JP2024048094A - 繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法 - Google Patents

繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い強度および優れた緩衝作用を発揮することができる第1成形体を得ることができる繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法を提供すること。【解決手段】有機物で構成される結着材を有する第1シートを供給する第1シート供給部と、前記第1シート供給部により供給された前記第1シート上に繊維を含む解繊物を堆積させて堆積物を形成する堆積部と、前記第1シートと前記堆積物とが積層された積層体に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体を得る第1成形部と、を備えることを特徴とする繊維構造体製造装置。【選択図】図2

Description

本発明は、繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法に関する。
近年では、水を極力使用しない乾式による繊維構造体製造装置が提案されている。乾式の繊維構造体製造装置としては、古紙のような繊維を含む原料を解繊する解繊部と、解繊部で生成された解繊物を堆積させる堆積部と、堆積部で生成された堆積物をシート状に成形する成形部と、を備える構成が知られている。
特開平5-132843号公報
例えば、特許文献1に記載されている装置により製造された製造物は、厚さが薄く、強度が比較的低いという特徴がある。そのため、用途が限られてしまう。すなわち、再生コピー紙のような用途には適するが、その他の用途、例えば、梱包体内に設置される仕切り板等に用いるには適さない。
本発明の繊維構造体製造装置は、有機物で構成される結着材を有する第1シートを供給する第1シート供給部と、
前記第1シート供給部により供給された前記第1シート上に繊維を含む解繊物を堆積させて堆積物を形成する堆積部と、
前記第1シートと前記堆積物とが積層された積層体に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体を得る第1成形部と、を備えることを特徴とする。
本発明の繊維構造体製造方法は、有機物で構成される結着材を有する第1シートを供給する第1工程と、
前記第1工程で供給された前記第1シート上に繊維を含む解繊物を堆積させて堆積物を形成する第2工程と、
前記第1シートと前記堆積物とが積層された積層体に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体を得る第3工程と、を有する。
図1は、本発明の繊維構造体製造装置の第1実施形態を示す概略側面図である。 図2は、図1に示す繊維構造体製造装置の概略側面図である。 図3は、図1に示す繊維構造体製造装置が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。 図4は、第1実施形態に係わる第1シートの断面図である。 図5は、第1実施形態に係わる第1成形体の断面図である。 図6は、第1実施形態に係わる第2成形体の断面図である。 図7は、本発明の繊維構造体製造装置の第2実施形態が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。 図8は、第2実施形態に係わる第1成形体の断面図である。 図9は、本発明の繊維構造体製造装置の第3実施形態が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。 図10は、本発明の繊維構造体製造装置の第4実施形態が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。
以下、本発明の繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の繊維構造体製造装置の第1実施形態を示す概略側面図であり、主に繊維構造体製造装置の上流側部分を示している。図2は、図1に示す繊維構造体製造装置の概略側面図であり、主に繊維構造体製造装置の下流側部分を示している。図3は、図1に示す繊維構造体製造装置が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。図4は、第1実施形態に係わる第1シートの断面図である。図5は、第1実施形態に係わる第1成形体の断面図である。図6は、第1実施形態に係わる第2成形体の断面図である。
以下では、説明の便宜上、図1~図3中に示すように、互いに直交する3軸をx軸、y軸およびz軸として設定している。また、x軸とy軸を含むx-y平面が水平面となっており、z軸が鉛直方向となっている。また、各軸の矢印が向いた方向を「+」、その反対方向を「-」と言う。また、図1~図6の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」とも言う。
また、本明細書において、「水平」とは、完全に水平な場合のみならず、水平に対して±5°の範囲内で傾斜している場合も含む。同様に、本明細書において、「鉛直」とは、完全に鉛直な場合のみならず、鉛直に対して±5°の範囲内で傾斜している場合も含む。
なお、図1および図2は、原料M1から第2成形体SBを製造するまでの一連の過程を説明するためにわかりやすく作成した模式図である。このため、図1では、繊維構造体製造装置100の各部の位置関係は、実際の位置関係とは異なっている。まず、繊維構造体製造装置100の全体構成について説明する。
図1および図2に示すように、繊維構造体製造装置100は、本発明の繊維構造体製造方法を実行する装置であり、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、第1シート供給部3Aと、第1成形部20Aと、切断部21と、第1貯留部22Aと、第2成形部20Bと、第2貯留部22Bと、回収部27と、制御部28と、を備えている。また、ほぐし部18と第2ウェブ形成部19とにより堆積部30が構成される。
原料供給部11、粗砕部12、解繊部13、選別部14、第1ウェブ形成部15、細分部16、混合部17、ほぐし部18、第2ウェブ形成部19、第1成形部20A、切断部21、第1貯留部22A、第2貯留部22B、第1シート供給部3A、第2成形部20Bおよび回収部27は、それぞれ制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御される。
また、図1に示すように、繊維構造体製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。その他、繊維構造体製造装置100は、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263とを備えている。
加湿部231~加湿部236およびブロアー261~ブロアー263は、それぞれ制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御される。
制御部28は、CPU(Central Processing Unit)281と、記憶部282とを有している。CPU281は、例えば、所定のプログラムに従って、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。
