JP2021116513A - 繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法、及び繊維構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】型崩れなどを起こすことなくハンドリング性に優れた繊維構造体(例えば、吸収材)を製造する繊維構造体製造装置を提供する。【解決手段】本発明の繊維構造体製造装置は、繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊する解繊機30と、前記解繊機で解繊された解繊物を搬送する搬送管60と、前記搬送管で搬送される解繊物に溶融材料を混入する溶融材料混入部と、前記溶融材料が混入された解繊綿を堆積させて繊維状ウエブ(S)を成形する繊維状ウエブ成形機100と、前記繊維状ウエブ(S)に形状維持シートを供給するシート供給部(81、82)と、前記形状維持シート及び前記繊維状ウエブを平板間で加圧するととも前記溶融材料が軟化する温度以上に加熱する加熱加圧機構150と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、水を極力利用しない乾式による製造技術に基づく繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法、繊維構造体に関する。繊維構造体としては、解繊した繊維を気中でエアレイド法により繊維を堆積させ、堆積させた繊維状ウエブを成形して得られるものである。繊維構造体の利用用途の一例としては、緩衝材・梱包材、吸音材、油吸収体、テーブルクロス、建材、断熱材、再生紙、等に関する。
近年、古紙を主原料とすることにより、使用後に原料として再利用が可能であり、環境に優しい繊維構造体の製造方法が提案されている。更に、製造工程で水を使用することに起因する繊維構造体の硬さがなく、製造時におけるバインダーや紙粉の飛散による環境の悪化がほとんど無い状態で、古紙を有効に利用して、緩衝性、断熱性等に優れ、良好な強度と熱成型性を有する繊維構造体を安定かつ容易に製造する方法が提供されている。
そして、特許文献1には、天然セルロース繊維、及び/または合成繊維、熱融着性物質、及び増粘性物質を空気中で混合解繊することによりマット化し、更に該マットを熱融着性物質の融点以上に加熱した後、プレスロールで圧縮することにより増粘性物質を繊維状ウエブ中に固着させる繊維構造体(液体吸収体)が開示されている。
特開平09−158024号公報
特許文献1においては、プレスロールによる成形の際に繊維が流れるので繊維の配向方向に異方性が生じてしまい、繊維構造体として用いる際の様々な所望の特性(例えば、強度、緩衝性能、吸収特性等)が得られない虞がある。
また、繊維の堆積(エアレイド)において、繊維の降積ばらつきがあると、プレスロールでばらつきが増幅されるおそれがあり、厚み方向の寸法精度が出にくいとした課題がある。
図8は、特許文献1における溶融炉15による加熱とプレスロール16による加圧による熱融着性物質の溶融の状態を示した模式図である。
特許文献1においては、加熱炉15による加熱後、密度が上がる前に表層から冷却されるので、熱融着性物質の濃度が厚みの中央部より表面シート3付近、及び裏面シート4付近に少なく、マットと表面シート3、及びマットと裏面シート4の各々の接着強度が低くなる虞がある。
加熱炉15から取り出されて、搬送において表層が固まってから内側が冷却されるので、表面シート3と接着されるマットの表面、及び裏面シート4と接着されるマットの表面、とに存在する溶融成分の比率が少ないため接着が少ない。そのため、マットと、表面シート3及び/又は裏面シート4と、の十分な接着が得られない。
マットと、表面シート3及び/又は裏面シート4と、の接着性が弱いと、原反から切り出すときにマットと表面シート3及び/又は裏面シート4とが剥がれたり、取扱いやハンドリングに際して、表面シート3や裏面シート4が剥がれ、きれいに容器やケースに収納或いは挿入できない、後加工がうまくできないという課題があった。
本発明は上記のような問題を解決するために、本発明に係る繊維構造体製造装置は、繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊する解繊部と、前記解繊部で解繊された解繊物を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送される解繊物に溶融材料を混入する溶融材料混入部と、前記溶融材料が混入された解繊綿を堆積させて繊維状ウエブを成形する繊維状ウエブ成形部と、前記繊維状ウエブに形状維持シートを供給するシート供給部と、前記形状維持シート及び前記繊維状ウエブを平板間で加圧するとともに前記溶融材料が軟化する温度以上に加熱する加熱加圧機構と、を有することを特徴とする。
また、上記繊維構造体製造装置において、前記シート供給部は、前記繊維状ウエブの第1面と、前記第1面と対向する第2面と、にそれぞれ前記形状維持シートを供給することを特徴とする。
また、本発明に係る繊維構造体製造装置は、前記溶融材料は溶融樹脂繊維であって、繊維径が0.5dtex以上2.0dtex以下である。
また、本発明に係る繊維構造体製造装置は、前記溶融材料は樹脂粒子であって、体積平均粒子径が4μm以上20μm以下である。
また、本発明に係る繊維構造体製造装置は、前記解繊物に機能性材料を混入する機能性材料混入部を有する。
また、本発明に係る繊維構造体製造装置は、前記機能性材料は、難燃性材料である。
また、本発明に係る繊維構造体製造装置の、前記繊維状ウエブ形成部は、前記解繊物を分散させる分散部材と、分散された前記解繊物を堆積させて搬送するメッシュベルトと、分散された前記解繊物を前記メッシュベルトを介して吸引する吸引部材と、を有する。
