JP2020097636A - 目止剤及びその利用 - Google Patents

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卓磨 小林
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浩幸 佐藤
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健夫 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】高温環境下でも幅の大きなフラクチャーを一時目止めすることができる目止剤等を提供する。【解決手段】坑壁を目止めする目止剤であって、上記目止剤は、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物から形成されたペレット及び粉体を含み、該ペレットは、23℃における押し込み硬度が37以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、坑壁を一時的に目止するための目止剤及びその利用に関する。
在来型石油坑井から産出される石油及びガス、並びに、近年注目を浴びているシェールガス及びシェールオイル等の炭化水素資源は、一般的には油及びガスを多く含む岩石層に穿孔掘削した井戸(坑井)を通じて生産される。
坑井の掘削、仕上げ作業には、坑井掘進中のドリル周辺から生じる堀屑を地表へ運搬したり、地下の圧力を調節して坑内の安定を保ち、地層崩壊を抑制したり、坑井内を冷却するために、循環流体(泥水又は仕上げ流体)が使用される。
ここで、生産層である貯留層が高浸透性地層であったり、シェール層に天然のフラクチャー(亀裂)が存在したりすると、高浸透性地層や坑壁の亀裂を通して流体が流失し、循環泥水量が減少したり、泥水柱圧力が低下したりすることがある。
その結果、坑井内の不安定化、掘削及び処理作業効率の低下、並びに、貯留層内に残存した流体による貯留層の生産障害を引き起こしてしまう虞があるだけでなく、高機能で高価な流体の流出による掘削コストの増大を招くことがある。そこで、流体の流出を極力抑制するために、分解可能な目止剤を用いて坑壁を一時的に目止めする方法が用いられている。
目止剤としては、一般的に炭酸カルシウム等が用いられているが、生産に移行する際には、酸処理によって目止剤である炭酸カルシウムを分解させる必要がある。この酸処理を行うための作業時間が必要となるうえ、酸処理が不十分だと目止剤である炭酸カルシウムの残存物等の不溶解性残渣物により資源回収量が低減する虞がある。
そこで、酸処理に要する作業時間を短縮しつつ酸処理コストを削減し、目止剤が残存することによる資源回収量の低減を防止するために、所定期間が経過すると分解して目止め機能が消失する分解性材料を用いた目止剤が注目されている。
特許文献1には、坑井を一時的に目止めするための分解性材料を含む粒子状等の目止剤が記載されている。
特許文献2には、温度93℃(200度F)〜204℃(400度F)において、40日以下の期間の目止め機能を有する合成樹脂含有の目止剤が記載されている。
米国特許出願公開第2008/0200352号公報 国際公開WO2015/072317号公報
生産が進むにつれて生ずる個々の坑井における石油ガス可採量の減少及び年々増加するエネルギー消費の増大に伴い、石油の開発は容易な場所からより厳しい条件の場所へと移り、気象条件の厳しい極地や海洋の大水深坑井開発領域での高深度坑井掘削等が求められている。特に、坑井の高深度化につれて、坑井の敷設条件が厳しくなり、例えば、地中約3000mを超える高深度では、場所によっては約110℃以上の高温環境となる。そこで、このような高温環境下においても、一時目止めすることができる目止剤が求められている。
また、フラクチャーには、種々の幅があり、なかでも、フラクチャーの開孔部又は内部における、裂け目の幅が、例えば、3mm以上程度の大きなフラクチャーを一時的に目止めすることができる目止剤が求められている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2には、目止剤が、このような大きなフラクチャーを一時目止めすることができることについて何ら記載されていない。
本発明は、上記課題に鑑みられたものであり、その目的は、高温環境下でも大きなフラクチャーを好適に一時目止めすることができる目止剤等を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、以下の本発明に達した。
本発明に係る目止剤は、坑壁を目止めする目止剤であって、上記目止剤は、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物から形成されたペレット及び粉体を含み、該ペレットは、23℃における押し込み硬度が37以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る目止剤において、上記ペレットの23℃における押し込み硬度は、98以下であることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記ポリウレタン樹脂は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を構成している脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つの脂肪族イソシアネートであることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を構成している芳香族イソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つの芳香族イソシアネートであることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び上記芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のうちの少なくとも1つは、ポリエステル骨格を含んでいることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記樹脂組成物は、さらに架橋剤を含み、
上記樹脂組成物における該架橋剤の含有量は、0.2重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記架橋剤は、多官能イソシアネート化合物、エチレン系不飽和基を有するモノマー、多価アミン、多価アルコール、及び多官能エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1つの架橋剤であることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記樹脂組成物は、充填剤をさらに含み、上記樹脂組成物における該充填剤の含有量は、2重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記充填剤は、有機又は無機の繊維状強化材であることが好ましい。
また、本発明に係る目止剤において、上記ペレットと上記粉体との重量比が5:95〜60:40であることが好ましい。
また、本発明に係る坑井流体は、上記目止剤を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る坑井掘削方法は、上記目止剤を使用して一時目止めを行うことを特徴とする。
本発明は、高温環境下でも幅の大きなフラクチャーを一時目止めすることができる目止剤等を提供する。
本発明の一実施形態に係る目止剤による目止め試験に用いられるプラグ試験機を概略的に示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
<目止剤>
本実施形態において、時限分解性目止剤(Time degradable-lost circulation materials)とは、典型的には、坑井掘削(坑井の敷設)の諸工程において、坑壁を一時的に目止めする目的で、坑井流体に配合される材料をいう。
本実施形態に係る目止剤は、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物から形成されたペレット及び粉体(パウダー)である。ここで、ペレットは、23℃における押し込み硬度が37以上である。また、ペレットを形成する樹脂組成物と粉体を形成する樹脂組成物とは同じ樹脂組成物であってもよく、異なる樹脂組成物であってもよい。
これにより、本実施形態に係る目止剤は、目止剤でフラクチャーを目止めした目止め部が、当該目止めにかかる圧力に耐えられず、変形又は崩壊し、目止めが解除されるまでの時間(目止め維持時間)を、110℃以上200℃以下において、例えば、1時間以上960時間(40日間)以下の範囲にすることができる。これにより、目止め中に坑井内外で行う各種作業時間を確保しつつ、各種作業が終了するまでに目止めを解除することができる。
また、本実施形態に係る目止剤によれば、例えば、110℃以上200℃以下の高温環境下でも、幅が3mm程度の大きなフラクチャーを一時目止めすることができる。
目止剤におけるペレットと粉体との重量比は、5:95〜60:40であることが好ましく、10:90〜55:45であることがより好ましく、15:85〜50:50であることがさらに好ましい。ペレットと粉体との重量比がこの好ましい範囲にあることで、大きなフラクチャーを隙間なく好適に一時目止めすることができる。
〔ペレット〕
ペレットは、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物によって形成されるペレットであって、23℃における押し込み硬度は37以上である。23℃における押し込み硬度は、37以上98以下であることが好ましく、37以上85以下であることがより好ましい。23℃におけるペレットの押し込み硬度が、37以上であるとき、目止剤は、柔らかすぎず、硬すぎもしないため、高温下において、好適に大きなフラクチャーを一時目止めすることができる。
