JP2020094108A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに操縦安定性とドライグリップ性能とを両立することができるタイヤトレッド及びタイヤを得ることができるゴム組成物を提供する。【解決手段】スチレン量が30質量%以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴムを30質量%以上100質量%以下の割合で含有するゴム成分と、補強性充填剤と、芳香環を含むポリエステルと、を含有し、前記補強性充填剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下であり、前記ポリエステルの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であるゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、本発明はゴム組成物及びタイヤに関する。
サーキット等を走行する高性能自動車向けのタイヤには、高速走行時の操縦安定性とドライグリップ性能が、いずれも高いレベルで求められる。更に、サーキット等で使用したタイヤを装着した状態で、そのまま一般道を走行する場合もある。このような事情から、環境負荷低減のため、高性能自動車向けタイヤに対しても転がり抵抗が小さいことが求められている。
高度な操縦安定性及びドライグリップ性能が求められる高性能自動車向けのゴム組成物には、スチレン量が高いスチレン−ブタジエン共重合ゴムに、軟化剤としてC5樹脂、C9樹脂、テルペン系樹脂などの熱可塑性樹脂が添加されることが知られている。例えば特許文献1は、天然ゴム及び/又はポリイソプロピレンゴムを合計30質量%以上含むゴム成分100質量部に対して、C5系樹脂を5〜50質量部配合してなるゴム組成物をトレッドゴムに用いることを開示している。
特開2009−256540号公報
しかし、サーキット等における高速走行は、一般道を走行する場合に比べてタイヤ温度が高くなる。C5樹脂やC9樹脂を含むゴム組成物は軟化点が低いことから、高速走行時に弾性率が急激に低下してしまう。このため、高性能自動車に特許文献1に記載のタイヤを装着した場合は、操縦安定性が悪くなることが問題となっていた。また、低燃費性も悪化することも問題となっていた。
本発明は、上記課題に鑑み、タイヤに利用した場合に、低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに操縦安定性とドライグリップ性能とを両立することができるゴム組成物を提供することを目的とする。また、当該ゴム組成物を用いることにより、低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに操縦安定性とドライグリップ性能とが両立したタイヤトレッド及びタイヤを提供することを目的とする。
<1> スチレン量が30質量%以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴムを30質量%以上100質量%以下の割合で含有するゴム成分と、補強性充填剤と、芳香環を含むポリエステルと、を含有し、前記補強性充填剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下であり、前記ポリエステルの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であるゴム組成物である。
<2> 前記ゴム成分として、2種以上の前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムを含む<1>に記載のゴム組成物であうる。
<3> 前記ゴム成分として、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムを30質量%以上70質量%以下の割合で含有する<1>または<2>に記載のゴム組成物である。
<4> 前記ゴム成分として、スチレン量が40%以上の乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムを含有する<1>乃至<3>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<5> 前記補強性充填剤として、カーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上120質量部以下の割合で含有する<1>乃至<4>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<6> 前記補強性充填剤として、シリカを前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下の割合で含有する<1>乃至<4>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<7> 更に、熱可塑性樹脂を前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上40質量部以下の割合で含有する<1>乃至<6>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<8> 前記芳香環を含むポリエステルの重量平均分子量(Mw)が20000以上であることを特徴とする<1>乃至<7>のいずれかに記載のゴム組成物である。
<9> 前記芳香環を含むポリエステルの重量平均分子量(Mw)が50000以下であることを特徴とする<8>に記載のゴム組成物である。
<10> <1>乃至<9>のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤトレッドである。
<11> <10>に記載のタイヤトレッドを用いたタイヤである。
