JP2018140547A - シート製造装置およびシート製造方法 - Google Patents

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竜也 藤井
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Abstract

【課題】材料中の色材の除去を簡単な構成で行うことができるシート製造装置およびシートの製造方法を提供すること。【解決手段】繊維と色材とを含む材料から前記色材を除去して、前記繊維からシート材を製造するシート製造装置であって、前記材料を解繊する解繊部と、前記解繊部によって解繊された前記繊維に結合素材を混合する混合部と、前記解繊部と前記混合部との間に設けられ、前記材料中の前記色材を除去する除去部と、を備え、前記除去部は、加圧された流体を前記材料に供給することにより、前記色材を前記流体中に溶解して、前記材料中の前記色材を除去することを特徴とするシート製造装置。【選択図】図3

Description

本発明は、シート製造装置およびシートの製造方法に関する。
従来、シート製造装置においては、繊維を含む原料を水に投入し、主に機械的作用により離解して、抄き直す、いわゆる湿式方式が採用されている。このような湿式方式のシート製造装置は、大量の水が必要であり、装置が大きくなる。さらに、水処理施設の整備のメンテナンスに手間がかかる上、乾燥工程に係るエネルギーが大きくなる。そこで、小型化、省エネルギーのために、水を極力利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、乾式解繊機において紙片を繊維状に解繊し、解繊した繊維を、フォーミングドラム表面の小孔スクリーンを通過させて、メッシュベルト上に堆積させ、紙を成形することが記載されている。また、特許文献2には、超臨界状態の二酸化炭素を用いて古紙などのセルロース含有二次繊維から粘着物および/またはPCDDおよびPCDFを除去する方法が記載されている。
特開2016−112740号公報 特開平4−281088号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているシート製造装置に、特許文献2に記載されている除去方法を適用しようとすると、シート製造過程において、解繊した繊維を一旦、抽出器内に蓄える必要がある。この場合、シート製造過程が中断してしまい生産性が低下する。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、シート製造過程を中断することなく材料中の色材の除去を効率的に行うことができる処理装置およびシートの製造方法を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することが可能である。
本発明のシート製造装置は、繊維と色材とを含む材料から前記色材を除去して、前記繊維からシート材を製造するシート製造装置であって、
前記材料を解繊する解繊部と、
前記解繊部によって解繊された前記繊維に結合素材を混合する混合部と、
前記解繊部と前記混合部との間に設けられ、前記材料中の前記色材を除去する除去部と、を備え、
前記除去部は、加圧された流体を前記材料に供給することにより、前記色材を前記流体中に溶解して、前記材料中の前記色材を除去することを特徴とする。
加圧された流体は、加圧される前の状態に比べて溶解力が高まるため、色材を効果的に溶解することができる。よって、加圧された流体を材料に供給する除去部が、解繊部と混合部の間に設けられているため、シート製造過程を中断せずに、色材の除去を行うことができる。従って、生産性に優れる。
本発明のシート製造装置では、前記流体は、超臨界状態のものであるのが好ましい。
超臨界状態の流体は、高い拡散性(浸透性)を有している。このため、繊維間に浸透しやすく、色材の除去を効率的に行うことができる。
本発明のシート製造装置では、前記流体は、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール、炭化水素、フロン系化合物、一酸化窒素、二酸化窒素、アンモニア、水のうちの少なくとも1つであるのが好ましい。
これにより、色材を流体中に溶解することができる。
本発明のシート製造装置では、前記流体は、助溶剤をさらに含むのが好ましい。
これにより、流体が色材と接触した際、色材を分離することができる。よって、色材を流体にさらに溶解し易くすることができる。
本発明のシート製造装置では、前記助溶剤は、界面活性剤であるのが好ましい。
これにより、流体が色材と接触した際、色材の表面張力を弱め、分離することができる。よって、色材を流体にさらに溶解し易くすることができる。
本発明のシート製造装置では、前記除去部は、前記解繊された材料と前記流体が供給されるチャンバーを有するのが好ましい。
これにより、チャンバーにて、解繊された材料と流体とが接触することができる。
本発明のシート製造装置では、前記チャンバーは、機密性を維持する機能を有するのが好ましい。
これにより、チャンバー内の圧力、すなわち、チャンバー内の流体の圧力を所望の圧力に維持することができる。
本発明のシート製造装置では、解繊後の前記材料を前記チャンバーに搬送する送りスクリューを有し、
前記除去部は、前記送りスクリューによって搬送されている前記材料に前記流体を供給するのが好ましい。
これにより、材料を搬送しつつ、色材の除去を行うことができる。すなわち、材料の搬送と、色材の除去とを並行して行うことができる。その結果、シート製造過程が中断されるのを防止することができる。
本発明のシート製造装置では、前記送りスクリューは、前記チャンバー内の気密性を維持する機能を有するのが好ましい。
これにより、チャンバー内の圧力、すなわち、チャンバー内の流体の圧力を所望の圧力に維持することができる。