また、本発明に係る繊維構造体製造装置は、前記メッシュベルトで搬送された前記繊維状ウエブに水分を噴霧する水分噴霧器を有する。
また、本発明に係る繊維構造体製造方法は、繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊し、解繊された解繊物を搬送部で搬送し、前記搬送部で搬送される前記解繊物に溶融材料を混入し、前記溶融材料が混入された解繊物を堆積させて繊維状ウエブを成形し、前記繊維状ウエブに形状維持シートを供給し、前記形状維持シートが供給された前記繊維状ウエブに対し、加圧すると共に加熱して前記溶融材料を溶融させて繊維構造体を製造することを特徴とする。
また、上記繊維構造体製造方法において、前記繊維状ウエブの第1面と、前記第1面と対向する第2面と、にそれぞれ前記形状維持シートを供給する。
また、本発明に係る繊維構造体製造方法は、繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊し、解繊された解繊物を搬送部で搬送し、前記搬送部で搬送される前記解繊物に溶融材料を混入し、第1形状維持シートの表面を毛羽立たせ、前記溶融材料が混入された解繊物を、前記第1形状維持シートの前記表面上に堆積させて繊維状ウエブを成形し、前記繊維状ウエブに対して前記第1形状維持シートが配置される側と反対側に第2形状維持シートを供給し、前記第1形状維持シートと前記第2形状維持シートとの間に前記繊維状ウエブを配置した状態で、加熱すると共に加圧して前記溶融材料を溶融させて繊維構造体を製造することを特徴とする。
また、上記繊維構造体製造方法において、搬送される前記解繊物に、前記溶融材料として、繊維径が0.5dtex以上2.0dtex以下である溶融樹脂繊維を混入する。
また、本発明に係る繊維構造体は、上記繊維構造体製造方法により製造されたことを特徴とする。
以上、本発明の繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法は、形状維持シートが供給された繊維状ウエブを加熱すると同時に加圧し、形状維持シートを繊維状ウエブに接着するので、製造された繊維構造体として強度や剛性が保たれ、型崩れなどを起こすことなくハンドリング性に優れた繊維構造体を得ることができる。
本発明の実施形態に係る繊維構造体製造装置の概略構成を示す模式図である。 加熱加圧される前段階の繊維構造体の模式図である。 本発明の実施形態に係る繊維構造体の模式図である。 本発明の実施形態に係る加熱加圧と溶融材料の溶融の状態を示した模式図である。 ピーリングテストの試験方法の概略を示す図である。 ピーリングテストの試験結果を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る繊維構造体製造装置の概略構成を示す模式図である。 従来技術における溶融炉による加熱とプレスロールによる加圧による熱融着性物質の溶融の状態を示した模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る繊維構造体製造装置の概略構成を示す模式図である。本実施形態に係る繊維構造体製造装置は、水を極力利用しない乾式によって、繊維を含有するシート原料OP(例えば、古紙)を新たな繊維構造体の成形物に再生する技術に基づくものである。
なお、製造された繊維構造体は、音を吸収する吸音材、外部からの衝撃を吸収する緩衝材(梱包材)、としても使用することが可能である。吸音材としての繊維構造体は、各種家電製品などの内部に配設されることで、装置外部への動作音を抑制することが可能である。また、家電製品のみならず各種建材、あるいは、音響調整のためコンサートホールなどに配設される吸音材として利用することも可能である。
本実施形態に係る繊維構造体製造装置に供給する繊維を含有するシート原料OP(例えば、古紙)としては、段ボールや、新聞紙も使用可能だが、リサイクルルートが十分確立されていないオフィス古紙として、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの一般古紙や、機密古紙などを用いることを想定している。このような繊維を含有するシート原料OP(例えば、古紙)が繊維構造体製造装置の粗砕機10に供給されることで、粗砕機10の粗砕刃11によって繊維を含有するシート原料OPは数センチ角の紙片に分断される。また、このような粗砕機10には、繊維を含有するシート原料OPを連続的に供給するための自動送り機構5が設けられていることが好ましい。自動送り機構5における供給速度は生産性を考えると高いほうがよい。
粗砕機10における粗砕刃11は、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置とすることで対応が可能である。粗砕刃11で数センチ角に分断された粗砕片(紙片)は、定量供給機50を通じてホッパー12から粗砕片(紙片)導入管20を経て次工程である解繊工程へと導入されてもよい。
定量供給機50は、解繊機に定量的に粗砕片(紙片)が供給されれば、いずれの方法でもよいが、振動フィーダーが好適である。
振動フィーダーでは、軽い粗砕片(紙片)は静電気などに影響され、搬送が一定にならない傾向があるので、前工程の粗砕機10で重送りすることで、ブロック状にしておくことが好ましい。ブロックのサイズは一個あたり0.5g〜2gにしておくのが好適である。
振動フィーダーへの粗砕片(紙片)の供給は、粗砕機10からの連続した供給でもよいが、フレキシブルコンテナバッグに粗砕片(紙片)を貯めてから供給してもよい。このときフレキシブルコンテナバッグがバッファーになり、シート原料OPとなる古紙回収量の増減による製造装置への影響を少なくすることができる。フレキシブルコンテナバッグによる粗砕片(紙片)の供給は、繊維構造体の生産量にもよるが、1時間程度は繊維構造体が生産できる量がよい。フレキシブルコンテナバッグから一度に大量の粗砕片(紙片)が振動フィーダーに供給されると、振動フィーダーの振動に影響がでるので、フレキシブルコンテナバッグからも徐々に供給することがよい。徐々に供給する方法は、フレキシブルコンテナバッグを傾斜させたり、モーター等で揺動与えたり、エアシリンダーで部分的に突く方法等が採用できる。