本発明によれば、タイヤに利用した場合に、タイヤに利用した場合に、低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに操縦安定性とドライグリップ性能とを両立することができるゴム組成物を得ることができる。また、当該ゴム組成物を用いることにより、低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに操縦安定性とドライグリップ性能とが両立したタイヤトレッド及びタイヤを得ることができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、スチレン量が30質量%以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴムを30質量%以上100質量%以下の割合で含有するゴム成分と、補強性充填剤と、芳香環を含むポリエステルと、を含有し、前記補強性充填剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下であり、前記ポリエステルの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、芳香環を含むポリエステルを軟化剤として含有させることにより、低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに高い操縦安定性を実現し、かつ、高いドライグリップ性能も発現できるタイヤを得ることができる。本発明のゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物に適用することが特に有効である。
以下、本発明のゴム組成物、タイヤトレッド、及び、タイヤの詳細について説明する。
〔芳香環を含むポリエステル〕
本発明のゴム組成物は、芳香環を含むポリエステルを含有する。該芳香環を含むポリエステルは、芳香族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの縮合物、あるいは、脂肪族多価カルボン酸と芳香族多価アルコールとの縮合物である。なお、以下では、本発明に使用される芳香環を含むポリエステルを、単に「ポリエステル」と称する場合がある。
本発明において、ポリエステルは軟化剤として作用するものである。本発明で使用するポリエステルは、上記SBRを含有するゴム成分との相溶性が高い樹脂ではなく、ゴム成分との適度な相溶性を有していることから、上述の改質効果を発揮するものである。本発明で使用されるポリエステルは、分子中に複数の水酸基を有する。本発明のゴム組成物はイソシアネート成分を含まないため、該ポリエステルをゴム組成物に含有させても、ウレタン結合は形成されない。すなわち、本発明においては、ポリエステルはポリウレタンを形成するために添加されるものではない。
本発明で使用されるポリエステルは、重量平均分子量(Mw)が20000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましく、40000以上であることが更に好ましい。なお、ゴム成分との相溶性を考慮すると、該ポリエステルは重量平均分子量が50000以下であることが好ましい。
また、本発明で使用されるポリエステルは、水酸基価が40mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH以上であることがより好ましい。
また、本発明で使用されるポリエステルは、軟化点が80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
ゴム組成物に上記のポリエステルを添加することにより、ゴム組成物をタイヤに適用した際に、操縦安定性とドライグリップ性能とを高次元で両立させることができる。
本発明に使用できる芳香環を含むポリエステルとしては、例えば、ゼオファイン100M(商品名、日本ゼオン株式会社製)などが挙げられる。
本発明において、ポリエステルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下である。ポリエステルの含有量が5質量部未満であると、操縦安定性とドライグリップ性能とを高度に両立させたタイヤを得ることができず、また、低燃費性も低下する。また、ポリエステルの含有量が30質量部を超えると、高い操縦安定性を得ることができるものの、ドライグリップ性能及び低燃費性が低下してしまう。ポリエステルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して7質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。また、ポリエステルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
〔ゴム成分〕
本発明のゴム成分は、スチレン量が30質量%以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を、全ゴム成分の30質量%以上100質量%以下の割合で含有する。SBRの含有量が30質量%未満であると、十分な高温での弾性率を得ることができず、操縦安定性が低下してしまう。SBRは、全ゴム成分のうち50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上が好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
本発明において、ゴム成分として2種以上のSBRを使用することが好ましい。SBR総量中の結合スチレン量は、30質量%以上が好ましく、35質量%以上であれば良く、例えば、35質量%以上60質量%以下である。操縦安定性と低転がり抵抗との両立の観点から、結合スチレン量が37質量%以上であることがより好ましく、39質量%以上であることが更に好ましい。
また、共役ジエン結合中のビニル結合量は、15モル%以上であれば良く、35モル%以上がさらに好ましい。例えば、10モル%以上60モル%以下である。操縦安定性と低転がり抵抗との両立の観点から、ビニル結合量が37モル%以上であることがより好ましく、39モル%以上であることが更に好ましい。
本発明で使用できるSBRとしては、溶液重合により得られるスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、溶液重合SBRと称する)、乳化重合により得られるスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、乳化重合SBRと称する)、及び、変性スチレン−ブタジエン共重体ゴム(以下、変性SBRと称する)が挙げられる。
ゴム成分は、溶液重合SBRを30質量%以上70質量%以下の割合で含有することが好ましい。上記含有割合とすることにより、高温で良好な弾性率を有するゴムを得ることができる。このため、高速走行時に高い操縦安定性が示すタイヤを得ることができる。溶液重合SBRの含有量は、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、溶液重合SBRの含有量は、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
