JP2008311542A - SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法 - Google Patents

SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008311542A
JP2008311542A JP2007159644A JP2007159644A JP2008311542A JP 2008311542 A JP2008311542 A JP 2008311542A JP 2007159644 A JP2007159644 A JP 2007159644A JP 2007159644 A JP2007159644 A JP 2007159644A JP 2008311542 A JP2008311542 A JP 2008311542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sic
susceptor
epitaxial
epitaxial growth
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007159644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4858325B2 (ja
Inventor
Shunichi Nakamura
俊一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Device Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Device Technology Co Ltd filed Critical Fuji Electric Device Technology Co Ltd
Priority to JP2007159644A priority Critical patent/JP4858325B2/ja
Publication of JP2008311542A publication Critical patent/JP2008311542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4858325B2 publication Critical patent/JP4858325B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】エピタキシャル装置内のSiC粉塵がSiC基板上に落下するのを回避し、メモリ効果を抑制して多数回繰り返しエピタキシャル成長できるエピタキシャル成膜装置を提供する。
【解決手段】軸方向端部に反応ガス流入口と排出口とを有し減圧可能な耐熱円筒管1内に、軸方向に沿って所定の長さのサセプタ3が、断熱材2を介して配置され、該サセプタ3の内側に設けられる反応室4空間内にSiC結晶基板5を載置するための複数の平板状支持基板5が相互に平行に上下方向に間隔を置いて搬出搬入可能な形態で設置され、前記サセプタ3の位置に対向する前記円筒管1の外側に誘導加熱装置を備え、前記複数の平板状支持基板5のうち、より上側の支持基板11が前記サセプタ3または断熱材2の端面からガス流の上流側へ、より多くはみ出すように設置されているエピタキシャルSiC成膜装置とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、SiC半導体エピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法に関するものである。
半導体SiC基板を用いて高耐圧パワーデバイスを作製すると、オン抵抗を大幅に低減できる可能性がある。耐圧1〜1.2kV級のMOSFETによって、10mΩcm2を下回るようなオン抵抗が得られており、これは、同じ耐圧クラスのSi製IGBTに比較して、オン抵抗が小さい。炭化珪素を主材料とする高耐圧のMOSFETが今後1、2年のうちに各社から量産出荷される見込みである。今後、コスト低減と性能向上が進めば、インバーター部品としてシリコン製IGBTの大半を置き換える可能性も考えられる。
前述のように、SiC半導体基板を用いることでオン抵抗を大幅に低減できるのは、Si半導体に比べて、SiC半導体結晶が高い絶縁破壊電界を有するので、同じ耐圧を実現するために、ドリフト層を薄く、また、ドリフト層のドーピング量を高くすることができることにより、ドリフト層の抵抗をSi半導体に比べて2桁以上低減できるためである。
ところが、今のところ、SiC半導体基板においては、パワーデバイス作製に足る高品質の単結晶を、所定のドーピング密度を有するように制御性よく作製するバルク成長技術がまだ完成しておらず、その見通しも立っていない。これは、主として、SiC材料には液相が存在しないので、Siのような引き上げ法によってバルク作製することができないことと、SiC半導体基板においては大気の主成分である窒素がドナーとして作用するために、パワーデバイス作製用の低ドープ結晶を工業的に再現性よく作製するのが難しいことによる。このような事情から、今後当分の間、SiCパワーデバイス作製用のウエハ基板としては、高ドープ単結晶SiC基板上に低ドープ層をエピタキシャル成長により作製したSiCウエハ基板を用いることが不可欠である。
このようなSiCウエハ基板の作製に必要な、SiC結晶の実用的なエピタキシャル成長には、一般に、1300℃以上の高温が必要とされている。SiC結晶には多数のポリタイプ(結晶多形構造)が存在するが、特にパワーデバイス用に優れた物性を有する4H−SiCにあっては、エピタキシャル成長に1500〜1600℃の温度が多用される。
SiCウエハ基板においては、この温度域では、ドーパントの熱による再拡散は観測できないほど遅いので、SiC基板からドーパントがエピタキシャル成長層へ拡散する心配はない。エピタキシャル成長方法としては、化学気相堆積法(CVD)が一般的である。その際に用いられるガスとして、シラン系のSi源ガスと炭化水素系のC源ガスを原料ガスとして用いるのが一般的であり、キャリアガスとして水素が一般的に用いられる。
これらの危険性の高いガスを高温で扱うため、エピタキシャル成膜装置は、図16の要部横断面図(主軸に沿って切断する断面図)であるように、石英製の炉体(石英管)1の内部に、断熱材2を設け、その中にサセプタ3を設置する構造をとることが多い。断熱材2は、サセプタ3が前述のようにエピタキシャル成長の温度である1500℃〜1600℃の温度に晒されるので、外側の石英製の炉体(石英管)1が軟化変形しないように、サセプタ3との間に設けられる。このサセプタ3は、内部がくりぬいてあり、その内部を前記原料ガス、キャリアガスが通る。このガスが通る部分を、反応室(ガスチャネル)4という。図16においては、SiCエピタキシャル成長層をその上に形成するSiC基板5は、サセプタ3の上に直接置かれるが、より実用的には、図17の要部横断面図に示すように、適切な基板出し入れ治具6の上に置いたうえで、さらにサセプタ3の上に置かれる。図16および図17においては、ガスは左側から入り、右側に出る。川の流れにたとえて、ガスの入る側を上流側、出る側を下流側と呼ぶことが多い。代表的には、炉体(石英管)1は、縦断面が円形であって、横断面が長方形となる円筒形にされることが好ましい。この円筒形の炉体(石英管)の主軸が図16および図17の横断面図では水平方向となる。サセプタ3の加熱方法としては、誘導加熱法が主として用いられる。サセプタ3の材質は、前記誘導加熱を可能にするために、適切な導電率を有することが必要であり、なおかつ、前述のような高温においても安定な材質であることが必要である。このような要請から、主として、高純度黒鉛が基材として用いられる。ただし、高純度とはいっても、SiC基板中でアクセプタとなって汚染源となるアルミニウムやホウ素を完全に除去するのは極めて困難なため、表面に適切なコーティングが施されることが少なくない。ただし、コーティング材料として適切なものは少なく、高純度黒鉛からなる基材よりも、さらに不純物の少ない超高純度黒鉛や、多結晶SiCを用いるのが通例である。
前記エピタキシャル成膜装置では、SiCエピタキシャル成長中に、サセプタ3の内面ならびに基板出し入れ治具6の上で、SiC基板5が設置されていない部分には、量の多寡はともかく、多結晶SiCが堆積する。こうして堆積した多結晶SiCが、サセプタ3や基板出し入れ治具6に完全に固着すれば、あまり問題はないが、実際には、特にSiC基板を出し入れする際に、前回のエピタキシャル成長の際に形成され、堆積した多結晶SiCの一部が剥離して粉塵となる。こうして生成されたSiC粉塵が、エピタキシャル成長前のSiC基板5の上に付着してしまうと、エピタキシャル成長を行った際に、表面欠陥を生じる。このような表面欠陥を内在させて作製した電子デバイスは、所定の性能を発揮できない不良品となるという問題がある。
従って、このような表面欠陥や剥離落下物が電子デバイス基板中に1つでも含まれると、そのデバイスは不良品となるので、一般に大電流を扱うために、大面積基板となる傾向が強いパワーデバイスほど、SiC粉塵による悪影響を受け易い。たとえば、エピタキシャル成長前のSiC基板5上のSiC粉塵密度をD、デバイス面積をAとすると、簡単なモデルによれば、これらに起因する不良を起こさない歩留まりは、式exp(−D×A)で表される。すなわち、前記SiC粉塵密度が大きいほど、また、デバイス面積が大きいほど、歩留まりは急激に低下するということが言える。
他方で、パワーデバイスにおいては、金属電極と半導体の間に、良好なオーム性接触を得ることが熱損失を小さくするために重要である。ところが、パワーSiCデバイスにあっては、特にp型半導体と金属との間に良好なオーム性接触を形成することが、生産効率の観点からは容易とは言えない。その理由は、たとえば、現在、p型SiCの表面に対してオーム性接触を形成するために、好ましくはSiCウエハを高温に加熱した上で、アルミニウムの高ドーズ量でのイオン注入を行うことが、一般的に行われているが、その生産効率が非常に悪いのである。もう少し、具体的に説明すると、前述のイオン注入法によって形成されるp型SiC層の表面で良好なオーム性接触を得るためには、1020cm-3台以上のアルミニウム密度、好ましくは1021cm-3台のアルミニウム密度となるように、高ドーズ量でイオン注入する必要がある。たとえば、表面から0.4μmの深さまで2×1021cm-3のアルミニウム密度となるようにイオン注入するためには、ドーズ量は8×1016cm-2にも達する。ところが、現在、一般に用いられるイオン注入装置では、その最大ビーム量を用いて、前述のような高ドーズ注入を行うと、1回あたり数十分の時間を要してしまうのである。その上、イオン注入装置は、半導体プロセス装置として比較的高価でありながら、本質的に枚葉処理しかできないという欠点を有している。従って、1回のイオン注入では通常1枚、工夫しても数枚しか処理できず、しかも、SiCパワーデバイス作製の場合のように、その1回のイオン注入に数十分から、必要によっては1時間以上もの時間を要していたのでは、生産効率が高いとはとても言えないのである。
ただし、実験室レベルでは、多くはトリメチルアルミニウムやトリエチルアルミニウムをドーピングガスとして、エピタキシャル成長中に同時ドーピングすることによりデバイスの作製効率を高めることも知られており、実際に行われているが、工業的には、前述のようなドーズ量の異なるドーピングを同時にする、いわゆる同時ドーピングは多数回繰り返すとメモリ効果を生じて、特に低ドーピングの制御が困難になる問題があって、実用化されていない。
さらに、SiCデバイスにおいては、アルミニウムや窒素その他などの既知のドナーおよびアクセプタは、1800℃未満の温度域では、事実上拡散を起こさないので、Si半導体基板等で行われているような熱拡散方法も実用的ではなく、困難である。
公知技術からの知見としては、カーボンからなるサセプタの、SiC基板と対向する面に耐エッチング性の高い炭素膜を成膜しておくことにより、SiC基板上にエピタキシャル膜を均一に、しかも安定して成膜することのできるCVD装置が知られている(特許文献1)。
内部がSiCエピタキシャル成長室となる角筒型の第二サセプタとその外側を覆う第一サセプタを備える縦型ホットウォールCVDエピタキシャル装置が公知である(特許文献2)。
SiCがコーティングされた中空のサセプタの中心に、(0001)面から小さい傾斜角度で傾斜させたSiC基板を載置して炭化珪素単結晶を成長させる製造方法において、傾斜角度0.5〜7.0度として、SiC結晶を成長させる製造方法の記載がある(特許文献3)。
特開2006−28625号公報 特開2005−109408号公報 特開2006−321696号公報