記憶部282には、例えば、成形体を製造するプログラム等の各種プログラム等が記憶されている。また、記憶部282には、プログラムを実行するための変数、各種設定値等のデータが記憶されており、CPU281は、必要時に必要なデータを読み出し、プログラムの実行に供する。
制御部28は、繊維構造体製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。また、外部機器と繊維構造体製造装置100との接続は、有線であってもよく、無線であってもよく、インターネット等のようなネットワークを介して接続されていてもよい。
CPU281と、記憶部282とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、CPU281が繊維構造体製造装置100に内蔵され、記憶部282が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部282が繊維構造体製造装置100に内蔵され、CPU281が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。
以下、各部の構成について説明する。
図1および図2に示すように、原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程を行なう部分である。例えば、この原料M1は、セルロース繊維を含む繊維含有物からなるシート状材料である。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロースを主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロースの他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。他にも、セルロース繊維以外に、化学繊維や化学繊維とセルロース繊維が混合したものであってもよい。また、原料M1は、紙、編み物、織布、不織布等、形態は問わない。また、原料M1は、例えば、古紙を解繊して再生、製造されたリサイクルペーパーや、合成紙のユポ紙(登録商標)であってもよいし、リサイクルペーパーでなくてもよい。本実施形態では、原料M1は、使用済みまたは不要となった古紙である。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を大気中等の気中で粗砕する第1粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、例えばシュレッダーで構成され、一対の粗砕刃121と、シュート122とを有している。
図1に示すように、一対の粗砕刃121は、それぞれ、回転軸回りに回転する。各粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の鉛直方向下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、図1に示すように、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含む図示しないフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する温風気化式の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる解繊対象物、すなわち粗砕片M2を、繊維1本1本にまたは数本単位に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転する回転刃と、回転刃の外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、回転刃とライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、回転刃の回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ、すなわち、気流を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4-1と、第1選別物M4-1よりも大きい第2選別物M4-2とに選別される。第1選別物M4-1は、第2ウェブM8の製造、ひいては、成形体の製造に適した大きさのものとなっている。その平均長さは、1μm以上30μm以下であるのが好ましい。一方、第2選別物M4-2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4-1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4-2として選別される。
第1選別物M4-1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4-2は、ドラム部141に接続されている管243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側、すなわち、上流側が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4-2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4-2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141から落下した第1選別物M4-1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4-1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、その上面に第1選別物M4-1が堆積する。メッシュベルト151は、その上面が水平面となるように設置されている。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4-1は、下流側、すなわち+x軸方向に搬送される。
第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4-1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このような塵や埃は、後述する回収部27に回収されることとなる。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
回収部27には、管245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、気化式または超音波式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4-1を加湿することができ、よって、第1選別物M4-1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、気化式または超音波式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と添加剤P1とを混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、添加剤供給部171と、管172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と添加剤P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、添加剤供給部171が接続されている。添加剤供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、粉体または粒子による添加剤P1を管172に供給することができる。管172に供給された添加剤P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