本願ではペレットの押し込み硬度は、ISO7619/JIS K 6253のデュロメータタイプD硬度計を用いて測定する。より具体的には、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物を直径2.5mmφのストランド状に形成し、23℃において当該ストランドの押し込み硬度を測定する。より厳密には、押し込み硬度の測定において、ストランドは、長さ3mmに切断されている。すなわち、本願で定義する押し込み硬度は、デュロメータタイプD硬度計によって5kgfの荷重を加えて測定された直径2.5mmφ、長さ3mmの ペレットの硬度の値である。
押し込み硬度測定に用いるペレットの寸法は、投影断面において最も長い幅が0.5mm以上10mm以下、最も短い幅が0.5mm以上10mm以下のものである。また、ペレットの形状は、典型的には、円柱体であり、その他、円錐体、楕円体、球体、直方体、立方体、星形状、多面体又はそれらの一部を成す形状を有するものであり得る。
ペレットは、例えば、ポリウレタン樹脂である脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂等を溶融混練し、得られた樹脂組成物を公知の成形方法により適宜成形又は粉砕することによって作製することができる。なお、樹脂組成物に架橋剤を配合する場合、架橋剤を配合したポリウレタン樹脂を溶融混練するとよい。
溶融混練時の加熱温度及び時間は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の融点、及び架橋剤の反応温度を考慮して適宜調整するとよい。目止材に含まれるペレットは、溶融混練して得られた樹脂組成物を、適宜公知の方法によってペレット化することで得られる。また、ペレットは試験前に必要に応じて、成形加工時の機械的歪を除去し押し込み硬度を安定化させるために所定温度で所定時間熱処理してもよい。
〔粉体〕
粉体は、目止剤に含まれる粉体であり、樹脂組成物から形成されている。ここで、樹脂組成物は、ペレットを形成する樹脂組成物と同じ樹脂組成物であり得る。一例として、粉体は、凍結粉砕によってペレットを粉体状に粉砕したものであり得る。これによって、樹脂組成物から形成される粒子のメディアン径が小さな粉体を得ることができる。
粉体は、メディアン径(50%D)が、80μm以上800μm以下であることが好ましく、フラクチャーの開孔部又は内部における、裂け目の幅が広い程、粉体のメディアン径はより大きい方がより好ましい。これにより、ペレットと混合することによって、大きなフラクチャーの裂け目の幅が、1mm〜3mm程度であっても、目止め部の隙間がなく好適に一時目止めすることができる目止剤を得ることができる。
粉体の粒子の形状は、限定されるものではないが、球形状、鱗片状、楕円体状、角柱状、棒状、星形状、多角体状及び繊維状(短繊維)等であってもよく、小孔を有する多孔質状であってもよい。また、これらのうち、形状が異なるものの組み合わせ、及び粒径が異なるものの組み合わせであってもよい。
〔樹脂組成物〕
樹脂組成物は、目止剤に含まれるペレット及び粉体の主たる材料であり、ポリウレタン樹脂を含んでいる。
ポリウレタン樹脂は、一般的にはウレタン結合の有無によらず、イソシアネート化合物から誘導される高分子化合物を指す。具体的にはウレタン結合、場合によってはウレア結合又はアミド結合等の化学結合から構成される高分子化合物である。ポリウレタン樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、及び熱硬化性ポリウレタン樹脂を挙げることができる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂及び熱硬化性ポリウレタン樹脂は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂、及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂から形成され得る。よって、本明細書において、単に「ポリウレタン樹脂」と記載する場合、当該「ポリウレタン樹脂」には、「熱可塑性ポリウレタン樹脂」及び「熱硬化性ポリウレタン樹脂」、並びに、「脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂」、及び「芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂」の意味を包含する。
なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、加熱により繰り返し溶融状態とすることが可能なポリウレタン樹脂であり、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のうち、分枝状の構造を有するポリウレタン樹脂であってもよいが、直鎖状の構造を有するポリウレタン樹脂であることがより好ましい。
また、熱硬化性ポリウレタン樹脂とは、溶融状態のプレポリマーを加熱により硬化させて得られるポリウレタン樹脂である。より具体的には、熱可塑性ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂のプレポリマーを架橋剤によって架橋することによって得ることができるポリウレタン樹脂である。なお、熱硬化性ポリウレタン樹脂は、以下の(i)〜(iii)のような成形加工法によって得られるものを挙げることができる。
(i)ミラブルガム型成形加工法
例えば、ポリエステルポリオール等の骨格と、脂肪族イソシアネート又は芳香族イソシアネートに由来する構造とを備えたヒドロキシル基末端プレポリマーを生成し、ロール練りで架橋剤を練り込み、鋳型に入れて加熱し、架橋を進行させることで得られる。
(ii)キャスト型成形加工法
例えば、ポリエステルポリオール等の骨格と、脂肪族イソシアネート又は芳香族イソシアネートに由来する構造とを備えたイソシアネート基末端プレポリマーを生成し、これに架橋剤を添加した後の液状の混合物を型に注ぎ、末端を鎖延長または架橋により連結させることで得られる。
(iii)熱可塑型成形加工法
例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂のペレットを加熱により溶融させ、押出成形または射出成形を経て得られる。また、溶融の際に必要に応じて架橋剤を添加すれば部分架橋したポリウレタン樹脂が得られる。また、架橋剤を添加した熱可塑性ポリウレタン樹脂を必要に応じ所定温度で所定時間熱処理することにより架橋を進行させることができ、硬度の調整ができる。
〔硬度の調整〕
ここで、樹脂組成物から形成されるペレットの押し込み硬度は、(1)複数のポリウレタン樹脂の併用、(2)架橋剤によるポリウレタン樹脂の架橋、及び架橋剤を添加したポリウレタン樹脂の熱処理(3)電子線照射によるポリウレタン樹脂の架橋、及び、(4)充填剤の配合によって調整される。
(1)複数のポリウレタン樹脂の併用
一実施形態において、ペレットの押し込み硬度は、硬度が異なる複数のポリウレタン樹脂を併用することによって調整することができる。
樹脂組成物の硬度を調整するためのポリウレタン樹脂には、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂とが挙げられる。ここで、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、一般的に硬度が低く、分解速度が速い。また、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂より硬度が高く、分解速度が遅い。
脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂との重量比は、80:20〜0:100の範囲であることが好ましく、70:30〜0:100の範囲であることがより好ましく、60:40〜0:100の範囲であることがさらに好ましい。これにより、樹脂組成物の押し込み硬度が所定の範囲内になるように好適に調整することができる。よって、110℃〜200℃という高温環境下において、坑壁を一時的に目止することができる目止剤を好適に製造することができる。
ここで、目止剤が、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を含んでいる場合、目止め維持時間は、硬度の低い脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の目止め維持時間と、硬度の高い芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の目止め維持時間との間の時間となる。なお、ここでいう目止め維持時間とは、目止剤で大きなフラクチャーを目止めした目止め部が、当該目止めにかかる圧力に耐えられず、変形又は崩壊し、目止めが解除されるまでの時間のことをいう。圧力に耐えられなくなる理由としては、例えば、目止剤に含まれる上述の樹脂組成物の経時的な強度が低下することが挙げられる。
したがって、目止剤において、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂との混合割合を変更することによって、目止め維持時間を調整することが可能となる。すなわち、坑井掘削するときの状況に適した目止め維持時間に調整することができる。
