3本のスリット115sが環状部材115の周方向に等間隔に配置されており、各スリット115sが環状部材115の軸方向に延びているため、環状部材115の内径が周方向にバランス良く縮径することができる。
また、環状部材115の当接面(第1切頭円錐外面115b)と軸筒111の案内面(第1切頭円錐内面111ib)とが、互いに対応する切頭円錐外面と切頭円錐内面であることにより、環状部材115の当接面は周方向にバランスよく荷重を受けることができ、結果的に環状部材115が周方向にバランス良く縮径することができる。このように、環状部材115の当接面(第1切頭円錐外面115b)と軸筒111の案内面(第1切頭円錐内面111ib)とは、互いに前端に向かって先細状であることが好ましい。先細状の当接面は、軸線周りに回転対称な凸曲面を有していて、先細状の案内面は、軸線周りに回転対称であって前記凸曲面の曲率よりも緩やかな曲率の凹曲面または凹切頭円錐面であってもよい。
また、スリット115sの数、サイズ、形状等を適宜に変更することによって、環状部材115の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。また、環状部材115の材料及び/または肉厚を変更することによっても、環状部材115の弾性(縮径のしやすさ)の程度を調整することができる。
また、本実施形態では、軸筒111の内周面に環状突起111ihが設けられており、環状部材115の後方側の移動限界が規定されている。これにより、環状部材115の後方側への過剰な移動(特には脱落)を効果的に防止することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、環状部材115においてチップ114を把持するチップ当接部(小内径円筒面115ia及び補助切頭円錐内面115is)は、当該環状部材115の当接面(第1切頭円錐外面115b)よりも前方に位置している(前記当接面の径方向内方にはチップ当接部がない)。これにより、チップ114をより前方側で把持することができ、より効果的にチップ114をガタつき(遊び)の無い態様で把持することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、スリット115sの後方端は、コイルバネ116よりも前方に位置している。これにより、スリット115sの存在によって環状部材115が撓んだ状態においても、コイルバネ116と環状部材115との安定的な接続を維持することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、環状部材115の当接面(第1切頭円錐外面115b)と軸筒111の案内面(第1切頭円錐内面111ib)とが、常時当接している。これにより、チップ114の出没操作の度に環状部材115の当接面と軸筒111の案内面とが当接と離間とを繰り返すということがないため、動作が安定し、ユーザの操作感も滑らかである(違和感がない)。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、環状部材115は、軸筒111の開口から前方側に突出している。これにより、チップ114をより長い軸方向範囲で把持することができるため、チップ114をガタつき(遊び)の無い態様でより効果的に把持することを保証できる。更に、出没式筆記具110に振れ止め作用を奏する部品(環状部材115)が搭載されていることを、ユーザに対して視覚的にアピールすることができる。更に、チップ114が突出した状態の出没式筆記具110の前端近傍の外観形状について、後方からペン先にかけて滑らかな形状でつなげることができ、美観を向上させる効果も奏することができる。
また、本実施形態の出没式筆記具110によれば、環状部材115が軸筒111の開口から前方側に突出する量(長さ)は、環状部材115の軸方向の可動範囲よりも小さい。これにより、環状部材115が軸筒111の開口内に没入されるように押し込まれる場合でも、依然として環状部材115が軸方向の可動範囲内にあるため、環状部材115の不所望の脱落等が有効に防止され得る。
また、本施形態の出没式筆記具110において、チップ114の出没操作のためのノック操作部、または、軸筒111の後部に、熱変色性筆記具用の軟質部材(擦過部材)が設けられることが好ましい。従来の構成を熱変色性筆記具に採用した場合、筆跡擦過時の振動によってチップ(またはチップホルダー)のガタつきが生じ、ノイズを発生させる虞があったが、本実施形態の構成ではそのような虞がない。従って、本実施形態の構成は、熱変色性筆記具に採用することも推奨される。
<第2実施形態>
第1実施形態では、図2(e)及び図3を参照して説明した通り、環状部材115の内周面は、前方側から、小内径円筒面115iaと、補助切頭円錐内面115isと、第1切頭円錐内面115ibと、中内径円筒面115icと、第2切頭円錐内面115idと、四面払い部115ieと、大内径円筒面115ifと、第3切頭円錐内面115igと、が当該順序で設けられている。
ここで、補助切頭円錐内面115isと第1切頭円錐内面115ibとの間の接続領域(境界)に、R面取りが設けられてもよい。これによれば、特にチップ114の位置がいずれかの径方向に偏ってしまっているような場合において、チップ当接面に対してチップ114が当接を始める際の抵抗をより効果的に低減することができる(より引っ掛かりがないため、より滑らかな挿入が実現され得る)。
図5及び図6は、そのような本発明の第2実施形態を示す図である。より具体的には、図5は、本発明の第2実施形態の出没式筆記具210の環状部材215の断面拡大図(図3に対応する図)であり、図6は、本発明の第2実施形態の出没式筆記具210の作用を説明するための概略縦断面図(図4に対応する図)である。