本発明のシート製造装置では、前記流路における前記除去部の上流側と下流側とを接続する接続流路を有するのが好ましい。
これにより、接続流路を介して、流体を下流側から上流側に還流することができる。よって、除去部内から漏れ出す流体の量を抑制することができる。
本発明のシート製造装置では、前記色材が溶解している前記流体を減圧することにより、前記流体から前記色材を分離する分離部を有するのが好ましい。
これにより、色材が溶解している流体を減圧するという簡単な構成によって、流体から色材を分離することができる。
本発明のシート製造装置では、前記分離部によって前記色材が分離された前記流体を、前記除去部に循環させる循環流路を有するのが好ましい。
これにより、流体を循環させることができ、必要な流体の量が増大してしまうのを抑制することができるとともに、シート製造装置から排出する流体の量を抑制することができる。
本発明のシート製造装置では、前記解繊部と前記混合部との間に設けられ、解繊後の前記材料中の異物を除去する異物除去部を有し、
前記除去部は、前記異物除去部と前記混合部との間に設けられているのが好ましい。
これにより、異物が除去された材料に対して流体を供給することができる。よって、流体が色材と接触し易くなり、色材をより確実に除去することができる。
本発明のシート製造方法は、繊維と色材とを含む材料から前記色材を除去して、前記繊維からシート材を製造するシート製造方法であって、
前記材料を解繊する解繊工程と、
前記解繊工程によって解繊された前記材料中の前記色材を除去する除去工程と、
前記色材を除去した後の材料に含まれる繊維に結合素材を混合する混合工程と、を有し、
前記除去工程では、加圧された流体を前記材料に供給することにより、前記色材を前記流体中に溶解して、前記材料中の前記色材を除去することを特徴とする。
加圧された流体は、加圧される前の状態に比べて溶解力が高まるため、色材を効果的に溶解することができる。よって、加圧された流体を材料に供給する除去工程が、解繊工程と混合工程の間に行われるため、シート製造過程を中断せずに、色材の除去を行うことができる。従って、生産性に優れる。
図1は、本発明のシート製造装置の第1実施形態を示す概略側面図である。 図2は、図1に示すシート製造装置が実行する工程を順に示す図である。 図3は、図1に示すシート製造装置における除去部およびその周辺部の拡大図である。 図4は、図1に示すシート製造装置における除去部およびその周辺部の概略構成図である。 図5は、図1に示すシート製造装置における除去部内での状態を示すイメージ図である。 図6は、図4に示す分離部内での状態を示すイメージ図である。 図7は、本発明のシート製造装置の第2実施形態が備える除去部およびその周辺部の拡大図である。 図8は、本発明のシート製造装置の第3実施形態が備える除去部およびその周辺部の拡大図である。
本発明のシート製造装置は、繊維と色材とを含む材料から色材を除去して、繊維からシート材を製造するシート製造装置であって、材料を解繊する解繊部と、解繊部によって解繊された繊維に結合素材を混合する混合部と、解繊部と混合部との間に設けられ、材料中の色材を除去する除去部と、を備えている。また、除去部は、加圧された流体を前記材料に供給することにより、色材を流体中に溶解して、材料中の色材を除去する。
また、本発明のシート製造方法は、繊維と色材とを含む材料から色材を除去して、繊維からシート材を製造するシート製造方法であって、材料を解繊する解繊工程と、解繊工程によって解繊された材料中の色材を除去する除去工程と、色材を除去した後の材料に含まれる繊維に結合素材を混合する混合工程と、を有している。また、除去工程では、加圧された流体を材料に供給することにより、色材を流体中に溶解して、材料中の色材を除去する。そして、この方法は、シート製造装置によって実行される。
このようなシート製造装置およびシート製造方法によれば、次のような利点が得られる。加圧された流体は、加圧される前の状態に比べて溶解力が高まるため、色材を効果的に溶解することができる。よって、加圧された流体を材料に供給する除去部が解繊部と混合部の間に設けられているため、シート製造過程を中断せずに、色材の除去を行うことができる。従って、生産性に優れる。
以下、本発明のシート製造装置およびシートの製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のシート製造装置の第1実施形態を示す概略側面図である。図2は、図1に示すシート製造装置が実行する工程を順に示す図である。図3は、図1に示すシート製造装置における除去部およびその周辺部の拡大図である。図4は、図1に示すシート製造装置における除去部およびその周辺部の概略構成図である。図5は、図1に示すシート製造装置における除去部内での状態を示すイメージ図である。図6は、図4に示す分離部内での状態を示すイメージ図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図3中(図7および図8についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言い、左側を「左」または「上流側」、右側を「右」または「下流側」と言うことがある。