添加剤供給部171から供給される添加剤P1としては、例えば、繊維同士を結合させる結合剤や、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集等を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、第2ウェブM8、ひいては、成形体の紙力を増強するための紙力増強剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、添加剤P1の形態は、粉体または粒子に限らず、液体であってよい。以下では、一例として、添加剤が結合剤である場合について説明する。添加剤が繊維同士を結合させる結合材を含むことにより、成形体の強度を高めることができる。結合剤は、例えば、各種ポリオレフィン、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、各種熱可塑性エラストマー等を用いることもできる。他にも、澱粉、デキストリン、グリコーゲン、アミロース、ヒアルロン酸、葛、こんにゃく、片栗粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、天然ガム糊、繊維誘導糊、海藻類、動物性蛋白質等の天然物由来成分や、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような添加剤供給部171は、省略されていてもよい。この場合、添加剤P1は、後述する第1シートS1に含まれていることが好ましい。
管172の途中には、添加剤供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と添加剤P1とが混合される。また、ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と添加剤P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と添加剤P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、気化式または超音波式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の鉛直方向下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程、すなわち第2工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト191と、複数の張架ローラー192と、吸引部193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、第2ウェブ形成部19すなわち堆積部30において、後述する第1シート供給部3Aから供給された第1シートS1を支持するとともに、下流側、すなわち+x軸方向へ搬送する機能を有する。メッシュベルト191は、その上面、すなわち第1シートS1を支持する面が水平面となるように設置されている。
図3に示すように、メッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。張架ローラー192のうちの少なくとも1つは、図示しないモーターを駆動源として図3中時計回りに回転駆動する。このモーターは、制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御される。このような張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191が巡回回転し、その上に載置された第1シートS1および混合物M7を下流側に搬送する。制御部28により前記モーターを制御してメッシュベルト191の回転速度を調整することにより、第1シートS1の搬送速度を調整することができる。これにより、混合物M7の第1シートS1上への堆積量、すなわち第2ウェブM8の厚さを調整することができる。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引するサクション機構である。吸引部193は、メッシュベルト191および第1シートS1を介して、混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7の第1シートS1上への堆積すなわち第2ウェブM8の形成を促進することができる。また、第2ウェブM8の厚さの均一化、繊維密度の均一化など、第2ウェブM8の性状を良好にする効果もある。
吸引部193には、管246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。ブロアー263は、制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御される。
なお、吸引部193、管246およびブロアー263は、省略されていてもよい。
このようなほぐし部18および第2ウェブ形成部19により、解繊部13で生成された解繊物M3を堆積する堆積部30が構成される。この堆積部30によって、第1工程で供給された第1シートS1上に混合物M7を堆積させて堆積物すなわち第2ウェブM8を形成する第2工程が実行される。
なお、堆積部30では、ほぐし部18からの混合物M7の放出と、メッシュベルト191の回転駆動による第2ウェブM8の下流側への搬送とを、後述する第1成形部20Aの加熱および加圧(以下単に「加熱加圧」と言うことがある。)の動作にあわせて、間欠的に行う。
なお、第2ウェブ形成部19は、図示の構成のものに限定されず、第1シートS1上に解繊物の堆積物を堆積させ得るものであれば、いかなる構成のものでもよい。
また、堆積部30は、ほぐし部18を含まず、第2ウェブ形成部19のみで構成されたものであってもよい。この場合、堆積部30は、例えば、容器などに予め貯留されている解繊物M3、第1選別物M4-1、細分体M6または混合物M7のような解繊物を、前記容器から取り出して第1シートS1上に堆積させるような構成とすることができる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができる。加湿部236の作動は、制御部28により制御され、加湿の程度により、第2ウェブM8に含まれる水分量が調整される。第2ウェブM8に含まれる水分量を適正にすることで、得られる第1成形体SA、第2成形体SBの性状、品質をより向上させることができる。
なお、加湿部231~加湿部236までに加えられる合計水分量は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。
図3に示すように、第1シート供給部3Aは、メッシュベルト191の上面に第1シートS1を供給する部分である。第1シート供給部3Aは、有機物で構成される結着材を有する第1シートS1を供給する第1工程を行う部分である。第1シート供給部3Aは、第1シートS1の原反が装填される装填部31を有する。第1シートS1の原反は、長尺な第1シートS1がロール状に巻回されたものであり、その中心部は、中空となっている。
また、装填部31は、図示の構成では、第1シートS1の原反の中心部を挿通する棒状部材で構成される。ただし、装填部31としては、この構成に限定されず、例えば、単に第1シートS1の原反を下側から支持する構成や、2本の棒状部材で、両側から第1シートS1の原反の中心部を挿通する構成の物であってもよい。