図5に示すように、環状部材215の内周面は、前方側から、小内径円筒面215ia(φ3.0mm、軸方向長さ0.2mm)(チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域)と、チップ当接案内用の補助切頭円錐内面215is(傾斜角度約8°、軸方向長さ1.2mm)と、R面取り部215ir(断面曲率半径1mm(0.5mm~4mm程度が好ましい)、軸方向長さ0.4mm)と、第1切頭円錐内面215ib(傾斜角度約30°、軸方向長さ0.4mm)と、中内径円筒面215ic(φ3.6mm、軸方向長さ3.9mm)(円筒面でなく緩やかな傾斜角度の切頭円錐面であってもよい)と、第2切頭円錐内面215id(軸方向長さ0.4mm)と、四面払い部215ie(内接円φ5.28mm、軸方向長さ0.9mm)と、大内径円筒面215if(φ5.43mm、軸方向長さ2.1mm)と、第3切頭円錐内面215ig(軸方向長さ0.4mm)と、が当該順序で設けられている。
すなわち、第1実施形態と比較すると、補助切頭円錐内面215isは、補助切頭円錐内面115isの前方の軸方向長さ1.8mmの部分であり、第1切頭円錐内面215ibは、第1切頭円錐内面115ibの後方の軸方向長さ0.8mmの部分であり、R面取り部215irが、補助切頭円錐内面115isの後方の軸方向長さ1.8mmの部分と第1切頭円錐内面115ibの前方の軸方向長さ0.8mmの部分との代わりに設けられている。
小内径円筒面215iaと補助切頭円錐内面215isとが、チップホルダー113の前端側への移動に伴って環状部材215の内径が縮径する時にチップ114の周囲に当接するチップ当接面を形成している。小内径円筒面215iaが、チップ当接面のうちの前方側領域であり、補助切頭円錐内面215isが、チップ当接面のうちの後方側領域である。
また、R面取り部215irと、第1切頭円錐内面215ibと、中内径円筒面215icと、第2切頭円錐内面215idと、四面払い部215ieと、大内径円筒面215ifと、第3切頭円錐内面215igとが、チップ114及び/またはチップホルダー113に当接することなく当該チップ114及び/または当該チップホルダー113の軸方向の移動を許容する遊嵌面を形成している。
更に、遊嵌面の一部である第1切頭円錐内面215ibは、補助切頭円錐内面215is(チップ当接面のうちの後方側領域)に対して後方側にR面取り部215irを介して隣接しており、前端に向かって先細状であって補助切頭円錐内面215is(チップ当接面のうちの後方側領域)の先細状の傾斜角度よりも傾斜角度がより大きい先細状である推移面を形成している。
また、本実施形態の環状部材215には、切欠きとして、3本のスリット215sが設けられている。図5(a)乃至図5(g)に示すように、3本のスリット215sは、環状部材215の周方向に等間隔に(120°おきに)配置されている。また、3本のスリット215は、いずれも、幅0.8mmで、環状部材215の軸方向に前端から第2切頭円錐外面215dの略中央まで延びている(軸方向最大長さ5.5mm)。
これにより、第1切頭円錐外面215b(当接面)において荷重を受ける時、環状部材215の内径は柔軟に縮径するようになっており、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材215の内径は弾性的に復帰するようになっている。
第2実施形態のその他の構成については、図1乃至図4を用いて説明した第1実施形態と略同様である。図5及び図6において、第1実施形態と同様の部分については、同様の符号を付している。また、本実施形態の第1実施形態と同様の部分については、詳しい説明を省略する。
第2実施形態の出没式筆記具210も、第1実施形態の出没式筆記具110と同様に、以下のように作用する。
非使用時においては、出没式筆記具210のチップ114(筆記体)は、没入状態にある(図1参照)。製造直後においては、コイルバネ116の軸方向長さは17mmであり(予め2mm程度圧縮された長さである)環状部材215は縮径しておらず、環状部材215の小内径円筒面215iaはφ3.0(>チップ114の外径)のままである。一方、製造後に非使用状態のまま長時間が経過する等して前述の「クリープ」が生じている場合には、コイルバネ116の軸方向長さが17mmよりも長くなっていて環状部材215が既に縮径していて、環状部材215の小内径円筒面215iaはφ3.0よりも小さくなっている(チップ114の外径より大きい範囲を維持している場合もあり得るし、チップ114の外径以下になっている場合もあり得る)。
そして、チップの突出操作(例えば筆記具側面に設けられた操作部のスライド操作)がなされると、出没式筆記具210のチップ114(筆記体)は、図6に示す状態に至る。
図6の状態では、チップ114の突出操作によって、チップホルダー113の第2カラー部113cが前方側に移動されている。これにより、コイルバネ116を介して、環状部材215が軸筒111の内面の前方側に移動され更に当該内面の前方側に対して押圧され、第1切頭円錐外面215b(当接面)が、第1切頭円錐内面11ib(案内面)から荷重を受け、環状部材215の3本のスリット215sの存在によって環状部材215の内径が縮径している(前述の「クリープ」のためにチップ114の突出操作前において既に縮径している場合、チップ114の突出操作によって更に縮径の程度が増大される)。
この縮径時の(図6の状態での)内径が、チップ114の外径に対応するように設計されている。すなわち、この縮径時の最小内径(例えば2.35mm~2.45mm程度)が、軸方向にはチップ114(例えばφ2.5mm)の滑らかな摺動を許容する一方で、径方向にはチップ114の効果的な振れ止め作用を奏する寸法となっている。また、チップ114の外径が前述のφ2.5mmより小さい(例えばφ2.4mm)か大きい(例えばφ2.6mm)場合でも、同一の(同一寸法の)環状部材215によって同様に効果的な振れ止め作用を得ることができる。すなわち、本実施形態の出没式筆記具210は、振れ止め作用について、異なるチップ外径を有する異なるタイプのレフィルについて互換性がある。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、この縮径時の(図6の状態での)内径が、前述のクリープが生じている場合には、元々の所望値よりも小さくなってしまう(縮径の程度が大きくなってしまう)場合がある。特許文献5に記載された実施形態では、このような場合、チップの突出操作の際にユーザが不快な抵抗感を感じてしまう虞があった。これに対して、本実施形態によれば、小内径円筒面215ia(チップ当接面のうちの前方側領域)と第1切頭円錐内面215ib(遊嵌面の一部である推移面)との間にチップ当接案内用の補助切頭円錐内面215is(チップ当接面のうちの後方側領域)が設けられているため、チップ当接面に対してチップ114が当接を始める際の抵抗を顕著に低減することができる。
