JP2020099552A - 義歯とその取付けアタッチメント - Google Patents

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Abstract

【課題】義歯装着者に優れた装着感と食事中の快適な咬み心地を与える義歯とその取付けアタッチメントを提供する。【解決手段】取付けアタッチメント20は、一本の支台歯に取り付ける金属冠210と、この周囲に備わった磁性体からなる突出部220を有し、義歯は遊離端義歯10からなり、支台歯80に隣接させる端部側に配置された溝付き係合部130と、遊離端義歯との結合部側に収容された磁石140を有し、突出部が溝付き係合部に係合することで遊離端義歯が支台歯に結合し、磁石の突出部に及ぼす磁気引っ張り力で遊離端義歯が支台歯から離れないようにし、溝付き係合部には、突出部が嵌まり込むと共に、突出部の湾曲部の少なくとも一部が溝付き係合部内に磁力で留まりながら、支台歯に対する遊離端義歯の相対位置や相対角度が所定範囲内で変化でき、溝付き係合部の義歯床側端部に突出部の抜け止め部135が備わっている。【選択図】図1

Description

本発明は、義歯とその取付けアタッチメントに関するものである。
本来、歯の治療を適切に行っていれば義歯を装着したりインプラントを埋め込んだりする必要性は少ないが、現実問題としてはこのように上手くはいかず、年齢が高くなるほど義歯を装着したりインプラントを埋め込んだりする必要性が生じている。高齢者の割合が急速に増加している我が国においては、特に近年の高齢化社会の到来に合わせて義歯の装着やインプラントを埋め込む機会や必要性が急速に増加している。
しかしながら、義歯を装着する場合、残存した歯にクラスプという金具を嵌め込んで固定しなければならない。このような固定方法によると、例えば会話中に口を大きく開けて思わず笑った際に支台歯に鈎合しているクラスプの金属部分が歯の隙間から相手に対して見えてしまい、思わず恥ずかしい思いをして会話を楽しめなくなってしまうことがある。
また、クラスプを備えた義歯を長期間使っていると、クラスプ自体が塑性変形して義歯が外れやすくなり、その都度かかりつけの歯科医院に頼んで再調整してもらわなければならず手間と費用を要してしまう。
また、場合によってはクラスプの一部に極端な応力がかかったり長期間の使用による疲労破壊が起こったりしてクラスプ自体が切断されてしまい、その切断した端部が歯肉に切り込んで傷つけ思わぬ怪我の原因となることがある。更には、このようなクラスプの一部が破断して破片となってそのまま気付かずに飲み込んでしまい、異物の誤飲による思わぬ体調不良を招く虞もある。
一方、クラスプを利用した義歯を嵌め込む代わりに、歯の欠損部分にインプラントを埋め込むことも近年広く行われている。しかしながら、インプラントを埋め込むのに一本当たりの費用が高額で、何本も埋め込もうとするとかなりコストが嵩んでしまう。また、特に高齢者であって、顎の骨が脆くなっていたり骨自体が痩せてしまっていたりする場合、無理矢理インプラントを埋め込むと埋め込んだ部分の一部が歯の根元の神経を傷つけてしまい、継続的な痛みや麻痺等の深刻な問題を生じてしまう場合がある。
以上のことから、このような不具合を解消するために磁石による磁力を用いて義歯を装着する技術が開示されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。
特開平9−51902号公報 特開2004−97591号公報 特開平7−136189号公報
先行特許文献1乃至先行特許文献3に開示された義歯は、磁石を用いて構成されているが、これを取り付ける支台歯に対していわゆる遊びを設けることなく、即ち上の歯と下の歯が咬合する方向及びこの方向に直交する方向に全くずれることなく取り付けられるようになっている。
そのため、歯を咬んで義歯に咬合力が加わった際に歯を咬む方向に対して義歯がずれる(逃げる)方向の変位が完全に規制されることとなる。
これによって、例えば義歯の先端と支台歯の先端との間に僅かな段差が生じていても、この段差が上述の遊びで吸収されることなくそのまま残るため、咬み込むごとに違和感を覚えるばかりか段差によって生じた隙間の部分に入り込んだ食べ物が咬み切られず、そのまま飲み込んでしまうことになり、消化不良を起こしたり胃腸に余計な負担をかけたりしてしまう。
また、人工歯の咬合面の位置がその義歯を取り付けている支台歯の先端の高さより高い場合、咬合時に咬合力が義歯にのみ直接加わってしまう。これによって、磁石の取付け部が破損してその一部を誤飲して危険な状態を招く虞がある。
また、人工歯の咬合面よりも支台歯のほうの高さが高いと、支台歯のみに咬合力が直接作用し、支台歯に備わりクッションとしての役割を果たす歯根膜が潰れて(塑性変形して)やがては支台歯の欠損を招く原因になる。
本発明の目的は、支台歯への着脱が行い易く、かつ義歯装着者に優れた装着感と食事中の快適な咬み心地を与えることが可能な義歯とその取付けアタッチメントを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
遊離端義歯を一本の支台歯に取り付ける義歯とその取付けアタッチメントであって、
前記取付けアタッチメントは、前記一本の支台歯に取り付ける金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に備わりかつ少なくとも周面の一部が湾曲した磁性体からなる突出部を有し、
前記義歯は遊離端義歯からなり、当該遊離端義歯は、少なくとも一本の義歯本体と、当該義歯本体を支える義歯床と、前記支台歯に隣接させる端部側に配置された溝付き係合部と、前記支台歯の内部であって前記遊離端義歯との結合部側に収容された磁石とを有し、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態で見て、前記突出部が前記溝付き係合部の溝部に係合することで、前記遊離端義歯が前記支台歯に結合すると共に、前記遊離端義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けるようになっていると共に、
前記磁石が前記磁性体からなる突出部に磁気引っ張り力を作用させて前記遊離端義歯が前記支台歯から離れないようにし、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記突出部に磁気引っ張り力を作用させながら当該突出部が前記溝部に沿って移動可能になっていると共に、前記突出部が前記溝部の延在方向の所定位置に留まった状態において前記遊離端義歯の延在方向が前記支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で変化できるようになっていることを特徴としている。
本発明がこのような構成を有することで、粘膜負担型義歯としてのメリットを最大限に発揮することができる。即ち、支台歯の歯根膜が傷んだ義歯装着者の支台歯に悪影響を与えることなく、遊離端義歯を支台歯に取り付けて使い続けることができる。
具体的には、本発明の請求項1に係る義歯とその取付けアタッチメントがこのような構成を有することで、義歯の支台歯に対する取付け関係に若干の遊びを持たせつつ義歯に備わった磁石で金属冠に備わった突出部をしっかりと引っ張って保持することができる。
また、溝付き係合部にこのような溝部が形成されていることで、突出部がこの溝部内を自由に移動できる構造となる。更に、遊離端義歯の延在方向を支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で無理なく変化させることができる。その結果、咬合時に支台歯と遊離端義歯の接続部分に無理な力を加えずに済む。
これにより、咬合時にこれらに対向する反対側の咬合力が支台歯に必要以上に加わることがなく、支台歯に過大な力がかかってこの歯根膜を痛めたり歯根膜自体を潰したりしてしまうのを回避し、支台歯を長持ちさせて貴重な支台歯が欠損するのを防止できる。
また、咬合時に支台歯と義歯の間に余分な隙間ができることはなく、このような隙間に挟まって咬み潰すことができない食べ物がそのまま飲み込まれて胃腸における消化不良を招く虞もない。また、義歯の結合部の破損によって歯肉を傷つけることなくかつ破損部分の誤飲という問題も生じさせずに済む。
また、本発明の請求項2に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記溝部の前記抜け止め部と反対側の端部は、前記義歯の一部によって塞がれており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、前記義歯床が前記歯肉に押し付けられた状態において、前記端部と前記突出部との間に一定の空間が形成されていることを特徴としている。
このような空間が形成されていることで、本発明に係る粘膜負担型義歯としてのメリットを最大限に発揮し、咬合時に支台歯の歯根膜に咬合力が加わって歯根膜が痛むのを防止し、支台歯の欠損を回避する。
また、溝部の抜け止め部と反対側の端部が義歯の支台歯で塞がれていることで、食べ物を咬んでいる最中に溝部の中に食べ物が入り込んで詰まるのを確実に防止できる。
また、本発明の請求項3に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記溝部の前記抜け止め部と反対側の端部は、前記義歯の上方に開口しており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、前記義歯床が前記歯肉に押し付けられた状態において、前記開口した部分と前記突出部との間に一定の空間が形成されていることを特徴としている。
溝部の抜け止め部を反対側の端部が義歯の上方に開口していることで、義歯自体の構成を簡単なものにすることができ、コストダウンを図ることが可能となる。
また、このような空間が形成されていることで、本発明に係る粘膜負担型義歯としてのメリットを最大限に発揮し、咬合時に支台歯の歯根膜に咬合力が加わって歯根膜が痛むのを防止し、支台歯の欠損を回避する。
また、本発明の請求項4に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記抜け止め部は、前記遊離端義歯の義歯床が接触する歯肉に対して一定の空間を隔てて対向配置するようになっていることを特徴としている。
抜け止め部と遊離端義歯の義歯床が接触する歯肉の間にこのような空間を形成することで、遊離端義歯を支台歯に取り付ける際や取り外す際に抜け止め部が歯肉に押し付けられることなく、遊離端義歯の支台歯の着脱を簡単かつ快適に行うことができる。
また、抜け止め部と遊離端義歯の義歯床が接触する歯肉の間にこのような空間が形成されていることで、義歯を外した後に金属冠の突出部とこれに対向する歯肉との間には更に広い隙間が存在することになる。このような隙間を生じさせることで、このような所定の空間が形成されていることで、義歯を外して支台歯を歯ブラシ等で磨く際にこの隙間に溜まった食べ物の食べカスを容易に取り除くことができる。その結果、この部分にこれら食べカスが詰まったままとならず、その後の虫歯や口臭の発生を防止することができる。
また、本発明の請求項5に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記溝部の溝幅は、当該溝部に前記突出部を係合させるために挿入する際に互いに干渉しない溝幅となっており、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記金属冠の突出部は、前記遊離端義歯に備わった磁石の吸引力のみによって前記溝部に係合していることを特徴としている。
