JP2020100119A - 処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】剥離剤を含む原料を精度よく再生することができる処理装置および処理方法を提供すること。【解決手段】繊維を含む第1層を有する基材と、粘着物質に対し剥離性を有する剥離剤を含む第2層とを有するシート状の原料を供給する供給部と、供給された前記原料から前記第2層を除去する除去部と、を備えることを特徴とする処理装置。前記除去部は、前記第2層を物理的に除去する除去部材を有する構成であってもよく、前記第2層に除去剤を付与して化学的に除去する除去剤付与部を有する構成であってもよい。【選択図】図1
Description
本発明は、処理装置および処理方法に関する。
近年では、例えば特許文献1に開示されているように、粘着製品の粘着剤面の保護を目的として、自己粘着ラベルおよびフィルム用のライナーとして使用されるような剥離剤でコーティングされたセルロースまたはポリマーシート材料からなる剥離紙等の廃棄物を処理する方法が知られている。
特許文献1には、剥離紙を粉砕し、その粉砕物を湿式で処理して成形する処理方法が開示されている。得られた成形体は、剥離剤由来の撥水性を有しており、様々な用途で用いられる。
しかしながら、剥離紙を粉砕しても、剥離剤がセルロース繊維の表面に付着してしまうため、セルロース繊維から剥離剤が取り除かれた再生物を得るのは難しい。また、剥離剤が付着した繊維は、再生紙としたときの品質が、普通紙を再生した再生紙よりも低下するため、古紙として再生できない、或いは、再生に向かない禁忌品という位置付けとされている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下のものとして実現することが可能である。
本発明の処理装置は、繊維を含む第1層を有する基材と、粘着物質に対し剥離性を有する剥離剤を含む第2層とを有するシート状の原料を供給する供給部と、
供給された前記原料から前記第2層を除去する除去部と、を備えることを特徴とする。
供給された前記原料から前記第2層を除去する除去部と、を備えることを特徴とする。
本発明の処理方法は、繊維を含む第1層を有する基材と、粘着物質に対し剥離性を有する剥離剤を含む第2層とを有するシート状の原料を供給する供給工程と、
供給された前記原料から前記第2層を除去する除去工程と、を有することを特徴とする。
供給された前記原料から前記第2層を除去する除去工程と、を有することを特徴とする。
以下、本発明の処理装置および処理方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の処理装置を備える再生装置の第1実施形態を示す概略側面図である。図2は、図1に示す再生装置のブロック図である。図3〜図6は、図1に示す処理部が備える除去部を示す模式図であり、作動状態を順に示す垂直断面図である。図7は、図1に示す処理装置が備える制御部の制御動作を示すフローチャートである。
図1は、本発明の処理装置を備える再生装置の第1実施形態を示す概略側面図である。図2は、図1に示す再生装置のブロック図である。図3〜図6は、図1に示す処理部が備える除去部を示す模式図であり、作動状態を順に示す垂直断面図である。図7は、図1に示す処理装置が備える制御部の制御動作を示すフローチャートである。
なお、図1および図3〜図6中(図8、図10〜図16についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図3〜図6(図8〜図16)の右側を「上流側」、左側を「下流側」と言う。
図1に示すように、再生装置1は、剥離性を有する原料M0を乾式で再生処理する装置であり、処理装置10と、シート製造装置100とを備えている。処理装置10によって、原料M0の剥離剤層が除去される。そして、シート製造装置100によって、剥離剤層が除去された原料M0、すなわち、原料M1がシートSに再生される。
(処理装置)
処理装置10は、原料M0を供給する供給部3と、供給部3から供給された原料M0から剥離剤層を除去する除去部4と、制御部5と、を備えている。
処理装置10は、原料M0を供給する供給部3と、供給部3から供給された原料M0から剥離剤層を除去する除去部4と、制御部5と、を備えている。
供給部3は、除去部4に原料M0を供給する機能を有していれば特に限定されないが、例えば、原料M0がストックされる図示しないストック部と、ストックされた原料M0を1枚ずつ送り出す図示しない送りフィーダーとを有する構成とすることができる。なお、ストック部に1枚の原料M0が投入されたらストックせずにその時点で除去部4に送り出す構成であってもよい。
原料M0は、例えば、粘着テープの粘着剤に接合して用いられる剥離シート、あるいはセパレーターである。この原料M0は、図1および図3〜図5に示すように、繊維30を含む第1層を有する基材である基材層300と、剥離剤40を含む第2層としての剥離剤層400とを有する積層体である。
繊維30としては、例えば、セルロース繊維、綿、リンター、カボック、亜麻、大麻、ラミー、絹等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、このなかでも、セルロース繊維を主とするのが好ましい。セルロース繊維は入手が容易で、成形性に優れる。セルロース繊維としては、木質系パルプに由来するものが好ましい。木質系パルプとしては、バージンパルプ、クラフトパルプ、晒ケミサーモメカニカルパルプ、合成パルプ、古紙や再生紙に由来するパルプ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース、すなわち狭義のセルロースを主成分とし繊維状をなすものであればよく、狭義のセルロースの他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものが該当する。
なお、繊維30としては、上述したような繊維以外の繊維、すなわち、再生繊維や、合成繊維等であってもよく、これらが混合されて用いられていてもよい。
剥離剤40の構成材料としては、剥離性を有していれば特に限定されないが、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられ、中でもシリコーン系樹脂であるのが一般的である。
剥離剤40は、撥水性を有しているため、従来のように粉砕処理を行った後に湿式で成形しようとしても困難であり、また、成形したとしても脆くなってしまう。このため、剥離シートは、従来では、再生による再利用に適さず、ほとんどが破棄されている。
なお、基材層300の平均厚さは、0.03mm以上0.2mm以下程度であるのが一般的であり、剥離剤層400の平均厚さは、0.002mm以上0.01mm以下程度であるのが一般的である。このように基材層300および剥離剤層400は、比較的薄いものである。
このような原料M0は、供給部3によって、除去部4に供給される。すなわち、供給部3によって、供給工程が行われる。
除去部4は、原料M0から剥離剤層400を除去するものである。除去部4は、ベルト411を有する搬送部41と、ベルト411の一方の面側、すなわち、図3〜図6中上側に配置された保持部材42と、ベルト411の一方の面側、すなわち、図3〜図6中上側で、かつ、保持部材42よりも上流側に配置された除去部材43と、を有する。
搬送部41は、供給部3から供給された原料M0を保持部材42まで搬送し、その後、原料M1として処理装置10から排出し、シート製造装置100に供給する機能を有する。例えば、搬送部41は、無端ベルトであるベルト411と、ベルト411が掛け回され、回転駆動する図示しない複数のローラーとを有する構成とすることができる。
複数のローラーのうちの少なくとも1つのローラーは、図示しない駆動源であるモーターと接続されており、このモーターは、制御部5によって制御される。ローラーの回転によりベルト411が循環回転し、ベルト411上の原料M0は、図3に示すように搬送される。また、本実施形態では、原料M0は、基材層300が上側を向いた状態、すなわち、ベルト411と剥離剤層400が接触した状態で搬送される。
