JP2020090423A - 多結晶炭化珪素基板の製造方法と平板状被成膜基板 - Google Patents

多結晶炭化珪素基板の製造方法と平板状被成膜基板 Download PDF

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Abstract

【課題】基板製造の時間短縮と簡便化を図れる多結晶炭化珪素基板の製造方法を提供する。【解決手段】平板状被成膜基板(母材基板)1の表裏面と外周端面に熱CVD法で多結晶炭化珪素(SiC)膜5を形成する成膜工程、母材基板の外周端面に形成された多結晶SiC膜を除去し母材基板の外周端面を露出させる端面露出工程、外周端面が露出した母材基板を除去し該基板の表裏面に形成された多結晶SiC膜から成る2枚の多結晶SiC基板を得る除去工程を具備する多結晶SiC基板の製造方法において、上記母材基板1を、分離可能に一体化された上側平板状基板7と下側平板状基板8で構成し、端面露出工程後に上側平板状基板と下側平板状基板を分離させて両基板7、8を除去することを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、単結晶炭化珪素が貼り合わされて、例えば、炭化珪素半導体等に使用される多結晶炭化珪素基板に係り、特に、基板製造の時間短縮と簡便化を図れる多結晶炭化珪素基板の製造方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は珪素(Si)と炭素で構成される化合物半導体材料であり、絶縁破壊電界強度が珪素の10倍、バンドギャップが珪素の3倍と優れているだけでなく、デバイス作製に必要なp型、n型の制御が広い範囲で可能であることから、珪素の限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されている。更に、炭化珪素は、薄い膜厚でも高い耐電圧が得られるため、炭化珪素の膜厚を薄くすることで、ON抵抗が小さく、低損失の半導体を得ることが可能となる。
しかし、炭化珪素半導体は、広く普及するSi半導体に較べて大面積の単結晶炭化珪素基板(ウェハ)を製造することが難しく、製造工程も複雑であることから、Si半導体と比較して大面積単結晶炭化珪素基板の大量生産が難しく、高価であった。
そこで、炭化珪素半導体のコストを下げるため、様々な工夫がなされている。例えば、特許文献1には、単結晶炭化珪素と多結晶炭化珪素基板を貼り合わせて成る炭化珪素基板の製造方法が開示されている。すなわち、少なくとも、マイクロパイプの密度が30個/cm2以下の単結晶炭化珪素基板と多結晶炭化珪素基板を貼り合わせ、その後、上記単結晶炭化珪素基板を薄膜化することで、炭化珪素半導体に供される炭化珪素基板の製造方法が記載されている。因みに、炭化珪素半導体のデバイス活性層は上記単結晶炭化珪素基板が機能し、下部の機械的支持部、放熱部分は多結晶炭化珪素基板がその役割を受け持つ構造となり、炭化珪素基板全体を単結晶の炭化珪素で構成した基板と同等に扱うことが可能となる。
更に、特許文献1には、単結晶炭化珪素基板と多結晶炭化珪素基板を貼り合わせる前に単結晶炭化珪素基板に水素イオン注入層を形成し、水素イオン注入層が形成された単結晶炭化珪素基板と多結晶炭化珪素基板を貼り合わせた後、350℃以下の温度で熱処理を行うことで、上記水素イオン注入層を単結晶炭化珪素基板の剥離面にして単結晶炭化珪素基板を薄膜化する方法も記載されている。
そして、特許文献1に記載された方法により、1つの大面積単結晶炭化珪素インゴットから炭化珪素半導体に供されるより多くの炭化珪素基板が得られるようになった。
特開2009−117533号公報
ところで、単結晶炭化珪素が貼り合わされて、炭化珪素半導体等に使用される多結晶炭化珪素基板は、一般的に、熱CVD法等の気相成膜法により製造されている。
すなわち、平板状被成膜基板(母材基板)が配置された育成炉内を1300℃以上の環境に設定し、該炉内にSiH4等のSi系原材料ガス、CH4等のC系原材料ガス、不純物ガスである窒素ガス、および、キャリアガスである水素ガスを導入し、熱反応により、上記平板状被成膜基板の表裏面と外周端面に多結晶炭化珪素を析出させる。
