JP2020092077A - 端子台および電線配索ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本明細書によって開示される技術は、電線の端末に設けられた接続部と、相手側接続部とを電気的に接続する端子台であって、前記接続部と前記相手側接続部とが接触して配置される接点配置部と、前記接点配置部に連なって設けられ、前記電線が配置される電線設置部と、前記電線設置部と前記電線との間に弾性変位可能に配置され、前記電線と前記電線設置部との間にクリアランスを有した状態で前記電線を屈曲させて保持する応力緩和部とを備える構成としたものである。
一方、冷却等によって電線が熱収縮する場合には、応力緩和部が弾性変位することによって、電線と電線設置部との間に形成されたクリアランス内に電線が進入して、屈曲した電線が直線的になる。これにより、電線に対して軸線方向の引っ張り応力が加わることを抑制することができる。したがって、電線が熱膨張や熱収縮することに起因して接続部と相手側接続部との接点部に応力が加わることを抑制することができる。つまり、電線が熱膨張または熱収縮する場合に、接続部と相手側接続部との接点部に不具合が生じることを抑制することができる。
(2)前記電線設置部は、前記電線に沿って配される複数の側壁部を有しており、前記応力緩和部は、前記複数の側壁部において前記電線の軸線方向と交差する方向に弾性変位可能に設けられ、前記電線と前記側壁部との間にクリアランスを有するように前記電線を屈曲した状態に保持する複数の弾性部を有する構成にしてもよい。
(4)また、前記電線設置部は、前記電線が載置される底壁部と、前記底壁部から延出した前記一対の側壁部とを有しており、前記一対の弾性部は、前記側壁部から前記電線に向かって片持ち状に突出して形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、例えば、一対の弾性部が底壁部と交差する下方向に片持ち状に延びる場合には、電線の軸線方向に片持ち状に延びる弾性部に比べて、一対の弾性部における電線の軸線方向の長さ寸法を短くすることができる。これにより、応力緩和部、ひいては、端子台を電線の軸線方向に小型化することができる。
このような構成によると、接続部を端子台にセットする際に、弾性押圧部によって位置決め部に向けて付勢された平板状の接続部の表面が、少なくとも両側縁部において位置決め部に当接する。これにより、接続部が電線の軸線まわりに回転する方向に変位する、いわゆる接続部ねじり方向の変位が防止される。すなわち、平板状の接続部にねじり方向の力が加わると、接続部の両側縁部の一方が斜め上方に変位することになるが、位置決め部に当接して押し返されることにより、接続部が正規の向きに位置決めされる。
特に、本開示の端子台によれば、応力緩和部に電線を屈曲させて保持することに起因して、接続部にねじれ方向の力が加わる可能性が考えられる。また、電線の径が大きく曲がりぐせが強い場合にも、接続部にねじれ方向の力が加わる可能性が考えられる。このような場合に、平板状の接続部の両側縁部の一方が、ねじれ方向に変位しようとしても、位置決め部に当接して押し返されることにより、正規の向きに保持されて、接続部のねじりの発生を有利に防止できるのである。
その結果、接続部が接点配置部に対して正規の向きで配されるように位置決めされて、接続部の相手側接続部との接続作業が容易になる。また、接続部と相手側接続部との接続部分に対して、接続部のねじり方向の回転変位による応力の作用も回避される。
このような構成によると、例えば、接続部の裏面側の両側端部を位置決め部に押し当てながら接続部を押し込むと、脚部が接続部の幅方向外側へ弾性変形して、位置決め部が接続部の幅方向外側へ向けて移動する。これにより、接続部を押し込むだけの簡単な操作によって、接続部を位置決め部と弾性押圧部との間に差し入れることができる。
なお、好適には、前記位置決め部には、前記接続部の押し当てによって前記弾性脚部を弾性変形させて前記位置決め部を前記接続部の前記幅方向の外側へ移動させる押圧案内面が設けられている。これにより、接続部の裏面側の両側端部を位置決め部の押圧案内面に押し当てながら接続部を押し込むことで、脚部が接続部の幅方向外側へ弾性変形し易くなり、接続部を位置決め部と弾性押圧部との間へより簡単に差し入れることができる。
このような構成によると、部品点数が少なくなって、構造が簡単になり得る。
このような構成によると、接続部が弾性押圧部によって位置決め部に押し付けられた状態において、接続部のこじり方向の変位が生じ難くなる。このように、接続部がねじり方向の変位だけでなく、こじり方向の変位も制限されることによって、接続部を接点配置部に対して正規の向きに位置決めされた正規のセット状態に保持され易くなる。
このような構成によると、接続部がガイド面によって接点配置部における正規のセット位置に案内されることから、接続部を接点配置部にセットする取付け作業が容易になる。
本開示の端子台および電線配索ユニットの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本明細書に開示された技術における実施形態1について図1から図10を参照して説明する。
本実施形態は、車両に搭載される機器の機器側接続部(「相手側接続部」の一例)Tに接続される電線配索ユニット10を例示している。
機器側接続部Tは、図1および図2に示すように、平板状をなし、左右方向に一対並んで配置されている。
電線配索ユニット10は、図1および図2に示すように、一対の被覆電線20と、一対の被覆電線20の前側の端末に接続された一対の端子30と、一対の被覆電線20における前側の端末部分および一対の端子30が配置される端子台40と、端子台40から後方に引き出される被覆電線20を収容する囲部60とを備えて構成されている。
電線接続部34は、一対のバレル35を有しており、一対のバレル35を被覆電線20の芯線22に圧着することにより被覆電線20の前端部に電気的に接続されている。
底壁部45は、取付板41の前後方向の全長に亘って形成されており、底壁部45上には一対の端子30の電線接続部34および一対の被覆電線20の前端部が左右方向に並んで載置可能とされている。
各側壁部46は、被覆電線20に沿うように前後方向に直線的に延びた形態とされており、底壁部45の前後方向の全長に亘って形成されている。
つまり、電線設置部44は、図1から図10に示すように、底壁部45と中央側壁部46Aと外側壁部46Bとによって構成された2つの電線配索路47を有しており、電線配索路47内に被覆電線20が設置されると、図1および図2に示すように、それぞれの側壁部46と被覆電線20との間にクリアランスCLが形成されるようになっている。
電線収容部61は、それぞれの被覆電線20を上下左右の4方向から覆う4つの壁部62によって構成されており、4つの壁部62によってそれぞれの被覆電線20が個別に囲まれた状態となっている。電線収容部61内におけるそれぞれの壁部62は、被覆電線20に近接して配置されており、それぞれの壁部62と被覆電線20とは緊密な状態となっている。
応力緩和部70は、外側壁部46Bおよび中央側壁部46Aにそれぞれ設けられた複数の弾性部72を備えて構成されている。
例えば、電線配索ユニットが、例えば、大電流・高電圧用として用いられる場合、被覆電線自身の発熱や機器側接続部Tとの接点部から伝わる熱等に晒されると、端子よりも断面積の大きい被覆電線は、熱膨張または熱収縮によって軸線方向の長さが大きく変化する。したがって、被覆電線に接続された端子接続部は、被覆電線の軸線方向である前後方向に押し引きされることになり、端子接続部と電機器側接続部との接点部に応力が集中して接点部に不具合が生じてしまうことが懸念される。
つまり、被覆電線20が熱膨張や熱収縮する場合に、端子接続部32と機器側接続部Tとの接点部に応力が生じることを抑制することができる。
また、被覆電線20が熱収縮して直線的になると、被覆電線20と弾性部(小弾性部73)とが左右方向に離れた状態となる。
次に、実施形態2について図11から図14を参照して説明する。
実施形態2の電線配索ユニット110における端子台140の応力緩和部170は、実施形態1の応力緩和部70における一対の弾性部72の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
次に、実施形態3について図15から図19を参照して説明する。
実施形態3の電線配索ユニット180における端子台182は、実施形態1の端子台40の接点配置部50に代えて、接点配置部184を備えるように変更したものである。実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
なお、本実施形態では、前述の実施形態に比べて、端子30に設けられた平板状の端子接続部32が、被覆電線20の軸線方向となる前後方向に長く延びており、平面視で前後方向に長尺の矩形状とされている。
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、複数の弾性部72,172によって応力緩和部70,170を構成した。しかしながら、これに限らず、応力緩和部70,170は、電線設置部と被覆電線との間に別体のゴム材を設置して構成してもよく、電線設置部と被覆電線との間に金属製のクリップなどを配置して構成してもよい。
20:被覆電線(「電線」の一例)
22:芯線
24:絶縁被覆
30:端子
32:端子接続部(「接続部」の一例)
34:電線接続部
35:バレル
40,140,182:端子台
41:取付板
42:カラー
44:電線設置部
45:底壁部
46:側壁部
46A:中央側壁部
46B:外側壁部
47:電線配索路
50,184:接点配置部
60:囲部
61:電線収容部
62:壁部
70,170:応力緩和部
72,172:弾性部
73,173:小弾性部
73A:被覆電線に接触する部分
74,174:大弾性部
74A:被覆電線に接触する部分
185:底板
186:竪壁部
188:ガイド面
190:端子収容領域
192:押え部
194:脚部
196:位置決め部
198:押圧案内面
200:弾性押圧部
202:隙間
B:締結ボルト
CL:クリアランス
L1:突出量
L2:突出量
L3:突出量
L4:突出量
N:ナット
T:機器側接続部(「相手側接続部」の一例)
Claims (10)
- 電線の端末に設けられた接続部と、相手側接続部とを電気的に接続する端子台であって、
前記接続部と前記相手側接続部とが接触して配置される接点配置部と、
前記接点配置部に連なって設けられ、前記電線が配置される電線設置部と、
前記電線設置部と前記電線との間に弾性変位可能に配置され、前記電線と前記電線設置部との間にクリアランスを有した状態で前記電線を屈曲させて保持する応力緩和部とを備える端子台。 - 前記電線設置部は、前記電線に沿って配される複数の側壁部を有しており、
前記応力緩和部は、前記複数の側壁部において前記電線の軸線方向と交差する方向に弾性変位可能に設けられ、前記電線と前記側壁部との間にクリアランスを有するように前記電線を屈曲した状態に保持する複数の弾性部を有する請求項1に記載の端子台。 - 前記複数の側壁部は、前記電線の両側に配された一対の側壁部であり、
前記複数の弾性部は、前記電線の軸線方向について同一の領域に設けられた一対の弾性部であり、
前記一対の弾性部のうちの一方は、他方よりも前記電線に向けて突出する大弾性部とされている請求項2に記載の端子台。 - 前記電線設置部は、前記電線が載置される底壁部と、前記底壁部から延出した前記一対の側壁部とを有しており、
前記一対の弾性部は、前記側壁部から前記電線に向かって片持ち状に突出して形成されている請求項3に記載の端子台。 - 前記一対の弾性部は、前記底壁部と交差する方向に片持ち状に延びている請求項4に記載の端子台。
- 前記接続部が平板状をなしており、前記接続部の少なくとも両側縁部の表面に当接して前記接続部を正規の向きに位置決めする位置決め部と、
前記接続部の裏面に当接して前記接続部を付勢する弾性押圧部と、を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の端子台。 - 前記接続部の幅方向両側に配されて前記接続部の前記幅方向の外側に弾性変形可能な脚部が設けられており、
前記脚部には、前記位置決め部が突出して形成されている請求項6に記載の端子台。 - 前記弾性押圧部が前記接点配置部に一体形成されている請求項6または請求項7に記載の端子台。
- 前記位置決め部が前記弾性押圧部に対して前記接続部の長さ方向の両側に設けられている請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の端子台。
- 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の端子台と、
前記端子台の前記電線設置部から前記接点配置部とは反対側に引き出された前記電線を収容する囲部とを備えた電線配索ユニットであって、
前記囲部内に収容された前記電線と前記囲部の壁部とは、近接した配置となっている電線配索ユニット。
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