更に、本実施形態によれば、補助切頭円錐内面215is(チップ当接面のうちの後端側領域)と第1切頭円錐内面215ib(推移面)との間にR面取り部215irが設けられていることにより、特にチップ114の位置がいずれかの径方向に偏ってしまっているような場合において、チップ当接面(小内径円筒面215ia及び補助切頭円錐内面215is)に対してチップ114が当接を始める際の抵抗をより効果的に低減することができる。
<更なる変形例1>
図示は省略するが、第2実施形態の変形例として、補助切頭円錐内面215is(チップ当接面のうちの後端側領域)とR面取り部215irと第1切頭円錐内面215ib(推移面)とが、一体的なR面取り部(曲率は一定であっても途中で変化してもよい)によって構成された(補助切頭円錐内面215is及び第1切頭円錐内面215ibが当該面取り部によって置換された)態様が採用されてよい。この場合も、チップ当接面に対してチップ114が当接を始める際の抵抗をより効果的に低減することができる(より引っ掛かりがないため、より滑らかな挿入が実現され得る)。
<更なる変形例2>
図示は省略するが、以上の各実施形態において、小内径円筒面115ia、215iaと補助切頭円錐内面115is、215isとの接続領域(境界)に、R面取りが設けられていてもよい。これによれば、チップ当接面に対するチップ114の当接ないし摺動に伴う抵抗を、更に効果的に低減することが期待できる。
<更なる変形例3>
以上の各実施形態において、チップ114は、円錐部114aと円筒部114bとが稜線状の接続領域を介して隣接するタイプのものが図示されているが(図7(a)参照)、これに代えて、円錐部114a’と円筒部114b’とがR面取り部114r’を介して隣接するタイプのものが用いられるならば(図7(b)参照)、チップ当接面に対するチップ114’の当接ないし摺動に伴う抵抗を、更に効果的に低減することが期待できる。
(レフィルについての補足)
以上の各実施形態の出没式筆記具110、210は、軸筒111と、当該軸筒111内に収容されるレフィル(筆記体)と、当該レフィルのチップ114を軸筒111の開口より出没自在にさせる出没機構と、を備えた筆記具である。
レフィルの一例について、図14乃至図16を用いて補足説明する。図14を参照して、レフィル6は、例えば、ペン先(チップ)61と、当該ペン先61が前端開口部に圧入固着されたインキ収容管62と、当該インキ収容管62内に充填された熱変色性インキと、当該熱変色性インキの後端側に隣接して充填され当該熱変色性インキの消費に伴って前進する追従体(例えば高粘度流体)と、インキ収容管62の後端開口部に取り付けられた尾栓63と、からなる。尾栓63には、後端に向けて開口する空気孔63aが設けられている。空気孔63aは、インキ収容管62の内部と外部とを通気可能としている。
ペン先61は、例えば、前端に回転可能にボールを抱持した金属製のボールペンチップのみからなる構成、または、そのようなボールペンチップと当該ボールペンチップの後部外面を保持した合成樹脂製のペン先ホルダーとの組合せからなる構成、のいずれかである。ペン先61の内部には、前端のボールを前方に押圧するスプリングが収容されている。当該スプリングは、例えば、圧縮コイルスプリングの前端部にロッド部を備えた構成となっており、当該ロッド部の前端がボールの後面と接触している。非筆記時には、当該スプリングの前方付勢により、ボールはボールペンチップ前端の内向きの前端縁部内面に密接されている。これにより、ペン先61の前端からのインキの漏出及びインキの蒸発が防止されている。
(軸筒111の後端部についての補足)
本実施形態の軸筒111は、例えば、先細円筒状の前軸3(図17参照)と、当該前軸3の後端部に連結される円筒状の中間軸4(図18参照)と、当該中間軸4の後端部に連結される円筒状の後軸5(図19参照)と、からなる。
例えば、図19に示すように、後軸5の後端部に、取付孔52が前後方向に貫設され得て、当該取付孔52に、弾性材料からなる摩擦部53が圧入嵌合され得る。これにより、後軸5の後端部の外面に、摩擦部53が固定され得る。また、後軸5の内面には、内向突起54が一体に形成され得る。
摩擦部53を構成する弾性材料は、例えば、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)又は2種以上のゴム弾性材料の混合物、及び、ゴム弾性材料と合成樹脂との混合物等が挙げられる。
摩擦部53を構成する弾性を有する合成樹脂は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)ではなく、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。また、摩擦部53は、様々な態様で軸筒111の後端部外面に設けられ得る。例えば、軸筒111の後端部の外面もしくは後軸5の後端部の外面に弾性材料よりなる摩擦部53を圧入、係合、螺合、嵌合、接着、2色成形等によって設ける態様の他、軸筒111の全体もしくは後軸5の全体を弾性材料によって一体に形成する態様でもよい。
(ノック部材8についての補足)
図20を参照して、ノック部材8には、前後方向に延びるクリップ83が固定され得る。クリップ83の裏面には、玉部が突設され得る。ノック部材8は、例えば、クリップ83の後端部が固定される基部81と、当該基部81と一体に連設され且つ当該基部81より前方に延びる円筒状の軸部82と、からなる。
