JP2020096550A - アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、香味向上方法 - Google Patents

アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、香味向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とが増強されたアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、香味向上方法の提供。【解決手段】オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で10%以下であるアルコール飲料であって、苦味物質を含有するとともに、オクタナールの含有量が3.0〜9.0mg/Lである、アルコール飲料。オレンジ果汁と苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、前記オレンジ果汁の含有量を果汁率換算で10%以下としつつ前記オクタナールの含有量を3.0〜9.0mg/Lとする工程を含む、アルコール飲料の製造方法。苦味物質がナリンジンであり、オクタナールの含有量をXmg/L、ナリンジンの含有量をYmg/Lとした場合に、X/Yで算出される値が0.05〜0.30を満たすことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、香味向上方法に関する。
果汁を含有する飲料は、果実特有の酸味を呈することから、消費者にフレッシュな印象を与えるといった強みがあり、飲料の市場において一定のシェアを獲得している。
そして、果汁を含有する飲料に関し、より市場のニーズに合致した商品を創出すべく、様々な商品開発が進められている。
例えば、特許文献1には、米を原料の一部として用いる酒を25v/v%の含有アルコール量換算で0.001〜10v/v%、及び柑橘類果汁を果汁率換算で5〜35w/w%含有してなる、容器詰め柑橘類果汁含有アルコール飲料が記載されている。
なお、特許文献1では、この柑橘類果汁含有アルコール飲料は、果汁に由来する刺激感が低減されており、飲みやすい、と説明されている。
特開2016−146825号公報
特許文献1のような果汁を含有するアルコール飲料において、果汁の含有量を増加させるとアルコールのキレがなくなってしまう。また、アルコール飲料の果汁の含有量を増加させると、当然、飲料の原料原価を上昇させる要因にもなり得る。
そこで、本発明者は、低果汁(無果汁も含む)のアルコール飲料の香味設計を実施するとともに、果実の中でも消費者に人気のあるオレンジに焦点をあてて香味に関する検討を進めた。
果実の中でもオレンジの香味は、甘味と苦味のバランスが極めて繊細であり、低果汁のアルコール飲料を設計しようとした場合、オレンジらしい香味とするのは非常に困難である。例えば、アルコール飲料の甘味が強くなると、甘ったるく人工的な香味となってしまい、一方、アルコール飲料の苦味が強くなると、アルコールとの香味のバランスが悪くなってしまう。
本発明者は、アルコール飲料のオレンジらしい香味に関して鋭意検討した結果、「オレンジの果皮らしさ」を増強させるとともに、さらに、「オレンジの果汁感」を増強させることで、オレンジらしい香味を表現できると判断した。
そこで、本発明は、オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とが増強されたアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で10%以下であるアルコール飲料であって、苦味物質を含有するとともに、オクタナールの含有量が3.0〜9.0mg/Lであるアルコール飲料。
(2)前記苦味物質がナリンジンである前記1に記載のアルコール飲料。
(3)前記オクタナールの含有量をXmg/L、前記ナリンジンの含有量をYmg/Lとした場合に、X/Yで算出される値が0.05〜0.30を満たす前記2に記載のアルコール飲料。
(4)アルコール度数が12%以下である前記1から前記3のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
(5)アルコール飲料の製造方法であって、オレンジ果汁と苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、前記オレンジ果汁の含有量を果汁率換算で10%以下としつつ前記オクタナールの含有量を3.0〜9.0mg/Lとする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
(6)オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で10%以下であるアルコール飲料のオレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とを増強させる香味向上方法であって、前記アルコール飲料に苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、前記オクタナールの含有量を3.0〜9.0mg/Lとする香味向上方法。
本発明に係るアルコール飲料は、オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とが増強している。また、本発明に係るアルコール飲料の製造方法は、オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とが増強したアルコール飲料を製造することができる。また、本発明に係る香味向上方法は、アルコール飲料のオレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とを増強することができる。
以下、本発明に係るアルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[アルコール飲料]
本実施形態に係るアルコール飲料は、オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で所定値以下である、いわゆる低果汁(無果汁も含む)アルコール飲料であって、苦味物質を含有するとともに、オクタナールの含有量が所定範囲内の飲料である。
ここで、アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料であり、特定の種類の飲料に限定されないものの、オレンジ様の香味のオレンジ風味アルコール飲料である。なお、オレンジ風味アルコール飲料とは、オレンジの風味(香味)を飲用者に与える飲料であり、例えば、チューハイテイスト飲料、カクテルテイスト飲料、サワーテイスト飲料等が挙げられる。
(オレンジ果汁)