なお、例えば、樹脂組成物として熱硬化性ポリウレタン樹脂を採用する場合、脂肪族イソシアネートに由来する構造を含むプレポリマーと、芳香族イソシアネートに由来する構造を含むプレポリマーとの重量比を、80:20〜0:100の範囲になるように混合し、後述する架橋剤によって架橋を進行させることで、樹脂組成物の押し込み硬度を調整してもよい(ミラブルガム型成形加工法又はキャスト型成形加工法)。
〔脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂〕
脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、非環式又は環式の脂肪族イソシアネートに由来する構造を有するポリウレタン樹脂である。つまり、本明細書中において、「脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂」とは、ポリウレタン樹脂を生成するためのイソシアネートが「脂肪族イソシアネート」であることによって規定される。つまり、「脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂」とは、ポリウレタン樹脂の主鎖を構成するポリエステル骨格等の骨格が「脂肪族」炭化水素骨格を有しているか否かによって規定されない。
脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、脂肪族イソシアネートを用いて生成されるポリウレタン樹脂であり、脂肪族イソシアネートには、典型的には、脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。ここで、脂肪族ジイソシアネートには、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂には、脂肪族ジイソシアネートと、これら脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート化合物(三量体)が併用されていてもよい。なかでも、脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)であることがより好ましい。なお、本明細書中において、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を用いて生成された脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のことを、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリウレタン樹脂(HDI系ポリウレタン樹脂)と称することもある。
脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する骨格は、例えば、ポリエーテル骨格、ポリエステル骨格、ポリエーテルエステル骨格、及びポリ(メタ)アクリレート骨格等が挙げられ、これらの骨格は脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖として併存してよい。なかでも、所望の硬度及び加水分解性を得ることができるという観点から、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する骨格は、ポリエステル骨格、及びポリエーテルエステル骨格の何れか又は両方であることが好ましい。特に、ポリエステル骨格、又はポリエーテルエステル骨格を含むポリオールはポリエステルポリオールと呼ばれ、例えば、ポリエステルポリオールと芳香族イソシアネートを反応させることで、目止剤として好適な芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂が得られる。
ここで、ポリエステル骨格は、限定されるものではないが、グリコリド、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、及びε-カプロラクトン等を開環重合することによって形成される骨格、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、及びフタル酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等のジオールを縮合して形成される骨格、又はこれらを組み合わせて形成される骨格であり得る。
また、ポリエーテルエステル骨格は、繰り返し単位における炭素数1〜6のポリエーテル構成単位と、繰り返し単位における炭素数2〜20のポリエステル構成単位の共重合体であり得る。ここで、ポリエーテル構成単位としては、例えば、ポリアセタール、ポリエチレングリコール、及び、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、ポリエステル構成単位としては上述のポリエステル骨格が挙げられる。
また、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、10,000以上、250,000以下であることが好ましく、50,000以上、200,000以下であることがより好ましく、100,000以上、150,000以下であることが最も好ましい。脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が、10,000以上、250,000以下であれば、適度な加水分解性を備えた目止剤を得ることができる。
脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、典型的には、以下の化学式(I)に示されるものが好ましい。
Figure 2020097636
ここで、化学式(I)において、mは1以上10以下の整数であり、nは20以上130以下の整数である。
脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の製品としては、例えば、ディーアイシーコベストロポリマー株式会社製のパンデックス(登録商標)T−R3080等を挙げることができる。
また、これら脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を形成することができるイソシアネート末端、若しくは水酸基末端又はカルボキシル基末端のプレポリマーは、熱硬化型ポリウレタン樹脂を得るために好適に使用することができる。
〔芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂〕
芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、芳香環を有しているイソシアネートに由来する構造を有するポリウレタン樹脂である。つまり、本明細書中において、「芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂」とは、ポリウレタン樹脂を生成するためのイソシアネートが「芳香族イソシアネート」であることによって規定される。つまり、「芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂」とは、ポリウレタン樹脂の主鎖を構成するポリエステル骨格等の骨格が「芳香族」炭化水素骨格を有しているか否かによって規定されない。
芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、芳香族イソシアネートを用いて生成されるポリウレタン樹脂であり、芳香族イソシアネートには、典型的には、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。ここで、芳香族ジイソシアネートには、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂には、芳香族ジイソシアネートと、これら芳香族ジイソシアネートのイソシアヌレート化合物(三量体)が併用されていてもよい。なかでも、芳香族イソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であることがより好ましい。なお、本明細書中において、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いて生成された芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のことを、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリウレタン樹脂(MDI系ポリウレタン樹脂)と称することもある。
芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する骨格は、例えば、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する骨格と同じく、ポリエーテル骨格、ポリエステル骨格、ポリエステルポリオール骨格、ポリエーテルエステル骨格、及びポリ(メタ)アクリレート骨格等が挙げられ、これらの骨格は芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖として併存してよい。なかでも、所望の硬度及び加水分解性を得ることができるという観点から、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する骨格は、ポリエステル骨格、及びポリエーテルエステル骨格の何れか又は両方であることが好ましい。特に、ポリエステル骨格、又はポリエーテルエステル骨格を含むポリオールはポリエステルポリオールと呼ばれ、少なくともエステル骨格を含み、例えば、ポリエステルポリオールと芳香族イソシアネートとを反応させることで、目止剤として好適な芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂が得られる。