しかしながら、前述のように、SiC基板上に落下するSiC粉塵密度の低減は、同種のシリコン(Si)エピタキシャル成膜装置におけるSi粉塵密度の低減ほど簡単ではない。その理由は、SiC結晶は化学的に極めて安定であるので、シリコン(Si)のようにサセプタや治具を薬品に浸して洗浄する方法によっては、SiC結晶体だけを選択的に除去することができないからである。エピタキシャル成長前のSiC基板上にSiC粉塵の落下が発生してしまうのは、それよりも以前の製造ロットのエピタキシャル成長において、多結晶SiCがサセプタの内部、とりわけガス流の上流付近に堆積しているのを、適切に除去することが難しいからである。
サセプタ内部に堆積した多結晶SiCの除去方法としては、高温でのガスエッチングが有効であるが、反応室(ガスチャネル)のうち、サセプタ外部の近くでは、必然的に温度が低くなるため、エッチング速度が遅くなる。ところが、前述のように、多量に多結晶SiCが堆積するのは、温度の低いガス流の上流付近である。この部分の多結晶SiCを完全に除去しようとすると、同時にサセプタ内部の必要な部分のSiCコーティングもエッチングされ尽くしてしまうので、高温でのガスエッチング法によっては、サセプタの内部の、特にガス流の上流付近に堆積している多結晶SiCを除去することは困難である。
また、通常、工業的に用いられるエピタキシャル成膜装置では多数回繰り返しエピタキシャル成長が行なわれるので、SiC基板5の上に落下するSiC粉塵として前回のエピタキシャル成長で、サセプタ内部に付着した多結晶SiCが落下するSiCエピタキシャル成長前のSiC粉塵と、SiCエピタキシャル成長後のSiC粉塵とがある。エピタキシャル成長後のステップでSiC基板5の上に落下するSiC粉塵は、SiCエピタキシャル成長前のSiC粉塵ほど深刻ではないが、実際には問題となる。なぜなら、SiC結晶は化学的に極めて安定であるので、Si結晶のように表面に化学酸化膜を形成してこれを除去するような方法を用いることができないからである。結局、エピタキシャル成長前と後の両方共に、確実に付着した多結晶SiCを除去する方法が見つかっていない。この問題を解決することが第一の課題である。
さらに、前述の、SiCパワーデバイスにおける耐圧を確保するために必要な低ドープエピタキシャル層の形成と、金属電極と半導体の間の良好なオーム性接触を確保するために必要な高ドープエピタキシャル層の形成とを、高い生産効率で行うには、高価なイオン注入装置を多数用意すればよいが、その代替手段として、前述のように、エピタキシャル成長時に同時ドーピングすること、すなわち、前記低ドープエピタキシャル成長層を成膜したのと同じエピタキシャル成長工程で、前記高ドープエピタキシャル成長層を形成できるのであれば、プロセス時間を実質的に著しく増加させることなく、前記高ドープエピタキシャル成長層を得ることができ、好ましいのである。
この同時ドーピングについて、具体的に説明すると、SiCパワーデバイスにおいては、高耐圧を得るために、低ドープの厚膜エピタキシャル成長層が、もともと必須である。たとえば、耐圧1.2kVクラスであれば、1×1016cm-3程度のドーピングで、膜厚が10μm程度必要である。一方で、エピタキシャル成長によって形成したp型層で良好なオーム性接触を得るためには、ドーピング密度は1019cm-3台半ば以上が必要だとされている。膜厚はイオン注入の場合と同じく、たとえば0.4μm程度でよい。従って、もし、前記低ドープエピタキシャル成長層を成膜したのと同じエピタキシャル成長工程で、前記高ドープエピタキシャル成長層を形成できるのであれば、プロセス時間を実質的に著しく増加させることなく、しかも、高価なイオン注入装置を多数用意することなく、高い生産効率で前記高ドープエピタキシャル成長層を得ることができる。
しかし、実際には、工業的にこのようなエピタキシャル成長層を多数回繰り返して製造しようとすると、前述のように、低ドープ層のドーピングの制御性が著しく悪くなることが多い。これは、メモリ効果としてよく知られた現象である。このメモリ効果を抑制しなければ、低ドープ層と高ドープ層を両方有するようなエピタキシャル成長層を工業的な意味で効率性よく多数回繰り返して製造することはできない。従って、このメモリ効果の問題を解決することが第二の課題である。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、単結晶SiC基板上にSiC層をエピタキシャル成長する装置において、装置内で副次的に生じるSiC粉塵が、前記SiC基板上に落下するのを回避するエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法を提供することを本発明の第一の目的とする。さらに、異なるドーピング密度の層を、エピタキシャル成長時における同時ドーピングにより形成する際に、同時ドーピングにおけるメモリ効果を抑制して多数回繰り返しエピタキシャル成長できるエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法を提供することを本発明の第二の目的とする。
特許請求の範囲の請求項1記載の発明は、軸方向端部に反応ガス流入口と排出口とを有し減圧可能な耐熱円筒管内に、該円筒管の軸方向に沿って所定の長さのサセプタが、前記円筒管を高温による軟化から保護するための断熱材を介して配置され、該サセプタの内側に設けられる反応室空間内にSiC結晶基板を載置するための複数の平板状支持基板が相互に平行に上下方向に間隔を置いて搬出搬入可能な形態で設置され、前記サセプタの位置に対向する前記円筒管の外側に前記サセプタを誘導加熱するための誘導加熱装置を備え、前記複数の平板状支持基板のうち、より上側の支持基板が前記サセプタまたは断熱材の端面からガス流の上流側へ、より多くはみ出すように設置されているエピタキシャルSiC成膜装置を特徴とするものである。
特許請求の範囲の請求項2記載の発明は、前記耐熱円筒管が石英管である特許請求の範囲の請求項1記載のエピタキシャルSiC成膜装置を特徴とする。
特許請求の範囲の請求項3記載の発明は、前記平板状支持基板がSiC結晶を主要材料とする特許請求の範囲の請求項1または2記載のエピタキシャルSiC成膜装置を特徴とする。
特許請求の範囲の請求項4記載の発明は、前記サセプタ内側の反応室側壁に、前記円筒管の軸に平行な方向に形成される溝に前記平板状支持基板が搬出搬入可能に設置されている特許請求の範囲の請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を特徴とする。
特許請求の範囲の請求項5記載の発明は、前記サセプタ内側の反応室側壁に隣接して設けられるSiC結晶を主要基材とする側壁基材に、前記円筒管の軸に平行な方向に形成される溝に前記平板状支持基板が搬出搬入可能に設置されている特許請求の範囲の請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を特徴とする。
特許請求の範囲の請求項6記載の発明は、前記複数の平板状支持基板が3枚以上である特許請求の範囲の請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を特徴とする。
特許請求の範囲の請求項7記載の発明は、前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を用いて、エピタキシャル成長後、成膜装置から前記複数の平板状支持基板を取り出し、SiC基板を取り外した後、該平板状支持基板に付着したSiCをエッチング除去する工程を有するSiC半導体装置の製造方法を特徴とする。
特許請求の範囲の請求項8記載の発明は、前記特許請求の範囲の請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を用いて、前記複数の平板状支持基板を、エピタキシャル成長前には、空間的に上方の平板状支持基板から順に前記サセプタの反応室内に搬入し、エピタキシャル成長後には、空間的に下方の平板状支持基板から搬出するプロセスを含むエピタキシャル成長工程を有するSiC半導体装置の製造方法を特徴とする。
本発明によれば、単結晶SiC基板上にSiC層をエピタキシャル成長する装置において、装置内で副次的に生じるSiC粉塵が、前記SiC基板上に落下するのを回避し、さらに、異なるドーピング密度の層を、エピタキシャル成長時における同時ドーピング法によって形成する際に、同時ドーピングにおけるメモリ効果を抑制して多数回繰り返しエピタキシャル成長できるエピタキシャル成膜装置およびこの装置を用いるSiC半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明にかかるエピタキシャル成膜装置およびその装置を用いたSiC半導体装置の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例の記載に限定されるものではない。
図13はエピタキシャル成長層を有する半導体基板の層構成を示す断面図である。図14はSiC基板を用いたpnダイオードの要部断面図である。図15はSiC基板を用いたpnダイオードの電流電圧特性図である。図1〜図3および図8、図9は本発明にかかるSiCエピタキシャル成膜装置のそれぞれ異なる要部横断面図である。図4〜図7および図10、図11は本発明にかかるSiCエピタキシャル成膜装置のそれぞれ異なる要部縦断面図である。図12は本発明にかかるトレンチ型MOSFETの要部断面図である。
(SiC粉塵の抑制に関する実施例)
本発明は、第一に、SiC基板を載せる支持基板に堆積する多結晶SiCと、エピタキシャル成長で反応室(ガスチャネル)の天井部に堆積する多結晶SiCを、エピタキシャル成長プロセスの終了後に、毎回エッチングして除去することができれば、SiC粉塵の発生を大幅に抑制できることを見出したことに基づいてなされた。この点について、以下、具体的に説明する。
前記支持基板と反応室(ガスチャネル)の天井部とを、サセプタから取り外して個別にエッチングすることができる構造とし、なおかつ、この取り外し可能な平板状支持基板(以降、プレートと略記)を、サセプタ、断熱材その他原料ガスが反応するような高温になる箇所よりもガス流の上流側にまで延長することにより、粉塵の発生を大幅に抑制することができるようにしたものである。
本発明によれば、SiC粉塵の原因となるSiC多結晶は、大多数、前記プレートの上に堆積するから、当該プレートをエピタキシャル成長終了後に取り外すことにより、次回のエピタキシャル成長の際には、装置内にSiC多結晶がほとんどなく、SiC粉塵の発生を大幅に抑制することができる。なお、前記プレートだけであれば、個別にエッチングすることができるから、エピタキシャル成長済みSiC基板を取り出した後、粉塵が出なくなるようにエッチングしたうえで、エピタキシャル成長に再利用することができる。
プレートをエッチングするのは、当該エピタキシャル成膜装置内であってもよいが、他のエピタキシャル成膜装置であってもよい。他の装置でエッチングする場合には、多数のプレートを一度に処理できるような構造を選ぶことができ、その間に別のプレートを用いてエピタキシャル成膜装置でエピタキシャル成長を行うことができるから、エピタキシャル成長のスループットが向上する。
前記プレートをエッチングするためには、その材質が、SiC結晶を主成分とする(プレートごとエッチングされる)か、少なくとも多結晶SiCをエッチングする際のプロセスに耐えられるものであることが必要である。同時に、この材質は、SiC結晶のエピタキシャル成長時に不必要な不純物をもたらさないものでなくてはならない。現実には、このような材料は、極めて限られている。たとえば、高純度グラファイトは、多結晶SiCをエッチングする際のプロセスに耐えることができる場合もあるが、エピタキシャル成長の際にアルミニウム、ホウ素、チタン等の不純物をもたらすことがあるので好ましいとは言えない。このような観点から、前記プレートの材質としては、SiC結晶を主成分とするものが好ましい。
前記プレートの材質がSiC結晶を主成分とする場合、多結晶SiCのエッチングは、たとえば、1300〜1700℃程度において、80〜760Torr(1Torr=133.32Pa)の水素と塩化水素の混合ガス中で簡便に行うことができる。エピタキシャル成長において堆積した多結晶SiCをすべてエッチングする必要はない。SiC粉塵を生じるような、物理的に不安定な部分のみを除去すればよいのである。このような部分は、一般に、他の部分に比べて空洞となった部分が多く、それだけ表面積が大きいので、速くエッチングされる。したがって、基材のSiC結晶はそれほど多くエッチングしなくてもよい。エッチングの途中にも、このような不安定な部分が周りを完全にエッチングされたことによって、粉塵を生じる可能性があるので、エッチングの際には、プレートは縦(平面が概ね鉛直方向)にした方がよい。水素と塩化水素の混合ガスに代えて、三フッ化塩素のような強力な酸化性ガスを用いてエッチングすることもでき、この場合には1300℃以上といった高温は必要でない。