ノック部材8は、例えば合成樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)の成形体により得られる。クリップ83は、例えば合成樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂)の成形体又は金属材料(例えばステンレス鋼)から得られる。ノック部材8とクリップ83は合成樹脂により一体に形成されてもよい。
図20に示すように、軸部82の前端には、出没回転部材7の突条71の後端(図21乃至図24参照)と係合するカム歯82aが一体に形成され得る。
ノック部材8の組付けについては、ノック部材8の基部81を、中間軸4の第1の長孔41の後端(開放部)より、当該第1の長孔41内へと挿入すると共に、ノック部材8の軸部82を中間軸4内に挿入する。その後、中間軸4の第1の長孔41と後軸5の第2の長孔51とが径方向に連通するように(径方向に重なるように)、後軸5の内面を中間軸4の縮径部の外面に嵌合させながら、ノック部材8の基部81を、後軸5の第2の長孔51の前端(開放部)より、当該第2の長孔51内へと挿入する。これにより、中間軸4と後軸5とが連結される(中間軸4の外向突起44と後軸5の内向突起54とが乗り越え係合される)と共に、第1の長孔41と第2の長孔51とによって前後方向に延びるスライド孔21が形成され、当該スライド孔21から径方向外方にノック部材8が突出された状態となる。ノック部材8は、スライド孔21に沿って、前後方向にスライド可能(前後方向に摺動可能)となっている。
後端に摩擦部53が固定された後軸5が、中間軸4の後端部に連結されることによって、摩擦部53は軸筒111の後端に常時固定された状態となる。また、前軸3と中間軸4とが螺合によって着脱自在に連結されているため、レフィル6は随時に交換可能である。
(出没機構についての補足)
本実施形態の出没機構は、回転カム機構を用いたサイドスライド式出没機構であり、前述のノック部材8と、ノック部材8が前方に移動される度に軸筒111の開口からペン先61を突出または没入させるよう前後に移動すると共にレフィル6(従ってペン先61)を回転させる出没回転部材7と、軸筒111内に設けられノック部材8の位置に応じて出没回転部材7と係合または係合解除可能な前述のカム部43と、軸筒111内に設けられ且つレフィル6を後方に付勢するノックバネ12(例えば圧縮コイルスプリング)と、からなる。
本実施の形態の出没機構は、ペン先突出操作及びペン先没入操作のいずれもがノック部材8を前方に押圧操作(前方にスライド操作)するダブルノック式である。
(熱変色性インキについての補足)
本実施形態において、熱変色性インキは、可逆熱変色性インキであることが好ましい。可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
可逆熱変色性インキに含有される色材としては、例えば、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び、(ハ)前記両者が化学的に結びつく反応(呈色反応)の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性顔料が好適に用いられる。
(レフィル6の回転についての補足)
前述のように、本実施形態では、ノック部材8が前方に移動される度に、軸筒111の開口からペン先61を突出または没入させるよう前後に移動すると共に、レフィル6(従ってペン先61)が回転される。このようにペン先61が回転する筆記具は、ペン先61の摩耗を均等化することができるため、市場において人気がある。
図25は、回転カム機構の原理を説明する概略図である。図25を参照して、ペン先没入状態(図25(a)参照)からノック部材8が弾発体(不図示)による後方付勢に抗して前方に押圧操作(スライド操作)されると、ノック部材8の軸部82の前端のカム歯82aを介して、当該カム歯82aに係合していた出没回転部材7の突条71が前方に押圧される。出没回転部材7の突条71は、カム溝43bに沿って、前方に移動されていく。
出没回転部材7の突条71が前方に移動される際、当該出没回転部材7は、当接部73と尾栓63の突片63bとの当接関係を介して、レフィル6を前方に押圧する。そして、ペン先61を軸筒111の開口より外部に突出させる。
ノック部材8のノック操作の最深位置において、突条71の後端は、カム部43のカム溝43bを抜け出て、ノック部材8のカム歯82aの谷部に落ち込むように移動し、これに伴って出没回転部材7は僅かに周方向に回転する(図25(b)参照)。
引き続いて、弾発体による後方付勢によってノック部材8が元の位置に戻ると、突条71の後端は、カム部43のカム歯43aの谷部に落ち込むように移動し、これに伴って出没回転部材7は更に周方向に回転する(図25(c)参照)。また、突条71の後端は、カム部43のカム歯43aの谷部の位置に留まるため、ペン先突出状態が維持される。
次に、ペン先突出状態(図25c)参照)からノック部材8が前方に押圧操作(スライド操作)されると、ノック部材8の軸部82の前端のカム歯82aによって再び出没回転部材7の突条71の後端が係合されて前方に押圧される。
ノック部材8のノック操作の最深位置において、突条71の後端は、カム部43のカム歯43aの山部(歯)を乗り越え、ノック部材8のカム歯82aの谷部に落ち込むように移動し、これに伴って、出没回転部材7は僅かに周方向に回転する(図25(d)参照)。また、引き続いて、弾発体による後方付勢によってノック部材8が元の位置に戻ると、突条71は、カム溝43b内に導入され、ペン先没入状態が維持される(図25(a)参照)。
図26及び図27に、尾栓63の突片63bと出没回転部材7の当接部73との当接状態が示されている。
