<第1実施形態>
先ず、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るヘッド1を備えたプリンタ100の全体構成について説明する。
プリンタ100は、4つのヘッド1を含むヘッドユニット1x、プラテン3、搬送機構4及び制御部5を備えている。
プラテン3の上面に、用紙9が載置される。
搬送機構4は、搬送方向にプラテン3を挟んで配置された2つのローラ対4a,4bを有する。制御部5の制御により搬送モータ4mが駆動されると、ローラ対4a,4bが用紙9を挟持した状態で回転し、用紙9が搬送方向に搬送される。
ヘッドユニット1xは、紙幅方向(搬送方向及び鉛直方向の双方に対して直交する方向)に長尺であり、位置が固定された状態でノズル21(図2及び図3参照)から用紙9に対してインクを吐出するライン式である。4つのヘッド1は、紙幅方向に千鳥状に配置されている。
制御部5は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有する。ASICは、ROMに格納されたプログラムに従い、記録処理等を実行する。記録処理において、制御部5は、PC等の外部装置から入力された記録指令(画像データを含む。)に基づき、各ヘッド1のドライバIC1d(図3参照)及び搬送モータ4mを制御し、用紙9上に画像を記録する。
次いで、図2及び図3を参照し、ヘッド1の構成について説明する。
ヘッド1は、流路基板11及びアクチュエータユニット12を有する。
流路基板11は、図3に示すように、鉛直方向に積層されかつ互いに接着された6枚のプレート11a〜11fを有する。プレート11dには、1つの供給流路31及び2つの帰還流路32(図2参照)が形成されている。プレート11a〜11fには、複数の個別流路20(図2参照)が形成されている。
1つの供給流路31及び2つの帰還流路32は、図2に示すように、配列方向(本実施形態では、搬送方向と平行な方向)に交互に並び、配列方向において2つの帰還流路32の間に1つの供給流路31が配置されている。1つの供給流路31及び2つの帰還流路32は、それぞれ、配列方向と直交する直交方向(本実施形態では、紙幅方向)に延びている。
供給流路31は、複数の個別流路20に対して直交方向の一方に設けられた供給口31xを介して、サブタンク7の貯留室7aと連通している。2つの帰還流路32は、それぞれ、複数の個別流路20に対して直交方向の一方に設けられた帰還口32xを介して、貯留室7aと連通している。供給口31x及び2つの帰還口32xは、複数の個別流路20に対して直交方向の一方(互いに同じ側)にあり、かつ、直交方向において互いに同じ位置にある。供給口31x及び帰還口32xは、流路基板11の上面に開口している。
貯留室7aは、インクを貯留するメインタンク(図示略)と連通し、メインタンクから供給されたインクを貯留する。
複数の個別流路20は、配列方向に並ぶ2つの列(第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2)を形成している。第1個別流路列C1は、第2個別流路列C2に対し、配列方向の一方(搬送方向の上流)に位置している。各個別流路列C1,C2において、複数の個別流路20は、直交方向に等間隔で並んでいる。第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20は、直交方向に千鳥状に配置されている。第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20と、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20とは、直交方向に部分的に重なっている。
第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20は、配列方向に互いに隣接する供給流路31と帰還流路32(2つの帰還流路32のうち、供給流路31に対して配列方向の一方に配置された帰還流路32)とを連結している。第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20は、配列方向に互いに隣接する供給流路31と帰還流路32(2つの帰還流路32のうち、供給流路31に対して配列方向の他方に配置された帰還流路32)とを連結している。
各個別流路20は、ノズル21、連通路22、第1圧力室23a、第2圧力室23b、第1接続流路24a、第2接続流路24b、第1連結流路25a及び第2連結流路25bを含む。
図3に示すように、ノズル21は、プレート11fに形成された貫通孔で構成され、流路基板11の下面に開口している。連通路22は、プレート11eに形成された貫通孔で構成されている。第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、それぞれ、プレート11aに形成された貫通孔で構成され、流路基板11の上面に開口している。第1接続流路24a及び第2接続流路24bは、それぞれ、プレート11b〜11dに形成された貫通孔で構成されている。第1連結流路25a及び第2連結流路25bは、それぞれ、プレート11b,11cに形成された貫通孔で構成されている。
図2に示すように、各個別流路列C1,C2において、複数のノズル21は、直交方向に等間隔で並んでいる。第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2に属する複数のノズル21(即ち、流路基板11に形成された全てのノズル21)は、直交方向に千鳥状に配置されている。これにより、各ノズル21の直交方向の位置は、当該ノズル21以外のノズル21の直交方向の位置と異なっている。
また、図2に示すように、第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、それぞれ、配列方向に延びており、鉛直方向から見て配列方向に長尺な略矩形状である。各個別流路20において、第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、直交方向において互いに同じ位置にあり、かつ、配列方向に互いに離隔している。そして、各個別流路列C1,C2において、それぞれ各個別流路20に属する第1圧力室23a及び第2圧力室23bからなる複数の圧力室組23sは、直交方向に等間隔で並んでいる。第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2に属する複数の圧力室組23s(即ち、流路基板11に形成された全ての圧力室組23s)は、直交方向に千鳥状に配置されている。これにより、各圧力室組23sの直交方向の位置は、当該圧力室組23s以外の圧力室組23sの直交方向の位置と異なっている。
各個別流路20において、第1圧力室23a、第1接続流路24a及び第1連結流路25aと、第2圧力室23b、第2接続流路24b及び第2連結流路25bとは、配列方向にノズル21を挟んで配置され、ノズル21を通る直交方向に沿った直線に関して、配列方向において互いに対称に配置されている。第1圧力室23a、第1接続流路24a及び第1連結流路25aは、配列方向においてノズル21よりも供給流路31に近い位置、又は、鉛直方向において供給流路31と重なる位置にある。第2圧力室23b、第2接続流路24b及び第2連結流路25bは、配列方向においてノズル21よりも供給流路31から遠い位置にある。第1圧力室23aの一部及び第1連結流路25aは、鉛直方向において供給流路31と重なっている。第2圧力室23bの一部及び第2連結流路25bは、鉛直方向において帰還流路32と重なっている。
第1連結流路25aは、供給流路31と第1圧力室23aとを連結している。第1連結流路25aは、供給流路31に連結する一端(個別流路20の入口20a)と、第1圧力室23aの配列方向の一端23a1に連結する他端25a2とを有する。他端25a2は、一端23a1における、第1圧力室23aの幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に位置する。
