JP2008183715A - 被加工物の端面の鏡面加工方法および鏡面加工装置 - Google Patents

被加工物の端面の鏡面加工方法および鏡面加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被加工物の端面を低コストで簡単に仕上げ処理することができる鏡面加工方法および鏡面加工装置を提供することである。
【解決手段】 バイトホルダ31は、前面に粗削りバイト32および仕上げ削りバイト33が取り付けられ、回転軸の軸心100を中心に矢印B方向に高速回転しながら端面21に平行な矢印A方向に移動するように構成されている。仕上げ削りバイト33は、粗削りバイト32よりも軸心100に近い位置に取り付けられているので、被加工物2の端面21を連続的に粗削りおよび仕上げ削りする。その際、前記被加工物をワークホルダで固定保持し、かつ前記被加工物の被加工端面に直交する両側面のうちバイトホルダの移動方向下流側の側面をストッパに当接させている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フライカット法を用いた、被加工物の端面の鏡面加工方法、面取り加工方法および鏡面加工装置、並びに積層フィルムの周縁仕上げ方法に関する。
一般に、偏光フィルム等の光学フィルムは、複数枚のフィルムを粘着剤を介して積層して形成されている。このような積層された光学フィルムは、通常、多数枚を積み重ねた後、トムソン刃等の切断刃で所定の寸法にせん断され製品化される。
ところが、前記のような積層フィルムをせん断する場合、切断刃から積層フィルムに加わる押圧力によって粘着剤が積層フィルムの周縁からはみ出してしまうことがある。粘着剤が積層フィルムの周縁からはみ出した状態のままであると、以下のような問題が生じる。
(1) 積層フィルムの周縁からはみ出した粘着剤が粒状のいわゆる「のり玉」となるため、複数枚の積層フィルムを積み重ねて保管や輸送したりする場合、積層フィルムと積層フィルムとの間にのり玉が入り込んで、積層フィルムに打痕(押し傷)ができ、積層フィルムの品質低下の原因となる。
(2) 液晶表示装置用として偏光フィルムや位相差フィルム等の積層フィルムを用いる際には、これらの積層フィルムを複数枚貼合して使用するが、積層フィルム間にのり玉が入り込むと、液晶表示装置の表示面においてのり玉の部分が所望の色にならなかったり、黒い点になることがある。
(3) 積層フィルムの周縁からはみ出した粘着剤にごみが付着して積層フィルムが汚れる。
(4) 積層フィルムの周縁から粘着剤がはみ出していると、積層フィルムの外観が損なわれる。
(5) 液晶表示装置を製造する自動化ラインにおいて、段積みされた複数枚の積層フィルムをロボットハンドで最上層から1枚ずつ順に取り出す際に、次に取り出すべき積層フィルムがはみ出した粘着剤により最上層の積層フィルムに引っ付いてしまうことがある。このような場合、自動化ラインを一時停止して対処しなければならないため、作業効率が低下する。
このため、従来は、作業者が粘着テープの粘着力を利用して、積層フィルムの周縁からはみ出したのり玉を引き剥がしていた。しかし、粘着テープによるのり玉の除去作業は、多くの労力と時間を要するため、作業効率が低下し、コストが増大する原因ともなっていた。
また、上記のような積層フィルムの他、端面の仕上げ加工を必要とする各種プラスチックフィルムやプラスチック板等の被加工物に対しても、端面を低コストで簡単に仕上げ処理することが要望されていた。