なお、搬送部41は、図示の構成に限定されず、例えば、原料M0をその厚さ方向に挟持しつつ回転して送り出す構成であってもよい。
このような搬送部41によって搬送工程および後述する排出工程が行われる。
このような搬送部41によって搬送工程および後述する排出工程が行われる。
保持部材42は、搬送されてきた原料M0を当該保持部材42から着脱自在に保持する機能を有する。保持部材42は、ベルト411の一方の面側、すなわち、図3〜図6中上側に配置された回転ドラム421と、ポンプ423とを有している。なお、ポンプ423は、図示の構成では、回転ドラム421に対して下流側に配置されているが、本発明ではこれに限定されない。
回転ドラム421は、ベルト411から離間して設けられており、図示しない駆動源であるモーターによって、その中心軸回り、すなわち、矢印α421方向に回転することができる。回転ドラム421は、円筒体で構成され、その内腔部421aが管路422を介してポンプ423と気密的に接続されている。
また、回転ドラム421の壁部には、内腔部421aと連通する貫通孔で構成された吸引孔421bが複数形成されている。これらの吸引孔421bは、回転ドラム421の周方向に沿って等間隔に配置されており、中心軸O方向に沿っても間隔を置いて配置されている。
そして、ポンプ423を作動させることにより、図3〜図5に示すように、各吸引孔421bに吸引力F421が生じる。この吸引力F421により、回転ドラム421の外周部に、搬送されてきた原料M0を吸着し固定することができる。
なお、回転ドラム421は、吸引力F421によって原料M0を固定するよう構成されているが、これに限定されず、例えば、静電気力によって原料M0を固定するよう構成されていてもよい。このような構成としては、例えば、回転ドラム421の外表面に誘電体または電極を配置する構成等が挙げられる。
除去部材43は、回転ドラム421に保持されている原料M0と接触して剥離剤層400を原料M0から除去して、原料M1を生成する機能を有する。除去部材43は、本実施形態では、切削に用いられる工具の一種であるバイト431とすることができる。このバイト431によって除去工程が行われる。
また、バイト431の幅、すなわち、回転ドラム421の中心軸O方向の長さは、特に限定されないが、原料M0の幅や回転ドラム421の長さよりも長いのが好ましい。なお、回転ドラム421の中心軸O方向の長さが原料M0の幅や回転ドラム421の長さよりも短い場合、切削の際、バイト431を中心軸O方向に往復動させるのが好ましい。
このバイト431は、回転ドラム421に対して図3〜図6中右側、すなわち、原料M0の搬送方向上流側に配置されている。また、バイト431は、図示しない移動機構によって回転ドラム421の外周側から接近・離間可能に支持されている。なお、この移動機構の駆動源は、制御部5と電気的に接続され、その作動が制御される。
図3に示すように、ベルト411によって搬送されてきた原料M0は、搬送方向下流側の端部から、回転ドラム421の吸引力F421によって回転ドラム421の外周部に吸着されていく。このとき、原料M0の基材層300側が回転ドラム421と密着する向きで吸着されていく。そして、図4に示すように、原料M0の全面が回転ドラム421に吸着した際、原料M0は、回転ドラム421によって安定的に保持されつつ、回転ドラム421の回転とともに中心軸O回りに回転する。
そして、図4に示すように、原料M0の端部がバイト431の近傍まで回転すると剥離剤層400の研削が開始され、さらに原料M0が回転すると、図5に示すように、切削が継続される。これにより、剥離剤層400の全域を研削することができる。その結果、原料M0から剥離剤層400が除去され、基材層300を有する原料M1が生成される。
剥離剤層400の除去が完了すると、図6に示すように、ポンプ423の作動を停止する。これにより原料M1は、回転ドラム421から離脱して落下し、ベルト411上に移行する。そして、ベルト411によって処理装置10から排出されてシート製造装置100の原料供給部11に供される。すなわち、ベルト411によって排出工程が行われる。
また、回転ドラム421に対するバイト431の離間距離は、基材層300の厚さや剥離剤層400の厚さ等に応じて決定される。これらの厚さに関する情報は、例えば、図示しない操作パネル等を用いて作業者が入力する情報であってもよく、これらの厚さを検出する検出部を設け、この検出部からの情報に基づいたものであってもよい。
また、剥離剤層400の除去は、回転ドラム421が1回転する間に行なわれてもよいし、回転ドラム421が複数回転する間に行なわれてもよい。剥離剤層400の除去を回転ドラム421が複数回転する間に行なう場合、バイト431を回転ドラム421に対して徐々に接近させつつ、その切削を行なうのが好ましい。これにより、剥離剤層400が比較的厚いものであっても、無理なくその除去を行なうことができる。
また、回転ドラム421を回転させるモーターの回転数を変更することにより、バイト431の切削速度を調整することができる。モーターの回転数の変更は、モーターに印加する電圧を変更することにより可能である。
また、本実施形態では、回転ドラム421の回転数は、50rpm以上3000rpm以下であるのが好ましく、600rpm以上1000rpm以下であるのがより好ましい。剥離シートとしての原料M0の基材層300の繊維30は、一般的には高強度の繊維が高密度で成形されたものが多い。このため、このような比較的多い回転数で切削を行ったとしても、原料M0あるいは基材層300が皺になったりするのを防止することができ、迅速に処理を行うことができる。
また、本実施形態のように、切削で剥離剤層400を除去する場合、切削深さが比較的浅く、また、剥離剤層400は、シリコーン等の材料で構成される。剥離剤層400の構成材料の摩擦係数は、0.1〜0.2が一般的であり、潤滑性剥離性に優れた材料であり、容易に除去が可能であるため、基材層300に負荷がかかりにくい。このようなことが上記と相まって、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。具体的には、原料M0への押圧の最大荷重は、100gf/cm以上、10000gf/cm以下であるのが好ましく、200gf/cm以上、8000gf/cm以下であるのがより好ましい。これにより、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
また、同様の理由から、幅が広い、すなわち、中心軸O方向の長さが長いバイト431を用いることができる。すなわち、切削する際の接触部分を大きく確保しても、基材層300に負荷がかかりにくい。従って、このことも一助となり、さらに迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
また、バイト431の先端、すなわち、刃先と、回転ドラム421の外周面との最小離間距離を規制するストッパーが設けられているのが好ましい。このストッパーにより、バイト431が回転ドラム421と接触するのを防止することができる。
なお、搬送部41を省略し、回転ドラム421に対して手作業で着脱操作を行ってもよい。また、切削された剥離剤層400は、別途回収されるのが好ましい。
このような処理装置10が備える各部は、制御部5と電気的に接続されている。そして、これら各部の作動は、制御部5によって制御される。
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)51と、記憶部52とを有している。CPU51は、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。
記憶部52は、例えば、剥離剤層の除去処理に関するプログラム等の各種プログラムや、各種検量線、テーブル等が記憶されている。
また、この制御部5は、処理装置10に内蔵されていてもよいし、シート製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。また、外部機器は、例えば、処理装置10とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、例えばインターネット等のようなネットワークが処理装置10を介して接続されている場合等がある。