溝部の溝幅が突出部を係合させるために挿入する際に干渉しない溝幅となっており、磁石の吸引力のみで突出部を溝部に押し付けるようにすることで、溝部と突出部の間の寸法公差を厳密に管理する必要がなくなる。これにより、義歯のコストダウンを図ることができると共に、義歯を支台歯に取り付けたり取り外したりする際に簡単に着脱することができる。
また、本発明の請求項6に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項5に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、略球状又は略半球状をなしていることを特徴としている。
突出部が略球状又は略半球状をなしていることで、請求項5の作用を容易に実現することができる。
また、本発明の請求項7に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、前記金属冠との接続側の基端部の太さが当該突出部のそれ以外の部分よりも細くなっており、前記溝部の開口部の溝幅は、前記遊離端義歯装着者の指による押し込み力や引っ張り力によって前記支台歯に対して前記遊離端義歯を着脱可能とするために、前記磁石が前記突出部に及ぼす磁気吸引力に加えて前記溝部の開口部が前記突出部に及ぼす係合力によって前記突出部が前記溝部から外れるのを防止する程度に前記突出部の最大幅の部分よりも小さく、かつ前記溝部内において前記突出部が所定の範囲内でスライド移動可能なように前記溝部の内部の溝幅がその開口部の溝幅より大きくなっていることを特徴としている。
溝部と突出部の相対関係がこのような互いにいわゆるラッチ係合するような寸法関係を有することで、一旦突出部が溝部に係合すると磁石から受ける吸引力と相まって突出部が溝部からなかなか抜けにくくなる。これによって、義歯を支台歯に一旦取付ければ支台歯から義歯が簡単に外れることはなくなり、比較的硬い食べ物でも十分に味わいつつかつ消化し易いようにしっかりと咬み込んで食べることができる。
また、本発明の請求項8に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項7に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、略球状体をなしていることを特徴としている。
突出部が略球状体をなしていることで、請求項7の作用を容易に実現することができる。
また、本発明の請求項9に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた際における前記溝部の延在方向に対する前記突出部の変位量は、咬合時に前記遊離端義歯の義歯床前記歯肉に押し付けられた状態で、当該遊離端義歯及び前記支台歯に対向する歯からの咬合力を前記遊離端義歯によって受けるように規定されていることを特徴としている。
突出部の溝部に受ける延在方向の変位量がこのように規定されていることによって、咬合した際に遊離端義歯が歯肉に押し付けられることで、咬合力を受ける(負担する)ようになるので、支台歯の歯根膜を保護するとともに、発明が解決とする課題の欄で記載した様々な問題を全て解決することができる。
また、本発明の請求項10に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項9の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴としている。
義歯装着者の年齢や咬合力に応じて支台歯としてのインプラントに咬合力がなるべく加わらないようにする必要がある場合においても、この義歯とその取付けアタッチメントは極めて有用な役割を果たす。
また、本発明の請求項11に係る金属冠は、
請求項1乃至請求項9の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする突出部を有する金属冠である。
また、本発明の請求項12に係る遊離端義歯は、
請求項1乃至請求項9の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする遊離端義歯である。
また、本発明の請求項13に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
少数残存歯のうちの歯欠損部分を挟む2本の歯を両端支台歯として中間欠損歯用義歯を取り付ける義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記取付けアタッチメントは、前記各支台歯に被せる金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に設けられ前記金属冠を前記支台歯に被せた状態で前記金属冠の周面において前記支台歯の基端部から先端部に向けて延在する磁性材からなる凸条突出部を有し、
前記中間欠損歯用義歯は、少なくとも一本の義歯本体と、義歯本体が取付けられた義歯床と、前記中間欠損歯用義歯をこの両端に位置する各支台歯に取り付ける凸条摺動係合部であって前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記各支台歯に被せる前記金属冠に備わる係合突出部が摺動可能な状態で嵌り込む凸条摺動係合部と、前記中間欠損歯用義歯の両端近傍であって前記2本の支台歯との結合部側の内部にそれぞれ収容された磁石とを備え、
前記係合突出部が前記凸条摺動係合部に係合することで、前記中間欠損歯用義歯が前記2本の支台歯に結合すると共に、前記中間欠損歯用義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記中間欠損歯用義歯を前記2本の支台歯に取り付けるようになっており、
前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記中間欠損歯用義歯に備わる各磁石が、これらそれぞれの近くに備わる金属冠の係合突出部に磁気引っ張り力を及ぼすことで前記中間欠損歯用義歯が前記2本の支台歯から外れないようにし、かつ
前記中間欠損歯用義歯が、前記2本の支台歯の間で前記磁気引っ張り力によって保持されながら当該2本の支台歯に対して所定の量だけ平行移動できるように、前記金属冠の係合突出部が前記中間欠損歯用義歯の凸条摺動係合部内で摺動可能となっており、
咬合時に前記中間欠損歯用義歯が、前記歯肉に押し付けられることで当該中間欠損歯用義歯及びこの両端の支台歯に加わる対向する咬合力を受け、かつ咬合した状態において、前記各凸条突出部と前記凸条摺動係合部の義歯本体側端部との間に一定の空間が形成されるようになっていることを特徴としている。
本発明がこのような構成を有することで、粘膜負担型義歯としてのメリットを最大限に発揮することができる。即ち、支台歯の歯根膜が傷んだ義歯装着者の支台歯に悪影響を与えることなく、中間欠損歯用義歯を、これを挟む2本の支台歯に取り付けて使い続けることができる。
具体的には、本発明に係る中間欠損歯用義歯をこの両端の支台歯に取り付けた場合、本発明の解決すべき課題の欄で述べた様々な問題点を全て一気に解決することができる。即ち、中間欠損歯用義歯の両端が、上述したように若干の遊びをもって各支台歯に対して平行に摺動可能となっていることで、このいわゆる遊びで規定される上下方向にのみ中間欠損歯用義歯も移動させることができる。これによって、咬合する際に反対側の咬合力によってこの義歯が歯肉に向かって適切な移動を伴いながら押し付けられ、義歯床が歯肉に押し付けられることでこの咬合力を受ける(負担する)ことができ、支台歯の歯根膜に余分な負担をかけることなく咬み合わすことができる。
その結果、義歯装着者は咬合することに快適な義歯の装着感を味わうことができる。また、従来の両端支持用義歯のように両端の支台歯に対して全く遊びがない状態で固定された場合のような問題を生じさせずに済む。即ち、従来において仮に義歯が両端の支台歯よりも高さが高く取り付けられると、咬合時に反対側の歯から受ける咬合力が両端支持用義歯に集中してかかり、義歯が破損し易くなると共に、破損した支台歯との結合部が歯肉を傷つけることに加えて、場合によってはその結合部自体の一部が破片となって口の中に入り誤飲の原因となっていたが、本実施形態によるとこのような問題を生じさせずに済む。
また、本発明の請求項14に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項13に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記凸条突出部の歯肉側の端部とこれに対向する歯肉との間に所定の空間が形成されることを特徴としている。
このような所定の空間が形成されていることで、義歯を外して支台歯を歯ブラシ等で磨く際に、凸条突出部の歯肉側下端とこれに対向する歯肉上面との間に十分な隙間を確保することができ、この隙間に溜まった食べ物の食べカスを容易に取り除くことができる。その結果、この部分にこれら食べカスが詰まったままとならず、その後の虫歯や口臭の発生を防止することができる。
また、本発明の請求項15に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項13又は請求項14の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記凸条に代えて前記溝部を摺動可能な突出部が前記金属冠に備わっていることを特徴としている。
このような構造であっても中間欠損歯用義歯を取り付けるための本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントの作用を十分に発揮することができる。
また、本発明の請求項16に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項15の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴としている。
義歯装着者の年齢や咬合力に応じて支台歯としてのインプラントに咬合力がなるべく加わらないようにする必要がある場合においても、この義歯とその取付けアタッチメントは極めて有用な役割を果たす。
また、本発明の請求項17に係る中間欠損歯用義歯は、
請求項13乃至請求項15の何れかに記載の金属冠に取り付けることを特徴とする中間欠損歯用義歯である。
また、本発明の請求項18に係る金属冠は、
請求項13乃至請求項15の何れかに記載の中間欠損歯用義歯に取り付けることを特徴とする金属冠である。