粗砕片(紙片)導入管20は乾式解繊機30の導入口31に連通しており、導入口31から乾式解繊機30内に導かれた粗砕片(紙片)は、回転するローター34と、ステーター33との間で解繊され解繊繊維DFとなる。乾式解繊機30は気流も発生する機構となっており、気中(例えば、空気中)で解繊された解繊繊維DFはこの気流に乗って排出口32から搬送管40へと導かれる。
ここで、乾式解繊機30の具体例を説明する。乾式解繊機30には、例えば、ディスクリファイナーや、ターボミル(フロイントターボ株式会社製)、セレンミラー(増幸産業業株式会社製)、特開平6−93585号公報で開示されているような、風発生機構を備えた乾式古紙解繊装置等を利用することができる。このような乾式解繊機30へ供給する粗砕片(紙片)のサイズは、通常のシュレッダーにより排出されるものでもよいが、製造される繊維構造体の強度を考慮すると繊維長が長い方がよい。しかし、粗砕片(紙片)が大きすぎると乾式解繊機30への供給が困難になるので、粗砕機10から排出される粗砕片(紙片)サイズは、数センチ角であることが望ましい。
また、風発生機構を備える乾式解繊機30においては、自らの発生する気流によって、導入口31から、粗砕片(紙片)を気流と共に吸引し、解繊処理し、排出口32側へと搬送する。解繊機は、供給された粗砕片(紙片)を綿状に解繊する。
例えば、ターボミル形式である、インペラーミル250(株式会社セイシン企業製)では、出口側に12枚のブレードを設置することで、8000rpm(周速約100m/s)のとき、約3m3/minの風量を発生することができる。このときの導入口31側での風速は約4m/sでありこの気流に乗って粗砕片(紙片)は導入される。導入された粗砕片(紙片)は、高速回転するブレードと、ステーター33の間で解繊され、排出口32から排出される。排出速度は排出管径φ100で約6.5m/sである。
なお、風発生機構を備えていない乾式解繊機30を用いる場合には、粗砕片(紙片)を導入口31に導く気流を発生させるブロア等を別途設けるようにすればよい。
乾式解繊機30における解繊工程では、粗砕片(紙片)の形がなくなるまでパルプを繊維状に解繊することが、後の工程において成形される繊維構造体のムラがなくなるので好ましい。このとき、印刷されたインクやトナー、にじみ防止剤等の紙への塗工・添加材料(製紙用薬剤)等も粉砕され、数十μm以下の粒となるまで粉砕される(以下、インク粒・製紙用薬剤)。したがって、乾式解繊機30からのアウトプットは、粗砕片(紙片)の解繊により得られる繊維(解繊繊維DF)とインク粒・製紙用薬剤である。
また、乾式解繊機30として、例えば、ディスクリファイナーを用いる場合には、円盤状の面において半径方向に回転刃が形成されているが、円周のふちにも固定刃が形成されていることが望ましい。また、ローター34側の回転刃と、ステーター33側の固定刃のギャップは紙片の厚さ程度、例えば100μm〜150μm程度に維持することが望ましい。このとき解繊物は回転刃の発生する気流により外周に移動し、排出口32から排出される。
乾式解繊機30から排出(φ100で断面積約78cm2)された解繊物(解繊繊維DF)は、搬送管40及び搬送管60を通過して、繊維状ウエブ成形機100へと導かれる。
搬送管60からは、溶融材料搬送管61が枝分かれしている。
溶融材料(溶融樹脂繊維)ホッパー13から供給される溶融材料は、溶融材料調整バルブ65によってその分量が調整され、この溶融材料搬送管61を経て搬送管60に供給され、搬送管60で搬送されている解繊繊維DFに溶融材料を混入させることができるようになっている。搬送量は、供給機を秤にのせ、その減量分を測定しバルブ開度を調整する方法で、精度を上げることもできる。
溶融材料搬送管61の管径は搬送管60の管径より小さくすることが望ましい。風速が向上し気流中で溶融材料である溶融樹脂繊維が分散しやすくなるからである。
溶融材料は、解繊繊維DFにより繊維構造体を成形したときに成形体としての強度や剛性を保ったり、紙粉・繊維の飛散を防止したりするものである。溶融材料は、解繊繊維DF中に添加され、加熱されることで溶融し、繊維同士を結着させる。溶融材料は、加熱工程により溶融するものなら、繊維状、粉(粒子、粉体)状等どのようなものでもよいが、200℃以下で溶融するものが紙の黄変等がないため好ましい。さらに、エネルギー的には、160℃以下で溶融するものが好ましい。
また、溶融材料は、加熱成形時に溶融する熱可塑性樹脂を含むことが望ましい。さらには、解繊綿繊維と絡みやすい繊維状が低密度品を作成する場合に望ましい。さらに、芯鞘構造の複合繊維が望ましい。芯鞘構造の溶融材料は、鞘部が低温で溶融し接着機能を発揮し、芯部が繊維状となって残留し形状を維持するので好ましい。例えば、ESファイバービジョン株式会社製ETC、INTACKシリーズ、帝人ファイバー株式会社製乾式不織布用ポリエステルファイバー テトロン(商標)等がよい。
また、溶融樹脂繊維の線径は、0.5dtex以上2.0dtex以下がよい。この線径より太い場合、第1形状維持シート(第2形状維持シート)と、解繊綿シート(繊維状ウエブ)と、の間の接着強度が十分に得られない。また、この線径より細い場合、繊維の製造上、芯鞘構造における芯と鞘の中心のずれや、繊維の直線排出が困難な点、さらに、製造工程中において、溶融樹脂繊維の線径が解繊繊維DFの径以下になるので、静電気による影響が大きく、混合にムラがでる等の問題がある。
また、溶融樹脂繊維の長さとしては、1mmから10mm程度がよい、1mm以下では、接着強度が不足し繊維構造体の形状維持が困難になり、10mm以上では、気流中で繊維同士が糸玉をつくり、分散性を落とすからである。
