JP2020093873A - フィルム剥離装置 - Google Patents

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Kenta Kawashima
健太 川島
宏典 石川
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Abstract

【課題】装置の構造を極力単純にして省スペース化を実現し、かつ粘着テープや粘着ローラーなどの段取替えの必要がなく、基材に積層されたフィルムを自動で剥離するフィルム剥離装置を提供する。【解決手段】押し込み手段13によってフィルム剥離機構1がフィルム5面に押し込むことで閉空間122が形成され、円筒曲面11が弾性変形して閉空間122の空気が抜けて閉空間122の体積が減少する。次にフィルム剥離機構回転手段14によってフィルム剥離機構1が回転して弾性変形した円筒曲面11はもとの状態に復元し、閉空間122の回転中内圧P2が大気圧Pに比べて減少し、この圧力差によってフィルム5をフィルム剥離機構1に保持させて、フィルム剥離機構回転手段14によりフィルム5を剥離機構1に巻き取りながら基材4から剥離し、フィルム回収機構2でフィルムを回収できるフィルム剥離装置。【選択図】図6

Description

本発明は、基材に積層されたフィルムを基材から剥離する装置に関する。
電子デバイスの微細パターンを作製する際には、一般的には枚葉基材にフォトレジストを積層した後、露光、現像する工程がある。フォトレジストを枚葉基材に積層させる方法には、フィルムにフォトレジスト層が形成されているドライフィルムレジスト(DFR)をラミネートする方法と、液状のフォトレジストを電子デバイスに塗布する方法とが広く使用されている。そして積層したフォトレジストを露光する際に、酸素による重合反応の阻害を防止するために、フォトレジストをフィルムでラミネートする必要がある。また、電子デバイスに絶縁層を形成するために、フィルムに絶縁樹脂が積層されている絶縁樹脂積層フィルムを電子デバイスに積層させる工程がある。
そして上記のような枚葉基材に積層したフィルムを、現像前には剥離する必要がある。また、絶縁樹脂を積層させるために使用するフィルムは、絶縁樹脂を枚葉基材へ転写後に、剥離する必要がある。
これまで、枚葉基材からフィルムを剥離する方法や装置が多く提案されている。
例えば特許文献1に示すように、剥離したフィルムをフィルム把持機構により把持して、フィルム回収容器まで搬送して回収するフィルム剥離装置や、特許文献2および3に示すように、剥離したフィルムを把持して水平に重ねて回収するフィルム剥離装置、特許文献4に示すように、フィルムと枚葉基材の界面に線形切断機を挿入してフィルムを部分的に浮かせた後に、穴の開いているローラーをフィルムに接触させてから真空ポンプを用いてフィルムを吸着して巻き取るようにフィルムを剥離する装置、あるいは特許文献5に示すように、粘着ローラーをフィルムが積層された基材上を転がすことでフィルムを剥離する装置などがある。
フィルムを枚葉基材から剥離する工程は、フォトレジストや絶縁樹脂を枚葉基材に転写、または保護するための副資材であるフィルムを剥離する工程であって、積極的に製品に付加価値を生むものではない。しかしながら、副資材であるフィルムを使用してフォトレジストや絶縁樹脂の枚葉基材への積層を行うことは、簡易的にフォトレジスト層や絶縁樹脂層を枚葉基材へ形成できるメリットがある。
そのため、副資材であるフィルムを枚葉基材から剥離する工程は必要不可欠ではあるが、フィルム剥離装置の構造が複雑であるため大型であったり、粘着テープや粘着ローラーなどの段取替えが必要であったりする。
また、2種類以上のフィルムが積層された基材から1つのフィルムを連続的に剥離する生産工程も多くある。
例えば、近年、ナノ薄膜層を皮膚に付着するためのナノ薄膜が注目されている。またさらに、創傷被服剤として皮膚表面や臓器創面に対して貼付する医療用のナノ薄膜が提案されている。
これに対し、特許文献6に示すように、シート状のナノ薄膜の構造として、吸水性基材にナノ薄膜層が積層された構成や、特許文献7に示すように、第1の浸透性基材とナノ薄膜層と第2の浸透性基材をこの順に積層した構造が提案されている。
上記のような薄膜およびシート状に複数積層された積層体に関する巻物の一般的な製作手段としては、特許文献8に示すように、分離された積層体に張力を与えることで分離前の積層体を密着している層と層を任意に引き剥がし続け、所望の層を取得する方法が挙げられる。