ここで、ポリエステル骨格は、限定されるものではないが、グリコリド、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、及びε-カプロラクトン等を開環重合することによって形成される骨格、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、及びフタル酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等のジオールとを縮合して形成される骨格、又はこれらを組み合わせて形成される骨格であり得る。
また、ポリエステルポリオール骨格は、繰り返し単位における炭素数1〜6のポリエーテル構成単位と、繰り返し単位における炭素数2〜20のポリエステル構成単位との共重合体であり得る。ここで、ポリエーテル構成単位としては、例えば、ポリアセタール、ポリエチレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、ポリエステル構成単位としては上述のポリエステル骨格が挙げられる。
また、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、5,000以上、100,000以下であることが好ましく、10,000以上、70,000以下であることがより好ましく、15,000以上、50,000以下であることが最も好ましい。芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が、5,000以上、100,000以下であれば、適度な加水分解性を備えた目止剤を得ることができる。
芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂は、典型的には、以下の化学式(II)に示されるものが好ましい。
Figure 2020097636
ここで、化学式(II)において、mは1以上10以下の整数であり、nは5以上40以下の整数である。
化学式(II)に示されるMDI系ポリウレタン樹脂の製品としては、例えば、ディーアイシーコベストロポリマー株式会社製のパンデックス(登録商標)T−5070等を挙げることができる。
また、これら芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を形成することができるイソシアネート末端、若しくは水酸基末端又はカルボキシル基末端のプレポリマーは、熱硬化型ポリウレタン樹脂を得るために好適に使用することができる。
(2)架橋剤による架橋
一実施形態において、目止剤は、樹脂組成物に架橋剤を配合することにより、樹脂組成物から形成されるペレットの23℃における押し込み硬度を調整する。
架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、エチレン系不飽和基を有するモノマー、多価アミン、多価アルコール、及び多官能エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1つの架橋剤であることが好ましい。また、これらの複数の組み合わせにより、ポリウレタン樹脂中において網目状の架橋構造を形成することができる。このため、樹脂組成物の硬度を好適に調製することができる。
なお、架橋剤は、上述の通り、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂に加えてもよく(熱可塑型成形加工法)、これらポリウレタン樹脂を形成するためのプレポリマーに加えてもよい(ミラブルガム型成形加工法及びキャスト型成形加工法)。
(2.1)多官能イソシアネート化合物
樹脂組成物は、架橋剤として多官能イソシアネート化合物を含み得る。多官能イソシアネート化合物は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のうちの何れか一方又は両方を溶融混練するときに、これらポリウレタン樹脂の末端又は主鎖に存在する活性水素を有する官能基に架橋する(熱可塑型成形加工法)。
多官能イソシアネート化合物としては、例えば、上述の脂肪族ジイソシアネート、及び芳香族ジイソシアネート、並びに、これら脂肪族ジイソシアネート又は芳香族ジイソシアネートから形成されるイソシアヌレートが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物は、一例として、下記一般式(III)に示すように、イソシアネート基がポリウレタン樹脂の主鎖に存在するウレタン結合とアロファネート結合する。
Figure 2020097636
これによって、1つのポリウレタン樹脂の主鎖と、別のポリウレタン樹脂の主鎖とを多官能イソシアネート化合物を介して架橋する。なお、ポリウレタン樹脂が尿素結合を有している場合、多官能イソシアネートは、当該尿素結合とビューレット結合を形成し得る。このような、ビューレット結合によっても、多官能イソシアネート化合物は、1つのポリウレタン樹脂の主鎖と、別のポリウレタン樹脂の主鎖とを多官能イソシアネート化合物を介して架橋する。
架橋剤を脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂に添加する場合には、添加前の脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、架橋剤との重量比が、99.8:0.2〜50:50の範囲となるように架橋剤を添加することが好ましい。脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、架橋剤との重量比が、99.7:0.3〜60:40の範囲となるように添加することがより好ましく、99.6:0.4〜70:30の範囲となるように添加することがさらに好ましい。上述の範囲で架橋剤を添加することにより、架橋した脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の硬度がより高くすることができる。よって、高温環境下において、より好適に細孔を一時目止めすることができる目止剤を得ることができる。なお、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のプレポリマーに架橋剤を添加する場合には、該プレポリマーと、架橋剤との重量比は、99.8:0.2〜50:50の範囲となるように架橋剤を添加することが好ましい(ミラブルガム型成形加工法)。つまり、該プレポリマーと、架橋剤との重量比の好ましい範囲は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、架橋剤との重量比の好ましい範囲に準じている。
また、架橋剤を芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂に添加する場合には、添加前の芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、架橋剤との重量比が、100:0〜50:50の範囲となるように架橋剤を添加することが好ましい。芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、架橋剤との重量比が、99.7:0.3〜60:40の範囲となるように添加することが好ましく、99.6:0.4〜70:30の範囲となるように添加することがさらに好ましい。上述の範囲で架橋剤を添加することにより、架橋した芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂の硬度がより高くなり、高温下において、より好適に細孔を一時目止めすることができる。なお、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のプレポリマーに架橋剤を添加する場合には、該プレポリマーと、架橋剤との重量比は、100:0〜50:50の範囲となるように架橋剤を添加することが好ましい(ミラブルガム型成形加工法)。つまり、該プレポリマーと、架橋剤との重量比の好ましい範囲は、芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂と、架橋剤との重量比の好ましい範囲に準じている。
なお、これら多官能イソシアネート化合物のうちの一部は、未反応の状態にて目止剤中に存在し得る。
(2.2)エチレン系不飽和基を有するモノマー
架橋剤には、例えば、エチレン系不飽和基を有するモノマーを用いることができる。
エチレン系不飽和基を有するモノマーには、例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及び、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、このような、エチレン系不飽和基を有する架橋剤は、例えば、有機過酸化物等のラジカル重合開始剤と併用するか、若しくは、電子線を照射することによって架橋させることができる。例えば、ポリウレタン樹脂に、エチレン系不飽和基を有する架橋剤を配合し、溶融混練することで樹脂組成物を得た後、該樹脂組成物を粉砕し、電子線照射を行なうことで該樹脂組成物の硬度を調整する。このとき、樹脂組成物に含まれるエチレン系不飽和基を有する架橋剤は、互いに重合しつつ、ポリウレタン樹脂の主鎖にも架橋し得る。
電子線の照射線量としては、例えば、5kGy以上150kGy以下が好ましく、10kGy以上120kGy以下がより好ましく、20kGy以上100kGy以下がさらに好ましい。
(2.3)多価アミン、及び多価アルコール