また、搬送管60においては、溶融材料搬送管61が枝分かれしている下方で、機能材料搬送管62が枝分かれしている。製品内に使われる部材としては、粉状の難燃剤が好適に使用される。機能材料(難燃剤)ホッパー14から供給される機能材料としての難燃剤は、機能材料調整バルブ66によってその分量が調整され、この機能材料搬送管62を経て、搬送管60に供給される。搬送管60では、搬送されている、溶融材料が混入された解繊繊維DFに、難燃剤を混入させることができるようになっている。搬送量は、供給機を秤にのせ、その減量分を測定しバルブ開度を調整する方法で、精度を上げることもできる。
機能材料搬送管62の管径は搬送管60の管径より小さくすることが望ましい。風速が向上し気流中で機能材料が分散しやすくなるからである。
難燃剤は、解繊繊維DFにより解繊綿シート(繊維状ウエブ)を成形したときに、解繊綿シート(繊維状ウエブ)に難燃性を付与するために添加されるものであり、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸やホウ酸アンモニウム等のホウ酸化合物。ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステル等のリン系の有機材料、メラミン、イソシアヌレート等の窒素含有物等のものを用いることができる。中でもメラミンリン酸系の複合剤がよい。
難燃剤としては、固体の難燃剤が望ましい。固体難燃剤の体積平均粒子径は1μm以上50μm以下であることが望ましい。体積平均粒子径が1μmより小さいと、後のサクション工程で解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)として堆積させる際、気流で搬送しにくくなる。また、50μmより大きくなると繊維への付着力が小さくなり脱落しやすくなり、ムラとなり、十分な難燃性を発揮できない。
搬送管60を経て、溶融材料、機能材料が混入された解繊繊維DFは、繊維状ウエブ成形機100に導入される。
第1形状維持シート供給ローラー81からは、第1形状維持シート(N1)が繊維状ウエブ成形機100に供給される。この第1形状維持シート供給ローラー81から供給される第1形状維持シート(N1)は、繊維状ウエブ成形機100で形成される解繊綿シート(繊維状ウエブ)の底面(第1面)の土台部となる。
ここで、本発明における第1形状維持シート(N1)は、繊維状ウエブを支持して形状を維持させることができるシートであれば、織布や不織布のいずれも利用することができる。サクション装置110による気流が第1形状シート(N1)を介して作用し、第1形状シート(N1)上に混合した解繊物と溶融材料や機能材料とが適切に堆積されるようにするために、第1形状維持シート(N1)は通気性も有する必要がある。このサクションにより、解繊機によって細かくなった、古紙添加物、印刷インク粒が混合解繊材料から除去される。シートの目開きは、100μ以下が望ましい。第1シートは、製品の外観になるもので、着色されていてもよい。このように通気性がある第1形状維持シート(N1)として、本実施形態においては、スパンボンド法によって製造されたポリエステル長繊維不織布である東洋紡株式会社製エクーレ(登録商標)3151Aを用いた。
繊維状ウエブ成形機100の概略について説明する。繊維状ウエブ成形機100は、概略、解繊された繊維を気中(例えば、空気)に均一に分散させる分散機構と、これにより分散された解繊繊維をメッシュベルト122上に吸引する機構と、を有している。
分散機構はフォーマードラムを有しており、回転するフォーマードラム内に混合解繊材料と混合気体(混合空気)が同時に供給される。フォーミングドラム101の表面には小孔スクリーンが設けられており、これから、溶融材料、機能材料が混入された解繊繊維DFが吐出されるようになっている。ドラムメッシュ孔径(小孔スクリーンの径)は混合解繊材料のサイズにも関係し、円形でもよいが、5mm×25mm程度の長孔が生産性と均一性を両立でき望ましい。
混合気体(混合空気)は、解繊材料と、溶融材料、機能材料と、を混合させて、均一化し、フォーマードラムの穴を通過させる。
フォーマードラム下には、整流板が設置され、幅方向の均一性を調整することができる。整流板の下には、張架ローラー121によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト122が配されている。サクションボックスを介して、搬送気体(搬送空気)と混合気体(混合空気)を吸引する。「吸引気体量」>「搬送気体量+混合気体量」にしておくことで、解繊時に発生した紙粉や材料の吹き出しを防ぐことができる。吸引気体には、第1形状維持シート(N1)とメッシュベルト122を通過した、微粉(廃粉)が混じっているので、分離するために、下流にサイクロンや、フィルター集塵機を設置することが望ましい。
繊維構造体成形機としての繊維状ウエブ成形機100の下方においては、複数の張架ローラー121のうちの少なくとも1つが駆動回転することで、このメッシュベルト122は図中矢印に示す方向に移動するようになっている。また、メッシュベルト122はこれに当接するクリーニングブレード123によって表面の汚れ等が除去される。クリーニングはエアーに因るクリーニングを行ってもよい。
メッシュベルト122は吸引空気量を確保し、材料を保持できる強度をもっていれば金属性でも、樹脂性でも、どのようなものでもよいが、メッシュの穴径が大きすぎると解繊綿シート(繊維状ウエブ)Sを成形したときに表面が凸凹形状になるので、メッシュの穴径は60μ〜125μ程度が望ましい。また、60μ以下では、サクション装置110による安定した気流を形成しづらい。