第2連結流路25bは、帰還流路32と第2圧力室23bとを連結している。第2連結流路25bは、帰還流路32に連結する一端(個別流路20の出口20b)と、第2圧力室23bの配列方向の一端23b1に連結する他端25b2とを有する。他端25b2は、一端23b1における、第2圧力室23bの幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に位置する。
第1連結流路25a及び第2連結流路25bは、それぞれ斜め方向(配列方向及び直交方向の双方に対して交差する方向)に延び、ノズル21を通る直交方向に沿った直線に関して、配列方向において互いに対称に配置されている。第1連結流路25aの一端(入口20a)は、第1連結流路25aの他端25a2に対し、直交方向の一方に位置している。第2連結流路25bの一端(出口20b)は、第2連結流路25bの他端25b2に対し、直交方向の一方に位置している。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、ノズル21に対して直交方向の一方(互いに同じ側)にあり、かつ、直交方向において互いに同じ位置にある。また、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とは、互いに同じである。さらに、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの流路抵抗と、出口20bから帰還口32xまでの流路抵抗とは、互いに同じである。また、1つの供給流路31及び2つの帰還流路32は、直交方向、配列方向及び鉛直方向のそれぞれにおいて互いに同じ長さを有し、流路断面積が互いに同じである。
供給流路31は、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20の入口20aに連通している。供給流路31において、複数の個別流路20の入口20aが、直交方向に千鳥状に配置されている。
2つの帰還流路32のうち、供給流路31に対して配列方向の一方に配置された帰還流路32は、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20の出口20bに連通している。2つの帰還流路32のうち、供給流路31に対して配列方向の他方に配置された帰還流路32は、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20の出口20bに連通している。2つの帰還流路32それぞれにおいて、複数の個別流路20の出口20bが、直交方向に一列に配置されている。
第1接続流路24aは、第1圧力室23aの配列方向の他端23a2と、連通路22の配列方向の一端22aとを接続している。第1接続流路24aは、他端23a2における、第1圧力室23aの幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に接続している。
第2接続流路24bは、第2圧力室23bの配列方向の他端23b2と、連通路22の配列方向の他端22bとを接続している。第2接続流路24bは、他端23b2における、第2圧力室23bの幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に接続している。
第1接続流路24a及び第2接続流路24bは、図3に示すように、それぞれ、鉛直方向に延びている。
連通路22は、ノズル21の直上を通る流路であり、配列方向に延びている。連通路22は、図2に示すように、直交方向において、第1圧力室23a及び第2圧力室23bの中央に位置している。ノズル21は、連通路22における配列方向の中央に配置されている。
図3に示すように、第1圧力室23aは、第1接続流路24a及び連通路22を介して、ノズル21と連通している。第2圧力室23bは、第2接続流路24b及び連通路22を介して、ノズル21と連通している。第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、第1接続流路24a、連通路22及び第2接続流路24bを介して、互いに連通している。
連通路22の一端22aは、第1接続流路24aに接続し、第1圧力室23a及び第1連結流路25aを介して供給流路31に連通している。連通路22の他端22bは、第2接続流路24bに接続し、第2圧力室23b及び第2連結流路25bを介して帰還流路32に連通している。
以上のような流路構成において、インクは以下のように流路基板11内を流れる。図2及び図3中の太矢印は、インクの流れを示す。
貯留室7a内のインクは、制御部5の制御により循環ポンプ7pが駆動されることで、供給口31xから供給流路31に供給される。供給流路31に供給されたインクは、供給流路31内を直交方向の一方から他方に向かって移動しつつ、各個別流路20に供給される。供給流路31から第1個別流路列C1に属する個別流路20に流入したインクは、各個別流路20内を後述のように移動した後、2つの帰還流路32のうち供給流路31に対して配列方向の一方に配置された帰還流路32に流入し、当該帰還流路32内を直交方向の他方から一方に向かって移動し、帰還口32xを介して貯留室7aに戻される。供給流路31から第2個別流路列C2に属する個別流路20に流入したインクは、各個別流路20内を後述のように移動した後、2つの帰還流路32のうち供給流路31に対して配列方向の他方に配置された帰還流路32に流入し、当該帰還流路32内を直交方向の他方から一方に向かって移動し、帰還口32xを介して貯留室7aに戻される。
個別流路20に流入したインクは、入口20aから第1連結流路25a及び第1圧力室23aを通って略水平に移動し、第1接続流路24aを通って下方に移動して、連通路22の一端22aに流入する。当該インクは、連通路22を水平方向に移動し、一部がノズル21から吐出され、残りが連通路22の他端22bから第2接続流路24bを通って上方に移動する。当該インクは、第2圧力室23b及び第2連結流路25bを通って略水平に移動し、出口20bから帰還流路32に流入する。
このようにサブタンク7と流路基板11との間でインクを循環させることで、流路基板11に形成された供給流路31及び帰還流路32、さらには個別流路20における、気泡の除去やインク増粘防止が実現される。また、インクが沈降成分(沈降が生じ得る成分。顔料等)を含む場合、当該成分が攪拌されて沈降が防止される。
アクチュエータユニット12は、流路基板11の上面に配置され、流路基板11に形成された全ての個別流路20の圧力室23a,23bを覆っている。
アクチュエータユニット12は、図3に示すように、下から順に、振動板12a、共通電極12b、複数の圧電体12c及び複数の個別電極12dを含む。振動板12a及び共通電極12bは、流路基板11の上面の略全体に配置されており、流路基板11に形成された全ての個別流路20の圧力室23a,23bを覆っている。一方、圧電体12c及び個別電極12dは、圧力室23a,23b毎に設けられており、圧力室23a,23bのそれぞれと対向している。
複数の個別電極12d及び共通電極12bは、ドライバIC1dと電気的に接続されている。ドライバIC1dは、共通電極12bの電位をグランド電位に維持する一方、個別電極12dの電位を変化させる。具体的には、ドライバIC1dは、制御部5からの制御信号に基づいて駆動信号を生成し、当該駆動信号を個別電極12dに付与する。これにより、個別電極12dの電位が所定の駆動電位とグランド電位との間で変化する。このとき、振動板12a及び圧電体12cにおいて個別電極12dと圧力室23a,23bとで挟まれた部分(アクチュエータ12x)が、圧力室23a,23bに向かって凸となるように変形することにより、圧力室23a,23bの容積が変化し、圧力室23a,23b内のインクに圧力が付与され、ノズル21からインクが吐出される。
アクチュエータユニット12は、圧力室23a,23bのそれぞれと対向する複数のアクチュエータ12xを有する。本実施形態では、各個別流路20において、2つの圧力室23a,23bとそれぞれ対向する2つのアクチュエータ12xを同時に駆動させることで、ノズル21から吐出されるインクの飛翔速度を増大させることができる。
ここで、連通路22は、ノズル21の直上を通る流路であることから、その内部におけるインクの流れが、ノズル21から吐出されるインクの飛翔方向に影響を及ぼす。特に本実施形態では、プレート11eの厚みがプレート11fの厚みよりも大きく、連通路22を流れるインクの流量が比較的大きいため、連通路22を通るインクの流れが、ノズル21から吐出されるインクの飛翔方向に、大きな影響を及ぼす。