架橋剤には、例えば、多価アミン、又は多価アルコールを用いることができる。多価アミン、又は多価アルコールは、ポリウレタン樹脂との溶融混練の際に、ポリウレタン末端に残存するイソシアネート基と反応することにより架橋する。また、ポリエステル骨格、又はポリエーテルエステル骨格を有するポリウレタン樹脂においては、主鎖に存在するエステル基とエステル交換反応を生じることによって、新たに生成したアミド結合、又はエステル結合を介して架橋構造を形成することができる。特に、末端イソシアネート基が存在しない、又は微量にしか存在しないポリウレタン樹脂においては、多価アミン、又は多価アルコールと上述の多官能イソシアネート化合物とを併用することにより、ポリウレタン樹脂組成物の硬度を好適に調製することができる。なお、多価アミン、及び多価アルコールは、イソシアネート基末端のプレポリマーを架橋する架橋剤でもある(キャスト型成形加工法)
多価アミンとしては、例えば、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−メチレンビス−2−クロロアニリン、及び、トリメチレンビス(4−アミノベンゾアート)等が挙げられる。
多価アルコールには、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、及び、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等のアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及び、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール、並びに、ビスフェノールA等のビスフェノール類等を用いることができる。また、三価以上のアルコール類として、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及び、ペンタエルスリトール等を併用することができる。
(2.4)多官能エポキシ化合物
架橋剤には、例えば、多官能エポキシ化合物を用いることができる。多官能エポキシ化合物は、ポリウレタン樹脂との溶融混練の際に、ポリウレタン末端に残存するヒドロキシル基と反応することにより架橋する。また、ポリエステル骨格、又はポリエーテルエステル骨格を有するポリウレタン樹脂においては、末端に存在するカルボキシル基と反応することによって、架橋構造を形成することができる。特に、末端ヒドロキシル基やカルボキシル基が存在しないポリウレタン樹脂、又は微量にしか存在しないポリウレタン樹脂においては、多官能エポキシ化合物と上述の多価アミン、又は多価アルコールとを併用することにより、ポリウレタン樹脂組成物の硬度を好適に調整することができる。
多官能エポキシ化合物としては、例えば、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、及び、ポリ(メタクリル酸グリシジル)等が挙げられる。
(2.5)熱処理
架橋剤を添加したポリウレタン樹脂を、熱処理にすることによりさらに架橋を進めることで、当該ポリウレタン樹脂の硬度を調整することができる。熱処理により架橋を進めるには、架橋剤を添加したポリウレタン樹脂を、所定温度で所定時間保持することにより行うことができる。熱処理時の雰囲気は、必要に応じ、空気中又は窒素等の不活性ガス中、若しくは減圧下で行ってもよい。
(3)電子線照射
また、溶融押出した樹脂組成物に電子線照射することによって、ポリウレタン樹脂の主鎖を切断、又は架橋することによって、樹脂組成物の硬度を調整してもよい。この場合、樹脂組成物は架橋剤を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
電子線の照射線量としては、例えば、5kGy以上150kGy以下が好ましく、10kGy以上120kGy以下がより好ましく、20kGy以上100kGy以下がさらに好ましい。ここで、電子線の照射線量の値が小さすぎる場合には、ポリウレタン樹脂組成物の硬度が十分に高くならず、照射線量の値が大きすぎる場合には、ポリウレタン樹脂の主鎖が必要以上に切断され硬度が低下する。これに対し、電子線の照射線量が上述の好ましい範囲であるとき、細孔を好適に一時目止めできる目止材が得られる。
(4)充填剤の配合
目止剤は、充填剤を含んでいてもよい。充填材は、有機又は無機の繊維状強化材、及び、顆粒状又は粉末状強化材等を挙げることができ、これらは、単独で、又は、2種類以上を組み合わせて使用することができる。
繊維状強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維及びチタン酸カリ繊維等の無機繊維状物、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅及び真鍮等の金属繊維状物、並びに、アラミド繊維、ケナフ繊維、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂等の高融点有機質繊維状物質等を挙げることができる。
顆粒状又は粉末状強化材としては、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、フェライト、クレー、ガラス粉、酸化亜鉛、炭酸ニッケル、酸化鉄、石英粉末、炭酸マグネシウム及び硫酸バリウム等を挙げることができる。充填剤は、必要に応じて、集束材又は表面処理剤により処理されていてもよい。ペレット及び/又は粉体を形成する樹脂組成物に充填剤が含まれていることで、当該樹脂組成物の硬度をより高くすることができる。
充填剤を樹脂組成物に添加する場合には、樹脂組成物における充填剤の含有量が、2重量%以上30重量以下となるように添加することが好ましく、3重量%以上25重量%以下となるように添加することがより好ましく、4重量%以上20重量%以下となるように添加することがさらに好ましい。ここで、充填剤の含有量が少なすぎる場合には、ポリウレタン樹脂組成物の硬度が十分に高くならず、充填剤の含有量が多すぎる場合には、ポリウレタン樹脂の分解後も充填剤が残存することで目止めを十分に解除できないことがある。これに対し、樹脂組成物における充填剤の含有量が上述の好ましい範囲であるとき、当該樹脂組成物を含む目止剤と、キサンタンガム及び頁岩安定剤等とを含有する強アルカリ性の坑井流体(泥水)を使用しても、例えば、幅が0.5mm以上10mm以下の大きなフラクチャーを好適に目止めすることができる。
充填材の大きさ(径及び長さ等)は、目止剤の粒径に大きく影響を与えない範囲であればよく、例えば、1μm以上3,000μm以下であってもよく、3μm以上1,000μm以下が好ましく、5μm以上500μm以下がより好ましい。
〔樹脂組成物におけるその他の配合剤〕
本実施形態に係る目止剤は、本実施形態の目的を阻害しない範囲で、目止剤において通常添加される種々の配合剤をさらに含有させることができる。例えば、分解促進剤、酸化防止剤、及び、分解抑制剤等の各種の添加剤を挙げることができる。これら各種の添加剤は、夫々単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(分解促進剤)
目止剤は、分解促進剤を含んでいてもよい。分解促進剤は、目止剤に含まれる樹脂組成物の分解を促進するものであり、酸及び酸前駆体を挙げることができ、酸前駆体がより好ましい。
より具体的には、分解促進剤としては、グリコリド及びラクチド等のラクトン類、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)等の酸無水物、シュウ酸ジエチル等のカルボン酸エステル類、p−トルエンスルホン酸エチル等のスルホン酸エステル類、並びに、リン酸エステル類等が挙げられる。
樹脂組成物における分解促進剤の含有量としては、例えば、0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、0.3重量%以上15重量%以下がより好ましく、0.5重量%以上10重量%以下がさらに好ましい。上述の好ましい範囲によれば、分解促進剤の含有量が少なすぎないため、分解促進効果が十分である。また、含有量が多すぎないため、初期硬度が低下せず、十分な目止維持時間を得られる。
<坑井流体>
本実施形態に係る坑井流体は、上述の目止剤を含む。
坑井流体としては、特に限定されないが、例えば、泥水を挙げることができる。
本実施形態に係る目止剤は、泥水の中でも、特に水系の泥水への分散性及び濡れ性が、泥水に含まれる脱水減少剤の一つであるデンプン誘導体等に比べてよい。坑井処理流体において目止剤の分散性が高いことは、大きなフラクチャーを効率良く目止めするために有効であり、坑井処理流体を坑井に注入するためのツール(例えば、ドリル及びその周辺部材等)における目止剤による詰まりを防止することにも寄与する。このため、坑井流体は、なかでも水系の泥水が好ましい。
本実施形態に係る坑井流体は、当該坑井流体を使用する坑井孔内の環境、特に、高温環境の温度又は圧力に応じて、目止剤に含有される樹脂組成物の種類、物性、組成(添加剤等を含む)、形状、及び、大きさ等を適宜選択し、組み合わせることができる。したがって、本実施形態に係る目止剤は、異なる材料又は材料の組み合わせを使用してもよい。
本実施形態に係る坑井流体における上述の目止剤の含有量は、特に限定されず、通常1重量%以上20重量%以下であり、5重量%以上15重量%以下が好ましい。
本実施形態に係る坑井流体には上述の目止剤のほか、本実施形態の目的を阻害しない範囲で、坑井流体において通常添加される種々の配合剤を含有させることができる。例えば、バライト(BaSO)及び炭酸カルシウム等の無機系加重剤、NaCl、KCl及びCaCl等のアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化合物(塩類)の粘土膨潤抑制剤、又はソリッドフリーの比重調整剤、AMPSポリマー、キサンタンガム、グアーガム及びカルボキシメチルセルロース(CMC)等の有機コロイド剤(増粘剤)、無機コロイド剤(粘土類等)、分散解コウ剤、界面活性剤、pH調整剤、他の逸泥防止剤、転換剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、殺菌剤並びに、防食防止剤等が挙げられ、坑井流体を使用する坑井孔内の環境に応じた濃度で含有させることができる。