第1形状維持シート供給ローラー81からは、第1形状維持シート(N1)が、このメッシュベルト122の移動と同じ速度で移動するように、メッシュベルト122上に供給される。サクション装置110はメッシュベルト122下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から気体(例えば、空気)を吸引し箱内を真空にすることで形成することができる。
以上のような構成において、搬送管60によって搬送された解繊繊維DFは、繊維構造体を成形するための繊維状ウエブ成形機100に導入される。フォーミングドラム101表面の小孔スクリーンを通過し、サクション装置110による吸引力によって、メッシュベルト122上の第1形状維持シート(N1)に堆積される。このとき、メッシュベルト122と第1形状維持シート(N1)とを移動させることにより、第1形状維持シート(N1)上に均一なシート状の解繊繊維DFを堆積させて繊維状ウエブを構成することができる。この解繊繊維DFの堆積物(繊維状ウエブ)(S)が加熱・加圧されてシート状の繊維構造体となる。
繊維状ウエブ成形機100において、解繊繊維DFを堆積するときの堆積量と後のプレス工程で、完成する繊維構造体の密度が決定される。例えば、10mm厚の密度0.1g/cm3〜0.15g/cm3程度の繊維構造体を得るときには、約40mm〜60mm程度堆積させる。
なお、本実施形態においては、溶融樹脂繊維及び難燃剤を、搬送管60で搬送されている解繊繊維DFに混入するために、それぞれを個別に供給する搬送管を溶融材料搬送管61及び機能材料搬送管62として設けてそれぞれ搬送管60に接続しているが、溶融材料及び機能材料を混合してから一つの搬送管で解繊繊維DFを搬送する搬送管60に接続して供給してもよいし、繊維状ウエブ成形機100において設けるようにしてもよい。このような場合、例えば、フォーミングドラム101内に、定量した溶融樹脂繊維及び難燃剤を混入させるようにする。
また、水分噴霧器130を設け、これにより噴霧する水分に、機能材料としての水溶性の難燃剤(例えば、株式会社三和ケミカル製 アピノン145)を添加することで、成形された解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)に難燃性を付与することもできる。
第2形状維持シート供給ローラー82からは、第2形状維持シート(N2)が、繊維状ウエブ成形機100、及び水分噴霧器130の後工程に供給される。この第2形状維持シート供給ローラー82から供給される第2形状維持シート(N2)は、繊維状ウエブ成形機100で形成される解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の上面(第2面)のカバー部となる。
ここで、本発明における第2形状維持シート(N2)は、織布や不織布のいずれも利用することができる。本実施形態においては、第2形状維持シート(N2)として、第1形状維持シート(N1)と同様の、スパンボンド法によって製造されたポリエステル長繊維不織布である東洋紡株式会社製エクーレ(登録商標)3151Aを用いた。
なお、本実施形態においては、第1形状維持シート供給ローラー81から第1形状維持シート(N1)を繊維状ウエブ成形機100に供給し、第1形状維持シート(N1)上に解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)を形成した後に、第2形状維持シート供給ローラー82から第2形状維持シート(N2)を供給し、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の上面をカバーするような工程が採用されている。
または、繊維状ウエブ成形機100の後段(下流側)に、第1形状維持シート供給ローラー81及び第2形状維持シート供給ローラー82を設けておき、繊維状ウエブ成形機100で形成された解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)を第1形状維持シート(N1)と第2形状維持シート(N2)とでサンドイッチ状に挟むような工程を採用することもできる。
続いて、第1形状維持シート(N1)上に解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)が形成された後であって、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の第2面側に第2形状維持シート(N2)が供給される前に、バッファー部140に到達する構成としている。
本実施形態においては、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の第2面側に、第2形状維持シート供給ローラー82から供給される第2形状維持シート(N2)を配置させた後に、バッファー部140を配置した構成とすることもできる。
図2に示すように、加熱加圧される前の繊維構造体(M)は、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の第1面部に第1形状維持シート(N1)が配され、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の第2面部に第2形状維持シート(N2)が配された状態となる。解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)中に示される糸状のものは、溶融材料である溶融樹脂繊維を示している。機能材料である難燃剤は、図示省略し、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)中に示していない。