また、CPU51と、記憶部52とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、CPU51が処理装置10に内蔵され、記憶部52が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部52が処理装置10に内蔵され、CPU51が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。
次に、図7に示すフローチャートに基づいて、制御部5の制御動作について説明する。
まず、ステップS101において、供給部3から除去部4に原料M0を供給する。次いで、ステップS102において、搬送部41によって原料M0を保持部材42まで搬送する。
まず、ステップS101において、供給部3から除去部4に原料M0を供給する。次いで、ステップS102において、搬送部41によって原料M0を保持部材42まで搬送する。
次いで、ステップS103において、原料M0が回転ドラム421の近傍まで搬送されると、ポンプ423を作動させる。なお、原料M0が回転ドラム421の近傍に搬送されたのを検出して吸引を開始してもよく、予め決められた時間が経過した際に吸引を開始してもよい。また、ポンプ423は、原料M0が回転ドラム421の近傍まで搬送される以前から作動していてもよい。
そして、ステップS104において、原料M0が回転ドラム421に保持されたか否か、すなわち、吸着されたか否かを判断する。この判断は、吸引力F421が、予め定められた所定値を低下したか否かに基づいて行われてもよく、ポンプ423のモーターにかかるトルク値が予め定められた所定値を上回ったか否かに基づいて行われてもよい。
ステップS104において、原料M0が回転ドラム421に保持されたと判断した場合。ステップS105において、原料M0の除去、すなわち、切削を開始する。すなわち、バイト431を回転ドラム421に対して接近させ、バイト431を原料M0に接触させる。
なお、バイト431をどの程度、回転ドラム421に接近させるか、すなわち、どの程度の深さで原料M0を切削するかは、予め作業者が設定してもよく、剥離剤層400の厚さを検出し、その検出結果に基づいて決定してもよい。
そして、ステップS106において、原料M0の、すなわち、切削が完了したか否かを判断する。この判断は、例えば、切削開始から回転ドラム421が予め設定された回転数回転したか否かに基づいて行うことができる。
ステップS106において、切削が完了したと判断した場合、ステップS107において、保持部材42が原料M0を保持すなわち、吸着するのを解除する。すなわち、ポンプ423の作動を停止する。これにより、原料M0が回転ドラム421からベルト411に移行する。
次いで、ステップS108で、ベルト411によって原料M1を処理装置10から排出する。
そして、ステップS109において、除去処理が完了したか否かを判断する。この判断は、例えば、処理した原料M0の枚数が設定された値に達したか否かに基づいて行われる。ステップS109において、未だ完了していないと判断した場合、ステップS101に戻り、以下のステップを順次繰り返す。
なお、吸引の作動、停止の切替は、管路422に弁を設け、この弁の開閉により行ってもよい。
以上説明したように、本発明の処理装置10は、繊維を含む第1層を有する基材である基材層300と、剥離剤40を含む第2層である剥離剤層400とを有するシート状の原料M0を供給する供給部3と、供給された原料M0から剥離剤層400を除去する除去部と、を備える。
また、本発明の処理装置10は、繊維を含む第1層を有する基材である基材層300と、剥離剤40を含む第2層である剥離剤層400とを有するシート状の原料M0を供給する供給工程と、供給された原料M0から剥離剤層400を除去する除去工程と、有する。
このような本発明によれば、原料M1が前述したような構成の剥離シートであったとしても、乾式、すなわち、ドライファイバーテクノロジーで、上述したように、剥離剤層400を除去することができる。よって、得られた原料M1をそのまま再生紙として使用したり、後述するようなシート製造装置100に供して所望の大きさを有するシートSに再生することができる。また、その成形の際、乾式で行うことができ、成形性に優れる。
また、除去部4は、本実施形態では、第2層である剥離剤層400を物理的に除去する除去部材43を有する。また、除去部材43は、切削、研削、スクレイプおよび研磨のうちの少なくとも1つ、本実施形態では切削の動作を行うものである。
これにより、剥離剤層400の構成材料によらず効果的に剥離剤層400を除去することができる。また、より確実性を高めるために基材層300の一部も一括して切削することもできる。さらに、除去された剥離剤層400の剥離剤40を回収することもでき、この剥離剤40も再利用することができる。
また、原料M0は、基材層300と剥離剤層400との間に中間層を有する構成であってもよい。この中間層としては、特に限定されないが、例えば、剥離剤40が基材層300に浸透するのを防止する浸透防止剤を含む目止め層等が挙げられる。浸透防止剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、中でもポリエチレンが用いられているのが一般的である。
除去部4は、このような中間層を剥離剤層400とともに同時または順次除去してもよく少なくとも一部を残存させてもよい。少なくとも一部を残存させる場合、原料M1やシートSに、中間層の構成材料に応じた利点を付与することができる。なお、シートSに再生する過程で中間層を除去してもよい。
このような処理装置10によって処理された後の原料M1は、そのままシートとして様々な用途に再利用されてもよく、シート製造装置100に供されてもよい。シート製造装置100に供されることにより、所望の大きさを有するシートSとすることができる。
次に、シート製造装置100について説明する。
(シート製造装置)
図1および図2に示すように、シート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22と、回収部27と、制御部28と、を備えている。
(シート製造装置)
図1および図2に示すように、シート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22と、回収部27と、制御部28と、を備えている。
また、図1に示すように、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。その他、シート製造装置100は、ブロアー173と、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263とを備えている。
以下、各部の構成について説明する。
図1に示すように、原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程を行なう部分である。原料M1は、前述した繊維30を含んでいる。