<坑井掘削方法>
本実施形態に係る坑井掘削方法は、上述の目止剤を使用して一時目止めを行う。
例えば、本実施形態に係る坑井掘削方法では、上述の目止剤を、例えば、ドリルを使用しての貯留層区間における坑井掘削、シェールガス・オイル等を産出するシェール層等の坑井掘削において使用することができる。また、本実施形態に係る坑井掘削方法では、本実施形態に係る目止剤を含有する目止剤の流体を、坑井流体を坑井孔内に流入させるのに先立って、坑井内に流入させてもよい。
また、本実施形態に係る目止剤を使用する環境、特に、高温環境の温度又は圧力に応じて、目止剤に含まれる樹脂組成物の種類、物性、組成、形状、及び、大きさを適宜選択し、組み合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
実施例1〜18及び比較例1〜3について、それぞれ以下に示す条件で目止剤を作製した。
<実施例1>
〔評価用目止剤の製造〕
(ペレット及びパウダーの製造)
まず、ポリブチレンアジペート骨格を有するHDI系ポリウレタン樹脂として、ディーアイシーコベストロポリマー株式会社製のパンデックス(登録商標)T−R3080を1,800g秤量し、ポリエチレン袋に投入した。また、架橋剤としてMDIを200g秤量し、当該ポリエチレン袋に投入した。すなわち、架橋剤を添加後のHDI系ポリウレタン樹脂に対する含有量が10重量%となるように架橋剤を添加した。架橋剤の添加後、ポリエチレン袋を持ってハンドシェイクすることで、ポリエチレン袋内のHDI系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを3分間撹拌し、混合物(ブレンド物)としての樹脂組成物を得た。ブレンド物を得た後、以下の混練押出機を使用して、ブレンド物を温度230℃において5分間溶融混練し、ダイスから溶融押出した。
・混練押出機:2D30W2(東洋精機製作所株式会社製)
・スクリューサイズ:直径30mmφ、L/D=30
・スクリュー回転速度:50rpm
・ペレタイザー:型式SCF−150(いすず化工機株式会社製)
溶融押出して得られたブレンド物をストランドとした後に、ペレタイザーを通して、直径2.5mmφ×長さ3mmのペレットを得た。このように、ペレットの長片の最大長さは3mmだった。
(熱処理)
溶融押出して得られたペレットを、高杉製作所株式会社製の熱風強制循環式乾燥機TDH−3を用いて、120℃において12時間熱処理した。
(ペレットに対する電子線の照射)
日本電子照射サービス株式会社製の電子線照射装置を用いて、熱処理後のペレットに電子線を60kGy照射した。
(押し込み硬度の測定)
ペレットに電子線を照射した後、硬度計を用いてペレットの硬度を荷重5kgf下で測定した。なお、硬度計としては、テクロック株式会社製のデュロメータタイプD硬度計 GS−720Rを使用した。表3に示す通り、電子線照射後のペレットの23℃における押し込み硬度は38だった。
(ペレットの粉砕)
次に、熱処理後のペレットの一部を、以下に示す粉砕機を用いて、液体窒素浸漬による凍結粉砕法により粉砕し、粉体(パウダー)を作製した。ここで、液体窒素中に5分間浸漬して冷却したペレットを125g/minで粉砕機に投入し、それと同時に、液体窒素も粉砕機に投入した。
・粉砕機:イクシードミル EM−1A型(槙野産業株式会社製)
・回転盤:
ピンディスク直径:160mm
ピン直径:3.5mm
ピン長さ:19mm
本体側ピン本数:178本
本体側ピン配列:3列
本体側ピン間隔:3.5mm
ドア側ピン本数:168本
ドア側ピン配列:3列
ドア側ピン間隔:2.5mm
・粉砕回転数:本体側ピンディスク:8000rpm(133Hz)
・ドア側ピンディスク:12000rpm(200Hz)
(パウダーのメディアン径(50%D)の測定)
得られたパウダーのメディアン径(50%D)を、レーザ回折式粒子径分布測定装置である、島津製作所株式会社製のSALD3000を用いて測定した。表3に示す通り、パウダーのメディアン径(50%D)は396μmであった。
(評価用目止剤の製造)
電子線照射後のペレットを7g、パウダーを28g秤量し、ポリエチレン袋に投入した後、ハンドシェイクで3分間撹拌し、ペレットとパウダーとのブレンド物を得た。このように、ペレットとパウダーとを重量比20:80で混合し、評価用目止剤を得た。
〔評価用流体(以下、評価用泥水ともいう)の製造〕
得られた評価用目止剤と、以下の表1の各成分とを、表1に示す重量比で混合し、評価用泥水を作製した。
Figure 2020097636
なお、表1における10重量%塩化ナトリウム水溶液における塩化ナトリウムは、純正化学株式会社製である。AMPSポリマーは、株式会社テルナイト製のDriscal(登録商標)−Dである。架橋デンプンは株式会社テルナイト製のテルポリマーDXである。脱酸素剤は、株式会社テルナイト製のテルナイト(登録商標)OS−5である。
〔目止め評価〕
目止め評価は、図1に示すスロットディスクを含むプラグ試験機(Fann Instrument Company製のFliter Press HPHT 500ML)を用いた目止め試験により行った。目止め試験においては、幅1mm長さ20mmの長方形状の孔隙を有する直径63mm厚み6mmのスロットディスク(材質:SUS304)を使用した。
以下に、目止め試験について、図1を用いながら説明する。図1は、評価用泥水の閉塞性能を評価する試験に用いられるプラグ試験機を概略的に示した図である。
図1に示すように、評価用目止剤を混入した評価用泥水をプラグ試験機に入れた後、プラグ試験機に上から200psiの圧力をかけ、23℃における初期目止め性を確認した。ここでいう初期目止め性は、上から圧力をかけることによって、目止剤がスロットディスクの孔隙の上にケーク層を形成することができるかどうかを確認することを意味し、ケーク層の形成を確認することができた場合には、初期目止め性があると判断した。
初期目止め性の確認後、プラグ試験機に上から200psiの圧力をかけたまま、23℃から120℃まで昇温し、保持した。昇温後、プラグ試験機に上から500psiの圧力をかけた。これにより、スロットディスクに上から500psiの圧力がかかるようにした。
500psiに昇圧後、温度及び圧力を保持した状態で目止め試験を開始した。
ここで、上述のように、スロットディスクには幅1mm長さ20mmの長方形状の孔隙があり、容器から、当該孔隙を介して、水が透過するようになっている。そこで、所定時間毎のフィルターからの透水量を測定した。
所定時間毎の透水量が増大した時点で透水回復点(一時目止めが解除された点)とし、目止め試験を終了した。
目止め試験を開始したときから、透水回復点に達するまでの時間を目止め維持時間とし、当該目止め維持時間が1時間以上960時間(40日間)以下である場合に、目止め評価を「○」とし、それ以外のときに目止め評価を「×」とした。
なお、120℃における目止め維持時間が12時間以上のものについては、目止め維持時間が12時間経過する毎に、目止め維持時間の測定を中断し、以下の(1)〜(3)を繰り返した。
(1)図1に示す容器とは別のオートクレーブ容器中で、予め120℃において目止め試験開始時から保持している評価用泥水を、当該オートクレーブ容器から取り出した。なお、当該評価用泥水の組成は、表1の評価用泥水と同様の組成である。
(2)取り出した評価用泥水から目止剤を濾別し、水洗した。この目止剤は、120℃において目止め開始時から保持しているものであるため、図1に示す容器内の経時劣化し、分解した状態の目止剤と実質的に同程度分解した状態のものであるといえる。
(3)分解した状態の目止剤を用いて新たに評価用泥水を作製し、新たなプラグ試験機の容器に投入した。投入後、目止め維持時間の測定を再開した。このように、12時間毎に、プラグ試験機内の評価用泥水と実質的に同じ評価用泥水をプラグ試験機の容器に投入し、目止め試験を継続した。
この方法を用いた場合には、(1)〜(3)の繰り返し後に透水回復点が観測された時点において、予め120℃のオートクレーブ容器中で保管した時間と、プラグ試験機における試験再開後から透水回復点が観測されるまでの時間の和を目止め維持時間とした。
以上の条件で目止め試験を行った結果、表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は120時間だった。
<実施例2>
実施例2では、HDI系ポリウレタン樹脂の代わりに、ポリカプロラクトン骨格を有するMDI系ポリウレタン樹脂を用いて、これらに熱処理を行わず、電子線を照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にペレット及びパウダーを作製した。なお、MDI系ポリウレタン樹脂としては、23℃におけるデュロメータタイプD硬度が60のディーアイシーコベストロポリマー株式会社製のパンデックス(登録商標)T−5070を使用した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度(硬度)は68だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は334μmだった。
ペレットと、パウダーとを、実施例1と同じ重量比で同様に混合し、評価用目止剤を作製した。また、評価用目止剤から実施例1と同様に評価用泥水を作製し、実施例1と同様の方法で幅1mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は224時間だった。
<実施例3>
実施例3では、架橋剤として、MDIを用い、当該架橋剤をMDI系ポリウレタン樹脂に対して10重量%添加し、ペレットに実施例1と同様に熱処理した以外は、実施例2と同様にペレット及びパウダーを作製した。