そして、多結晶炭化珪素が析出された平板状被成膜基板を育成炉から取り出し、かつ、平板状被成膜基板をベベリング加工して該平板状被成膜基板の端面を露出させた後、電気炉等を用いて平板状被成膜基板(後述するように高純度カーボン材等で構成される)のみを燃焼(焼成による消失)させ、平板状被成膜基板の表裏面に形成された多結晶炭化珪素膜から成る2枚の多結晶炭化珪素基板が得られる。
しかし、上記多結晶炭化珪素基板の製造方法は、平板状被成膜基板を燃焼させる際、露出している平板状被成膜基板(母材基板)は側面の厚み分のみであることから母材基板全体に熱が伝わり難く、燃焼(焼成による消失)に時間がかかるため加工工程のボトルネックとなっている。
また、多結晶炭化珪素基板は、半導体である単結晶炭化珪素を貼り合わせて使用されるため、多結晶炭化珪素基板に金属汚染のないことが要求される。このため、多結晶炭化珪素が析出(成膜)される平板状被成膜基板(母材基板)の材料には、金属汚染を生じさせずかつ高温環境に耐え得る高純度カーボン材等が用いられている。
しかし、カーボン材料は、高温に耐え得るものの機械的強度は弱く、ばね性を付与させることが難しいため、平板状被成膜基板(母材基板)を固定する際、図1〜図2に示すようにカーボン製ナット等から成る治具(ロッド2、母材基板1を挟み込むスペーサ3、および、スペーサ3を固定するナット4等で構成される)で母材基板1を挟み込んで固定するか、爪形状の載置部等に乗せて固定する方法が採られている。この状態で、平板状被成膜基板(母材基板)1の表裏面と外周端面に多結晶炭化珪素を析出(成膜)させると、図3に示すようにカーボン製ナット等から成る上記治具や載置部(図示せず)にも多結晶炭化珪素5が析出(成膜)し、析出(成膜)した多結晶炭化珪素5によって治具や載置部と平板状被成膜基板(母材基板)1が固着してしまう。
そして、上記治具等と平板状被成膜基板(母材基板)1が固着した場合、多結晶炭化珪素の析出(成膜)終了後に母材基板1を高温環境から冷却する際、多結晶炭化珪素膜の収縮等による治具等と多結晶炭化珪素膜間に生じる応力によって多結晶炭化珪素膜や母材基板1にクラック等を生ずることがあった。
また、多結晶炭化珪素膜のクラック等が生じない平板状被成膜基板(母材基板)1においても、治具等との固着部分を取り外す際に、図4に示すように治具等との固着部分を欠損させて母材基板1から取り除く必要があり、固着部分の多結晶炭化珪素膜が欠損してしまう(図4に基板欠損部6を示す)ため、多結晶炭化珪素膜が成膜された母材基板1の円形状を保持できなくなる問題点があった。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、製造工程のボトルネックであった平板状被成膜基板(母材基板)における消失時間の短縮が図れ、かつ、多結晶炭化珪素膜や平板状被成膜基板(母材基板)等の破損が抑制されると共に、多結晶炭化珪素膜が成膜された母材基板の円形状も保持することが可能となる多結晶炭化珪素基板の製造方法を提供し、合わせてこの製造方法に適用される平板状被成膜基板を提供することにある。
そこで、本発明者は、平板状被成膜基板(母材基板)における消失時間の短縮が図れ、多結晶炭化珪素膜や平板状被成膜基板等の破損が防止される方法について鋭意研究を重ねた結果、上記平板状被成膜基板を、分離可能に一体化された上側平板状基板と下側平板状基板とで構成し、該平板状被成膜基板の端面を露出させた後、上側平板状基板と下側平板状基板を分離させて両基板を除去(消失)することで達成されることを見出すに至った。更に、下側平板状基板の外周端面に挿入孔を形成し、該下側平板状基板を固定保持する挿入治具を下側平板状基板の上記挿入孔に嵌入させる構造を採用することで、多結晶炭化珪素膜が成膜された平板状被成膜基板の円形状を保持できることも見出すに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
保持手段で固定された平板状被成膜基板の表裏面と外周端面に気相成膜法により多結晶炭化珪素膜を形成する成膜工程と、
上記保持手段から分離された平板状被成膜基板の外周端面に形成された多結晶炭化珪素膜を除去して平板状被成膜基板の外周端面を露出させる端面露出工程と、
外周端面が露出した平板状被成膜基板を除去して該平板状被成膜基板の表裏面に形成された多結晶炭化珪素膜から成る2枚の多結晶炭化珪素基板を得る除去工程、
を具備する多結晶炭化珪素基板の製造方法において、