このようにして、一見、エピタキシャル成長前にはSiC粉塵がまったくない状態が得られるように思われる。しかし、実際には、次のような理由により、低減されたとはいえ、やはり粉塵を生じてしまう。問題は、前記プレートを、高温のサセプタ内に保持する方法にある。たとえば、サセプタの側壁に、軸に平行な方向の溝を切り、この溝に沿って前記プレートを出し入れする単純な方法が最も好ましい。
この方法では、サセプタの側壁が露出しているが、サセプタの幅がSiC基板の幅に比べて十分大きければ、側壁の影響は最小限にとどめられる。より確実な方法としては、たとえば、サセプタ側壁に隣接して、新たに前記プレートと同様にSiC結晶を主成分とする壁基材を設け、この壁機材に円筒軸に平行な溝を切って、この溝に沿って前記プレートを出し入れすることも好ましい。
ただし、後者の方法は、プレートと壁基材の間での熱分布によっては、SiC結晶が昇華して両者が接合されてしまう可能性があるので、注意を要する。この場合はSiC結晶と直接接合されない物質でコーティングするなどの工夫が必要である。
前述した方法のうち、特に前者の方法では、前記プレートを出し入れする際に、溝のところで、わずかながらSiC粉塵を生ずる。後者の場合は、壁基材もプレートと同様にエッチングして、全体を組み上げた後でサセプタに搬入すれば、SiC粉塵はさらに低減されそうに見えるが、組み上がった壁基材とプレートをサセプタに搬入するのは、機械的に、簡単ではない。壁基材の溝へのプレートの嵌め合わせ量が少なければ、全体がぐらつくし、逆に嵌め合わせ量が多すぎると、取り出すときに壁基材とプレートとの接触部分から再びSiC粉塵を生じるためである。以上の観点から、前記プレートの搬入時には、空間的に上方に存在すべきものから順に搬入するとよい。こうすれば、たとえプレートの搬入時にSiC粉塵を生じても、粉塵の落下した先にはまだエピタキシャル成長すべきSiC基板が設置されていないので、SiC基板上に粉塵が落下する心配はない。前記壁基材を用いている場合は、前記壁基材は前記プレートに先立って設置しておくことが好ましい。
前記プレートを取り出すときにも、エピタキシャル成長したSiC基板上にSiC粉塵が落下する心配がある。これを回避するためには、前記プレートは、取り出し時には、空間的に下方に存在するものから順に取り出せばよい。
前記プレートのうち、ガス流の上流側には、特に多量の多結晶SiCが堆積する。この部分は、特に多量のSiC粉塵を生じるので、前記プレートを取り出す際に、より上方にあるプレートからSiC粉塵が落下してくる可能性が高い。このため、前記プレートは、ガス流の下流側から出し入れすべきなのはもちろんであるが、同時に、前記プレートは、空間的に上方に存在するプレートから下方に存在するプレートに向かって、順次、サセプタからガス流の上流側への延長量が減少するようにするのがよい。こうすることにより、下方のプレート上に、上方のプレートからのSiC粉塵の落下量を低減することができる。
なお、必ずしも前記プレートの長さを変える必要はない。単に、上方のプレートほど、ガス流の上流側に設置位置をずらすだけでもよい。
以上、説明したようなエピタキシャル成膜装置によれば、エピタキシャル成長前にSiC基板表面に付着するSiC粉塵を大幅に低減することができるので、大面積を必要とするパワーデバイスに適用するのに好ましい結晶欠陥を有しないエピタキシャル成長層を得ることができる。なお、本発明は、次のような変形により、一度に処理できるSiC基板枚数を大幅に増加させることができる。
本発明においては、サセプタに設置する前記プレートは、2枚より多くてもよい。3枚以上設置すると、最上方に設置したプレートの上以外の、2枚のプレート上に、SiC基板を設置することができる。同様に、n枚のプレートを設置すると、最上方に設置したプレートの上以外の、n−1枚のプレート上に、SiC基板を設置することができる。すなわち、2枚のプレートを設置する場合よりも、(n−1)倍のSiC基板を一度に処理することができる。なお、以下の実施例はあくまで例示であり、実施の形態は以下の実施例に限られるものではない。
(比較例1)
実施例に先立って、図17の要部横断面図に示す従来の円筒型エピタキシャル成膜装置において、基板出し入れ治具6を高純度多結晶SiCで構成した場合の結果について示す。サセプタ3は高純度グラファイト基材に高純度SiCをコーティングしてあり、断熱材2は高純度多孔質グラファイトからなり、炉体1は透明石英からなる。
市販の4H−SiC(0001)Si面と(000−1)C面の8度オフSiC基板を用い、RCA洗浄(後述)を行った後、基板出し入れ治具6に載せて、サセプタ3に搬入した。基板出し入れ治具6を載せたサセプタ3を、断熱材2に搬入した後、炉体(石英管)1に搬入した。基板出し入れ治具6には、直径2〜3インチのウエハを、1枚だけ載せることができる(RCA洗浄とは、周知の洗浄方法であり、水酸化アンモニウム、過酸化水素および脱イオン水の混合液を含む溶液の第1浴、および−塩酸、過酸化水素および脱イオン水の混合液を含む溶液の第2浴とによって表面を処理することからなる。第1浴は、主に、ウエハの表面上にある分離された粒子を除去するための処理であり、第2浴は金属汚染を除去するための処理である。)。
エピタキシャル成長は、H2をキャリアガス、SiH4とC38を原料ガスとして行う。n型およびp型のドーピングガスとして、それぞれN2およびトリメチルアルミニウム(TMA)を用いた。これらのガスは、例示的なものであり、必ずしもこれらに限られるわけではない。
以上説明した比較例および以後の実施例において、エピタキシャル成長する代表的なSiC半導体基板の層構成を図13の断面図に示す。SiC基板には、市販されているn型4H−SiC(0001)Si面および(000−1)C面の8度オフ面を用いた。SiC基板51上に、ドナー密度約3×1017cm-3のn型層(以降、パワーデバイスに倣ってドリフト層53という)を約4μm、アクセプタ密度約2×1018cm-3のp型層(以降、パワーデバイスに倣ってボディ層55aという)を約1μm、この順に連続成膜する。これらの成膜条件は、もはや一般的なものであるから、詳細は省略する。
図13に示すドリフト層53とボディ層55aからなるpn接合の1次元モデルによる理論耐圧は、160V程度である。1次元モデルによれば、理論耐圧でのドリフト層53およびボディ層55aへの空乏層の伸びは、それぞれ0.5μmおよび0.1μmであるので、空乏層は完全にドリフト層53およびボディ層55aの中にある。このエピタキシャル成長したウエハに、図14の要部断面図によって示すpnダイオードを作製した。
このpnダイオードは、図13のエピタキシャル成長層であるドリフト層53とボディ層55a部分を、最上面から概ね垂直にエッチングして掘り下げることにより、メサ構造(メサとは台形の意味)としている。この際、メサ側壁面とエピタキシャル成長層上面がなす角度はあまり重要ではなく、ボディ層55aを貫いて、ドリフト層53を少なくとも2μm以上の深さまでエッチングして、このエッチングにより露出するpn接合の終端部表面をSiO2膜などの保護絶縁膜75で保護することにより、ボディ層55aおよびドリフト層53内部での局所的な電界集中が回避され、前記の1次元モデルによる理論耐圧が実現できる。
ボディ領域55aの上面には、アノード電極72aが接触している。ボディ層55aのドーピング濃度が低いため、アノード電極72aとの間に良好なオーム性接触を得ることはできない。しかし、pnダイオードの逆方向特性を測定する上では、アノード電極72aとボディ層55aが仮にショットキー接触を形成しても、このショットキー接触は順バイアスとなるため、逆方向特性への影響は実質的に無視できる。
メサ上面(ボディ領域55aの上面)のうちアノード電極72a以外の部分と、メサ側壁面には、保護絶縁膜75が設けられている。SiC基板51の裏面には、カソード電極71aが接触している。後にエミッション顕微鏡で観察するために、アノード電極72aに対向する裏面部分には、カソード電極71aは形成しなかったが、実用的なデバイスを作製するにあたっては、カソード電極71aは全面に形成されていてもよい。カソード電極71aとSiC基板51は、オーム性接触を形成することが望ましいが、pnダイオードの逆方向特性を測定する上では、カソード電極71aとSiC基板51が仮にショットキー接触を形成しても、このショットキー接触は順バイアスとなるため、逆方向特性への影響は実質的に無視できる。以下、このpnダイオードの作製方法を、順を追って具体的に示す。
(エピタキシャル成長)
高濃度n型4H−SiC(0001)Si面および(000−1)C面を主面とするSiC基板51の上に、エピタキシャル成長により、ドリフト層53とボディ層55aを、この順に形成する。次に、前記エピタキシャル成長後に、成膜装置からウエハを取り出すことなく、温度850〜950℃でSiH4とN2Oガスを流して、いわゆるHTO(高温CVD−SiO2膜、以下同じ)からなる保護膜を堆積成膜する。ウエハをCVD装置から取り出した後、ウエハ裏面を、ダイヤモンドスラリーを用いて研磨し、鏡面とする。この工程は、後にエミッション顕微鏡により観察するために必要である。その後、プラズマエッチングにより、ウエハを取り出す際および裏面研磨の際に付着したSiC粉塵を除去する。次に、希釈フッ酸によりHTOを除去して、エピタキシャル成長済みウエハを得る。
エピタキシャル成長後に、光学顕微鏡でウエハ表面を観察すると、それぞれ特徴的な表面モフォロジーを有する何種類かの表面欠陥が見られた。特に多数見られたのは、光学顕微鏡ではほとんど点にしか見えないピット状表面欠陥(以下では、単にピット欠陥という)であり、その数は約100個/cm2であった。この他に、エピタキシャル成長前にSiC基板上に落下した比較的大きなSiC粉塵に起因するとされる表面欠陥(落下物欠陥という)も、少数ではあるが見られた。なお、エピタキシャル成長回数が増加すると、これらの表面欠陥は、次第に増加する傾向が見られた。
ピット欠陥を半導体解析検査装置であるFIB(Focused Ion Beam)で切り出してTEM(透過型電子顕微鏡)で観察すると、SiC基板51とエピタキシャル成長層53との界面付近に、SiC基板とは結晶方位が異なるSiC結晶の領域が存在し、その周辺から表面にかけて、結晶転位が密集しているのが確認された。EDX(エネルギー分散型X線分析)で分析しても、SiとC以外には検出されなかったことから、結晶方位が異なるSiCは、エピタキシャル成長前にSiC基板上に落下したSiCの微小粉塵であると考えられる。したがって、ピット欠陥は、落下物欠陥と同様に、エピタキシャル成長前にSiC基板上に落下したSiC粉塵に起因しており、単にその大きさが異なることによって、ピット欠陥または落下物欠陥になると考えられる。
いわゆるキャロット欠陥や三角形状欠陥も、少数ではあるが確認された。これらの表面欠陥も、多くはピット欠陥と同様に、SiC基板とエピタキシャル成長層との界面付近に、エピタキシャル成長前にSiC基板上に落下したSiCの微小粉塵と考えられる、
(メサ形成)
ウエハ上に、SiO2膜を堆積(プラズマCVD法によっても、熱CVD法によってもよい。以下、特記しない限り同様。)し、このSiO2膜をSiプロセスと同様の方法によってパターニングした後、パターニングされたSiO2膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)により、SiC基板を所定の深さに異方性エッチングする。この場合、エッチング深さは、ボディ層55aの全部とドリフト層53の一部で、合計3μm程度であるから、それほど困難ではない。
なお、エピタキシャル成長の後に、この成膜装置内で成膜した前記HTO保護膜を、上記SiO2膜マスクとして転用してもよいが、この場合には適度な均一性が必要となるので、本比較例および以下の実施例では、HTO保護膜を一度除去してから、均一性の良好な装置を用いて、再びSiO2膜を堆積するようにした。
(保護絶縁膜形成・電極形成)
次に、ウエハを1200℃のウェット雰囲気で所定の時間(面方位による)熱酸化して、メサ側壁面上で厚さ40〜80nmの保護絶縁膜75を形成する。その後、Siプロセスと同様の方法によって、保護絶縁膜75のうちメサ上の部分にコンタクトホールを形成する。続いて、Niをおもて面全面にスパッタ成膜した後、これをSiプロセスにおけるAlと同様にしてパターニングし、アノード電極72aとする。