本実施形態において、連通路22の一端22aから他端22bに向かう方向(第1個別流路列C1では連通方向D1、第2個別流路列C2では連通方向D2)は、配列方向と平行である。図2に示すように、連通方向D1は配列方向の一方(搬送方向の上流)に向かう方向、連通方向D2は配列方向の他方(搬送方向の下流)に向かう方向である。連通方向D1及び連通方向D2は、直交方向(紙幅方向)のベクトルを有さず、配列方向(搬送方向と平行な方向)において互いに逆向きのベクトルを有する。また、連通方向D1,D2は、図3に示すように、ノズル21の軸線方向(即ち、ノズル21からのインクの吐出方向)と直交する。
この場合、連通路22を通るインクの流れによって、ノズル21から吐出されるインクに、配列方向(搬送方向と平行な方向)の力は作用するが、直交方向(紙幅方向)の力は作用しない。そのため、直交方向(紙幅方向)において、ドットの疎密を抑制できる。
一方、配列方向(搬送方向と平行な方向)において、連通方向D1,D2は互いに逆向きのベクトルを有するため、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されるインクと、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクとに、配列方向(搬送方向と平行な方向)において互いに逆向きの力が作用する。具体的には、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されるインクには、配列方向の一方(搬送方向の上流)の力が作用するため、当該インクは、配列方向の一方に飛翔し、所望の位置に対して配列方向の一方に着弾する。第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクには、配列方向の他方(搬送方向の下流)の力が作用するため、当該インクは、配列方向の他方に飛翔し、所望の位置に対して配列方向の他方に着弾する。この場合において、何ら対策を行わなければ、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクと、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクとは、配列方向(搬送方向と平行な方向)において互いに逆向きに飛翔し、所望の位置に対してそれぞれ配列方向の一方及び他方にずれた位置に着弾することとなる。
そこで、制御部5は、第1個別流路列C1に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも前に駆動し、第2個別流路列C2に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも後に駆動する。規定タイミングは、連通方向D1,D2が直交方向と平行で配列方向のベクトルを有さない場合におけるアクチュエータ12xの駆動タイミングである。連通方向D1,D2が直交方向と平行な場合、インクの着弾位置の所望の位置に対する配列方向のずれは生じない。上記のようにタイミングを調整することで、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の他方(搬送方向の下流)に補正され、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の一方(搬送方向の上流)に補正される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2のそれぞれにおいて、連通方向D1,D2が、配列方向と平行である(図2参照)。したがって、ノズル21から吐出されるインクには、配列方向と平行な力が作用するが、直交方向の力は作用しない。そのため、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
供給流路31は、複数の個別流路20に対して直交方向の一方に設けられた供給口31xを介して、サブタンク7の貯留室7aと連通している(図2参照)。帰還流路32は、複数の個別流路20に対して直交方向の一方に設けられた帰還口32xを介して、貯留室7aと連通している。即ち、供給口31x及び帰還口32xは、複数の個別流路20に対し、直交方向において互いに同じ側に配置されている。この場合、各個別流路20に加わる圧力が分布する範囲を小さくでき、ノズル21のメニスカスを保持できる。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、ノズル21に対して直交方向において互いに同じ側にある(図2参照)。この場合、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とが、互いに同じである構成を実現し易い。当該構成では、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの圧力損失と、出口20bから帰還口32xまでの圧力損失とを、揃えることができる。そのため、比較的容易に(例えば供給口31x及び帰還口32xのそれぞれに正負が逆でかつ数値が同じ圧力を印加する等して)、各個別流路20の入口20aと出口20bとにおける圧力の絶対値を互いに同じにできる。これにより、ノズル21のメニスカスをより確実に保持できる。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、直交方向において互いに同じ位置にある(図2参照)。この場合、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とが、互いに同じである構成をより一層実現し易い。当該構成では、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの圧力損失と、出口20bから帰還口32xまでの圧力損失とを、揃えることができる。そのため、比較的容易に(例えば供給口31x及び帰還口32xのそれぞれに正負が逆でかつ数値が同じ圧力を印加する等して)、各個別流路20の入口20aと出口20bとにおける圧力の絶対値を互いに同じにできる。これにより、ノズル21のメニスカスをより一層確実に保持できる。
第1接続流路24aは、第1圧力室23aの他端23a2における、第1圧力室23aの幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に接続している(図2参照)。第2接続流路24bは、第2圧力室23bの他端23b2における、第2圧力室23bの幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に接続している。各接続流路24a,24bが各圧力室23a,23bの幅方向の一端に接続する場合、第1圧力室23aから第1接続流路24a、さらに第2接続流路24bから第2圧力室23bに向かってインクが流れる際に、各圧力室23a,23bの幅方向の他端に、淀みが生じ易くなる。これにより、気泡の除去、インクの増粘防止、インクの沈降成分の攪拌等が困難になり得る。これに対し、上記構成によれば、各接続流路24a,24bが各圧力室23a,23bの幅方向の中央に接続することで、上記のような淀みが生じ難く、気泡の除去等を効果的に行える。
ヘッドユニット1xは、直交方向(紙幅方向)に長尺であり、位置が固定された状態でノズル21からインクを吐出するライン式である。この場合、直交方向(紙幅方向)のドットの疎密については、連通路22の構成により抑制し、配列方向(搬送方向と平行な方向)のドットの疎密については、上記のような制御部5の制御により吐出タイミングを調整することで抑制できる。本実施形態とは逆に連通方向D1,D2が直交方向(紙幅方向)と平行である場合、吐出タイミングを調整しても、直交方向(紙幅方向)のドットの疎密を抑制することはできない。つまり、ライン式ヘッドの場合、連通方向D1,D2が搬送方向と平行である場合に、ドットの疎密を効果的に抑制できる。
