JP2020093349A - 金属板の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属板を切断して所定形状に形成し、該所定形状に形成された金属板の上面を平坦に加工する金属板の加工方法において、反りを生じさせることなく、平坦化できる金属板の加工方法を提供する。【解決手段】金属板の加工方法であって、金属板を円板状の超鋼カッターで切断して所定形状に形成する切断工程と、所定形状に形成された金属板12の外周121に盛り上がったバリ122と共に金属板12の上面12aをバイト72で切削して上面12aを平坦に加工する平坦加工工程と、から少なくとも構成される金属板の加工方法。【選択図】図5
Description
本発明は、金属板を所定形状に形成し、所定形状に形成された金属板の上面を平坦に加工する金属板の加工方法に関する。
従来から金属板の上面をフライス盤によって切削加工を施して平坦に加工する金属板の加工方法が実施されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、例えば、大判のアルミニウム板等の金属板を所定形状に切断して分割し所定形状としてから上面を平坦に加工する場合には、該大判の金属板を切断する際に、ダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固定した切削ブレードを使用して切断が実施される。
上記した、金属板を所定形状に切断し所望の形状とした金属板の上面を平坦にする加工方法によれば、金属板を所定形状に分割しつつ、上面を平坦に加工することが可能であるものの、該金属板の厚みが薄くなると(例えば、1mm以下)、フライス盤によって平坦化する際に、該金属板に反りが生じて品質の低下を招くという問題があることが判明した。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、金属板を切断して所定形状に形成し、該所定形状に形成された金属板の上面を平坦に加工する金属板の加工方法において、反りを生じさせることなく、平坦化できる金属板の加工方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、金属板の加工方法であって、金属板を円板状の超鋼カッターで切断して所定形状に形成する切断工程と、所定形状に形成された金属板の外周に盛り上がったバリと共に金属板の上面をバイトで切削して上面を平坦に加工する平坦加工工程と、から少なくとも構成される金属板の加工方法が提供される。
該バイトの切り刃は、ダイヤモンドで形成されていることが好ましい。また、該金属板は、アルミニウム板、銅板のいずれかであってよい。
本発明の金属板の加工方法は、金属板を円板状の超鋼カッターで切断して所定形状に形成する切断工程と、所定形状に形成された金属板の外周に盛り上がったバリと共に金属板の上面をバイトで切削して上面を平坦に加工する平坦加工工程と、から少なくとも構成されていることから、加工しようとする金属板の厚みが薄い場合であっても、反りを生じさせることを抑制することが可能になった。さらに、金属板を切断して所定形状の金属板に形成する切断工程は、ダイヤモンド砥粒を含まない超鋼カッターによって実施されることから、所定形状に形成された金属板の外周にバリが形成されるにしても、該バリにダイヤモンド砥粒が含まれないことから、金属板の上面をバイトで切削して平坦化する際に、金属板の上面を傷付けることがなく、バイトの切り刃に欠けも生じず、良好な平坦面(鏡面)を形成する平坦加工工程を実施することが可能となる。
以下、本発明に基づいて構成される金属板の加工方法の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態における金属板の加工方法は、切断工程と、平坦化加工工程から少なくとも構成される。まず、平坦化加工工程に先駆けて実施される切断工程について、以下に説明する。
本実施形態を実施するに際し、図1に示すように、後述する切断工程によって所定形状に切断される金属板、例えば、50cm×50cmのアルミニウム板10を用意する。アルミニウム板10の厚みは1mmである。このアルミニウム板10の下面に、同一の形状で形成され表面に糊剤が塗布された保護テープ20を貼着し、金属板ユニット30を構成する。保護テープ20は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる。
上記した金属板ユニット30を用意したならば、切削装置40(一部のみ示している。)に配設された保持テーブル42の吸着チャック44上に、保護テープ20側を下方に向けて載置する。吸着チャック44は、通気性を有する材質で形成され、図示しない吸引手段に接続されており、該吸引手段を作動させることにより金属板ユニット30を吸引保持する。