オレンジ果汁は、オレンジを搾った汁である。なお、使用するオレンジ(Citrus sinensis)は、ミカン科ミカン属に属する植物の果実であり、産地、品種等は特に限定されない。
また、オレンジ果汁は、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
オレンジ果汁の含有量は、果汁率換算で10%以下が好ましく、8%以下、6%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1.5%以下がより好ましい。オレンジ果汁の含有量が所定値以下であることによって、アルコールのキレの低減や原料原価の上昇を抑制することができるとともに、本発明の課題(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)がより明確となる。
オレンジ果汁の含有量は、果汁率換算で0%であってもよいものの、0.05%以上が好ましく、0.5%以上、0.8%以上、1%以上がより好ましい。
本実施形態に係るアルコール飲料のオレンジ果汁の含有量(果汁率換算)は、「含有量(果汁率換算)%(詳細には、w/v%)」=「飲料100mL中への果汁配合量(g)」×「濃縮倍率」/100mL×100により算出することとする。
ここで、「濃縮倍率」(ストレート果汁を100%としたときの果汁の相対的濃縮倍率)を算出するにあたり、JAS規格に準ずるものとし、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
詳細には、ストレート果汁の糖用屈折計示度あるいは酸度の値は、JAS規格である果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)において、各果実に固有の基準値が定められている(別表3において「糖用屈折計示度の基準(Bx)」、別表4において「酸度の基準(%)」)。したがって、使用する果汁の糖用屈折計示度あるいは酸度を測定し、その果実に固有の糖用屈折計示度あるいは酸度の基準値で割れば、果汁の濃縮倍率を求めることができる。
具体的には、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)の別表3によるとオレンジの基準糖用屈折計示度は11°Bxであるから、糖用屈折計示度が22°Bxのオレンジ果汁は、2倍濃縮のオレンジ果汁となる。この2倍濃縮のオレンジ果汁を、飲料100mL中にZg配合した場合、この飲料におけるオレンジ果汁の含有量(果汁率換算)は、「Zg×2(濃縮倍率)/100mL×100」によって算出することができる。
(オクタナール)
オクタナール(octanal)は、化学式ではC16Oで表されるアルデヒドの一種であり、カプリルアルデヒドとも呼ばれる。
そして、オクタナールは、驚くべきことに、苦味物質を含有するアルコール飲料に添加することによって、オレンジの果汁感を増強させるだけでなく、オクタナールと苦味物質とアルコールの香味とが相まってオレンジの果皮らしさを増強させることもできる。
オクタナールの含有量は、3.0mg/L以上が好ましく、3.3mg/L以上、3.5mg/L以上、4.5mg/L以上、4.8mg/L以上がより好ましい。オクタナールの含有量が所定値以上であることによって、オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とを増強することができる。
オクタナールの含有量は、9.0mg/L以下が好ましく、8.0mg/L以下、7.0mg/L以下、6.5mg/L以下、6.0mg/L以下、5.5mg/L以下がより好ましい。オクタナールの含有量が所定値以下であることによって、飲料としての総合評価を確保しつつ、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)を発揮させることができる。
なお、アルコール飲料におけるオクタナールの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析法を用いて測定することができる。
また、オクタナールは、由来については特に限定されず、前記したオレンジ果汁に由来するもののほか、香料(フレーバー)に由来するものであってもよい。
(苦味物質)
苦味物質は、飲料に苦味を付与する物質であり、例えば、ナリンジン、カフェイン、ニガヨモギ抽出物(主成分:セスキテルペン)、イソα酸、クワシン、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物、ニガキ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、アブシンチン、キニーネ、ゴーヤ、コウチャポリフェノール、ダンデライオン、センブリ、ガラナ、ユズポリフェノール、及び、クロロゲン酸等の少なくとも1種を使用することができる。
苦味物質は、アルコール飲料に添加することによって、前記したオクタナールと相まって本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)を明確に発揮させる役割を果たす。
苦味物質としてナリンジンを使用する場合、ナリンジンの含有量は、10mg/L以上が好ましく、15mg/L以上、20mg/L以上、25mg/L以上、30mg/L以上、35mg/L以上、40mg/L以上、45mg/L以上がより好ましい。ナリンジンの含有量が所定値以上であることによって、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)を確実に発揮させることができる。
ナリンジンの含有量は、100mg/L以下が好ましく、90mg/L以下、80mg/L以下、75mg/L以下、70mg/L以下、65mg/L以下、60mg/L以下、55mg/L以下がより好ましい。ナリンジンの含有量が所定値以下であることによって、飲料としての総合評価を確保しつつ、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)を確実に発揮させることができる。
苦味物質としてカフェインを使用する場合、カフェインの含有量は、30mg/L以上が好ましく、45mg/L以上、60mg/L以上、75mg/L以上、90mg/L以上、95mg/L以上がより好ましい。カフェインの含有量が所定値以上であることによって、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)を確実に発揮させることができる。
カフェインの含有量は、300mg/L以下が好ましく、270mg/L以下、240mg/L以下、210mg/L以下、180mg/L以下、150mg/L以下、120mg/L以下がより好ましい。カフェインの含有量が所定値以下であることによって、飲料としての総合評価を確保しつつ、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)を確実に発揮させることができる。