本発明の主たる目的は、被加工物の端面を低コストで簡単に仕上げ処理することができる鏡面加工方法、およびこの方法の実施に好適な鏡面加工装置を提供することである。特に、本発明は、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルムの周縁から粘着剤のはみ出しのない積層フィルムの周縁仕上げ方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、被加工物の端面をフライカット法にて連続的に粗削りおよび仕上げ削りする場合には、平滑性の高い鏡面加工を行うことができるので、低コストでかつ簡単に仕上げ処理ができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の鏡面加工方法は、被加工物の端面を、粗削りおよび仕上げ削りの順に切削加工する方法であって、前記被加工物が、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルムを複数枚重ね合わせた集合体であり、仕上げ削りバイトを粗削りバイトよりも回転軸の軸心に近い位置に取り付け、かつバイトホルダの前面からの突出長さが粗削りバイトの突出長さよりも長くなっている状態でバイトホルダを高速回転させながら移動させて前記被加工物を切削加工するにあたり、前記被加工物をワークホルダで固定保持し、かつ前記被加工物の被加工端面に直交する両側面のうちバイトホルダの移動方向下流側の側面をストッパに当接させることを特徴とする。ここで、被加工物として、前記集合体に代えて、例えばプラスチックフィルムまたはプラスチック板を複数枚重ね合わせた積層板等を用いることができる。
上記のように本発明方法を、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルムを複数枚重ね合わせた集合体に適用した場合には、たとえ積層フィルムの周縁から粘着剤がはみ出して「のり玉」が形成されていたとしても、上記鏡面加工方法によってのり玉を簡単に除去することができるので、不良品の発生や商品価値の低下を防止し、作業効率を向上させることができる。すなわち、本発明は、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルムを複数枚重ね合わせた集合体の端面をフライカット法にて連続的に粗削りおよび仕上げ削りすることを特徴とする積層フィルムの周縁仕上げ方法をも提供するものである。
また、上記切削加工により被加工物の端面角部にバリが発生しやすい場合には、平面形状が多角形である被加工物の第1端面から最終端面まで、角部のバリを除去しながら順に粗削りおよび仕上げ削りを行い、最終端面を切削後、再度、第1端面を同条件にて粗削りおよび仕上げ削りして、最終端面の角部に残ったバリを除去すればよい。これにより、すべての角部においてバリの除去が可能となり、切削後に別工程でバリを除去する必要がなくなる。
上記鏡面加工方法を実施するのに好適な本発明の鏡面加工装置は、回転軸と、この回転軸の先端に取り付けられ回転軸の軸心と直交する前面を有するバイトホルダと、このバイトホルダの前面に取り付けられた粗削りバイトおよび仕上バイトと、被加工物を固定保持するためのワークホルダと、前記バイトホルダの前面を前記被加工物の端面に対して平行に相対移動させるための送り手段と、前記ワークホルダに固定保持された前記被加工物の被加工端面に直交する両側面のうちバイトホルダの移動方向下流側の側面を当接させるストッパとを備え、前記仕上げ削りバイトは、前記粗削りバイトよりも前記回転軸の中心に近い位置に取り付けられ、かつ仕上げ削りバイトの前記バイトホルダからの突出長さが粗削りバイトよりも長いことを特徴とする。このような鏡面加工装置を使用することにより、粗削りと仕上げ削りとを1回の操作で完了させることができるので、仕上げ加工の作業効率が向上する。
本発明の鏡面加工方法および鏡面加工装置によれば、被加工物の端面を連続的に粗削りおよび仕上げ削りできるので、平滑性の高い鏡面加工を低コストでかつ簡単に行うことができるという効果がある。
従って、例えば、本発明の鏡面加工方法を、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルムを複数枚重ね合わせた集合体に適用する場合には、積層フィルムの周縁からはみ出した粘着剤を簡単に除去することができるので、不良品の発生、商品価値の低下および作業効率の低下が防止された積層フィルムの周縁加工方法を提供することができる。