図1に示すシート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、除去部25と、樹脂混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程(図2参照)を行なう部分である。この原料M1としては、繊維(セルロース繊維)と色材C(例えば、インク、トナー等)とを含む材料で構成された、例えばシート状をなすものである。また、原料M1は、本実施形態では、古紙、すなわち、使用済みのシートとなっているが、これに限定されず、未使用のシートであってもよい。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を気中(空気中)等で粗砕する粉砕工程(図2参照)を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート(ホッパー)122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上、70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター(図示せず)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式(または温風気化式)の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管241(流路)を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を気中(空気中)で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程(図2参照)を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、ローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、ローターの回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ(気流)を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
解繊部13は、粗砕片M2に付着した樹脂粒や、色材C、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能も有する。
また、解繊部13は、管242(流路)を介して、選別部14に接続されている。解繊物M3は、管242を通過して、選別部14に搬送される。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程(図2参照)を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4−1と、第1選別物M4−1よりも大きい第2選別物M4−2とに選別される。第1選別物M4−1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。第2選別物M4−2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4−1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4−2として選別される。
第1選別物M4−1は、ドラム部141から落下する。一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管(流路)243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側が管241とを接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4−1は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部(分離部)15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4−1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程(図2参照)を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト(分離ベルト)151と、3つの張架ローラー152と、吸引部(サクション機構)153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4−1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4−1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4−1には、例えば、粒状のゴミ等の異物Fが混在していることがある。この異物Fは、メッシュベルト151を通過して、さらに下方に落下する。これにより、第1選別物M4−1中から異物Fを除去することができる(異物除去工程)。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した異物Fを空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管(流路)244を介して、回収部26に接続されている。吸引部153で吸引された異物Fは、回収部26に回収される。
回収部26には、管(流路)245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、異物Fが除去されたものとなる。また、異物Fは、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部26まで到達する。このように、第1ウェブ形成部15は、解繊部13と樹脂混合部17の樹脂供給部171(混合部)との間に設けられ、解繊後の材料中の異物を除去する異物除去部として機能する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4−1を加湿することができ、よって、第1選別物M4−1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給(加湿)することができ、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16(分断部)は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程(図2参照)を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161に第1ウェブM5が巻き込まれることにより、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、樹脂混合部17が配置されている。樹脂混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程(図2参照)を行なう部分である。この樹脂混合部17は、樹脂供給部171と、管(流路)172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部162とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は結合素材の一例であり、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給される結合素材としては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤等が含まれていてもよい。また、澱粉などの植物性の材料でもよい。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
また、管172の途中には、樹脂供給部171の上流側に除去部25が設置されている。この除去部25は、細分体M6に樹脂P1が供給される以前に、細分体M6から色材Cを除去する除去工程を行う(図2参照)。この除去部25については、後に詳述する。
なお、管242、ハウジング部162および管172(樹脂供給部171までの部分)は、解繊部13と樹脂供給部171との間に設けられ、解繊後の材料が通過する流路として機能する。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程(図2参照)を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程(図2参照)を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト(分離ベルト)191と、張架ローラー192と、吸引部(サクション機構)193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管(流路)246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給でき、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程(図2参照)を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、これらの間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、モーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、これらの間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、結合素材である樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、モーター(図示略)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程(図2参照)を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。これにより、所望の大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
さて、前述したように、管172(流路)の途中には、細分部16と樹脂供給部171との間に除去部25が設けられている。図3に示すように、除去部25は、管172(流路)に連通し、流体Rが供給されるチャンバー251を有する。チャンバー251は、チャンバー251内に流体Rを供給する供給口252と、チャンバー251内の流体Rを排出する排出口253とを有している。供給口252を介してチャンバー251に流体Rが供給されることによって、管172内を搬送されてきた細分体M6がチャンバー251に到達した際に、流体Rと接触することができる。流体Rは、加圧された状態のものであり、後に詳述するように、色材Cを溶解して、細分体M6から除去する機能を有するものである。このため、管172内を搬送されてきた細分体M6がチャンバー251に到達した際に流体Rと接触することにより、色材Cが除去される(図5参照)。なお、除去部25は、管172の途中に設けられているのではなく、細分部16と直結していてもよい。
チャンバー251に供給される流体Rは、超臨界状態のものであるのが好ましい。超臨界状態の流体Rは、高い拡散性(浸透性)を有している。このため、繊維間に浸透しやすく、色材の除去を効率的に行うことができる。なお、本明細書中における超臨界状態とは、圧力、温度の臨界点を超えている状態のことであるが、圧力、温度が臨界点に近い亜臨界状態をも含む。
流体Rとしては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール、炭化水素、フロン系化合物、一酸化窒素、二酸化窒素、アンモニア、水のうちの少なくとも1つを用いることができる。これにより、色材Cを流体R中に溶解することができる。
