JP7158988B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
従来のタイヤは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)とシリカを含むゴム組成物を、トレッドに適用することで、タイヤのウェット性能と、低転がり抵抗性とを両立していたが、近年、天然ゴムを主たるゴム成分とし、該ゴム成分に、熱可塑性樹脂や軟化剤を従来より多量に配合したゴム組成物をトレッドに適用することで、更に高いウェット性能と低転がり抵抗性とを発揮できることが分かった(特許文献1参照)。
前記ベースゴムは、30℃での貯蔵弾性率(E’)が3~18MPaであり、
前記キャップゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムから選択される少なくとも1種のゴム(A1)と、変性共役ジエン系重合体(A2)と、を含むゴム成分(A)と、補強性充填剤(B)と、を含むゴム組成物からなり、
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分(A)100質量部中、前記ゴム(A1)の含有量が60質量部以上であり、
前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、重量平均分子量が20×104以上300×104以下であって、該変性共役ジエン系重合体(A2)の総量に対して、分子量が200×104以上500×104以下である変性共役ジエン系重合体を、0.25質量%以上30質量%以下含み、収縮因子(g’)が0.64未満であり、
前記ゴム組成物は、前記補強性充填剤(B)として、シリカ、カーボンブラックから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
かかる本発明のタイヤは、雪上性能と、ウェット性能と、低転がり抵抗性と、高度に両立することができる。
前記分岐は、1の前記カップリング残基に対して5以上の前記共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが好ましい。この場合、タイヤのウェット性能を更に向上させることができる。
下記一般式(III):
下記一般式(IV):
下記一般式(V):
図1は、本発明のタイヤの一実施態様の断面図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なり、タイヤ半径方向内側からベースゴム3及びキャップゴム4を有するトレッド部5と、を有し、前記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,5を補強するカーカス6と、該カーカス6のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト7と、を具える。
また、前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、変性されており、補強性充填剤(B)との親和性に優れるため、該変性共役ジエン系重合体(A2)を使用することで、ゴム組成物のヒステリシスロスが小さくなり、更には、該ゴム組成物をキャップゴム4に使用することで、タイヤの転がり抵抗を低減できる。
また、キャップゴム4を構成するゴム組成物において、前記変性共役ジエン系重合体(A2)と共に、ガラス転移温度(Tg)が低い、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムから選択されるゴム(A1)を併用することで、低温でも、キャップゴム4が柔らかくなり、タイヤの雪上性能が向上する。
更に、30℃での貯蔵弾性率(E’)が18MPa以下であるベースゴム3を組み合わせることで、トレッド部5が柔らかくなり、タイヤの雪上性能が向上する。
以上の点から、本発明のタイヤは、雪上性能と、ウェット性能と、低転がり抵抗性と、を高度に両立することができる。
また、キャップゴム4を構成するゴム組成物は、補強性充填剤(B)として、シリカ、カーボンブラックから選択される少なくとも1種を含むため、剛性が高く、かかるゴム組成物をキャップゴム4に使用することで、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。
また、前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、高分岐であり、また、分子量が高いため、該変性共役ジエン系重合体(A2)を含むゴム組成物をキャップゴム4に使用することで、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。
従って、本発明のタイヤは、操縦安定性、耐摩耗性にも優れる。
なお、ベースゴム3の30℃での貯蔵弾性率(E’)は、実施例に記載の方法で測定する。
前記ゴム成分(A)100質量部中、前記ゴム(A1)の含有量は、60質量部以上であり、65質量部以上であることが好ましく、また、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることが更に好ましい。ゴム成分(A)100質量部中の、ゴム(A1)の含有量が60質量部以上であれば、低温において、キャップゴム4が十分に柔らかくなり、タイヤの雪上性能が向上する。
前記収縮因子(g’)は、0.64未満であり、好ましくは0.63以下であり、より好ましくは0.60以下であり、さらに好ましくは0.59以下であり、より一層好ましくは0.57以下である。また、収縮因子(g’)の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよいが、好ましくは0.30以上であり、より好ましくは0.33以上であり、さらに好ましくは0.35以上であり、より一層好ましくは0.45以上である。収縮因子(g’)がこの範囲である変性共役ジエン系重合体(A2)を使用することで、ゴム組成物の加工性が向上する。
収縮因子(g’)は分岐度に依存する傾向にあるため、例えば、分岐度を指標として収縮因子(g’)を制御することができる。具体的には、分岐度が6である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.59以上0.63以下となる傾向にあり、分岐度が8である変性共役ジエン系重合体とした場合には、その収縮因子(g’)は0.45以上0.59以下となる傾向にある。収縮因子(g’)は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
また、前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、分岐を有し、分岐度が6以上であることがより好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A2)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して6以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、さらに好ましい。分岐度が6以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して6以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.63以下にすることができる。