出没回転部材7の前面の当接部73が、レフィル6の後端の尾栓63の突片63bに当接されると共に、出没回転部材7の前面の複数の突起部72が、レフィル6の後端の尾栓63の突片63bの間の隙間63cに挿入されて、周方向に係合されている。これにより、出没回転部材7の周方向の回転に伴って、レフィル6も周方向に回転される。
以上の通り、本実施形態では、出没回転部材7の前面の当接部73が、レフィル6の後端の尾栓63を回転させるようになっている。もっとも、出没回転部材7がレフィル6の他の部分に回転力を伝達する態様も採用され得る。例えば、尾栓63を有しておらず、レフィル6の後端に複数の突片が一体的に形成された態様が採用されてもよい。
(環状部材115、215の回転についての補足)
ノック部材8の押圧操作によってレフィル6が軸筒111に対して回転される際、当該レフィル6にコイルバネ116を介して接続された環状部材115、215も、軸筒111に対して回転される。
この時、コイルバネ116の前方端は環状部材115、215に固定されている。これにより、コイルバネ116の前方端は環状部材115、215の内面を摺動することがないため、当該前方端が環状部材115、215を損傷させる虞がない。また、レフィル6にコイルバネ116を介して接続された環状部材115、215も軸筒111に対して回転されることにより、レフィル6とコイルバネ116とが一体となって回転することができる。これにより、コイルバネ116の後方端がチップホルダー113上を摺動することがないため、当該後方端がチップホルダー113を損傷させる虞がない。また、レフィル6と環状部材115、215とコイルバネ116とが一体となって回転することにより、レフィル6の円滑な回転(ひいてはノック部材8の押圧操作)が阻害される虞もない。更に、環状部材115、215の回転が視認可能であるため、ユーザに視覚的な面白さを提供することができる。
(レフィル6の回転方向とコイルバネ116の巻き方向)
以上に説明された実施形態では、後端側から見てレフィル6の回転方向は右回転であり、コイルバネ116の巻き方向は左回転(いわゆる、左巻きのバネ)となっている(巻き始めから反時計回りに延びている:図1参照)。
しかしながら、レフィル6の回転方向とコイルバネ116の巻き方向とを揃えておけば、レフィル6の回転の際にチップホルダー113(のコイルバネ当接部)がコイルバネ116の後方端を押し込むような向きとなるため、チップホルダー113とコイルバネ116との間の接続が堅固となって(例えば両者が引っ掛かるような態様となって)、コイルバネ116がレフィル6の回転力を環状部材115、215に伝達しやすくなって好ましい。
図1に対応する図であって、コイルバネ16の巻き方向を逆にした態様の図を、図28に示す。
ここで、チップホルダー113コイルバネ当接部に、コイルバネ116の後方端との接続をより堅固とするような凹凸形状等が設けられることも更に好適である。
(切欠きの他の態様)
以上に説明された実施形態では、切欠きとして、スリット115s、215sが設けられていた。すなわち、切欠きは、環状部材115、215の内周側から外周側まで貫通するものとして形成されていた。
しかしながら、切欠きは、そのような態様に限定されないで、周囲と比べて薄肉の部分(厚みの一部が切り欠かれた態様)として形成されてもよい。例えば、スリット115s、215sの部分に薄肉部が残存する態様が採用されてもよい。
図18(a)は、そのような変形例の環状部材15”の斜視図であり、図18(b)は、図18(a)の環状部材15”の平面図であり、図18(c)は、図18(a)の環状部材15”の側面図であり、図18(d)は、図18(a)の環状部材15”の底面図であり、図18(e)は、図18(c)のA-A線断面図であり、図18(f)は、図18(a)の環状部材15”の正面図(先端側から見た図)であり、図18(g)は、図18(a)の環状部材15”の背面図である。
図18(a)乃至図18(g)に示すように、環状部材15”の外周面は、前方側から、小外径円筒面15a”と、先細状の当接面としての第1切頭円錐外面15b”と、中外径円筒面15c”と、先細状の当接面としての第2切頭円錐外面15d”と、第1大外径円筒面15e”と、先細状の当接面としての第3切頭円錐外面15f”と、第2大外径円筒面15g”と、が当該順序で設けられている。
そして、当該変形例の環状部材15”には、切欠きとして、3本の薄肉部15t”が設けられている。図18(a)乃至図18(g)に示すように、3本の薄肉部15t”は、3本のスリット115s、215sに対応する位置に、すなわち、環状部材15”の周方向に等間隔に(120°おきに)配置されている。また、3本の薄肉部15t”は、いずれも、幅0.8mmで、0.2mmの肉厚で、環状部材15”の軸方向に前端から第2切頭円錐外面15d”の略中央まで延びている(軸方向最大長さ5.5mm)。
このような変形例であっても、第1切頭円錐外面15b”(当接面)において荷重を受ける時、環状部材15”の内径は柔軟に縮径することができ、且つ、当該荷重が解除される時、環状部材15”の内径は弾性的に復帰することができる。
10 出没式筆記具(特許文献5)
11 軸筒
11ia 小内径円筒面
11ib 第1切頭円錐内面
11ic 中内径円筒面
11id 第2切頭円錐内面
11ie 第1大内径円筒面
11if 第3切頭円錐内面
11ig 第2大内径円筒面
11ih 環状突起
11m 前方部
11r 後方部
13 チップホルダー
13a 基端部
13b 第1カラー部
13c 第2カラー部
14 チップ
15 環状部材
15a 小外径円筒面
15b 第1切頭円錐外面
15c 中外径円筒面
15d 第2切頭円錐外面
15e 第1大外径円筒面
15f 第3切頭円錐外面
15g 第2大外径円筒面
15ia 小内径円筒面
15ib 第1切頭円錐内面
15ic 中内径円筒面
15id 第2切頭円錐内面
15ie 四面払い部
15if 大内径円筒面
15ig 第3切頭円錐内面
15s スリット
16 コイルバネ
110 出没式筆記具(第1実施形態)
111 軸筒
111ia 小内径円筒面
111ib 第1切頭円錐内面
111ic 中内径円筒面
111id 第2切頭円錐内面