上記平板状被成膜基板を、分離可能に一体化された上側平板状基板と下側平板状基板とで構成し、上記端面露出工程後に、上側平板状基板と下側平板状基板を分離させて両基板を除去することを特徴とする。
また、本発明に係る第2の発明は、
第1の発明に記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法において、
上側平板状基板と下側平板状基板を分離させた後、燃焼法により両基板を除去して2枚の多結晶炭化珪素基板を得ることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法において、
上側平板状基板と下側平板状基板を分離させた後、平面研削により両基板を除去して2枚の多結晶炭化珪素基板を得ることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明〜第3の発明のいずれかに記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法において、
平板状被成膜基板が固定される上記保持手段を、下側平板状基板の外周端面に形成された挿入孔と、該挿入孔に嵌入されて下側平板状基板を固定保持する挿入治具とで構成することを特徴とする。
また、第5の発明は、
第1の発明〜第4の発明のいずれかに記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法に用いられる平板状被成膜基板において、
凸形状の嵌入部を有する上側平板状基板と該嵌入部が嵌め込まれる凹形状の嵌合部を有する下側平板状基板とで構成され、かつ、上記下側平板状基板の外周端面に断面矩形状の挿入孔が設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る多結晶炭化珪素基板の製造方法によれば、
表裏面に多結晶炭化珪素膜が形成される平板状被成膜基板を、分離可能に一体化された上側平板状基板と下側平板状基板とで構成し、かつ、平板状被成膜基板の端面を露出させた後、上側平板状基板と下側平板状基板を分離させ、上側平板状基板と下側平板状基板の嵌合面が露出した状態で両基板を除去(消失)するため、板状被成膜基板における除去(消失)時間の短縮が図れると共に、多結晶炭化珪素膜や平板状被成膜基板等の破損をも防止することが可能となる。
また、上記平板状被成膜基板が固定される保持手段を、下側平板状基板の外周端面に形成された挿入孔と、該挿入孔に嵌入されて下側平板状基板を固定保持する挿入治具とで構成することにより、多結晶炭化珪素膜が成膜された平板状被成膜基板の円形状も保持することが可能となる。
育成炉内において多結晶炭化珪素膜が成膜される平板状被成膜基板(母材基板)1を保持手段(ロッド2、母材基板1を挟み込むスペーサ3、スペーサ3を固定するナット4等で構成される治具)で固定した状態を示す概略斜視図。 図1の側面図。 図1に示す保持手段で平板状被成膜基板(母材基板)が固定された場合に、析出(成膜)した多結晶炭化珪素膜により保持手段と平板状被成膜基板(母材基板)が固着した状態を示す概略説明図。 析出(成膜)した多結晶炭化珪素膜により保持手段と平板状被成膜基板(母材基板)が固着した場合に、保持手段から平板状被成膜基板(母材基板)を取り外したときに形成される基板欠損部6を示す概略斜視図。 図5(A)は平板状被成膜基板(母材基板)を構成する上側平板状基板と下側平板状基板が一体化される前の概略斜視図、図5(B)は下側平板状基板の外周端面に形成された挿入孔と該挿入孔に嵌入されて下側平板状基板を固定する挿入治具とで構成された平板状被成膜基板(母材基板)の保持手段を示す説明図。 図6(A)は上側平板状基板と下側平板状基板で構成される平板状被成膜基板(母材基板)の表裏面と外周端面に多結晶炭化珪素膜が析出(成膜)されかつロッドから母材基板が分離された状態を示す説明図、図6(B)は平板状被成膜基板(母材基板)の外周端面に析出(成膜)した多結晶炭化珪素膜と挿入治具(保持板)が除去された状態を示す説明図、図6(C)は上側平板状基板と下側平板状基板が分離されてその嵌合面を露出した状態を示す説明図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る多結晶炭化珪素基板の製造方法は、表裏面に多結晶炭化珪素が成膜される平板状被成膜基板(母材基板)について、分離可能に一体化された上側平板状基板と下側平板状基板とで構成したことを特徴とするものである。