更に、前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、分岐を有し、分岐度が7以上であることがさらに好ましく、分岐度が8以上であることがより一層好ましい。分岐度の上限は特に限定されないが、18以下であることが好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(A2)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖とを有し、さらに、上記分岐が、1の当該カップリング残基に対して7以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、より一層好ましく、1の当該カップリング残基に対して8以上の当該共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むことが、特に好ましい。分岐度が8以上であること、及び、分岐が、1のカップリング残基に対して8以上の共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含むよう、変性共役ジエン系重合体の構造を特定することにより、収縮因子(g’)を0.59以下にすることができる。
前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、特定の高分子量成分を、好ましくは1.0質量%以上含み、より好ましくは1.4質量%以上含み、さらに好ましくは1.75質量%以上含み、より一層好ましくは2.0質量%以上含み、特に好ましくは2.15質量%以上含み、極めて好ましくは2.5質量%以上含む。また、変性共役ジエン系重合体(A2)は、特定の高分子量成分を、好ましくは28質量%以下含み、より好ましくは25質量%以下含み、さらに好ましくは20質量%以下含み、より一層好ましくは18質量%以下含む。
なお、本明細書において「分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって得られる、標準ポリスチレン換算分子量である。特定の高分子量成分の含有量がこのような範囲にある変性共役ジエン系重合体(A2)を得るためには、後述する重合工程と反応工程とにおける反応条件を制御することが好ましい。例えば、重合工程においては、後述する有機モノリチウム化合物の重合開始剤としての使用量を調整すればよい。また、重合工程において、連続式、及び回分式のいずれの重合様式においても、滞留時間分布を有する方法を用いる、すなわち、成長反応の時間分布を広げるとよい。
なお、変性共役ジエン系重合体(A2)及び後述する共役ジエン系重合体に対する、数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布、特定の高分子量成分の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
なお、一般式(VI)中、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して単結合又は炭素数1~20のアルキレン基を示し、R15、R16、R17、R18及びR20は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基を示し、R19及びR22は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキレン基を示し、R21は、炭素数1~20の、アルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、mは、1~3の整数を示し、pは、1又は2を示し、R11~R22、m及びpは、複数存在する場合、それぞれ独立しており、i、j及びkは、それぞれ独立して0~6の整数を示し、但し、(i+j+k)は、3~10の整数であり、Aは、炭素数1~20の、炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子及びリン原子からなる群から選択される少なくとも一種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を示す。
ここで、一般式(VI)中、Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
前記共役ジエン化合物としては、炭素数4~12の共役ジエン化合物が好ましく、より好ましくは炭素数4~8の共役ジエン化合物である。このような共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、及び1,3-ヘプタジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3-ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。これら共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記ビニル置換芳香族化合物としては、モノビニル芳香族化合物が好ましい。該モノビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、及びジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらビニル置換芳香族化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機モノリチウム化合物は、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、好ましくは、アルキルリチウム化合物である。この場合、重合開始末端にアルキル基を有する、共役ジエン系重合体が得られる。アルキルリチウム化合物としては、例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、及びスチルベンリチウムが挙げられる。アルキルリチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n-ブチルリチウム、及びsec-ブチルリチウムが好ましい。これらの有機モノリチウム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記極性化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム-tert-アミラート、カリウム-tert-ブチラート、ナトリウム-tert-ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体(A2)中の結合芳香族ビニル量(特には、結合スチレン量)は、特に限定されないが、0~60質量%が好ましく、30~60質量%がより好ましく、35~55質量%が更に好ましく、37~50質量%がより一層好ましく、39~45質量%が特に好ましい。
前記結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、ゴム組成物をタイヤのキャップゴム4に適用した際に、雪上性能と、低転がり抵抗性と、ウェット性能と、耐摩耗性とを、高度にバランスすることが可能となる。
なお、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定する。
なお、変性共役ジエン系重合体(A2)がブタジエンとスチレンとの共重合体である場合には、ハンプトンの方法[R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949)]により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2-結合量)を求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
なお、ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
カップリング剤が有するアルコキシシリル基は、例えば、共役ジエン系重合体が有する活性末端と反応して、アルコキシリチウムが解離し、共役ジエン系重合体鎖の末端とカップリング残基のケイ素との結合を形成する傾向にある。カップリング剤1分子が有するSiORの総数から、反応により減じたSiOR数を差し引いた値が、カップリング残基が有するアルコキシシリル基の数となる。また、カップリング剤が有するアザシラサイクル基は、>N-Li結合及び共役ジエン系重合体末端とカップリング残基のケイ素との結合を形成する。なお、>N-Li結合は、仕上げ時の水等により容易に>NH及びLiOHとなる傾向にある。また、カップリング剤において、未反応で残存したアルコキシシリル基は、仕上げ時の水等により容易にシラノール(Si-OH基)となり得る傾向にある。
前記反応工程における反応時間は、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは30秒以上である。重合工程の終了時から反応工程の開始時までの時間は、カップリング率の観点から、より短い方が好ましいが、より好ましくは5分以内である。
反応工程における混合は、機械的な攪拌、スタティックミキサーによる攪拌等のいずれでもよい。重合工程が連続式である場合は、反応工程も連続式であることが好ましい。反応工程における反応器は、例えば、撹拌機付きの槽型、管型のものが用いられる。カップリング剤は、不活性溶媒により希釈して反応器に連続的に供給してもよい。重合工程が回分式の場合は、重合反応器にカップリング剤を投入する方法でも、別の反応器に移送して反応工程を行ってもよい。
前記一般式(II)中、B1は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示す。複数存在する場合のB1は、各々独立している。
前記一般式(III)中、B2は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、B3は、炭素数1~20のアルキル基を示し、aは、1~10の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のB2及びB3は、各々独立している。
前記一般式(IV)中、B4は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示す。複数存在する場合のB4は、各々独立している。
前記一般式(V)中、B5は、単結合又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、aは、1~10の整数を示す。複数存在する場合のB5は、各々独立している。
なお、前記一般式(II)~(V)中のB1、B2、B4、B5に関して、炭素数1~20の炭化水素基としては、炭素数1~20のアルキレン基等が挙げられる。
より好ましくは、前記一般式(VI)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)又は(III)において、aは、2~10の整数を示す。
より一層好ましくは、前記一般式(VI)において、Aは、前記一般式(II)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)において、aは、2~10の整数を示す。
かかるカップリング剤としては、例えば、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-メチル-1,3-プロパンジアミン、ビス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-(3-トリスメトキシシリルプロピル)-メチル-1,3-プロパンジアミン等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体(A2)のGPCによるピーク分子量をMp1、共役ジエン系重合体のピーク分子量をMp2とした場合、以下の式が成り立つことが好ましい。
(Mp1/Mp2)<1.8×10-12×(Mp2-120×104)2+2
Mp2は、20×104以上80×104以下、Mp1は30×104以上150×104以下がより好ましい。Mp1及びMp2は、後述する実施例に記載の方法により求める。
また、前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、重合後のゲル生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピネート、2-メチル-4,6-ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤を添加することが好ましい。
R1、R2及びR3は、各々独立に、単結合又は炭素数1~20のアルキレン基を示し、R4及びR7は、各々独立に、炭素数1~20のアルキル基を示し、R5、R8、及びR9は、各々独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示し、R6及びR10は、各々独立に、炭素数1~20のアルキレン基を示し、R11は、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を示す。m及びxは、1~3の整数を示し、x≦mであり、pは、1又は2を示し、yは1~3の整数を示し、y≦(p+1)であり、zは、1又は2の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のD、R1~R11、m、p、x、y、及びzは、各々独立しており、同じであっても異なっていてもよい。また、iは、0~6の整数を示し、jは0~6の整数を示し、kは0~6の整数を示し、(i+j+k)は3~10の整数であり、((x×i)+(y×j)+(z×k))は、5~30の整数である。Aは、炭素数1~20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を示す。Aが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を包含する。上記活性水素を有しない有機基としては、例えば、水酸基(-OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(-NH2)、スルフヒドリル基(-SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基が挙げられる。
また、好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示す。
より好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)又は(III)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)又は(III)において、aは、2~10の整数を示す。
より一層好ましくは、前記一般式(I)において、Aは、前記一般式(II)で表され、kは、0を示し、前記一般式(II)において、aは、2~10の整数を示す。
また、前記シランカップリング剤の配合量は、シリカの分散性を向上させる観点から、前記シリカ100質量部に対して1質量部以上が好ましく、4質量部以上が更に好ましく、また、20質量部以下が好ましく、12質量部以下が更に好ましい。
前記熱可塑性樹脂(C)の中でも、C5系樹脂、C5-C9系樹脂及びC9系樹脂が特に好ましい。C5系樹脂、C5-C9系樹脂及びC9系樹脂は、ゴム成分(A)との相溶性が高く、タイヤのウェット性能をより一層向上させることができる。前記熱可塑性樹脂(C)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明のタイヤのベースゴム3及びキャップゴム4以外の部材は、特に限定されず、公知の部材を使用することができる。
なお、本発明のタイヤは、好ましくは空気入りタイヤであり、空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとする。スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定する(島津製作所社製の分光光度計「UV-2450」)。
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとする。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600~1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,2-ビニル結合量(mol%)を求める(日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT-IR230」)。
共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」)を使用して、RI検出器(東ソー社製の商品名「HLC8020」)を用いてクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)と、変性共役ジエン系重合体のピークトップ分子量(Mp1)と共役ジエン系重合体のピークトップ分子量(Mp2)とその比率(Mp1/Mp2)と、分子量200×104以上500×104以下の割合と、を求める。溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHF(テトラヒドロフラン)を使用する。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ-H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)-H」を接続して使用する。測定用の試料10mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液10μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で測定する。
上記のピークトップ分子量(Mp1及びMp2)は、次のようにして求める。測定して得られるGPC曲線において、最も高分子量の成分として検出されるピークを選択する。その選択したピークについて、そのピークの極大値に相当する分子量を算出し、ピークトップ分子量とする。
また、上記の分子量200×104~500×104の割合は、積分分子量分布曲線から分子量500×104以下が全体に占める割合から分子量200×104未満が占める割合を差し引くことで算出する。
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(Malvern社製の商品名「GPCmax VE-2001」)を使用して、光散乱検出器、RI検出器、粘度検出器(Malvern社製の商品名「TDA305」)の順番に接続されている3つの検出器を用いて測定し、標準ポリスチレンに基づいて、光散乱検出器とRI検出器結果から絶対分子量を、RI検出器と粘度検出器の結果から固有粘度を求める。直鎖ポリマーは、固有粘度[η]=-3.883M0.771に従うものとして用い、各分子量に対応する固有粘度の比としての収縮因子(g’)を算出する。溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを使用する。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G5000HXL」、及び「TSKgel G6000HXL」を接続して使用する。測定用の試料20mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液100μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量1mL/分の条件で測定する。
共役ジエン系重合体又は変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定する。測定温度は、共役ジエン系重合体を試料とする場合には110℃とし、変性共役ジエン系重合体を試料とする場合には100℃とする。まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とする。
変性共役ジエン系重合体を試料として、ISO 22768:2006に準拠して、マックサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC3200S」を用い、ヘリウム50mL/分の流通下、-100℃から20℃/分で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
変性共役ジエン系重合体を試料として、シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した塩基性重合体成分が吸着する特性を応用することにより、測定する。試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系カラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムと、の差分よりシリカ系カラムへの吸着量を測定し、変性率を求める。具体的には、以下に示すとおりである。
試料溶液の調製:試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とする。
ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを溶離液として用い、試料溶液10μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得る。カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ-H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)-H」を接続して使用する。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得る。カラムは、商品名「Zorbax PSM-1000S」、「PSM-300S」、「PSM-60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用する。
変性率の計算方法:ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求める。
変性率(%)=[1-(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
前記(7)と同様の測定を行い、算出された変性率が10%以上であった場合、窒素原子を有していると判断する。
変性共役ジエン系重合体0.5gを試料として、JIS K 0101 44.3.1に準拠して、紫外可視分光光度計(島津製作所社製の商品名「UV-1800」)を用いて測定し、モリブデン青吸光光度法により定量する。これにより、ケイ素原子が検出された場合(検出下限10質量ppm)、ケイ素原子を有していると判断する。
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を重合反応器とする。予め水分除去した、1,3-ブタジエンを17.2g/分、スチレンを10.5g/分、n-ヘキサンを145.3g/分の条件で混合する。この混合溶液を反応器の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn-ブチルリチウムを0.117mmol/分で添加、混合した後、反応器の底部に連続的に供給する。更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.019g/分の速度で、重合開始剤としてn-ブチルリチウムを0.242mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させる。反応器頂部出口における重合溶液の温度が75℃となるように温度を制御する。重合が十分に安定したところで、反応器頂部出口より、カップリング剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去し、110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定する。
次に、反応器の出口より流出した重合体溶液に、カップリング剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミンを0.0302mmol/分(水分5.2ppm含有n-ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加し、カップリング剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合されカップリング反応する。このとき、反応器の出口より流出した重合溶液にカップリング剤が添加されるまでの時間は4.8分、温度は68℃であり、重合工程における温度と、カップリング剤を添加するまでの温度との差は7℃である。カップリング反応した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n-ヘキサン溶液)で連続的に添加し、カップリング反応を終了する。酸化防止剤と同時に、重合体100gに対してオイル(JX日鉱日石エネルギー社製、商品名「JOMOプロセスNC140」、SRAE)が10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合する。スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを得る。
また、得られた変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを上記の方法で分析すると、結合スチレン量が35質量%であり、ビニル結合量(1,2-結合量)が42mol%であり、重量平均分子量(Mw)が85.2×104g/molであり、数平均分子量(Mn)が38.2×104g/molであり、分子量分布(Mw/Mn)が2.23であり、ピークトップ分子量(Mp1)が96.8×104g/molであり、ピークトップ分子量の比率(Mp1/Mp2)が3.13であり、分子量200×104~500×104の割合が4.6%であり、収縮因子(g’)が0.57であり、ムーニー粘度(100℃)が65であり、ガラス転移温度(Tg)が-24℃であり、変性率が80%であることが分かる。また、得られた変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴムが窒素原子を有すること、ケイ素原子を有することも確認される。
なお、前記変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴムは、カップリング剤の官能基数と添加量から想定される分岐数に相当する「分岐度」は8であり(収縮因子の値からも確認できる)、カップリング剤1分子が有するSiORの総数から反応により減じたSiOR数を引いた値に相当する「SiOR残基数」は4である。
表1に示す配合処方に従い、通常のバンバリーミキサーを用いて、ゴム組成物を製造する。得られたゴム組成物の30℃での貯蔵弾性率(E’)は、以下の方法で測定する。
ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムに対して、株式会社上島製作所製スペクトロメーターを用いて、歪1%、周波数52Hzの条件下で、30℃における貯蔵弾性率(E’)を測定する。結果を表1に示す。
*2 ブタジエンゴム: JSR株式会社製、商品名「BR01」
*3 スチレン-ブタジエン共重合体ゴム: 乳化重合スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、JSR株式会社製、商品名「0122」、ゴム成分100質量部に対して伸展油34質量部を含む
*4 カーボンブラック: 旭カーボン株式会社製、N234
*5 加硫促進剤CZ: N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー(登録商標)CZ-G」
表2及び表3に示す配合処方に従い、通常のバンバリーミキサーを用いて、ゴム組成物を製造する。
上記のようにして調製したゴム組成物を、ベースゴム3又はキャップゴム4に用いて、図1に示す構造で、サイズ195/65R15の空気入りタイヤを作製する。なお、各実施例及び比較例において、使用したベースゴムの種類を、表2及び表3に示す。
得られたタイヤに対して、下記の方法で、雪上性能、耐摩耗性、ウェット性能及び低転がり抵抗性を評価し、結果を表2及び表3に示す。
供試タイヤを試験車に装着し、雪上での実車試験にて、グリップ性能をドライバーのフィーリング評点で表し、表2においては、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示し、表3においては、比較例4のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。指数値が大きい程、雪上性能に優れることを示す。
供試タイヤを試験車に装着し、舗装路面を1万km走行後、残溝を測定し、トレッド部(キャップゴム)が1mm摩耗するのに要する走行距離を相対比較し、表2においては、比較例1のタイヤを100として指数表示し、表3においては、比較例4のタイヤを100として指数表示する。指数値が大きい程、耐摩耗性が良好なことを示す。
供試タイヤを試験車に装着し、湿潤路面での実車試験にて、グリップ性能をドライバーのフィーリング評点で表し、表2においては、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示し、表3においては、比較例4のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。指数値が大きい程、ウェット性能に優れることを示す。
供試タイヤを、回転ドラムにより80km/hrの速度で回転させ、荷重を4.82kNとして、転がり抵抗を測定し、表2においては、比較例1のタイヤの転がり抵抗の逆数を100として指数表示し、表3においては、比較例4のタイヤの転がり抵抗の逆数を100として指数表示する。指数値が大きい程、転がり抵抗が低く、低転がり抵抗性に優れることを示す。
*7 ブタジエンゴム: JSR株式会社製、商品名「BR01」
*8 スチレン-ブタジエン共重合体ゴム: 乳化重合スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、JSR株式会社製、商品名「0122」、スチレン結合量=37質量%、ブタジエン部分のビニル結合量=18.9質量%、ゴム成分100質量部に対してオイル分34質量部を含む
*9 変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴム: 上記の方法で合成される変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、重量平均分子量(Mw)=85.2×104、分子量200×104~500×104の割合=4.6%、収縮因子(g’)=0.57、ゴム成分100質量部に対してオイル分10.0質量部を含む
*10 カーボンブラック: 旭カーボン株式会社製、商品名「#78」
*11 シリカ: 東ソー・シリカ社製、商品名「ニップシールAQ」
*12 シランカップリング剤: ビス(3-トリエトシキシリルプロピル)テトラスルフィド(平均硫黄鎖長:3.7)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si69」(登録商標)
*13 オレイン酸オクチル: 花王株式会社製
*14 C5-C9系樹脂: 日本ゼオン株式会社製、商品名「クイントン(登録商標)G100B」
*15 老化防止剤: N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*16 加硫促進剤DPG: 1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー(登録商標)D」
*17 加硫促進剤CZ: N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー(登録商標)CZ-G」
*18 加硫促進剤DM: ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー(登録商標)DM-P」
Claims (9)
- ベースゴムと、該ベースゴムのタイヤ半径方向外側に位置するキャップゴムと、をトレッド部に具えるタイヤにおいて、
前記ベースゴムは、30℃での貯蔵弾性率(E’)が3~18MPaであり、
前記キャップゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムから選択される少なくとも1種のゴム(A1)と、変性共役ジエン系重合体(A2)と、を含むゴム成分(A)と、補強性充填剤(B)と、を含むゴム組成物からなり、
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分(A)100質量部中、前記ゴム(A1)の含有量が60質量部以上であり、
前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、重量平均分子量が20×104以上300×104以下であって、該変性共役ジエン系重合体(A2)の総量に対して、分子量が200×104以上500×104以下である変性共役ジエン系重合体を、0.25質量%以上30質量%以下含み、収縮因子(g’)が0.64未満であり、
前記ゴム組成物は、前記補強性充填剤(B)として、シリカ、カーボンブラックから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、タイヤ。 - 前記ゴム組成物は、前記補強性充填剤(B)として、シリカと、カーボンブラックとの両方を含み、前記補強性充填剤(B)中の、前記シリカの割合が70質量%以上である、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記ゴム組成物は、更に、熱可塑性樹脂(C)を、前記ゴム成分(A)100質量部に対して1~25質量部含む、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、分岐を有し、分岐度が5以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
- 前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、1以上のカップリング残基と、該カップリング残基に対して結合する共役ジエン系重合体鎖と、を有し、
前記分岐は、1の前記カップリング残基に対して5以上の前記共役ジエン系重合体鎖が結合している分岐を含む、請求項4に記載のタイヤ。 - 前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、下記一般式(I):
- 前記一般式(I)において、Aは、下記一般式(II):
下記一般式(III):
下記一般式(IV):
下記一般式(V):
- 前記変性共役ジエン系重合体(A2)は、共役ジエン系重合体を、下記一般式(VI):
- 前記一般式(VI)で表されるカップリング剤が、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、及びテトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項8に記載のタイヤ。
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