JP2020091979A - 異方性導電シート - Google Patents

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真吾 長谷
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鈴香 中野
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花子 丹羽
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Abstract

【課題】導電線を狭ピッチで配置することができ、半導体デバイス等の被検査物に対する正確な検査を繰り返し行うことができる異方性導電シートを提供する。【解決手段】弾性を有する絶縁層1と、絶縁層1の厚さ方向Yに貫通する複数の導電線2とを有する異方性導電シート10であって、導電線2は、絶縁層1の厚さTと同じ又は略同じ長さからなるカーボン線2aと、そのカーボン線2aの外周に設けられた絶縁皮膜2cとで構成されているようにして上記課題を解決した。絶縁皮膜2cは、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選ばれるいずれか1種又は2種以上で構成されることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体デバイス等の被検査物に対する正確な検査を繰り返し行うことができる異方性導電シートに関する。
異方性導電シートは、電気回路基板の電気的性能を検査する検査治具の電気接触子として、又は、電気回路基板と電子部品等との電気的接続を行う電気コネクタとして提案されている。異方性導電シートとしては種々のものが提案されているが、例えば、導電性を有する複数の金属線を、その長さ方向を絶縁シートの厚さ方向に向けて高密度に配置した構成の異方性導電シートが提案されている。
こうした形態の異方性導電シートが検査治具の電気接触子として用いられる場合には、異方性導電シートの金属線の端部(「金属線端部」という。)と電気回路基板等の電極部とが確実に接触するように、異方性導電シートは、電気回路基板等と検査治具側のピン端子との間の位置で押圧された状態で使用される。また、異方性導電シートが電気コネクタとして用いられる場合にも、異方性導電シートの金属線端部と電極部とが確実に接触するように、異方性導電シートは、電気回路基板等に対して押圧された状態で使用される。これらの場合において、金属線が硬い絶縁シートで強固に配置されていると、異方性導電シートから突出した金属線端部が電極部に強く押圧され、その押圧により折れ曲りが発生したり、折れ曲り部分で塑性変形したり、電極部が傷ついたりするおそれがある。
上記問題に対し、例えば特許文献1では、弾性を有する絶縁シートが用いられ、具体的には、弾性を有する絶縁シートと、絶縁シート内に含まれ、かつ、絶縁シートの厚み方向に長さ方向が平行に配置される複数の導電性を有する金属線とを有し、金属線は、ニッケルチタン合金製の芯材と、該芯材を0℃における比抵抗が、6.5×10−8Ω・m以下の金属材料からなる層を含む1層以上の層からなる導電被覆層とを有する異方性導電シートが提案されている。
特開2012−22805号公報
半導体デバイス等は日進月歩で集積化が進んでおり、それに伴ってその端子も狭ピッチ化している。被検査物の電気的性能を検査する検査治具においても、異方性導電シートを構成する金属線のピッチを狭くして、狭ピッチ化した端子に正確に接触させる必要がある。
しかし、金属線間がより狭ピッチ化した場合において、測定時に大きな荷重が異方性導電シートにかかると、たとえ弾性を有する絶縁シートを用いた場合であっても、その絶縁シート内に含まれる金属線が折れ曲がりやすくなって塑性変形を起こしやすい。そのため、金属線間を狭ピッチ化しすぎると、その折れ曲りや塑性変形によって金属線同士がショートしてしまうリスクが高まり、被検査物に対する正確な検査を繰り返し行えないおそれがある。
塑性変形を起こしにくい強固なピアノ線、真鍮線、ニッケルチタン線等の剛性のある金属線を使用することにより、折れ曲りや塑性変形の防止、金属線の細径化とその細径化に基づいた狭ピッチ化を可能としやすい。しかし、大きな荷重が異方性導電シートにかかると、剛性のある金属線が被検査物に傷を付けてしまったり、破損させてしまったりすることがあり、被検査物の正確な検査を繰り返し行えないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、導電線を狭ピッチで配置することができ、半導体デバイス等の被検査物に対する正確な検査を繰り返し行うことができる異方性導電シートを提供することにある。