装填部31は、棒状部材が図示しないモーターの駆動により反時計回りに回転して、ロール状に巻回された第1シートS1を巻き出す構成である。また、棒状部材は回転せず、第1シートS1の始端が、図示しないモーターで回転駆動する図示しない一対のローラーで挟持されて引っ張られることにより巻き出す構成であってもよい。
装填部31に設置される前記モーターは、制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御され、第1シート供給部3Aにおける第1シートS1の送り出し速度、すなわち供給速度が調整される。第1シート供給部3Aにおける第1シートS1の供給タイミングおよび供給速度は、前述したメッシュベルト191の回転駆動タイミングおよび回転速度と連動するように調整される。
第1シート供給部3Aによってメッシュベルト191の上面に第1シートS1が供給されると、第1シートS1の上面、すなわち、メッシュベルト191と反対側の面に、ほぐし部18から供給された混合物M7が落下して堆積する。これにより、第1シートS1上に第2ウェブM8が積層された積層体S1+M8が得られる。
また、第1シート供給部3Aは、後述する結着材層400が上側すなわちほぐし部18側に位置する向きで第1シートS1を供給する。これにより、後述する工程において、結着材300を第2ウェブM8側に染み出しやすくすることができる。よって、第1シートS1と第2ウェブM8との接合をより良好に行うことができる。
なお、図示しないが、第1シート供給部3Aは、装填部31から第2ウェブ形成部19までの間の任意の箇所に、第1シートS1を一時的にストックし、これにより搬送速度の差を吸収するバッファーを有していてもよい。
この場合には、第1シート供給部3Aからの第1シートS1の供給、第2ウェブ形成部19における第1シートS1の搬送およびほぐし部18からの混合物M7の放出、堆積を、連続的に行うことができる。
第1シートS1について、図4を参照しつつ説明する。
第1シートS1は、得られた第1成形体SAの強度を高め、その形状を維持する機能と、第2ウェブM8を構成する繊維間に結着材300を供給し、第2ウェブM8を固化させ、第2ウェブM8の形状を安定化させる機能と、を有する。従って、第1シートS1は、第1形状維持シートとも言える。第1シートS1は、基材層200と、基材層200の一方の面側に設けられた結着材層400と、を有する。結着材層400は、後述するような結着材300で構成されている。
基材層200の構成材料としては、例えば、織布または不織布が挙げられる。以下、不織布による基材層200について、代表的に説明する。
基材層200を構成する不織布は、ほぐし部18から放出される繊維と同種のもの、特に同じ分子構造を有する繊維で構成されているか、または当該繊維を60重量%以上含むものであるのが好ましい。基材層200に含まれる繊維としては、天然繊維、合成繊維のいずれでもよい。天然繊維としては、例えば、セルロース繊維、レーヨン、綿、リンター、カボック、亜麻、大麻、ラミー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。基材層200を構成する繊維としては、セルロース繊維を60重量%以上含むものが好ましく、80重量%以上含むものがより好ましい。セルロース繊維は、入手が容易で、成形性に優れる。セルロース繊維としては、木質系パルプに由来するものが好ましい。木質系パルプとしては、バージンパルプ、クラフトパルプ、晒ケミサーモメカニカルパルプ、合成パルプ、古紙や再生紙に由来するパルプ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材層200に含まれる繊維は、上記に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンのような高分子材料で構成された合成繊維を含んでいてもよい。
また、第1シートS1は、通気性を有しているのが好ましい。すなわち、基材層200および結着材層400は、通気性を有しているのが好ましい。ここで「通気性」とは、複数の気孔を通して層の厚さ方向に空気が通過し得る性質のことをいう。基材層200の通気性の程度は、ガーレー試験機法において、透気度を表すガーレー秒数が、30秒未満であることが好ましく、15秒未満であることがより好ましい。これにより、吸引部193で吸引した際、第1シートS1を介して混合物M7を良好に吸引することができる。よって、第1シートS1上に良好な第2ウェブM8を形成することができる。
基材層200の厚さは、特に限定されず、例えば、50μm以上200μm以下であるのが好ましく、90μm以上150μm以下であるのがより好ましい。
結着材300は、後の工程で第2ウェブM8中の繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂等の樹脂材料や、天然物由来成分等の有機物で構成される。
熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6-12、ナイロン6-66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
天然物由来成分としては、澱粉、デキストリン、グリコーゲン、アミロース、ヒアルロン酸、葛、こんにゃく、片栗粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、天然ガム糊、繊維誘導糊、海藻類、動物性蛋白質等が挙げられる。
結着材層400には、結着材300の他、例えば、溶剤や、界面活性剤等の添加剤が含まれていてもよい。
結着材層400の厚さは、特に限定されず、例えば、平均厚さが80μm以上300μm以下であるのが好ましく、120μm以上220μm以下であるのがより好ましい。
第1シートS1における結着材300は、粒子状をなしている。これにより、後述する工程において、結着材300が第2ウェブM8の繊維間に入り込みやすくなる。よって、第1シートS1および第2ウェブM8の接合強度が高い第1成形体SAを得ることができる。
結着材300の粒径は、特に限定されないが、例えば、平均粒径が1μm以上20μm以下であるのが好ましく、5μm以上10μm以下であるのがより好ましい。これにより、後述する工程において、結着材300が第2ウェブM8の繊維間に、より確実に入り込むことができる。また、結着材300の粒径には、ある程度の粒径分布があってもよい。
なお、粒子状とは、図4で模式的に示すような球形のものに限らず、例えば、多角形形状、鱗片状、針状のものや、その他異形状のものであってもよい。
このような構成の第1シートS1は、例えば、基材層200の片面に水滴を吹きかけるなどして濡らし、その濡れた面に粒子状の結着材300を付与し、乾燥させるという簡単な方法によって得ることができる。
このように、第1シートS1は、基材層200と、粒子状の結着材300で構成される結着材層400と、を有する。これにより、第1シートS1および第2ウェブM8の接合強度が高い第1成形体SAを得ることができる。
なお、第1シートS1における結着材300は、粒子状に限定されず、層状になっていてもよい。
第1シートS1は、基材層200の両面側にそれぞれ結着材層400が設けられた3層構成のものであってもよい。また、第1シートS1は、基材層200を2層有し、両層の間に結着材層400が挟まれた3層構成のものであってもよい。