図2に示すように、切削装置40は、保持テーブル42上に保持された被加工物を切断する切削手段45を備えている。切削手段45は、回転スピンドル451と、回転スピンドル451の先端に固定される円板状の超鋼カッター452と、回転スピンドル451を回転自在に保持するスピンドルハウジング453とを備える。回転スピンドル451は、スピンドルハウジング453の後端側(図示は省略する。)に配設されるスピンドルモータによって回転駆動される。また、切削手段45は、図示しない移動手段により、X軸方向と直交しX軸方向とで水平面を構成する矢印Yで示す割り出し送り方向、及び矢印Zで示す切り出し送り方向に移動可能に構成されている。超鋼カッター452は、ダイヤモンド砥粒を含まない超鋼合金等の金属により構成され、直径が60mm、厚みは0.2mmである。なお、保持テーブル42は、矢印Xで示す方向に図示しない移動手段により進退可能に構成されている。
本実施形態において切断工程を実施するに際し、上記した保持テーブル42に金属板ユニット30を吸引保持し、切削手段45を用意したならば、切削装置40に配設される撮像手段(図示は省略する。)を用いて、金属板ユニット30のアルミニウム板10と、超鋼カッター452との位置合わせ(アライメント)を実施する。該アライメントを実施したならば、超鋼カッター452を矢印R1で示す方向に回転させ、所定の加工開始位置に位置付けて切り込み送りすると共に、保持テーブル42を矢印X1で示す方向に加工送りし、アルミニウム板10に切削溝100を形成する。この切削溝100は、アルミニウム板10を完全に切断するが、保護テープ20は完全に切断しない程度の深さで形成され、切削溝100が形成された後も金属板ユニット30は一体化された状態で維持される。このようにしてX軸方向に沿って切削溝100を形成したならば、切削手段45(超鋼カッター452)をY軸方向に10cm割り出し送りして、先に形成した切削溝100と平行に切削溝100を形成する。このようにして、10cm間隔でアルミニウム板10を切削して分割したならば、保持テーブル42を90度回転して、先に形成した切削溝100と直交する方向を図中のX軸方向に沿うように位置付ける。このように保持テーブル42を90度回転させたならば、上記した切削溝100を形成した切削加工と同様の加工を実施して、先に形成した切削溝100と直交する切削溝100を形成する(図2の下段を参照。)。以上により、金属板ユニット30のアルミニウム板10が、所定形状である10cm×10cmの寸法に切断された金属板、すなわち、四角形状のアルミニウム片12に分割され、切断工程が完了する。なお、本実施形態では、一辺が50cmのアルミニウム板10を切断して、一辺が10cmのアルミニウム片12に分割したが、アルミニウム片12の一辺を精密に10cmとする場合は、超鋼カッター452による切断によって減少する幅を考慮して、アルミニウム板10の一辺を設定し(50cm+1mm程度)、切削溝100の間隔を調整することが好ましい。
図3を参照しながら、上記した切断工程によって所定形状(四角形状)に形成されたアルミニウム片12の上面12aを平坦化する平坦加工工程に好適なバイト切削装置50について説明する。
本実施形態に係るバイト切削装置50は、図3に示すように、装置基台51と、装置基台51上に配設されるバイト切削手段60と、チャックテーブル80とを備える。バイト切削装置50は、更に、チャックテーブル80をX軸方向に移動させるチャックテーブル移動手段(図示は省略する。)と、バイト切削手段60をZ軸方向で進退させるバイト切削手段移動手段90とを備える。バイト切削装置50は、バイト切削手段60とアルミニウム片12を保持したチャックテーブル80とを相対移動させることで、アルミニウム片12の上面12aを切削して平坦化する。
チャックテーブル80は、チャックテーブル80の保持面を形成し通気性を有する円形の保持部材84と、該保持部材84を囲繞して保持部材84を支持する枠部82とを備える。チャックテーブル80には、図示しない吸引手段が接続され、チャックテーブル80上に負圧を作用させる。
チャックテーブル80は、加工動作の開始指示があった場合、図3においてチャックテーブル80が位置付けられている加工待機領域から、矢印X2で示すようにバイト切削手段60の下方の加工領域に進入させられる。そして、加工動作の終了指示があった場合、チャックテーブル80を、バイト切削手段60の下方の加工領域から該加工待機領域に退避させられる。
装置基台51は、図3に示すように、本体部52と、壁部53とを備える。本体部52は、直方体形状に形成され、壁部53は、本体部52の後端部から、上方側に立設されている。壁部53の前面側には、Z軸方向に沿って一対のガイドレール56が配置されている。ガイドレール56は、バイト切削手段60のZ軸方向への移動をガイドする。