(1)母材基板の一部がスペーサで挟持される保持手段
上記平板状被成膜基板(母材基板)1の一部がスペーサで挟持される保持手段は、図1〜図2に示すように、三角ネジ加工を施したロッド2と、母材基板1を挟み込むスペーサ3と、該スペーサ3を固定する六角ナット4とで構成されており、各々の材質は全てカーボン材料が用いられている。そして、1本のロッド2に、上記スペーサ3と六角ナット4を等間隔で配置することにより、複数枚の平板状被成膜基板(母材基板)1を同時に成膜処理することが可能となる。
ところで、母材基板の一部がスペーサで挟持される保持手段を採った場合、上述したように、平板状被成膜基板(母材基板)1の表裏面と外周端面に加えて図3に示すように保持手段を構成するロッド2、スペーサ3、および、ナット4の各外周面にも多結晶炭化珪素5が析出(成膜)するため、多結晶炭化珪素5によって平板状被成膜基板(母材基板)1と保持手段が固着してしまう。
従って、多結晶炭化珪素5が成膜された平板状被成膜基板(母材基板)1を保持手段から取り外す際、保持手段のスペーサ3で挟持された平板状被成膜基板(母材基板)1の一部を取り除く必要があることから、平板状被成膜基板(母材基板)1の端面を露出させる端面露出工程後の平板状被成膜基板(母材基板)1に、図4に示すような基板欠損部6が形成されてしまうため平板状被成膜基板(母材基板)1の円形状を保持できなくなる。
但し、分離可能に一体化された上側平板状基板と下側平板状基板とで上記平板状被成膜基板(母材基板)が構成されていることから、上記端面露出工程後、上側平板状基板と下側平板状基板を分離させ、上側平板状基板と下側平板状基板の嵌合面が露出した状態で両基板を除去(消失)することが可能になるため、平板状被成膜基板における除去(消失)時間の短縮が図れ、かつ、除去(消失)時間が短縮されることに伴い多結晶炭化珪素膜や平板状被成膜基板等の破損も低減できる利点を有する。更に、上側平板状基板と下側平板状基板の嵌合面が露出した状態で両基板を除去(消失)できるため、従前の燃焼法(電気炉を用いた焼成による消失法)に加えて平面研削により上側平板状基板と下側平板状基板を除去することが可能となる。
(2)下側平板状基板の挿入孔とロッドに固定された挿入治具から成る保持手段
この保持手段で保持される平板状被成膜基板(母材基板)は、図5(A)に示すように凸形状の嵌入部70を有する上側平板状基板7と、該嵌入部70が嵌め込まれる凹形状の嵌合部80を有する下側平板状基板8とで構成され、上記下側平板状基板8の外周端面に断面矩形状の挿入孔10が設けられていると共に、図5(B)に示すように上側平板状基板7と下側平板状基板8が一体化されて多結晶炭化珪素基板の製造に使用される。
また、下側平板状基板8の外周端面に設けられた挿入孔10には図5(B)に示すロッド2に固定された挿入治具(保持板)9が嵌入され、この挿入治具(保持板)9の作用により一体化された平板状被成膜基板(母材基板)1が保持されるようになっている。尚、図5(B)中、符号4は挿入治具(保持板)9をロッド2に固定する六角ナットを示す。
このような保持手段を採った場合、平板状被成膜基板(母材基板)1の表裏面と外周端面に加えて、ロッド2、ナット4、および、挿入治具(保持板)9の各外周面にも多結晶炭化珪素5が成膜するが、図6(A)に示すように挿入治具(保持板)9の基端側(すなわち、保持板9がナット4で固定された側)を切断することで、多結晶炭化珪素5が成膜された平板状被成膜基板(母材基板)1をロッド2から取り外すことができるため、図6(B)に示すように平板状被成膜基板(母材基板)1の端面を露出させる端面露出工程後において平板状被成膜基板(母材基板)1の円形状を保持することが可能となる。
そして、上記端面露出工程後、図6(C)に示すように上側平板状基板7と下側平板状基板8を分離させ、上側平板状基板7と下側平板状基板8の嵌合面が露出した状態で両基板を除去(消失)することが可能になるため、平板状被成膜基板における除去(消失)時間の短縮が図れ、かつ、除去(消失)時間が短縮されることに伴い多結晶炭化珪素膜や平板状被成膜基板等の破損も低減できると共に、平板状被成膜基板(母材基板)1の円形状を保持できる(すなわち、基板欠損部6が形成されない)ことから平板状被成膜基板(母材基板)1に成膜された多結晶炭化珪素膜を無駄なく利用できる利点を有する。更に、上側平板状基板7と下側平板状基板8の嵌合面が露出した状態で両基板を除去(消失)できるため、従前の燃焼法(電気炉を用いた焼成による消失法)に加えて平面研削により上側平板状基板7と下側平板状基板8を除去することが可能となる。