乳化重合SBRとしては、操縦安定性を確保する観点から、スチレン量が40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることが更に好ましい。
変性SBRとしては、例えば、重量平均分子量(Mw)が20×10〜300×10であり、変性SBRの総量に対して、分子量が200×10〜500×10である当該変性SBRを、0.25質量%以上30質量%以下で含み、収縮因子(g’)が0.64未満であるものを使用することができる。収縮因子(g’)は、想定上同一の絶対分子量である直鎖状重合体に対する、分子の占める大きさの比率の指標である。
変性SBRの重量平均分子量(Mw)が20×10以上であれば、タイヤの操縦安定性とドライグリップ性能とを向上させることができる。また、重量平均分子量が300×10以下であれば、ゴム組成物の加工性が向上する。
変性SBRの重量平均分子量、50×10以上であることが好ましく、64×10以上であることがより好ましく、80×10以上であることが更に好ましい。また、重量平均分子量は、250×10以下であることが好ましく、180×10以下であることがより好ましく、150×10以下であることが更に好ましい。
変性SBRについての、数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布、後述する特定の高分子量成分の含有量は、以下のように測定する。変性SBRを試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置(東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」)を使用して、RI検出器(東ソー社製の商品名「HLC−8020」)を用いてクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)を求める。溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHF(テトラヒドロフラン)を使用する。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−H」を接続して使用する。測定用の試料10mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液10μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で測定する。
変性SBRは、該変性SBRの総量(100質量%)に対して、分子量が200×10以上500×10以下である変性SBR(以下、「特定の高分子量成分」ともいう。)を、0.25質量%以上30質量%以下含む。上記含有量範囲とすることにより、タイヤの操縦安定性とドライグリップ性能とを向上させることができる。
また、分子量200×10〜500×10の変性SBRの割合は、積分分子量分布曲線から分子量500×10以下が全体に占める割合から分子量200×10未満が占める割合を差し引くことで算出する。
一例では、変性SBRは、特定の高分子量成分を、1.0質量%以上、1.4質量%以上、1.75質量%以上、2.0質量%以上、2.15質量%以上、または2.5質量%以上の割合で含む。一例では、変性SBRは、特定の高分子量成分を、28質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、または18質量%以下の割合で含む。
本明細書において「分子量」とは、GPCによって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。特定の高分子量成分の含有量がこのような範囲にある変性SBRを得るためには、重合工程と反応工程とにおける反応条件を制御することが好ましい。例えば、重合工程においては、有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量を調整すればよい。また、重合工程において、連続式、及び回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を有する方法を用いる、すなわち、成長反応の時間分布を広げるとよい。
本発明で使用できる変性SBRは、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1.6〜3.0であることが好ましい。上記分子量分布であれば、ゴム組成物の加工性が良好となる。
変性SBRの収縮因子(g’)は0.64未満である。一般に、分岐を有する重合体は、同一の絶対分子量である直鎖状の重合体と比較した場合に、分子の大きさが小さくなる傾向にある。即ち、重合体の分岐度が大きくなれば、収縮因子(g’)は小さくなる傾向にある。本発明では、分子の大きさの指標として固有粘度を用い、直鎖状の重合体は、固有粘度[η]=−3.883M0.771の関係式に従うものとして用いる。変性SBRの各絶対分子量のときの収縮因子(g’)を算出し、絶対分子量が100×10〜200×10のときの収縮因子(g’)の平均値を、その変性SBRの収縮因子(g’)とする。ここで、「分岐」とは、1つの重合体に対して、他の重合体が直接的又は間接的に結合することにより形成されるものである。また、「分岐度」は、1の分岐に対して、直接的又は間接的に互いに結合している重合体の数である。例えば、カップリング残基を介して間接的に、後述の5つのSBR鎖が互いに結合している場合には、分岐度は5である。なお、カップリング残基とは、共役ジエン系重合体鎖に結合される、変性SBRの構成単位である。例えば、SBRとカップリング剤とを反応させることによって生じる、カップリング剤由来の構造単位である。また、共役ジエン系重合体鎖は、変性SBRの構成単位である。例えば、SBRとカップリング剤とを反応させることによって生じる、共役ジエン系重合体由来の構造単位である。
収縮因子(g’)は、例えば、0.63以下、0.60以下、0.59以下、または0.57以下である。また、収縮因子(g’)の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよく、例えば、0.30以上、0.33以上、0.35以上、0.45以上、0.57以上、または0.59以上である。収縮因子(g’)がこの範囲である変性SBRを使用することで、ゴム組成物の加工性が向上する。