本発明に係る異方性導電シートは、弾性を有する絶縁層と、前記絶縁層の厚さ方向に貫通する複数の導電線とを有する異方性導電シートであって、前記導電線は、前記絶縁層の厚さと同じ又は略同じ長さからなるカーボン線と、該カーボン線の外周に設けられた絶縁皮膜とで構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁層が弾性を有しかつ導電線が柔軟なカーボン線を有するので、測定時に大きな荷重が異方性導電シートに加わった場合でも、その弾性や柔軟性によって被検査物に傷を付けたり破損したりすることを防ぐことができる。また、柔軟で細径化も容易なカーボン線を用いるので、測定時に大きな荷重が異方性導電シートに加わった場合でも、カーボン線が折れ曲がったり塑性変形を起こしたりすることがなく、導電線間を狭ピッチ化しても導電線同士がショートしてしまうリスクが小さく、正確に検査を行うことができる。さらに、導電線(カーボン線)1本ずつの外周に絶縁皮膜を設けているので、導電線同士の距離が狭い場合や導電線を不規則に配列する場合でも、導電線間を確実に絶縁することができる。特に、導電線を不規則に配列する場合は、絶縁皮膜の厚さを含めた導電線の径によりピッチが規制されるので、導電線を束ねて(整列させて)絶縁層を充填するだけで、所望のピッチが確保される。その結果、導電線の細径化、導電線間の狭ピッチ化、導電線の整列性向上、折れ曲りや塑性変形の防止等を実現でき、被検査物の電極部又は端子が狭ピッチ化した場合であっても、繰り返し正確に測定することができる。こうした異方性導電シートの使用は、被検査物の端子と異方性導電シートの導電線との位置合わせを正確にしなくても、被検査物の検査を繰り返し正確に行うことができる。
本発明に係る異方性導電シートにおいて、前記絶縁皮膜は、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選ばれるいずれか1種又は2種以上で構成されることが好ましい。
本発明に係る異方性導電シートにおいて、前記絶縁皮膜の厚さが、0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る異方性導電シートにおいて、前記カーボン線は、直径が0.001〜0.05mmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る異方性導電シートにおいて、前記絶縁層は、厚さ0.1〜2mmの範囲内のシート状物であることが好ましい。
本発明に係る異方性導電シートにおいて、前記絶縁皮膜の耐電圧(直流)が、0.1kV以上であることが好ましい。
本発明によれば、導電線を狭ピッチで配置することができ、半導体デバイス等の被検査物に対する正確な検査を繰り返し行うことができる異方性導電シートを提供することができる。特に、導電線同士の距離が狭い場合や導電線を不規則に配列する場合であっても、導電線間を確実に絶縁することができる。
本発明に係る異方性導電シートの一例を示す模式的な斜視図である。 本発明に係る異方性導電シートの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る異方性導電シートの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る異方性導電シートのさらに他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る異方性導電シートの模式的な平面図である。 異方性導電シートを構成する導電線の例を示す模式的な断面図である。 電気回路基板等の電極部と異方性導電シートとの接触態様を示す模式的な説明図である。
以下、本発明に係る異方性導電シートについて、図面を参照しつつ説明する。本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。なお、本願において「被検査物」とは、IC等の半導体デバイス等を総称する意味で使用している。
[異方性導電シート]
本発明に係る異方性導電シート10は、図1〜図4に示すように、弾性を有する絶縁層1と、絶縁層1の厚さ方向Yに貫通する複数の導電線2とを有するものであり、その導電線2は、絶縁層1の厚さTと同じ又は略同じ長さからなるカーボン線2aと、そのカーボン線2aの外周に設けられた絶縁皮膜2cとで構成されている