バイト切削手段60は、スピンドル61と、バイトホイール62と、スピンドルハウジング63と、バイト駆動部66と、を備える。スピンドル61は、スピンドルハウジング63に回転可能に支持されている。スピンドルハウジング63は、バイト切削手段60の移動基台67に形成された支持部64に支持されている。スピンドル61は、バイト駆動部66の出力軸と連結され、チャックテーブル80の保持部材84の保持面と直交する方向に位置付けられ回転駆動される。バイトホイール62は、スピンドル61の先端に装着され、被加工物を切削するバイト72を保持する。バイト72の先端を構成する切り刃は、ダイヤモンドにより形成されている。バイトホイール62から下方側へのバイト72の切り刃の飛び出し量は、バイト72を固定開放するねじ74によって調整される。
バイト切削手段移動手段90は、パルスモータ92と、雄ねじロッド94とを備え、移動基台67を移動させる。雄ねじロッド94は、壁部53の前面に配置され、その上端部及び下端部が壁部53に取り付けられた軸受部材96、97によって回転自在に支持され、Z軸方向に延在する。雄ねじロッド94は、パルスモータ92の出力軸と伝動連結され、回転駆動される。移動基台67には、一対のガイドレール56と摺動可能に係合する被案内溝と、裏面側に形成された係合部材(図示は省略する。)と、が形成され、該係合部材が雄ねじロッド94と係合することで、一対のガイドレール56に沿ってZ軸方向に移動させられる。このような構成に基づき、バイト切削手段移動手段90は、バイト切削手段60を一対のガイドレール56に沿ってZ軸方向に移動させる。
バイト切削装置50は、図示しない制御手段を備えている。該制御手段は、バイト切削装置50を構成する上述した各構成要素をそれぞれ制御し、アルミニウム片12に対する切削動作をバイト切削装置50に行わせる。なお、制御手段は、図示しないコンピュータにより構成されている。該制御手段は、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる本体部52の前面に配設された入力手段Pと、各種の情報を表示する表示手段(図示は省略する。)と、に接続される。
本実施形態のバイト切削装置50は、概ね上記したとおりの構成を備え、所定形状に形成されたアルミニウム片12の上面12aをバイト72で切削して上面12aを平坦に加工する平坦加工工程を実施する。図3乃至図5を参照しながら、以下に、より具体的に説明する。なお、図5の上段に、バイト切削装置50による平坦化加工の実施態様を示す平面図を示し、下段には、側面図を示す。
上記した切断工程によって所定形状に分割されたアルミニウム片12を得たならば、図4に示すように、表面に粘着力が付与された円形状の保護テープ22を用意し、保護テープ22の中央にアルミニウム片12の上面12aを上方に向けて貼着する。ここで、図4の左下方に、アルミニウム片12の外周121の一部を拡大して示すように、上記した切断工程を回転する円板状の超鋼カッター452で切断すると、超鋼カッター452で切削された外周121の上部に盛り上がったバリ122が形成される。アルミニウム片12の上面12aを平坦化するには、このバリ122を除去すると共に、アルミニウム片12の上面12aを切削して平坦に加工する。
上記した切断工程により所定形状とされたアルミニウム片12を保護テープ22と一体化したならば、図3に示すように、バイト切削装置50のチャックテーブル80に載置して、吸引保持する。なお、この際チャックテーブル80は、加工待機領域に位置付けられている(図5の左方側)。
チャックテーブル80にアルミニウム片12を吸引保持したならば、バイト切削手段60を作動して、図中R2で示す方向に、バイトホイール62を、所定の速度、例えば6000rpmで回転させる。バイトホイール62と共にバイト72を回転させたならば、バイト切削手段移動手段90を作動して、バイト切削手段60を下降させ、バイト72をアルミニウム片12の上面12aを切削して平坦化する高さ位置まで下降させる。より具体的には、本実施形態では、アルミニウム片12を、0.8mmの厚さになるように平坦化するものであることから、バイト72の先端の切り刃の位置を上面12aに対して0.2mm低い位置に位置付ける。
