JP2020104404A - タイヤ加硫金型、及びその製造方法 - Google Patents

タイヤ加硫金型、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形面の段部にベントピースを配置する際の外観と排気効率の低下を抑制する。【解決手段】タイヤ加硫金型50は、空気入りタイヤ1を成形するための複数のモールド51〜55を備え、これらはそれぞれ、空気入りタイヤ1の外表面の形状に対応する複数の段部56,57を含む成形面51a〜55aと、成形面51a〜55aと間隔をあけて位置する外面51b〜55bとを有する。複数のモールド51〜55のうちの少なくとも1つは、段部56,57と対応するように、成形面52aから外面52bにかけて貫通して設けられたベントホール60と、ベントホール60の成形面52a側に取り付けられた筒状のベントピース61と、段部56,57の形状に沿うようにベントピース61の成形面52a側に設けられた切り欠き62とを有する。【選択図】図4C

Description

本発明は、タイヤ加硫金型、及びその製造方法に関する。
タイヤ加硫金型は、空気入りタイヤのトレッド部を成形するための複数のセクタを有するセクタモールドと、空気入りタイヤのサイド部を成形するための一対のサイドモールドとを備える。これらのモールドには、金型(キャビティ)内の空気を排出するためのベントホールが所定位置に形成されている。このベントホールに取り付けられる筒状のベントピースが特許文献1に開示されている。
実開平6−42122号公報
モールドの内面側は、空気入りタイヤの外表面の形状に対応する段部を有する成形面(プロファイル面)を構成する。段部には、模様及び表記を形成するための凹凸部、並びに排気通路を構成するソーカット溝が含まれる。模様及び表記上にベントピースを配置した場合、成形されたベントピース痕によって模様及び表記の外観が悪くなる。ソーカット溝上にベントピースを配置した場合、ベントピースの突出部分によって加硫時の排気効率が悪くなる。これらの問題について、特許文献1では何も考慮されていない。
本発明は、成形面の段部にベントピースを配置する際の外観と排気効率の低下を抑制することを課題とする。
本発明の第1態様は、空気入りタイヤを成形するための複数のモールドを備え、前記複数のモールドはそれぞれ、前記空気入りタイヤの外表面の形状に対応する複数の段部を含む成形面と、前記成形面と間隔をあけて位置する外面とを有しており、前記複数のモールドのうちの少なくとも1つは、前記複数の段部のうちの少なくとも1つと対応するように、前記成形面から前記外面にかけて貫通して設けられたベントホールと、前記ベントホールの前記成形面側に取り付けられた筒状のベントピースと、前記少なくとも1つの段部の形状に沿うように、前記ベントピースの前記成形面側に設けられた切り欠きとを有する、タイヤ加硫金型を提供する。
このタイヤ加硫金型によれば、空気入りタイヤの外表面の形状に対応する段部の形状に沿った切り欠きがベントピースに設けられているため、切り欠きの凹凸によってモールドの段部を補うことができる。よって、段部が表記及び模様を形成する凹凸部の場合、成形された模様及び表記の外観の低下を抑制できる。また、段部が排気通路を構成するソーカット溝の場合、ベントピースによる排気効率の低下を防止できる。
前記複数のモールドは、周方向に分割した複数のセクタによって構成され、前記空気入りタイヤのトレッド部を成形するための環状のセクタモールドと、前記セクタモールドの軸方向に間隔をあけて配置されて、前記空気入りタイヤのサイド部を成形するための一対のサイドモールドとを備え、前記切り欠きを含むベントピースは、前記一対のサイドモールドのうちの少なくとも一方に設けられている。
前記ベントピースの前記成形面側には、前記外面から前記成形面に向けて次第に拡開した拡開部が形成されている。この態様によれば、加硫時に排気効率の低下を防止できるうえ、型開き時にベントピース内に流れ込んだゴムが破断によりベントピース内に残留することを防止できる。
本発明の第2態様は、空気入りタイヤの外表面の形状に対応する複数の段部を含む成形面と、前記成形面と間隔をあけて位置する外面とをそれぞれ有する複数のモールドのうちの少なくとも1つに、前記複数の段部のうちの少なくとも1つと対応するように、前記成形面から前記外面にかけて貫通するベントホールを形成し、前記ベントホールの前記成形面側に筒状のベントピースを取り付け、前記ベントピースの前記成形面側に、前記少なくとも1つの段部の形状に沿って切り欠きを形成する、タイヤ加硫金型の製造方法を提供する。
この製造方法では、前記切り欠きの形成後、前記ベントピースの前記成形面側に、前記外面から前記成形面に向けて次第に拡開した拡開部を形成する。
本発明では、空気入りタイヤの外表面の形状に対応する段部の形状に沿った切り欠きがベントピースに設けられているため、空気入りタイヤの外観の低下と加硫時の排気効率の低下を抑制できる。
本発明の実施形態に係るタイヤ加硫金型を用いたタイヤ加硫成形機を示す断面図。 型開き状態のタイヤ加硫成形機を示す断面図。 タイヤ加硫成形機によって成形した空気入りタイヤの概略図。 金型の排気構造を示す断面図。 サイドモールドの段部に設けた排気構造を示す正面図。 図4AのB−B線断面図。 図4Bの斜視図。 金型の製造過程を示す斜視断面図。 金型の他の製造過程を示す斜視断面図。 金型の他の製造過程を示す斜視断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1A及び図1Bは、本発明の実施形態に係るタイヤ加硫金型(以下「金型」という)50を用いたタイヤ加硫成形機(以下「加硫成形機」と略す。)10を示す。金型50は、図2に示す空気入りタイヤ1を成形するためのセクタモールド51、上モールド(サイドモールド)52、及び下モールド(サイドモールド)54を備え、これらのモールドが加硫成形機10のコンテナ30に取り付けられている。
(加硫成形機の概要)
図1Aに示すように、加硫成形機10は、フレーム20、コンテナ30、ブラダユニット40、及び本発明の金型50を備える。ブラダユニット40と金型50によって、グリーンタイヤ1’を加硫するキャビティが画定される。図示しない駆動機構によってフレーム20が駆動されることで、金型50は、図1Aに示す型締め状態及び図1Bに示す型開き状態に切り換えられる。
図1A及び図1Bに示すように、フレーム20は、プレート21、上プラテン22、及び下プラテン23を備える。
プレート21は昇降部材24の下端に固定されている。上プラテン22は昇降部材24の中心に配置された昇降部材25の下端に固定されている。下プラテン23は、上プラテン22の下方の所定位置に固定されている。昇降部材24,25は駆動機構をそれぞれ備え、プレート21と上プラテン22を独立して昇降する。上プラテン22は流路22aを備え、下プラテン23は流路23aを備える。これらの流路22a,23aを流動させる熱交換媒体(例えば、オイル)の温度を調整することで、上プラテン22及び下プラテン23を介して金型50を所望の加硫温度に調整できる。
引き続いて図1A及び図1Bを参照すると、コンテナ30は、複数のセグメント31、ジャケット32、上プレート33、及び下プレート35を備える。
セグメント31は、セクタモールド51を構成する複数のセクタ51Aと同じ数だけ設けられ、個々のセクタ51Aをそれぞれネジ止めする。セクタモールド51の径方向Xにおけるセグメント31の外面は、上方から下方に向けて次第に拡開(傾斜)する傾斜面31aで構成されている。複数のセグメント31は、上プレート33に固定された複数の上スライド34にそれぞれ取り付けられ、上スライド34に対して径方向Xに往復移動可能である。
ジャケット32は、図1Bに示す型開き状態の金型50の外周を覆うことが可能な円筒状であり、プレート21の下面に固定されている。ジャケット32は、昇降部材24の昇降動作に従ってプレート21を介して昇降する。プレート21が降下すると、ジャケット32は、径方向X内側に位置する傾斜面32aで傾斜面31aを押圧し、セグメント31を径方向Xの内側に移動させ、複数のセグメント31を環状に連なった状態に配置(並設)する。
上プレート33は、上プラテン22の下面に固定され、昇降部材25の昇降動作に従って上プラテン22を介して昇降する。上プレート33には、外周部に上スライド34が固定され、その内側に上モールド52が固定されている。下プレート35は、下プラテン23の上面に固定されている。下プレート35には、外周部に下スライド36が固定され、その内側に下モールド54が固定されている。
引き続いて図1A及び図1Bを参照すると、ブラダユニット40は、支軸41、上クランプ42、下クランプ43、及びブラダ44を備える。