この異方性導電シート10では、絶縁層1が弾性を有しかつ導電線2が柔軟なカーボン線2aを有するので、測定時に大きな荷重が異方性導電シート10に加わった場合でもその弾性や柔軟性によって被検査物20又は電極21(図7を参照)に傷を付けたり破損したりすることを防ぐことができる。また、柔軟で細径化も容易なカーボン線2aを用いるので、測定時に大きな荷重が異方性導電シート10に加わった場合でも、カーボン線2aが折れ曲がったり塑性変形を起こしたりすることがなく、導電線間2,2を狭ピッチ化しても導電線同士がショートしてしまうリスクが小さく、正確に検査を行うことができる。
さらに、導電線(カーボン線)1本ずつの外周に絶縁皮膜2cを設けているので、導電線同士2,2の距離が狭い場合や導電線2を不規則に配列する場合でも、導電線間を確実に絶縁することができる。特に、導電線2を不規則に配列する場合は、絶縁皮膜2cの厚さを含めた導電線2の径によりピッチが規制されるので、導電線2を束ねて(整列させて)絶縁層1を充填するだけで、所望のピッチが確保される。
その結果、導電線2の細径化、導電線間2,2の狭ピッチ化、導電線2の整列性向上、折れ曲りや塑性変形の防止等を実現でき、被検査物20の電極部又は端子等が狭ピッチ化した場合であっても、繰り返し正確に測定することができる。こうした異方性導電シート10の使用は、被検査物の端子と異方性導電シートの導電線との位置合わせを正確にしなくても、被検査物20の検査を繰り返し正確に行うことができる
各構成について詳しく説明する。
(絶縁層)
絶縁層1は、図1〜図4に示すように、異方性導電シート10を構成する弾性のあるシート状物である。この絶縁層1には、導電線2が厚さ方向Yに貫通して所定のピッチPで多数設けられている。絶縁層1の材質は、絶縁性を有し且つゴムのように弾性のある材料であれば特に限定されない。ゴムのように弾性のある材料とは、繰り返し使用しても特性が変わらず、押したら押した分だけ元に戻る特性を持つ材料のことであり、圧縮弾性率が5N/mm以下、好ましくは2N/mm以下であれば、そうした特性を示すことができる。圧縮弾性率の下限はシート状物として機能する範囲であり、強いて言えば0.5N/mmとすることができる。具体的な材料としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
絶縁層1は、絶縁性を有しているが、上記材料で構成された場合には、体積抵抗率が1012Ω・cm(導電率10-12S/cm)以上、好ましくは1013Ω・cm(導電率10-13S/cm)以上であり、十分な絶縁性を有している。絶縁層1の厚さは特に限定されないが、近年の狭ピッチ対応の異方性導電シート10を考慮した場合、0.1〜2mmの範囲内であることが好ましく、0.1〜1mmの範囲内であることがより好ましい。
(導電線)
導電線2は、図2〜図4及び図6に示すように、芯材となるカーボン線2aと、カーボン線2aの外周に設けられた絶縁皮膜2cとで少なくとも構成されている。具体的には、図2及び図6(A)に示すように、カーボン線2aと、カーボン線2aの外周に設けられた絶縁皮膜2cとで構成されていてもよいし、図3、図4及び図6(B)に示すように、カーボン線2aと、カーボン線2aの外周に設けられた金属めっき層2bと、金属めっき層2b上に設けられた絶縁皮膜2cとで構成されていてもよい。図2〜図4において、D1は、カーボン線2aの直径であり、D3は、絶縁皮膜2cを含めた導電線2の直径である。なお、D2は、金属めっき層2bがカーボン線2a上に設けられた場合の直径である。こうした導電線2は、絶縁層1の厚さ方向Yに貫通している。なお、図4に示すように、先端部4が設けられて、絶縁層1の面(先端部4以外の表面のこと。)から突出していてもよい。
導電線2は、図1〜図5に示すように、その複数が一定のピッチPで規則的に設けられていることが好ましいが、不規則に設けられていてもよい。図5(A)(B)に示すように規則的に設けられている場合における導電線2のピッチPは、例えば、0.050mm以下であり、好ましくは0.018mm以下の狭ピッチであることが好ましい。
導電線2の直径D3は、こうした狭ピッチで配列することができるように、0.003〜0.050mm程度の範囲内とすることが好ましい。ピッチPは、導電線2の直径D3(絶縁皮膜2cを含めた直径)によって規制されるので、導電線2のピッチPを0.050mm以下であることにより例えばICチップの電極パターンが0.055mmピッチのもの等に対しても好ましく接触することができる。また、直径が0.018mm以下の導電線2を用いれば、導電線2を0.018mm以下の狭ピッチで設けることができ、例えばICチップの電極パターンが0.055mmピッチのもの等に対してもマルチコンタクトすることができるのでより好ましい。なお、マルチコンタクトとは、図7に示すように、導通を安定させ、確実にコンタクトさせるために、複数の導電線2の先端部4を一つの電極部等21に接触させる方法であり、導電線2を狭ピッチ(例えば0.018mm以下)とし、且つ規則配置又は非規則配置しても、規則的な電極部21に対する接触を安定的に行うことができ、正確な測定が可能になる。