111ie 第1大内径円筒面
111if 第3切頭円錐内面
111ig 第2大内径円筒面
111ih 環状突起
111m 前方部
111r 後方部
113 チップホルダー
113a 基端部
113b 第1カラー部
113c 第2カラー部
114 チップ
114a 円錐部
114b 円筒部
114’ チップ(変形例)
114a’ 円錐部
114r’ R面取り部
114b’ 円筒部
115 環状部材
115a 小外径円筒面
115b 第1切頭円錐外面
115c 中外径円筒面
115d 第2切頭円錐外面
115e 第1大外径円筒面
115f 第3切頭円錐外面
115g 第2大外径円筒面
115ia 小内径円筒面
115is 補助切頭円錐内面
115ib 第1切頭円錐内面
115ic 中内径円筒面
115id 第2切頭円錐内面
115ie 四面払い部
115if 大内径円筒面
115ig 第3切頭円錐内面
115s スリット
116 コイルバネ
210 出没式筆記具(第2実施形態)
215 環状部材
215a 小外径円筒面
215b 第1切頭円錐外面
215c 中外径円筒面
215d 第2切頭円錐外面
215e 第1大外径円筒面
215f 第3切頭円錐外面
215g 第2大外径円筒面
215ia 小内径円筒面
215is 補助切頭円錐内面
215ir R面取り部
215ib 第1切頭円錐内面
215ic 中内径円筒面
215id 第2切頭円錐内面
215ie 四面払い部
215if 大内径円筒面
215ig 第3切頭円錐内面
215s スリット
15” 環状部材
15a” 小外径円筒面
15b” 第1切頭円錐外面
15c” 中外径円筒面
15d” 第2切頭円錐外面
15e” 第1大外径円筒面
15f” 第3切頭円錐外面
15g” 第2大外径円筒面
15t” 薄肉部
3 前軸
32 本体
33 把持部
4 中間軸
41 第1の長孔
42 段部
43 カム部
43a カム歯
43b カム溝
44 外向突起
5 後軸
51 第2の長孔
52 取付孔
53 摩擦部
54 内向突起
6 レフィル(筆記体)
61 ペン先
62 インキ収容管
63 尾栓
63a 空気孔
63b 突片
63c 隙間
63d 小径部
63e 大径部
63f 鍔部
63g 係合面
63p 外向突起
63t 補助テーパ部
7 出没回転部材
71 突条
72 突起部
72a 係合面
73 当接部
74 環状補助突起部
74t 補助当接面
78 外向突起
8 ノック部材
81 基部
82 軸部
82a カム歯
83 クリップ
88 内向突起


Claims (32)

  1. 前端に開口を有する軸筒と、
    前記軸筒の内部に収容され、前記軸筒の軸方向に移動可能なチップホルダーと、
    前記チップホルダーの前端に固定され、前記チップホルダーの移動に伴って前記軸筒の前記開口から出没可能なチップと、
    前記軸筒の前記開口の内周に遊嵌され、当該軸筒に対して当該軸筒の軸方向に移動可能な環状部材と、
    前記チップホルダーと前記環状部材とを互いに相対移動可能に接続可能な弾性部材と、
    を備え、
    前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、
    前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、
    前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、
    前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっており、
    前記環状部材の前方側の内周には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って当該環状部材の内径が縮径する時に前記チップの周囲に当接するチップ当接面が形成されており、
    前記環状部材の後方側の内周には、前記チップ及び/または前記チップホルダーに当接することなく前記チップ及び/または前記チップホルダーの軸方向の移動を許容する遊嵌面が形成されており、
    前記チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域は、前端に向かって先細状である
    ことを特徴とする出没式筆記具。
  2. 前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後方側領域は、切頭円錐面を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の出没式筆記具。
  3. 前記チップ当接面のうちの少なくとも後端側領域には、R面取りが設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の出没式筆記具。
  4. 前記チップ当接面に対して後方側に隣接して、前端に向かって先細状であって前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後方側領域の先細状の傾斜角度よりも傾斜角度がより大きい先細状である、推移面が形成されており、
    前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後端側領域と前記推移面との間に、R面取りが設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の出没式筆記具。
  5. 前記チップ当接面のうちの前方側領域は、円筒状面または略円筒状面である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の出没式筆記具。
  6. 前記チップ当接面の全体が、前端に向かって先細状である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の出没式筆記具。
