JP2020100522A - Al4SiC4の製造方法 - Google Patents
Al4SiC4の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020100522A JP2020100522A JP2018238363A JP2018238363A JP2020100522A JP 2020100522 A JP2020100522 A JP 2020100522A JP 2018238363 A JP2018238363 A JP 2018238363A JP 2018238363 A JP2018238363 A JP 2018238363A JP 2020100522 A JP2020100522 A JP 2020100522A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sic
- powder
- carbide
- producing
- plant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
Description
[Al4SiC4の製造]
(植物由来原料の加熱処理)
植物由来の炭化物の原料として、岡山県真庭市において産業廃棄物として処分された樹皮を用いた。用いられた樹皮は、主としてスギやヒノキの樹皮からなるものであるが、広葉樹の樹皮が含まれることもある。この樹皮を110℃で乾燥して乾燥樹皮を得た。得られた乾燥樹皮をアルミナ製のるつぼに充填し、アルミナ製の蓋を被せてから1000℃で加熱処理して乾燥樹皮を炭化させて樹皮炭を得た。得られた樹皮炭を透過電子顕微鏡(TEM)で観察して、得られたTEM像を図1に示し、電子回折線像を図2に示す。図2から、1000℃で加熱処理して得られた樹皮炭は非晶質であることが示された。
金属アルミニウムの粉末(平均粒径:45μm以下、純度:99.9%)108g、金属ケイ素の粉末(平均粒径:45μm以下、純度:98.3%)28g、及び上記樹皮炭粉末42.3gを容器(1L)に入れ混合した。このとき容器に投入した各成分の量比は、各元素のモル比でAl:Si:C=4:1:3.5であった(炭素原子100モルに対しアルミニウム原子が113モル、ケイ素原子が28モル)。この容器にアルミナボール(直径5mm)900gを入れ、容器を250rpmで1時間回転させた。次いで、容器から混合粉末を取り出し、カーボン製のるつぼ(直径70mm×高さ75mm)に充填した。次いで、このるつぼを加熱炉に入れ、アルゴン雰囲気下、昇温速度10℃/minで室温から1700℃まで昇温させた後、1700℃に保持したまま炉内に5時間放置した。加熱温度(合成温度)を表1に示す。
次いで、るつぼから反応物のブロックを取り出し、ハンマーを用いて解砕した。その結果、ハンマーで容易に解砕することができた。結果を表1に示す。また、解砕後の反応物の外観写真を図3に示す。
目開き45μmの篩を通過した反応物についてXRDにより定性分析を行った。結果を図4に示す。図4に示すように、得られたピークは全てAl4SiC4由来のピークと同定され、不純物の極めて少ないAl4SiC4が得られたことが確認された。
走査型電子顕微鏡装置(SEM)を用いて、目開き45μmの篩を通過したAl4SiC4についてSEM像の撮影を行った。得られたSEM像を図5に示す。
(植物由来原料の加熱処理)
実施例1と同様の乾燥樹皮を用いた。これをアルミナ製のるつぼに充填し、アルミナ製の蓋を被せてから2000℃で加熱した以外は実施例1と同様にして「植物由来原料の加熱処理」を行い樹皮炭粉末を得た。得られた樹皮炭粉末の炭素元素含有量は99.1質量%であった。加熱処理温度及び炭素元素含有量を表1に示す。
金属アルミニウム粉末(平均粒径:45μm以下、純度:99.9%)108g、金属ケイ素粉末(平均粒径:45μm以下、純度:98.3%)28g、及び上記樹皮炭粉末48g(各元素のモル比でAl:Si:C=4:1:3.9、炭素原子100モルに対しアルミニウム原子が100モル、ケイ素原子が25モル)を容器に入れ混合した以外は実施例1と同様にして加熱処理を行い反応物を得た。加熱温度(合成温度)を表1に示す。
実施例1と同様にして解砕及び分級を行った。このとき得られた反応物のブロックについてハンマーを用いて解砕した。その結果、ハンマーで容易に解砕することができた。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして解砕された反応物をアルミナボールで砕いた後、目開き45μmの篩を通過した反応物についてXRDによる定性分析を行った。結果を図6に示す。図6に示すように、Al4SiC4由来のピーク及びAl4C3由来のピークが確認され、不純物の少ないAl4SiC4が得られたことが確認された。
(植物由来原料の加熱処理)
市販の木炭を準備した。この木炭は、マングローブを原料とし、これを600〜700℃で炭化して得られたものである。そして、この木炭をそのまま用い、ハンドミキサーで3分間粉砕して約4μmの粒度に調整した。得られた木炭粉末の炭素元素含有量は77.2質量%であった。加熱処理温度及び炭素元素含有量を表1に示す。
金属アルミニウム粉末(純度99.9%)108g、金属ケイ素粉末(純度98.3%)28g、及び上記木炭粉末34.8g(各元素のモル比でAl:Si:C=4:1:2.9、炭素原子100モルに対しアルミニウム原子が138モル、ケイ素原子が34モル)を容器に入れ混合した以外は実施例1と同様にして加熱処理を行い反応物を得た。
実施例1と同様にして解砕及び分級を行った。このとき得られた反応物のブロックについてハンマーを用いて解砕した。その結果、ハンマーで容易に解砕することができた。そして、解砕された反応物を実施例1と同様にしてアルミナボールで砕いた。分級の結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、目開き45μmの篩を通過した反応物についてXRDによる定性分析を行った。結果を図4に示す。図4に示すように、Al4SiC4由来のピークが確認されるとともに、Al4O4Cや未反応のAlやSi由来のピークも確認され、不純物を含むAl4SiC4が得られたことが確認された。
(C−Si−Al混合物の加熱処理)
アルミナ粉末(純度:99.9質量%)108g、シリコン粉末(純度:98.3質量%)28g及び鱗状黒鉛(純度:98質量%以上)48g(各元素のモル比でAl:Si:C=4:1:4、炭素原子100モルに対しアルミニウム原子が100モル、ケイ素原子が25モル)を容器に入れ混合した以外は実施例1と同様にして加熱処理を行い反応物を得た。
実施例1と同様にして解砕及び分級を行った。このとき得られた反応物のブロックについてハンマーでの解砕を試みた。しかしながら、この反応物は硬くハンマーで容易に解砕することができず、解砕に多大な労力を要した。結果を表1に示す。図7に合成後のブロックの破断面の写真を示す。合成後のブロックの破断面の中央部には黒色の領域が確認され、特にこの部分が硬くて解砕が困難であった。この黒い領域は、実施例1〜3の反応物では確認されなかったものである(例えば図3参照)。そして、ハンマーで割った際に得られた粉末を集めて、実施例1と同様にして当該粉末を分級した。分級の結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、目開き45μmの篩を通過した反応物についてXRDによる定性分析を行った。図4に示すように、得られたピークは全てAl4SiC4由来のピークと同定され、不純物の極めて少ないAl4SiC4が得られたことが確認された。