図1に示すように、原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程を行なう部分である。原料M1は、前述した繊維30を含んでいる。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を大気中等の気中で粗砕する粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上、70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含む図示しないフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式、特に、温風気化式の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、高速回転する回転刃を有し、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊処理工程を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維30が結着されてなる粗砕片M2を、1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、図示しない回転刃の回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ、すなわち、気流を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4−1と、第1選別物M4−1よりも大きい第2選別物M4−2とに選別される。第1選別物M4−1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。その平均長さは、1μm以上、30μm以下であるのが好ましい。一方、第2選別物M4−2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4−1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4−2として選別される。
第1選別物M4−1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側、すなわち、下流側が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側、すなわち、下流側が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4−1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4−1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4−1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4−1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状をなす第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4−1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このような塵や埃は、後述する回収部27に回収されることとなる。特に、処理装置10から供給された原料M1には、剥離剤層400や目止め層や色材等が含まれていることも想定されるが、これらをメッシュベルト151で除去することにより、シートS中にこれらが異物として混入するのをより効果的に防止または抑制することができる。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
回収部27には、管245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4−1を加湿することができ、よって、第1選別物M4−1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、樹脂供給部171と、管172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、シートSの紙力を増強するための紙力増強剤等が含まれていてもよい。または、予めそれらを樹脂P1に含ませて複合化したものを樹脂供給部171から供給してもよい。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と樹脂P1とが混合される。また、ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト191と、張架ローラー192と、吸引部193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状をなす第2ウェブM8として形成される。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
なお、加湿部231〜加湿部236までに加えられる合計水分量は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上、20質量部以下であるのが好ましい。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、カレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。なお、このときの加熱の程度としては、例えば、樹脂P1を溶融させない程度であるのが好ましい。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向、特に直交する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。この切断は、シートSの両側端部の不要な部分を除去して、シートSの幅を整えるものであり、切断除去された部分は、いわゆる「みみ」と呼ばれる。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の形状、大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
このようなシート製造装置100が備える各部は、制御部28と電気的に接続されている。そして、これら各部の作動は、制御部28によって制御される。
制御部28は、CPU(Central Processing Unit)281と、記憶部282とを有している。CPU281は、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。
記憶部282は、例えば、シートSを製造するプログラム等の各種プログラムや、各種検量線、テーブル等が記憶されている。
また、この制御部28は、シート製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。また、外部機器は、例えば、シート製造装置100とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、例えばインターネット等のようなネットワークがシート製造装置100を介して接続されている場合等がある。
また、CPU281と、記憶部282とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、CPU281がシート製造装置100に内蔵され、記憶部282が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部282がシート製造装置100に内蔵され、CPU281が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。
なお、再生装置1では、処理装置10の制御部5と、シート製造装置100の制御部28とのうちの一方の制御部が省略され、他方の制御部が制御部5および制御部28の双方の機能を有していてもよい。
以上、シート製造装置100について説明した。再生装置1は、処理装置10とシート製造装置100とが一体型になった装置であるため、剥離剤層400を除去して、基材層300を再生するまでの一連の処理を全自動で行うことができる。また、これらの一連の処理は、全て乾式、すなわち、ドライファイバーテクノロジーで行われるため、従来のような湿式での再生での問題を解決しつつ成形体を得ることができる。
また、剥離シートとしての原料M0の基材層300の繊維30は、一般的には高強度の繊維が高密度で成形されたものが多く、このような繊維30を用いてシートSを成形することにより、各種条件を同じとした場合、剥離シート以外の原料、例えば、再生紙等を用いてシートを製造する場合と比べて、高強度のシートSが得られる。