(3)挿入孔と挿入治具(保持板)の一例
図5(A)に示す下側平板状基板8の外周端面に形成される挿入孔10については母材基板1の中心方向に向かって30mm以上の深さを有し、かつ、挿入孔10の断面形状についてはロッド2に対し母材基板1の垂直性を保つため矩形状であることが望ましい。
他方、ロッド2に固定された挿入治具(保持板)9の外寸は上記挿入孔10より0.1mm〜0.2mm小さく設定し、挿入治具(保持板)9を下側平板状基板8の挿入孔10に嵌入させて一体化された平板状被成膜基板(母材基板)1を保持する。
尚、図5(A)において下側平板状基板8の外周端面に一つの挿入孔10が設けられているが、平板状被成膜基板(母材基板)1を安定して保持できるように複数の挿入孔10を設けてもよい。但し、挿入孔10の設定個数に対応した挿入治具(保持板)9を設ける(ロッド2も複数)ことを要する。
そして、母材基板の一部がスペーサで挟持される上記保持手段と異なり、挿入孔と挿入治具(保持板)を用いた保持手段では、図6(A)に示すように挿入治具(保持板)9の基端側を切断することで、多結晶炭化珪素5が成膜された母材基板1をロッド2から取り外すことができるため、図6(B)に示すように母材基板1の端面を露出させる端面露出工程後において母材基板1の円形状を保持することが可能となり、その結果、母材基板1に成膜された円形状の多結晶炭化珪素膜を有効に利用することが可能となる。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明の構成は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図5(A)に示す凸形状の円形嵌入部70を有する円形上側平板状基板7と、該嵌入部70が嵌め込まれる凹形状の円形嵌合部80を有する円形下側平板状基板8とで構成されるカーボン製の円形母材基板1を作製した。
上記円形母材基板1の直径は4インチ、円形上側平板状基板7における中心部(すなわち、凸形状の円形嵌入部70を含めた上側平板状基板)の厚さは2mm、円形上側平板状基板7における周縁部(すなわち、円形嵌入部70を除いた上側平板状基板)の厚さは1mmであり、また、円形下側平板状基板8における中心部(すなわち、凹形状の円形嵌合部80)の厚さは5mm、円形下側平板状基板8における周縁部(すなわち、円形嵌合部80を除いた下側平板状基板)の厚さは7mmであり、かつ、上側平板状基板7と下側平板状基板8を一体化させたときの合計基板厚みは8mmとした。
また、円形下側平板状基板8の外周端面に設けられかつ断面矩形状を有する挿入孔10の孔サイズは、横寸法が15.0mm、縦寸法が1.5mm、深さが35mmとし、また、上記挿入孔10に嵌入されかつ断面矩形状を有する挿入治具(保持板)9のサイズは、横寸法が14.8mm、縦寸法が1.3mm、長さ寸法が30.0mmとし、挿入治具(保持板)9の基端側にロッド2固定用の貫通穴が設けられている。
すなわち、上記挿入治具(保持板)9の貫通穴に、三角ネジ加工が施されたロッド2(L25mm×M6:「M6」はボルト規格)を垂直に通し、図5(B)に示すように六角ナット4で挿入治具(保持板)9を固定する。各挿入治具(保持板)9は等間隔10mmでロッド2に固定し、かつ、それぞれの挿入治具(保持板)9を円形下側平板状基板8の挿入孔10に嵌入させて円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8とで構成されるカーボン製の円形母材基板1を固定保持した。
尚、各円形下側平板状基板8の挿入孔10に対する上記挿入治具(保持板)9の挿入深さは20mmとし、かつ、ロッド2に10組の円形母材基板(円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8を一体化させて成る円形母材基板)1を固定して熱CVDによる多結晶炭化珪素の成膜試験を行った。