架橋剤の添加の方法としては、以下のように行った。すなわち、まず、MDI系ポリウレタン樹脂を1800g秤量し、ポリエチレン袋に投入した。また、架橋剤としてMDIを200g秤量し、当該ポリエチレン袋に投入した。架橋剤の添加後、ポリエチレン袋を持ってハンドシェイクすることで、ポリエチレン袋内のMDI系ポリウレタン樹脂と架橋剤とを3分間撹拌し、ブレンド物を得た。ブレンド物を得た後の溶融押出は、上述の実施例と同様に行った。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は73だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は402μmだった。
ペレットと、パウダーとを、上述の実施例と同じ重量比で同様に混合し、評価用目止剤を作製した。作製した評価用目止剤から上述の実施例と同様に評価用泥水を作製し、上述の実施例と同様の方法で、幅1mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は672時間だった。
<実施例4>
実施例4では、架橋剤の添加量を10重量%から20重量%に変更した以外は、実施例3と同様にペレット及びパウダーを作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は73だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は203μmだった。
ペレットと、パウダーとを、重量比40:60で混合し、評価用目止剤を作製した。評価用目止剤から、上述の実施例と同様に評価用泥水を作製し、上述の実施例と同様の方法で、幅1mmのスロットディスクを用いて149℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は3時間だった。
<実施例5>
実施例5では、架橋剤の添加量を20重量%から30重量%に変更した以外は、実施例4と同様にペレット及びパウダーを作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は71だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は、146μmだった。
ペレットと、パウダーとを、実施例4と同じ重量比で混合し、評価用目止剤を作製した。評価用目止剤から、上述の実施例と同様に評価用泥水を作製し、上述の実施例と同様の方法で、幅1mmのスロットディスクを用いて149℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は4時間だった。
<実施例6>
実施例6では、ベースとなる樹脂組成物として、上述のMDI系ポリウレタン樹脂に加え、上述のHDI系ポリウレタン樹脂をさらに含む以外は、実施例2とペレット及びパウダーを作製した。
より具体的には、上述のMDI系ポリウレタン樹脂を1,000g秤量し、HDI系ポリウレタン樹脂を1,000g秤量し、ポリエチレン袋に投入した。投入後、上述の実施例と同様にハンドシェイクし、MDI系ポリウレタン樹脂と、HDI系ポリウレタン樹脂とを撹拌し、ブレンド物を得た。このように、MDI系ポリウレタン樹脂と、HDI系ポリウレタン樹脂とを重量比50:50で混合した。その後、上述の実施例と同様に、ブレンド物を溶融押出(溶融混練)して、ペレットと、パウダーとを得た。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は38だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は352μmだった。
ペレットと、パウダーとを、重量比40:60で混合し、評価用目止剤を作製した。評価用目止剤から、上述の実施例と同様に評価用泥水を作製し、上述の実施例と同様の方法で、幅1mmのスロットディスクを用いて110℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、110℃における目止め維持時間は2時間だった。
<実施例7>
実施例7では、プラグ試験機におけるスロットディスクの幅を1mmから3mmに変えた以外は、実施例3と同じ条件で評価用目止剤及び評価用泥水等を作製し、上述の実施例と同様の方法で、120℃において目止め試験を行った。
表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は168時間だった。
<実施例8>
実施例8では、120℃の代わりに149℃において目止め試験した以外は実施例7と同じ条件で評価用目止剤及び評価用泥水等を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて目止め評価を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は2時間だった。
<実施例9>
実施例9では、ペレット及びパウダーに、さらに電子線を20kGy照射した以外は、実施例3と同様に評価用目止剤を作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は74、パウダーのメディアン径(50%D)は448μmだった。
得られた評価用目止剤から上述の実施例と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は4時間だった。
<実施例10>
実施例10では、ペレット及びパウダーに電子線を20kGy照射する代わりに、60kGy照射した以外は、実施例9と同様に評価用目止剤を作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は74、パウダーのメディアン径(50%D)は402μmだった。
得られた評価用目止剤から上述の実施例と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は336時間だった。
<実施例11>
実施例11では、ペレットと、パウダーとを重量比20:80で混合する代わりに、重量比40:60で混合する以外は、実施例10と同様に評価用目止剤を作製した。
得られた評価用目止剤から上述の実施例と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は336時間だった。
<実施例12>
実施例12では、120℃の代わりに149℃において目止め試験した以外は実施例11と同じ条件で評価用目止剤及び評価用泥水等を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて目止め評価を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は7時間だった。
<実施例13>
実施例13では、ペレット及びパウダーに電子線を60kGy照射する代わりに、100kGy照射した以外は、実施例12と同様に評価用目止剤を作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は74、パウダーのメディアン径(50%D)は685μmだった。
得られた評価用目止剤から上述の実施例と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて149℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は5時間だった。
<実施例14>
実施例14では、架橋剤の添加量を10重量%から20重量%に変更した以外は、実施例12と同様にペレット及びパウダーを作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は75だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は、534μmだった。
ペレットと、パウダーとを、実施例12と同じ重量比で混合し、評価用目止剤を作製した。評価用目止剤から、上述の実施例と同様に評価用泥水を作製し、上述の実施例と同様の方法で、幅3mmのスロットディスクを用いて149℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は4時間だった。
<実施例15>
実施例15では、ペレット及びパウダーに電子線を60kGy照射する代わりに、100kGy照射した以外は、実施例14と同様に評価用目止剤を作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は73、パウダーのメディアン径(50%D)は580μmだった。
得られた評価用目止剤から上述の実施例と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて149℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は4時間だった。
<実施例16>
実施例16では、架橋剤として、MDIの代わりにトリアリルイソシアネート(TAIC)を用い、当該架橋剤の添加量を10重量%から0.476重量%に変更した以外は、実施例9と同様に評価用目止剤を作製した。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は63、パウダーのメディアン径(50%D)は291μmだった。
得られた評価用目止剤から上述の実施例と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅3mmのスロットディスクを用いて149℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、149℃における目止め維持時間は3時間だった。