収縮因子(g’)は分岐度に依存する傾向にあるため、例えば、分岐度を指標として収縮因子(g’)を制御することができる。具体的には、分岐度が6である変性SBRとした場合には、その収縮因子(g’)は0.59〜0.63となる傾向にあり、分岐度が8である変性SBRとした場合には、その収縮因子(g’)は0.45〜0.59となる傾向にある。
収縮因子(g’)の測定方法は、以下のとおりである。変性SBRを試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(Malvern社製の商品名「GPCmax VE−2001」)を使用して、光散乱検出器、RI検出器、粘度検出器(Malvern社製の商品名「TDA305」)の順番に接続されている3つの検出器を用いて測定し、標準ポリスチレンに基づいて、光散乱検出器とRI検出器の結果から絶対分子量を、RI検出器と粘度検出器の結果から固有粘度を求める。直鎖ポリマーは、固有粘度[η]=−3.883M0.771に従うものとして用い、各分子量に対応する固有粘度の比としての収縮因子(g’)を算出する。溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを使用する。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G5000HXL」、及び「TSKgel G6000HXL」を接続して使用する。測定用の試料20mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液100μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量1mL/分の条件で測定する。
変性SBRに添加されている伸展油の量は、変性SBR100質量部に対して、10質量部以下である。好ましくは、0質量部より多く、10質量部以下である。伸展油の量が10質量部以下であることにより、操縦安定性とドライグリップ性能とを高度にバランスさせることができる。
伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、アロマ代替油などが挙げられる。これらの中でも、環境安全上の観点、並びにオイルのブリード防止及びウェット制動性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)が挙げられる。
変性SBR100質量部に対して、添加されている伸展油の量が10質量部以下であれば、伸展油を加えた油展重合体とすることができ、非油展であっても、油展であってもよい。
変性SBRは、分岐を有し、分岐度が5以上であることが好ましい。また、変性SBRは、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合するSBR鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して5以上の当該SBR鎖が結合している分岐を含むことがより好ましい。分岐度が5以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して5以上のSBR鎖が結合している分岐を含むよう、変性SBRの構造を特定することにより、より確実に収縮因子(g’)を0.64未満にすることができる。なお、1のカップリング残基に対して結合している共役ジエン系重合体鎖の数は、収縮因子(g’)の値から確認することができる。
また、変性SBRは、分岐を有し、分岐度が6以上であることがより好ましい。また、変性SBRは、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合するSBR鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して6以上の当該SBR鎖が結合している分岐を含むことが、さらに好ましい。分岐度が6以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して6以上のSBR鎖が結合している分岐を含むよう、変性SBRの構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.63以下にすることができる。
更に、変性SBRは、分岐を有し、分岐度が7以上であることがさらに好ましく、分岐度が8以上であることがより一層好ましい。分岐度の上限は特に限定されないが、18以下であることが好ましい。また、変性SBRは、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合するSBR鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して7以上の当該SBR鎖が結合している分岐を含むことが、より一層好ましく、1の当該カップリング残基に対して8以上の当該SBR鎖が結合している分岐を含むことが、特に好ましい。分岐度が8以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して8以上のSBR鎖が結合している分岐を含むよう、変性SBRの構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.59以下にすることができる。
本発明に係るゴム組成物は、変性SBRが、分岐を有し、かつ、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合するスチレンブタジエンゴム鎖と、を有し、前記分岐は、1の前記カップリング残基に対して5以上の前記スチレンブタジエンゴム鎖が結合している分岐を含むことが好ましい。これにより、タイヤの操縦安定性とドライグリップ性能とを向上させることができる。
本発明で使用できるカップリング剤としては、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリスメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン等が挙げられる。
本発明のゴム成分は、SBR以外のゴム成分を含んでも良い。SBR以外のゴム成分としては、天然ゴム(NR)や合成ジエン系ゴムなどのジエン系ゴムが挙げられる。合成ジエン系ゴムとしては、例えばポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重体ゴム(SBIR)などが挙げられる。これらの合成ジエン系ゴムは、未変性ゴムであっても良く、変性ゴムであっても良い。SBR以外のジエン系ゴム成分は、1種類のみ用いられても良いし、2種以上をブレンドして用いられても良い。