図示の構成では、基材層200と結着材層400の界面は、明確に記載されているが、これに限らず、結着材層400の全部または一部が基材層200内に埋没していてもよく、あるいは、結着材300が基材層200中に分散されていてもよい。また、基材層200が結着材層400と同じ成分で、基材層200と結着材層400とが一体化したものであっても構わない。つまり、第1シートS1が結着材層400のみで形成されているものであってもよい。
次に、第1成形部20Aについて説明する。
第2ウェブ形成部19の下流側には、第1成形部20Aが配置されている。第1成形部20Aは、第1シートS1と第2ウェブM8との積層体S1+M8から第1成形体SAを形成する第1成形工程、すなわち第3工程を行なう部分である。この第1成形部20Aは、いわゆるバッチ式の加熱加圧装置であり、上下方向に離間して配置された一対の加熱ブロック201A、201Aを有する。各加熱ブロック201Aは、搬送されている積層体S1+M8を介して互いに反対側に設けられている。各加熱ブロック201Aは、所定時間毎に接近、離間を繰り返す。すなわち、各加熱ブロック201Aは、所定時間毎に積層体S1+M8の押圧と、押圧解除とを繰り返す。各加熱ブロック201Aによる押圧解除のタイミングで積層体S1+M8が下流方向へ搬送され、各加熱ブロック201Aによる押圧のタイミングで積層体S1+M8の搬送が停止する。すなわち、積層体S1+M8の搬送および加熱加圧が所定のタイミングで間欠的に行われる。
このような第1成形部20Aによって、積層体S1+M8を加熱加圧することにより、第1シートS1の結着材300が溶融または軟化して第2ウェブM8側に移行し、第2ウェブM8の内部に拡散される。
積層体S1+M8は、加熱加圧の後、結着材300の軟化点以下の温度、例えば常温付近まで冷却される。これにより、結着材300が固化し、図5に示すような板状の第1成形体SAが得られる。冷却方法は、特に限定されず、自然冷却の他、図示しないブロアーにより空気流を付与する等の強制冷却が挙げられる。強制冷却を行う場合には、自然冷却に比べ冷却速度が速くなり、製造のサイクルタイムを短縮することができるという利点がある。
以上述べたように、積層体S1+M8を加熱加圧することにより、第2ウェブM8の繊維が圧縮されて適度に圧密化されるとともに、繊維同士の間に溶融または軟化した結着材300が入り込み、その後の冷却により結着材300が固化して繊維同士が結着される。さらに、固化した結着材300により基材層200と第2ウェブM8とが接合されて、強度の高い第1成形体SAが得られる。この第1成形体SAは、単位積層体とも言う。
結着材300が熱可塑性樹脂である場合、第1成形部20Aによる加熱温度は、熱可塑性樹脂の軟化点を超える温度、特に融点以上の温度であることが好ましく、例えば、50℃以上180℃以下であることが好ましく、70℃以上150℃以下であることがより好ましい。これにより、繊維同士の間に結着材300がより確実に入り込んで繊維同士の結着がより均一、良好になされるとともに、基材層200と第2ウェブM8との接合がより均一、良好になされる。
結着材300が天然物由来成分である場合、第1成形部20Aによる加熱温度は、例えば、30℃以上100℃以下であることが好ましく、40℃以上60℃以下であることがより好ましい。これにより、繊維同士の間に結着材300がより確実に入り込んで繊維同士の結着がより均一、良好になされるとともに、基材層200と第2ウェブM8との接合がより均一、良好になされる。
第1成形部20Aによる加熱時間は、特に限定されないが、前述した加熱温度の場合、1秒以上20秒以下であるのが好ましく、2秒以上10秒以下であるのがより好ましい。これにより、繊維同士の結着がより確実かつ良好になされるとともに、基材層200と第2ウェブM8との接合がより確実かつ良好になされる。
第1成形部20Aによる加圧力は、特に限定されないが、前述した加熱温度および加熱時間の場合、1N以上100N以下であるのが好ましく、5N以上20N以下であるのがより好ましい。これにより、繊維同士の間に結着材300がより確実に入り込んで繊維同士の結着がより良好になされるとともに、基材層200と第2ウェブM8との接合がより良好になされる。
前述した第1成形部20Aは、バッチ式の加熱加圧装置であるが、これに限らず、連続式の加熱加圧装置であってもよい。連続式の加熱加圧装置としては、例えば、一対の加熱加圧ローラーを有し、両加熱加圧ローラー間に積層体S1+M8を通過させて加熱加圧する構成のものが挙げられる。この場合、積層体S1+M8を連続的に加熱加圧することができ、積層体S1+M8の搬送も連続的に行うことができる。また、結着材300の温度が比較的高い間に加圧することができれば、加熱加圧装置の加熱する機構と加圧する機構とは、別体で構成されていてもよい。
第1成形体SAの厚さは、特に限定されないが、1mm以上100mm以下であることが好ましく、5mm以上40mm以下であることがより好ましい。
なお、図示しないが、第2ウェブ形成部19から第1成形部20Aまでの間の任意の箇所に、積層体S1+M8を一時的にストックし、これにより搬送速度の差を吸収するバッファーを有していてもよい。この場合には、積層体S1+M8の第1成形部20Aへの搬送を連続的に行いつつ、加熱加圧による第1成形体SAの形成を行うことができる。
第1成形部20Aの下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、第1成形体SAを所望の形状に切断する切断工程を行なう部分である。この切断部21は、第1切断部211と、第2切断部212とを有する。
第1切断部211は、第1成形体SAの搬送方向(+x軸方向)と交差する方向、特に直交する方向(-y軸方向)に切断するものである。
第2切断部212は、第1切断部211の下流側で、第1成形体SAの搬送方向に平行な方向に第1成形体SAを切断するものである。この切断は、第1成形体SAの両側端部、すなわち、+y軸方向および-y軸方向の端部の不要な余剰分を除去して、第1成形体SAの幅を整えるものである。また、切断除去された余剰分は、いわゆる「みみ」と呼ばれるものである。
このような切断部21で所定の形状、大きさに切断された第1成形体SAは、第1貯留部22Aに貯留される。第1貯留部22Aでは、複数の第1成形体SAが、その厚さ方向が一致した状態で重ねられて貯留される。そして、ユーザーは、所定の枚数重ねられた第1成形体SAを取り出したり、第2成形部20Bに搬送してさらに成形したりすることができる。
このように、繊維構造体製造装置100は、複数の第1成形体SAを重ねた状態で貯留する第1貯留部22Aを備える。これにより、得られた第1成形体SAをいつ、どのように使用するかの選択の幅が広がり、ハンドリング性を高めることができる。特に、第1成形体SAを最終製品とする場合はもちろんのこと、この場合に限らず、第1成形体SAをさらに加工したり、第1成形体SAから第2成形体SBを製造したりする場合にも、その加工や製造を容易に行うことができる。
図2に示すように、第1貯留部22Aの下流側には、第2成形部20Bが配置されている。第2成形部20Bは、複数の第1成形体SAから第2成形体SBを製造する第2成形工程、すなわち第4工程を行なう部分である。この第2成形部20Bは、いわゆるバッチ式の加熱加圧装置であり、上下方向に離間して配置された一対の加熱ブロック201B、201Bを有する。各加熱ブロック201Bは、積層された複数の第1成形体SAに対し、加熱加圧を行い、第2成形体SBを製造する。一対の加熱ブロック201Bは、積層された複数の第1成形体SAを介して互いに反対側に設けられている。各加熱ブロック201Bは、所定時間毎に接近、離間を繰り返す。すなわち、各加熱ブロック201Bは、所定時間毎に第1成形体SAの押圧と、押圧解除とを繰り返す。
n枚(nは2以上の整数)の第1成形体SAから第2成形体SBを製造する場合の一例について説明する。
第1貯留部22Aにn枚またはそれ以上の第1成形体SAが貯留されたら、第1貯留部22Aからn枚の第1成形体SAを取り出し、各第1成形体SAの上下方向すなわち裏表が一致するように、それらを揃えて重ね、一対の加熱ブロック201B、201B間に装填する。
次いで、加熱ブロック201B、201Bを作動して、n枚の第1成形体SAよりなる積層体を加熱加圧する。n枚の第1成形体SAを一括して加熱加圧することにより、各第1成形体SA内の結着材300が再度溶融または軟化して第1成形体SA内に拡散するとともに、隣接する第1成形体SA側へも拡散、移行する。これにより、隣接する第1成形体SAの境界部にも溶融または軟化した結着材300が染み出す。
第1成形体SAの積層体は、加熱加圧の後、結着材300の軟化点以下の温度、例えば常温付近まで冷却される。これにより、結着材300が固化し、図6に示すような第2成形体SBが得られる。冷却方法は、特に限定されず、自然冷却の他、図示しないブロアーにより空気流を付与する等の強制冷却が挙げられる。強制冷却を行う場合には、自然冷却に比べ冷却速度が速くなり、製造のサイクルタイムを短縮することができるという利点がある。
第2成形部20Bでは、第1成形体SAの積層体の装填、該積層体の加熱加圧および冷却が所定のタイミングで間欠的に行われ、複数の第2成形体SBが順次製造され、後述する第2貯留部22Bへ搬送される。
各第2成形体SBが有する第1成形体SAの枚数nは、同一でも異なっていてもよい。
このような第2成形部20Bでは、複数の第1成形体SAを一括して加熱加圧することにより、隣接する第1成形体SA同士が均一かつ強固に接合される。よって、強度の高い高品質の第2成形体SBが得られる。
結着材300が熱可塑性樹脂である場合、第2成形部20Bによる加熱温度は、第1成形部20Aによる加熱温度よりも高いことが好ましく、例えば、60℃以上200℃以下であることが好ましく、80℃以上170℃以下であることがより好ましい。これにより、第1成形体SA中の結着材300を、より確実に再度溶融させ、拡散させることができ、第1成形体SA同士の接合をより確実に行うことができる。
結着材300が天然物由来成分である場合、第2成形部20Bによる加熱温度は、第1成形部20Aによる加熱温度よりも高いことが好ましく、例えば、40℃以上110℃以下であることが好ましく、50℃以上70℃以下であることがより好ましい。これにより、第1成形体SA中の結着材300を、より確実に再度溶融させ、拡散させることができ、第1成形体SA同士の接合をより均一、確実に行うことができる。
第2成形部20Bによる加熱時間は、第1成形部20Aによる加熱時間よりも長いことが好ましく、例えば、2秒以上25秒以下であるのが好ましく、3秒以上12秒以下であるのがより好ましい。これにより、第1成形体SA中の結着材300を、より確実に再度溶融させ、拡散させることができ、第1成形体SA同士の接合をより均一、確実に行うことができる。
第2成形部20Bによる加圧力は、第1成形部20Aの加圧力よりも高いことが好ましく、例えば、2N以上150N以下であるのが好ましく、10N以上30N以下であるのがより好ましい。これにより、第1成形体SA同士の接合をより均一、確実に行うことができる。
第2成形部20Bの下流側には、第2貯留部22Bが配置されている。第2成形部20Bで成形された第2成形体SBは、第2貯留部22Bに貯留される。第2貯留部22Bでは、複数の第2成形体SBが、その厚さ方向が一致した状態で重ねられて貯留される。そして、ユーザーは、所定の枚数重ねられた第2成形体SBを取り出すことができる。
このような繊維構造体製造装置100により得られた第1成形体SAまたは第2成形体SBは、第2ウェブM8に第1シートS1を付加することにより、強度および剛性が高められ、かつ、第1シートS1より柔軟性が高い第2ウェブM8の存在により、緩衝作用を発揮することができる。よって、第1成形体SAまたは第2成形体SBを、例えば梱包箱内の仕切り部材または固定部材として用いた場合、箱内部に収納される物品の移動の規制および該物品の保護という互いに相反する作用効果を両立することができる。以上より、第1成形体SAまたは第2成形体SBは、高い強度および優れた緩衝作用を発揮することができる。
特に、第2成形体SBは、第1成形体SAに比べ、厚さが厚く、より高強度であり、より優れた緩衝作用を発揮することができる。
また、第1成形体SAおよび第2成形体SBは、従来より用いられている発泡スチロールのような樹脂成型物による成形体に比べ、廃棄に際しての有害性や、環境への悪影響が少ないため、例えば焼却廃棄に供することも可能であり、リサイクルにも適する。
なお、第1成形体SAおよび第2成形体SBは、上述したものに限定されない。
第1成形体SAの厚さは、特に限定されないが、1mm以上100mm以下であることが好ましく、5mm以上40mm以下であることがより好ましい。
第2成形体SBの厚さは、特に限定されないが、2mm以上200mm以下であることが好ましく、10mm以上80mm以下であることがより好ましい。
第1成形体SAおよび第2成形体SBの平面視での形状は、特に限定されず、用途や使用状況に応じて適宜決定される。第1成形体SAおよび第2成形体SBの平面視での形状が長方形である場合、その縦、横の寸法も特に限定されない。
第2成形体SBを構成する第1成形体SAの枚数nを例えば5以上とするなどして、第2成形体SBの厚さを比較的厚いものとした場合には、第2成形体SBの形状をブロック状とすることができる。ブロック状の第2成形体SBは、切断加工、切削加工、研削加工、研磨加工、溝加工、孔開け加工、面取り加工等の所望の加工を施すことにより、任意の3次元形状とすることができる。これにより、第2成形体SBを梱包箱内の仕切り部材または固定部材として用いる場合、箱内部に収納される物品の形状に応じた形状に、容易に加工することができる。
なお、第2成形体SBにおける隣り合う第1成形体SAは、基材層200同士が接するように積層されていてもよく、基材層200と第2ウェブM8の部分とが接するように積層されていてもよく、これらが混在していてもよい。
第1貯留部22Aから、第2成形部20Bへの第1成形体SAの搬送、および第2成形部20Bから第2貯留部22Bへの第2成形体SBの搬送は、作業者が手動で行ってもよく、図示しない搬送装置を設置して搬送を行ってもよい。
第1貯留部22Aより下流側の部位、すなわち、第2成形部20Bおよび第2貯留部22Bは、省略されていてもよい。
また、第2成形部20Bを有する場合でも、第2成形部20Bより下流側の部位は、省略されていてもよい。
以上説明したように、繊維構造体製造装置100は、有機物で構成される結着材300を有する第1シートS1を供給する第1シート供給部3Aと、第1シート供給部3Aにより供給された第1シートS1上に繊維を含む解繊物である混合物M7を堆積させて堆積物である第2ウェブM8を形成する堆積部30と、第1シートS1と第2ウェブM8とが積層された積層体S1+M8に対し、加熱および加圧を行い第1成形体SA(単位積層体)を得る第1成形部20Aと、を備える。これにより、得られた第1成形体SAは、高い強度を有する。また、得られた第1成形体SAは優れた緩衝作用を発揮する。よって、第1成形体SAは、用途の幅が広い。
また、前述したように、結着材300は、熱可塑性樹脂を含み、第1成形部20Aの加熱における加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点以上の温度である。これにより、繊維同士の間に結着材300がより確実に入り込み、繊維同士の結着がより均一、良好になされるとともに、基材層200と第2ウェブM8との接合がより均一、良好になされる。
なお、結着材300は、熱可塑性樹脂以外の材料、例えば、第3実施形態で述べるように、熱硬化性樹脂であってもよい。
また、繊維構造体製造装置100は、第1成形体SAを複数積層し、積層された複数の第1成形体SAに対し、加熱および加圧を行い、第2成形体SBを得る第2成形部20Bを備える。これにより、第1成形体SAよりも厚く、高強度の第2成形体SBを得ることができる。また、第2成形体SBは、優れた緩衝作用を発揮する。よって、第2成形体SBは、用途の幅が広い。
また、繊維構造体製造方法は、有機物で構成される結着材300を有する第1シートS1を供給する第1工程と、第1工程で供給された第1シートS1上に繊維を含む解繊物である混合物M7を堆積させて堆積物である第2ウェブM8を形成する第2工程と、第1シートS1と第2ウェブM8とが積層された積層体S1+M8に対し、加熱および加圧を行い第1成形体SAを得る第3工程と、を有する。これにより、得られた第1成形体SAは、高い強度および優れた緩衝作用を発揮することができる。
また、繊維構造体製造方法は、第3工程で得られた第1成形体SAを複数積層し、積層された複数の第1成形体SAに対し、加熱および加圧を行い、第2成形体SBを得る第4工程を有する。これにより、第1成形体SAよりも厚く、高強度の第2成形体SBを得ることができる。また、第2成形体SBは、優れた緩衝作用を発揮する。よって、幅広い用途の第2成形体SBが得られる。
<第2実施形態>
図7は、本発明の繊維構造体製造装置の第2実施形態が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。図8は、第2実施形態に係わる第1成形体の断面図である。
以下、図7および図8を参照しつつ本発明の繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図7に示すように、繊維構造体製造装置100は、第2シート供給部3Bを備えている。第2シート供給部3Bは、堆積部30と第1成形部20Aとの間に設けられ、第2シートS2を、第2ウェブM8の第1シートS1と反対側の面側、すなわち、図中上面側に供給する。
第2シート供給部3Bは、第2シートS2の原反が装填される装填部32と、押さえローラー33と、を有する。装填部32の構成は、第1実施形態で説明した装填部31と同様の構成であるため、その説明を省略する。押さえローラー33は、装填部32から繰り出された第2シートS2を、積層体S1+M8上に押し付けるものである。
第2シートS2は、第1シートS1と同様の構成のものを用いることができる。すなわち、第2シートS2は、基材層200と、基材層200の一方の面側に設けられた結着材層400と、を有する。結着材層400は、前述したような結着材300で構成されている。
なお、第2シートS2は、第1シートS1と異なる構成のものであってもよい。例えば、基材層200の構成材料、厚さ等が異なっていてもよく、結着材層400の構成材料、厚さ等が異なっていてもよい。また、例えば、第2シートS2では、結着材層400が省略されていてもよい。
また、第2シート供給部3Bは、結着材層400が、積層体S1+M8のうち、第2ウェブM8側に位置する向きで第2シートS2を供給する。これにより、加熱加圧により第1成形体SAを得る第3工程において、第2シートS2の結着材300が第2ウェブM8側に染み出しやすくなる。よって、第2シートS2と第2ウェブM8との接合をより均一、良好に行うことができる。
なお、第2シート供給部3Bは、基材層200が、第2ウェブM8側に位置する向きで第2シートS2を供給する構成であってもよい。
第1シートS1上に第2ウェブM8が積層された積層体S1+M8上に、第2シートS2を供給することにより、第1シートS1、第2ウェブM8および第2シートS2がこの順で積層された積層体S1+M8+S2を得ることができる。
そして、前述した第1成形部20Aによって、積層体S1+M8+S2を加熱加圧することにより、第1シートS1および第2シートS2の結着材300が溶融または軟化して、第2ウェブM8の両面側から第2ウェブM8に移行する。これにより、基材層200と第2ウェブM8とがより強固に接合される。さらに、基材層200が両面側に位置する分、さらに強度の高い第1成形体SA(単位積層体)が得られる。
このように、繊維構造体製造装置100は、堆積部30と第1成形部20Aとの間に設けられ、第2シートS2を、第2ウェブM8の第1シートS1と反対側の面側に供給する第2シート供給部3Bを備え、第1成形部20Aは、第1シートS1と第2ウェブM8と第2シートS2とがこの順に積層された積層体S1+M8+S2に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体SAを得る。これにより、さらに強度の高い第1成形体SAが得られる。
また、第2シートS2は、有機物で構成される結着材300を有する。これにより、第3工程において、結着材300が第2ウェブM8の両面側から第2ウェブM8に移行する。よって、基材層200と第2ウェブM8とがより強固に接合される。
なお、第2シートS2では、結着材300が省略されていてもよい。
<第3実施形態>
図9は、本発明の繊維構造体製造装置の第3実施形態が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。
以下、図9を参照しつつ本発明の繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図9に示すように、第1シート供給部3Aは、ロール状に巻かれた基材層200の原反が装填された、基材層供給部としての装填部31と、液状の結着材310を供給する結着材供給部34と、を有する。
装填部31から巻き出された基材層200の上面に、結着材供給部34から供給される液状の結着材310が付与されて、第1シートS1となる。その後、この第1シートS1は堆積部30へ搬送され、第1シートS1の上面に第2ウェブM8が堆積され、積層体S1+M8が得られる。
結着材供給部34としては、例えば、スプレー方式、インクジェット方式、刷毛塗方式、ロールコーター等の塗布装置が挙げられる。
結着材供給部34より供給される液状の結着材310としては、例えば、溶剤を含む熱可塑性樹脂、または例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の未硬化の熱硬化性樹脂が挙げられる。
結着材310が未硬化の熱硬化性樹脂である場合、後の第1成形部20Aによる加熱加圧により、液状の結着材310が拡散すると共に硬化し、繊維同士が結着して第1成形体SAとなる。従って、第1成形部20Aによる加熱温度は、熱硬化性樹脂の硬化温度以上であることが好ましい。
基材層200上に結着材310が付与された第1シートS1の上面に第2ウェブM8を堆積させて積層体S1+M8とし、該積層体S1+M8を加熱加圧して第1成形体SAを得る第3工程を行うことにより、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態においても、第2成形部20Bにより、第1成形体SAを複数積層し、積層された複数の第1成形体SAに対し加熱および加圧を行い、第2成形体SBを得ることができる。これにより、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、結着材供給部34の選択や条件設定により、結着材300の供給量すなわち付着量を容易に調整することができるという利点がある。よって、例えば、基材層200の構成材料、厚さ、第2ウェブM8の構成材料、厚さ等の諸条件に応じて、結着材300の供給量を適正にすることができ、得られる第1成形体SAおよび第2成形体SBの品質を高めることができる。