カーボン線2aは、従来の金属線に比べて柔軟性があるので、例えば測定時に大きな荷重が異方性導電シート10に加わった場合でも、被検査物20の電極部21に傷を付けたり破損したりすることを防ぐことができる。さらに、測定時に大きな荷重が異方性導電シート10に加わった場合でも、その柔軟性により、カーボン線2aが折れ曲がったり塑性変形を起こしたりすることがなく、導電線間W2を狭ピッチ化しても導電線同士がショートしてしまうリスクが小さく、正確に検査を行うことができる。なお、カーボン線2aの例としては、ポリアクリロニトリル等を挙げることができる。このカーボン線2aは、炭素繊維、CNT(カーボンナノチューブ)等として容易に入手することができる。
カーボン線2aの直径D1は、近年の狭ピッチ化の要請により、例えば0.001〜0.05mmを好ましく挙げることができる。カーボン線2aの長さは、図2〜図4に示すように、絶縁層1の厚さTとの関係で決まり、例えば絶縁層1の厚さTと同じで0.1〜2mmの範囲内であることが好ましく、0.1〜1mmの範囲内であることがより好ましい。特に、カーボン線2aの長さは、絶縁層1の厚さと一致していることが好ましい。
金属めっき層2bは、必須の構成ではなく、図3、図4及び図6(B)に示すように、カーボン線2aの外周に必要に応じて設けることができる。金属めっき層2bとしては、導電性の良い銅めっき層、ニッケルめっき層、金めっき層等を挙げることができる。これらの金属めっき層2bを0.5〜5μm程度の厚さ(図3及び図4中、[D2ーD1]/2で表される。)で設けることにより、クラックが入らない程度の厚さで、導電線2の体積抵抗率を、被検査物の検査が実用的に可能な1Ω・cm以下、好ましくは10−4Ω・cm以下、より好ましくは10−5Ω・cm以下とすることができる。導電率で表せば、1S/cm〜10S/cmの範囲内ということができる。なお、上記したカーボン線2aの導電率は、10S/cm〜10S/cmの範囲内であるので、カーボン線2aの外周には上記した導電性の良い金属めっき層2bが設けられていることが好ましい。
金属めっき層2bの厚さは、導電線2の導電率とともに、導電線2のコシ(荷重)にも影響するので、それらを考慮して、上記範囲内で任意に設定することが好ましい。なお、銅めっき層はカーボン線2a上に設けることが好ましく、金めっき層は導電線2の最表面位置に設けることが好ましい。これら銅、ニッケル、金等の金属めっき層2bは、伸びやすい性質を備えるので、導電線2が座屈してもクラック等が入らないという利点がある。
絶縁皮膜2cは、必須の構成であり、図6(A)(B)に示すように、カーボン線2a上(又は、金属めっき層2bが設けられている場合にはその金属めっき層2b上)に設けられ、導電線2の周囲に最外層として設けられている。この絶縁皮膜2cは、隣接する導電線間の電気的な接触を妨げる絶縁性を有するものであれば特に限定されず、カーボン線2a上(又は、カーボン線2a上に金属めっき層2bが設けられている場合にはその金属めっき層2b上)に直接設けられていてもよいし、カーボン線2a上や金属めっき層2b上に他の層(図示しないが例えば他の樹脂層等)を介して設けられていてもよい。絶縁皮膜2cとしては特に限定されないが、例えばポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選ばれるいずれか1種又は2種以上であることが好ましい。
絶縁皮膜2cは、各種の方法で設けることができ、例えば焼き付け等の方法で設けることが好ましい。絶縁皮膜2cの厚さも特に限定されないが、例えば0.5〜10μmの範囲内の厚さで設けることが好ましく、0.5〜3μmの範囲内の厚さで設けることがより好ましい。絶縁皮膜2cの厚さは、具体的には、図2では[D3−D1]/2で表され、図3及び図4では[D3−D2]/2で表される。絶縁皮膜2cの耐電圧(直流)は、少なくとも0.1kV以上となるように設けられていることが好ましい。絶縁皮膜2cは、導電線同士の距離が狭い場合や導電線を不規則に配列する場合でも、導電線間を確実に絶縁することができる。
(突出した先端部)
突出した先端部4は、必須の構成ではなく、図4に示すように、異方性導電シート10を構成する絶縁層1の面(先端部4以外の表面のこと。)から突出する形態として必要に応じて設けられる。この突出した先端部4を設ける場合は、絶縁層1の面から少しだけ突出させ、その先端部4を被検査物20の電極部21等に接触させることができる。両面から突出した先端部4は、上記した導電線2の両端部にめっき層4aを設けて形成される。突出した高さH1,H2は、好ましくは1〜3μmの範囲内とすることができる。