また、特許文献9に示すように、支持基材に生成された薄膜を、負圧作用させて通気性を有したキャリアフィルムに移動させる方法も提案されている。
特開2014−88255号公報 特開2002−234667号公報 特開2010−76875号公報 特開2015−26818号公報 特開平2−106560号公報 特開2017−19916号公報 特開2015−16612号公報 特開2009−275060号公報 特許第5960415号公報
しかしながら、これまで提案されているフィルム剥離装置は、構成する要素が多く複雑な構造となり、広い装置スペースが必要となってしまい、簡単に導入できる設備ではなかった。また装置の粘着テープや粘着ローラーなどの段取替えの時間が必要であり、作業時間の点でも工程上の負荷が大きかった。
本発明は、上記問題点を鑑み、装置の構造を極力単純かつ簡素にして省スペース化を実現し、かつ粘着テープや粘着ローラーなどの段取替えの必要がない、基材に積層されたフィルムを自動で剥離するフィルム剥離装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の発明は、基材に積層されたフィルムを基材から剥がすフィルム剥離装置であって、前記フィルムを保持して巻き取りながら剥離する円筒形状のフィルム剥離機構と、前記フィルム剥離機構で剥離したフィルムを保持して巻き取りながら回収するフィルム回収機構と、基材を支持しながらフィルム剥離機構まで搬送する基材支持搬送機構と、が少なくとも具備されていることを特徴とするフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項2記載の発明は、前記フィルム剥離機構の円筒曲面は、可撓性を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項3記載の発明は、前記フィルム剥離機構の円筒曲面に開口部を有する1つ以上の窪みから成る吸着手段を具備していることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項4記載の発明は、前記フィルム剥離機構は、前記吸着手段を基材に積層されたフィルム面に対して押し込む押し込み手段と、前記押し込み手段の力を調整する押し込み力調整部を具備していることを特徴とする請求項3に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項5記載の発明は、前記フィルム剥離機構は、前記フィルム剥離機構の円筒中心を通るフィルム剥離機構中心軸と、前記フィルム剥離機構中心軸回りに回転させるフィルム剥離機構回転手段と、を具備しており、前記フィルム剥離機構中心軸は前記基材支持搬送機構による基材搬送方向と直交する位置に設置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項6記載の発明は、前記フィルム回収機構は、円筒形状であり、円筒中心を通るフィルム回収機構中心軸と、前記フィルム回収機構中心軸回りに回転させるフィルム回収機構回転手段と、を具備しており、前記フィルム回収機構中心軸は前記フィルム剥離機構中心軸と平行な位置にあることを特徴とする請求項5に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項7記載の発明は、前記フィルム剥離機構中心軸と前記フィルム回収機構中心軸の軸間距離は、フィルム剥離機構の円筒半径とフィルム回収機構の円筒半径とフィルムの厚みの総和以下で設置されていることを特徴とする請求項6に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項8記載の発明は、前記フィルム剥離機構回転手段の回転方向は、前記フィルム回収機構回転手段の回転方向と逆向きであることを特徴とする請求項6または7に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項9記載の発明は、前記フィルム回収機構の円筒曲面に、開口部を有する1つ以上の窪みから成る吸着手段を具備していることを特徴とする請求項6〜8に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項10記載の発明は、前記フィルム回収機構の円筒曲面は、前記フィルム剥離機構の円筒曲面を構成する材料よりも弾性率が低い材料からなることを特徴とする請求項6〜9に記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明の請求項11記載の発明は、前記フィルム剥離機構によりフィルムを保持する力よりも、前記フィルム回収機構によりフィルムを保持する力の方が大きいことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のフィルム剥離装置を提供する。
本発明のフィルム剥離装置によれば、装置の構造を極力単純にして省スペース化を実現し、かつ粘着テープや粘着ローラーなどの段取替えの必要がなく、基材に積層されたフィルムを自動でフィルムを剥離することができる。
本発明のフィルム剥離装置の概略の一例を示す模式図である。 本発明に係るフィルム剥離機構の円筒曲面の部分拡大図を示す模式図である。 本発明に係るフィルム剥離機構の円筒曲面に形成された窪みのパターンの一例を示した模式図である。 本発明のフィルム剥離機構に具備された押し込み手段と、押し込み力調整部の一例を示す模式図である。 本発明に係るフィルム剥離機構の吸着手段を示す模式図である。 本発明に係るフィルム剥離工程の状態を示す模式図である。 本発明に係る基材とフィルム剥離機構およびフィルム回収機構の位置関係の一例を示す模式図である。 本発明に係るフィルム剥離機構とフィルム回収機構の位置関係の一例を示す模式図である。 本発明のフィルム剥離装置を用いてフィルムを剥離する際の装置の動作の一例を示す模式図である。 本発明のフィルム剥離装置の変形例を示す模式図である。
本発明によるフィルム剥離装置の実施形態については、図を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思考を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記の実施形態に特定するものではない。
図1に示すように、フィルム剥離装置の一実施形態は、フィルム5が積層された基材4を支持しながら搬送する支持搬送機構3と、フィルム剥離機構1と、フィルム回収機構2と、から構成される。なお、図1(a)は本装置の側面図、(b)は鳥瞰図である。
フィルム剥離機構1の円筒曲面11を構成する材料は、可撓性を有する材料が好ましい。例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、二トリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが考えられるが、この限りではない。また、円筒曲面11の構成はこれら材料を複数組み合わせてもよい。
基材4の形状は限定されるものではなく、円形、多角形などいかなる形状の基材11であってもよい。また、枚葉であっても巻物のように連続的な基材であってもよい。
図2は、フィルム剥離機構1の一例を示す鳥瞰図であり、円筒曲面11の部分拡大図を示している。図2に示すように、フィルム剥離機構1の円筒曲面11には吸着手段12を具備しており、吸着手段12は1つ以上の窪み121の配列から構成されている。
図3は、フィルム剥離機構1の円筒曲面11に形成された窪み121のパターン形状の一例を示した鳥瞰図であり、図3(a)に示すような四角柱形状、図3(b)に示すような四角錐状、図3(c)に示すような円柱形状、図3(d)に示すような円錐形状などが考えられるが、これに限定するものではない。好ましくは、加工性の観点から図3(b)または(d)のような錐形状がよい。
図4はフィルム剥離機構1に具備された押し込み手段13と、押し込み力調整部131の一例を示す概略図である。
図4に示すように、基材支持搬送機構3上に基材1及びフィルム5が載せられている。
フィルム剥離機構1は、基材4に積層されたフィルム5面に対して押し込むことのできる押し込み手段13が具備されており、前記押し込み手段13には押し込み力調整部131が具備されている。
押し込み手段13は特に制限しないが、具体的には例えばエアシリンダなどが考えられ、その場合押し込み力調整部131は圧力レギュレーターなどが相当する。圧力レギュレーターにて、エアシリンダへ供給する圧力を上昇させることで押し込み力を増加させることができる。
押し込み力調整部131は、基材4に積層されたフィルム5面に対して押し込むことのできる押し込み手段13の押し込み力を調整できるものである。押し込み力を大きくすることでフィルム剥離機構1がフィルムを保持する力をより大きくすることができ、基材4とフィルム5の組み合わせによって最適な押し込み力を調整することができる。
図5は、フィルム剥離機構1の円筒曲面11に形成された吸着手段12の窪み121とフィルム5の状態の一例を表す図であり、(a)は上記断面の側面図、(b)は鳥瞰図である。図5に示すように、吸着手段12の窪み121は、フィルム剥離機構1の円筒曲面11が基材4に積層されたフィルム5に接して押し込まれることで、フィルム5面が窪み121に追従して、窪み121とフィルム5の間に閉空間122を作ることができる。
図6は、フィルム剥離開始時におけるフィルム剥離機構1とフィルム5の状態を示した一例であり、(a)はフィルム剥離機構1の円筒曲面11がフィルム5に接する前の状態を示し、(b)は前記円筒曲面11が押し込み手段13により押し込まれた時の状態を示し、(c)はフィルム剥離機構回転手段14によってフィルム5が巻き取られた状態を示している。
図6(a)に示すように、フィルム剥離機構1の円筒曲面11がフィルム5に接する前の状態において、吸着手段12の窪み121内の圧力は、大気圧Pと等しい。
次に図6(b)に示すように、押し込み手段13によってフィルム剥離機構1が基材4に積層されているフィルム5面に押し込むことで閉空間122が形成され、円筒曲面11が弾性変形することで閉空間122の空気が抜けて閉空間122の体積が減少し、閉空間122内の圧力は押し込み時内圧Pとなり、内圧P1は大気圧Pより圧力が大きくなる。
ここで、円筒曲面11を構成する材料が可撓性がある、即ち弾性変形しやすい材料である場合には、閉空間122の体積がより減少し、閉空間122内の圧力P1はより大きくなる。
次に図6(c)に示すように、フィルム剥離機構回転手段14によってフィルム剥離機構1が回転することで、押し込み手段13により押し込まれる部分が移動し、図6(b)の状態の弾性変形した円筒曲面11は押し込み手段13による圧力がなくなり、もとの状態に復元し、これにより閉空間122の回転時内圧Pが大気圧Pに比べて減少し、この圧力差によってフィルム5をフィルム剥離機構1に保持する力が発生する。
フィルム剥離機構1の押し込み手段13とフィルム剥離機構回転手段14とによって、閉空間122の回転時内圧Pはフィルム剥離機構1の回転中は維持されるため、フィルム5に対して保持する力を与えることができる。
図6(a)、(b)および(c)の状態をこの順につくることで、フィルム5をフィルム剥離機構1に保持する力を生むことができるが、図6(a)に示すような状態はこの事例に限定されるものではない。
フィルム剥離機構1の円筒曲面11をフィルム5面に押し込むことによって発生したフィルム剥離機構1の吸着手段12がフィルムを保持する力は、基材4からフィルム5を剥離するのに必要な力より大きくなければならない。前記フィルム剥離機構1の吸着手段12がフィルムを保持する力が、基材4からフィルム5を剥離するのに必要な力より小さいときは、フィルム5を基材4から剥離することはできない。
前記フィルム剥離機構1の吸着手段12がフィルムを保持する力を上昇させるためには、押し込み力調整部131によって押し込み力を上昇させて、図6(b)の状態において閉空間122の体積をより減少させておき、図6(b)から図6(c)の状態へ移る際に閉空間122の体積変化を大きくすることで可能となる。
前記押し込み力を上昇させてもフィルム5を基材4から剥離できない際には、フィルム
剥離機構1の円筒曲面11に、より弾性率の低い材料を用いることなどが考えられる。弾性率が低いということは変形しやすいということであり、同じ押し込み力でも閉空間122の体積をより減少させることができるため、フィルムを保持する力が大きくなるからである。
図7は基材4とフィルム剥離機構1およびフィルム回収機構2の位置関係の一例を示した一例であり、(a)は上面図、(b)は鳥瞰図である。
図7(a)に示すようにフィルム剥離機構1は、フィルム剥離機構の円筒中心を通るフィルム剥離機構中心軸141と、前記フィルム剥離機構中心軸141回りに回転するフィルム剥離機構回転手段14とを具備している。
また、フィルム回収機構2は、フィルム回収機構中心軸211と、この中心軸回りに回転するフィルム回収機構回転手段21とを具備している。
図7(b)に示すように、フィルム剥離機構中心軸141は、基材支持搬送機構3の基材搬送方向31と直交する位置に設置されている。また、基材搬送方向31に対する基材4の向きは特に限定しない。
図8にフィルム剥離機構1とフィルム回収機構2の軸間距離Lの関係を側面図で示す。軸間距離Lがフィルム剥離機構の円筒半径Rとフィルム回収機構の円筒半径Rとフィルムの厚みtの総和以下になるように軸間距離Lを調整し、設計することで、フィルム剥離機構1に巻き取って剥離したフィルムをフィルム回収機構2に受け渡すことができる。
例えば、フィルム剥離機構1の円筒曲面11とフィルム回収機構2の円筒曲面22が接していてもよいし、ニップ機構のようにフィルム回収機構2の円筒曲面22がフィルム剥離機構1の円筒曲面11に押し込まれているような軸間距離Lで設置されていても構わない。
軸間距離Lがフィルム剥離機構1の円筒半径Rとフィルム回収機構の円筒半径Rとフィルムの厚みtの総和より大きい場合には、フィルム剥離機構1に巻き取られたフィルム5はフィルム回収機構2に移動することができない。
図9に、本発明のフィルム剥離装置を用いてフィルムを剥離する際の装置の動作の一例を示す。
まず図9(a)のように、フィルム5が積層された基材4がフィルム剥離機構1に接していない状態から、図9(b)のように押し込み手段13によりフィルム剥離機構1をフィルム5面に押し込む。次に図9(c)のように、フィルム剥離機構回転手段14によりフィルム剥離機構1が回転しながらフィルム5を剥離し、図9(d)に示すように剥離したフィルム5が、フィルム回収機構回転手段21によってフィルム回収機構2が回転することで、フィルム回収機構2に巻き取られながら回収される。
その後、図9(e)に示すように基材4から剥離されたフィルム5をさらにフィルム回収機構2で巻取り、図9(f)に示すようにフィルム回収機構2にフィルム5が完全に回収される。そして枚葉基材の場合には、図9(g)に示すようにフィルム回収機構2に巻き取られたフィルム5をフィルム離脱機構6によってフィルム回収機構2からフィルムを離脱させ、フィルム廃棄機構7によって廃棄される動作を行う。
フィルム回収機構回転手段21は、独立した駆動機構を持たなくても、フィルム剥離機構回転手段14の駆動を、フィルムを介して従動するような構造でもよい。また、フィルム剥離機構回転手段14とフィルム回収機構回転手段21の回転方向は互いに逆向きである必要がある。
フィルム剥離機構1の吸着手段12よりもフィルム回収機構2の方がフィルムを保持する力が低い場合、フィルム剥離機構1に巻き取られたフィルム5は、フィルム回収機構2へ移動することができない。
フィルム回収機構2は、フィルム剥離機構1と同様に円筒曲面22に窪みを持つような構造の吸着手段を有するローラーであって、フィルム回収機構2の円筒曲面22を構成する材料の弾性率や窪みのパターンやサイズを設計することで、フィルム剥離機構1で保持しているフィルム5をフィルム回収機構2に移動させることができる。
移動させるためには、例えば、フィルム剥離機構1の円筒曲面11を構成する材料よりも弾性率の低い材料をフィルム回収機構2の円筒曲面22に用いることが考えられる。弾性率が低いと、円筒曲面は押し込み力に対してより変形しやすくなり、窪み内の閉空間の体積がより減少するので、フィルム剥離機構1の吸着力よりもフィルム回収機構2の吸着力が大きくなるからである。
基材支持搬送機構3は、基材の形態、フィルムの積層面などによっていかなる構造も取りうる。図10に、基材からフィルムを剥離する際に考えられる装置構成の一例を示す。基材4に積層された片面のフィルム5を剥がす場合は、図10(a)に示すように、基材支持搬送機構3はステージのように板状の形状をしている装置構成が考えられる。
図10(b)に示すように、基材支持搬送機構3がロールのような形をしており、基材4を搬送し、フィルム剥離機構1の真下に前記ロールの一つが配置されていて、前記ロールとフィルム剥離機構1とでフィルム5が積層された基材4をニップするような装置構成であっても良い。
基材4の両面にフィルム5が積層されている基材4から両面のフィルム5を同時に剥がす場合は、図10(c)に示すようにフィルム剥離機構1とフィルム回収機構2とが基材5の表裏に2対設置されており、基材5の表面側に設置されたフィルム剥離機構1と、基材5の裏面側に設置されたフィルム剥離機構1とで基材5をニップするような装置構成であれば、基材4の両面に積層されたフィルム5を同時に剥離することができる。
図10(d)は巻物のように連続的な基材4に積層されたフィルム5を剥がす場合の例である。この場合も図10(c)と同様に、フィルム剥離機構1とフィルム回収機構2とが基材4の表裏に2対設置されており、基材4の表面側に設置されたフィルム剥離機構1と、基材4の裏面側に設置されたフィルム剥離機構1とで基材4をニップし、かつ、前記フィルム剥離機構1のいずれかが基材支持搬送機構3を兼ねている装置構成にすることで、基材4の両面に積層されたフィルム5を同時に剥離することができる。
基材4の両面にフィルム5が積層されている基材4からフィルムを片面ずつ剥がす場合には、図10(a)、(b)、(c)いずれの場合も適用可能である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
ステンレス板に、90度剥離:0.1N/40mm程度の剥離強度で微弱に密着している幅170mmのポリエチレンテレフタラート(PET)製のフィルム(40μm厚)を、図10(a)に示す構造で剥離した。
フィルム剥離機構1の窪み121の形状は正六角形の柱状であり、その1辺の長さは4mmであり、深さは5mmである。フィルム剥離機構の円筒半径Rは60mmであり、直径100mmのアルミ製の軸にシリコーンゴムを巻きつけた構造であった。また、前記シリコーンゴムに窪み121が1350個形成した構造であった。
この剥離機構1を使用して上記のステンレス板上のPETフィルムを剥離したところ、剥離途中でのPETフィルムの断裂などがなく、剥離を行うことができた。
1・・・フィルム剥離機構
2・・・フィルム回収機構
3・・・基材支持搬送機構
4・・・基材
5・・・フィルム
6・・・フィルム離脱機構
7・・・フィルム廃棄手段
11・・・円筒曲面
12・・・吸着手段
13・・・押し込み手段
14・・・フィルム剥離機構回転手段
21・・・フィルム回収機構回収手段
22・・・円筒曲面
31・・・基材搬送方向
121・・・窪み
122・・・密閉空間
131・・・押し込み力調整部
141・・・フィルム剥離機構中心軸
211・・・フィルム回収機構中心軸
P・・・大気圧
・・・押し込み時内圧
・・・回転時内圧
・・・フィルム剥離機構の円筒半径
・・・フィルム回収機構の円筒半径
L・・・軸間距離
t・・・フィルムの厚み

Claims (11)

  1. 基材に積層されたフィルムを基材から剥がすフィルム剥離装置であって、前記フィルムを保持して巻き取りながら剥離する円筒形状のフィルム剥離機構と、前記フィルム剥離機構で剥離したフィルムを保持して巻き取りながら回収するフィルム回収機構と、基材を支持しながらフィルム剥離機構まで搬送する基材支持搬送機構と、が少なくとも具備されていることを特徴とするフィルム剥離装置。
  2. 前記フィルム剥離機構の円筒曲面が、可撓性を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム剥離装置。
  3. 前記フィルム剥離機構の円筒曲面に、開口部を有する1つ以上の窪みから成る吸着手段を具備していることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム剥離装置。
  4. 前記フィルム剥離機構は、前記吸着手段を基材に積層されたフィルム面に対して押し込む押し込み手段と、前記押し込み手段の力を調整する押し込み力調整部を具備していることを特徴とする請求項3に記載のフィルム剥離装置。
  5. 前記フィルム剥離機構は、前記フィルム剥離機構の円筒中心を通るフィルム剥離機構中心軸と、前記フィルム剥離機構中心軸回りに回転させるフィルム剥離機構回転手段と、を具備しており、前記フィルム剥離機構中心軸は前記基材支持搬送機構による基材搬送方向と直交する位置に設置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム剥離装置。
  6. 前記フィルム回収機構は、円筒形状であり、円筒中心を通るフィルム回収機構中心軸と、前記フィルム回収機構中心軸回りに回転させるフィルム回収機構回転手段と、を具備しており、前記フィルム回収機構中心軸は前記フィルム剥離機構中心軸と平行な位置にあることを特徴とする請求項5に記載のフィルム剥離装置。
  7. 前記フィルム剥離機構中心軸と前記フィルム回収機構中心軸の軸間距離は、フィルム剥離機構の円筒半径とフィルム回収機構の円筒半径とフィルムの厚みの総和以下で設置されていることを特徴とする請求項6に記載のフィルム剥離装置。
  8. 前記フィルム剥離機構回転手段の回転方向は、前記フィルム回収機構回転手段の回転方向と逆向きであることを特徴とする請求項6または7に記載のフィルム剥離装置。
  9. 前記フィルム回収機構の円筒曲面に、開口部を有する1つ以上の窪みから成る吸着手段を具備していることを特徴とする請求項6〜8に記載のフィルム剥離装置。
  10. 前記フィルム回収機構の円筒曲面は、前記フィルム剥離機構の円筒曲面を構成する材料よりも弾性率が低い材料からなることを特徴とする請求項6〜9に記載のフィルム剥離装置。
  11. 前記フィルム剥離機構によりフィルムを保持する力よりも、前記フィルム回収機構によりフィルムを保持する力の方が大きいことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のフィルム剥離装置。
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