なお、アルコール飲料におけるナリンジンやカフェインなどの苦味物質の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて測定することができる。
(X/Yで算出される値)
苦味物質としてナリンジンを使用する場合であって、オクタナールの含有量をXmg/L、ナリンジンの含有量をYmg/Lとした場合、X/Yで算出される値が所定の範囲内となっていると、ナリンジンとオクタナールとの含有量の比率を厳密に特定できるため、本発明の効果をより確実なものとすることができる。
X/Yで算出される値は、0.05以上が好ましく、0.08以上、0.10以上、0.15以上がより好ましい。当該数値が所定値以上であることによって、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)をより確実に発揮させることができる。
X/Yで算出される値は、0.30以下が好ましく、0.25以下、0.20以下がより好ましい。当該数値が所定値以下であることによって、飲料としての総合評価を確保しつつ、本発明の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強)をより確実に発揮させることができる。
(アルコール)
本実施形態に係るアルコール飲料は、アルコールを含有する。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、本発明の所望の効果が阻害されない範囲であれば、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒又は醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
(アルコール度数)
アルコール度数は特に限定されないものの、例えば、2%(v/v%)以上、3%以上、4%以上、4.5%以上、5%以上であり、12%以下、10%未満、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5.5%以下である。
なお、アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3−4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(エキス分)
エキス分は特に限定されないものの、例えば、2w/w%(度)以上、4w/w%以上、5w/w%以上、8w/w%以上であり、15w/w%以下、13w/w%以下、10w/w%以下である。
なお、アルコール飲料におけるエキス分は、日本国の国税庁所定分析法に準拠して比重(日本酒度)及びアルコール度を測定して算出した値、すなわち、温度15℃において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数(g/100cm)とすればよい。
(発泡性)
本実施形態に係るアルコール飲料は、非発泡性のものでも、発泡性のものでもよい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が49kPa以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が49kPa未満であることをいう。
(その他)
本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトースなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸、フィチン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
また、本実施形態に係るアルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で、オレンジ果汁以外の各種果汁、オレンジ果実の香料(フレーバー)、オレンジ果実以外の香料等を含有していてもよい。
そして、前記したオレンジ果汁、オクタナール、苦味物質、アルコール、添加剤等は、一般に市販されているものを使用することができる。
(容器詰めアルコール飲料)
本実施形態に係るアルコール飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料は、苦味物質を含有するとともに、オクタナールの含有量が所定範囲内であることから、低果汁の飲料であっても、オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とが増強している。
[アルコール飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、オレンジ果汁、苦味物質、オクタナール、飲用アルコール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、オクタナール等の含有量が前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の製造方法は、オレンジ果汁と苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、オレンジ果汁の含有量を果汁率換算で所定値以下としつつオクタナールの含有量を所定範囲内とする工程を含むことから、低果汁の飲料であっても、オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とが増強したアルコール飲料を製造することができる。
[香味向上方法]
次に、本実施形態に係る香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る香味向上方法は、オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で所定値以下であるアルコール飲料のオレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とを増強させる方法であって、アルコール飲料に苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、オクタナールの含有量を所定範囲内とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「アルコール飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係る香味向上方法は、低果汁のアルコール飲料に苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、オクタナールの含有量を所定範囲内とすることから、アルコール飲料のオレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とを増強させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表に示す量となるように、オクタナール、苦味物質(ナリンジン又はカフェイン)、オレンジ香料、オレンジ果汁、蒸留アルコール、水、炭酸水を適宜混合してサンプルを準備した。