次に、おもて面をフォトレジストで保護し、ウエハをバッファードフッ酸に浸漬して、裏面の酸化膜を除去する。その後、Niを裏面全面にスパッタ成膜した後、両面アライナーでメサの直下のみ穴が開くようにフォトレジストパターンを形成し、開口部のNiをウェットエッチングで除去して、カソード電極71aとする。続いて、おもて面・裏面のフォトレジストを除去した後、1000℃のAr雰囲気中で熱処理を行う。ボディ層55aのドーピング密度が低いため、アノード電極72aとの間に良好なオーム性接触を得ることはできないが、電気特性測定中にNiが剥離するのを防ぐことはできる。以上により、pnダイオードが完成する。
(電気特性評価)
pnダイオードを穴開き銅板に銀ペーストで貼り付け、アノード電極72aと銅板との間に逆方向電圧を印加して、リーク電流を測定する。この際、エミッション顕微鏡により、pnダイオードの裏面から、リーク電流に起因する発光を観察する。発光を観察するために、銅板のうち、少なくともメサ直下の部分は、穴が開いていなければならない。
測定したpnダイオードの代表的な逆方向電流電圧特性を図15に示す。逆方向特性は、主として逆方向リーク電流の増加度合いによって、大きく3つの類型に分類された。
第1の類型(図15における特性曲線93)は、大きな逆方向リーク電流である(以後、大リークであるという)ものである。ここで、大きな逆方向リーク電流とは、1次元モデルによるpn接合の電界が絶縁破壊電界の25%(印加電圧で約10V)でリーク電流が10nA以上となるようなものである。エミッション顕微鏡で観察すると、発光点が確認された。発光点の付近を光学顕微鏡で観察すると、発光点の場所は、落下物欠陥の場所に一致した。すなわち、落下物欠陥が存在すると、大リークを生じてしまうことが分かった。なお、エピタキシャル成長後に、成膜装置内で保護膜を堆積しないと、エピタキシャル成長後にウエハ上に落下したSiC粉塵が原因で、プロセス欠陥を生じ、同様に、大リークである結果となる。
第2の類型(図15における特性曲線92)は、中程度の逆方向リーク電流である(以後、中リークであるという)ものである。ここで、中程度とは、1次元モデルによるpn接合の電界が絶縁破壊電界の25%(印加電圧で約10V)ではリーク電流が10nA以下であるが、同75%(印加電圧で約91V)ではリーク電流が10nA以上となるようなものである。エミッション顕微鏡で観察すると、発光点が確認された。発光点の付近を光学顕微鏡で観察すると、大多数の発光点の場所に、ピット欠陥あるいはキャロット欠陥が見られた。前述のように、これらの表面欠陥は、エピタキシャル成長前にSiC基板ウエハ上に落下したSiC粉塵が原因で生じたと考えられるから、中リークの原因は、エピタキシャル成長前にSiC基板ウエハ上に落下したSiC粉塵であると考えられることになる。
第3の類型(図15における特性曲線91)は、逆方向リーク電流が少ないものである。ここで、逆方向リーク電流が少ないとは、1次元モデルによるpn接合の電界が絶縁破壊電界の75%(逆方向電圧で約91V)でリーク電流が10nA以下であることをいう。このグループのpnダイオードは、大多数が、ドリフト層53とボディ層55aからなるpn接合の1次元モデルによる理論耐圧である160V付近でアバランシェ降伏電流が流れる。エミッション顕微鏡で観察すると、逆方向電圧150V付近から、デバイス内に、SiC基板のオフ方向に伸びる複数の発光帯が見られた。一様に発光しない理由は、明らかではないが、この発光帯でアバランシェを生じていると考えられる。
なお、本比較例および以下の実施例で作製したpnダイオードは、ドリフト層53のドーピングが1017cm-3台と高いため、絶縁破壊電界は約4MV/cmとなっている。実用的な耐圧1kV以上のデバイスでは、ドリフト層のドーピングは1016cm-3台前半であり、そのドーピングでの絶縁破壊電界は3MV/cm以下であるから、これ以上の電界(つまり、図15において逆方向電圧91V以上)でリーク電流が増加することがあっても、実用上は問題にならないと考えられる。
以上のことから、本比較例および以下の実施例では、1mm角のpnダイオードにおいて、大リークも中リークも示さなかった歩留まりをもって、耐圧歩留まりを代表させる(代表的な耐圧歩留まりという)ことにする。本比較例においては、代表的な耐圧歩留まりは約40%であった。
以下に説明する実施例では、デバイスとしてpnダイオードを作製しているが、本発明の要旨であるエピタキシャル成膜装置によって製造されるエピタキシャル成長層は、pnダイオードだけでなく、ショットキーダイオード、電界効果トランジスタ等、種々の電子デバイス、とりわけパワーデバイスに、好ましく用いることができる。
実施例1にかかるエピタキシャル成膜装置の要部断面図を図2および図4に示す。図2は、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図である。石英製の炉体(石英管)1の内部に、断熱材2を設け、その中にサセプタ3を設置する。サセプタ3は、内部がくりぬいてあり、その上面近くに上部プレート11、下面近くに下部プレート13がそれぞれ設置され、その間の空間が反応室(ガスチャネル)4となる。SiC基板5は、下部プレート13の上に設置する。下部プレート13の上流側の端は、サセプタ3および断熱材2の上流側の端面よりも上流側まで延長されており、上部プレート11の上流側の端面は、下部プレート13の上流側の端面よりも、さらに上流側まで延長されている。
図2では、上部プレート11と下部プレート13の長さが異なって描いてあるが、図3のように、同じ長さであって、上部プレート11の方を下部プレート13よりも上流側にずらして配置してあってもよい。図2および図3のいずれの構成であっても、エピタキシャル成長前に、SiC基板5の上にSiC粉塵が落下するのを防ぐ目的は達成される。なお、図2および図3では、SiC基板5が1枚だけ描いてあるが、1枚の下部プレート13の上に複数のSiC基板を並置することを排除するものではない。
図4は、ガスの流れ(または円筒管の軸)に垂直な面で切った要部縦断面図である。上部プレート11および下部プレート13は、サセプタ3の側壁に設けられた溝7−1に沿って嵌め合わせるように挿入され、搬入される。なお、図4に示した溝7−1は、高さ方向の溝幅がプレートの厚さとほとんど同じに描いてあるが、図5の溝7−2のように、プレートの厚さよりも十分厚いおよび、または広い溝幅を有していてもよい。とりわけ、プレートの出し入れを機械搬送とする場合は、図5のように、十分なクリアランスを設けた方がよい。また、図4および図5では、描画の都合上、サセプタ3をくり抜いた空隙(反応室)は、縦長になっているが、実際には正方形でも横長でもよい。
前記エピタキシャル成膜装置は、次のように運用されることが好ましい。すなわち、SiC基板5を装置内に搬入するにあたっては、まず、炉体(石英管)1の内部に、断熱材2とサセプタ3をまず設置し、次にサセプタ3の上部の溝に上部プレート11を嵌め込んで押し入れる。その後、SiC基板5を載せた下部プレート13を同様に下部の溝にはめ込んで押し入れる手順とする。この手順によれば、上部プレート11を押し入れるときに仮にSiC粉塵が発生しても、SiC基板5の上に落下することはない。
SiC基板5を取り出すにあたっては、まず下部プレート13を取り出し、下部プレート13からSiC基板5を取り外す。次に上部プレート11を取り出し、下部プレート13とともに(同時でなくてもよい)、エッチングして、SiC粉塵の原因となる、上部プレート11および下部プレート13(まとめて、単にプレートという)の表面に緩やかに付着している多結晶SiCを除去する。
この際のエッチング方法としては、たとえば、1300〜1700℃程度において80〜760Torr(1Torr=133.32Pa)の水素と塩化水素の混合ガス中で行う、あるいは、数百℃において三フッ化塩素のような強力な酸化性ガス中で行うなどの方法がある。このエッチングを行う装置は、当該エピタキシャル成膜装置を用いてもよいが、他の装置であってもよい。他の装置でエッチングする場合には、多数のプレートを一度に処理できるような構造を選ぶことができ、その間に別のプレートを用いてエピタキシャル成長を行うことができるから、エピタキシャル成長のスループットが向上するので、好ましい。
前記プレートをエッチングするためには、その材質が、SiC結晶を主成分とする(プレートごとエッチングされる)か、多結晶SiCをエッチングする際のプロセスに耐えられるものであることが必要である。同時に、この材質は、SiCのエピタキシャル成長時に不必要な不純物をもたらさないものでなくてはならない。現実には、このような材料は、極めて限られている。たとえば、高純度グラファイトは、多結晶SiCをエッチングする際のプロセスに耐えることができる場合もあるが、エピタキシャル成長の際にアルミニウム、ホウ素、チタン等の不純物をもたらす。このような観点から、前記プレートの材質としては、SiC結晶を主成分とするものが好ましい。
本発明にかかる上記エピタキシャル成膜装置およびこの装置を用いた製造方法によって、図13に示すエピタキシャル成長層53、55aを形成し、比較例と同様にpnダイオードを作製した場合の、代表的な耐圧歩留まりは、約80%であった。前述の比較例の場合のpnダイオードの歩留まりは40%であったから、大幅に向上したことが分かる。その理由はエピタキシャル成長前に、SiC基板上にSiC粉塵が落下することが抑制されたので、大リークや中リークを起こす表面欠陥が少なくなったためと考えられる。耐圧歩留まりが100%近くにならなかったのは、下部プレート13を設置する際に、サセプタ3と擦れ合って、わずかにSiC粉塵を生じたためと考えられる。
以上のように、実施例1によれば、エピタキシャル成長前に、SiC基板上にSiC粉塵が落下することを抑制でき、大面積パワーデバイスを作製するのに好適なエピタキシャル成長層を提供することができる。
実施例2にかかるエピタキシャル成膜装置を、図6の要部縦断面図に示す。実施例1の成膜装置である図2、図4と同様の構成要素については、同一番号を付し、重複する説明を省略する。
図6に示す要部縦断面図は、ガスの流れ方向(円筒管の軸方向)に垂直な断面で切った断面図である。サセプタ3の上面および下面に溝8−1が設けられており、この溝に沿って壁基材10がサセプタ3の両側壁近くの内側に配置される。上部プレート11および下部プレート13は、この壁基材10に設けられた溝9−1に沿って嵌め込まれる。
壁基材10に設けられる溝9−1は、実施例1における図5のサセプタ3に設けられる溝7−2と同様に、プレート11、13に対してある程度のクリアランスを有するのが望ましい。反応室(ガスチャネル)4は、上部プレート11、下部プレート13および壁基材10で挟まれた空間である。なお、図7のように、壁基材10は、両壁が一体のものであって、サセプタ3には前記溝8−1などを設けることなく、そのままサセプタ3上に載置されるものであってもよい。図6および図7のいずれの構成であっても、エピタキシャル成長前に、SiC基板5の上にSiC粉塵が落下するのを防ぐ目的は達成される。また、図6および図7では、描画の都合上、サセプタ3をくり抜いた空隙は、縦長になっているが、実際には正方形でも横長でもよい。
前記エピタキシャル成膜装置は、次のように運用されることが好ましい。すなわち、SiC基板5を設置するにあたっては、まず、炉体1の内部に、断熱材2とサセプタ3をまず設置し、次に壁基材10を設置し、その次に上部プレート11を設置する。その後、SiC基板5を載せた下部プレート13を設置する。この手順により、壁基材10および上部プレート11を設置するときに仮にSiC粉塵が発生しても、SiC基板5の上に落下することはないので、好ましい。
SiC基板5を取り出すにあたっては、まず下部プレート13を取り出し、下部プレート13からSiC基板5を取り外す。次に上部プレート11と壁基材10を取り出し、下部プレート13とともに(同時でなくてもよい)、前述と同様にエッチングして、SiC粉塵の原因となる、壁基材10、上部プレート11および下部プレート13に緩やかに付着している多結晶SiCを除去する。壁基材10の材質は、上部プレート11および下部プレート13と同様に、SiC結晶を主成分とするものが望ましい。
上記エピタキシャル成膜装置およびこの装置を用いた製造方法によって、図13のエピタキシャル成長層を形成し、実施例1と同様にpnダイオードを作製した場合の、代表的な耐圧歩留まりは、約90%であった。実施例1の80%に比べて歩留まりがやや向上したのは、下部プレート13を設置する際に擦れ合うのが、サセプタ3ではなく壁基材10であるので、多結晶SiCが適切にエッチングされており、SiC粉塵を生じにくいためと考えられる。
ただし、この装置では、成長温度が高い場合、熱分布によっては、壁基材10と、上部プレート11あるいは下部プレート13が、高温によって接着してしまうことがあるので、熱分布を考慮して装置を設計する必要がある。以上のように、実施例2によれば、エピタキシャル成長前に、SiC基板上にSiC粉塵が落下することを抑制でき、大面積パワーデバイスを作製するのに好適なエピタキシャル成長層を提供することができる。とりわけ、実施例1によるよりも、SiC粉塵の発生がさらに抑制される利点がある。