  7. 前記軸筒及び/または前記環状部材に設けられ、前記環状部材の後方側の移動限界を規定するストッパ要素
    を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の出没式筆記具。
  8. 前記切欠きは、前記環状部材の周方向に等間隔に複数が配置されており、
    前記複数の切欠きの各々は、前記環状部材の軸方向に延びるスリットである
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の出没式筆記具。
  9. 前記当接面は、前端に向かって先細状であり、
    前記案内面も、前端に向かって先細状である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の出没式筆記具。
  10. 前記当接面は、切頭円錐面を有している
    ことを特徴とする請求項9に記載の出没式筆記具。
  11. 前記弾性部材は、コイルバネである
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の出没式筆記具。
  12. 前記環状部材と前記弾性部材とは、互いに固定されており、
    前記弾性部材は、前記チップホルダーの環状カラーに接続可能であり、
    前記弾性部材は、前記チップホルダーの前記環状カラーから離間可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の出没式筆記具。
  13. 前記当接面と前記案内面とは、常時当接している
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の出没式筆記具。
  14. 前記環状部材は、前記軸筒の前記開口から前方側に突出している
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の出没式筆記具。
  15. 前記チップの出没操作のための操作部、または、前記軸筒の後部に、軟質部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の出没式筆記具。
  16. 前記軸筒に対して前後方向にスライド可能に設けられたノック部材
    を更に備え、
    前記チップは、前記ノック部材が前方に移動される度に、前記軸筒の前記開口から突出ないし没入を交互に繰り返すよう前後に移動されるようになっており、
    前記環状部材は、前記ノック部材が前方に移動される度に、前記軸筒に対して回転されるようになっている
    ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の出没式筆記具。
  17. 前端にチップが固定されたチップホルダーを軸方向に移動可能に収容可能であって、前端に開口を有し、前記チップホルダーの移動に伴って前記チップを前記開口から出没させることが可能な出没式筆記具用の軸筒であって、
    当該軸筒の前記開口の内周に遊嵌され、当該軸筒に対して当該軸筒の軸方向に移動可能な環状部材と、
    前記チップホルダーと前記環状部材とを互いに相対移動可能に接続可能な弾性部材と、
    前記環状部材の外周の少なくとも一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記軸筒の内面の一部に当接する当接面が形成されており、
    前記環状部材の一部には、切欠きが形成されており、前記当接面において荷重を受ける時に当該環状部材の内径が縮径するようになっており、
    前記軸筒の内面の一部には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って前記当接面が当接する案内面が形成されており、
    前記当接面は、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って、前記案内面から前記荷重を受けるようになっており、
    前記環状部材の前方側の内周には、前記チップホルダーの前端側への移動に伴って当該環状部材の内径が縮径する時に前記チップの周囲に当接するチップ当接面が形成されており、
    前記環状部材の後方側の内周には、前記チップ及び/または前記チップホルダーに当接することなく前記チップ及び/または前記チップホルダーの軸方向の移動を許容する遊嵌面が形成されており、
    前記チップ当接面のうちの少なくとも後方側領域は、前端に向かって先細状である
    ことを特徴とする出没式筆記具用の軸筒。
  18. 前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後方側領域は、切頭円錐面を有している
    ことを特徴とする請求項17に記載の出没式筆記具用の軸筒。
  19. 前記チップ当接面のうちの少なくとも後端側領域には、R面取りが設けられている
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の出没式筆記具用の軸筒。
  20. 前記チップ当接面に対して後方側に隣接して、前端に向かって先細状であって前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後方側領域の先細状の傾斜角度よりも傾斜角度がより大きい先細状である、推移面が形成されており、
    前記チップ当接面のうちの前記少なくとも後端側領域と前記推移面との間に、R面取りが設けられている
    ことを特徴とする請求項19に記載の出没式筆記具用の軸筒。
  21. 前記チップ当接面のうちの前方側領域は、円筒状面または略円筒状面である
    ことを特徴とする請求項17乃至20のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  22. 前記チップ当接面の全体が、前端に向かって先細状である