得られたシートSの繊維の平均繊維長さは、特に限定されないが、0.5mm以上、2.0mm以下であるのが好ましく、0.7mm以上、1.5mm以下であるのがより好ましい。これにより、シートSの強度を十分に高めることができる。
同様の理由から、繊維30の平均幅、すなわち、平均径は、特に限定されないが、0.01mm以上、0.05mm以下であるのが好ましく、0.015mm以上、0.03mm以下であるのがより好ましい。
同様の理由から、繊維30の平均アスペクト比、すなわち、平均幅に対する平均長さの比率は、特に限定されないが、10以上、200以下であるのが好ましく、20以上、100以下であるのがより好ましい。
また、シートSにおける繊維30の含有量は、100重量部のシートSに対して、70重量部以上、95重量部以下であるのが好ましく、75重量部以上、90重量部以下であるのがより好ましい。これにより、シートSの強度を十分に確保することができる。
また、シートSにおける樹脂P1の含有量は、100重量部のシートSに対して、2重量部以上、30重量部以下であるのが好ましく、5重量部以上、20重量部以下であるのがより好ましい。これにより、シートSの強度を十分に確保することができる。
また、シートSにおける構成材料の密度、すなわち、繊維30および樹脂P1の合計の密度は、0.1g/cm3以上、1.5g/cm3以下であるのが好ましく、0.8g/cm3以上、1.2g/cm3以下であるのがより好ましい。これにより、繊維30間の隙間を十分に確保することができるとともに、十分な強度を得ることができる。
また、シートSは、原料M0由来の撥水性を有していてもよい。すなわち、シートSには、剥離剤40を含んでいてもよい。この場合、剥離剤40の含有量は、100重量部のシートSに対して、0.001重量部以上、0.1重量部以下であるのが好ましく、0.01重量部以上、0.08重量部以下であるのがより好ましい。これにより、シートSは、耐水性を有するものとなる。なお、剥離剤40の含有量が多すぎると、例えばシートSを記録媒体として用いた場合、記録用の色材等が定着しにくくなる傾向を示す。
<第2実施形態>
図8は、本発明の処理装置の第2実施形態が備える除去部材を示す模式図である。
図8は、本発明の処理装置の第2実施形態が備える除去部材を示す模式図である。
以下、この図を参照して本発明の処理装置および処理方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、除去部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態は、除去部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態では、除去部材43は、フラップブラシ432である。フラップブラシ432は、回転ドラム421に対して、図8中右側、すなわち、原料M0の搬送方向上流側に配置され、回転ドラム421の外周側から接近可能に支持されている。このフラップブラシ432は、円筒体の外周部に不織布432aが巻回、固定されたものである。また、フラップブラシ432は、その駆動源である図示しないモーターによって、回転ドラム421の回転方向と同方向に、すなわち、矢印α432方向に回転することができる。
図8に示すように、除去部4では、原料M0を固定した回転ドラム421が矢印α421方向に回転した状態で、フラップブラシ432を矢印α432方向に回転させつつ回転ドラム421に接近させることができる。これにより、フラップブラシ432で剥離剤層400を研磨することができ、よって、剥離剤層400を基材層300から過不足なく除去することができる。また、研磨時に基材層300にカッターマークが形成されるのを防止することができる。
また、本実施形態では、フラップブラシ432の回転数は、600rpm以上3000rpm以下であるのが好ましく、800rpm以上2000rpm以下であるのがより好ましい。剥離シートとしての原料M0の基材層300の繊維30は、一般的には高強度の繊維が高密度で成形されたものが多い。また、剥離剤層400は、シリコーン等の材料で構成される。剥離剤層400の構成材料の摩擦係数は、0.1〜0.2が一般的であり、潤滑性剥離性に優れた材料であり、容易に除去が可能であるため、基材層300に負荷がかかりにくい。このため、このような比較的多い回転数で研磨を行ったとしても、原料M0あるいは基材層300に負荷がかかりすぎるのを防止することができる。
また、除去部材43は、原料M0に対し押圧して用いられるものであり、本実施形態のように、研磨で剥離剤層400を除去する場合、前記と同様の理由から、原料M0への押圧の最大荷重は、100gf/cm以上、10000gf/cm以下であるのが好ましく、200gf/cm以上、8000gf/cm以下であるのがより好ましい。これにより、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
なお、フラップブラシ432は、本実施形態では基材層300を研磨するときには時計回りに回転しているが、これに限定されず、反時計回りに回転してもよい。フラップブラシ432が反時計回りに回転する場合、フラップブラシ432と回転ドラム421との間に周速差を設けることとなる。
<第3実施形態>
図9は、本発明の処理装置の第3実施形態が備える除去部材を示す模式図である。
図9は、本発明の処理装置の第3実施形態が備える除去部材を示す模式図である。
以下、この図を参照して本発明の処理装置および処理方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、除去部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態は、除去部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、除去部材43は、スクレイパー433を有している。
スクレイパー433は、ステンレス鋼等のような金属材料で構成された板部材であり、その長手方向が中心軸O方向と平行に配置されている。なお、スクレイパー433の全長は、原料M0の中心軸O方向の長さよりも長いのが好ましい。また、スクレイパー433は、回転ドラム421に対して、原料M0の搬送方向上流側に配置され、回転ドラム421の外周側から接近可能に支持されている。そして、原料M0を固定した回転ドラム421が回転した状態でスクレイパー433を回転ドラム421に接近させることにより、スクレイパー433で剥離剤層400をスクレイプすることができる。これにより、剥離剤層400を基材層300から除去することができる。
スクレイパー433は、ステンレス鋼等のような金属材料で構成された板部材であり、その長手方向が中心軸O方向と平行に配置されている。なお、スクレイパー433の全長は、原料M0の中心軸O方向の長さよりも長いのが好ましい。また、スクレイパー433は、回転ドラム421に対して、原料M0の搬送方向上流側に配置され、回転ドラム421の外周側から接近可能に支持されている。そして、原料M0を固定した回転ドラム421が回転した状態でスクレイパー433を回転ドラム421に接近させることにより、スクレイパー433で剥離剤層400をスクレイプすることができる。これにより、剥離剤層400を基材層300から除去することができる。
また、本実施形態では、回転ドラム421の回転数は、50rpm以上3000rpm以下であるのが好ましく、60rpm以上300rpm以下であるのがより好ましい。前記各実施形態で説明したのと同様の理由で、このような比較的大きい回転数で回転ドラム421を回転させつつスクレイプを行うことができ、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
また、本実施形態では、原料M0への押圧の最大荷重は、100gf/cm以上、10000gf/cm以下であるのが好ましく、150gf/cm以上、500gf/cm以下であるのがより好ましい。前記各実施形態で説明したのと同様の理由で、このような比較的大きい荷重でスクレイプを行うことができ、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