特に、本発明では、切削加工するにあたり、被加工物をワークホルダで固定保持し、かつ被加工物の側面をストッパに当接させるので、被加工物である集合体を構成する積層フィルムの端面を揃えることができ、積層フィルム相互間のずれをなくすことができる。被加工物が、プラスチックフィルムまたはプラスチック板を複数枚重ね合わせた積層板積層板である場合も同様である。
さらに、本発明において、被加工物の第1端面から最終端面まで、角部のバリを除去しながら順に粗削りおよび仕上げ削りを行い、最終端面を切削後、再度、第1端面を同条件にて粗削りおよび仕上げ削りして、最終端面の角部に残ったバリを除去する場合には、すべての角部においてバリの除去が可能となり、切削後に別途バリを除去する必要がないので作業効率が一層向上するという効果がある。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。本発明にかかる鏡面加工方法は、被加工物の端面をフライカット法にて連続的に粗削りおよび仕上げ削りするものである。
粗削りおよび仕上げ削りにはそれぞれ粗削りバイトおよび仕上げ削りバイトが用いられる。図1は上記粗削りバイトおよび仕上げ削りバイトを用いたフライカット法の概略を示している。同図に示すように、粗削りバイト32および仕上げ削りバイト33はバイトホルダ31の前面に取り付けられている。バイトホルダ31は、前面が被加工物2の加工面である端面21に平行に配置され、かつこの端面21に平行な矢印A方向に移動するように構成されている。また、バイトホルダ31は、回転軸の軸心100を中心に矢印B方向に高速回転するように構成されている。
仕上げ削りバイト33は、図1に示すように、粗削りバイト32よりも軸心100に近い位置に取り付けられており、かつバイトホルダ31の前面からの突出長さ(t4)が粗削りバイト32の突出長さ(t3)よりも長くなっている(t4>t3)。従って、この状態でバイトホルダ31を高速回転させながら矢印A方向に移動させると、被加工物2の端面21は粗削りおよび仕上げ削りの順に連続的に切削加工される。これにより、鏡面加工を迅速かつ簡単に行うことが可能となる。
ここで、粗削りバイト32による切り込み量(t5)は、通常、約0.3〜0.45mm、仕上げ削りバイト33による切り込み量(t6)は約0.05〜0.2mmの範囲であればよく、両切り込み量は(t5)>(t6)の関係にあるのが仕上げ面の鏡面状態や寸法精度を向上させる上で好ましい。従って、前記粗削りバイト32の突出長さ(t3)および仕上げ削りバイト33の突出長さ(t4)は、それぞれの切り込み量(t5)および(t6)が上記関係を満足するように設定すればよい。
粗削りバイト32としては例えば多結晶ダイヤモンドバイトが、仕上げ削りバイト33の材質としては例えば単結晶ダイヤモンドバイトがそれぞれ挙げられる。
図2(a)および(b)はそれぞれ本発明の一実施形態にかかるバイトホルダ31の正面図および平面図である。図2(a)および(b)には被加工物2の一部も示している。この実施形態では、被加工物2として、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルム22を複数枚重ね合わせた集合体を使用している。従って、以下の説明では特に断らない限り、被加工物を単に「集合体2」と記載する。
図2(a)および(b)に示すように、バイトホルダ31の前面には1つの粗削りバイト32および1つの仕上げ削りバイト33がそれぞれ取り付けられている。バイトホルダ31は、ボルト34により回転軸3の先端に取り付けられており、軸心100を回転中心にして矢印B方向に高速回転しながら、矢印A方向に移動するように構成されている。
図3は、バイトホルダ31の回転機構を示す一部破断側面図である。同図に示すように、回転軸3は軸受け70を介して軸カバー62で回転自在に支承されている。バイトホルダ31の外周側には、バイトホルダ31を囲むように切り屑吸引用カバー61が配置され、この切り屑吸引用カバー61は、ボルト82により軸カバー62に取り付けられている。回転軸3の後端は、第1サーボモータ10に回転継手63を介して取り付けられており、この第1サーボモータ10を駆動させてバイトホルダ31を高速で回転させる。サーボモータ10および軸カバー62は第1スライドテーブル73上に固定されている。