実施例3にかかるエピタキシャル成膜装置の要部断面図を図8および図10に示す。
図8は、ガスの流れ方向(円筒管の軸方向)を含む面で切った要部横断面図である。石英製の炉体1の内部に、断熱材2を設け、その中にサセプタ3を設置する。サセプタ3は、内部がくりぬいてあり、その上面近くに上部プレート11、下面近くに下部プレート13がそれぞれ設置され、その上下プレート間に1または複数枚の中間プレート12が設置される(図8には上下プレート11、13の間に1枚だけの中間プレートを示してある)。各プレート間の空間が反応室(ガスチャネル)4となる。SiC基板5は、中間プレート12および下部プレート13の上に設置する。
下部プレート13の上流側の端面は、サセプタ3および断熱材2の上流側の端面よりも上流側まで延長されており、上部プレート11および中間プレート12の上流側の端面は、おのおののプレートより空間的に下方にあるプレートの上流側の端よりも、さらに上流側まで延長されている。
図8では、上部プレート11と中間プレート12と下部プレート13の水平方向の長さが異なって描いてあるが、図9の要部横断面図に示すように、同じ長さであって、空間的に上方に存在するプレートほど、上流側にずらしただけの配置としてもよい。図8および図9のいずれの構成であっても、エピタキシャル成長前に、SiC基板5の上にSiC粉塵が落下するのを防ぐ目的は達成される。なお、図8および図9では、中間プレート12および下部プレート13の上にSiC基板5がそれぞれ1枚ずつ描いてあるが、それぞれのプレートの上に複数のSiC基板を配置することや、各プレートに異なった枚数のSiC基板を配置することを、排除するものではない。
ガスの流れ(円筒管の軸方向)に垂直な断面で切った要部縦断面図を図10に示す。サセプタ3の上面および下面に溝8−1が設けられてあり、この溝8−1に沿って壁基材10が嵌め込まれ、サセプタ3の両側壁近くの内側に配置される。上部プレート11、中間プレート12および下部プレート13は、壁基材10に設けられた溝9−1に沿って設置される。
壁基材10に設けられる溝9−1は、実施例2と同様に、プレートに対してある程度のクリアランスを有するのが望ましい。反応室(ガスチャネル)4は、隣接する2枚のプレートおよび壁基材10で挟まれた空間である。
なお、実施例2と同様に、図11の縦断面図に示す壁基材10は、両壁が一体のものであって、サセプタ3には溝などを設けることなく、そのまま設置されるものであってもよい。図10および図11のいずれの構成であっても、エピタキシャル成長前に、SiC基板5の上にSiC粉塵が落下するのを防ぐ目的は達成される。
また、これらの構成と比べると、実施例1と同様にわずかにSiC粉塵を生じる可能性があるが、壁基材10を用いずに、サセプタ3に溝を設けて、この溝に沿って上部プレート11、中間プレート12および下部プレート13を設置する構成を排除するものではない。
またさらに、図10および図11では、描画の都合上、サセプタ3をくり抜いた空隙は、縦長になっているが、実際には正方形でも横長でもよい。
前記エピタキシャル成膜装置は、次のように運用されることが好ましい。すなわち、SiC基板5を設置するにあたっては、まず、炉体1の内部に、断熱材2とサセプタ3を設置し、次に壁基材10を設置し、その次に上部プレート11を設置する。その後、SiC基板5を載せた中間プレート12を、空間的に上方に位置するものから順に設置し、最後に、SiC基板5を載せた下部プレート13を設置する。この手順により、壁基材10および上部プレート11ならびに中間プレート12を設置するときに仮にSiC粉塵が発生しても、SiC基板5の上に落下することはない。
SiC基板5を取り出すにあたっては、まず下部プレート13を取り出し、次に、中間プレート12を、空間的に下方に位置するものから順に取り出し、取り出したプレートからSiC基板5を取り外す。その後、上部プレート11と壁基材10を取り出し、中間プレート12および下部プレート13とともに(同時でなくてもよい)、前述の実施例1と同様にエッチングして、SiC粉塵の原因となる、壁基材10、上部プレート11、中間プレート12および下部プレート13に緩やかに付着している多結晶SiCを除去する。
また、前述の実施例1、2と同様に、壁基材10、上部プレート11、中間プレート12ならびに下部プレート13の材質は、SiC結晶を主成分とするものが望ましい。
上記エピタキシャル成膜装置およびこの装置を用いた製造方法によって、図13のエピタキシャル成長層を形成し、実施例2と同様にpnダイオードを作製した場合の、代表的な耐圧歩留まりは、約90%で、実施例2とほぼ同様であった。
上記エピタキシャル成膜装置においては、1回のエピタキシャル成長で、実施例2によるよりも多数のエピタキシャル成長したSiC基板を製造することができる。
以上、説明したように、実施例3によれば、エピタキシャル成長前に、SiC基板上にSiC粉塵が落下することを抑制でき、大面積パワーデバイスを作製するのに好適なエピタキシャル成長層を提供することができる。とりわけ、1回のエピタキシャル成長で、実施例2によるよりも多数のエピタキシャル成長したSiC基板を製造することができる利点がある。
(メモリ効果の抑制に関する実施例)
次に、本発明によれば、第二に、異なるドーピング密度の層を、エピタキシャル成長時における同時ドーピング法によって形成する際に、同時ドーピングにおけるメモリ効果を抑制して多数回繰り返しエピタキシャル成長させることができる点について、以下、具体的に説明する。
発明者らは、メモリ効果の原因が、エピタキシャル成長中にガス流の上流側に接している低温部、とりわけ断熱材のような多孔質部材に吸着したドーピングガスにあるとの推測を基にして、ガス流の上流側へ、プレートを延長することにより、エピタキシャル成長中におけるドーピングガスの断熱材への拡散を抑制することができることを見つけた。このプレートは、できれば、反応室(ガスチャネル)の底面だけでなく、上面や、存在する場合には側面にも設ける(側面に設ける場合は、壁のようなものであるので、壁基材ということもある)。このプレートは、一回エピタキシャル成長終了後に毎回取り外す。このプレートは、エッチングするなどして、吸着したドーピングガスを除去した後には、エピタキシャル成長に再利用してもよい。メモリ効果は、高ドープ層と低ドープ層とで、ドーピング密度が極端に(従来の技術に示した例では3桁以上)異なることと、とりわけSiC基板の場合には、エピタキシャル成長の温度が1500℃以上と高いこととに起因して発生することを見つけた。
前述の背景技術に示した、図17の断面図のようなエピタキシャル成膜装置の場合、たとえば断熱材2は、その目的上、そのすべてがサセプタ3と同じ温度であるわけではないので、1500℃以上の高温となっているサセプタ3から断熱材2に向けて、Si種・C種・ドーパントを問わず、気相中の反応種の拡散が進行する。反応室(ガスチャネル)4内に速いガスの流れがあっても、固体であるサセプタ3や断熱材2のすぐ近くには必ずガスの滞留層があるので、反応種の低温部(たとえば、断熱材)への拡散は避けられない。前記高ドープ層を形成するにあたり、高ドーピング密度を得るために、ドーピングガスを大量に流すことが必要であるが、このドーピングガス(あるいは、その分解物、以下同じ)も、サセプタ3から断熱材2の方へ拡散する。断熱材2は多孔質であるから、ドーピングガスは断熱材2に吸着される。SiC基板にアルミニウムを同時ドーピングするために好んで用いられるトリメチルアルミニウムやトリエチルアルミニウムのような有機金属は、特に顕著に吸着される。断熱材2以外にも低温部があると、その場所にも同様にドーピングガスが吸着されるが、断熱材による吸着が最も多いので、以下では断熱材2に吸着されたとして説明を続ける。
次に、SiC基板にn型ドリフト層などの低ドープ層を形成しようとすると、今度は前記ドーピングガスが流れていないか、流れているとしても低ドープ層を形成するのに適したごく少量であるので、断熱材2の付近の方が断熱材2からの拡散のため前記ドーピングガスの濃度が高くなり、濃度勾配によってサセプタ3あるいは反応室(ガスチャネル)4の方に逆拡散する。逆拡散するということは、予定よりも多くの前記ドーピングガスが流れていることと等価である。しかも、その逆拡散量は、断熱材2に吸着している前記ドーピングガスの量およびその分布に依存し、したがって、以前のプロセス履歴に強く依存する。逆拡散した前記ドーピングガスによるドーピング量のプロセス履歴によるばらつきが、予定している低ドープ層のドーピング量と比べて無視できない量となると、低ドープ層のドーピングの制御ができないように観測され、メモリ効果が発現する。なお、このメモリ効果は、高ドープ層と低ドープ層の伝導型が異なる場合に特に深刻であって、極端には低ドープ層の伝導型が予定と異なってしまうような致命的な問題を引き起こすが、同じ伝導型であっても、メモリ効果に起因するバッチ間ばらつきを補償するために、作製されるデバイスの性能を犠牲にして大きな作製マージンをとらなければならない点で、問題であることには変わりはない。
一方、本発明では、サセプタ内部からサセプタ端部を超えてガス流の上流側まで延長されるように配置されるプレートを設ける構成を特徴としている。後に実施例で示すように、このプレートは、およそ反応室(ガスチャネル)を取り囲むような形状とするべきであり、したがって、このプレートは、反応室(ガスチャネル)の底面だけでなく、上面や、存在する場合には側面にも設けることが好ましい。
このプレートは、一回のエピタキシャル成長終了毎に毎回取り外す。このプレートは、エッチングするなどして、吸着したドーピングガスを除去した後には、エピタキシャル成長に再利用してもよい。
なお、このプレートの延長形態は、少なくともドーピングガスが直接反応室(ガスチャネル)の外側に回りこむようなことのないように、設計する必要がある。このプレートの延長形態は前述の実施例1、2、3で説明したプレートの延長形態と同じであってよい。サセプタの端部から外部に延長されたプレートの部分では、輻射により、サセプタから離れるほど、温度が低下する。プレートのうち、反応室(ガスチャネル)側では、温度勾配により、ガスの上流側に向かって、ドーピングガスが拡散する。一方、プレートのうち、反応室(ガスチャネル)と反対側では、濃度勾配により、ガスの下流側に沿う方向に、ドーピングガスが拡散しようとする。ところが、温度勾配は、反応室(ガスチャネル)側と同じように、ガスの上流側に沿う方向を向いているから、ガスの下流側に沿う方向への拡散は遅らされる。ガスの流れ方向に垂直な向きには、濃度勾配も温度勾配も、ドーピングガスの拡散を促進する方向にある。しかも、プレートの端から断熱材までには、相当の距離をおくことができる。かくして、ドーピングガスは、主として炉体(石英管)に向かって拡散し、断熱材の方へはあまり拡散しない。炉体は断熱材ほど高温ではないので、ドーピングガスが吸着したとしても、その蒸気圧は低い。また、通常、炉体は多孔質ではないので、断熱材に比べると、吸着量は著しく小さい。さらに、サセプタと断熱材の距離に比べると、プレートと炉体の距離は著しく大きい。したがって、1回のエピタキシャル成長終了毎に、プレートだけ取り外し、これをエッチングするなどして吸着ドーピングガスを適切に除去すれば、次回のエピタキシャル成長においては、吸着ドーピングガスの逆拡散は著しく抑制され、メモリ効果が抑制される。とりわけ、トリメチルアルミニウムやトリエチルアルミニウムのような、断熱材に吸着しやすいドーピングガスを用いている場合に、メモリ効果が顕著に抑制される。
上記のようにしてメモリ効果が特に抑制されるのは、1回のエピタキシャル成長の最終期に高ドープ層が形成され、次回のエピタキシャル成長において、とりわけその初期において、低ドープ層を形成するエピタキシャル成長プロセスを有する場合である。すなわち、SiC基板上に、ドリフト層などの低ドープ層が先にエピタキシャル成長により形成され、最後にp型ボディコンタクト層などの高ドープ層がエピタキシャル成長により形成される場合である。このような層構成を有するエピタキシャル成長層は、エピタキシャル成長層の表面にオーム性接触となる電極を有する電子デバイス、とりわけ、パワーデバイスに好ましく用いることができる。