なお、突出した先端部4が設けられていなくてもよく、その場合には、測定時に大きな荷重が異方性導電シート10に加わると、弾性を有する絶縁層1が凹むので、カーボン線2aが被検査物20の電極部21等に接触する。
先端部4を設ける場合、その先端部4を構成するめっき層4aとしては、ニッケルめっき層及び金めっき層の一方又は両方を好ましく挙げることができる。ニッケルめっき層及び金めっき層の両方とは、ニッケルめっき層上に金めっき層を設ける。めっき層4aの厚さH1,H2は、1〜3μmの範囲内であることが好ましい。このめっき層4aの厚さH1,H2は、導電線2の芯材であるカーボン線2aの直径よりも小さいことが、突出した先端部4が折れ曲がったりせずに、力を正しく伝えるという観点から好ましい。
めっき層4aは、電気めっき又は無電解めっきで形成される。めっき層4aの形成は、導電線2が絶縁層1内に配列された状態で、絶縁層1の表面に露出した導電部(カーボン線2a及び任意に設けられる金属めっき層2b)に通電して電気めっきを行うか、その導電部を活性化処理して無電解めっきを行う。こうして、絶縁層1から突出する先端部4を形成することができる。
(異方性導電シート)
こうして形成された異方性導電シート10は、通常は、図1に示すような縦寸法A、横寸法B、絶縁層厚さTで表される矩形形状のシートであるが、その形状は円形、楕円形、多角形等であってもよい。異方性導電シート10の厚さは、シート状物である絶縁層1の厚さTと、突出する先端部4の厚さH1,H2とを加えた厚さであり、0.1〜2mmの範囲内であり、好ましくは0.1〜1mmの範囲内である。異方性導電シート10の厚さが0.1mm未満では、図7に示すような態様で行われる測定時に、0.02mmのストローク量を確保することができないことがあり、その厚さが2mmを超えると、導電線2を構成するカーボン線2aが長くなりすぎ、良導電性の金属めっき層2bを設けた場合であっても、抵抗値を抑えることができないことがある。上記したストロークとは、被検査物20の高さばらつき(半田バンプのばらつき等)を吸収するための長さであり、そのストローク量を確保したシート厚さ(例えば0.1mm)とすることにより、安定した接触抵抗を確保して正確な測定を行うことができる。
なお、図2〜図4において、W1は絶縁皮膜2cを含めない導電線間のギャップ(隙間)であり、W2は絶縁皮膜2cを含めた導電線間のギャップ(隙間)である。絶縁皮膜2cを含めない導電線とは、カーボン2aからなる導電線、又は、カーボン2a及び金属めっき層2bからなる導電線、のことである。
異方性導電シート10に加わる荷重は、測定に要する荷重であり、被検査物20へのダメージを考慮した場合には、1検査パターンあたり10gf以下であることが好ましい。なお、1本あたりの導電線2の荷重に換算すると、5gf以下が好ましく、2gf以下であることがより好ましい。これは、マルチコンタクトした場合の例であり、複数本接触しても1検査パターンあたり10gf以下にすることができる。
こうした異方性導電シート10は、導電線2を狭ピッチで配置することができ、さらに図7に示すように、異方性導電シート10の先端部4のピッチPを、電極間のギャップ(隙間)Gよりも小さくすることにより、複数の導電線2の先端部4を一つの電極部等21に接触させることが可能となり、被検査物20の電極部(端子等)21と異方性導電シート10の導電線2との位置合わせを正確にしなくても、半導体デバイス等の被検査物の検査を繰り返し使用可能とすることができる。
実施例と比較例により本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
東レ株式会社製のトレカ糸(T700SC−12000−50C、線径0.007mm)をカーボン線2aとして用い、このカーボン線2aの外周に、ウレタン樹脂からなる厚さ2.5μmの絶縁皮膜2cを焼き付け塗布し、直径0.012mmの導電線2を作製した。
導電線2を12000本束ね、信越化学工業株式会社製のKE−1842を絶縁層用材料として用いて固めて厚さ1mmの絶縁層1とした。その絶縁層1の厚さ方向Yには導電線2が貫通している。その後、ダイヤモンドカッターで1mmの厚さTに切断した。こうして実施例1の異方性導電シート10(図2参照)を製造した。
[実施例2]
東レ株式会社製のトレカ糸(T700SC−12000−50C、線径0.007mm)をカーボン線2aとして用い、このカーボン線2aに電気めっきでニッケルめっき層と金めっき層とをその順で形成した厚さ0.5μmの金属めっき層2bを設けて、導体径を0.008mmとした。さらにその金属めっき層2b上に、ウレタン樹脂からなる厚さ2.5μmの絶縁皮膜2cを焼き付け塗布し、直径0.013mmの導電線2を作製した。それ以外は実施例1と同様にして、実施例2の異方性導電シート10(図3参照)を製造した。
[実施例3]
実施例2で作製した直径0.013mmの導電線2を12000本束ね、信越化学工業株式会社製のKE−1842を絶縁層用材料として用いて固めて厚さ1mmの絶縁層1とした。その後、ダイヤモンドカッターで1mmの厚さTに切断した後、絶縁層1の両面に露出した導電線2の端面に、厚さ1.0μmの金めっき層4aを電気めっきで設けて、突出した先端部4とした。こうして実施例3の異方性導電シート10(図4参照)を製造した。
[実施例4]
実施例3において、絶縁皮膜2cの厚さを1.0μmとした。それ以外は実施例3と同様にして、実施例4の異方性導電シート10を製造した。
[実施例5]
実施例3において、CNT(線径0.007mm)をカーボン線2aとして用いた。それ以外は実施例3と同じにして、実施例5の異方性導電シート10を製造した。
[比較例1]
実施例3において、絶縁皮膜2cを設けなかった。それ以外は実施例3と同じにして、比較例1の導電シートを製造した。なお、導電線2の直径は0.08mmである。
[比較例2]
実施例1において、絶縁皮膜2cを設けなかった。それ以外は実施例1と同じにして、比較例2の導電シートを製造した。なお、導電線2の直径は0.007mmである。
[測定と結果]
表1は、実施例1〜5及び比較例1,2で得られたシートの結果である。抵抗値は、各シートの両面方向に測定電極を接触させ、日置電機株式会社製の3541抵抗計で測定し、導電線2の数で割って得た値である。体積抵抗率及び導電率は、導電線1本あたりの抵抗値を、上記抵抗計で測定し、導電線の寸法から換算した。
[測定と結果]
検査パターンとして、マイクロバンプが400個あるテスト用パターンを用いた。検査パターンに加える荷重を種々変化させて測定した。表1に示す荷重は、検査パターンの数で荷重を除した1検査パターンあたりの荷重を示している。なお、1検査パターンとは、テスト用パターンに点在するマイクロバンプ1つ分のことであり、荷重はテスト用パターンを所定のストローク量で押し込み、その際の荷重をロードセルを用いて測定した。
短絡は、上記計測器で、1検査パターンと他の検査パターンが短絡となるか否かで評価した。検査の可否は、マイクロバンプ400個が全て短絡無しとなるか否かで評価した。
以上より、実施例1〜5の導電シートは、異方性導電シートとして、電極部及び端子が狭ピッチ化した検査パターンに対し、正確に測定することができた。一方、比較例1,2の導電シートは、十分に測定することができなかった。
1 絶縁層
2 導電線
2a カーボン線
2b 金属めっき層
2c 絶縁皮膜
3 絶縁層を構成する弾性樹脂
4 突出した先端部
4a めっき層
10 異方性導電シート
20 被検査物
21 電極部又は端子
A 縦寸法
B 横寸法
T 絶縁層の厚さ
P 導電線間のピッチ
D1 カーボン線の直径
D2 絶縁皮膜を含めない導電線の直径
D3 絶縁皮膜を含めた導電線の直径
H1,H2 両端部のめっき層の厚さ
W1 絶縁皮膜を含めない導電線間のギャップ(隙間)
W2 絶縁皮膜を含めた導電線間のギャップ(隙間)
Y 絶縁層の厚さ方向
G 電極間のギャップ(隙間)

Claims (6)

  1. 弾性を有する絶縁層と、前記絶縁層の厚さ方向に貫通する複数の導電線とを有する異方性導電シートであって、前記導電線は、前記絶縁層の厚さと同じ又は略同じ長さからなるカーボン線と、該カーボン線の外周に設けられた絶縁皮膜とで構成されている、ことを特徴とする異方性導電シート。
  2. 前記絶縁皮膜は、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂から選ばれるいずれか1種又は2種以上で構成される、請求項1に記載の異方性導電シート。
  3. 前記絶縁皮膜の厚さが、0.5〜10μmの範囲内である、請求項1又は2に記載の異方性導電シート。
  4. 前記カーボン線は、直径が0.001〜0.05mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電シート。
  5. 前記絶縁層は、厚さ0.1〜2mmの範囲内のシート状物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方性導電シート。
  6. 絶縁皮膜の耐電圧(直流)が、0.1kV以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異方性導電シート。
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