図4は、図3に示すバイトホルダ31を含む鏡面加工装置1を示す正面図であり、図5はその側面図である。図4および図5に示すように、鏡面加工装置1は、工具運動系101およびワーク位置決め系102を備える。
<工具運動系>
工具運動系101では、バイトホルダ31とその回転機構とが第1スライドテーブル73上に設けられ、さらに以下のように構成される。第1スライドテーブル73は、下面に取り付けられた第1ガイド部材67,67によつて第1ガイドレール68,68上にスライド自在に保持されている。この第1ガイドレール68,68は回転軸3の軸心100と平行に配置されている。また、第1ガイドレール68,68間には、第1ガイドレール68,68と平行にねじ棒(例えばボールねじ)である切り込み軸4が配置されている。一方、前記第1スライドテーブル73の下面には前記切り込み軸4と螺合する第1ナット部材75(例えばボールねじナットブラケット)が取り付けられている。また、切り込み軸4の一端には第2サーボモータ11が取り付けられている。
このため、第2サーボモータ11を駆動させて切り込み軸4を回転させることにより、これと螺合する第1ナット部材75を介して第1スライドテーブル73を自在にスライドさせることができ、従ってバイトホルダ31を集合体2の端面21に対して自在に前進・後退できるので、集合体2の切り込み量を精度良く調節することができる。
上記した第1ガイドレール68,68は第2スライドテーブル74上に配置されている。この第2スライドテーブル74は下面に取り付けられた第2ガイド部材65,65によって第2ガイドレール66,66上にスライド自在に保持されている。第2ガイドレール66,66は、回転軸3の軸心100に直交する水平方向に沿って配置される。第2ガイドレール66,66はベース84上に取り付けられている。
第2スライドテーブル74のスライドは、前記した第1スライドテーブル73と同様に、第2ガイドレール66,66間に配置されたねじ棒(例えばボールねじ)である送り軸5と、前記第2スライドテーブル74の下面に取り付けられた第2ナット部材76(例えばボールねじナットブラケット)とを螺合させ、送り軸5の一端に設けた第3サーボモータ12を駆動させて送り軸5を回転させることによって行われる。これにより、バイトホルダ31を回転軸3の軸心100に直交する水平方向(図4に示す矢印A方向)に移動させることができ、集合体2の端面21の切削が可能となる。
<ワーク位置決め系>
ワーク位置決め系102は、集合体2を所定位置に固定保持するための機構であって、以下のように構成されている。
図4および図5に示すように、ワーク位置決め系102は、集合体2を挟持するための上下一対のワークホルダ6a,6bを備える。下側ワークホルダ6aは割り出し軸9によって水平方向に回転可能に保持されている。上側ワークホルダ6bはクランプ軸8により昇降自在に保持されている。これにより、集合体2は、割り出し軸9による下側ワークホルダ6aの水平回転により切削部位が位置決めされ、クランプ軸8による上側ワークホルダ6bの下降によって加圧固定される。
図4に示すように、ワークホルダ6a,6bで挟持された集合体2の近傍にはストッパ7が設けられている。このストッパ7は集合体2を構成する積層フィルム22,22…の端面を揃えるためのものであって、ストッパ7を集合体2の側部に下降させて、ストッパ7に集合体2の端面を当接させて各積層フィルム22,22…相互間のずれをなくすようにしている。このストッパ7は一側面に設けられているが、この側面と直交する面にも別のストッパ(図示せず)を当接させて、各積層フィルム22,22…相互間のずれをなくすようにしてもよい。
一対のワークホルダ6a、6bによる集合体2の挟持は、アクリル樹脂板などの硬質樹脂板50a、50bおよび金属板51a、51bを介して行うのが好ましい。すなわち、図6に示すように、集合体2は、その両面に硬質樹脂板50a、50bが配置され、さらにそれらの外面に金属板51a、51bが配置され、これらをワークホルダ6a、6bで挟持している。
硬質樹脂板50a、50bは集合体2とほぼ同じ面積を有しており、従って集合体2の切削時には硬質樹脂板50a、50bも同時に切削されるが、このような硬質樹脂板50a、50bを使用することにより、切削時の集合体2の撓みおよびばたつきを防止でき、精密切削が可能となる。一方、金属板51a、51bは、集合体2の撓みやばたつきを確実に防止し、集合体2の上下面を互いに平行に維持しながら集合体2を確実に保持するためのものであって、集合体2の切削時に同時に切削されないように端部が切削位置よりも内方に位置している。
図7は、鏡面加工装置1における工具運動系101およびワーク位置決め系102のシステム構成を示したブロック図である。図7に示すように、オペレータがタッチパネルから鏡面加工装置1の運転条件、運転開始命令などを入力すると、PLC(シーケンス制御装置)により、位置決めユニット、DAコンバータおよびI/0を介して、送り軸5、切り込み軸4、回転軸3、割り出し軸9、クランプ軸8およびストッパ7が前記運転条件により定められた順序およびタイミングに従って動作するように構成される。前記クランプ軸8は空気シリンダにより、割り出し軸9はサーボモータ(図示せず)により駆動する。このように、工具運動系101とワーク位置決め系102の全ての軸の位置や移動速度がサーボ機構により制御されているので、全ての機能を集中して一括制御でき、高速制御、変数管理、直線補間、円弧補間等の多彩な運動制御が容易に実現できる。また、鏡面加工装置1は上記のように多軸構成となっているが機能が分離されているので、高精度の切削加工を低コストで実現でき、装置の保全も容易である。
図8(a)および(b)はそれぞれ切削加工により生じた切り屑を切削位置から直ちに吸引除去するための吸引手段を示した側面図および正面図である。この吸引手段は、バイトホルダ31の前面を除くバイトホルダ31全体を囲むように配置された切り屑吸引用カバー61と、バイトホルダ31の外周面近傍でかつバイトホルダ31の背面側に設けられたサイドポート71、カバー61の外周面に設けられたペリフェラルポート72および中央に設けられたセンターポート73からなる。これらのサイドポート71、ペリフェラルポート72およびセンターポート73からカバー61内の切り屑をそれぞれ吸引し、各ポート71,72,73に接続された吸引ダクト(図示せず)にて排出する。なお、ポート71,72,73は、これらのうち少なくとも1つだけであってもよい。
次に、上記の鏡面加工装置1を用いた鏡面加工の手順を説明する。
(1)クランプ軸8の下降によりワークホルダ6a、6b間に挟持された集合体2を割り出し軸9により水平回転させて、集合体2の被切削端面21がバイトホルダ31の前面と平行になるように位置決めする。
(2)ついで、図4に示す状態で、切込み軸4を回転させて、第1スライドテーブル73を回転軸3の軸方向にスライドさせて、切り込み量が所定の値となるようにバイトホルダ31の位置調整を行う。
(3)しかるのち、バイトホルダ31を高速回転させる。ただし、バイトホルダ31はこれより前、あるいは常時、高速回転させていてもよい。
(4) バイトホルダ31を高速回転させながら、送り軸5を回転させて、第2スライドテーブル74を集合体2の被切削端面21を横切るように矢印A方向にスライドさせ、被切削端面21の粗削りおよび仕上げ削りを連続的に行う。
(5) 被切削端面21の切削後、第2スライドテーブル74を(4) の矢印A方向と逆方向にスライドさせて、バイトホルダ31を図4に示す位置に復帰させる。
(6) 集合体2を割り出し軸9により90・水平回転させて、次の新しい被切削端面21をバイトホルダ31の前面と平行になるように位置決めする。ついで、必要に応じて上記(2)の操作を行い、以下、(3)〜(5)の操作を繰り返して、集合体2の全周面の仕上げ加工を順次行う。
<バリ取り方法>
図9(a)、(b)および(c)は、本発明におけるバリ取り方法を示す説明図である。すなわち、前記したように図9(a)に示す状態から集合体2の一端面21aを切削加工(粗削りおよび仕上げ削り)すると、図9(b)に示すように当該端面21aの切削終端にバリ54が発生する場合がある。このバリ54を効率よく除去するには、以下のような手順で切削加工を行う。
まず、第1端面21aの切削が終了した後、集合体2を矢印B方向(バイトホルダ31の矢印Aで示す進行方向と逆方向)に90°回転させる。これにより、図9(c)に示すように、第1端面21aのバリ54が第2端面21bの切削開始位置にくる。この状態でバイトホルダ31を矢印A方向に移動させて、第2端面21bを切削加工することにより、第1端面21aのバリ54を除去することができる。このようにして、第1端面21aから第2端面21b、第3端面21cおよび第4端面21dの順で切削加工を行い、全周面の鏡面仕上げを行う。
このとき、第4端面21dの切削終端にはバリ54が残存するので、第4端面21dの切削加工後、同条件にて第1端面21aを再度切削加工することで、残ったバリ54を除去することができる。ここで、同条件とは、少なくとも第1端面21aの切削条件、特に切り込み量が同じという意味である。第1端面21aの切削条件が異なる場合には、新たなバリが発生するおそれがある。
<面取り加工方法>
図10は、集合体2の角部49を面取り加工する方法を示している。同図に示すように、面取り加工を行う集合体2の角部49を切削加工できるように、割り出し軸9を回転させて集合体2の位置調整を行う。ついで、バイトホルダ31を高速回転させながら矢印A方向に移動させると、角部49は粗削りおよび仕上げ削りの順に連続的に切削加工され、直線状の面取り加工することができる(切削位置を一点鎖線Mにて示す)。また、割り出し軸9にて集合体2を回転させながら角部49の切削を行うと、曲面状(円弧状)の面取り加工を行うこともできる。
<上記実施形態の変形例および応用例>
(I) 上記実施形態では、バイトホルダ31の移動は切り込み軸4および送り軸5の2軸構成で行ったが、これらに加えて、バイトホルダ31の昇降運動(上下運動)および/または回転軸3の一端を支点としたバイトホルダ31の回転運動(首振り運動)を含む3軸ないし4軸構成の鏡面加工装置とすることもできる。
(II)上記実施形態では、集合体2の端面を切削加工するために、ワーク運動系101に送り手段として送り軸5を設けてバイトホルダ31を移動させたが、バイトホルダ31を固定し、ワークホルダ6a、6b側に送り手段を設けて、集合体2を移動させて端面21の切削加工を行ってもよい。
(III) 上記実施形態では、被加工物が、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルム22を複数枚重ね合わせた集合体2である場合について説明したが、本発明は、他の被加工物、例えばプラスチックフィルムまたはプラスチック板を複数枚重ね合わせた積層板、その他の鏡面加工仕上げを必要とする各種被加工物についても同様にして適用可能である。
(IV)上記実施形態では、被加工物の平面形状が四角形である場合について説明したが、本発明は、平面形状が四角形以外の多角形や円形等の被加工物に関しても同様に適用可能である。
(V) 本発明により粗削りおよび仕上げ削りされる集合体2の端面は平滑性が高いので、端面の光沢を測定することにより、集合体2の鏡面仕上げの品質検査を行うことができる。この方法は、従来、抜き取り検査として行われていた集合体2の端面の表面粗さ測定と比較して、短時間でかつ全面の全数検査が可能になるという利点がある。これにより、製品の品質および設備の稼働率が大幅に向上する。
本発明における粗削りバイトおよび仕上げ削りバイトを用いたフライカット法の概略を示す説明図である。 (a)および(b)はそれぞれ本発明におけるバイトホルダを用いた切削方法の一例を示す正面図および平面図である。 本発明におけるバイトホルダの回転機構の一例を示す一部破断側面図である。 バイトホルダを含む本発明の鏡面加工装置の一実施形態を示す正面図である。 図4に示す鏡面加工装置の側面図である。 被加工物である集合体の保持構造を示す概略図である。 鏡面加工装置の制御システムを示すブロック図である。 (a)および (b)は被加工物の切削加工により生じた切り屑を吸引除去するための吸引手段を示す側面図および正面図である。 (a)、(b)および(c)は、本発明におけるバリ取り方法の一例を示す説明図である。 本発明において、集合体の面取り加工方法の一例を示す説明面図である。
符号の説明
1:鏡面加工装置、2:集合体、3:回転軸、4:切り込み軸、5:送り軸、6a、6b:ワークホルダ、8:クランプ軸、9:割り出し軸、10、11、12サーボモータ、31:バイトホルダ、32:粗削りバイト、33:仕上げ削りバイト

Claims (7)

  1. 被加工物の端面を、粗削りおよび仕上げ削りの順に切削加工する鏡面加工方法であって、
    前記被加工物が、複数枚のフィルムが粘着剤を介して積層された積層フィルムを複数枚重ね合わせた集合体であり、
    仕上げ削りバイトを粗削りバイトよりも回転軸の軸心に近い位置に取り付け、かつバイトホルダの前面からの突出長さが粗削りバイトの突出長さよりも長くなっている状態でバイトホルダを高速回転させながら移動させて前記被加工物を切削加工するにあたり、
    前記被加工物をワークホルダで固定保持し、かつ前記被加工物の被加工端面に直交する両側面のうちバイトホルダの移動方向下流側の側面をストッパに当接させることを特徴とする鏡面加工方法。
  2. 被加工物の端面を、粗削りおよび仕上げ削りの順に連続的に切削加工する鏡面加工方法であって、
    前記被加工物がプラスチックフィルムまたはプラスチック板を複数枚重ね合わせた積層板であり、
    仕上げ削りバイトを粗削りバイトよりも回転軸の軸心に近い位置に取り付け、かつバイトホルダの前面からの突出長さが粗削りバイトの突出長さよりも長くなっている状態でバイトホルダを高速回転させながら移動させて前記被加工物を切削加工するにあたり、
    前記被加工物をワークホルダで固定保持し、かつ前記被加工物の被加工端面に直交する両側面のうちバイトホルダの移動方向下流側の側面をストッパに当接させることを特徴とする鏡面加工方法。
  3. 平面形状が多角形である被加工物の第1端面から最終端面まで、角部のバリを除去しながら順に粗削りおよび仕上げ削りを行い、最終端面を切削後、再度、第1端面を同条件にて粗削りおよび仕上げ削りして、最終端面の角部に残ったバリを除去する請求項1または2に記載の鏡面加工方法。
  4. 粗削りおよび仕上げ削り直後の切り屑を吸引除去する請求項1〜3のいずれかに記載の鏡面加工方法。
  5. 回転軸と、この回転軸の先端に取り付けられ回転軸の軸心と直交する前面を有するバイトホルダと、このバイトホルダの前面に取り付けられた粗削りバイトおよび仕上バイトと、被加工物を固定保持するためのワークホルダと、前記バイトホルダの前面を前記被加工物の端面に対して平行に相対移動させるための送り手段と、前記ワークホルダに固定保持された前記被加工物の被加工端面に直交する両側面のうちバイトホルダの移動方向下流側の側面を当接させるストッパとを備え、前記仕上げ削りバイトは、前記粗削りバイトよりも前記回転軸の中心に近い位置に取り付けられ、かつ仕上げ削りバイトの前記バイトホルダからの突出長さが粗削りバイトよりも長いことを特徴とする鏡面加工装置。
  6. 切削により生じた切り屑を切削位置から直ちに吸引除去するための吸引手段を前記バイトホルダの近傍に設けた請求項5記載の鏡面加工装置。
  7. 前記粗削りバイトの材質が多結晶ダイヤモンドであり、前記仕上げ削りバイトの材質が単結晶ダイヤモンドである請求項5または6に記載の鏡面加工装置。
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