連通方向D1,D2は、ノズル21の軸線方向と直交する(図3参照)。この場合、ノズル21から吐出されるインクの飛翔方向に連通方向D1,D2が特に大きな影響を及ぼし、直交方向におけるドットの疎密が顕著化し得る。この点、本実施形態では、連通方向D1,D2が配列方向と平行であり、ノズル21から吐出されるインクに直交方向の力が作用しないため、連通方向D1,D2がノズル21の軸線方向と直交する場合においても、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
<第2実施形態>
続いて、図4を参照し、本発明の第2実施形態に係るヘッド201について説明する。本実施形態は、主に個別流路20の構成において、第1実施形態と異なる。
第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、第1実施形態(図2)では配列方向に延びているが、本実施形態(図4)では斜め方向(配列方向及び直交方向の双方に対して交差する方向)に延びている。具体的には、第1個別流路列C1に属する第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、それぞれ、配列方向の他方から一方に向かうにつれて(配列方向において第2個別流路列C2から離隔するにつれて)、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。第2個別流路列C2に属する第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、それぞれ、配列方向の一方から他方に向かうにつれて(配列方向において第1個別流路列C1から離隔するにつれて)、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。換言すると、直交方向に隣接する2つの個別流路20の圧力室23a,23bが、供給流路31を中心として略Vの字状に延びており、各個別流路20の入口20aに対して直交方向に互いに同じ方向にずれている。第1個別流路列C1に属する圧力室23a,23bと、第2個別流路列C2に属する圧力室23a,23bとにおいて、延びる方向が互いに異なっている。各個別流路20において、圧力室23a,23bは互いに同じ方向に延びている。
第1連結流路25a及び第2連結流路25bは、第1実施形態(図2)では斜め方向に延びているが、本実施形態(図4)では配列方向に延びている。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、第1実施形態(図2)ではノズル21に対して直交方向において互いに同じ側にあるが、本実施形態(図4)ではノズル21に対して直交方向において互いに反対側にある。具体的には、各個別流路20において、入口20aはノズル21に対して直交方向の他方に位置し、出口20bはノズル21に対して直交方向の一方に位置する。ただし、第1実施形態と同様、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とは、互いに同じである。さらに、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの流路抵抗と、出口20bから帰還口32xまでの流路抵抗とは、互いに同じである。
第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20それぞれにおいて、入口20aから出口20bに向かう方向は、直交方向の他方から一方に向かう方向である。第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20それぞれにおいて、入口20aから出口20bに向かう方向も、直交方向の他方から一方に向かう方向である。即ち、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20それぞれの、入口20aから出口20bに向かう方向の、直交方向のベクトルと、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20それぞれの、入口20aから出口20bに向かう方向の、直交方向に関するベクトルとは、互いに同じ向きである。
供給口31x及び各帰還口32xの面積は、第1実施形態(図2)では互いに同じであるが、本実施形態(図4)では供給口31xの面積が各帰還口32xの面積の2倍である。具体的には、供給口31xの配列方向の長さは各帰還口32xの配列方向の長さと同じであるが、供給口31xの直交方向の長さは各帰還口32xの直交方向の長さの2倍である。これは、供給流路31に接続する個別流路20の数が、各帰還流路32に接続する個別流路20の数の2倍であり、供給流路31を流れるインクの量が各帰還流路32を流れるインクの量の2倍になることを考慮したものである。
以上に述べたように、本実施形態によれば、個別流路20の構成が第1実施形態と異なるものの、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2のそれぞれにおいて連通方向D1,D2が配列方向と平行であることから、第1実施形態と同様、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
さらに本実施形態では、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20それぞれの、入口20aから出口20bに向かう方向の、直交方向のベクトルと、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20それぞれの、入口20aから出口20bに向かう方向の、直交方向に関するベクトルとは、互いに同じ向きである。第1個別流路列C1と第2個別流路列C2とにおいて、これらベクトルが互いに逆向きである場合、慣性抵抗(局所損失による抵抗。流路の急な拡大や縮小部分、流路の曲がり部分等に生じる、流速に依存した抵抗)が互いに異なるため、個別流路20に作用する圧力の差が大きくなり、吐出特性のばらつきが生じ得る。これに対し、本実施形態では、第1個別流路列C1と第2個別流路列C2とにおいて、これらベクトルが互いに同じ向きであることから、慣性抵抗の差が小さくなり、個別流路20に作用する圧力の差を小さくでき、吐出特性のばらつきを抑制できる。
第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、斜め方向(配列方向及び直交方向の双方に対して交差する方向)に延びている。この場合、各圧力室23a,23bの長さが一定という条件の下、第1圧力室23a及び第2圧力室23bが配列方向に延びる場合(図2)に比べ、配列方向においてヘッド201を小型化できる。
第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20の第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、それぞれ、配列方向の他方から一方に向かうにつれて(配列方向において第2個別流路列C2から離隔するにつれて)、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20の第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、それぞれ、配列方向の一方から他方に向かうにつれて(配列方向において第1個別流路列C1から離隔するにつれて、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。圧力室23a,23bを斜めに配置する構成において、個別流路列C1,C2毎に上記のように圧力室23a,23bを配置することで、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20それぞれの入口20aから出口20bに向かう方向の直交方向のベクトルと、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20それぞれの入口20aから出口20bに向かう方向の直交方向に関するベクトルとが互いに同じ向きになる構成を、容易に実現できる。
<第3実施形態>
続いて、図5を参照し、本発明の第3実施形態に係るヘッド301について説明する。本実施形態は、個別流路20の構成において、第1実施形態と異なる。