支軸41は、下プラテン23の中心に配置されており、図示しない駆動機構によってセクタモールド51の幅方向(軸方向)Yへ昇降可能なロッド41aを備える。上クランプ42はロッド41aに固定され、下クランプ43は支軸41の本体に固定されている。上クランプ42と下クランプ43の幅方向Yの間隔は、駆動機構の駆動によってロッド41aを昇降させることで調整される。ブラダ44は、上側内周縁が上クランプ42に取り付けられ、下側内周縁が下クランプ43に取り付けられている。上クランプ42、下クランプ43及びブラダ44によって囲まれた空間内には、図示しない給排気装置によって空気が供給及び排出される。ブラダ44は、空気が供給されることで膨らみ、グリーンタイヤ1’をタイヤ径方向の内側から支持する。
(タイヤ加硫金型の概要)
引き続いて図1A及び図1Bを参照すると、金型50は、前述のように、セクタモールド51、上モールド52、及び下モールド54を備える。
セクタモールド51は、環状体を周方向Zに複数(本実施形態では7個)分割することで形成された平面視扇形状のセクタ51Aを備え、これらがそれぞれセグメント31に取り付けられている。図1Aに示す型締め状態では、複数のセクタ51Aは、成形するタイヤの外径に応じた内径の円環状に連なる。セクタモールド51の径方向Xにおいて、セクタ51Aの内面は空気入りタイヤ1のトレッド部2(図2参照)を成形するための成形面51aを構成し、セクタ51Aの外面はセグメント31に取り付けるための取付面51bを構成する。成形面51aは、トレッド部2の外表面の形状に対応する段部を有する。
上モールド52は、円環状であり、グリーンタイヤ1’の上方に位置するように上プレート33の下面に固定されている。上モールド52は、昇降部材25の昇降動作に従って上プレート33を介して昇降する。上モールド52の内周部には上ビードリング53が固定されている。図1A及び図1Bにおいて下側に位置する上モールド52の内面は、タイヤ1の一対のサイド部3(図2参照)のうちの一方を成形するための成形面52aを構成し、上ビードリング53の内面は、タイヤ1の一対のビード部4(図2参照)のうちの一方を成形するための成形面53aを構成する。成形面52aは、一方のサイド部3の外表面の形状に対応する段部を有する。図1A及び図1Bにおいて上側に位置する上モールド52の外面は、上プレート33に取り付けるための取付面52bを構成し、上ビードリング53の外面は、上モールド52に取り付けるための取付面53bを構成する。
下モールド54は、上モールド52と同様の円環状であり、グリーンタイヤ1’の下部に位置するように下プレート35の上面に固定されている。下モールド54の内周部には、下ビードリング55が固定されている。図1A及び図1Bにおいて上側に位置する下モールド54の内面は、タイヤ1の一対のサイド部3のうちの他方を成形するための成形面54aを構成し、下ビードリング55の内側面は、タイヤ1の一対のビード部4のうちの他方を成形するための成形面55aを構成する。成形面54aは、他方のサイド部3の外表面の形状に対応する段部を有する。図1A及び図1Bにおいて下側に位置する下モールド54の外面は、下プレート35に取り付けるための取付面54bを構成し、下ビードリング55の外面は、下モールド54に取り付けるための取付面55bを構成する。
このように構成された金型50には、図1Bに示す型開き状態で、タイヤ幅方向が上下に延びる姿勢としたグリーンタイヤ1’が下モールド54上に載置される。この状態で、空気を供給してブラダ44を膨張させ、その外面でグリーンタイヤ1’の内側面を保持した状態で、駆動機構の駆動によって昇降部材24,25が降下されることで、図1Aに示すように金型50が型締めされる。
グリーンタイヤ1’のゴムは、金型50からの押圧によって成形面51a〜55aに密着する。上プラテン22及び下プラテン23には、所定温度に調整された熱交換媒体が常に流動されている。これにより、グリーンタイヤ1’のゴムが加硫され、図2に示す定められた外表面形状を有する空気入りタイヤ1が完成する。
セクタモールド51の成形面51aに形成された骨部(図示せず)によって、タイヤ1のトレッド部2には、タイヤ径方向の外面に定められた形状の溝(図示せず)が形成される。上モールド52と下モールド54の成形面52a,54aに形成された段部(凹凸部)によって、タイヤ1のサイド部3には、剛性又はデザイン性を向上するための模様やタイヤ1の表記が成形される。
例えば図2に示すタイヤ1のサイド部3には、タイヤ径方向の剛性を向上させる機能的な模様として、タイヤ径方向に延びる複数の凸条5がタイヤ周方向へ間隔をあけて設けられ、隣接した凸条5間に凹条6が形成されている。図4Aから図4Cを参照すると、上モールド52と下モールド54の成形面(プロファイル面)52a,54aには、凸条5を形成するための凹部56と、凹条6を形成するための凸部57とがそれぞれ形成され、これらによって段部が形成されている。
加硫時、金型50内に空気又はゴム組成物から発生したガスが残留していると、成形面51a〜55aにゴムが密着せず、タイヤ表面にベアが発生したり、タイヤ1内部にエア入り(空洞)が発生したりする。そこで、セクタモールド51、上モールド52、上ビードリング53、下モールド54、及び下ビードリング55のうち、ゴム流れが悪い部分には、空気とガスを排出するための排気構造が設けられている。
図3はセクタモールド51に形成した排気構造を示す。この排気構造は、成形面51aから取付面51b(外面)にかけて貫通するベントホール60を備え、金型50の内部から外部への空気及びガスの流動を許容する。ベントホール60の成形面51a側にはベントピース61が装着されている。ベントピース61は、通気孔61aを有する円筒状の部材であり、一端に形成された拡開部61bが成形面51a側に位置するように取り付けられる。このような排気構造は、上モールド52、上ビードリング53、下モールド54、及び下ビードリング55にも同様に形成される。
金型50内の空気をベントホール60へ導いて効率的に排出するために、上モールド52と下モールド54には、排気通路を構成するソーカット溝58(図4A参照)が形成されている。ソーカット溝58は幅方向Y外側へ窪むように成形面52a,54aに形成され、タイヤ1の外表面にはソーカット溝58に対応して半円形状に突出する突出部(図2参照)7が形成される。
従来、凹部と凸部を跨ぐようにベントホールを設ける場合、成形面から突出するベントピースによって、サイド部の模様や表記の外観が損なわれていた。ソーカット溝上にベントホールを設ける場合、ソーカット溝から突出するベントピースの一部によって、加硫時の排気効率が低下していた。このような不都合を抑制するために、本実施形態ではベントピース61を以下のように構成している。
(排気構造の詳細)
図4Aから図4Cは、上モールド52と下モールド54に対して、凹部56と凸部57に跨がってベントホール60を形成した例を示す。以下の説明では、上モールド52と下モールド54を纏めてサイドモールドという。
図4Aから図4Cを参照すると、サイドモールド52,54には、凹部56と凸部57が形成された成形面52a,54aから取付面52b,54b(図1A参照)にかけて貫通するように、ベントホール60が設けられている。このベントホール60の成形面52a,54a側にはベントピース61が取り付けられ、このベントピース61に凹部56と凸部57の形状に沿った切り欠き62が形成されている。
具体的には、ベントホール60は、第1の凸部57aの両側に位置する第2の凸部57bの一部を含む直径で形成されている。ベントピース61の切り欠き62は、凸部57a,57b、及びこれらの間の凹部56aの形状に沿うように形成されている。この切り欠き62によって、ベントピース61には、凹部56aに連続する凹部63と、凸部57aに連続する凸部64と、凸部57bの欠損部分を補完する凸部65とが形成されている。
図4Bに最も明瞭に示すように、凹部56と凸部57が延びる方向から見て、ベントピース61の凹部63は、サイドモールド52,54の凹部56aと同一形状であり、凹部56aの延長部分として機能する。ベントピース61の凸部64は、サイドモールド52,54の凸部57aと同一形状であり、凸部57aの延長部分として機能する。ベントピース61の凸部65は、ベントホール60の形成によるサイドモールド52,54の凸部57bの欠損部分を補完する形状であり、凸部57bの残存部分と一緒に1つの凸条を構成する。
ベントピース61の切り欠き62側には、取付面52b,54bから成形面52a,54aに向けて次第に拡開した拡開部66が形成されている。この拡開部66は、切り欠き62の形成によって除去された拡開部61bの代わりに設けられている。つまり、切り欠き62を有するベントピース61には、予め設けられた拡開部61b(図3参照)は無い。拡開部66は、凹部63と同一面上に位置する開口が、排気に必要な定められた直径になるように形成されている。
ベントピース61の外径(ベントホール60の内径)D1は1.5mm〜3.2mmであり、ベントピース61の通気孔61aの直径D2は0.5mm〜1.0mmである。また、拡開部66の最大部分の直径D3は、拡開部61bの最大部分の直径と同一であり、1.4mm〜2.0mmである。切り欠き62を設けない従来のタイヤに形成されるベントピース痕は、ベントピース61の外径D1に相当する円形状の凹みと、この凹みの中央から突出する最大直径がD3の円錐状の突起と、この突起の頂部から突出する直径がD2のスピューからなる。これに対してベントピース61に切り欠き62(凹部63と凸部64,65)を設けた本実施形態では、図2に示すように、完成したタイヤ1に形成されるベントピース痕8は、最大直径がD3の円錐状の突起8aと、突起の頂部から突出する直径がD2のスピュー8bからなる。つまり、本実施形態の排気構造では、ベントピース61の外径D1に相当する凹みを無くすことができる。
このように、本実施形態の金型50では、凹部56と凸部57の形状に沿った切り欠き62がベントピース61に設けられているため、その凹凸部63〜65によって成形面52a,54aの凹凸部(段部)56,57を補うことができる。よって、タイヤ1に成形されるベントピース痕8を最小限に抑えることができる。その結果、タイヤ1に成形された模様及び表記の外観がベントピース痕8によって低下することを抑制できる。また、排気構造をソーカット溝58上に設ける場合、切り欠き62によってソーカット溝58内に突出する部分が除去されるため、排気効率の低下を防止できるうえ、ベントピース痕8によってタイヤ1の外観が損なわれることを抑制できる。その結果、美観が優れた空気入りタイヤ1を確実に成形できる。
次に、図5Aから図5Cを参照して金型50の製造方法を説明する。
サイドモールド52,54の凹部56と凸部57が形成された部分に排気構造を設ける場合、図5Aに示すように、まず、サイドモールド52,54に定められた直径D1のベントホール60を形成する。続いて、図5Bに示すように、成形面52a,54aの方からベントピース61を打ち込む。この際、従来ではベントピース61の端が凸部57の頂部と面一になるまで打ち込む必要があったが、本実施形態では、図示のように凸部57から突出した状態でも構わない。
続いて、図5Cに示すように、ベントピース61における凹部56及び凸部57から突出した部分を切削し、凹部56と凸部57の形状に沿った縁を有する切り欠き62を形成する。これにより、凹部56aに連続する凹部63、凸部57aに連続する凸部64、及び凸部57bの欠損部分を補完する凸部65が形成され、凹部56と凸部57の欠損の大部分が補われる。また、予め設けられた拡開部61bが除去される。
最後に、図4Cに示すように、ベントピース61の切り欠き62側を通気孔61aの軸線を中心として切削し、円錐状の拡開部66を新たに形成する。なお、サイドモールド52,54のソーカット溝58上に排気構造を形成する場合も同様である。
このように、ベントピース61には、切り欠き62の形成後に拡開部66を形成するため、加硫時の排気効率の低下を確実に防止できる。しかも、加硫後の型開き時には、拡開部66によって形成される円錐状突起によって、ベントピース61内に流れ込んだスピューが破断し、ベントピース61内に残留することを防止できる。よって、金型50のメンテナンス性も向上できる。
なお、本発明のタイヤ加硫金型50、及びその製造方法は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、段部(凹凸部)による模様及び表記の変更は、必要に応じて可能である。また、切り欠き62を含むベントピース61を有する排気構造を設ける部位は、上モールド52のみであってもよいし、下モールド54のみであってもよい。また、トレッド部2を成形するセクタモールド51の骨部(段部)に排気構造を設ける場合、そのベントホール60に取り付けるベントピース61に切り欠き62を設けてもよい。また、ビードリング53,55の成形面53a,55aにソーカット溝を形成し、このソーカット溝上に排気構造を設ける場合、そのベントホール60に取り付けるベントピース61に切り欠き62を設けてもよい。
金型50は、円環状(型締め状態)の金型50を軸方向(上下)に二分割した一対のモールドを備える2ピースモールドであってもよい。そして、この2ピースモールドの段部に排気構造を設ける場合にも、ベントピース61に段部に対応する形状の切り欠き62を設けてもよい。
ベントピース61には、拡開部61bが予め設けられてなくてもよい。また、拡開部66を設ける工程は、切り欠き62の形成後に限られず、必要に応じて変更が可能である。また、ベントピース61には、拡開部66を必ずしも設けなくてもよい。この場合、タイヤ1に形成されるベントピース痕8はスピュー8bだけになるため、模様や表記の外観が損なわれることを大幅に改善できる。
1’…グリーンタイヤ
1…空気入りタイヤ
2…トレッド部
3…サイド部
4…ビード部
5…凸条
6…凹条
7…突出部
8…ベントピース痕
8a…突起
8b…スピュー
10…タイヤ加硫成形機
20…フレーム
21…プレート
22…上プラテン
22a…流路
23…下プラテン
23a…流路
24…昇降部材
25…昇降部材
30…コンテナ
31…セグメント
31a…傾斜面
32…ジャケット
32a…傾斜面
33…上プレート
34…上スライド
35…下プレート
36…下スライド
40…ブラダユニット
41…支軸
41a…ロッド
42…上クランプ
43…下クランプ
44…ブラダ
50…タイヤ加硫金型
51…セクタモールド(モールド)
51A…セクタ
51a…成形面
51b…取付面(外面)
52…上モールド(サイドモールド)
52a…成形面
52b…取付面(外面)
53…上ビードリング(モールド)
53a…成形面
53b…取付面(外面)
54…下モールド(サイドモールド)
54a…成形面
54b…取付面(外面)
55…下ビードリング(モールド)
55a…成形面
55b…取付面(外面)
56,56a…凹部
57,57a,57b…凸部
58…ソーカット溝
60…ベントホール
61…ベントピース
61a…通気孔
61b…拡開部
62…切り欠き
63…凹部
64…凸部
65…凸部
66…拡開部
X…セクタモールドの径方向
Y…セクタモールドの幅方向
Z…セクタモールドの周方向

Claims (5)

  1. 空気入りタイヤを成形するための複数のモールドを備え、
    前記複数のモールドはそれぞれ、前記空気入りタイヤの外表面の形状に対応する複数の段部を含む成形面と、前記成形面と間隔をあけて位置する外面とを有しており、
    前記複数のモールドのうちの少なくとも1つは、
    前記複数の段部のうちの少なくとも1つと対応するように、前記成形面から前記外面にかけて貫通して設けられたベントホールと、
    前記ベントホールの前記成形面側に取り付けられた筒状のベントピースと、
    前記少なくとも1つの段部の形状に沿うように、前記ベントピースの前記成形面側に設けられた切り欠きと
    を有する、タイヤ加硫金型。
  2. 前記複数のモールドは、
    周方向に分割した複数のセクタによって構成され、前記空気入りタイヤのトレッド部を成形するための環状のセクタモールドと、
    前記セクタモールドの軸方向に間隔をあけて配置されて、前記空気入りタイヤのサイド部を成形するための一対のサイドモールドと
    を備え、
    前記切り欠きを含むベントピースは、前記一対のサイドモールドのうちの少なくとも一方に設けられている、請求項1に記載のタイヤ加硫金型。
  3. 前記ベントピースの前記成形面側には、前記外面から前記成形面に向けて次第に拡開した拡開部が形成されている、請求項1又は2に記載のタイヤ加硫金型。
  4. 空気入りタイヤの外表面の形状に対応する複数の段部を含む成形面と、前記成形面と間隔をあけて位置する外面とをそれぞれ有する複数のモールドのうちの少なくとも1つに、前記複数の段部のうちの少なくとも1つと対応するように、前記成形面から前記外面にかけて貫通するベントホールを形成し、
    前記ベントホールの前記成形面側に筒状のベントピースを取り付け、
    前記ベントピースの前記成形面側に、前記少なくとも1つの段部の形状に沿って切り欠きを形成する、タイヤ加硫金型の製造方法。
  5. 前記切り欠きの形成後、前記ベントピースの前記成形面側に、前記外面から前記成形面に向けて次第に拡開した拡開部を形成する、請求項4に記載のタイヤ加硫金型の製造方法。
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