実施例1と同様にして、得られたAl4SiC4のSEM像の撮影を行った。得られたSEM像を図8〜10に示す。図8は、目開き75μmの篩を通過しなかったAl4SiC4のSEM像であり、図9は、目開き75μmの篩を通過し目開き45μmの篩を通過しなかったAl4SiC4のSEM像であり、図10は、目開き45μmの篩を通過したAl4SiC4のSEM像である。図8〜9の比較から、目開き75μmの篩を通過しなかったAl4SiC4(図8)、及び目開き75μmの篩を通過し目開き45μmの篩を通過しなかったAl4SiC4(図9)は、いずれもAl4SiC4粒子が焼結して粗大化していることが確認された。Al4SiC4粒子が焼結して粗大化したことにより、得られるAl4SiC4は容易に解砕することができないものとなったと本発明者らは推測している。また、本発明者らは、図7に示した黒色の領域が、Al4SiC4粒子が焼結して粗大化したものによってできた領域であると推測している。
Claims (5)
- 植物由来の炭化物の粉末、アルミニウム粉末及びケイ素粉末の混合物を不活性ガス雰囲気下1600〜1800℃で加熱するAl4SiC4の製造方法。
- 前記炭化物が、植物由来の原料を300〜2200℃で加熱して得られたものである請求項1に記載のAl4SiC4の製造方法。
- 前記炭化物の炭素元素含有量が70〜99.5質量%である請求項1又は2に記載のAl4SiC4の製造方法。
- 前記混合物を加熱して得られたAl4SiC4ブロックを解砕する請求項1〜3のいずれかに記載のAl4SiC4の製造方法。
- 前記混合物が、前記炭化物に含まれる炭素原子100モルに対しアルミニウム原子を90〜150モル含み、ケイ素原子を20〜35モル含む請求項1〜4のいずれかに記載のAl4SiC4の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018238363A JP7165576B2 (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | Al4SiC4の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018238363A JP7165576B2 (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | Al4SiC4の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020100522A true JP2020100522A (ja) | 2020-07-02 |
JP7165576B2 JP7165576B2 (ja) | 2022-11-04 |
Family
ID=71140985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018238363A Active JP7165576B2 (ja) | 2018-12-20 | 2018-12-20 | Al4SiC4の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7165576B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020158374A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | タテホ化学工業株式会社 | Al4SiC4粉末 |
CN112210294A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-12 | 广东极客亮技术有限公司 | 碳化硅防霉防白蚁涂料、防白蚁木材及制备方法 |
CN113666749A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-11-19 | 北京科技大学 | 大尺寸Al4SiC4的工业化制备方法 |
JP2022136391A (ja) * | 2021-03-08 | 2022-09-21 | 東京窯業株式会社 | Al4SiC4組成物又はAl4SiC4粉末、及びその製造方法 |
JP2023014475A (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-31 | 東京窯業株式会社 | 酸素含有Al4SiC4粉末及びその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003176119A (ja) * | 2001-12-06 | 2003-06-24 | Hiromi Sarai | 炭化珪素の製造法及び製造装置 |
US20040126561A1 (en) * | 2002-12-16 | 2004-07-01 | Council Of Scientific And Industrial Research | Process for making biopreform from monocotyledonous caudex plant, biopreform obtained thereby, and use thereof |
JP2014156366A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-08-28 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | Al4SiC4粉の製造方法、MgO−Cれんがの製造方法、及びMgO−Cれんが |
-
2018
- 2018-12-20 JP JP2018238363A patent/JP7165576B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003176119A (ja) * | 2001-12-06 | 2003-06-24 | Hiromi Sarai | 炭化珪素の製造法及び製造装置 |
US20040126561A1 (en) * | 2002-12-16 | 2004-07-01 | Council Of Scientific And Industrial Research | Process for making biopreform from monocotyledonous caudex plant, biopreform obtained thereby, and use thereof |
JP2014156366A (ja) * | 2013-02-14 | 2014-08-28 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | Al4SiC4粉の製造方法、MgO−Cれんがの製造方法、及びMgO−Cれんが |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020158374A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | タテホ化学工業株式会社 | Al4SiC4粉末 |