第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、第1実施形態(図2)では配列方向に延びているが、本実施形態(図5)では、第2実施形態(図4)と同様、斜め方向(配列方向及び直交方向の双方に対して交差する方向)に延びている。具体的には、各個別流路20において、第1圧力室23aは、配列方向においてノズル21から離隔するにつれて、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。各個別流路20において、第2圧力室23bも、配列方向においてノズル21から離隔するにつれて、直交方向の他方から一方に向かう方向(帰還流路32の直交方向の一端に近づく方向。供給流路31の直交方向の一端に近づく方向と同じ方向)に延びている。換言すると、各個別流路20において、圧力室23a,23bは、ノズル21を中心として略Vの字状に延びており、ノズル21に対して直交方向に互いに同じ方向にずれている。第1個別流路列C1に属する第1圧力室23aと、第2個別流路列C2に属する第1圧力室23aとにおいて、延びる方向は互いに同じである。第1個別流路列C1に属する第2圧力室23bと、第2個別流路列C2に属する第2圧力室23bとにおいて、延びる方向は互いに同じである。第1圧力室23aと第2圧力室23bとにおいて、延びる方向が互いに異なっている。各個別流路20において、圧力室23a,23bは、ノズル21を通る直交方向に沿った直線に関して、配列方向において互いに対称に配置されている。
第1連結流路25a及び第2連結流路25bは、第1実施形態(図2)では斜め方向に延びているが、本実施形態(図5)では、第2実施形態(図4)と同様、配列方向に延びている。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、第1実施形態(図2)と同様、ノズル21に対して直交方向の一方(互いに同じ側)にあり、かつ、直交方向において互いに同じ位置にある。また、第1実施形態と同様、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とは、互いに同じである。さらに、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの流路抵抗と、出口20bから帰還口32xまでの流路抵抗とは、互いに同じである。
以上に述べたように、本実施形態によれば、個別流路20の構成が第1実施形態と異なるものの、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2のそれぞれにおいて連通方向D1,D2が配列方向と平行であることから、第1実施形態と同様、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
さらに本実施形態では、第1圧力室23aは、配列方向においてノズル21から離隔するにつれて、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。第2圧力室23bも、配列方向においてノズル21から離隔するにつれて、直交方向の他方から一方に向かう方向(供給流路31の直交方向の一端に近づく方向)に延びている。このように、圧力室23a,23bがノズル21に対して直交方向に互いに同じ方向にずれることで、第1圧力室23aと第2圧力室23bとにおける圧力の絶対値を互いに同じにでき、ノズル21のメニスカスをより確実に保持できる。
<第4実施形態>
続いて、図6及び図7を参照し、本発明の第4実施形態に係るヘッド401について説明する。本実施形態は、主に個別流路20の構成において、第1実施形態と異なる。
各個別流路20において、第1圧力室23a及び第2圧力室23bは、第1実施形態(図2)では、それぞれ配列方向に延び、かつ、直交方向において互いに同じ位置にあるが、本実施形態(図6)では、それぞれ配列方向に延び、かつ、直交方向にずれて配置されている。具体的には、第2圧力室23bは、第1圧力室23aに対し、直交方向の一方に位置する。
また、各個別流路20において、連通路22は、直交方向において、第1圧力室23aの幅方向(直交方向)の中央と、第2圧力室23bの幅方向(直交方向)の中央との間に位置する。
第1圧力室23aと連通路22とを接続する第1接続流路24aは、第1圧力室23aの幅方向の中央に接続し、かつ、図7に示すように鉛直方向(配列方向及び直交方向の双方と直交する方向)に対して斜めに延びている。第2圧力室23bと連通路22とを接続する第2接続流路24bは、第2圧力室23bの幅方向の中央に接続し、かつ、鉛直方向に対して斜めに延びている。
本実施形態の流路基板11(図7)は、第1実施形態の流路基板11(図2)において、プレート11dを、4枚のプレート11d1〜11d4からなるプレートユニットに置換したものである。第1接続流路24a及び第2接続流路24bは、それぞれ、プレート11b,11c及びプレート11d1〜11d4に形成された貫通孔で構成されている。これら貫通孔は、直交方向に互いにずれた位置に設けられている。
第1連結流路25a及び第2連結流路25bは、第1実施形態(図2)では斜め方向に延びているが、本実施形態(図6)では配列方向に延びている。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、第1実施形態(図2)ではノズル21に対して直交方向において互いに同じ側にあるが、本実施形態(図6)ではノズル21に対して直交方向において互いに反対側にある。具体的には、各個別流路20において、入口20aはノズル21に対して直交方向の他方に位置し、出口20bはノズル21に対して直交方向の一方に位置する。ただし、第1実施形態と同様、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とは、互いに同じである。さらに、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの流路抵抗と、出口20bから帰還口32xまでの流路抵抗とは、互いに同じである。
第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20それぞれにおいて、入口20aから出口20bに向かう方向は、直交方向の他方から一方に向かう方向である。第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20それぞれにおいて、入口20aから出口20bに向かう方向も、直交方向の他方から一方に向かう方向である。即ち、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20それぞれの、入口20aから出口20bに向かう方向の、直交方向のベクトルと、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20それぞれの、入口20aから出口20bに向かう方向の、直交方向に関するベクトルとは、互いに同じ向きである。
供給口31x及び各帰還口32xの面積は、第1実施形態(図2)では互いに同じであるが、本実施形態(図6)では、第2実施形態(図4)と同様、供給口31xの面積が各帰還口32xの面積の2倍である。
以上に述べたように、本実施形態によれば、個別流路20の構成が第1実施形態と異なるものの、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2のそれぞれにおいて連通方向D1,D2が配列方向と平行であることから、第1実施形態と同様、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
さらに本実施形態では、第1接続流路24a及び第2接続流路24bは、それぞれ、第1圧力室23a及び第2圧力室23bの幅方向の中央に接続し、かつ、鉛直方向に対して斜めに延びて、連通路22に接続している(図7参照)。これにより、第1圧力室23a及び第2圧力室23bを直交方向にずらして配置することで、配列方向におけるヘッド401の小型化を可能にしつつ、各接続流路24a,24bを各圧力室23a,23bの幅方向中央に接続することによる淀み抑制効果を得ることができる。
<第5実施形態>