続いて、図1に示す第2面側をカバーされた解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)は、加熱加圧機構150へと搬送される。加熱加圧機構150は、第1基板151と、昇降可能に構成された第2基板152とで、搬送物である解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)を挟み、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)を加熱と同時に加圧するホットプレスになっている。第1基板151及び第2基板152には、ヒーターが内蔵されており、これにより、第1基板151及び第2基板152に挟まれるシートを加熱させることができるようになっている。
図4は、本発明の実施形態に係る加熱加圧と溶融材料の溶融の状態を示した模式図である。図4に示すように、加熱加圧機構150(第1基板151及び第2基板152)によって表層加熱しながらプレスされることから、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)において、第1形状維持シート(N1)及び第2形状維持シート(N2)と接する側の表面に溶融して滲み出す溶融材料を多く確保できる(溶融成分の比率が高い)。このため、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)と、第1形状維持シート(N1)及び第2形状維持シート(N2)と、の融着点(或いは融着面積)が増え接着が強固なものになる。
解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)は加熱加圧機構150で加圧・加熱されることで、混入されている溶融材料が加熱され、解繊繊維DFと密接に融着する。これにより、繊維構造体としての強度保持、形状維持、繊維構造体からの繊維の飛散防止に寄与する。
また、溶融材料が溶融し、固化することで、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の第1面部において第1形状維持シート(N1)が解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)に接着され、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の第2面部において第2形状維持シート(N2)が解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)に接着される。
また、加熱加圧機構150での加圧・加熱により、余分な水分を乾燥させることで、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)はさらに繊維構造体としての強度を向上させることができる。
加熱工程と加圧工程は分離して行うこととしてもよいが、加熱加圧は材料に同時に加えることが望ましい。加熱時間は、材料の芯付近の溶融繊維が溶融できる温度まで上昇する時間を確保することが望ましい。また、加熱加圧はバッチ処理のため、加熱時間を確保するために、加熱加圧機構150の前段にバッファー部140を設けることが望ましい。バッファー部140は、いわゆるダンサーローラー(架橋ローラー)を上下させることで実現することができる。バッファー部140は、第2形状維持シート(N2)を供給する前に設置しているが、第2形状維持シート(N2)を供給した後であって加熱加圧機構150よりも前に配置した構成であってもよい。
加熱加圧が終了した後は、素早く繊維構造体を移動させ、次の加熱加圧材料である解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)をセットする必要がある。そのために、加熱加圧の出口に針を侵入させて繊維構造体を保持し、引っ張り出す機構を設けることが好適である。加熱加圧表面は、繊維が付着している可能性があるため、クリーニングを有しているのがなお良い。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン:Poly Tetra Fluoro Ethylene)等のシートを一定時間毎に巻き取る方法が考えられる。また、装置が稼働していないときは、加熱加圧の機構は搬送方向と交差した方向に移動して退避した状態となっている。
なお、本実施形態では、加熱加圧機構150を第1基板151と、昇降可能に構成された第2基板152とで構成したが、加熱・加圧ローラーで構成するようにしてもよい。加熱・加圧ローラーでは、連続作成が可能になるので、バッファーは必要ではない。
上記のようにして再生されて得られた繊維構造体(M)のシートは、裁断機160によって所望のサイズ・形状にカットされ、原反としスタッカー170などに積載され冷却される。裁断機160は超音波カッター等が好適にもちいられる。超音波カッターの切断は、繊維構造体の幅方向の一方向に切断してもよいし、一方向と逆方向の往復で切断してもよい。また、超音波カッター以外には、ロータリーカッターや八角のロータリーカッター等を用いてもよい。原反はその後トムソン型等で型抜きされ、所望のサイズ・形状に成形され再生繊維構造体(M)となり、音を吸音する吸音体、衝撃(外力)を吸収する緩衝材(梱包材)、成形型の材料等として好適に利用することができる。
本発明の繊維構造体(M)は解繊綿シート(繊維状ウエブ)Sと、第1形状維持シート(N1)、および第2形状維持シート(N2)が強固に接着されて強度や剛性が保たれているので、上記による切断、切り出しの際に第1形状維持シート(N1)、および第2形状維持シート(N2)が剥がれ難く高い精度でカットができ、更にハンドリング等の取り扱いにおいて作業がスムーズにできるとした効果が得られる。
ここで、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)と、第1形状維持シート(N1)、第2形状維持シート(N2)それぞれの間の接着強度について試験を行い、溶融材料としての溶融樹脂繊維の繊維径として適切なものを選定したので、これについて詳述する。
図5は解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)と、第1形状維持シート(N1)(又は、第2形状維持シート(N2))との間の接着強度の強さを定量化するために行われたピーリングテストの試験方法の概略を示す図である。図5において、サンプルとして用いた再生繊維構造体(M)は、幅が約20mm、長さが約120mmである。再生繊維構造体(M)はその一端を台と抑え板で挟持し、他端において第1形状維持シート(N1)を15mm程度剥ぎ、第1形状維持シート(N1)の剥いだ部分をクランプで挟み、このクランプに錘を吊り下げ、連続してピールされる最小錘重量を測定した。そして、最小錘重量(kg)×9.8/幅mmにより、単位幅当たりの剥離強さ(N/m)を計算した。
解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)に混入された溶融材料としての溶融樹脂繊維は、いずれのサンプルも解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の20重量%であり、帝人ファイバー株式会社製乾式不織布用 ポリエステルファイバーテトロン(商標)を用いた。また、溶融樹脂繊維の繊維径としては、1.1dtexのもの、1.7dtexのもの、2.2dtexのもの、3.3dtexのもの4種類を用いた。これら溶融樹脂繊維の繊維径に応じた剥離強さ(N/m)を図6に示す。
図6から、溶融樹脂繊維の繊維太さの値(dtex)が小さくなるにつれて、剥離強さの値(N/m)が大きくなる。換言すると、溶融樹脂繊維の繊維径が細くなるにつれて、剥離強さ(N/m)が増え、第1シート(N1)と解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)との間の接着強度が向上していることが分かる。再生繊維構造体(M)をハンドリングする上では、擦れ合った時の摩擦低減、繊維の脱離防止、剥離強さ(N/m)としておよそ15(N/m)以上であることが望ましいため、溶融樹脂繊維の繊維径は、2.0dtex以下であることが好ましい。
上記のように溶融樹脂繊維の繊維径が細くなるにつれて、第1形状維持シート(N1)(又は、第2形状維持シート(N2))と解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)との間の接着強度が向上するのは、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)中の溶融樹脂繊維の繊維径が細いことで、解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)の両面(図2、図3及び図4における界面B1、B2)から露出する溶融樹脂繊維の数が多くなり、接着の接点が増えるためであるものと考えられる。
また、本発明の繊維構造体として要求される繊維構造体製造装置、繊維構造体として要求される繊維構造体製造方法は、溶融材料として溶融樹脂繊維が混入された解繊綿シート(繊維状ウエブ)の第1面と、第1面と対向する第2面に形状維持シート(N1、N2)を供給し、形状維持シート(N1、N2)が供給された解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)を加熱すると同時に加圧し、形状維持シート(N1、N2)を解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)に接着する。そのため、本発明の繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法によれば、型崩れなどを起こすことなくハンドリング性に優れると共に、繊維構造体として様々な用途において要求される特性を確保することができる。
次に本発明の他の実施形態を説明する。図7は本発明の他の実施形態に係る繊維構造体製造装置の概略構成を示す模式図である。図7において、先の実施形態と同様の参照符号が付された構成については、先の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態が先の実施形態と異なる第1の点は、本実施形態においては、サクション装置110によって吸引された気流を、搬送管180を用いて、乾式解繊機30の導入口31に導いている点である。これによって、粗砕機10からの粗砕片は、気流の付勢を得て乾式解繊機30内に進入することとなる。このような構成によれば、気流が無駄にならず効率的で、乾式解繊機30の排出口32における気流速度は、先の実施形態の気流速度よりさらに高めることができる。
以上、本発明の繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法は、解繊繊維に溶融樹脂繊維を混入して再生繊維構造体(M)を製造するので、本発明の繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法によれば、型崩れなどを起こすことなくハンドリング性に優れると共に、繊維構造体として様々な用途において要求される特性を確保した繊維構造体を製造することができる。
また、本発明の繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法は、溶融樹脂繊維が混入された吸収体の第1面と、第1面と対向する第2面に、それぞれ第1形状維持シート(N1)、第2形状維持シート(N2)を供給し、第1形状維持シート(N1)、第2形状維持シート(N2)が供給された解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)を加熱すると同時に加圧し、第1形状維持シート(N1)、第2形状維持シート(N2)を解繊綿シート(繊維状ウエブ)(S)に接着する。そのため、本発明の繊維構造体製造装置、繊維構造体製造方法によれば、型崩れなどを起こすことなくハンドリング性に優れると共に、繊維構造体として様々な用途において要求される特性を確保した繊維構造体を製造することができる。
また、本発明の繊維構造体製造装置及び繊維構造体製造方法によれば、極力水分を使わない(大量な水資源を消費しない)構成であるので、水処理設備の軽減が可能で装置構成が簡便となり、さらに、水分を乾燥させるための大規模なヒーターなどが不要なり、古紙のリサイクルにおけるエネルギー効率が高い。
5…自動送り機構、10…粗砕機、11…粗砕刃、12…ホッパー、13…溶融材料(溶融樹脂繊維)ホッパー、14…機能材料(難燃剤)ホッパー、20…粗砕片(紙片)導入管、30…乾式解繊機、31…導入口、32…排出口、33…ステーター、34…ローター、40…搬送管、50…定量供給機、60…搬送管、61…溶融材料(溶融樹脂繊維)搬送管、62…機能材料(難燃剤)搬送管、65…溶融材料(溶融樹脂繊維)調整バルブ、66…機能材料(難燃剤)調整バルブ、81…第1形状維持シート供給ローラー、82…第2形状維持シート供給ローラー、100…繊維状ウエブ成形機、101…フォーミングドラム、110…サクション装置、121…張架ローラー、122…メッシュベルト、123…クリーニングブレード、130…水分噴霧器、140…バッファー部、141…ダンサーローラー(架橋ローラー)、150…加熱加圧機構、151…第1基板、152…第2基板、160…裁断機、170…スタッカー、180…搬送管、N1…第1形状維持シート、N2…第2形状維持シート。

Claims (13)

  1. 繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊する解繊部と、
    前記解繊部で解繊された解繊物を搬送する搬送部と、
    前記搬送部で搬送される解繊物に溶融材料を混入する溶融材料混入部と、
    前記溶融材料が混入された解繊綿を堆積させて繊維状ウエブを成形する繊維状ウエブ成形部と、
    前記繊維状ウエブに形状維持シートを供給するシート供給部と、
    前記形状維持シート及び前記繊維状ウエブを平板間で加圧するとともに前記溶融材料が軟化する温度以上に加熱する加熱加圧機構と、
    を有することを特徴とする繊維構造体製造装置。
  2. 前記シート供給部は、前記繊維状ウエブの第1面と、前記第1面と対向する第2面と、にそれぞれ前記形状維持シートを供給する請求項1に記載の繊維構造体製造装置。
  3. 前記溶融材料は溶融樹脂繊維であって、繊維径が0.5dtex以上2.0dtex以下である請求項1又は2に記載の繊維構造体製造装置。
  4. 前記溶融材料は樹脂粒子であって、体積平均粒子径が4μm以上20μm以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の繊維構造体製造装置。
  5. 前記解繊物に機能性材料を混入する機能性材料混入部を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維構造体製造装置。
  6. 前記機能性材料は、難燃性材料である請求項5に記載の繊維構造体製造装置。
  7. 前記繊維状ウエブ形成部は、前記解繊物を分散させる分散部材と、分散された前記解繊物を堆積させて搬送するメッシュベルトと、分散された前記解繊物を前記メッシュベルトを介して吸引する吸引部材と、を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の繊維構造体製造装置。
  8. 前記メッシュベルトで搬送された前記繊維状ウエブに水分を噴霧する水分噴霧器を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の繊維構造体製造装置。
  9. 繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊し、
    解繊された解繊物を搬送部で搬送し、
    前記搬送部で搬送される前記解繊物に溶融材料を混入し、
    前記溶融材料が混入された解繊物を堆積させて繊維状ウエブを成形し、
    前記繊維状ウエブに形状維持シートを供給し、
    前記形状維持シートが供給された前記繊維状ウエブに対し、加圧すると共に加熱して前記溶融材料を溶融させて繊維構造体を製造することを特徴とする繊維構造体製造方法。
  10. 前記繊維状ウエブの第1面と、前記第1面と対向する第2面と、にそれぞれ前記形状維持シートを供給する請求項9に記載の繊維構造体製造方法。
  11. 繊維を含有する繊維原料を粉砕して解繊し、
    解繊された解繊物を搬送部で搬送し、
    前記搬送部で搬送される前記解繊物に溶融材料を混入し、
    第1形状維持シートの表面を毛羽立たせ、
    前記溶融材料が混入された解繊物を、前記第1形状維持シートの前記表面上に堆積させて繊維状ウエブを成形し、
    前記繊維状ウエブに対して前記第1形状維持シートが配置される側と反対側に第2形状維持シートを供給し、
    前記第1形状維持シートと前記第2形状維持シートとの間に前記繊維状ウエブを配置した状態で、加熱すると共に加圧して前記溶融材料を溶融させて繊維構造体を製造することを特徴とする繊維構造体製造方法。
  12. 搬送される前記解繊物に、前記溶融材料として、繊維径が0.5dtex以上2.0dtex以下である溶融樹脂繊維を混入する請求項9乃至11のいずれか一項に記載の繊維構造体製造方法。
  13. 請求項9乃至12のいずれか一項に記載の方法により製造されたことを特徴とする繊維構造体。
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