このようなパワーデバイスのうち、スイッチングデバイスにあっては、エピタキシャル成長層の表面と基板の裏面とに設けられた電極の間の電気抵抗を、他の電気信号によって制御する、たとえば、図12の要部断面図に示すようなトレンチ型MOSFETがある。このトレンチ型MOSFETでは高ドープn型であるSiC基板51の上に、低ドープn型SiC層であるドリフト層53とp型SiC層であるボディ領域55が、この順にエピタキシャル成長により積層される。ボディ領域55の上側表面には、高ドープn型SiC領域であるソースコンタクト領域56と、高ドープp型SiC領域であるボディコンタクト領域57をエピタキシャル成長および選択的イオン注入により形成し、この両者がソース電極73との間に、オーム性接触を形成している。ソースコンタクト領域56とボディ領域55を貫いて、ドリフト層53または少なくともドリフト層53と接触するn型領域(図示せず)まで達するトレンチ60が形成される。このトレンチ60の内壁には、ゲート絶縁膜61を介して、ゲート電極62が設けられる。ゲート電極62とソース電極73は、層間絶縁膜71によって絶縁されるように形成される。SiC基板51の裏面には、ドレイン電極72がオーム性接触している。トレンチ60の内壁面のうち、ゲート電極62と対向する部分には、ゲート電極62に印加される電圧によって、n型に反転したチャネル63(図示せず)が形成され、ソース電極73とドレイン電極72の間の電気抵抗を制御する。なお、以上の説明中のn型とp型をすべて入れ替えたMOSFET構造も可能であるが、4H−SiCにおいては、電子の方が正孔よりもドリフト移動度が5〜7倍程度大きいとされているので、オン状態で主要な抵抗成分となるSiC基板51、ドリフト層53およびチャネル63におけるキャリアが電子である方が好ましく、通常は、前述の説明で示した極性を有するMOSFETが好ましい。デバイス特性その他の要請によって、SiC基板51とドリフト層53、あるいはドリフト層53とボディ領域55との間に、ドーピング量の異なるn型層が含まれることもあるが、n型ドーパントは通常窒素であって、トリメチルアルミニウム等に比べて蒸気圧が著しく高いため、低温部への吸着が少なく、もともとメモリ効果を起こしにくい。従来の技術で問題が起こるのは、ボディ領域55の上に形成されるp+型ボディコンタクト領域57である。これをエピタキシャル成長で形成しようとすると、ソース電極73との間にオーム性接触を得るために、少なくとも2〜3×1019cm-3のp型ドーピングが必要であり、好ましくは1020cm-3台以上が必要である。このドーピング量は600V〜2kVクラスの耐圧で通常5×1015cm-3〜3×1016cm-3程度であるドリフト層53のドーピング量に比べて、3桁以上も大きく、しかも、p型ドーピングに用いられるガスがトリメチルアルミニウム等であるため、ドリフト層53を形成する際にメモリ効果の影響を受けやすい。
しかし、本発明によれば、このような状況において、メモリ効果を抑制することができるので、1回のエピタキシャル成長において、ドリフト層53とボディコンタクト領域57を順次形成することができる。補足として、ボディ領域55のドーピングは、2〜3×1017cm-3程度が適当とされている。これは、ドリフト層53とボディコンタクト領域57のドーピングの中間にあたる。これより高すぎると、チャネル63の移動度が著しく低下するので、オン状態においてチャネル63の抵抗が増加してしまう。逆に、これより低すぎると、オフ時にドリフト層53だけでなくボディ領域55にも空乏層が伸びるため、空乏層がソースコンタクト領域56に接触した、いわゆるパンチスルー状態となってしまう。これを防ぐために、ボディ領域55を厚くすると、それに比例してMOSFETのチャネル長が長くなってしまうため、やはりオン状態においてチャネル63の抵抗が増加してしまう。なお、図12では、トレンチ60は、エピタキシャル成長層の表面に垂直な側壁を有しているが、必ずしもこのとおりではなく、チャネル63の抵抗が全体として小さくなるような傾きを有していてもよい。
図12に示すトレンチMOSFETは、上記エピタキシャル成長によりボディコンタクト領域57を形成した後、リンを選択的にドープしてソースコンタクト領域56を形成する。この選択的ドーピングは、イオン注入に頼らざるを得ないので、ドーズ量が極端に高いものや、深くまでドーピングするような設計は、好ましくない。リンのドープ量は、少なくともボディコンタクト領域57のアルミニウムのドープ量よりは高くなければならないので、ボディコンタクト領域57のアルミニウムのドープ量をあまり高く設定するのは好ましくないといえる。また、一般的な400keVクラスのイオン注入装置では、リンの1価イオンを用いたイオン注入深さは0.4μmに満たないので、ボディコンタクト領域57をあまり厚くするのは好ましくないといえる。その後、トレンチ60を異方性エッチングにより形成し、形成されたトレンチ60内部にゲート絶縁膜61を熱酸化や堆積法により形成し、必要に応じてアニールする。続いて、Siプロセスと同様の技術によって、高濃度にドープしたポリシリコンを堆積し、エッチバックしてゲート電極62を形成し、その後、層間絶縁膜71を形成する。この層間絶縁膜71の表面側にコンタクトホールを窓明けし、スパッタ法などによりNiを成膜後パターニングし、裏面も不必要な堆積物等を除去してNiを成膜後、必要に応じてパターニングする。その後、たとえば1000℃のArフロー中でアニールを行って、Ni膜と、ソースコンタクト領域56表面、ボディコンタクト領域57表面、SiC基板51の裏面との間に、それぞれオーム性接触を得る。未反応のNiおよび反応生成物である珪化ニッケルは、ソース電極73ならびにドレイン電極72の一部となる。この後は、Siプロセスと同様であって、表面にソースパッドとゲートパッド(図示せず)を形成し、裏面は適切な金属電極となるように必要に応じて積層金属電極膜とする。
なお、図12の断面図に示す構造のままでは、トレンチ60の底部に電界が集中して、耐圧が出ないことが知られているので、トレンチ60の下にソース電位に固定されるp型領域を設けるなどの保護策が必要である。また、デバイスの活性部を取り囲む周辺部にも耐圧構造を設ける必要がある。また、図12の断面図では、複雑な図面にしないため、トレンチ60は1本だけ描いてあるが、実際には多数のトレンチが形成され、それらに埋め込まれるゲート電極62は、Siデバイスと同様に、デバイスの表面の一部で集約され、ゲートパッド(Al膜)に取り出される。
なお、本発明による効果が得られるSiCデバイス構造は、前記図12の断面図に示すようなトレンチMOSFETに限らない。たとえば、トレンチIGBTであってもよく、また、チャネルが最初からn型領域によって構成される蓄積型MOSFETであってもよく、少なくとも、エピタキシャル成長層の表面とSiC基板の裏面にそれぞれ金属電極を有し、前記エピタキシャル成長層からSiC基板へ向けて掘り込まれたトレンチを有し、このトレンチの少なくとも側面にゲート絶縁膜を介して設置されるゲート電極を有し、このゲート電極に印加される電圧によって、前記エピタキシャル成長層の表面とSiC基板の裏面に設けられた電極の間の電気抵抗を変化させるような電子デバイスであれば、本発明の効果を受けられる。
ただし、エピタキシャル成長を用いて高ドープ層を形成するので、エピタキシャル成長層の表面全体に高ドープ層が形成される。したがって、エピタキシャル成長層の表面にゲート電極を設けて、エピタキシャル成長層表面に形成された、オーム性接触である電極と別の電極との間の電気抵抗を変化させるようなプレーナ型電子デバイスには不向きである。さらにまた、本発明は、次のような変形により、一度に処理できる基板枚数を大幅に増加させることができる。本発明においては、サセプタに設置する前記プレートは、2枚より多くてもよい。3枚以上設置すると、最上方に設置したプレートの上以外の、2枚のプレート上に、基板を設置することができる。同様に、n枚のプレートを設置すると、最上方に設置したプレートの上以外の、n−1枚のプレート上に、基板を設置することができる。すなわち、2枚のプレートを設置する場合よりも、(n−1)倍の基板を一度に処理することができる。
実施例4にかかるエピタキシャル成膜装置の要部断面図を図1および図6に示す。図1は、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図である。石英製の炉体1の内部に、断熱材2を設け、その中にサセプタ3を設置する。サセプタ3は、内部を反応室(ガスチャネル)とするためにくり抜かれており、その上面近くに上部プレート11、下面近くに下部プレート13がそれぞれ設置され、その間の空間が反応室(ガスチャネル)4となる。SiC基板5は、下部プレート13の上に載置する。下部プレート13および上部プレート11の上流側の端は、サセプタ3および断熱材2の上流側の端よりも上流側まで延長されている。
図1の破線は、後で説明する壁基材10が存在する範囲である。メモリ効果を抑制する意味では、図1のように、下部プレート13と上部プレート11の上流側の端の位置が一致していても差し支えないが、デバイスの耐圧歩留まりを低下させるSiC粉塵がエピタキシャル成長前にSiC基板5の上に落下するのを抑制する意味では、図2のように、下部プレート13の上流側の端よりもさらに上流側に、上部プレート11の上流側の端を延長させて配置するのが好ましい。なお、図1および図2では、SiC基板5が1枚だけ載置されているように描いてあるが、1枚の下部プレート13の上に複数のSiC基板を配置することを排除するものではない。また、図2では、上部プレート11と下部プレート13の長さが異なって描いてあるが、同じ長さであって、上部プレート11の方が下部プレート13よりも上流側に寄せてずらして配置してあってもよい。
前記図1に示すエピタキシャル成膜装置をガスの流れに垂直な断面で切った要部断面図を図6に示す。この図6は前述の実施例2で説明した断面図と同じであるので、説明を省略する。なお、図6では明示されないが、図1の破線部を参照すると、壁基材10の上流側の端は、サセプタ3および断熱材2の上流側の端よりも上流側まで延長されていることが実施例1および2の場合の図2とは異なる。
図1の破線のうち、上流側の端は、上部プレート11および下部プレート13とほぼ垂直となっているが、必ずしもこのとおりでなく、図1の破線のうち上流側の端が図2のように、サセプタ端部から上流側への延長長さが異なっていてもよい。また、図6では、描画の都合上、サセプタ3をくり抜いた空隙は、縦長になっているが、実際には正方形でも横長でもよい。このエピタキシャル成膜装置は、少なくとも、壁基材10、上部プレート11、下部プレート13については、エピタキシャル成長前にそのつどサセプタ3内に設置し、エピタキシャル成長後には、毎回取り出して(同時でなくてもよい)エッチングし、吸着しているドーピングガスを除去することが好ましい。
この際の取り出しプレートのエッチング方法としては、吸着しているドーピングガスとともに、前記実施例1で説明した緩やかに付着している多結晶SiCを除去できる共通の処理であることが、SiC粉塵の発生を抑制できるという追加の効果を発揮するので、好ましい。このためには、たとえば、1300〜1700℃程度において80〜760Torrの水素と塩化水素の混合ガス中で行う、あるいは、数百℃において三フッ化塩素のような強力な酸化性ガス中で行うなどの方法がある。このエッチングを行う装置は、当該エピタキシャル成長炉であってもよいが、他の装置であってもよい。他の装置でエッチングする場合には、多数の壁基材とプレートを一度に処理できるような構造を選ぶことができ、その間に別の壁基材とプレートを用いてエピタキシャル成長を行うことができるから、エピタキシャル成長のスループットが向上する。前記壁基材とプレートをエッチングできるためには、その材質が、SiC自身を主成分とする(壁基材やプレートごとエッチングされる)か、多結晶SiCをエッチングする際のプロセスに耐えられるものであることが必要である。同時に、この材質は、SiCのエピタキシャル成長時に不必要な不純物をもたらさないものでなくてはならない。現実には、このような材料は、極めて限られている。たとえば、高純度グラファイトは、多結晶SiCをエッチングする際のプロセスに耐えることができる場合もあるが、エピタキシャル成長の際にアルミニウム、ホウ素、チタン等の不純物をもたらす。このような観点から、前記壁基材とプレートの材質としては、SiCを主成分とするものが好ましい。
上記エピタキシャル成膜装置およびこの装置を用いる製造方法によって、図12のトレンチMOSFETの説明のところで述べた範囲のドーピングを、制御することができる。とりわけ、ボディコンタクト層57のドーピングが2〜10×1019cm-3と高いにもかかわらず、ドリフト層51のドーピングを5×1015cm-3から3×1016cm-3の間の任意の値で、ボディコンタクト層57を一度も形成しないときと同様に制御できる。
以上説明したように、本実施例によれば、メモリ効果を抑制でき、低ドープ層と表面に高ドープ層を有するパワーデバイスを作製するのに好適なエピタキシャル成長層を提供することができる。