続いて、図8を参照し、本発明の第5実施形態に係るヘッド501を備えたプリンタ500について説明する。第1実施形態のヘッド1(図1)はライン式であるのに対し、本実施形態のヘッド501(図8)はシリアル式である。
ヘッド501は、キャリッジ(図示略)に支持されており、制御部5による制御の下、ガイドレール57,58に沿って紙幅方向に移動しつつ、搬送機構4により搬送方向に間欠的に搬送される用紙9に対し、ノズル21からインクを吐出させる。
ヘッド501において、複数の個別流路20は、配列方向(本実施形態では、紙幅方向)に並ぶ第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2を形成している。即ち、第1実施形態では、搬送方向と平行な方向が「配列方向」に該当し、紙幅方向が「直交方向」に該当するのに対し、本実施形態では、紙幅方向が「配列方向」に該当し、搬送方向と平行な方向が「直交方向」に該当する。
連通方向D1,D2は、配列方向(紙幅方向)と平行である。連通方向D1は配列方向(紙幅方向)の一方に向かう方向、連通方向D2は配列方向(紙幅方向)の他方に向かう方向である。連通方向D1及び連通方向D2は、直交方向(搬送方向と平行な方向)のベクトルを有さず、配列方向(紙幅方向)において互いに逆向きのベクトルを有する。
この場合、連通路22を通るインクの流れによって、ノズル21から吐出されるインクに、配列方向(紙幅方向)の力は作用するが、直交方向(搬送方向と平行な方向)の力は作用しない。そのため、直交方向(搬送方向と平行な方向)において、ドットの疎密を抑制できる。
一方、配列方向(紙幅方向)において、連通方向D1,D2は互いに逆向きのベクトルを有するため、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されるインクと、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクとに、配列方向(紙幅方向)において互いに逆向きの力が作用する。具体的には、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されるインクには、配列方向(紙幅方向)の一方の力が作用するため、当該インクは、配列方向の一方に飛翔し、所望の位置に対して配列方向の一方に着弾する。第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクには、配列方向(紙幅方向)の他方の力が作用するため、当該インクは、配列方向の他方に飛翔し、所望の位置に対して配列方向の他方に着弾する。この場合において、何ら対策を行わなければ、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクと、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクとは、配列方向(紙幅方向)において互いに逆向きに飛翔し、所望の位置に対してそれぞれ配列方向の一方及び他方にずれた位置に着弾することとなる。
そこで、制御部5は、第1個別流路列C1に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも前に駆動し、第2個別流路列C2に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも後に駆動する。規定タイミングは、連通方向D1,D2が直交方向と平行で配列方向のベクトルを有さない場合におけるアクチュエータ12xの駆動タイミングである。連通方向D1,D2が直交方向と平行な場合、インクの着弾位置の所望の位置に対する配列方向のずれは生じない。上記のようにタイミングを調整することで、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向(紙幅方向)の他方に補正され、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向(紙幅方向)の一方に補正される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、ヘッド501がシリアル式である点で第1実施形態と異なるものの、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2のそれぞれにおいて連通方向D1,D2が配列方向と平行であることから、第1実施形態と同様、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
また本実施形態では、直交方向(搬送方向と平行な方向)のドットの疎密については、連通路22の構成により抑制し、配列方向(紙幅方向)のドットの疎密については、上記のような制御部5の制御により吐出タイミングを調整することで抑制できる。
<第6実施形態>
続いて、図9を参照し、本発明の第6実施形態に係るヘッド601について説明する。本実施形態は、供給流路31及び帰還流路32の数及び配置態様において、第1実施形態と異なる。
第1実施形態(図2)では、1つの供給流路31及び2つの帰還流路32が配列方向に交互に並び、配列方向において2つの帰還流路32の間に1つの供給流路31が配置されているが、本実施形態(図9)では、2つの供給流路31及び1つの帰還流路32が配列方向に交互に並び、配列方向において2つの供給流路31の間に1つの帰還流路32が配置されている。
供給流路及び帰還流路の配置態様が第1実施形態と異なるため、本実施形態は、第1個別流路列C1に属する各個別流路20を通るインクの流れ、及び、第2個別流路列C2に属する各個別流路20を通るインクの流れが、それぞれ、第1実施形態(図2)と逆になっている。
第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20は、配列方向に互いに隣接する供給流路31(2つの供給流路31のうち、帰還流路32に対して配列方向の一方に配置された供給流路31)と帰還流路32とを連結している。第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20は、配列方向に互いに隣接する供給流路31(2つの供給流路31のうち、帰還流路32に対して配列方向の他方に配置された供給流路31)と帰還流路32とを連結している。
2つの供給流路31のうち、帰還流路32に対して配列方向の一方に配置された供給流路31は、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20の入口20aに連通している。2つの供給流路31のうち、帰還流路32に対して配列方向の他方に配置された供給流路31は、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20の入口20aに連通している。2つの供給流路31それぞれにおいて、複数の個別流路20の入口20aが、直交方向に一列に配置されている。
帰還流路32は、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20の出口20bに連通している。帰還流路32において、複数の個別流路20の出口20bが、直交方向に千鳥状に配置されている。
連通方向D1,D2は、第1実施形態と同様、配列方向と平行であり、直交方向のベクトルを有さず、配列方向において互いに逆向きのベクトルを有する。ただし、連通方向D1,D2の各方向は第1実施形態(図2)と逆であり、連通方向D1は配列方向の他方に向かう方向、連通方向D2は配列方向の一方に向かう方向である。
この場合、第1実施形態と同様、連通路22を通るインクの流れによって、ノズル21から吐出されるインクに、配列方向の力は作用するが、直交方向の力は作用しない。そのため、直交方向において、ドットの疎密を抑制できる。
また、第1実施形態と同様、配列方向において、連通方向D1,D2は互いに逆向きのベクトルを有するため、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されるインクと、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクとに、配列方向において互いに逆向きの力が作用する。本実施形態では、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されるインクには、配列方向の他方の力が作用するため、当該インクは、配列方向の他方に飛翔し、所望の位置に対して配列方向の他方に着弾する。第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクには、配列方向の一方の力が作用するため、当該インクは、配列方向の一方に飛翔し、所望の位置に対して配列方向の一方に着弾する。この場合において、何ら対策を行わなければ、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクと、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されるインクとは、配列方向において互いに逆向きに飛翔し、所望の位置に対してそれぞれ配列方向の他方及び一方にずれた位置に着弾することとなる。
そこで、制御部5(図1)は、第1個別流路列C1に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも後に駆動し、第2個別流路列C2に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも前に駆動する。規定タイミングは、連通方向D1,D2が直交方向と平行で配列方向のベクトルを有さない場合におけるアクチュエータ12xの駆動タイミングである。連通方向D1,D2が直交方向と平行な場合、インクの着弾位置の所望の位置に対する配列方向のずれは生じない。上記のようにタイミングを調整することで、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の一方に補正され、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の他方に補正される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、供給流路31及び帰還流路32の数及び配置態様が第1実施形態と異なるものの、第1個別流路列C1及び第2個別流路列C2のそれぞれにおいて連通方向D1,D2が配列方向と平行であることから、第1実施形態と同様、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
さらに本実施形態では、帰還流路32において、複数の個別流路20の出口20bが、直交方向に千鳥状に配置されている。この場合、複数の個別流路20の出口20bが直交方向に一列に並ぶ場合に比べ、帰還流路32の内部において、渦が生じ易くなり、沈降成分の攪拌効果が高まる。
<第7実施形態>
続いて、図10及び図11を参照し、本発明の第7実施形態に係るヘッド701について説明する。本実施形態は、供給流路31及び帰還流路32の数及び配置態様と、個別流路20の構成とにおいて、第1実施形態と異なる。
図10に示すように、本実施形態では、それぞれ鉛直方向に並ぶ1つの供給流路31と1つの帰還流路32とから構成される3つの共通流路組30a〜30cが、配列方向に並んでいる。
本実施形態において、供給口31x及び帰還口32xは、流路基板711の上面に開口している。各共通流路組30a〜30cにおける供給口31xと帰還口32xとは、流路幅方向に並んでいる。
複数の個別流路20は、配列方向に並ぶ4つの列(第1個別流路列C1、第2個別流路列C2、第3個別流路列C3及び第4個別流路列C4)を形成している。第1個別流路列C1は、第2個別流路列C2に対し、配列方向の一方に位置している。第2個別流路列C2は、第3個別流路列C3に対し、配列方向の一方に位置している。第3個別流路列C3は、第4個別流路列C4に対し、配列方向の一方に位置している。各個別流路列C1〜C4において、複数の個別流路20は、直交方向に等間隔で並んでいる。第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20は、3つの共通流路組30a〜30cのうち配列方向の一方の端部に配置された共通流路組30aを構成する、供給流路31及び帰還流路32に連通している。第4個別流路列C4に属する複数の個別流路20は、3つの共通流路組30a〜30cのうち配列方向の他方の端部に配置された共通流路組30cを構成する、供給流路31及び帰還流路32に連通している。第2個別流路列C2及び第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20は、3つの共通流路組30a〜30cのうち配列方向の中央に配置された共通流路組30bを構成する、供給流路31及び帰還流路32に連通している。第2個別流路列C2及び第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20は、直交方向に千鳥状に配置されている。また、第2個別流路列C2に属する複数の個別流路20と、第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20とは、直交方向に部分的に重なっている。
各個別流路20は、ノズル21、連通路22、圧力室23、接続流路24及び連結流路25を含む。
図11に示すように、本実施形態の流路基板711は、鉛直方向に積層されかつ互いに接着された10枚のプレート711a〜711jを有する。
プレート711dには、供給流路31が形成されている。プレート711gには、帰還流路32が形成されている。プレート711e,711fは、それぞれ、供給流路31及び帰還流路32と鉛直方向に重なる部分に凹部を有する。これら凹部が鉛直方向に重なり合うことで、ダンパ室33が形成されている。プレート711eにおける凹部の底部は、供給流路31の下面を画定するダンパ膜33xとして機能する。プレート711fにおける凹部の底部は、帰還流路32の上面を画定するダンパ膜33yとして機能する。供給流路31に対し、鉛直方向に関して入口20aとは反対側に、ダンパ膜33xが設けられている。帰還流路32に対し、鉛直方向に関して出口20bとは反対側に、ダンパ膜33yが設けられている。
プレート711a〜711jには、複数の個別流路20が形成されている。ノズル21は、プレート711jに形成された貫通孔で構成され、流路基板711の下面に開口している。連通路22は、プレート711h,711iに形成された貫通孔で構成されている。圧力室23は、プレート711aに形成された貫通孔で構成され、流路基板711の上面に開口し、アクチュエータユニット12(図10では図示略)で覆われている。接続流路24は、プレート711b〜711hに形成された貫通孔で構成されている。連結流路25は、プレート711b,711cに形成された貫通孔で構成されている。
連結流路25は、供給流路31と圧力室23とを連結している。連結流路25は、供給流路31に連結する一端(個別流路20の入口20a)と、圧力室23の配列方向の一端23xに連結する他端25yとを有する。他端25yは、一端23xにおける、圧力室23の幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に位置する。
接続流路24は、圧力室23の配列方向の他端23yから、鉛直方向に延びている。接続流路24は、他端23yにおける、圧力室23の幅方向(本実施形態では、直交方向)の中央に接続している。
連通路22は、接続流路24の下端に接続する一端22aと、帰還流路32に接続する他端(個別流路20の出口20b)とを有する。
圧力室23は、接続流路24及び連通路22を介して、ノズル21と連通している。
連通路22の一端22aは、接続流路24に接続し、圧力室23及び連結流路25を介して供給流路31に連通している。連通路22の他端(出口20b)は、帰還流路32に接続している。
図10に示すように、連結流路25及び連通路22は、それぞれ、配列方向に延び、直交方向において圧力室23の中央に位置している。
各個別流路20において、入口20a及び出口20bは、直交方向において互いに同じ位置にあり、直交方向においてノズル21と同じ位置にある。各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの直交方向の距離と、出口20bから帰還口32xまでの直交方向の距離とは、第1実施形態(図2)と同様、互いに同じである。さらに、各個別流路20において、供給口31xから入口20aまでの流路抵抗と、出口20bから帰還口32xまでの流路抵抗とは、互いに同じである。また、供給流路31及び帰還流路32は、直交方向、配列方向及び鉛直方向のそれぞれにおいて互いに同じ長さを有し、流路断面積が互いに同じである。
共通流路組30aを構成する供給流路31は、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20の入口20aに連通している。共通流路組30aを構成する帰還流路32は、第1個別流路列C1に属する複数の個別流路20の出口20bに連通している。共通流路組30cを構成する供給流路31は、第4個別流路列C4に属する複数の個別流路20の入口20aに連通している。共通流路組30cを構成する帰還流路32は、第4個別流路列C4に属する複数の個別流路20の出口20bに連通している。共通流路組30bを構成する供給流路31は、第2個別流路列C2及び第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20の入口20aに連通している。共通流路組30bを構成する帰還流路32は、第2個別流路列C2及び第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20の出口20bに連通している。
共通流路組30bを構成する供給流路31において、第2個別流路列C2及び第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20の入口20aが、直交方向に千鳥状に配置されている。共通流路組30bを構成する帰還流路32において、第2個別流路列C2及び第3個別流路列C3に属する複数の個別流路20の出口20bが、直交方向に千鳥状に配置されている。
本実施形態において、連通路22の一端22aから他端(出口20b)に向かう方向(第1個別流路列C1では連通方向D1、第2個別流路列C2では連通方向D2、第3個別流路列C3では連通方向D3、第4個別流路列C4では連通方向D4)は、配列方向と平行である。連通方向D1は配列方向の一方に向かう方向、連通方向D2は配列方向の他方に向かう方向、連通方向D3は配列方向の一方に向かう方向、連通方向D4は配列方向の他方に向かう方向である。連通方向D1〜D4は、直交方向のベクトルを有さない。また、配列方向に隣接する2つの個別流路列間において、連通方向は互いに逆向きのベクトルを有する。具体的には、連通方向D1,D2は、配列方向において互いに逆向きのベクトルを有し、連通方向D2,D3は、配列方向において互いに逆向きのベクトルを有し、連通方向D3,D4は、配列方向において互いに逆向きのベクトルを有する。
この場合、第1実施形態と同様、連通路22を通るインクの流れによって、ノズル21から吐出されるインクに、配列方向の力は作用するが、直交方向の力は作用しない。そのため、直交方向において、ドットの疎密を抑制できる。
配列方向のドットの疎密については、第1実施形態と同様、制御部5の制御により吐出タイミングを調整することで抑制できる。具体的には、第1個別流路列C1に属するアクチュエータ12x(図11参照)を規定タイミングよりも前に駆動し、第2個別流路列C2に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも後に駆動する。また、第3個別流路列C3に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも前に駆動し、第2個別流路列C2に属するアクチュエータ12xを規定タイミングよりも後に駆動する。これにより、第1個別流路列C1に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の他方に補正され、第2個別流路列C2に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の一方に補正される。また、第3個別流路列C3に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の他方に補正され、第4個別流路列C4に属するノズル21から吐出されたインクの着弾位置が配列方向の一方に補正される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、供給流路31及び帰還流路32の数及び配置態様や個別流路20の構成が第1実施形態と異なるものの、各個別流路列C1〜C4において連通方向D1〜D4が配列方向と平行であることから、第1実施形態と同様、直交方向におけるドットの疎密を抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
連通路が形成されたプレートの厚みが、ノズルが形成されたプレートの厚みよりも大きいことに限定されない。連通路が形成されたプレートの厚みが、ノズルが形成されたプレートの厚み以下の場合は、連通路内の液体の流速が高まる観点から、連通路内の液体の流れが、ノズルから吐出される液体の飛翔方向に影響を及ぼし得る。
供給流路及び帰還流路の数は、それぞれ1つ以上であればよく、特に限定されない。例えば、第1〜第6実施形態では供給流路及び帰還流路の数が合計3であるが、供給流路及び帰還流路の数が合計2又は4以上であってもよい。また、第7実施形態では共通流路組の数が3であるが、共通流路組の数が1、2又は4以上であってもよい。
供給流路及び帰還流路が配列方向に並ぶ場合において、これらが交互に並ぶことには限定されない。例えば、配列方向の中央に2つの供給流路又は2つの帰還流路が互いに隣接して(即ち、これらの間に他の供給流路や帰還流路を挟まずに)配置されてもよい。
上述の実施形態では、複数の個別流路間の圧力差を抑制する観点から、各個別流路において供給口から入口までの直交方向の距離と出口から帰還口までの直交方向の距離とが互いに同じである構成や、供給流路及び帰還流路の流路断面積が互いに同じである構成を採用しているが、これに限定されない。各個別流路において、供給口から入口までの直交方向の距離と、出口から帰還口までの直交方向の距離とが互いに異なる場合は、供給口及び帰還口に印加する圧力を調整することで(例えば、供給口から入口までの直交方向の距離が、出口から帰還口までの直交方向の距離よりも大きい場合、供給口に印加する正の圧力の絶対値を帰還口に印加する負の圧力の絶対値よりも大きくすること等により)、各個別流路の入口と出口とにおける圧力の絶対値を互いに同じにし、ノズルのメニスカスを保持できる。
個別流路の入口及び出口は、供給流路及び帰還流路の上面や下面に位置することに限定されず、供給流路及び帰還流路の流路幅方向の側面に位置してもよい。
供給口及び帰還口は、複数の個別流路に対して直交方向の一方(互いに同じ側)に位置することに限定されない。例えば、供給口が複数の個別流路に対して直交方向の一方に位置し、帰還口が複数の個別流路に対して直交方向の他方に位置してもよい。また、供給口及び帰還口は、流路基板の上面に開口することに限定されず、流路基板の下面や側面に開口してもよい。
第7実施形態(図10)において、配列方向の中央の共通流路組30bだけでなく、配列方向の端部の共通流路組30a,30bに対しても、2つの個別流路列が設けられてよい。
ノズルは、連通路における連通方向の中央以外の位置に配置されてもよい。
各個別流路に含まれるノズルの数は、1つに限定されず、2つ以上であってもよい。
各個別流路に含まれる圧力室の数は、1つ又は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
アクチュエータは、圧電素子を用いたピエゾ方式のものに限定されず、その他の方式(例えば、発熱素子を用いたサーマル方式、静電力を用いた静電方式等)のものであってもよい。
ノズルから吐出される液体は、インクに限定されず、任意の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)であってよい。
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。また、本発明は、画像の記録以外の用途で使用される液体吐出装置(例えば、基板に導電性の液体を吐出して導電パターンを形成する液体吐出装置)にも適用可能である。