また、表には記載していないものの、各サンプルには、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、クエン酸三ナトリウムを含有させていたが、これらの含有量は、各サンプル間において一定量に揃えた。
そして、各サンプルの20℃におけるガス圧は約0.17MPaであった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル7名が下記評価基準に則って「オレンジの果皮らしさ」、「オレンジの果汁感」、「飲料としての総合評価」、「ボディ感」について、1点〜5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
また、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
(オレンジの果皮らしさ:評価基準)
オレンジの果皮らしさの評価については、「オレンジの果皮らしさを全く感じない」場合を1点、「オレンジの果皮らしさを非常に強く感じる」場合を5点として5段階で評価した。そして、オレンジの果皮らしさの評価については、サンプル1−1(1点)を基準として評価した。なお、オレンジの果皮らしさの評価については、点数が高いほど増強されており好ましいと判断できる。
ここで、「オレンジの果皮らしさ」とは、オレンジの果皮特有の爽やかな苦味(より詳細には、飲んだ直後に感じる苦味が口内で後残りなく霧散し、飲後感がサッパリとする苦い香味)である。
(オレンジの果汁感:評価基準)
オレンジの果汁感の評価については、「オレンジの果汁感を全く感じない」場合を1点、「オレンジの果汁感を非常に強く感じる」場合を5点として5段階で評価した。そして、オレンジの果汁感の評価については、サンプル1−1(1点)を基準として評価した。なお、オレンジの果汁感の評価については、点数が高いほど増強されており好ましいと判断できる。
ここで、「オレンジの果汁感」とは、オレンジのジューシーな果汁の香味(甘味と酸味とが両立した瑞々しい柑橘系の香味)である。
(飲料としての総合評価:評価基準)
飲料としての総合評価については、「香味のバランスが非常に悪く、オレンジ風味のアルコール飲料として不適な香味である」場合を1点、「香味のバランスが非常に良く、オレンジ風味のアルコール飲料として好適な香味である」場合を5点として5段階で評価した。そして、総合評価については、点数が高いほど、好ましいと判断できる。
(ボディ感:評価基準)
ボディ感の評価は、参考として示す。
ボディ感の評価については、「ボディ感を全く感じない」場合を1点、「ボディ感を非常に強く感じる」場合を5点として5段階で評価した。そして、ボディ感の評価については、サンプル1−1(1点)を基準として評価した。なお、ボディ感の評価については、点数が高いほど増強されており好ましいと判断できる。
ここで、「ボディ感」とは、味に厚みが感じられ飲みごたえのある感覚である。
表1〜3に、各サンプルの配合を示すとともに、各評価の結果を示す。そして、表に示す「アルコール度数」、「オクタナール」、「ナリンジン」、「カフェイン」、「オレンジ香料」、「オレンジ果汁」、「エキス分」は、最終製品における含有量や指標である。なお、表に示す「オレンジ香料」は、詳細にはオクタナールを除いたオレンジ香料の含有量である。
そして、表に示す「X/Y」は、「オクタナールの含有量(mg/L)/ナリンジンの含有量(mg/L)}」で算出される値である。
Figure 2020096550
Figure 2020096550
Figure 2020096550
(結果の検討)
表1の結果から明らかなように、オクタナールの含有量が所定範囲内となると、「オレンジの果皮らしさ」、「オレンジの果汁感」が増強するとともに、「飲料としての総合評価」についても点数が高くなることが確認できた。そして、これらのサンプルの中でもサンプル1−3〜1−5(特に、サンプル1−4〜1−5)について好ましい結果が得られた。
表2の結果から明らかなように、オクタナールの含有量が所定範囲内であれば、苦味物質であるナリンジンの含有量によらず、所定の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強効果)を発揮することが確認できた。
ただ、これらのサンプルの中でも、ナリンジンの含有量が所定範囲内となるサンプル2−2〜2−4(特に、サンプル2−3〜2−4)について非常に好ましい結果が得られた。
表3に示すサンプルは、苦味物質としてカフェインを使用したサンプルである。この表3の結果から、使用する苦味物質はナリンジンに限定されず、苦味を付与できる物質という点で共通した物質を使用すれば、所定の効果(オレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感との増強効果)を発揮できることが確認できた。

Claims (6)

  1. オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で10%以下であるアルコール飲料であって、
    苦味物質を含有するとともに、オクタナールの含有量が3.0〜9.0mg/Lであるアルコール飲料。
  2. 前記苦味物質がナリンジンである請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. 前記オクタナールの含有量をXmg/L、前記ナリンジンの含有量をYmg/Lとした場合に、X/Yで算出される値が0.05〜0.30を満たす請求項2に記載のアルコール飲料。
  4. アルコール度数が12%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  5. アルコール飲料の製造方法であって、
    オレンジ果汁と苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、前記オレンジ果汁の含有量を果汁率換算で10%以下としつつ前記オクタナールの含有量を3.0〜9.0mg/Lとする工程を含むアルコール飲料の製造方法。
  6. オレンジ果汁の含有量が果汁率換算で10%以下であるアルコール飲料のオレンジの果皮らしさとオレンジの果汁感とを増強させる香味向上方法であって、
    前記アルコール飲料に苦味物質とオクタナールとを含有させるとともに、前記オクタナールの含有量を3.0〜9.0mg/Lとする香味向上方法。
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Citations (6)

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