    ことを特徴とする請求項17乃至20のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  23. 前記軸筒及び/または前記環状部材に設けられ、前記環状部材の後方側の移動限界を規定するストッパ要素
    を更に備えたことを特徴とする請求項17乃至22のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  24. 前記切欠きは、前記環状部材の周方向に等間隔に複数が配置されており、
    前記複数の切欠きの各々は、前記環状部材の軸方向に延びるスリットである
    ことを特徴とする請求項17乃至23のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  25. 前記当接面は、前端に向かって先細状であり、
    前記案内面も、前端に向かって先細状である
    ことを特徴とする請求項17乃至24のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  26. 前記当接面は、切頭円錐面を有している
    ことを特徴とする請求項25に記載の出没式筆記具用の軸筒。
  27. 前記弾性部材は、コイルバネである
    ことを特徴とする請求項17乃至26のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  28. 前記環状部材と前記弾性部材とは、互いに固定されており、
    前記弾性部材は、前記チップホルダーの環状カラーに接続可能であり、
    前記弾性部材は、前記チップホルダーの前記環状カラーから離間可能である
    ことを特徴とする請求項17乃至27のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  29. 前記当接面と前記案内面とは、常時当接している
    ことを特徴とする請求項17乃至28のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  30. 前記環状部材は、前記軸筒の前記開口から前方側に突出している
    ことを特徴とする請求項17乃至29のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  31. 前記チップの出没操作のための操作部、または、前記軸筒の後部に、軟質部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項17乃至30のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。
  32. 前記軸筒に対して前後方向にスライド可能に設けられたノック部材
    を更に備え、
    前記チップは、前記ノック部材が前方に移動される度に、前記軸筒の前記開口から突出ないし没入を交互に繰り返すよう前後に移動されることが可能であり、
    前記環状部材は、前記ノック部材が前方に移動される度に、前記軸筒に対して回転されるようになっている
    ことを特徴とする請求項17乃至31のいずれかに記載の出没式筆記具用の軸筒。

JP2022099130A 2022-06-20 2022-06-20 出没式筆記具 Pending JP2024000379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022099130A JP2024000379A (ja) 2022-06-20 2022-06-20 出没式筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022099130A JP2024000379A (ja) 2022-06-20 2022-06-20 出没式筆記具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024000379A true JP2024000379A (ja) 2024-01-05

Family

ID=89384679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022099130A Pending JP2024000379A (ja) 2022-06-20 2022-06-20 出没式筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024000379A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6793789B2 (ja) ノック式筆記具
JP6087319B2 (ja) 熱変色性筆記具
JP2019104187A (ja) 長尺物繰り出し装置及びこれを備える筆記具
US20180361781A1 (en) Retractable writing instrument
CN210132909U (zh) 笔具
JP2024000379A (ja) 出没式筆記具
JP5813929B2 (ja) 筆記具
JP2024000380A (ja) 出没式筆記具
JP2024000378A (ja) 出没式筆記具
JP2024000381A (ja) 出没式筆記具
JP2024000377A (ja) 出没式筆記具
JP5698927B2 (ja) 筆記具
JP7208776B2 (ja) 筆記具
WO2022138533A1 (ja) 出没式筆記具
JP6774331B2 (ja) 熱変色性筆記具
JP5070942B2 (ja) 複式筆記具
JP5791946B2 (ja) 熱変色性筆記具
JP2023091242A (ja) 出没式筆記具
JP7319294B2 (ja) ノック式筆記具
JP7377061B2 (ja) 筆記具
JP7261009B2 (ja) 筆記具
JP6521583B2 (ja) 筆記具
JP5551463B2 (ja) 熱変色性筆記具
JP2023096753A (ja) 出没式筆記具
JP2022098313A (ja) 出没式筆記具