成膜試験の結果、最下段に配置された2組の挿入治具(保持板)9が破損し脱落したため、これ等挿入治具(保持板)9で保持された2組の円形母材基板1に成膜された4枚の多結晶炭化珪素基板が不良となり、また、他2組の円形母材基板1が成膜中に接触して固着し、当該2組の円形母材基板1に成膜された4枚の多結晶炭化珪素基板も不良となった。尚、残り6組の円形母材基板1については、各挿入治具(保持板)9を切断し、多結晶炭化珪素基板を欠損させることなく6組の円形母材基板1を取り外すことができた。
そして、取り外された6組の円形母材基板1について端面加工を実施し、一体化された円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8を分離した上で、設定温度800℃の電気炉により円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8の焼成を行い、12時間で各母材基板が消失することを確認できた。
結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の結果から、表裏面に多結晶炭化珪素が成膜された円形母材基板(一体化された円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8から成る)1の重量に対する挿入治具(保持板)9の強度(剛性)が不足していることが判明したため、円形下側平板状基板8の外周端面に設ける挿入孔10の孔サイズと上記挿入孔10に嵌入され挿入治具(保持板)9のサイズを以下のように変更した。
すなわち、上記挿入孔10の孔サイズを、横寸法が15.0mm、縦寸法が3.0mm(実施例1における挿入孔の縦寸法は1.5mm)、深さが35mmとし、また、上記挿入孔10に嵌入される挿入治具(保持板)9のサイズを、横寸法が14.8mm、縦寸法が2.8mm(実施例1における保持板の縦寸法は1.3mm)、長さ寸法が40.0mmとし、各円形下側平板状基板8の挿入孔10に対する上記挿入治具(保持板)9の挿入深さは30mmとし、かつ、ロッド2に10組の円形母材基板(円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8を一体化させて成る円形母材基板)1を固定して、実施例1と同様、熱CVDによる多結晶炭化珪素の成膜試験を行った。
成膜試験の結果、全ての円形母材基板(円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8を一体化させて成る円形母材基板)1について脱落や接触は確認されなかった。また、全ての円形母材基板1について、各挿入治具(保持板)9を切断し、多結晶炭化珪素基板を欠損させることなく全ての円形母材基板1を取り外すことができた。
そして、取り外された全ての円形母材基板1について端面加工を実施し、一体化された円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8を分離した上で、設定温度800℃の電気炉により円形上側平板状基板7と円形下側平板状基板8の焼成を行い、12時間で各母材基板が消失することを確認できた。
結果を表1に示す。
[比較例1]
従前のカーボン製円形母材基板(厚み方向へ2分割されない単一の平板状被成膜基板)を適用し、かつ、母材基板の一部をスペーサで挟持する保持手段を採用して熱CVDによる多結晶炭化珪素の成膜試験を行った。
尚、実施例1〜2と同様、全ての部品材質はカーボンを用い、上記円形母材基板のサイズは4インチ、厚み1.0mmとした。
また、母材基板の一部をスペーサで挟持する図1に示す保持手段については、三角ネジ加工が施された実施例と同一のロッド2(L25mm×M6)と、スペーサ3(縦横のサイズが20.0mm×15.0mm、厚みが3.0mm)、および、スペーサ3を固定する実施例と同一の六角ナット4で構成し、上記ロッド2に等間隔10mmで10枚の円形母材基板1を固定し、熱CVDによる多結晶炭化珪素の成膜試験を行った。
成膜試験の結果、比較例1では母材基板の一部をスペーサで挟持する保持手段が採られているため全ての円形母材基板1に図4に示した基板欠損部6が存在し、かつ、10枚中、1枚の円形母材基板1に割れが生じ、当該円形母材基板1に成膜された2枚の多結晶炭化珪素基板が不良となった。