<第4実施形態>
図10は、本発明の繊維構造体製造装置の第4実施形態が備える堆積部およびその周辺の概略構成図である。
以下、図10を参照しつつ本発明の繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法の第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図10に示すように、第1シート供給部3Aは、ロール状に巻かれた基材層200の原反が装填された、基材層供給部としての装填部31と、自己形状保持性を有する結着材層410を供給する結着材供給部35と、を有する。結着材供給部35は、ロール状に巻かれた結着結着材層410の原反が装填される装填部36と、押さえローラー37と、を有する。結着材供給部35は、結着材層供給用のアンコイラーである。
結着材層410は、自己形状保持性を有するものであり、例えば前述した結着材300または310を含む材料をシート状またはフィルム状に成形したものである。
装填部36の構成は、第1実施形態で説明した装填部31と同様の構成であるため、その説明を省略する。押さえローラー37は、装填部36から繰り出された結着材層410を、基材層200に押し付けるものである。
基材層200上に結着材層410が付与された第1シートS1の上面に第2ウェブM8を堆積させて積層体S1+M8とし、該積層体S1+M8を加熱加圧して第1成形体SAを得る第3工程を行うことにより、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態においても、第2成形部20Bにより、第1成形体SAを複数積層し、積層された複数の第1成形体SAに対し加熱および加圧を行い、第2成形体SBを得ることができる。これにより、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、結着材300または310の供給量を均一に安定させることができる。また、供給する結着材層410の構成材料、厚さ等の条件を適宜選択することにより、結着材300または310の特性や供給量を容易に調整することができるという利点がある。よって、例えば、基材層200の構成材料、厚さ、第2ウェブM8の構成材料、厚さ等の諸条件に応じて、結着材300または310の供給量を適正にすることができ、得られる第1成形体SAおよび第2成形体SBの品質を高めることができる。
以上、本発明の繊維構造体製造装置および繊維構造体製造方法を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、第1実施形態~第4実施形態の構成の一部を任意に組み合わせたり置換したりしてもよい。また、第1実施形態~第4実施形態において、繊維構造体製造装置を構成する各部、繊維構造体製造方法を構成する各工程は、それぞれ、同様の機能を発揮し得る任意の構成または工程と置換することができる。また、任意の構成物、工程が付加されていてもよい。
3A…第1シート供給部、3B…第2シート供給部、11…原料供給部、12…粗砕部、13…解繊部、14…選別部、15…第1ウェブ形成部、16…細分部、17…混合部、18…ほぐし部、19…第2ウェブ形成部、20A…第1成形部、20B…第2成形部、21…切断部、22A…第1貯留部、22B…第2貯留部、27…回収部、28…制御部、30…堆積部、31…装填部、32…装填部、33…押さえローラー、34…結着材供給部、35…結着材供給部、36…装填部、37…押さえローラー、100…繊維構造体製造装置、121…粗砕刃、122…シュート、141…ドラム部、142…ハウジング部、151…メッシュベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、161…プロペラ、162…ハウジング部、171…添加剤供給部、172…管、173…ブロアー、174…スクリューフィーダー、181…ドラム部、182…ハウジング部、191…メッシュベルト、192…張架ローラー、193…吸引部、200…基材層、201A…加熱ブロック、201B…加熱ブロック、211…第1切断部、212…第2切断部、231…加湿部、232…加湿部、233…加湿部、234…加湿部、235…加湿部、236…加湿部、241…管、242…管、243…管、244…管、245…管、246…管、261…ブロアー、262…ブロアー、263…ブロアー、281…CPU、282…記憶部、300…結着材、310…結着材、400…結着材層、410…結着材層、M1…原料、M2…粗砕片、M3…解繊物、M4-1…第1選別物、M4-2…第2選別物、M5…第1ウェブ、M6…細分体、M7…混合物、M8…第2ウェブ、P1…添加剤、S1…第1シート、S2…第2シート、SA…第1成形体、SB…第2成形体、S1+M8…積層体

Claims (9)

  1. 有機物で構成される結着材を有する第1シートを供給する第1シート供給部と、
    前記第1シート供給部により供給された前記第1シート上に繊維を含む解繊物を堆積させて堆積物を形成する堆積部と、
    前記第1シートと前記堆積物とが積層された積層体に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体を得る第1成形部と、を備えることを特徴とする繊維構造体製造装置。
  2. 前記結着材は、熱可塑性樹脂を含み、
    前記第1成形部の加熱における加熱温度は、前記熱可塑性樹脂の融点以上の温度である請求項1に記載の繊維構造体製造装置。
  3. 前記第1シートは、基材層と、粒子状の前記結着材で構成される結着材層と、を有する請求項1に記載の繊維構造体製造装置。
  4. 前記堆積部と前記第1成形部との間に設けられ、第2シートを、前記堆積物の前記第1シートと反対側の面側に供給する第2シート供給部を備え、
    前記第1成形部は、前記第1シートと前記堆積物と前記第2シートとがこの順に積層された積層体に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体を得る請求項1に記載の繊維構造体製造装置。
  5. 前記第2シートは、有機物で構成される結着材を有する請求項4に記載の繊維構造体製造装置。
  6. 複数の前記第1成形体を重ねた状態で貯留する第1貯留部を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の繊維構造体製造装置。
  7. 前記第1成形体を複数積層し、積層された複数の前記第1成形体に対し、加熱および加圧を行い、第2成形体を得る第2成形部を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の繊維構造体製造装置。
  8. 有機物で構成される結着材を有する第1シートを供給する第1工程と、
    前記第1工程で供給された前記第1シート上に繊維を含む解繊物を堆積させて堆積物を形成する第2工程と、
    前記第1シートと前記堆積物とが積層された積層体に対し、加熱および加圧を行い、第1成形体を得る第3工程と、を有することを特徴とする繊維構造体製造方法。
  9. 前記第3工程で得られた前記第1成形体を複数積層し、積層された複数の前記第1成形体に対し、加熱および加圧を行い、第2成形体を得る第4工程を有する請求項8に記載の繊維構造体製造方法。
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