本発明によると、義歯の着脱が行い易く、かつ義歯装着者に優れた装着感と食事中の快適な咬み心地を与えることが可能な義歯とその取付けアタッチメントを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの構造を一部断面で示す側面図である。 図1に示した義歯とその取付けアタッチメントを一部断面で示す平面図である。 図1に示した義歯とその取付けアタッチメントの部分拡大図である。 図1に示した取付けアタッチメントの一部を拡大して示す斜視図である。 第1の実施形態の作用を説明するための図1に対応する側面図である。 図3に示した義歯の一部を変更した形態を示す図3に対応する図である。 図1乃至図4に示した第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの取付け位置の一例を示す説明図である。 第1の実施形態の変形例を示す図1に対応する側面図である。 第1の実施形態の変形例を部分的に示す図2に対応する平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントを一部断面で示す部分側面図である。 図10に示した義歯とその取付けアタッチメントを一部断面で示す平面図である。 第2の実施形態の作用を説明するための図10に対応する部分側面図である。 図10及び図11に示した第2の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの取付け位置の一例を示す説明図である。 図10及び図11に示した第2の実施形態を部分的に示す平面図(図14(a)、及び第2の実施形態の第1変形例を部分的に示す平面図(図14(b))、並びに第2変形例を部分的に示す平面図(図14(c))、第3変形例を部分的に示す平面図(図14(d))である。 第2の実施形態の第4変形例について示す側面図である。
以下、本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントについて紹介する。本発明は、上述した通り本発明は粘膜負担型義歯に関するものである。ここで粘膜負担型義歯の定義と技術的意義について述べる。
義歯を装着する必要がある人の中には、体質的な個人差があり支台歯の歯根膜が年齢とともにかなり傷んでいる人がいる一方、支台歯の歯根膜に関しては健全な状態を保っている人もいる。ここで支台歯の歯根膜がかなり潰れて傷んでいる人の場合、その支台歯に義歯を取り付けて咬合した際に義歯だけでなく支台歯にも咬合力が作用してしまうと歯根膜がその分圧縮されて歯根膜の傷みがより進んでしまう。歯根膜が極度に傷んでしまうと支台歯自体が義歯を取り付ける負担に耐えられなくなり、支台歯がやがては欠損してしまうという問題が生じてしまう。
この支台歯の歯根膜が年齢と共に傷んできた義歯装着者にとって支台歯の欠損を招かないようにするために、咬合力が義歯(遊離端義歯や中間欠損歯用義歯)の義歯床で歯肉を圧迫させ義歯自体が沈下する押し付け力となることで、この咬合力を受ける(負担する)作用を及ぼす(本発明において提供する)粘膜負担型義歯を利用するのが好ましい。
以上の理由についてより客観的な説明で補足する。咬合力は、約3MPa〜約9MPa(1cm当たり平均30kg〜90kg(1m当たり300トン〜900トン))と極めて大きい。そのため、健全な歯根膜では負担可能であっても、歯周病などによって歯根膜が健全でない場合は、負担過剰となって、咬合時、痛みが生じる。更に歯根膜が損傷されて抜歯となる症例に至る場合も多い。
このような咬合時に痛みを感じながらでは、日常生活で正常な食事を行うことはとても期待できず、クオリティオブライフの点で深刻な問題を招くことになる。そのため、歯根膜が健全でない場合、義歯装着時に、歯根膜負担にならないように工夫すべきである。この際に最も効果的な対応策として、上述した粘膜負担型の義歯を装着することが好適な選択手段である。
なお、以下の第1及び第2の実施形態並びにそれらの変形例の説明において、各構成要素を図面においても示しているが、各図面における各構成要素の形状及び寸法についてはそれぞれを厳密に一致させていない。これは、これらの形状及び寸法のそれぞれの違いについては、当然に全て本発明の範囲内に含まれるため、説明の便宜上あえて分かり易く異なるようにしているためである。従って、各図面における各構成要素の形状や寸法関係の違いについては、本発明の範囲内に全く影響を与えるものでないことを付言しておく。
また、各図面と関連した説明において、上下方向は、上側を義歯の人工歯(義歯本体)側、下側を義歯床側とした方向を基準として定める。また、平面視とは、義歯の歯の先端側から見た状態とする。また、図面中ハッチングすべきところを説明の理解の容易化のために適宜省略している。
最初に本発明の第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントについて図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの構造を一部断面で示す側面図である。また、図2は、図1に示した義歯とその取付けアタッチメントを一部断面で示す平面図である。また、図3は、図1に示した義歯とその取付けアタッチメントの部分拡大図である。また、図4は、図1に示した取付けアタッチメントの一部を拡大して示す斜視図である。
本発明の第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント1(以下、適宜単に「義歯とその取付けアタッチメント1」とする)は、一本の支台歯80に取り付ける遊離端義歯10とその取付けアタッチメント20からなる。
そして、取付けアタッチメント20は、一本の支台歯80に取り付ける金属冠210と、金属冠210の周囲の所定位置に備わり少なくとも周面の一部が湾曲した磁性体からなる突出部220を有している。
突出部220は、本実施形態では略球状体をなしている。より詳細には、突出部220は、図3に示すように球状体の基端側の下の部分、即ち支台歯80の根元側の部分が凹んでおり、同図に示す状態においては、この下側凹み部222に後述する溝付き係合部130の下端から延在する抜け止め部135の先端136が入り込んで係合するようになっている。なお、突出部220は磁性材でできており、かつ強度と耐久性や耐食性に優れた例えばステンレス鋼や金の合金、白金の合金等が用いられている。
突出部220は、金属冠210の周面の一部に突出部220の基端部221が鋳造時に第三合金による合着、鋳造金属による把持、又は蝋着され、この金属冠210の周面から突出部220が遊離端義歯10の装着方向に突出するようになっている。
そして、後述する磁石140が、磁性体からなる突出部220に磁気引っ張り力を作用させて遊離端義歯10が支台歯80から離れないようにしている。また、図3に示す状態においては、抜け止め部135の先端136が突出部220の下側凹み部222に引っ掛かって遊離端義歯10が支台歯80から離れないようにするのを補助している。
遊離端義歯10は、少なくとも一本の義歯本体110(111,112,113,・・・)と、義歯本体110を支える義歯床120と、支台歯80に隣接させる端部に配置された溝付き係合部130と、磁石ホルダー150に収容された上で義歯本体110や義歯床120に埋め込まれ遊離端義歯10との結合部側に備わる磁石140を有している。
本実施形態の場合、溝付き係合部130は、磁石ホルダー150と一体となって形成されている。溝付き係合部130及び磁石ホルダー150は、耐久性や強度、耐食性に優れた例えばステンレス鋼でできており、磁石ホルダー150の部分は、義歯用樹脂でできた義歯本体110及び義歯床120の中に埋め込まれている。なお、溝付き係合部130と磁石ホルダー150は、必ずしも一体に形成されている必要はなく、これらを別体に形成して互いにしっかりと結合しても良い。
本実施形態がこのような構成を有することで、磁石140が義歯装着者の口の中に露出することがなく、磁石140の材質によって味覚に違和感を憶えたり、磁石140の破片が口の中に入ったりするのを防いでいる。
溝付き係合部130は、遊離端義歯10の義歯床側から義歯本体110の先端(図1及び図3の上側端)に向かって延在形成された溝部131を有している。更には、溝付き係合部130の義歯床側の端部(図1及び図3の下側端)には、突出部220が溝付き係合部130の所定部分から抜け出さないようにする抜け止め部135が備わっている。
溝部131の溝幅は、溝部131に突出部220を係合させるために挿入する際に互いに干渉しない幅となっている。これにより、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けた状態において、突出部220は、遊離端義歯10に備わった磁石140の吸引力や場合に応じてその下側凹み部222と抜け止め部135の先端136との係合力によって溝部131に押し付けられている。
そして、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けた状態において、金属冠210の突出部220が遊離端義歯10の溝付き係合部130の溝部131に沿って移動可能になっている。更には、突出部220が略球状体を有することで、溝付き係合部130は、突出部220が溝部131の延在方向の所定位置に留まった状態において、遊離端義歯10の延在方向が支台歯80の中心軸線に対して所定の角度範囲内で変化できるようになっている。
なお、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けた状態における溝部131の延在方向に対する突出部220の変位量は、義歯装着者が咬合した際に遊離端義歯10の義歯床120が唾液Dを押し出して歯肉800を圧迫し、義歯自体が沈下して遊離端義歯10及び支台歯80に対して対向する歯から及ぶ咬合力をこの歯肉800に与える押し付け力に変えることで受け持ち、咬合力が支台歯80の歯根膜81に悪影響を及ぼさない程度の寸法で規定されている。
また、所定の角度とは、義歯床120の下面全体が唾液(図1に示すドット状の部分D参照)を挟んで歯肉800に接触できるようにする範囲の角度で規定される。
また、抜け止め部135は、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けた状態において、遊離端義歯10の義歯床120がその底面全体に唾液を介在させながらくっ付いている歯肉800の上面に対して一定の空間S1を隔てて対向配置するようになっている。
また、溝部131の抜け止め部135と反対側の端部、即ち図1及び図3の上側端部は、義歯本体110の一部によって塞がれている。
以上のような構成に基づいて、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けた状態で見て、突出部220が溝付き係合部130に係合することで、遊離端義歯10が支台歯80に結合すると共に、遊離端義歯10の義歯床120の底面が口の中の唾液(図1中ドットDで示す部分参照)を介して歯肉800の上面に全面的に密着することで、遊離端義歯10を支台歯80に所定の遊びを保ちながらしっかりと取り付けるようになっている。
また、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けた状態において、溝付き係合部130には、突出部220が嵌まり込むと共に、突出部220の湾曲部の少なくとも一部(本実施形態ではかなりの部分)が溝付き係合部130内に磁気引っ張り力によって留まりながら、支台歯80に対する遊離端義歯10の相対位置や相対角度が所定の範囲内で変化可能となっている。
本発明の第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント1が上述のような構成を有することで、以下の作用効果を発揮することができる。具体的には、遊離端義歯10の支台歯80に対する取付け関係に若干の遊びを持たせつつ、遊離端義歯10に備わった磁石140で金属冠210に備わった突出部220をしっかりと引っ張って保持することができる。これにより、咬合時に咬合力を、遊離端義歯10の義歯床120が歯肉800を圧迫して義歯床120と歯肉800との間に介在した唾液を義歯床120の外に押し出すと共に、義歯自体を沈下させる押し付け力として利用する。これにより、咬合力が支台歯80のみに加わり支台歯80の歯根膜81が潰れるのを防止できる。
図5は、上述の作用を説明するための図1に対応する側面図である。図1の状態に対して歯を咬んだときに咬合力によって遊離端義歯10の義歯床120が歯肉800に押し付けられ、義歯床120と歯肉800との間に介在した唾液(図5中ドットで示す部分)が義歯床120の外に押し出されると共に、義歯床120の下側の歯肉800の部分が押し沈められて咬合力が支台歯80に加わりこの歯根膜81に悪影響を及ぼすのを防止していることが図面上から理解できる。
なお、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けて咬合し、義歯床120が歯肉に押し付けられた状態において、端部と突出部との間に一定の空間S2が形成されている。このような空間が形成されていることで、歯を強く咬んでも支台歯80の歯根膜81に咬合力が加わることなく、歯根膜81の劣化の進行を阻止できる。
その結果、義歯装着者に快適な装着感や咬み心地を与えることができ、食べ物を咬む間中気持ちよく咬み続けることができ、ストレスを受けることなく義歯を装着し続けかつ食事を楽しむことができるようになる。これによって、食べ物をきちんと消化することができ、特に高齢者にとって重要な健康の維持を図りつつ体調の向上に貢献することができる。
また、咬合時に支台歯80と遊離端義歯10の間に余分な隙間ができることはなく、このような隙間に挟まって咬み潰すことができない食べ物がそのまま飲み込まれて胃腸における消化不良を招く虞もない。
以上の通り、溝付き係合部130が溝部131を有することで、突出部220がこの溝部内を所定の範囲内で自由に移動できる構造となる。更に、遊離端義歯10の延在方向を支台歯80の中心軸線に対して所定の角度範囲内で無理なく変化させることができる。これにより、咬合時に支台歯80と遊離端義歯10の接続部分に無理な力を加えずに済む。同様に、義歯装着者に快適な装着感を与えることができると共に、支台歯80に過大な応力がかからずに支台歯80を長持ちさせることができる。
その結果、支台歯80に過大な力がかかってこの歯根膜を痛めたり歯根膜自体を潰したりしてしまうのを回避し、貴重な支台歯80の欠損を防ぐことができる。また、義歯の結合部の破損によって歯肉800を傷つけることなくかつ破損部分の誤飲という問題も生じさせずに済む。
なお、遊離端義歯10を支台歯80に取り付ける際には、遊離端義歯10を指先でその延在方向周りに捻りながら支台歯80の突出部220に遊離端義歯10の一方の端部に備わった溝部131を押し付けて遊離端義歯10を支台歯80に取り付ける。一方、遊離端義歯10を支台歯80から取り外す際には、遊離端義歯10を指先でその延在方向周りに捻りながら支台歯80の突出部220から遊離端義歯10の一方の端部に備わった溝部131を外すことで遊離端義歯10を支台歯80から取り外す。
上述した支台歯80に対する遊離端義歯10の着脱の際に、抜け止め部135と遊離端義歯10の義歯床120が接触する歯肉800の間に空間S1が形成されているので、抜け止め部135が歯肉800に押し付けられることなく、遊離端義歯10の支台歯80の着脱を簡単かつ痛みを伴うことなく快適に行うことができる。
特に、突出部220が略球状体をなしていることで、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けたり取り外したりする際にこの突起部の湾曲面を利用して抵抗を受けることなく滑らかに着脱を行うことができる。また、義歯の着脱に伴って遊離端義歯10を支台歯80に対して押し付けたり引っ張ったりする際に、この押しつけ方向や引っ張り方向にある程度の自由度を持たせることができ、義歯の着脱が行い易くなる。その結果、特に指先を器用に動かすことのできない義歯装着者が遊離端義歯10の支台歯80の着脱を一人で簡単に行うことができる。
以上のことにより、通常の使用状態では遊離端義歯10が支台歯80から外れにくく、指でつまんで取り付ける際や取り外す際の義歯の着脱が大変行い易くなっている。
また、抜け止め部135と遊離端義歯10の義歯床120が接触する歯肉800の間に空間S1が形成されていることで、遊離端義歯10を外した後に金属冠210の突出部220とこれに対向する歯肉800との間には更に広い隙間が存在することになる。このような隙間を生じさせることで、遊離端義歯10を外した後に支台歯80を歯ブラシ等で磨く際に、突出部220と歯肉800上面との間に十分な隙間を確保することができる。その結果、この隙間に溜まった食べ物の食べカスを容易に取り除くことができ、これらの食べカスが詰まったままとならず、その後の虫歯や口臭の発生を防止することができる。
また、溝部131の抜け止め部135と反対側の端部(図1及び図3中上側端部)が義歯本体110の一部で塞がれていることで、食べ物を咬んでいる最中に溝部131の中に食べ物が入り込んで詰まるのを確実に防止できる。
また、遊離端義歯10を支台歯80に取り付けて咬合し、義歯床120が歯肉に押し付けられた状態において、端部と突出部との間に一定の空間S2が形成されているので、歯を強く咬んでも支台歯80の歯根膜81に咬合力が加わることなく、歯根膜81の劣化の進行を阻止できる。
また、溝部131の溝幅が突出部220を係合させるために挿入する際に干渉しない溝幅となっており、磁石140の吸引力のみで突出部220を溝部131によって保持するようにすることで、溝部131と突出部220の間の寸法公差を厳密に管理する必要がなくなる。これにより、義歯10の溝部加工上のコストダウンを図ることができると共に、義歯10を支台歯80に取り付けたり取り外したりする際に簡単に着脱することができる。
なお、磁石140の磁力をそれなりに強力なものとすれば、磁力の吸引力のみであっても遊離端義歯10を支台歯80にしっかりと結合させておくことができる。しかしながら、図1や図3に示したように突出部220である球状体の下部に凹み部222を設けてこの部分に抜け止め部135の先端136を係合させて磁石140の吸引力に加えてこの係合力を補助的な力として利用することで、突出部220が溝部131から離れるのを防止する複雑な構造を取らずに済む。即ち、抜け止め部135の形状をより簡単なものとすることができ、この部分の加工コストの低減を図ることができる。
図6は、この抜け止め部135の形状を上述の記載に従って変更したより簡単な構成の抜け止め部137を示している。これに伴って、第1の実施形態の突出部220の下側部分に備わった抜け止め部135の先端136を係合する下側凹み部222が図6に示す構成においては示されていない。即ち、図6においては、下側部分に凹みのない球体状の突出部220が備わっている。このような形態であっても本発明の範囲に属するものである。
図7は、図1乃至図4に示した本発明の第1の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント1の取付け位置の一例を示す説明図である。この図においては、この第1の実施形態に係る遊離端義歯10を支台歯80に下側の歯の両側の欠損した奥歯の部分に取り付けているが、これと同じように上側の歯の欠損した部分に取り付けても良い。即ち、遊離端義歯10を取り付ける支台歯80が1本でも適当な場所に残っていれば、同図の取り付け状態には限定されずあらゆる部分に第1の実施形態を適用することができる。
また、場合に応じて遊離端義歯10の支台歯80との結合側と反対になる自由端部であって口を大きく開いても外から見えにくい位置にクラスプ等の固定具を備え、この自由端部側の残存歯にも係合させて遊離端義歯10をよりしっかりと取り付けるようにしても良い。
なお、上述の実施形態とは異なり、突出部は、略半球状をなしていても良い。突出部が略半球状をなしていても、上述の作用を容易に実現することができる。
また、上述の実施形態と異なり、溝部の抜け止め部と反対側の端部は、義歯の上方に開口していても良い。溝部の抜け止め部を反対側の端部が義歯の上方に開口していることで、義歯自体の構成をより簡単なものにすることができ、コストダウンを図ることが可能となる。
続いて、上述した第1の実施形態の変形例について説明する。図8は、第1の実施形態の変形例を示す図1に対応する側面図である。また、図9は、第1の実施形態の変形例を部分的に示す図2に対応する平面図である。なお、上述の実施形態と同等の構成に関しては、必要に応じて対応する符号を付してその構造の詳細な説明については省略する。また、図9においては説明の理解の容易化を図るために断面ハッチングを省略する。
この変形例においては、突出部260は、金属冠210との接続部261の太さが突出部260のそれ以外の部分よりも細くなっている。また、溝付き係合部160の形状についても上述の実施形態と若干異なっている。
具体的には、溝部161の支台歯側開口部の溝幅161aは、義歯装着者の指による押し込み力や引っ張り力によって支台歯80に対して遊離端義歯10Aを着脱可能とするために、遊離端義歯10Aの装着時において磁石140が突出部260に及ぼす磁気吸引力に加えて溝部161の開口部が突出部260に及ぼす係合力によって突出部260が溝部161から外れるのを防止する程度に寸法決めされている。
図面に基づいて説明すると、溝付き係合部160の溝部161の支台歯側開口部の溝幅161aは、突出部260の最大幅の部分、即ち図9における突出部260の直径260aよりも若干狭く、かつその溝内部の溝幅161bは、突出部260の最大幅の部分、即ち図9における突出部260の直径260aよりも若干広くなっている。
溝部161と突出部260の相対関係がこのような互いにいわゆるラッチ係合するような寸法関係を有することで、突出部260が溝部161に一旦係合すると、磁石140から受ける吸引力と相まって突出部260が溝部161から抜けにくくなる。
これによって、遊離端義歯10Aを支台歯80に一旦取付ければ支台歯80から遊離端義歯10Aが簡単に外れることはなくなり、比較的硬い食べ物でも十分に味わいつつかつ消化し易いようにしっかりと咬み込んで食べることができる。
なお、この変形例に於いても、図6に示した先端がフック状となっていない抜け止め部137の形態を適用可能であることは言うまでもない。
続いて、本発明の第2の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントについて図面に基づいて詳細に説明する。なお、この第2の実施形態に係る発明についても第1の実施形態及びその変形例に係る粘膜負担型の義歯の発明に関するものである。ここで、粘膜負担型の義歯の定義及びその技術的意義については、発明を実施するための形態の冒頭に記載した内容を流用する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントを一部断面で示す部分側面図である。また、図11は、図10に示した義歯とその取付けアタッチメントを一部断面で示す平面図である。また、図12(a)は、第2の実施形態の作用を説明するための図10に対応する部分側面図である。なお、上述の第1の実施形態及びその変形例と同等の構成については、対応する符号を適宜図面に付して文章による詳細な説明を省略する。
なお、図10においては、義歯の左側部分のみを示しているが、右側も同様の構成であるため、右側の図示は省略し、左側の符号に右側の省略した部分の符号を括弧書きで付すようにしている。
本発明の第2の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント2(以下、適宜単に「義歯とその取付けアタッチメント2」とする)は、少数残存歯のうちの歯欠損部分を挟む2本の両端支台歯91,92(90)にそれぞれ取付けアタッチメント60,70を介して中間欠損歯用義歯50を取り付ける義歯とその取付けアタッチメントである。
取付けアタッチメント60,70は、金属冠610,710を各支台歯91,92(90)にそれぞれ被せた状態で金属冠610,710の周面において支台歯91,92(90)の基端部から先端部に向けて延在する磁性材からなる凸条突出部630,740を有している。
中間欠損歯用義歯50は、少なくとも一本の義歯本体510(511,512,513,・・・)と、義歯本体510が取り付けられた義歯床520と、中間欠損歯用義歯50をこの両端に位置する各支台歯91,92(90)に取り付ける係合部であって、各支台歯91,92(90)に被せる金属冠610,710に備わる凸条突出部630,740が摺動可能な状態で嵌り込む凸条摺動係合部530,540と、中間欠損歯用義歯50の両端近傍であって2本の支台歯91,92(90)との結合部側の内部にそれぞれ収容された磁石550,560とを備えている。
本実施形態の場合、凸条突出部630,740は、図9及び図10(a)に示すように端面視(平面視)略円形を有し、凸条摺動溝部531,541は、凸条突出部630,740をスライド(摺動)可能に保持するために凸条突出部630,740の平面視略円形の外径より若干大きい略円形の断面形状を有している。
また、中間欠損歯用義歯50の両端に形成された凸条摺動係合部530,540は、第1の実施形態と同様にそれぞれ突出部側と反対側に延在した磁石ホルダー570,580と一体となって形成されている。凸条摺動係合部530,540及び磁石ホルダー570,580についても、第1の実施形態と同様に耐久性や強度、耐食性に優れた例えばステンレス鋼でできており、磁石ホルダー570,580の部分は、義歯用樹脂でできた義歯本体510の中に埋め込まれている。これによって、第1の実施形態と同様に磁石ホルダー570,580に収容された磁石550,560が中間欠損歯用義歯50の外側に露出しないようになっている。
そして、凸条突出部630,740が凸条摺動係合部530,540に摺動可能に係合することで、中間欠損歯用義歯50が2本の支台歯91,92(90)に結合すると共に、中間欠損歯用義歯50の義歯床520がその底面全体に唾液を介在させながら歯肉800に密着することで、中間欠損歯用義歯50を2本の支台歯91,92(90)に取り付けるようになっている。
また、中間欠損歯用義歯50に備わる各磁石550,560が、これらそれぞれの近くに備わる金属冠610,710の凸条突出部630,740に磁気引っ張り力を及ぼすことで、中間欠損歯用義歯50が2本の支台歯91,92(90)から外れないようにしている。
また、中間欠損歯用義歯50を支台歯91,92(90)に取り付けた状態において、中間欠損歯用義歯50が2本の支台歯91,92(90)の間で磁気引っ張り力によって保持されながら2本の支台歯91,92(90)に対してそれらの上下方向(長手方向)に所定の量だけ平行移動できるようにするために、金属冠610,710の凸条突出部630,740が中間欠損歯用義歯50の凸条摺動係合部530,540内で摺動可能となっている。
また、中間欠損歯用義歯50の取り付け状態で見て、凸条摺動係合部530,540の歯肉側の義歯床側端部530a,540aとこれに対向する歯肉800との間には所定の空間S3,S4が形成されている。
また、凸条摺動係合部530,540の義歯先端側端部530b,540bは、凸条突出部630,740のスライド移動のストッパーとしての役目を果たすと共に、義歯本体510の内側部分によって塞がれており、食べ物を食べる際に歯を咬んだときに凸条摺動係合部内に食べ物の食べカスが入り込まないようになっている。
なお、咬合時に咬合力によって義歯床520が唾液Dを押し出して歯肉800を圧迫することで義歯自体を沈下させることに伴って、凸条突出部630,740が凸条摺動係合部内でスライド上昇する。そして、凸条突出部630,740が凸条摺動係合部内で上昇しきった状態において、凸条突出部630,740の上側の端部とこれに対抗する凸条摺動係合部530,630の義歯先端側端部530b,540bとの間には一定の空間S5,S6が形成される。このような空間が残存することによって凸条突出部630,740が凸条摺動係合部内で更なるスライド上昇の余裕を残すことができ、歯を強く咬んでも咬合力が支台歯91,92の歯根膜81,82を押し潰すことなく、歯根膜81,82の劣化が進むのを防止する。
一方、凸条摺動係合部530,540の義歯床側端部530a,540aは開口しており、中間欠損歯用義歯50を支台歯91,92(90)に取り付ける際に支台歯91,92(90)の凸条突出部630,740の上端をこの凸条摺動溝部内に挿入できるようにしている。
なお、これらの挿入部にはテーパー加工を施しておくことが良い。これにより中間欠損歯用義歯50をこの両端の支台歯91,92(90)に取り付ける際に、中間欠損歯用義歯50の両端の凸条摺動係合部530,540を各支台歯91,92(90)の凸条突出部630,740に無理なく同時に挿入でき、中間欠損歯用義歯50の支台歯91,92(90)への取り付けを義歯装着者が簡単に行うことが可能となる。
なお、中間欠損歯用義歯50をこの両端の支台歯91,92(90)に嵌め込み易いように、凸条突出部630,740の上端の角縁部が面取りされているかテーパー形状になっていると共に、凸条摺動溝部531,541の義歯床側端部530a,540aであって凸条突出部630,740が入り込む位置に形成された溝部531,541の下端開口部が全体的に面取りされているかテーパー形状を有しているのが良い。
図13は、図10及び図11に示した第2の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント2の取付け位置の一例を示す説明図である。この図においては、この第2の実施形態に係る中間欠損歯用義歯50を、これを挟む支台歯91,92(90)に対して上からスライド移動させて取り付けた一例を示しているが、これと同じように上側の2本の歯で挟まれる歯の欠損部分に中間欠損歯用義歯50を下からスライド移動させて取り付けても良い。
このような上側の歯の欠損部分に本実施形態に係る中間欠損歯用義歯50を取り付ける場合であっても、磁石550,560がそれぞれ凸条突出部630,740を磁気引っ張り力で保持すると共に、義歯床520が上側の歯肉800に唾液を介在させて接触させることで、中間欠損歯用義歯50を支台歯90にしっかりと取り付けることができる。
このように、図13に示す配置状態以外でも、2本の支台歯91,92(90)の間に少なくとも一箇所だけでも歯の中間欠損部分が存在すれば、上下の歯の如何に関わらず本実施形態を適用可能である。
本発明の第2の実施形態に係る中間欠損歯用義歯50をこの両端の支台歯91,92(90)に取り付けた場合、本発明の解決すべき課題の欄で述べた様々な問題点を全て一気に解決することができる。
具体的には、中間欠損歯用義歯50の両端が、上述したように若干の遊びをもって各支台歯91,92(90)に対して平行に摺動可能となっていることで、このいわゆる遊びで規定される上下方向にのみ中間欠損歯用義歯50を移動させることができる。これによって、従来の両端支持用義歯のように両端の支台歯91,92(90)に対して全く遊びがない状態で固定された場合に生じる問題の発生を防ぐ。つまり、本実施形態によると上下の咬合時に反対側の歯から受ける咬合力が両端支持用義歯に過度に加わることはない。これにより義歯が破損し易くなると共に、破損した支台歯91,92(90)との結合部が歯肉800を傷つけることがない上、その結合部自体の一部が破片となって口の中に入り誤飲の原因となったりする従来の問題を生じさせずに済む。
また、上述の空間Sが存在することで、中間欠損歯用義歯50を外した後に支台歯91,92(90)を歯ブラシ等で磨く際に、第1の実施形態及びその変形例と同様に凸条突出部630,740の歯肉側下端とこれに対向する歯肉上面との間に十分な隙間を確保することができる。これによって、この隙間に溜まった食べ物の食べカスを容易に取り除くことができる。その結果、この部分にこれら食べカスが詰まったままとならず、その後の虫歯や口臭の発生を防止することができる。
また、凸条摺動係合部530,540の義歯先端側端部530b,540bが塞がれていることで、食べ物を咬んでいる際に凸条摺動係合部530,540に食べ物の一部が入り込むのを防止することができる。
これにより、義歯装着者は咬合することに中間欠損歯用義歯50の快適な装着感及び咬み心地を味わうことができる。その結果、上述したように食べ物を咬む間中気持ち良く咬み続けることができ、ストレスを受けることなく食事を楽しむことが可能となる。これにより、食べ物の良好な消化吸収を図ることにより、高齢者にとって特に重要な健康の維持や体調面での向上を図ることができる。
続いて、上述した第2の実施形態の変形例について説明する。図14(b)は、第2の実施形態の第1変形例を部分的に示す平面図、図14(c)は、第2変形例を部分的に示す平面図、図14(d)は、第3変形例を部分的に示す平面図である。
なお、図14及び図15においては、義歯の左側部分のみを示しているが、右側も同様の構成であるため、右側の図示は省略し、左側の符号に右側の省略した部分の符号を括弧書きで付すようにしている。
これらの変形例においては、凸条突出部の端面視を略円形に代えて他の形状にすると共に、これが係合してスライド移動するための凸条摺動溝部の断面形状を凸条突出部の形状に合わせて変更している。
具体的には、図14(b)に示すように、凸条突出部632,742の形状が端面視、即ち義歯の上面側から見て略矩形状となっていても良い。この場合、凸条摺動溝部532,542の断面形状は、この凸条突出部632,742に合わせてこれより若干大きい略矩形状となる。
また、図14(c)に示すように、凸条突出部633,743の形状が端面視、即ち義歯の上面側から見て略三角形状となっていても良い。この場合、凸条摺動溝部533,543の断面形状は、この凸条突出部633,743に合わせてこれより若干大きい略三角形形状となる。
また、図14(d)に示すように、凸条突出部634,744の形状が端面視、即ち義歯の上面側から見て半円状とこの基端部の接続部分を合わせたいわゆるキノコ状(異形の略半円形状)となっていても良い。この場合、凸条摺動溝部534,544の断面形状は、この凸条突出部634,744に合わせてこれより若干大きい異形のキノコ状(異形の略半円形状)となる。
なお、上述の3つの変形例においても、中間欠損歯用義歯50をこの両端の支台歯91,92(90)に嵌め込み易いように各凸条突出部の上端の角縁部が面取りされているかテーパー形状になっていると共に、各凸条摺動溝部の下端であって各凸条突出部が入り込む開口部が全体的に面取りされているかテーパー形状を有しているのが良い。
以上説明した各変形例のような構造であっても、中間欠損歯用義歯50を取り付けるための本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントの作用を十分に発揮することができる。