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない限度において、非ジエン系ゴム及びその変性ゴムを含んでいても良い。
〔補強性充填剤〕
本発明のゴム組成物は、ゴム組成物を補強する補強性充填剤を含有する。
補強性充填剤は、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。シリカ及びカーボンブラックのいずれか一方を単独で用いても良いし、シリカ及びカーボンブラックの両方を用いても良い。
補強性充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下である。充填剤の含有量が50質量部未満であると、加硫後のゴムの強度が低下してしまう。充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して55質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましい。一方、充填剤の含有量が130質量部を超えると、ゴム組成物の粘度が高くなり加工性が悪化する。充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して125質量部以下であることが好ましく、120質量部以下であることがより好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。カーボンブラックは、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましく、HAF、ISAF、SAFグレードのものがより好ましい。
本発明において、ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以上120質量部以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、十分な強度の加硫ゴムを得ることができる。カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して55質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して115質量部以下であることが好ましく、110質量部以下であることがより好ましい。
(シリカ)
シリカは特に限定されず、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも、湿式シリカが好ましい。
このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、エボニック社製、商品名「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。シリカは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム組成物中のシリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以上130質量部以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、十分な強度の加硫ゴムを得ることができる。シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して55質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましい。また、加工性を考慮すると、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して120質量部以下であることが好ましく、110質量部以下であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物では、シリカの分散性を高めるためにシランカップリング剤が添加されていても良い。
〔熱可塑性樹脂〕
本発明のゴム組成物は、熱可塑性樹脂を含んでいても良い。熱可塑性樹脂は、具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、石炭系樹脂、キシレン系樹脂などが使用できる。特に、石油系樹脂またはフェノール系樹脂を用いることが好ましい。
石油系樹脂としては、ナフサの熱分解によって得られるC5留分を重合または共重合して得られる脂肪族系石油樹脂、ナフサの熱分解によって得られるC9留分を重合または共重合して得られる芳香族系石油樹脂、C5留分とC9留分を共重合して得られる共重合系石油樹脂、などが挙げられる。
フェノール系樹脂としては、アルキルフェノールアセチレン系樹脂、変性アルキルフェノール樹脂などが挙げられる。例えば、ブチルフェノールアセチレン樹脂が好適に使用できる。
本発明において、熱可塑性樹脂は、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上40質量部以下の含有量であることが好ましい。上記範囲であれば、ドライグリップ性能を更に向上させることができる。熱可塑性樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上、10質量部以上であることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して35質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。
〔各種成分〕
本発明のゴム組成物には、既述の成分以外に、例えば、加硫剤、加硫促進剤、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス等のゴム業界で通常使用される各種成分を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら各種成分としては、市販品を好適に使用することができる。
〔タイヤトレッド、タイヤ〕
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を加硫した加硫ゴムであり、高速走行時での操縦安定性とドライグリップ性能とに優れるものである。本発明のゴム組成物は、特に、タイヤトレッドに用いることが好ましい。
<実施例1〜12、比較例1〜11>
〔ゴム組成物の調製〕
下記表1〜4に示す配合組成で各成分を混練し、ゴム組成物を調製する。
なお、表中の成分の詳細は以下のとおりである。
1.ゴム成分
(1)溶液重合SBR
・溶液重合SBR−1
旭化成株式会社製、商品名「E581」、結合スチレン量37質量%、ビニル結合量42モル%。SBR100質量部に対してオイル成分を37.5質量部の割合で含む油展品。
・溶液重合SBR−2
旭化成株式会社製、商品名「タフデン3835」、結合スチレン量35.5質量%、SBR100質量部に対してオイル成分を37.5質量部の割合で含む油展品。
(2)変性SBR
合成方法及び物性を下記に詳細に説明する。
(3)乳化重合SBR
・乳化重合SBR−1
JSR株式会社製、商品名「T0150」、結合スチレン量45質量%、ビニル結合量19モル%。
・乳化重合SBR−2
JSR株式会社製、商品名「JSR0202」、結合スチレン量46質量%、ビニル結合量16モル%。
・乳化重合SBR−3
JSR株式会社製、商品名「JSR1500」、結合スチレン量23.5質量%。
・乳化重合SBR−4
JSR株式会社製、結合スチレン量40.0質量%。
2.充填剤
(1)カーボンブラック
N220、旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
(2)シリカ
・シリカ−1
東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、BET比表面積:205m/g、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)吸着比表面積:165m/g。
・シリカ−2
東ソー・シリカ株式会社製、BET比表面積:245m/g、CTAB吸着比表面積:180m/g。
3.ポリエステル
芳香環を含むポリエステル、日本ゼオン株式会社製、商品名「ゼオファイン100M」
4.熱可塑性樹脂
(1)C9系樹脂
JXTGエネルギー株式会社製、商品名「日赤ネオポリマー140」
(2)フェノールアセチレン樹脂
BSAF社製、商品名「KORESIN」
5.シランカップリング剤
・シランカップリング剤−1
エボニック インダストリーズ社製、商品名「Si69」
・シランカップリング剤−2
信越化学工業株式会社製、商品名「ABC−856」
6.ワックス
日本精蝋株式会社製、商品名「オゾエース701」
7.老化防止剤
大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
8.亜鉛華
ハクスイテック株式会社製、商品名「3号亜鉛華」
9.ステアリン酸
新日本理化株式会社製、商品名「ステアリン酸50S」
10.加硫促進剤
(1)DPG
大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD」
(2)DM
大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDM」
11.硫黄(加硫剤)
硫黄:鶴見化学社製、商品名「粉末硫黄」
〔変性SBRの製造方法〕
・変性SBR−1
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とする。予め水分除去した、1,3−ブタジエンを17.2g/分、スチレンを10.5g/分、n−ヘキサンを145.3g/分の条件で混合した。この混合溶液を反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.117mmol/分で添加、混合した後、反応基の底部に連続的に供給する。更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.019g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.242mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続する。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御する。
次に、反応器の出口より流出した重合体溶液に、カップリング剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミンを0.0302mmol/分(水分5.2ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加し、カップリング剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合されカップリング反応する。このとき、反応器の出口より流出した重合溶液にカップリング剤が添加されるまでの時間は4.8分、温度は68℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は7℃であった。カップリング反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了する。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製 JOMOプロセスNC140)が10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合する。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性SBR−1を得る。
得られた変性SBR−1の物性を、上記の方法により測定を行った。以下に結果をまとめる。
・ゴム成分100質量部に対してオイル分10.0質量部を含む、
・重量平均分子量(Mw)=85.2×10
・「特定の高分子量成分」(分子量200×10以上500×10以下のSBR)の割合=4.6%、
・収縮因子(g’)=0.59、
・結合スチレン量=40質量%、
・ビニル結合量=41モル%。
なお、変性SBRは、カップリング剤の官能基数と添加量から想定される分岐数に相当する「分岐度」は8であり(収縮因子の値からも確認できる)、カップリング剤1分子が有するSiORの総数から反応により減じたSiOR数を引いた値に相当する「SiOR残基数」は4である。
また、得られた変性SBRが窒素原子を有すること、ケイ素原子を有することを確認する。
・変性SBR−2
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン67.5g及びスチレン7.5gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行う。
重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミンを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性SBR−2を得た。
得られた変性SBR−2の物性は以下のとおりである。
・ピーク分子量=200,000、
・結合スチレン量=10質量%、
・ビニル結合量=40モル%。
〔評価〕
調製した実施例及び比較例のゴム組成物をトレッドゴムに適用し、タイヤを常法に従って作製した。供試タイヤの低燃費性、ドライグリップ性能及び操縦安定性を以下の方法で評価した。
1.低燃費性(低転がり抵抗性)
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムについて、損失正接(tanδ)を、上島製作所製スペクトロメーター、温度40℃、初期歪2%、動歪1%、周波数52Hzの条件で測定する。表1,2では、比較例1の転がり抵抗の逆数を100として指数表示する。表3,4では、比較例8の転がり抵抗の逆数を100として指数表示する。指数値が大きい程、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。評価結果を表1〜4に示す。
2.ドライグリップ性能
各実施例及び比較例のゴム組成物を供試タイヤを試験車に装着し、乾燥路面での実車試験にて、走行中のタイヤの走行性能をドライバーのフィーリング評点で表す。表1,2では、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。表3,4では、比較例8のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。指数値が大きい程、ドライ性能に優れることを示す。評価結果を表1〜4に示す。
3.操縦安定性
供試タイヤを試験車に装着し、乾燥路面での実車試験にて、操縦安定性をドライバーのフィーリング評点で表す。表1,2では、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。表3,4では、比較例8のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。指数値が大きい程、乾燥路面での操縦安定性に優れることを示す。評価結果を表1〜4に示す。
実施例は芳香環を含むポリエステルを含有することにより、低燃費性を低下させることなく、ドライグリップ性能と操縦安定性とを高次元に発現する。
これに対し、比較例1〜4,8〜10は、ポリエステルを添加していない例である。比較例2〜4は比較例1に対して操縦安定性に劣る結果となる。また、低燃費性も悪い。比較例9は比較例8に対して操縦安定性及びドライグリップ性能は良いが、低燃費性が悪化する。比較例10は比較例8に対して操縦安定性及びドライグリップ性能に劣る結果となる。
比較例5〜7,11は、ポリエステルを添加した例である。しかし、比較例5〜7ではドライグリップ性能と操縦安定性とを両立させることができない。また、比較例11では低燃費性が悪化した。
本発明のゴム組成物は、芳香環を含むポリエステルを含有することにより、低燃費性を損ねることなく、高温での弾性率を低下させずに高い操縦安定性を実現し、かつ、高いドライグリップ性能も発現できるタイヤを得ることができる。本発明のゴム組成物は、タイヤトレッドに適用することが特に有効である。

Claims (11)

  1. スチレン量が30質量%以上のスチレン−ブタジエン共重合ゴムを30質量%以上100質量%以下の割合で含有するゴム成分と、
    補強性充填剤と、
    芳香環を含むポリエステルと、
    を含有し、
    前記補強性充填剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下であり、
    前記ポリエステルの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下であるゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分として、2種以上の前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムを含む請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分として、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムを30質量%以上70質量%以下の割合で含有する請求項1または請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分として、スチレン量が40%以上の乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムを含有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記補強性充填剤として、カーボンブラックを前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上120質量部以下の割合で含有する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記補強性充填剤として、シリカを前記ゴム成分100質量部に対して50質量部以上130質量部以下の割合で含有する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 更に、熱可塑性樹脂を前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上40質量部以下の割合で含有する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 前記芳香環を含むポリエステルの重量平均分子量(Mw)が20000以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  9. 前記芳香環を含むポリエステルの重量平均分子量(Mw)が50000以下であることを特徴とする請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いたタイヤトレッド。
  11. 請求項10に記載のタイヤトレッドを用いたタイヤ。
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