上記したように、バイト72を回転させて所定の高さ位置に下降させたならば、図5に示すように、チャックテーブル80を、左方側の加工待機領域から、矢印で示す方向(図3中のX2で示す方向)に移動して、バイトホイール62の下方の加工領域に向けて移動させる。チャックテーブル80を加工領域に移動させることで、バイト72の切り刃がアルミニウム片12の外周121に形成されたバリ122を切削して除去し、さらに、アルミニウム片12の上面12aを切削する(図5の中央を参照。)。さらにチャックテーブル80を図5中の右方側に移動させることにより、アルミニウム片12の上面12a、及び外周121に形成されたバリ122の全てが除去され、平坦面12bが形成されたアルミニウム片12’が形成される(図5の右方を参照。)。なお、図5は、説明の都合上、バリ122の形状、及び平坦面12bに形成される切削痕を実際よりも誇張して示しており、実際のバリ122の寸法、及び切削痕の視認状態に沿ったものではない。特に、平坦面12bに形成される切削痕は、実際には、微かに視認できる程度であり。平坦面12bは、略鏡面に加工される。以上により、本実施形態の平坦加工工程が完了する。
本実施形態は、上記した切断工程、及び平坦加工工程を実施することにより、以下のような作用効果を奏する。従来、所定形状とされた金属板を平坦化する際には、フライス盤を用いて平坦化されていた。しかし、フライス盤を用いて平坦加工工程を実施する場合、金属板の厚みが、例えば1mm以下と薄くなった場合に、金属板の上面に歪が生じて反りを発生させ、金属板として品質の低下を招いていた。しかし、本実施形態のように、金属板の上面をバイトで切削して平坦化するようにしたことで、加工しようとする金属板の厚みが薄い場合であっても、反りを生じさせることを抑制することが可能になった。
さらに、金属板の上面をバイトで切削する場合、所定形状の金属板が、大判の金属板からダイヤモンド砥粒を含む切削ブレードによって切断されていると、外周に形成されるバリに、切削ブレードから離脱したダイヤモンド砥粒が取り込まれて混入した状態となる。この金属板の上面を、先端にダイヤモンドを備えたバイトで切削して平坦化しようとすると、バリに含まれるダイヤモンド砥粒によって金属板の上面が傷つけられて、品質の低下を招き、さらに、バリからこぼれたダイヤモンド砥粒によってバイトの切り刃を構成するダイヤモンドが欠けて損傷し、平坦化が良好になされないという問題が生じる。これに対し、本実施形態によれば、大判の金属板を切断して所定形状の金属板に形成する切断工程は、ダイヤモンド砥粒を含まない超鋼カッターによって実施される。これにより、所定形状に形成された金属板の外周にバリが形成されるにしても、該バリにダイヤモンド砥粒が含まれないことから、金属板の上面をバイトで切削して平坦化する際にも、上面を傷付けることがなく、バイトの切り刃に欠けも生じず、良好な平坦面(鏡面)となる平坦加工工程を実施することが可能である。
本発明によれば、上記した実施形態に限定されず、種々の変形例が提供される。例えば、上記した実施形態では、被加工物となる金属板を、アルミニウム板10で構成したが、本発明はこれに限定されず、銅板を加工する際にも同様の作用効果を奏することができる。また、上記した実施形態では、バイトを使用して平坦化した結果、アルミニウム片12の上面を鏡面とするように加工を実施したが、必ずしもバイト加工によってのみ鏡面とすることに限定されず、上面をバイトで切削して平坦化した後、研磨工程等を実施して鏡面化する工程を追加することを除外しない。
10:アルミニウム板
12:アルミニウム片
12a:上面
121:外周
122:バリ
20、22:保護テープ
30:金属板ユニット
40:切削装置
42:保持テーブル
44:吸着チャック
45:切削手段
452:超鋼カッター
50:バイト切削装置
60:バイト切削手段
62:バイトホイール
72:バイト
80:チャックテーブル
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Claims (3)
- 金属板の加工方法であって、
金属板を円板状の超鋼カッターで切断して所定形状に形成する切断工程と、
所定形状に形成された金属板の外周に盛り上がったバリと共に金属板の上面をバイトで切削して上面を平坦に加工する平坦加工工程と、
から少なくとも構成される金属板の加工方法。 - 該バイトの切り刃は、ダイヤモンドで形成されている請求項1に記載の金属板の加工方法。
- 該金属板は、アルミニウム板、銅板のいずれかである請求項1、又は2に記載の金属板の加工方法。
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JP2008288285A (ja) * | 2007-05-15 | 2008-11-27 | Sharp Corp | 積層基板の切断方法、半導体装置の製造方法、半導体装置、発光装置及びバックライト装置 |
JP2013120856A (ja) * | 2011-12-07 | 2013-06-17 | Disco Abrasive Syst Ltd | 分割方法 |
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