<第4実施形態>
図10および図11は、それぞれ、第4実施形態が備える除去部を示す模式図であり、作動状態を順に示す垂直断面図である。
図10および図11は、それぞれ、第4実施形態が備える除去部を示す模式図であり、作動状態を順に示す垂直断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の処理装置および処理方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態では、剥離剤層400の除去を研削で行ない、その研削に弾性グラインダー434を用いる。これにより、研削に適した工具を用いることができ、よって、その研削を容易かつ迅速に行なうことができる。
図10および図11に示すように、本実施形態では、除去部材43は、弾性グラインダー434を有する。
弾性グラインダー434は、円筒体の外周部に弾性膜435が巻回、固定されたものである。弾性膜435には、研削用の砥粒が均一に混入されている。この弾性グラインダー434は、その駆動源である図示しないモーターによって、図10および図11中時計回りに回転することができる。これにより、弾性グラインダー434は、矢印α434方向に回転することにより、基材層300上の剥離剤層400、すなわち、繊維含有材料(情報記録材料)を除去することができる。
搬送部41は、本実施形態では、2つの第1搬送ローラー412と、2つの第2搬送ローラー413と、を有する。
2つの第1搬送ローラー412は、弾性グラインダー434(除去部材)に対して基材層300の搬送方向上流側に配置されている。これら2つの第1搬送ローラー412は、上下に配置されており、それぞれ矢印α412方向に回転することができる。これにより、2つの第1搬送ローラー412は、基材層300を挟持しつつ回転して、基材層300を搬送することができる。
2つの第2搬送ローラー413は、弾性グラインダー434に対して基材層300の搬送方向下流側に配置されている。これら2つの第2搬送ローラー413は、第1搬送ローラー412と同様に上下に配置されており、それぞれ矢印α413方向に回転することができる。これにより、2つの第2搬送ローラー413は、基材層300を挟持しつつ回転して、基材層300を搬送することができる。
なお、第1搬送ローラー412や第2搬送ローラー413では、基材層300を搬送する搬送速度を変更可能に構成されている。この変更方法としては、特に限定されず、例えば、2つの第1搬送ローラー412のうち、主動ローラーとなっている第1搬送ローラー412と、この第1搬送ローラー412に接続されるモーターとの間に減速機を設ける方法等が挙げられる。このことは、第2搬送ローラー413についても同様である。
また、第1搬送ローラー412や第2搬送ローラー413では、基材層300を挟持する挟持力も変更可能に構成されている。ここで、「挟持力」とは、2つの第1搬送ローラー412で基材層300を挟持した状態とし、この挟持状態から基材層300を引き抜くのに要する力のことを言う。このことは、第2搬送ローラー413についても同様である。
挟持力の変更方法としては、特に限定されず、例えば、前記減速機にカム機構を設けて、カムの切り換えによって変更する方法等が挙げられる。
また、弾性グラインダー434の下方には、支持ローラー436が配置されている。支持ローラー436は、搬送されてきた原料M0を弾性グラインダー434の反対側から支持する機能を有する。また、支持ローラー436は、基材層300の搬送に伴って、図中反時計回りに回転することができる。
以上のような構成の除去部4では、2つの第1搬送ローラー412の速度を第1速度V412(Va)、2つの第1搬送ローラー412の挟持力を第1挟持力F412(Fa)、2つの第2搬送ローラー413の速度を第2速度V413(Vb)、2つの第2搬送ローラー413の挟持力を第2挟持力F413(Fb)、弾性グラインダー434の速度を第3速度V434(Vc)、弾性グラインダー434の研削力を研削力F434(Fc)としたとき、基材層300の位置に応じて下記式を満足するのが好ましい。
図10に示すように、2つの第1搬送ローラー412が基材層300を挟持している場合には、V412(Va)<V434(Vc)、かつ、F412(Fa)>F434(Fc)を満足する。
また、図11に示すように、2つの第1搬送ローラー412による基材層300の挟持が解除された場合には、V434(Vc)<V413(Vb)、かつ、F434(Fc)<F413(Fb)を満足する。
以上のような式を満足することにより、剥離剤層400を除去する際、基材層300を搬送方向下流側に向かって引張った状態とすることができる。これにより、剥離剤層400の除去を1回の搬送、すなわち、ワンパスで安定して行なうことができる。
また、本実施形態では、剥離剤層400の除去を多段階の研削で行なってもよい。この場合、弾性グラインダー434と支持ローラー436との組を原料M0の搬送方向に沿って複数配置することができる。そして、この場合、各弾性グラインダー434の弾性膜435内の砥粒を段階的に細かくするのが好ましい。これにより、基材層300の剥離剤層400が存在していた側の面をより平滑に良好にすることができる。
また、本実施形態では、弾性グラインダー434の回転数は、600rpm以上3000rpm以下であるのが好ましく、800rpm以上2000rpm以下であるのがより好ましい。前記各実施形態で説明したのと同様の理由で、このような比較的大きい回転数で弾性グラインダー434を回転させつつ研削を行うことができ、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
また、本実施形態では、原料M0の平均搬送速度は、20mm/秒以上、100mm/秒以下であるのが好ましく、30mm/秒以上、90mm/秒以下であるのがより好ましい。前記各実施形態で説明したのと同様の理由で、このような比較的速い搬送速度で搬送しつつ研削を行うことができ、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
また、本実施形態では、原料M0への押圧の最大荷重は、100gf/cm以上、10000gf/cm以下であるのが好ましく、200gf/cm以上、8000gf/cm以下であるのがより好ましい。前記各実施形態で説明したのと同様の理由で、このような比較的大きい荷重で弾性グラインダー434を押しつけつつ研削を行うことができ、迅速かつ精度よく除去処理を行うことができる。
<第5実施形態>
図12〜図15は、それぞれ、本発明の処理装置の第5実施形態が備える除去部を示す模式図であり、作動状態を示す垂直断面図である。なお、図12〜図15中では、原料M0を搬送する搬送部の図示は省略している。
図12〜図15は、それぞれ、本発明の処理装置の第5実施形態が備える除去部を示す模式図であり、作動状態を示す垂直断面図である。なお、図12〜図15中では、原料M0を搬送する搬送部の図示は省略している。
以下、これらの図を参照して本発明の処理装置および処理方法の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図12〜図15に示すように、本実施形態では、除去部4は、2つの弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bを有している。これら2つの弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bは、原料M0の搬送経路を介して互いに反対側に設けられている。すなわち、第1除去部である弾性グラインダー434aは、原料M0の搬送経路の上方に設けられており、弾性グラインダー434bは、原料M0の搬送経路の下方に設けられている。
さらに換言すれば、第1除去部である弾性グラインダー434aは、原料M0の第1面である上面500側に設けられており、第2除去部である弾性グラインダー434bは、原料M0の第2面である下面600側に設けられている。また、弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bは、原料M0の搬送方向に沿った方向での位置が同じである。
また、本実施形態では、弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bは、図示しない昇降機構、すなわち、移動機構を有し、互いに独立して搬送経路に対して接近離間可能、すなわち、上下動可能となっている。これらの駆動源であるモーターは、制御部5と電気的に接続されており、制御部5によってその作動が制御される。
また、除去部4は、検出部44を有する。検出部44は、第1層である基材層300に対する第2層である剥離剤層400の位置に関する情報を取得する取得部である。すなわち、検出部44は、上面500および下面600のいずれに剥離剤層400が存在するかについての情報を取得し、取得した情報を電気信号に変換して制御部5に送信する。
検出部44は、2つの接触子441を有する。各接触子441は、原料M0の搬送経路を介して互いに反対側に設けられている。すなわち、一方の接触子441は、原料M0の搬送経路の上方に設けられており、他方の接触子441は、原料M0の搬送経路の下方に設けられている。
各接触子441は、搬送中の原料M0の上面500および下面600とそれぞれ接触してその摩擦抵抗値を検出する。そして、制御部5は、この抵抗値に基づいて剥離剤層400の有無を判断する。制御部5は、接触子441が検出した摩擦抵抗値が所定の値よりも小さかった場合、その面に剥離剤層400が存在しているとみなし、接触子441が検出した摩擦抵抗値が所定の値以上であった場合、その面には剥離剤層400が無いとみなす。
このように、取得部としての検出部44は、第2層である剥離剤層400の有無を接触式で検出する。剥離剤層400は、基材層300よりも摩擦抵抗値が低いため、制御部5がこの摩擦抵抗値に基づいて剥離剤層400の有無を判断することにより、その判断を正確に行うことができる。
制御部5は、剥離剤層400の有無に応じて2つの弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bの作動を制御する。例えば、図12に示すように、上面500側のみに剥離剤層400が位置していた場合、図13に示すように弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bのうち、上面500側に位置する弾性グラインダー434aを原料M0に押しつける。これにより、剥離剤層400を除去することができる。
また、例えば、図14に示すように、下面600側のみに剥離剤層400が位置していた場合、弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bのうち、下面600側に位置する弾性グラインダー434bを原料M0に押しつける。これにより、剥離剤層400を除去することができる。
また、例えば、図15に示すように、上面500側および下面600側の双方に剥離剤層400が位置していた場合、弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bの双方を同時に原料M0に押しつける。これにより、各剥離剤層400を除去することができる。
このように、本実施形態では、処理装置10は、第1層である基材層300に対する第2層である剥離剤層400の位置に関する情報を取得する取得部としての検出部44と、検出部44からの情報に基づいて除去部4の作動を制御する制御部5と、を備える。また、除去部4は、第1面である上面500側に設けられた第1除去部である弾性グラインダー434aと、上面500とは反対側の第2面である下面600側に設けられた第2除去部である弾性グラインダー434bとを有している。また、検出部44は、上面500および下面600のいずれに剥離剤層400が存在するかについての情報を取得し、制御部5は、検出部44が取得した情報に基づいて、弾性グラインダー434aおよび弾性グラインダー434bを作動させる。
このような本実施形態によれば、原料M0においてどちらに剥離剤層400が存在するかを特定して、特定した剥離剤層400を除去することができる。よって、供給部3がどの向きで原料M0を供給しても、ひいては、使用者が原料M0をどの向きで供給部3に投入しても、それらの向きを問わず過不足なく原料M0から剥離剤層400を除去することができる。さらに、原料M0の両面に剥離剤層400が存在していたとしても各剥離剤層400を除去することができる。
<第6実施形態>
図16は、本発明の処理装置の第6実施形態が備える除去部を示す模式図である。なお、図16中では、原料M0の搬送経路を矢印で示している。
図16は、本発明の処理装置の第6実施形態が備える除去部を示す模式図である。なお、図16中では、原料M0の搬送経路を矢印で示している。
以下、これらの図を参照して本発明の処理装置および処理方法の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図16に示すように、除去部4は、搬送部41と、剥離剤層400に除去剤Lを付与して化学的に除去する除去剤付与部47と、乾燥部48とを有する。
図16に示すように、除去部4は、搬送部41と、剥離剤層400に除去剤Lを付与して化学的に除去する除去剤付与部47と、乾燥部48とを有する。
除去剤付与部47は、液状の除去剤Lが貯留された貯留槽471を有している。搬送部41によって、搬送されてきた原料M0は、貯留槽471内で除去剤Lに含浸される。これにより原料M0から剥離剤層400が除去される。そして、剥離剤層400が除去されると、貯留槽471の外側に出て乾燥部48で乾燥される。
乾燥部48は、貯留槽471の搬送方向下流側に設けられている。乾燥部48は、2つのヒーター481を有している。各ヒーター481は、搬送経路を介して対向配置されている。貯留槽471で剥離剤層400が除去されているため、基材層300のみが乾燥処理され、排出される。
ここで、除去剤Lは、第1層である基材層300の構成材料と、第2層である剥離剤層400の構成材料との結合部位を加水分解する作用を有するもの、すなわち、分解剤であるのが好ましい。これにより、基材層300に物理的なダメージを与えることなく、剥離剤層400を除去することができる。
この分解剤は、酸または塩基性の水溶液とすることができる。また、この水溶液の温度は、30℃以上、80℃以下であるのが好ましく、35℃以上、70℃以下であるのがより好ましい。これにより、加水分解を促進することができる。また、このような分解剤は、基材層300中に残留し、成形したシートSに混入していたとしても、シートSの強度を低下させたりするような不具合が極めて小さい。
また、除去剤Lとしては、例えば、溶解して除去する溶解剤であってもよい。この溶解剤としては、例えば、各種有機溶剤等が挙げられる。
除去剤Lの組成や濃度にもよるが、貯留槽471内を通過する時間、すなわち、除去剤Lに含浸されている時間は、2秒以上、60秒以下であるのが好ましく、5秒以上、30秒以下であるのがより好ましい。これにより、剥離剤層400の除去をより効果的に行うことができる。
このように本実施形態では、除去部4は、第2層である剥離剤層400に除去剤Lを付与して化学的に除去する除去剤付与部47を有する。これにより、基材層300に物理的なダメージを与えることなく、剥離剤層400を除去することができる。
なお、除去剤付与部47は、上記構成に限定されず、除去剤Lをスプレー式で塗布する構成等であってもよい。
以上、本発明の処理装置および処理方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、処理装置および処理方法を構成する各部や各工程は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明の処理装置および処理方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成や特徴を組み合わせたものであってもよい。
また、除去部材としては、前記実施形態のものに限定されず、例えば、金属ワイヤー等を用いて第2層を除去するものであってもよい。この場合、金属ワイヤーが基材と第2層との間に入り込んだ状態で、金属ワイヤーと原料とを相対的に移動させて除去するのが好ましい。
1…再生装置、3…供給部、4…除去部、5…制御部、10…処理装置、11…原料供給部、12…粗砕部、13…解繊部、14…選別部、15…第1ウェブ形成部、16…細分部、17…混合部、18…ほぐし部、19…第2ウェブ形成部、20…シート形成部、
21…切断部、22…ストック部、27…回収部、28…制御部、30…繊維、40…剥離剤、41…搬送部、42…保持部材、43…除去部材、44…検出部、47…除去剤付与部、48…乾燥部、51…CPU、52…記憶部、100…シート製造装置、121…粗砕刃、122…シュート、134…回転刃、141…ドラム部、142…ハウジング部、151…メッシュベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、161…プロペラ、162…ハウジング部、171…樹脂供給部、172…管、173…ブロアー、174…スクリューフィーダー、181…ドラム部、182…ハウジング部、191…メッシュベルト、192…張架ローラー、193…吸引部、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…加熱ローラー、211…第1カッター、212…第2カッター、231…加湿部、232…加湿部、233…加湿部、234…加湿部、235…加湿部、236…加湿部、241…管、242…管、243…管、244…管、245…管、246…管、261…ブロアー、262…ブロアー、263…ブロアー、281…CPU、282…記憶部、300…基材層、400…剥離剤層、411…ベルト、412…第1搬送ローラー、413…第2搬送ローラー、421…回転ドラム、421a…内腔部、421b…吸引孔、422…管路、423…ポンプ、431…バイト、432…フラップブラシ、432a…不織布、433…スクレイパー、433a…ヒーター、434…弾性グラインダー、434a…弾性グラインダー、434b…弾性グラインダー、435…弾性膜、436…支持ローラー、441…接触子、471…貯留槽、481…ヒーター、500…上面、600…下面、F412…第1挟持力、F413…第2挟持力、F421…吸引力、F434…研削力、L…除去剤、M0…原料、M1…原料、M2…粗砕片、M3…解繊物、M4−1…第1選別物、M4−2…第2選別物、M5…第1ウェブ、M6…細分体、M7…混合物、M8…第2ウェブ、O…中心軸、S…シート、V412…第1速度、V413…第2速度、V434…第3速度、α412…矢印、α413…矢印、α421…矢印、α432…矢印、α434…矢印、P1…樹脂
21…切断部、22…ストック部、27…回収部、28…制御部、30…繊維、40…剥離剤、41…搬送部、42…保持部材、43…除去部材、44…検出部、47…除去剤付与部、48…乾燥部、51…CPU、52…記憶部、100…シート製造装置、121…粗砕刃、122…シュート、134…回転刃、141…ドラム部、142…ハウジング部、151…メッシュベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、161…プロペラ、162…ハウジング部、171…樹脂供給部、172…管、173…ブロアー、174…スクリューフィーダー、181…ドラム部、182…ハウジング部、191…メッシュベルト、192…張架ローラー、193…吸引部、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…加熱ローラー、211…第1カッター、212…第2カッター、231…加湿部、232…加湿部、233…加湿部、234…加湿部、235…加湿部、236…加湿部、241…管、242…管、243…管、244…管、245…管、246…管、261…ブロアー、262…ブロアー、263…ブロアー、281…CPU、282…記憶部、300…基材層、400…剥離剤層、411…ベルト、412…第1搬送ローラー、413…第2搬送ローラー、421…回転ドラム、421a…内腔部、421b…吸引孔、422…管路、423…ポンプ、431…バイト、432…フラップブラシ、432a…不織布、433…スクレイパー、433a…ヒーター、434…弾性グラインダー、434a…弾性グラインダー、434b…弾性グラインダー、435…弾性膜、436…支持ローラー、441…接触子、471…貯留槽、481…ヒーター、500…上面、600…下面、F412…第1挟持力、F413…第2挟持力、F421…吸引力、F434…研削力、L…除去剤、M0…原料、M1…原料、M2…粗砕片、M3…解繊物、M4−1…第1選別物、M4−2…第2選別物、M5…第1ウェブ、M6…細分体、M7…混合物、M8…第2ウェブ、O…中心軸、S…シート、V412…第1速度、V413…第2速度、V434…第3速度、α412…矢印、α413…矢印、α421…矢印、α432…矢印、α434…矢印、P1…樹脂
Claims (10)
- 繊維を含む第1層を有する基材と、粘着物質に対し剥離性を有する剥離剤を含む第2層とを有するシート状の原料を供給する供給部と、
供給された前記原料から前記第2層を除去する除去部と、を備えることを特徴とする処理装置。 - 前記除去部は、前記第2層を物理的に除去する除去部材を有する請求項1に記載の処理装置。
- 前記除去部材は、切削、研削、スクレイプおよび研磨のうちの少なくとも1つの動作を行うものである請求項2に記載の処理装置。
- 前記除去部材は、前記原料に対し押圧して用いられるものであり、
前記原料への押圧の最大荷重は、100gf/cm以上、10000gf/cm以下である請求項3に記載の処理装置。 - 前記除去部は、前記第2層に除去剤を付与して化学的に除去する除去剤付与部を有する請求項1に記載の処理装置。
- 前記除去剤は、前記第1層の構成材料と前記第2層の構成材料との結合部位を加水分解する作用を有するものである請求項5に記載の処理装置。
- 前記第1層に対する前記第2層の位置に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部からの情報に基づいて前記除去部の作動を制御する制御部と、を備える請求項1ないし6のいずれか1項に記載の処理装置。 - 前記除去部は、前記第1層の第1面側に設けられた第1除去部と、前記第1面とは反対側の第2面側に設けられた第2除去部とを有し、
前記取得部は、前記第1面側および前記第2面側のいずれに前記第2層が存在するかについての情報を取得し、
前記制御部は、前記取得部が取得した前記情報に基づいて、前記第1除去部および前記第2除去部を作動させる請求項7に記載の処理装置。 - 前記取得部は、前記第2層の有無を接触式で検出する検出部を有する請求項7または8に記載の処理装置。
- 繊維を含む第1層を有する基材と、粘着物質に対し剥離性を有する剥離剤を含む第2層とを有するシート状の原料を供給する供給工程と、
供給された前記原料から前記第2層を除去する除去工程と、を有することを特徴とする処理方法。
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Cited By (1)
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WO2024004473A1 (ja) * | 2022-07-01 | 2024-01-04 | 東レ株式会社 | 被膜剥離機構および被膜剥離装置 |
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2018
- 2018-12-25 JP JP2018241580A patent/JP2020100119A/ja active Pending
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WO2024004473A1 (ja) * | 2022-07-01 | 2024-01-04 | 東レ株式会社 | 被膜剥離機構および被膜剥離装置 |
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