JP7224997B2 (ja) | 2019-03-28 | 2023-02-20 | タテホ化学工業株式会社 | Al4SiC4粉末 |
CN112210294A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-12 | 广东极客亮技术有限公司 | 碳化硅防霉防白蚁涂料、防白蚁木材及制备方法 |
JP2022136391A (ja) * | 2021-03-08 | 2022-09-21 | 東京窯業株式会社 | Al4SiC4組成物又はAl4SiC4粉末、及びその製造方法 |
JP7467371B2 (ja) | 2021-03-08 | 2024-04-15 | 東京窯業株式会社 | Al4SiC4組成物又はAl4SiC4粉末の製造方法 |
JP2023014475A (ja) * | 2021-07-19 | 2023-01-31 | 東京窯業株式会社 | 酸素含有Al4SiC4粉末及びその製造方法 |
JP7425775B2 (ja) | 2021-07-19 | 2024-01-31 | 東京窯業株式会社 | 酸素含有Al4SiC4粉末及びその製造方法 |
CN113666749A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-11-19 | 北京科技大学 | 大尺寸Al4SiC4的工业化制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7165576B2 (ja) | 2022-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7165576B2 (ja) | Al4SiC4の製造方法 | |
US8951638B2 (en) | Silicon carbide powder for producing silicon carbide single crystal and a method for producing the same | |
Ikubanni et al. | Influence of temperature on the chemical compositions and microstructural changes of ash formed from palm kernel shell | |
Sen et al. | Preparation of titanium carbide powders by carbothermal reduction of titania/charcoal at vacuum condition | |
JP5101277B2 (ja) | 炭素熱還元炉用の耐破壊性電極 | |
Quaranta et al. | Ash from sunflower husk as raw material for ceramic products | |
JP2015044726A (ja) | 炭化珪素粉末、及び、炭化珪素単結晶の製造方法 | |
Obeid | Crystallization of synthetic wollastonite prepared from local raw materials | |
Ji et al. | Synthesis of Si3N4 powder with tunable α/β-Si3N4 content from waste silica fume using carbothermal reduction nitridation | |
US20070132129A1 (en) | Process for producing silicon carbide ceramic | |
CN102161594A (zh) | 一种SiC晶须强化的SiC陶瓷基复合材料及其制备方法 | |
Aghili et al. | Effects of boron oxide composition, structure, and morphology on B4C formation via the SHS process in the B2O3–Mg–C ternary system | |
CN107663092B (zh) | 一种AlN粉体的制备方法 | |
Alweendo et al. | Microstructural and mechanical properties of alumina (Al 2 O 3) matrix composites reinforced with sic from rice husk by spark plasma sintering | |
CN104446496B (zh) | 一种AlON粉体的制备方法及由其制备的透明陶瓷 | |
Ying et al. | Synthesis and mechanical properties of nano-layered composite | |
CN1850596A (zh) | 利用铁矿石尾矿制备SiC复相材料的方法 | |
CN1259279C (zh) | 一种以铝为添加剂的钛硅碳块体材料及其制备方法 | |
Kavitha et al. | Synthesis and characterization of nano silicon carbide powder from agricultural waste | |
Wu et al. | Effect of ZrC content on the properties of biomorphic C–ZrC–SiC composites prepared using hybrid precursors of novel organometallic zirconium polymer and polycarbosilane | |
Murray | Low temperature synthesis of boron carbide using a polymer precursor powder route | |
Feng et al. | Synthesis, densification, microstructure, and mechanical properties of samarium hexaboride ceramic | |
CN102211937A (zh) | 一种高纯铝硅碳超细粉体的合成方法 | |
Khangkhamano et al. | Conversion of bagasse ash waste to nanosized SiC powder | |
KR20150014371A (ko) | 흑연 재료의 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220705 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220721 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221024 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7165576 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |