JP7347071B2 - 基板固定装置および基板固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板固定装置および基板固定方法に関する。
多結晶膜の材料として用いられる炭化珪素は、珪素と炭素で構成される化合物半導体材料である。炭化珪素は、絶縁破壊電界強度が珪素の10倍であり、バンドギャップが珪素の3倍と優れているだけでなく、デバイスの作製に必要なp型、n型の制御が広い範囲で可能であることなどから、珪素の限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されている。
また、炭化珪素は、より薄い厚さでも高い耐電圧が得られるため、薄く構成することにより、ON抵抗が小さく、低損失の半導体が得られることが特徴である。
しかしながら、炭化珪素半導体は、広く普及するSi半導体と比較し、大面積のウェハが得られず、製造工程も複雑であることから、Si半導体と比較して大量生産ができず、高価であった。
そこで、炭化珪素半導体のコストを下げるため、様々な工夫が行われてきた。例えば、特許文献1には、炭化珪素基板の製造方法が開示されており、その特徴として、少なくとも、マイクロパイプの密度が30個/cm2以下の単結晶炭化珪素基板と多結晶炭化珪素基板とを貼り合わせる工程を行い、その後、単結晶炭化珪素基板を薄膜化する工程を行うことで、多結晶炭化珪素基板上に単結晶炭化珪素層を形成した基板を製造することが記載されている。
更に、特許文献1には、単結晶炭化珪素基板と多結晶炭化珪素基板とを貼り合わせる工程の前に、単結晶炭化珪素基板に水素イオン注入を行って水素イオン注入層を形成する工程を行い、単結晶炭化珪素基板と多結晶炭化珪素基板とを貼り合わせる工程の後、単結晶炭化珪素基板を薄膜化する工程の前に、350℃以下の温度で熱処理を行い、単結晶炭化珪素基板を薄膜化する工程を、水素イオン注入層にて機械的に剥離する工程とする炭化珪素基板の製造方法が記載されている。
このような方法により、1つの炭化珪素の単結晶のインゴットから、より多くの炭化珪素ウェハが得られるようになった。
特開2009-117533号公報
多結晶炭化珪素基板をCVD(Chemical Vapor Deposition)法で作製する際、熱CVD法で作製することが一般的である。この際、炉内を1300℃以上の熱環境として、ここにSiH4等のSi系原材料ガス、CH4等のC系原材料ガスと、ドーパントガスである窒素ガス、キャリアガスである水素ガス等を導入し、熱反応により、多結晶炭化珪素を母材基板のおもて面とうら面の両面上に析出させる。
バッチ式CVD装置では、1回の成膜において数十枚から数百枚の母材基板を炉内に配置し、多結晶炭化珪素の成膜を行う。しかしながら、母材基板を配置するにあたり、カーボン製の把持治具を用いて1枚ずつ締め付け固定により配置するため、母材基板の配置に時間が掛かり、成膜工程のボトルネックとなっている。
ところで、多結晶炭化珪素基板は、半導体である単結晶炭化珪素を貼り合せて使用されるものであるため、金属汚染がないことが要求されている。上記の理由から、金属汚染を生じない材料で、熱CVDで成膜する際の1300℃以上の高温の環境に耐えうる材料として、母材基板を保持する材料は、高純度カーボン材料等が使用されている。
しかしながら、カーボン材料は、高温に耐えうるものの、機械的強度は弱く、ばね性を有することが難しいため、成膜対象となる母材基板をカーボン材料で固定する際は、カーボン材料のナット等の治具で母材基板を挟み込み固定するか、爪状の載置部等に乗せる等の方法が取られている。しかし、母材基板は厚みが薄いものを使用して成膜する場合があり、母材基板を配置する際に、ハンドリングミスにより母材基板を破損させるリスクがあった。
上記の問題点に鑑み、本発明では、固定対象となる基板の固定作業時間の短縮と、固定作業におけるハンドリングミスによる基板の破損を抑制することができる、基板固定装置および基板固定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、母材基板の配置時間の短縮と、母材基板配置時のハンドリングミスによる破損を抑制する方法について鋭意研究を重ねた。その結果、ロッドに母材基板を固着する方法を採用し、配置する母材基板の枚数に合わせて、両端がネジ切り加工されているロッドを中通し可能なスペーサーを複数個用い、ロッドを中通ししたスペーサーの間に基板を挟んで、ロッドの両端をナットで嵌合して基板とスペーサーを締め付ける作業によって、全ての母材基板を一度に固定することにより、該母材基板の配置時間を大幅に短縮できることを確認した。また、母材基板を固定する際に専用台座を用いることにより、母材基板の取り扱いがシンプルになり、母材基板の破損リスクを大幅に低減できることを確認した。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明の基板固定装置は、2つのナットと、円柱状または角柱状のロッドと、前記ロッドを中通しする開口部を有する複数のスペーサーと、前記スペーサーを保持する台座と、を備え、前記ロッドは、前記ナットが有する雌ネジのネジ山と対応するネジ山を有する雄ネジ部を、当該ロッドの両端に有する半ネジ状である。
前記台座は前記スペーサーを保持する保持溝を備えてもよい。
前記スペーサーは、前記開口部の開口方向と平行な第1面に、当該開口方向と平行に突出する凸部を備え、前記第1面とは反対の面であって、前記開口部の開口方向と平行な第2面に、前記凸部の形状と対応する形状であって、当該開口方向と平行に埋没する凹部を備え、複数の前記スペーサーはいずれも同一形状であってもよい。
基板の厚み部と接触して当該基板を保持する基板保持部材をさらに備えてもよい。
前記台座は、基板の厚み部と接触して当該基板を保持する基板保持部を備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の基板固定方法は、本発明の基板固定装置を用いる基板固定方法であって、前記ロッドの第1端部にある第1雄ネジ部に第1ナットを嵌合する第1嵌合工程と、複数の前記スペーサーの開口部に前記ロッドを中通しする中通し工程と、前記ロッドが中通しされた前記スペーサーを前記台座に保持する保持工程と、前記ロッドが中通しされた複数の前記スペーサーの間に基板の一部を挟持する基板挟持工程と、前記ロッドの前記第2端部にある第2雄ネジ部に第2ナットを嵌合する第2嵌合工程と、前記第2嵌合工程後、前記第1ナットまたは前記第2ナットを螺合し、前記基板を前記ロッドに固着する基板固着工程と、を含む。
本発明の基板固定装置および基板固定方法によれば、固定対象となる基板の固定作業時間を大幅に短縮でき、固定作業におけるハンドリングミス等による基板の破損を抑制することができる。
本発明の基板固定装置100の概略斜視図である。 ロッド20の一例の概略側面図である。 スペーサー30の一例の概略斜視図である。 基板保持部材60の概略図である。 基板固定方法の各工程を説明する概略図である。 基板固定後の基板固定装置100の概略斜視図である。 台座40より分離した後の固定された基板の側面図である。 従来例1の基板固定方法による基板の固定態様を示す概略図である。
以下、本発明の基板固定装置および基板固定方法の一実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
[基板固定装置100]
図1に示す本発明の基板固定装置100は、以下に説明するナット10と、ロッド20と、複数のスペーサー30と、台座40とを備える。
(固定対象基板)
基板固定装置100で固定する対象となる基板1としては、例えば、多結晶炭化珪素基板をCVD法で成膜して製造する際に、成膜対象となる母材基板であるウェハ状の黒鉛製支持基板が挙げられる。ただし、基板1は黒鉛製支持基板に限定されず、これと同様の用途に用いられる母材基板である珪素製支持基板が挙げられる。また、一度に複数枚を同時にバッチ処理するため等の理由により、複数枚を固定する必要がある基板等であれば、特に限定されず、SiC、サファイア、リン化ガリウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム等の各種基板が固定対象となる。
また、基板1の形状としては、直径4~8インチの薄型円盤状のいわゆるウェハ状のものが挙げられる。ただし、形状はこれに限定されず、種々の形状や大きさの基板1が固定対象となり得る。
〈ナット10〉
ナット10としては、同一形状のナット10を2つ用いることができるが、異なる形状のナット10を2つ用いてもよい。詳細は後述するが、ロッド20と組み合わせて複数の基板1を固定するために用いる。ナット10の形状は一般的なものであり、六角柱状で中央に開口部を有し、開口部の内壁がネジ切り加工された雌ネジとなっている六角ナットを例示することができる。ネジ切り加工としては、三角ネジ加工でもよく、他の形状の加工でもよい。また、六角ナットの他、四角ナット、袋ナット、蝶ナット、ゆるみ止めナット等、基板1の固定に適した形状のナットを用いることができる。
〈ロッド20〉
ロッド20としては、円柱状または、三角柱、四角柱等の角柱状の形状を基本とし、ナット10が有する雌ネジのネジ山と対応するネジ山を有する雄ネジ部を、当該ロッドの両端に有する半ネジ状のものを用いることができる。
ロッド20の一例として、円柱状のロッド20の側面図を図2に示す。図2では、ロッド20の第1端部21と第2端部22の両端にネジ切り加工がされた雄ネジ部23を有しており、第1端部21に第1雄ネジ部23aを有し、第2端部22に第2雄ネジ部23bを有する。ネジ切り加工としては、三角ネジ加工でもよく、他の形状の加工でもよい。スペーサー30に中通しする中央部24は、ネジ切り加工がされておらず、断面形状は円状で寸法に変化がない。なお、コストの点で不利となるが、中央部24全体にわたってネジ切り加工されていてもよく、中央部24の断面形状が変化してもよい。
ロッド20の長手方向における第1雄ネジ部23aの幅w1および第2雄ネジ部23bの幅w2は、基板1を固定することができればよく、任意の幅に設定することができる。第1雄ネジ部23aと第2雄ネジ部23bとは、同一形状であっても異なる形状であってもよく、第1端部21と第2端部22の外観は同一であっても異なってもよい。また、ロッド20の長手方向における中央部24の幅w3も、任意の幅に設定することができる。
〈スペーサー30〉
スペーサー30としては、ロッド20を中通しする開口部を有するものを用いることができ、スペーサー30は複数使用する。固定された複数の基板1が相互に接触しないよう、複数のスペーサー30の間に基板1を挟持する。
図3に、スペーサー30の一例の斜視図を示す。図3(a)は、スペーサー30の各部分に符号を付したものであり、図3(b)は、スペーサー30の各部分の寸法を示したものである。図3のスペーサー30は、直方体状のスペーサー本体31を基本とし、ロッド20を中通しする開口部32を有する。開口部32の形状は、ロッド20が中通し出来れば特に限定されないが、例えばロッド20の断面形状と対応して断面が円状や多角形状であり、若干の隙間ができるように、ロッド20の断面形状よりもやや大きい断面形状であれば、基板1の固定作業が容易となりやすい。
図3のスペーサー30は、直方体状のスペーサー本体31において、開口部32の開口方向dと平行な第1面31aに、開口方向dと平行に突出する凸部33を備えることができる。また、直方体状のスペーサー本体31において、第1面31aとは反対の面であって、開口部32の開口方向dと平行な第2面31bに、凸部33の形状と対応する形状であって、開口方向dと平行に埋没する凹部34を備えることができる。
なお、図3では、スペーサー本体31の形状は直方体状であるが、この形状に限定されない。たとえば、円柱状や多角柱状等、スペーサーの役割を果たすために適した形状に設定することができる。
そして、図3では、凸部33は開口部32を含む直方体状であるが、これに限定されない、例えば開口部32とは別に第1面31aに凸部を設けることも可能であり、凸部の形状は円錐状、円柱状、多角柱状等の任意の形状にすることができる。
また、凹部34についても、図3では開口部32を含む直方体状であるが、これに限定されない。ただし、あるスペーサーの凸部が、これとは別のスペーサーの凹部に挿入できるよう、凸部の形状と対応する形状であることが凹部の条件となる。なお、凸部よりも凹部の方が0.1~0.5mm程度の隙間ができるような若干大きい寸法である方が、凹部へ凸部を挿入しやすくなる。
なお、複数のスペーサー30を連結して位置ずれを防止できる観点から、凸部33や凹部34は設けられていることが好ましいが、必須の構成ではない。また、ロッド20の中通しや基板1の挟持が容易となるため、複数のスペーサー30はいずれも同一形状であることが好ましいが、必須ではない。
〈台座40〉
台座40は、スペーサー30を保持するためのものであり、基板1の固定作業が容易となるように作業台としての役割を果たす。台座40は、必須ではないが、スペーサー30を保持する保持溝41を備えることができる。保持溝41があることで、基板1を固定する作業中におけるスペーサー30の位置ずれを制御することができる。
保持溝41は、基板1の固定作業中においてロッド20をスペーサー30に中通しする方向と平行な方向に、複数のスペーサー30を一直線上に保持できるようにレール状に形成されていることが好ましい。また、保持溝41の断面形状は、スペーサー30の側面35の形状に応じて任意の形状とすることができる。例えば、スペーサー30の側面に角がある場合には、この角を保持溝41に合わせて保持することができるよう、保持溝41はテーパー形状の断面であることが好ましく、また、スペーサー30が円柱状であり、側面が丸みのある曲面である場合には、保持溝41の断面形状もこれに対応する曲面であることが好ましい。
台座40は、基板1の厚み部1aと接触して基板1を保持する基板保持部50を備えてもよい。複数の基板1を複数のロッド20を用いて固定する場合には、必ずしも必要ではないが、ロッドとしては1本のロッド20のみを用いて複数の基板1を固定する場合には、基板1をスペーサー30の間に挟持させる際に基板1が動かないように保持できるため、挟持作業が容易となる。例えば、図1では、基板保持部50は基板1の厚み部1aと接触して基板1を保持する突き当て板51と、台座40の台座本体42より伸びて突き当て板51を支持する突き当て板支持棒52を備える。なお、基板保持部50の形状はこれに限定されず、任意の形状とすることができる。また、基板1をより確実に保持することができるよう、突き当て板51には基板1を縦に挿入可能な溝が形成されていてもよい。
(基板保持部材)
また、台座40と一体型の基板保持部50で基板1を保持する態様の他、台座40とは別に、例えば図4に示すように基板1の厚み部1aと接触して基板1を保持する基板保持部材60を備えることができる。図4(a)に基板保持部材60の正面図を示す。基板保持部材60は直方体状であり、基板1を縦に挿入可能な溝61が複数設けられている。図4(b)に台座40と基板保持部材60の側面図を示す。溝61に基板1を挿入することにより、基板1を保持することができる。なお、図4の基板保持部材60の形状は一例であり、基板1の厚み部1aと接触して基板1を保持することが出来れば、任意の形状のものを使用することができる。
(その他の構成)
本発明の基板固定装置100は、上記の構成の他、更なる構成を備えてもよい。例えば、台座40を、基板1を固定する作業を行う作業机に固定するためのボルトやボルト挿入口等の固定部材等、基板1の固定のために有効な構成を備えることができる。
(基板固定装置100の素材)
基板固定装置100の素材は、特に限定されない。例えば、黒鉛製支持基板を母材基板とし、多結晶炭化珪素膜をCVD法で母材基板に成膜して製造する場合には、基板固定装置100としては母材基板と同様に黒鉛製のものを使用することができる。具体的には、ナット10、ロッド20、スペーサー30は黒鉛製支持基板と同時に成膜するため、黒鉛製であることが好適であり、その他にはアルミナやジルコニア等の酸化物セラミックスや、SiCセラミックス等を用いることができる。一方、台座40や基板保持部50は成膜しないため、黒鉛製でなくてもよく、黒鉛製支持基板等が汚染されなければ、SUS等の金属製のものやアクリル等の樹脂製のものを用いることができる。また、固定対象となる基板の処理内容に応じて、基板の固定操作が容易となるような素材のものを用いることができる。
[基板固定方法]
次に、本発明の基板固定方法の一実施形態として、基板固定装置100を用いる基板固定方法について、図5に示す基板固定方法の各工程を説明する概略図を用いつつ、説明する。基板固定方法としては、以下に説明する第1嵌合工程と、中通し工程と、保持工程と、基板挟持工程と、第2嵌合工程と、基板固着工程と、を含む。
〈第1嵌合工程〉
第1嵌合工程は、ロッド20の第1端部21にある第1雄ネジ部23aに2つのナット10のうちの1つ(第1ナット)を嵌合する工程である(図5(a))。この工程は、ロッド20を中通ししたスペーサー30が、ロッド20の第1端部21から抜けてしまわないように行う工程である。
〈中通し工程〉
中通し工程は、複数のスペーサー30の開口部32にロッド20を中通しする工程である(図5(b))。後述する基板挟持工程により、基板1をスペーサー30の間に挟持することから、複数のスペーサー30にロッド20を中通しすることとなる。例えば、1つの基板1のみを固定する場合には、2つのスペーサー30に1本のロッド20を中通しし、2つの基板1を固定する場合には、3つのスペーサー30に1本のロッド20を中通しし、n個(nは自然数)の基板1を固定する場合には、n+1個のスペーサー30に1本のロッド20を順次中通しすればよい。
なお、第1嵌合工程と中通し工程の順番は特に限定されず、いずれの工程を先に行ってもよい。例えば、第1嵌合工程後、ロッド20の第1端部21とは反対の端部である第2端部22から、複数のスペーサー30の開口部32にロッド20を順次中通ししてもよく、また、ロッド20の第1端部21や第2端部22から複数のスペーサー30の開口部32にロッド20を順次中通しした後に、第1嵌合工程によってナット10を嵌合してもよい。さらに、中通し工程の途中で、第1嵌合工程によってナット10を嵌合してもよい。
〈保持工程〉
保持工程は、ロッド20が中通しされたスペーサー30を台座40に保持する工程である(図5(c))。スペーサー30を台座40に保持することで、後述する基板挟持工程において、基板1の挟持が容易となる。特に、スペーサー30を保持することのできる保持溝41が台座40にあれば、スペーサー30の位置ずれをより確実に制御できる。スペーサー30の開口部32の開口方向dと、台座40へのスペーサー30の載置していく方法とが平行となるように、スペーサー30を台座40に保持することが好ましい。
なお、後述する基板挟持工程において基板1の挟持が容易となるように、スペーサー30同士の隙間cは、挟持する基板1の厚みと一致させておくことが好ましい。このような隙間cの制御は、台座40の上で行うことにより、より容易となる。
〈基板挟持工程〉
基板挟持工程は、ロッド20が中通しされた複数のスペーサー30の間に、基板1の一部を挟持する工程である(図5(d))。挟持する基板1の枚数は、1枚でもよく、一度にバッチ処理する基板の枚数を考慮して、適切な枚数を挟持することができる。また、基板1を挟持する際に、突き当て板51に基板1の厚み部1aを接地させることにより、基板1を突き当て板51とスペーサー30との2点で保持することができ、基板1をいわゆる縦置きの状態に保持することができる。なお、基板1の挟持を手作業で行う場合は、挟持済みの基板1と操作者の手や腕が接触等することで、挟持済みの基板1が破損してしまうことを防ぐため、操作者の利き手とは反対の手から利き手の方向へ複数の基板1を順に挟持していくことが好ましい。
〈第2嵌合工程〉
第2嵌合工程は、ロッド20の第2端部22にある第2雄ネジ部23bに第2ナット10を嵌合する工程である(図5(e))。この工程は、ロッド20を中通ししたスペーサー30が、ロッド20の第2端部22から抜けてしまわないように行う工程である。
なお、第2嵌合工程は、中通し工程後であって後述する基板固着工程前に行う工程であり、例えば、保持工程前や、保持工程と基板挟持工程との間、基板挟持工程後のいずれかの段階において行うことができる。
〈基板固着工程〉
基板固着工程は、第2嵌合工程後、第1ナット10または第2ナット10を螺合し、基板1をロッド20に固着する工程である。この工程により、2つのナット10に挟まれたスペーサー30と基板1が、螺合により締め付けられて、スペーサー30と基板1との間の隙間や緩みが無くなることで、基板1を固着することができる。
ナット10の螺合は、基板1の固着ができるのであれば、2つのナット10のうちの一方のみを螺合してもよく、両方を螺合してもよい。また、基板1はロッド20に固着する態様であれば、スペーサー30とロッド20に直接接触するように固着してもよく、ロッド20へは接触せずにスペーサー30に接触するように固着してもよい。
(その他の工程)
本発明の基板固定方法は、上記の工程の他、更なる工程を含んでもよい。例えば、ナット10が緩まないようにワッシャーをナット10とスペーサー30との間に挟む工程等を含むことができる。また、例えば、基板1として黒鉛支持基板を使用し、黒鉛支持基板に多結晶炭化珪素膜をCVD法で成膜する場合には、成膜後の基板1とスペーサー30やロッド20との取り外しが容易となるように、基板1とスペーサー30との間にカーボンシートを挿入する工程を含んでもよい。
以上の工程により、1回の螺合操作によって複数の基板1を同時に固定することができ、基板固定後の基板固定装置100は、例えば図6に示すような状態となる。
本発明の基板固定方法を実施した後は、例えば図7に示すように固定された複数の基板1を台座40より分離し、ナット10、ロッド20、スペーサー30ごと基板1を処理することができる。例えば、基板1として黒鉛支持基板を使用し、黒鉛支持基板に多結晶炭化珪素膜をCVD法で成膜する場合には、固定された複数の基板1をナット10、ロッド20、スペーサー30ごと成膜室へ設置し、炭化珪素膜を成膜することができる。
以下、本発明の具体的な実施方法を示すため、実施例1および比較例1を示す。ただし、本発明はこれらの実施形態によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(固定対象基板)
固定対象となる基板1は、CVD法によって多結晶炭化珪素を成膜する対象となる黒鉛製支持基板とした。黒鉛製支持基板の寸法は、直径4インチで厚みは1mmとした。
また、基板固定装置を構成する部材の材質は全て黒鉛製とした。基板1の面間隔は全て10mmとなるように、図3(b)に示す寸法のスペーサー30を使用した。
(基板1の固定)
上記で説明した第1嵌合工程、中通し工程、保持工程、基板挟持工程、第2嵌合工程および基板固着工程を実施した。具体的には、台座40に14個のスペーサー30を、スペーサー30の間に1mmの隙間ができるように並べて、ロッド20を中通しし、ロッド20の両端を2つのナット10で嵌合した後、13枚の基板1をスペーサー30の間に1枚ずつ挟持し、その後2つのナットを螺合して、1本のロッド20あたり13枚の基板1を固定し、3本のロッド20へ合計39枚の基板1を固定した。基板1の固定操作において、基板1を破壊や損傷させることなく、全ての基板1を問題なく固定することができた。
(多結晶炭化珪素膜の成膜)
基板1の固定後、ロッド20の両端を持ち上げて台座40から取り外して、成膜装置の成膜室内にロッド20ごと13枚の基板1を設置し、CVD法により基板1に多結晶炭化珪素を膜厚が1.0mmとなるように成膜処理を実施した。
成膜処理後、成膜室内の基板1を確認したところ、ロッド20から脱落した基板1はなく、全ての基板1に問題なく多結晶炭化珪素膜が成膜しており、既存の成膜処理と同様に問題なく成膜できたことを確認した。
また、1本のロッド20へ13枚の基板1を固定するために要した時間は4.5分であり、3本のロッド20へ39枚の基板1を固定するために要した時間は13.5分であった。この結果より、基板1を固定するために要した時間は、基板1枚あたり0.3分と換算された。
[従来例1]
(固定対象基板)
実施例1と同様に、固定対象となる基板1は、CVD法によって多結晶炭化珪素を成膜する対象となる黒鉛製支持基板とした。黒鉛製支持基板の寸法は、直径4インチで厚みは1mmとした。
(基板1の固定)
図8に、従来例1の基板固定方法による基板の固定態様を示す概略図である。従来例1では、図8に示す固定態様により基板1を固定した。すなわち、外周前面にネジ切り加工がされている全ネジ状のロッド200に、ロッド200を中通し可能な開口部を有し、基板1を上下より挟持するための2つのスペーサー300(サイズ:20.0mm×15.0mm×3.0mm)を中通しし、スペーサー300の間に基板1を挟持した後、2つのスペーサー300の上下より2つの六角ナット400(規格寸法:M10)を螺合して基板1をロッド300に非接触の状態でスペーサー300に締結して固定した。これらの作業を繰り返し行い、1本のロッド200あたり13枚の基板1を固定し、3本のロッド200へ合計39枚の基板1を固定した。基板1の固定操作において、4枚の基板1を損傷させてしまった。なお、1本のロッド200あたりにおける基板1の面間隔は、全て10mmとなるように固定した。また、ロッド200、スペーサー300、六角ナット400の材質は全て黒鉛製とした。
(多結晶炭化珪素膜の成膜)
基板1の固定後、ロッド200の両端を持ち上げて、実施例1と同様に、成膜装置の成膜室内にロッド200ごと13枚の基板1を設置し、CVD法により基板1に多結晶炭化珪素を膜厚が1.0mmとなるように成膜処理を実施した。
成膜処理後、成膜室内の基板1を確認したところ、ロッド20から脱落した基板1はなく、全ての基板1に問題なく多結晶炭化珪素膜が成膜しており、既存の成膜処理と同様に問題なく成膜できたことを確認した。
また、1本のロッド200へ13枚の基板1を固定するために要した時間は25分であり、3本のロッド200へ39枚の基板1を固定するために要した時間は75分であった。この結果より、基板1を固定するために要した時間は、基板1枚あたり1.9分と換算された。
実施例1と従来例1を行った結果のまとめとして、基板1の固定に要した時間、固定作業による基板の破損率、成膜の収率について表1に示す。
Figure 0007347071000001
実施例1および従来例1共に、SiCの成膜に問題は無かったものの、実施例1は従来例1よりも基板の固定作業が速くなり、正確性も増す結果となった。
[まとめ]
以上のとおり、本発明の基板固定装置および基板固定方法であれば、固定対象となる基板の固定作業時間の短縮と、固定作業におけるハンドリングミスによる基板の破損を抑制することができることは、明らかである。
1 基板
1a 厚み部
10 ナット
20 ロッド
21 第1端部
22 第2端部
23 雄ネジ部
23a 第1雄ネジ部
23b 第2雄ネジ部
24 中央部
30 スペーサー
31 スペーサー本体
31a 第1面
31b 第2面
32 開口部
33 凸部
34 凹部
35 側面
40 台座
41 保持溝
42 台座本体
50 基板保持部
51 突き当て板
52 突き当て板支持棒
60 基板保持部材
61 溝
100 基板固定装置
200 ロッド
300 スペーサー
400 六角ナット
c 隙間
d 開口方向
w1 幅
w2 幅
w3 幅

Claims (6)

  1. 2つのナットと、
    円柱状または角柱状のロッドと、
    前記ロッドを中通しする開口部を有する複数のスペーサーと、
    前記スペーサーを保持する台座と、
    を備え、
    前記ロッドは、前記ナットが有する雌ネジのネジ山と対応するネジ山を有する雄ネジ部を、当該ロッドの両端に有する半ネジ状である、基板を複数の前記スペーサーの間に挟持して固定する基板固定装置。
  2. 前記台座は前記スペーサーを保持する保持溝を備える、請求項1に記載の基板固定装置。
  3. 前記スペーサーは、
    前記開口部の開口方向と平行な第1面に、当該開口方向と平行に突出する凸部を備え、
    前記第1面とは反対の面であって、前記開口部の開口方向と平行な第2面に、前記凸部の形状と対応する形状であって、当該開口方向と平行に埋没する凹部を備え、
    複数の前記スペーサーはいずれも同一形状である、請求項1または2に記載の基板固定装置。
  4. 基板の厚み部と接触して当該基板を保持する基板保持部材をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の基板固定装置。
  5. 前記台座は、基板の厚み部と接触して当該基板を保持する基板保持部を備える、請求項1~3のいずれかに記載の基板固定装置。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の基板固定装置を用いる基板固定方法であって、
    前記ロッドの第1端部にある第1雄ネジ部に第1ナットを嵌合する第1嵌合工程と、
    複数の前記スペーサーの開口部に前記ロッドを中通しする中通し工程と、
    前記ロッドが中通しされた前記スペーサーを前記台座に保持する保持工程と、
    前記ロッドが中通しされた複数の前記スペーサーの間に基板の一部を挟持する基板挟持工程と、
    前記ロッドの第2端部にある第2雄ネジ部に第2ナットを嵌合する第2嵌合工程と、
    前記第2嵌合工程後、前記第1ナットまたは前記第2ナットを螺合し、前記基板を前記ロッドに固着する基板固着工程と、を含む、基板固定方法。
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