そして、取り外された9枚の円形母材基板1について端面加工を行い、かつ、設定温度800℃の電気炉により上記円形母材基板1の焼成を行い、110時間で各母材基板が消失することを確認できた。
結果を表1に示す。
Figure 2020090423
[確 認]
(1)実施例1〜2においては、厚み方向へ分離される一体化された上側平板状基板7と下側平板状基板8とで構成される円形母材基板1が適用されていることから、当該円形母材基板1の端面を端面加工により露出させた後、上側平板状基板7と下側平板状基板8を分離させ、上側平板状基板7と下側平板状基板8の嵌合面が露出した状態で両基板(すなわち、上側平板状基板7と下側平板状基板8)を電気炉で除去(消失)するため、円形母材基板1における除去(消失)時間の短縮(比較例1の焼成時間が110時間であるのに対し、実施例1〜2の焼成時間は12時間)が図れることが確認される。
(2)比較例1においては、円形母材基板1の一部がスペーサ4で挟持される保持手段(図1参照)を採用しているため、成膜後の円形母材基板1に必然的に基板欠損部6(図4参照)が形成される(基板欠損率が100%)ことから、その分、多結晶炭化珪素膜の有効利用を図れなくなる欠点が確認される。
(3)他方、実施例1〜2においては、下側平板状基板8の挿入孔10とロッド2に固定された挿入治具(保持板)9から成る保持手段を採用していることから、上記基板欠損部6が形成されない(基板欠損率が0%)ため、円形母材基板1の表裏面に成膜された多結晶炭化珪素膜の有効利用が図れる利点を有することが確認される。
本発明に係る多結晶炭化珪素基板の製造方法によれば、製造時間の短縮と製造の簡便化が図れるため、単結晶炭化珪素が貼り合わされて炭化珪素半導体に使用される多結晶炭化珪素基板の製造法として利用される産業上の利用可能性を有している。
1 平板状被成膜基板(母材基板)
2 ロッド
3 スペーサ
4 六角ナット
5 多結晶炭化珪素
6 基板欠損部
7 上側平板状基板
8 下側平板状基板
9 挿入治具(保持板)
10 挿入孔
70 凸形状の嵌入部
80 凹形状の嵌合部

Claims (5)

  1. 保持手段で固定された平板状被成膜基板の表裏面と外周端面に気相成膜法により多結晶炭化珪素膜を形成する成膜工程と、
    上記保持手段から分離された平板状被成膜基板の外周端面に形成された多結晶炭化珪素膜を除去して平板状被成膜基板の外周端面を露出させる端面露出工程と、
    外周端面が露出した平板状被成膜基板を除去して該平板状被成膜基板の表裏面に形成された多結晶炭化珪素膜から成る2枚の多結晶炭化珪素基板を得る除去工程、
    を具備する多結晶炭化珪素基板の製造方法において、
    上記平板状被成膜基板を、分離可能に一体化された上側平板状基板と下側平板状基板とで構成し、上記端面露出工程後に、上側平板状基板と下側平板状基板を分離させて両基板を除去することを特徴とする多結晶炭化珪素基板の製造方法。
  2. 上側平板状基板と下側平板状基板を分離させた後、燃焼法により両基板を除去して2枚の多結晶炭化珪素基板を得ることを特徴とする請求項1に記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法。
  3. 上側平板状基板と下側平板状基板を分離させた後、平面研削により両基板を除去して2枚の多結晶炭化珪素基板を得ることを特徴とする請求項1に記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法。
  4. 平板状被成膜基板が固定される上記保持手段を、下側平板状基板の外周端面に形成された挿入孔と、該挿入孔に嵌入されて下側平板状基板を固定保持する挿入治具とで構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多結晶炭化珪素基板の製造方法に用いられる平板状被成膜基板において、
    凸形状の嵌入部を有する上側平板状基板と該嵌入部が嵌め込まれる凹形状の嵌合部を有する下側平板状基板とで構成され、かつ、上記下側平板状基板の外周端面に断面矩形状の挿入孔が設けられていることを特徴とする平板状被成膜基板。
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