<実施例17>
〔評価用目止剤の製造〕
(ペレットの製造)
実施例17では、ペレットを作製するために、まず、上述のMDI系ポリウレタン樹脂を1,900g秤量し、ポリエチレン袋に投入した。また、充填剤として、オーエンス・コーニング株式会社製の03JAFT592S、径(D)10μm、アスペクト比(L/D)30のガラスファイバー(GF)を100g秤量し、当該ポリエチレン袋に投入した。すなわち、MDI系ポリウレタン樹脂に対して5重量%の充填剤を添加した。充填剤の添加後、ポリエチレン袋を持ってハンドシェイクすることで、ポリエチレン袋内のMDI系ポリウレタン樹脂と充填剤とを3分間撹拌し、ブレンド物を得た。ブレンド物を得た後、上述の実施例と同様に溶融押出し、ペレットを得た。
表3に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は58だった。
(パウダーの製造)
実施例17では、実施例3と同じ条件でパウダーを作製した。表3に示す通り、パウダーのメディアン径(50%D)は402μmだった。
(評価用目止剤の製造)
ペレットを14g、パウダーを21g秤量し、ポリエチレン袋に投入した後、ハンドシェイクで3分間撹拌し、ペレットとパウダーとのブレンド物を得た。このように、ペレットとパウダーとを重量比40:60で混合し、評価用目止剤を得た。
〔評価用流体(以下、評価用泥水 ともいう)の製造〕
得られた評価用目止剤と、以下の表2の各成分とを、表2に示す重量比で混合し、評価用泥水として、キサンタンガム評価用泥水を作製した。
Figure 2020097636
なお、表2におけるキサンタンガムは、M−I L.L.C.製のDUO−VIS PLUSである。頁岩安定剤は、M−I L.L.C.製のULTRAHIBである。殺菌剤は、M−I L.L.C.製のSAFE−CIDEである。架橋デンプンは、株式会社テルナイト製のテルポリマーDXである。
〔目止め評価〕
実施例1〜16の評価用泥水の代わりに、キサンタンガム評価用泥水を用いて、上述の実施例と同様の方法で、幅3mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め評価を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は72時間だった。
<実施例18>
実施例18では、MDI系ポリウレタン樹脂に対して10重量%のMDIの架橋剤を添加して得られたパウダーの代わりに、実施例17のペレットの一部を粉砕して得られたGF入りパウダーを用いた以外は、実施例17と同様にペレット及びパウダーを得た。
表3に示す通り、パウダーのメディアン径(50%D)は171μmだった。
ペレットと、パウダーとを、重量比40:60で混合し、評価用目止剤を作製した。評価用目止剤から、実施例17と同様にキサンタンガム評価用泥水を作製し、上述の実施例と同様の方法で、幅3mmのスロットディスクを用いて120℃において目止め試験を行った。表3に示す通り、120℃における目止め維持時間は72時間だった。
<比較例1>
比較例1では、HDI系ポリウレタン樹脂に架橋剤を添加せず、ペレットに熱処理を行わず、電子線を照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にペレット及びパウダーを作製した。
表4に示す通り、ペレットの23℃における押し込み硬度は31だった。また、パウダーのメディアン径(50%D)は337μmだった。
ペレットと、パウダーとを、実施例1と同じ重量比で同様に混合し、評価用目止剤を作製した。作製した評価用目止剤から実施例1と同様に評価用泥水を作製し、実施例1と同様の方法で、幅1mmのスロットディスクを用いて110℃において目止め試験を行った。表4に示す通り、110℃における目止め維持時間は0時間だった。
<比較例2>
比較例2では、ペレットと、パウダーとを重量比20:80で混合する代わりに、重量比40:60で混合する以外は、比較例1と同様に評価用目止剤を作製した。
得られた評価用目止剤から比較例1と同様の方法で評価用泥水を作製し、幅1mmのスロットディスクを用いて110℃において目止め評価を行った。表4に示す通り、110℃における目止め維持時間は0時間だった。
<比較例3>
比較例3では、110℃の代わりに120℃において目止め試験を行った以外は比較例2と同じ条件で評価用目止剤及び評価用泥水等を作製し、幅1mmのスロットディスクを用いて目止め評価を行った。表4に示す通り、120℃における目止め維持時間は0時間だった。
Figure 2020097636
Figure 2020097636
なお、表3及び表4におけるHDI系TPU及びMDI系TPUは、それぞれHDI系ポリウレタン樹脂及びMDI系ポリウレタン樹脂を指す。
表3及び表4から明らかなように、実施例1〜16の一時目止剤を用いて目止め試験を行った結果、110℃、120℃、及び、149℃のいずれかの温度において、目止め評価が「○」だった。このことから、実施例1〜16のように、目止剤が、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物のペレット及びパウダーからなり、ペレットの長片は0.8mmよりも大きく、該ペレットの23℃における押し込み硬度は37以上であり、パウダーのメディアン径(50%D)は800μm以下であれば、110℃、120℃、及び、149℃のいずれかの高温において、孔隙が1mm又は3mmの幅を持つ大きなフラクチャーを好適に一時目止めすることができると分かった。
また、実施例17及び18のように、評価用泥水が強アルカリ性を示すキサンタンガム評価用泥水であっても、ペレットが充填剤としてGFを含むことで、120℃の高温下において、孔隙が3mmの幅を持つ大きなフラクチャーを一時目止めすることができることが分かった。
一方、比較例1〜3のように、ペレットと、パウダーとを含み、ペレット及びパウダーが、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物であり、ペレットの長片は0.8mmよりも大きく、パウダーのメディアン径(50%D)が800μm以下であっても、ペレットの23℃における押し込み硬度が37未満であれば、ペレットとパウダーとの重量比、及び、目止め試験温度等に係らず、目止め維持時間が0時間であり、目止め機能を有していないことが分かった。
本発明は、高深度の坑井等の高温環境下において、大きなフラクチャーを一時目止めするための目止剤及び坑井流体等に利用することができる。

Claims (13)

  1. 坑壁を目止めする目止剤であって、
    上記目止剤は、ポリウレタン樹脂を含む樹脂組成物から形成されたペレット及び粉体を含み、
    該ペレットは、23℃における押し込み硬度が37以上であることを特徴とする目止剤。
  2. 上記ペレットの23℃における押し込み硬度は、98以下であることを特徴とする請求項1に記載の目止剤。
  3. 上記ポリウレタン樹脂は、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の目止剤。
  4. 上記脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を構成している脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つの脂肪族イソシアネートであることを特徴とする請求項3に記載の目止剤。
  5. 上記芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂を構成している芳香族イソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つの芳香族イソシアネートであることを特徴とする請求項3又は4に記載の目止剤。
  6. 上記脂肪族イソシアネート系ポリウレタン樹脂及び上記芳香族イソシアネート系ポリウレタン樹脂のうちの少なくとも1つは、少なくともポリエステル骨格を含んでいることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の目止剤。
  7. 上記樹脂組成物は、さらに架橋剤を含み、
    上記樹脂組成物における該架橋剤の含有量は、0.2重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の目止剤。
  8. 上記架橋剤は、多官能イソシアネート化合物、エチレン系不飽和基を有するモノマー、多価アミン、多価アルコール、及び多官能エポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1つの架橋剤であることを特徴とする請求項7に記載の目止剤。
  9. 上記樹脂組成物は、充填剤をさらに含み、
    上記樹脂組成物における該充填剤の含有量は、2重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の目止剤。
  10. 上記充填剤は、有機又は無機の繊維状強化材である請求項9に記載の目止剤。
  11. 上記ペレットと上記粉体との重量比が5:95〜60:40であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の目止剤。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の目止剤を含むことを特徴とする坑井流体。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の目止剤を使用して一時目止めを行うことを特徴とする坑井掘削方法。
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