最後に上述した第2の実施形態及び各変形例とは異なる更なる変形例について説明する。図15は、第2の実施形態の第4変形例について示す側面図である。この更なる変形例である第4変形例では、凸条突出部の代わりに凸条摺動溝部535,545の略中央部近傍において摺動に係合するようになった溝部方向に長さの短い平面視略円形状で十分な板厚を有する突起部635,745が金属冠610,710に備わっている。このような構造であっても中間欠損歯用義歯50を取り付けるための本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントの作用を十分に発揮することができる。
なお、図15は、平面視、即ち義歯の上面側から見て第2の実施形態と同様な略円形状をなしているが、突起部の形状はこれには限定されず、例えば平面視略楕円形又は略矩形、略三角形、又は上述した異形半円状(キノコ状)にあっても良い。この場合、この突起部が摺動可能に嵌り込む凸条摺動溝部の断面形状は、これらの突起部の平面視の形状に合わせて適宜変更すれば良い。
この第4変形例においても、中間欠損歯用義歯50をこの両端の支台歯91,92(90)に嵌め込み易いように、突起部の上端の角縁部が全周に亘って面取りされているかテーパー形状になっていると共に、凸条摺動溝部535,545の下端であって突起部が入り込む開口部が全体的に面取りされているかテーパー形状を有しているのが良い。
なお、上述の各実施形態及びこれに関連する各変形例は、本発明のあくまで例示的な態様を示したものに過ぎず、本発明の作用効果を発揮し得る範囲内であれば、これらの形態と等価的な更なる各種変形例についても本発明に含まれることを言うまでもない。
従って、例えば第1の実施形態及びその変形怜において、溝部の溝幅は突出部が係合できれば溝延在方向に亘って同一である必要はなく、上下に亘って細長い楕円形状を有していても良い。
また、例えば上述の各実施形態及びその変形例において、義歯本体は2本以上として説明したが、これが1本だけでも本発明の範囲に含まれる。また、第2の実施形態において、義歯先端側端部の開口は、凸条摺動係合部によって閉塞されていたが、この代わりに義歯本体の一部によって直接閉塞されていても良いことは言うまでもない。
また、第1の実施形態や第2の実施形態及びこれらの各変形例における略球状体や略円形の定義は、いわゆる卵型や楕円形を含むことは言うまでもない。
更には、上述の各実施形態及びその各種変形例において支台歯として天然歯であることを前提に説明したが、支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられる場合であっても、インプラントに本発明に係る金属冠を取り付けることで十分な効果を奏することができる。
具体的には、義歯装着者の年齢や咬合力に応じて支台歯としてのインプラントに咬合力がなるべく加わらないようにする必要がある場合においても、この義歯とその取付けアタッチメントは極めて有用な役割を果たすことができる。その理由については、義歯装着者の年齢が高い場合や、個人差がある咬合力に関して常に強く咬む習慣が付いていて常に大きな咬合力が加わる義歯装着者の場合、いわゆる外傷性咬合が起こる虞がある。
外傷性咬合が一旦起こると、インプラントの埋め込み部が損傷して炎症が生じ、最悪の場合にはインプラント自体の破壊を招き義歯の装着が不可能となってしまう。このような事態を避けるためにインプラントになるべく咬合力をかけないようにするのが望ましい。
そのような虞がある場合に本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントを用いることで、上述した詳細な説明からも明らかなように安心して義歯を使い続けることが可能となる。
従って、義歯が天然歯の代わりにインプラントであっても本発明をその十分な作用効果を伴いながら適用可能であり、本発明の範囲内に属することは明らかである。
1,2 義歯とその取付けアタッチメント
10,10A 遊離端義歯
20 取付けアタッチメント
50 中間欠損歯用義歯
60,70 取付けアタッチメント
80 支台歯
81,82 歯根膜
91,92(90) (両端)支台歯
110(111,112,113,・・・) 義歯本体
120 義歯床
130 溝付き係合部
131 溝部
135 抜け止め部
136 先端
137 抜け止め部
140 磁石
150 磁石ホルダー
160 溝付き係合部
161 溝部
161a 支台歯側開口部の溝幅
161b 溝内部の溝幅
210 金属冠
220 突出部
221 基端部
222 下側凹み部
260 突出部
260a 直径
261 接続部
510(511,512,513,・・・) 義歯本体
520 義歯床
530,540 凸条摺動係合部
530a,540a 義歯床側端部
530b,540b 義歯先端側端部
531,541 凸条摺動溝部
532,542 凸条摺動溝部
533,543 凸条摺動溝部
534,544 凸条摺動溝部
535,545 凸条摺動溝部
550,560 磁石
570,580 磁石ホルダー
610,710 金属冠
630,740 凸条突出部
632,742 凸条突出部
633,743 凸条突出部
634,744 凸条突出部
635,745 突起部
800,801,802 歯肉
S1,S2,S3,S4 空間
D 唾液
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
遊離端義歯を一本の支台歯に取り付ける義歯とその取付けアタッチメントであって、
前記取付けアタッチメントは、前記一本の支台歯に取り付ける金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に備わりかつ少なくとも周面の一部が湾曲した磁性体からなる突出部を有し、
前記突出部は、略球状又は略半球状をなしており、
前記義歯は、遊離端義歯からなり、当該遊離端義歯は、前記支台歯に隣接して取り付けられる少なくとも一本の義歯本体と、当該義歯本体を支える義歯床と、前記支台歯に隣接させる端部側に配置された溝付き係合部と、前記遊離端義歯の内部であって前記溝付き係合部に隣接した位置で前記義歯の装着状態で見て前記溝付き係合部に関して前記支台歯と反対側になる位置に配置された磁石とを有し、
前記溝付き係合部に形成された溝は、前記義歯床と義歯本体を結ぶ方向に延在し、
前記溝付き係合部には、前記義歯床から前記義歯本体に向かう方向に溝部が形成され、
前記突出部は、前記義歯の装着状態で見て前記金属冠の側面から前記溝付き係合部の溝部内に係合できる方向に突出しており、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態で見て、前記突出部が前記溝付き係合部の溝部に係合することで、前記遊離端義歯が前記支台歯に結合すると共に、前記遊離端義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けるようになっていると共に、
前記磁石が前記磁性体からなる突出部に磁気引っ張り力を作用させて前記遊離端義歯が前記支台歯から離れないようにし、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記突出部に磁気引っ張り力を作用させながら当該突出部が前記溝部に沿って移動可能になっていると共に、前記突出部が前記溝部の延在方向の所定位置に留まった状態において前記遊離端義歯の延在方向が前記支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で変化できるようになっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記溝部には、前記義歯を装着した状態において前記突出部が前記溝部から外れないようにする凹み付き突起状の抜け止め部が当該溝部の義歯床側端部に備わり、前記溝部の歯先側端部は、前記義歯の一部によって塞がれており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、かつ咬合力を受けて前記義歯床が前記歯肉に押し付けられ沈下した状態において、前記突出部は前記歯先側端部に当たらず、両者は一定の空間を隔てて離間していることを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記溝部には、前記義歯を装着した状態において前記突出部が前記溝部から外れないようにする凹み付き突起状の抜け止め部が当該溝部の義歯床側端部に備わり、前記溝部の歯先側端部は、前記義歯の上方に開口しており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、かつ咬合力を受けて前記義歯床が前記歯肉に押し付けられ沈下した状態において、前記突出部は前記歯先側端部に当たらず、両者は一定の空間を隔てて離間していることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、前記金属冠との接続側の基端部の太さが当該突出部のそれ以外の部分よりも細くなっており、前記溝部の開口部の溝幅は、前記遊離端義歯装着者の指による押し込み力や引っ張り力によって前記支台歯に対して前記遊離端義歯を着脱可能とするために、前記磁石が前記突出部に及ぼす磁気吸引力に加えて前記溝部の開口部が前記突出部に及ぼす係合力によって前記突出部が前記溝部から外れるのを防止する程度に前記突出部の最大幅の部分よりも小さく、かつ前記溝部内において前記突出部が所定の範囲内でスライド移動可能なように前記溝部の内部の溝幅がその開口部の溝幅より大きくなっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、略球状体をなしていることを特徴としている。
突出部が略球状体をなしていることで、請求項の作用を容易に実現することができる。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた際における前記溝部の延在方向に対する前記突出部の変位量は、咬合時に前記遊離端義歯の義歯床前記歯肉に押し付けられた状態で、当該遊離端義歯及び前記支台歯に対向する歯からの咬合力を前記遊離端義歯によって受けるように規定されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴としている。
また、本発明の請求項10に係る金属冠は、
請求項1乃至請求項の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする突出部を有する金属冠である。
また、本発明の請求項11に係る遊離端義歯は、
請求項1乃至請求項の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする遊離端義歯である。
また、本発明の請求項12に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
少数残存歯のうちの歯欠損部分を挟む2本の歯を両端支台歯として中間欠損歯用義歯を取り付ける義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記取付けアタッチメントは、前記各支台歯に被せる金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に設けられ前記金属冠を前記支台歯に被せた状態で前記金属冠の周面において前記支台歯の基端部から先端部に向けて延在する磁性材からなる凸条突出部を有し、
前記中間欠損歯用義歯は、少なくとも一本の義歯本体と、義歯本体が取付けられた義歯床と、前記中間欠損歯用義歯をこの両端に位置する各支台歯に取り付ける凸条摺動係合部であって、前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記各支台歯に被せる前記金属冠に備わる凸条突出部が摺動可能な状態で嵌り込む凸条摺動係合部と、前記中間欠損歯用義歯の両端近傍であって前記2本の支台歯との結合部側の内部にそれぞれ収容された磁石とを備え、
前記凸条突出部が前記凸条摺動係合部に係合することで、前記中間欠損歯用義歯が前記2本の支台歯に結合すると共に、前記中間欠損歯用義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記中間欠損歯用義歯を前記2本の支台歯に取り付けるようになっており、
前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記中間欠損歯用義歯に備わる各磁石が、これらそれぞれの近くに備わる金属冠の凸条突出部に磁気引っ張り力を及ぼすことで前記中間欠損歯用義歯が前記2本の支台歯から外れないようにし、かつ
前記中間欠損歯用義歯が、前記2本の支台歯の間で前記磁気引っ張り力によって保持されながら当該2本の支台歯の歯根部と歯先側を結ぶ軸線方向に対してそれぞれ所定の量だけ平行移動できるように、前記金属冠の凸条突出部が前記中間欠損歯用義歯の凸条摺動係合部内で摺動可能となっており、
咬合時に前記中間欠損歯用義歯が、前記歯肉に押し付けられることで当該中間欠損歯用義歯及びこの両端の支台歯に加わる対向する咬合力を受け、かつ咬合力を受けて前記義歯床が歯肉に対して沈下した状態において、前記各凸条突出部は、前記凸条摺動係合部の義歯本体側端部に当たらずに、一定の空間を隔てて両者が離間していることを特徴としている。
また、本発明の請求項13に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項12に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記凸条突出部の歯肉側の端部とこれに対向する歯肉との間に所定の空間が形成されることを特徴としている。
また、本発明の請求項14に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項12又は請求項13の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記凸条突出部に代えて前記溝部を摺動可能な突出部が前記金属冠に備わっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項15に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項14の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴としている。
また、本発明の請求項16に係る中間欠損歯用義歯は、
請求項12乃至請求項14の何れかに記載の金属冠に取り付けることを特徴とする中間欠損歯用義歯である。
また、本発明の請求項17に係る金属冠は、
請求項12乃至請求項14の何れかに記載の中間欠損歯用義歯に取り付けることを特徴とする金属冠である。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
遊離端義歯を一本の支台歯に取り付ける義歯とその取付けアタッチメントであって、
前記取付けアタッチメントは、前記一本の支台歯に取り付ける金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に備わりかつ少なくとも周面の一部が湾曲した磁性体からなる突出部を有し、
前記突出部は、略球状又は略半球状をなしており、
前記義歯は、遊離端義歯からなり、当該遊離端義歯は、前記支台歯に隣接して取り付けられる少なくとも一本の義歯本体と、当該義歯本体を支える義歯床と、前記支台歯に隣接させる端部側に配置された溝付き係合部と、前記遊離端義歯の内部であって前記溝付き係合部に隣接した位置で前記義歯の装着状態で見て前記溝付き係合部に関して前記支台歯と反対側になる位置に配置された磁石とを有し、
前記溝付き係合部に形成された溝は、前記義歯床と義歯本体を結ぶ方向に延在し、
前記溝付き係合部には、前記義歯床から前記義歯本体に向かう方向に溝部が形成され、
前記突出部は、前記義歯の装着状態で見て前記金属冠の側面から前記溝付き係合部の溝部内に係合できる方向に突出しており、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態で見て、前記突出部が前記溝付き係合部の溝部に係合することで、前記遊離端義歯が前記支台歯に結合すると共に、前記遊離端義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けるようになっていると共に、
前記磁石が前記磁性体からなる突出部に磁気引っ張り力を作用させて前記遊離端義歯が前記支台歯から離れないようにし、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記突出部に磁気引っ張り力を作用させながら当該突出部が前記溝部に沿って移動可能になっていると共に、前記突出部が前記溝部の延在方向の所定位置に留まった状態において前記遊離端義歯の延在方向が前記支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で変化できるようになっており、
前記溝部には、前記義歯を装着した状態において前記突出部が前記溝部から外れないようにする凹み付き突起状の抜け止め部が当該溝部の義歯床側端部に備わり、前記溝部の歯先側端部は、前記義歯の一部によって塞がれており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、かつ咬合力を受けて前記義歯床が前記歯肉に押し付けられ沈下した状態において、前記突出部は前記歯先側端部に当たらず、両者は一定の空間を隔てて離間していることを特徴としている。
また、このような空間が形成されていることで、本発明に係る粘膜負担型義歯としてのメリットを最大限に発揮し、咬合時に支台歯の歯根膜に咬合力が加わって歯根膜が痛むのを防止し、支台歯の欠損を回避する。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
遊離端義歯を一本の支台歯に取り付ける義歯とその取付けアタッチメントであって、
前記取付けアタッチメントは、前記一本の支台歯に取り付ける金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に備わりかつ少なくとも周面の一部が湾曲した磁性体からなる突出部を有し、
前記突出部は、略球状又は略半球状をなしており、
前記義歯は、遊離端義歯からなり、当該遊離端義歯は、前記支台歯に隣接して取り付けられる少なくとも一本の義歯本体と、当該義歯本体を支える義歯床と、前記支台歯に隣接させる端部側に配置された溝付き係合部と、前記遊離端義歯の内部であって前記溝付き係合部に隣接した位置で前記義歯の装着状態で見て前記溝付き係合部に関して前記支台歯と反対側になる位置に配置された磁石とを有し、
前記溝付き係合部に形成された溝は、前記義歯床と義歯本体を結ぶ方向に延在し、
前記溝付き係合部には、前記義歯床から前記義歯本体に向かう方向に溝部が形成され、
前記突出部は、前記義歯の装着状態で見て前記金属冠の側面から前記溝付き係合部の溝部内に係合できる方向に突出しており、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態で見て、前記突出部が前記溝付き係合部の溝部に係合することで、前記遊離端義歯が前記支台歯に結合すると共に、前記遊離端義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けるようになっていると共に、
前記磁石が前記磁性体からなる突出部に磁気引っ張り力を作用させて前記遊離端義歯が前記支台歯から離れないようにし、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記突出部に磁気引っ張り力を作用させながら当該突出部が前記溝部に沿って移動可能になっていると共に、前記突出部が前記溝部の延在方向の所定位置に留まった状態において前記遊離端義歯の延在方向が前記支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で変化できるようになっており、
前記溝部には、前記義歯を装着した状態において前記突出部が前記溝部から外れないようにする凹み付き突起状の抜け止め部が当該溝部の義歯床側端部に備わり、前記溝部の歯先側端部は、前記義歯の上方に開口しており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、かつ咬合力を受けて前記義歯床が前記歯肉に押し付けられ沈下した状態において、前記突出部は前記歯先側端部に当たらず、両者は一定の空間を隔てて離間していることを特徴としている。
本発明がこのような構成を有することで、粘膜負担型義歯としてのメリットを最大限に発揮することができる。即ち、支台歯の歯根膜が傷んだ義歯装着者の支台歯に悪影響を与えることなく、遊離端義歯を支台歯に取り付けて使い続けることができる。
具体的には、本発明の請求項2に係る義歯とその取付けアタッチメントがこのような構成を有することで、義歯の支台歯に対する取付け関係に若干の遊びを持たせつつ義歯に備わった磁石で金属冠に備わった突出部をしっかりと引っ張って保持することができる。
また、溝付き係合部にこのような溝部が形成されていることで、突出部がこの溝部内を自由に移動できる構造となる。更に、遊離端義歯の延在方向を支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で無理なく変化させることができる。その結果、咬合時に支台歯と遊離端義歯の接続部分に無理な力を加えずに済む。
これにより、咬合時にこれらに対向する反対側の咬合力が支台歯に必要以上に加わることがなく、支台歯に過大な力がかかってこの歯根膜を痛めたり歯根膜自体を潰したりしてしまうのを回避し、支台歯を長持ちさせて貴重な支台歯が欠損するのを防止できる。
また、咬合時に支台歯と義歯の間に余分な隙間ができることはなく、このような隙間に挟まって咬み潰すことができない食べ物がそのまま飲み込まれて胃腸における消化不良を招く虞もない。また、義歯の結合部の破損によって歯肉を傷つけることなくかつ破損部分の誤飲という問題も生じさせずに済む。
また、溝部の抜け止め部を反対側の端部が義歯の上方に開口していることで、義歯自体の構成を簡単なものにすることができ、コストダウンを図ることが可能となる。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記抜け止め部は、前記遊離端義歯の義歯床が接触する歯肉に対して一定の空間を隔てて対向配置するようになっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記溝部の溝幅は、当該溝部に前記突出部を係合させるために挿入する際に互いに干渉しない溝幅となっており、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記金属冠の突出部は、前記遊離端義歯に備わった磁石の吸引力のみによって前記溝部に係合していることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、前記金属冠との接続側の基端部の太さが当該突出部のそれ以外の部分よりも細くなっており、前記溝部の開口部の溝幅は、前記遊離端義歯装着者の指による押し込み力や引っ張り力によって前記支台歯に対して前記遊離端義歯を着脱可能とするために、前記磁石が前記突出部に及ぼす磁気吸引力に加えて前記溝部の開口部が前記突出部に及ぼす係合力によって前記突出部が前記溝部から外れるのを防止する程度に前記突出部の最大幅の部分よりも小さく、かつ前記溝部内において前記突出部が所定の範囲内でスライド移動可能なように前記溝部の内部の溝幅がその開口部の溝幅より大きくなっていることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記突出部は、略球状体をなしていることを特徴としている。
突出部が略球状体をなしていることで、請求項の作用を容易に実現することができる。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた際における前記溝部の延在方向に対する前記突出部の変位量は、咬合時に前記遊離端義歯の義歯床前記歯肉に押し付けられた状態で、当該遊離端義歯及び前記支台歯に対向する歯からの咬合力を前記遊離端義歯によって受けるように規定されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1乃至請求項の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る金属冠は、
請求項1乃至請求項の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする突出部を有する金属冠である。
また、本発明の請求項10に係る遊離端義歯は、
請求項1乃至請求項の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする遊離端義歯である。

Claims (18)

  1. 遊離端義歯を一本の支台歯に取り付ける義歯とその取付けアタッチメントであって、
    前記取付けアタッチメントは、前記一本の支台歯に取り付ける金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に備わりかつ少なくとも周面の一部が湾曲した磁性体からなる突出部を有し、
    前記義歯は遊離端義歯からなり、当該遊離端義歯は、少なくとも一本の義歯本体と、当該義歯本体を支える義歯床と、前記支台歯に隣接させる端部側に配置された溝付き係合部と、前記支台歯の内部であって前記遊離端義歯との結合部側に収容された磁石とを有し、
    前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態で見て、前記突出部が前記溝付き係合部の溝部に係合することで、前記遊離端義歯が前記支台歯に結合すると共に、前記遊離端義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けるようになっていると共に、
    前記磁石が前記磁性体からなる突出部に磁気引っ張り力を作用させて前記遊離端義歯が前記支台歯から離れないようにし、
    前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記突出部に磁気引っ張り力を作用させながら当該突出部が前記溝部に沿って移動可能になっていると共に、前記突出部が前記溝部の延在方向の所定位置に留まった状態において前記遊離端義歯の延在方向が前記支台歯の中心軸線に対して所定の角度範囲内で変化できるようになっていることを特徴とする義歯とその取付けアタッチメント。
  2. 前記溝部の前記抜け止め部と反対側の端部は、前記義歯の一部によって塞がれており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、前記義歯床が前記歯肉に押し付けられた状態において、前記端部と前記突出部との間に一定の空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  3. 前記溝部の前記抜け止め部と反対側の端部は、前記義歯の上方に開口しており、かつ前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けて咬合し、前記義歯床が前記歯肉に押し付けられた状態において、前記開口した部分と前記突出部との間に一定の空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  4. 前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記抜け止め部は、前記遊離端義歯の義歯床が接触する歯肉に対して一定の空間を隔てて対向配置するようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  5. 前記溝部の溝幅は、当該溝部に前記突出部を係合させるために挿入する際に互いに干渉しない溝幅となっており、前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた状態において、前記金属冠の突出部は、前記遊離端義歯に備わった磁石の吸引力のみによって前記溝部に係合していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  6. 前記突出部は、略球状又は略半球状をなしていることを特徴とする請求項5に記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  7. 前記突出部は、前記金属冠との接続側の基端部の太さが当該突出部のそれ以外の部分よりも細くなっており、前記溝部の開口部の溝幅は、前記遊離端義歯装着者の指による押し込み力や引っ張り力によって前記支台歯に対して前記遊離端義歯を着脱可能とするために、前記磁石が前記突出部に及ぼす磁気吸引力に加えて前記溝部の開口部が前記突出部に及ぼす係合力によって前記突出部が前記溝部から外れるのを防止する程度に前記突出部の最大幅の部分よりも小さく、かつ前記溝部内において前記突出部が所定の範囲内でスライド移動可能なように前記溝部の内部の溝幅がその開口部の溝幅より大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  8. 前記突出部は、略球状体をなしていることを特徴とする請求項7に記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  9. 前記遊離端義歯を前記支台歯に取り付けた際における前記溝部の延在方向に対する前記突出部の変位量は、咬合時に前記遊離端義歯の義歯床前記歯肉に押し付けられた状態で、当該遊離端義歯及び前記支台歯に対向する歯からの咬合力を前記遊離端義歯によって受けるように規定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  10. 前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  11. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする突出部を有する金属冠。
  12. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載された義歯とその取付けアタッチメントに使用することを特徴とする遊離端義歯。
  13. 少数残存歯のうちの歯欠損部分を挟む2本の歯を両端支台歯として中間欠損歯用義歯を取り付ける義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
    前記取付けアタッチメントは、前記各支台歯に被せる金属冠と、当該金属冠の周囲の所定位置に設けられ前記金属冠を前記支台歯に被せた状態で前記金属冠の周面において前記支台歯の基端部から先端部に向けて延在する磁性材からなる凸条突出部を有し、
    前記中間欠損歯用義歯は、少なくとも一本の義歯本体と、義歯本体が取付けられた義歯床と、前記中間欠損歯用義歯をこの両端に位置する各支台歯に取り付ける凸条摺動係合部であって、前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記各支台歯に被せる前記金属冠に備わる係合突出部が摺動可能な状態で嵌り込む凸条摺動係合部と、前記中間欠損歯用義歯の両端近傍であって前記2本の支台歯との結合部側の内部にそれぞれ収容された磁石とを備え、
    前記係合突出部が前記凸条摺動係合部に係合することで、前記中間欠損歯用義歯が前記2本の支台歯に結合すると共に、前記中間欠損歯用義歯の義歯床が歯肉に接触することで、前記中間欠損歯用義歯を前記2本の支台歯に取り付けるようになっており、
    前記中間欠損歯用義歯を前記支台歯に取り付けた際に、前記中間欠損歯用義歯に備わる各磁石が、これらそれぞれの近くに備わる金属冠の係合突出部に磁気引っ張り力を及ぼすことで前記中間欠損歯用義歯が前記2本の支台歯から外れないようにし、かつ
    前記中間欠損歯用義歯が、前記2本の支台歯の間で前記磁気引っ張り力によって保持されながら当該2本の支台歯に対して所定の量だけ平行移動できるように、前記金属冠の係合突出部が前記中間欠損歯用義歯の凸条摺動係合部内で摺動可能となっており、
    咬合時に前記中間欠損歯用義歯が、前記歯肉に押し付けられることで当該中間欠損歯用義歯及びこの両端の支台歯に加わる対向する咬合力を受け、かつ咬合した状態において、前記各凸条突出部と前記凸条摺動係合部の義歯本体側端部との間に一定の空間が形成されるようになっていることを特徴とする義歯とその取付けアタッチメント。
  14. 前記義歯の取り付け状態で見て、前記凸条突出部の歯肉側の端部とこれに対向する歯肉との間に所定の空間が形成されることを特徴とする請求項13に記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  15. 前記凸条に代えて前記溝部を摺動可能な突出部が前記金属冠に備わっていることを特徴とする請求項13又は請求項14の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  16. 前記支台歯として天然歯の代わりにインプラントが用いられ、当該インプラントに前記金属冠を取り付けるようになったことを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れかに記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  17. 請求項13乃至請求項15の何れかに記載の金属冠に取り付けることを特徴とする中間欠損歯用義歯。
  18. 請求項13乃至請求項15の何れかに記載の中間欠損歯用義歯に取り付けることを特徴とする金属冠。
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