実施例5にかかるエピタキシャル成膜装置の要部断面図を図8および図10に示す。図8の構成は前述の実施例3における説明と同じであるので省略する。
図8の示す破線は、後で説明する壁基材10が存在する範囲である。
壁基材10に設けられる溝9−1は、実施例1と同様に、プレートに対してある程度のクリアランスを有するのが望ましい。反応室(ガスチャネル)4は、隣接する2枚のプレートおよび壁基材10で挟まれた空間である。なお、壁基材10は、図7のように両壁が一体のものであって、サセプタ3には溝8−1などを設けることなく、サセプタ3の内部の底面に、そのまま載置されるものであってもよい。なお、図10では明示されないが、図8の破線部を参照すると、壁基材10の上流側の端は、サセプタ3および断熱材2の上流側の端よりも上流側まで延長されている。
図8の破線のうち、上流側の端は、上部プレート11、中間プレート12および下部プレート13とほぼ垂直となっているが、必ずしもこのとおりでなく、図8の破線のうち上流側の端がプレート11、12、13の延長長さに合わせて斜めになっていてもよい。前記エピタキシャル成膜装置は、次のように運用されることが好ましい。すなわち、少なくとも、壁基材10、上部プレート11、中間プレート12、下部プレート13については、エピタキシャル成長前にそのつどサセプタ3内に設置し、エピタキシャル成長後には、取り出して(同時でなくてもよい)、実施例1と同様にエッチングし、吸着しているドーピングガスを除去する。
実施例1、2、3、4と同様に、壁基材10、上部プレート11、中間プレート12ならびに下部プレート13の材質は、SiCを主成分とするものが望ましい。上記エピタキシャル成膜装置およびこの装置を用いた製造方法によって、図12のトレンチMOSFETの説明のところで述べた範囲のドーピングを、制御することができる。とりわけ、ボディコンタクト層57のドーピングが2〜10×1019cm-3と高いにもかかわらず、ドリフト層51のドーピングを5×1015cm-3から3×1016cm-3の間の任意の値で、ボディコンタクト層57を一度も形成しないときと同様に制御できる。上記エピタキシャル成膜装置においては、1回のエピタキシャル成長で、実施例1、4によるエピタキシャル成膜装置よりも多数のエピタキシャル成長した基板を製造することができる。
以上のように、実施例5によれば、メモリ効果を抑制でき、低ドープ層と表面に高ドープ層を有するパワーデバイスを作製するのに好適なエピタキシャル成長層を提供することができる。とりわけ、1回のエピタキシャル成長で、実施例1、4によるよりも多数のエピタキシャル成長した基板を製造することができる利点がある。
(比較例2)
図17のように、壁基材およびプレートを設けない構造で、図12のトレンチMOSFETの説明のところで述べた範囲のドーピングを、制御しようとすると、新品のサセプタ・断熱材を用いた第1回目のエピタキシャル成長においては、制御可能であったが、第2回目以降は、特にドリフト層51のドーピングが、設計の半分以下ドーピングを有するn型であったり、ひどいときにはp型であったりするなど、制御できない状態となってしまった。
本発明にかかるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図である。 本発明にかかるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図である。 本発明にかかるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図である。 本発明にかかるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れに垂直な面で切った要部縦断面図である。 実施例1におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れに垂直な面で切った要部縦断面図である。 実施例2におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れに垂直な面で切った要部縦断面図である。 実施例2におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れに垂直な面で切った要部縦断面図である。 実施例3におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図である。 実施例3におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れ方向を含む面で切った要部横断面図の別の例である。 実施例3におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れに垂直な面で切った要部縦断面図である。 実施例3におけるSiCエピタキシャル成膜装置の、ガスの流れに垂直な面で切った要部縦断面図である。 本発明にかかるトレンチ型MOSFETの要部断面図である。 エピタキシャル成長層を有する半導体基板の層構成を示す断面図である。 SiC基板を用いたpnダイオードの要部断面図である。 SiC基板を用いたpnダイオードの電流電圧特性図である。 従来のSiCエピタキシャル成膜装置の要部横断面図である。 SiC基板を搬出搬入するための支持基板(プレート)を有するSiCエピタキシャル成膜装置の要部横断面図である。
符号の説明
1 炉体、円筒管、石英管
2 断熱材
3 サセプタ
4 反応室(ガスチャネル)
5 SiC基板
6 基板出し入れ治具、プレート
7−1 溝
7−2 溝
8−1 溝
9−1 溝
10 壁基材
11 平板状支持基板、上部プレート
12 平板状支持基板、中間プレート
13 平板状支持基板、下部プレート
51 SiC基板
53 ドリフト層
55、55a ボディ層
56 ソースコンタクト領域
57 ボディコンタクト領域
60 トレンチ
61 ゲート絶縁膜
62 ゲート電極
63 チャネル
71 層間絶縁膜
72 ドレイン電極
73 ソース電極
91 逆方向特性曲線
92 逆方向特性曲線
93 逆方向特性曲線。

Claims (8)

  1. 軸方向端部に反応ガス流入口と排出口とを有し減圧可能な耐熱円筒管内に、該円筒管の軸方向に沿って所定の長さのサセプタが、前記円筒管を高温による軟化から保護するための断熱材を介して配置され、該サセプタの内側に設けられる反応室空間内にSiC結晶基板を載置するための複数の平板状支持基板が相互に平行に上下方向に間隔を置いて搬出搬入可能な形態で設置され、前記サセプタの位置に対向する前記円筒管の外側に前記サセプタを誘導加熱するための誘導加熱装置を備え、前記複数の平板状支持基板のうち、より上側の支持基板が前記サセプタまたは断熱材の端面からガス流の上流側へ、より多くはみ出すように設置されていることを特徴とするエピタキシャルSiC成膜装置。
  2. 前記耐熱円筒管が石英管であることを特徴とする請求項1記載のエピタキシャルSiC成膜装置。
  3. 前記平板状支持基板がSiC結晶を主要材料とすることを特徴とする請求項1または2記載のエピタキシャルSiC成膜装置。
  4. 前記サセプタ内側の反応室側壁に形成される溝であって、前記円筒管の軸に平行な方向に形成される前記溝に、前記平板状支持基板が搬出搬入可能に設置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置。
  5. 前記サセプタ内側の反応室側壁に隣接して設けられるSiC結晶を主要基材とする側壁基材に、前記円筒管の軸に平行な方向に形成される溝に前記平板状支持基板が搬出搬入可能に設置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置。
  6. 前記複数の平板状支持基板が3枚以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置。
  7. 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を用いて、エピタキシャル成長後、成膜装置から前記複数の平板状支持基板を取り出し、SiC基板を取り外した後、該平板状支持基板に付着したSiCをエッチング除去する工程を有することを特徴とするSiC半導体装置の製造方法。
  8. 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエピタキシャルSiC成膜装置を用いて、前記複数の平板状支持基板を、エピタキシャル成長前には、空間的に上方の平板状支持基板から順に前記サセプタの反応室内に搬入し、エピタキシャル成長後には、空間的に下方の平板状支持基板から順に搬出するプロセスを含むエピタキシャル成長工程を有することを特徴とするSiC半導体装置の製造方法。
JP2007159644A 2007-06-18 2007-06-18 SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP4858325B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007159644A JP4858325B2 (ja) 2007-06-18 2007-06-18 SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007159644A JP4858325B2 (ja) 2007-06-18 2007-06-18 SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008311542A true JP2008311542A (ja) 2008-12-25
JP4858325B2 JP4858325B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=40238872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007159644A Expired - Fee Related JP4858325B2 (ja) 2007-06-18 2007-06-18 SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4858325B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011114858A1 (ja) 2010-03-15 2011-09-22 住友電気工業株式会社 半導体薄膜の製造方法、半導体薄膜の製造装置、サセプター、およびサセプター保持具
JP2012028385A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Nuflare Technology Inc 半導体製造装置およびサセプタのクリーニング方法
JP2012054528A (ja) * 2010-08-04 2012-03-15 Nuflare Technology Inc 半導体製造装置
JP2013042092A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Nuflare Technology Inc 薄膜処理方法
WO2013141637A1 (en) * 2012-03-21 2013-09-26 Lg Innotek Co., Ltd. Susceptor and wafer holder
JP2014013850A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 炭化珪素基板および半導体装置の製造方法、ならびに炭化珪素基板および半導体装置
JP2014236189A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 株式会社デンソー 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
KR101592569B1 (ko) 2009-03-03 2016-02-05 엘지이노텍 주식회사 반응 장치
JP2016102061A (ja) * 2016-01-20 2016-06-02 昭和電工株式会社 SiCエピタキシャルウェハ及びその評価方法
US20160379860A1 (en) * 2011-07-19 2016-12-29 Showa Denko K.K. SiC EPITAXIAL WAFER AND METHOD FOR PRODUCING SAME, AND DEVICE FOR PRODUCING SiC EPITAXIAL WAFER
WO2020144900A1 (ja) * 2019-01-08 2020-07-16 住友電気工業株式会社 炭化珪素再生基板および炭化珪素半導体装置の製造方法