なお、上記アルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。また、上記炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。また、フロン系化合物としては、例えば、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン等が挙げられる。
また、これらの中でも、流体Rとして二酸化炭素を用いるのが特に好ましい。これにより、色材Cの除去を効果的に行うことができるとともに、二酸化炭素は臨界圧力(7MPa程度)および臨界温度(31℃程度)が比較的低く、しかも安価で入手が容易である。また、扱いも難しくない。そのため、装置の購入コストと装置の運用コストが安価になる。
図3に示すように、管172の一部には、内部に送りスクリュー175が設けられている。送りスクリュー175は、解繊後の材料、すなわち、細分体M6を搬送するものであり、シャフト176と、シャフト176回りに螺旋状に形成された羽根177とを有している。
シャフト176は、管172の長手方向に沿って配置されている。また、シャフト176は、上流側の端部がモーター178に接続され、下流側の端部が管172の屈曲部179に回転可能に接続されている。これにより、モーター178によって、シャフト176が、その軸回りに羽根177とともに回転する。この回転により、細分体M6が、図3中右側に搬送される。
前述したチャンバー251は、管172の途中に連通して設けられているため、除去部25は、送りスクリュー175によって搬送されている細分体M6(材料)に流体Rを供給することができる。これにより、搬送しつつ、細分体M6中の色材Cの除去を行うことができる。すなわち、細分体M6の搬送と、色材Cの除去とを並行して行うことができるのでシート製造過程を中断するのを防止することができる。その結果、シートSの製造効率を高めることができる。
また、羽根177は、管172の内周部と当接しており、シャフト176の回転により、管172の内周部を摺動する。この構成により、各空間S1の気密性を保ったまま、チャンバー251と連通した空間S1内の細分体M6の色材Cが除去される。換言すれば、送りスクリューは、チャンバー251内の気密性を維持する機能を有すると言える。よって、チャンバー251内の圧力、すなわち、チャンバー251内の流体Rの圧力を所望の圧力に維持することができる。なお、圧力を維持する機能については、前述した送りスクリューに限定されず、公知の様々な機構が適用可能である。
また、チャンバー251内の流体Rを超臨界状態に維持するために、チャンバー251は、図示しない温度維持機能も有している。温度維持機能としてはヒーターや断熱材など、様々な公知の機構を採用できる。
チャンバー251で色材Cの除去が行われた細分体M6は、送りスクリュー175によって、さらに下流側に搬送され、図1に示す樹脂供給部171にて樹脂と混ざり、樹脂混合部17に向う。
一方、色材Cを溶解して色材Cを含む流体Rは、排出口253を介してチャンバー251の外側に排出される。
図4は、除去部25およびその周辺部の概略構成図である。図4に示すように、チャンバー251から排出された色材Cを含む流体Rは、図3に示す排出口253を介して分離部27に向う。分離部27は、例えば、減圧バルブが接続された減圧室で構成され、色材Cが溶解している流体Rを減圧(膨張)することにより、流体Rから色材Cを分離する(図6参照)。これにより、色材が溶解している流体Rを減圧するという簡単な構成によって、流体Rから色材Cを分離することができる。
また、分離部27での減圧後の流体Rの圧力は、減圧前、すなわち、チャンバー251内での流体Rの圧力の70%以上、99%以下であるのが好ましく、75%以上、95%以下であるのがより好ましい。これにより、流体Rの圧力変化を抑制しつつ、流体Rと色材Cとを分離することができる。
分離された色材Cは、色材タンク28に貯留され、まとめて廃棄される。一方、分離部27によって分離された流体Rは、流路29の途中に配置されているポンプ291(図4中の「P」)により再加圧され、流路29を介して流体タンク30に貯留される。そして、流体タンク30内の流体Rは、チャンバー251に再度供給される。このように、シート製造装置100は、分離部によって色材Cが分離された流体Rを、除去部25に循環させる循環流路としての流路29を有する。これにより、流体Rを循環させることができ、必要な流体Rの量が増大してしまうのを抑制することができるとともに、シート製造装置100から排出する流体Rの量を抑制することができる。なお、流体タンク30からチャンバー251に向かう流路の途中には、バルブ31が設けられているのが好ましい。なお、循環流路には図示しない補助タンクが接続されており、流体Rの量が減少した場合に補充することができる。
循環流路を形成する分離部27、ポンプ291、流体タンクおよびそれらを連通する流路は図示しない温度維持機能を備えていることが好ましい。温度維持機能としてはヒーターや断熱材など、様々な公知の機構を採用できる。
このように本発明によれば、除去部25は、加圧された流体Rにより材料中の色材Cを簡単かつ迅速に除去することができる。また、このような除去部25がシート製造装置100において、材料の搬送途中に設けられているため、シートSの製造過程を中断することなく、色材Cの除去を行うことができる。従って、生産性に優れる。
また、除去部25は、第1ウェブ形成部15(異物除去部)と樹脂混合部17(混合部)との間に設けられているため、異物Fが除去された細分体M6に対して流体Rを供給することができる。これにより、流体Rが色材Cと接触し易くなり、色材Cをより確実に除去することができる。
なお、流体Rの圧力は、臨界点における圧力の0.8倍以上、4倍以下であるのが好ましく、1.5倍以上、3倍以下であるのがより好ましい。これにより、高い溶解性を得ることができる。
なお、前述した流体Rが二酸化炭素の場合、その圧力は、5MPa以上、30MPa以下であるのが好ましく、10MPa以上、20MPa以下であるのが特に好ましい。これにより、高い溶解性を得ることができる。
また、流体Rの温度は、臨界点における温度の0.7倍以上、2.5倍以下であるのが好ましく、0.9倍以上、2倍以下であるのがより好ましい。これにより、高い溶解性を得ることができる。
なお、前述した流体Rが二酸化炭素の場合、その温度は、20℃以上、70℃以下であるのが好ましく、30℃以上、60℃以下であるのがより好ましい。これにより、高い溶解性を得ることができる。
また、チャンバー251内に供給される流体Rの流量は、20mL/s以上、60mL/s以下であるのが好ましく、30mL/s以上、50mL/s以下であるのがより好ましい。これにより、チャンバー251内に適度な気流が発生し、チャンバー251内で細分体M6が適度に舞うこととなる。よって、流体Rが細分体M6の隅々に、より確実に接触することができる。その結果、細分体M6中の色材Cの除去を、より確実に行うことができる。
また、流体Rは、助溶剤をさらに含むのが好ましい。これにより、流体Rが色材Cと接触した際、色材Cを分離することができる。よって、色材Cを流体Rにさらに溶解し易くすることができる。助溶剤としては、流体Rに溶解可能であるのが好ましく、例えば、エタノール、テトラヒドロフラン等を好適に用いることができる。また、助溶剤は界面活性剤であってもよい。界面活性剤を使用することにより、色材Cの表面張力を弱め、分離することを助けることができる。よって、色材Cを流体Rにさらに溶解し易くすることができる。
また、流体Rにおける助溶剤の添加量は、5wt%以上、12wt%以下であるのが好ましく、7wt%以上、10wt%以下であるのがより好ましい。これにより、助溶剤としての効果をより確実に発揮することができる。
<第2実施形態>
図7は、本発明のシート製造装置の第2実施形態が備える除去部およびその周辺部の拡大図である。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置およびシートの製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、流路に接続流路が設けられていること以外は前記第1実施形態と同様である。
図7に示すように、本実施形態のシート製造装置100は、管172(流路)における除去部25の上流側と下流側とを接続する接続流路32を有する。接続流路32は、本実施形態では、2本の互いに独立する流路321および流路322を有している。管172内の各空間S1では、除去部25よりも下流側の空間S1は、加圧された流体Rにより、除去部25の上流側の空間S1よりも圧力が高くなっている。本実施形態のシート製造装置100では、流路321および流路322を介して、圧力が高い流体Rを上流側に還流することができるので、除去部25内から流体Rが漏れだす量を削減することできる。
なお、接続流路32が複数(本実施形態では、2本)の管(流路)を有していた場合、圧力が各流路に分散されるため、より確実に上記効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図8は、本発明のシート製造装置の第3実施形態が備える除去部およびその周辺部の拡大図である。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置およびシートの製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、除去部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、管172は、互いに離間する管172Aおよび管172Bを有している。管172Aは、管172Bよりも上流側に位置しており、図8中上下方向および左右方向にずれて配置されている。
管172Aの下流側の端部は、チャンバー251内に突出して設けられており、管172Bの上流側の端部は、チャンバー251内に突出して設けられている。
チャンバー251内の管172Aと管172Bとの間には、搬送ベルト33が設けられている。搬送ベルト33は、左右方向に離間して設けられた一対のローラー331、332と、ローラー331、332に掛け回された無端ベルト333とを有している。ローラー331、332のうちの少なくとも一方は、図示しない駆動源に接続されており、ローラー331、332の回転に伴って無端ベルト333が回転する。
管172Aから排出された細分体M6は、無端ベルト333上に落下し、搬送される。そして、搬送途中に、供給口252から供給された流体Rによって、色材Cが除去される。色材Cが除去された細分体M6は、無端ベルト333から管172Bに落下し、管172Bを介して、図1に示す樹脂混合部17に搬送される。
なお、図示していないが、管172Aおよび管172Bは、チャンバー251内の圧力を維持するための機能を備えている。
このような本実施形態によれば、搬送ベルト33を設けるという簡単な構成により、細分体M6の色材Cを除去することができる。
以上、本発明のシート製造装置およびシートの製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、シート製造装置およびシート製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のシート製造装置およびシートの製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記各実施形態では、除去部が、異物除去部と混合部との間に設けられている場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、解繊部と異物除去部との間に設けられていてもよい。この場合、材料中の異物が除去される以前に、繊維と異物とを接着している油分等を除去工程において除去することができる。よって、異物除去部の負荷が軽くなる。
また、除去部は、異物除去部と混合部との間と、解繊部と異物除去部との間と、の双方にそれぞれ設けられていてもよい。
100…シート製造装置、11…原料供給部、12…粗砕部、121…粗砕刃、122…シュート、13…解繊部、14…選別部、141…ドラム部、142…ハウジング部、15…第1ウェブ形成部、151…メッシュベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、16…細分部、161…プロペラ、162…ハウジング部、17…樹脂混合部、171…樹脂供給部、172…管、172A…管、172B…管、173…ブロアー、174…スクリューフィーダー、175…送りスクリュー、176…シャフト、177…羽根、178…モーター、179…屈曲部、18…ほぐし部、181…ドラム部、182…ハウジング部、19…第2ウェブ形成部、191…メッシュベルト、192…張架ローラー、193…吸引部、20…シート形成部、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…加熱ローラー、21…切断部、211…第1カッター、212…第2カッター、22…ストック部、231…加湿部、232…加湿部、233…加湿部、234…加湿部、235…加湿部、236…加湿部、241…管、242…管、243…管、244…管、245…管、246…管、25…除去部、251…チャンバー、252…供給口、253…排出口、26…回収部、261…ブロアー、262…ブロアー、263…ブロアー、27…分離部、28…色材タンク、29…流路、291…ポンプ、30…流体タンク、31…バルブ、32…接続流路、321…流路、322…流路、33…搬送ベルト、331…ローラー、332…ローラー、333…無端ベルト、C…色材、F…異物、M1…原料、M2…粗砕片、M3…解繊物、M4−1…第1選別物、M4−2…第2選別物、M5…第1ウェブ、M6…細分体、M7…混合物、M8…第2ウェブ、P1…樹脂、R…流体、S…シート、S1…空間

Claims (14)

  1. 繊維と色材とを含む材料から前記色材を除去して、前記繊維からシート材を製造するシート製造装置であって、
    前記材料を解繊する解繊部と、
    前記解繊部によって解繊された前記繊維に結合素材を混合する混合部と、
    前記解繊部と前記混合部との間に設けられ、前記材料中の前記色材を除去する除去部と、を備え、
    前記除去部は、加圧された流体を前記材料に供給することにより、前記色材を前記流体中に溶解して、前記材料中の前記色材を除去することを特徴とするシート製造装置。
  2. 前記流体は、超臨界状態のものである請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記流体は、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール、炭化水素、フロン系化合物、一酸化窒素、二酸化窒素、アンモニア、水のうちの少なくとも1つである請求項1または2に記載のシート製造装置。
  4. 前記流体は、助溶剤をさらに含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  5. 前記助溶剤は、界面活性剤である請求項4に記載のシート製造装置。
  6. 前記除去部は、前記解繊された材料と前記流体が供給されるチャンバーを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  7. 前記チャンバーは、機密性を維持する機能を有する請求項6に記載のシート製造装置。
  8. 解繊後の前記材料を前記チャンバーに搬送する送りスクリューを有し、
    前記除去部は、前記送りスクリューによって搬送されている前記材料に前記流体を供給する請求項6または7に記載のシート製造装置。
  9. 前記送りスクリューは、前記チャンバー内の気密性を維持する機能を有する請求項8に記載のシート製造装置。
  10. 前記流路における前記除去部の上流側と下流側とを接続する接続流路を有する請求項6ないし9のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  11. 前記色材が溶解している前記流体を減圧することにより、前記流体から前記色材を分離する分離部を有する請求項1ないし10のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  12. 前記分離部によって前記色材が分離された前記流体を、前記除去部に循環させる循環流路を有する請求項11に記載のシート製造装置。
  13. 前記解繊部と前記混合部との間に設けられ、解繊後の前記材料中の異物を除去する異物除去部を有し、
    前記除去部は、前記異物除去部と前記混合部との間に設けられている請求項1ないし12のいずれか1項に記載のシート製造装置。
  14. 繊維と色材とを含む材料から前記色材を除去して、前記繊維からシート材を製造するシート製造方法であって、
    前記材料を解繊する解繊工程と、
    前記解繊工程によって解繊された前記材料中の前記色材を除去する除去工程と、
    前記色材を除去した後の材料に含まれる繊維に結合素材を混合する混合工程と、を有し、
    前記除去工程では、加圧された流体を前記材料に供給することにより、前記色材を前記流体中に溶解して、前記材料中の前記色材を除去することを特徴とするシート製造方法。
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