KR20200098176A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 엘지이노텍 주식회사 탄화규소 증착 장치
CN114457424A (zh) * 2022-03-18 2022-05-10 广州志橙半导体有限公司 一种感应加热外延设备
CN116230597A (zh) * 2023-05-09 2023-06-06 内蒙古晶环电子材料有限公司 一种用于碳化硅晶片氢气刻蚀工装及方法
JP7528964B2 (ja) 2022-02-04 2024-08-06 株式会社プロテリアル SiCエピタキシャル基板の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005109408A (ja) * 2003-10-02 2005-04-21 Toyo Tanso Kk 縦型ホットウォールCVDエピタキシャル装置、SiCエピタキシャル成長方法及びSiCエピタキシャル成長膜
JP2005223143A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Toyota Motor Corp Cvd装置
JP2006028625A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Denso Corp Cvd装置
JP2007294545A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Sumco Corp エピタキシャル成長装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005109408A (ja) * 2003-10-02 2005-04-21 Toyo Tanso Kk 縦型ホットウォールCVDエピタキシャル装置、SiCエピタキシャル成長方法及びSiCエピタキシャル成長膜
JP2005223143A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Toyota Motor Corp Cvd装置
JP2006028625A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Denso Corp Cvd装置
JP2007294545A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Sumco Corp エピタキシャル成長装置

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101592569B1 (ko) 2009-03-03 2016-02-05 엘지이노텍 주식회사 반응 장치
WO2011114858A1 (ja) 2010-03-15 2011-09-22 住友電気工業株式会社 半導体薄膜の製造方法、半導体薄膜の製造装置、サセプター、およびサセプター保持具
JP2012028385A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Nuflare Technology Inc 半導体製造装置およびサセプタのクリーニング方法
JP2012054528A (ja) * 2010-08-04 2012-03-15 Nuflare Technology Inc 半導体製造装置
US9139933B2 (en) 2010-08-04 2015-09-22 Nuflare Technology, Inc. Semiconductor substrate manufacturing apparatus
US20160379860A1 (en) * 2011-07-19 2016-12-29 Showa Denko K.K. SiC EPITAXIAL WAFER AND METHOD FOR PRODUCING SAME, AND DEVICE FOR PRODUCING SiC EPITAXIAL WAFER
US9768047B2 (en) 2011-07-19 2017-09-19 Showa Denko K.K. SiC epitaxial wafer and method for producing same, and device for producing SiC epitaxial wafer
JP2013042092A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Nuflare Technology Inc 薄膜処理方法
WO2013141637A1 (en) * 2012-03-21 2013-09-26 Lg Innotek Co., Ltd. Susceptor and wafer holder
JP2014013850A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 炭化珪素基板および半導体装置の製造方法、ならびに炭化珪素基板および半導体装置
JP2014236189A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 株式会社デンソー 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
US9608104B2 (en) 2013-06-05 2017-03-28 Denso Corporation Silicon carbide semiconductor device and method for manufacturing same
JP2016102061A (ja) * 2016-01-20 2016-06-02 昭和電工株式会社 SiCエピタキシャルウェハ及びその評価方法
CN113272480B (zh) * 2019-01-08 2024-05-14 住友电气工业株式会社 碳化硅再生基板和碳化硅半导体装置的制造方法
WO2020144900A1 (ja) * 2019-01-08 2020-07-16 住友電気工業株式会社 炭化珪素再生基板および炭化珪素半導体装置の製造方法
CN113272480A (zh) * 2019-01-08 2021-08-17 住友电气工业株式会社 碳化硅再生基板和碳化硅半导体装置的制造方法
JPWO2020144900A1 (ja) * 2019-01-08 2021-11-18 住友電気工業株式会社 炭化珪素再生基板および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP7331869B2 (ja) 2019-01-08 2023-08-23 住友電気工業株式会社 炭化珪素再生基板および炭化珪素半導体装置の製造方法
US11862684B2 (en) 2019-01-08 2024-01-02 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Recycle wafer of silicon carbide and method for manufacturing silicon carbide semiconductor device
KR20200098176A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 엘지이노텍 주식회사 탄화규소 증착 장치
KR102673210B1 (ko) * 2019-02-12 2024-06-10 주식회사 엘엑스세미콘 탄화규소 증착 장치
JP7528964B2 (ja) 2022-02-04 2024-08-06 株式会社プロテリアル SiCエピタキシャル基板の製造方法
CN114457424A (zh) * 2022-03-18 2022-05-10 广州志橙半导体有限公司 一种感应加热外延设备
CN116230597B (zh) * 2023-05-09 2023-09-08 内蒙古晶环电子材料有限公司 一种用于碳化硅晶片氢气刻蚀工装及方法
CN116230597A (zh) * 2023-05-09 2023-06-06 内蒙古晶环电子材料有限公司 一种用于碳化硅晶片氢气刻蚀工装及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4858325B2 (ja) 2012-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4858325B2 (ja) SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法
US8367510B2 (en) Process for producing silicon carbide semiconductor device
US6660084B1 (en) Sic single crystal and method for growing the same
US20170179236A1 (en) Method of producing silicon carbide epitaxial substrate, silicon carbide epitaxial substrate, and silicon carbide semiconductor device
JP2009088223A (ja) 炭化珪素半導体基板およびそれを用いた炭化珪素半導体装置
EP2551891B1 (en) Semiconductor device and method for producing same
JP2009130266A (ja) 半導体基板および半導体装置、半導体装置の製造方法
JP5220049B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2005303010A (ja) 炭化珪素素子及びその製造方法
JP2008205296A (ja) 炭化珪素半導体素子及びその製造方法
JP2006295061A (ja) バイポーラ型半導体装置の順方向電圧回復方法、積層欠陥縮小方法およびバイポーラ型半導体装置
WO2018142744A1 (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板および炭化珪素半導体装置の製造方法
WO2015045628A1 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
WO2018142668A1 (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP5545310B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置
CN112335057B (zh) 碳化硅外延衬底及碳化硅半导体器件
JP2008004726A (ja) 半導体素子およびその製造方法
CN110462112B (zh) 碳化硅基板、碳化硅基板的制造方法及碳化硅半导体装置的制造方法
JP5540296B2 (ja) ダイヤモンド電子素子及びその製造方法
JP5287796B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2017084852A (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
US9698017B2 (en) Manufacturing method of semiconductor device
JP2007027630A (ja) バイポーラ型半導体装置およびその製造方法
WO2012050157A1 (ja) ダイヤモンド電子素子及びその製造方法
US20160211332A1 (en) Silicon carbide semiconductor device and method of manufacturing the same

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081216

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090219

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20091112

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20100415

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees