JP6634573B2 - ダイヤモンド基板及びダイヤモンド基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイヤモンド基板、及びダイヤモンド基板の製造方法に関するものである。
ダイヤモンドは究極の半導体基板として期待されている。その理由は、ダイヤモンドが高熱伝導率、高い電子・正孔移動度、高い絶縁破壊電界強度、低誘電損失、そして広いバンドギャップといった、半導体材料として他に類を見ない、優れた特性を数多く備えているためである。バンドギャップは約5.5eVで、既存の半導体材料中では極めて高い値を有する。特に近年では、広いバンドギャップを活かした紫外発光素子や、優れた高周波特性を持つ電界効果トランジスタなどが開発されつつある。
ダイヤモンドを半導体基板として使用する場合、外形形状において何らの曲率(即ち、反り)の無い平板な基板が、結晶軸の傾きが無いとの点から望ましい。しかし、そのようなダイヤモンド基板を得るためには、現時点ではSiC単結晶成長用のRAF法を応用するしかない。RAF法とは、SiC単結晶のa面方向に成長を繰り返す成長方法であり、Repeated a-Face(RAF)法と呼ばれる。成長したインゴットからa面単結晶を切り出し、その面に成長させ、以後a面単結晶の切り出しとその面での成長を繰り返す。その後、インゴットから種結晶を切り出す。RAF法により得られるダイヤモンド基板は、現時点では最大でも10mm角程度である。
ダイヤモンドを半導体に利用することを考えると、数インチ径と云ったある程度の大きさが必要となる。その理由として、Si等の一般的な半導体の微細加工で使用される加工装置をダイヤモンドにも適用させる場合、数インチ未満の小型基板に適用することが困難だからである。
そこで、ある程度の大きさを有するダイヤモンドを成長させる方法として、幾つかのアイデアが提案されている。その中でも、複数の小型のダイヤモンド単結晶基板を並べたダイヤモンド単結晶成長方法(所謂、モザイク成長法。例えば特許文献1参照)や、単結晶の酸化マグネシウム(MgO)基板を下地基板として用い、その下地基板上にヘテロエピタキシャル成長法によりダイヤモンド膜を形成する製造方法(例えば、特許文献2参照)が有力な候補として挙げられる。
しかしヘテロエピタキシャル成長法では、下地基板とダイヤモンド間の格子定数及び熱膨張係数の相違により、成長形成されるダイヤモンド基板の結晶内部に応力が生じ、ダイヤモンド基板に反りやクラックが発生する。よって、ヘテロエピタキシャル成長法でも容易く大型の基板が得られる訳ではない。
また結晶の品質でも、ヘテロエピタキシャル成長法はホモエピタキシャル成長法には劣る為、ホモエピタキシャル成長法に基づいたモザイク法がより有効な成長法である。
特許第3387154号公報 特許第5066651号公報
しかしながらモザイク法では、複数のダイヤモンド単結晶基板をタイル状に並べ、その上にホモエピタキシャル成長を行うことで、複数のホモエピタキシャル成長基板を接合して大型基板を得ようとする先願であった。このようにして得られた大型基板には、必ず結合境界が存在する。
大型基板に結合境界が存在する理由は、タイル状に並べた複数のダイヤモンド単結晶基板間の境界上には、結晶品質の劣化した領域が存在するためである。この領域ではホモエピタキシャル成長がランダムに発生し、様々な方向からのコアレッセンス(coalescence)が起こるため、結合境界で大量の転位が発生し、この転位は目視でも確認できる程の明確な境界線となる。
そのため、接合によって得られた大型基板には、高品質領域(基板表面の該当領域におけるX線ロッキングカーブの半値全幅が300秒以下の領域)と、結晶品質の劣化した領域(結合境界)が存在する。従って、成長形成された大型のダイヤモンド基板表面での、X線によるロッキングカーブの半値全幅を、基板全面に亘り300秒以下というような結晶品質の均一性を含めた市場要求を満たすことは困難であった。
また結合境界の基板表面は、半導体デバイスの成長には使用できないため、ダイヤ基板の面積に対して実際に使用可能な面積を低減させてしまう。
更に悪いことに、デバイス作成可能な面積と、デバイスチップの平面方向の大きさは必ずしも一致しないので、このような基板に半導体デバイスを作製するプロセスでは、結合境界を避けるようにプロセスを進める必要がある。従って、トータルの半導体デバイス作製のプロセスを、より複雑化させてしまっていた。
このように、モザイク法で得られるダイヤモンド基板は結合境界が存在するため、結晶品質の劣化領域の無い2インチ以上の大型のバルク単結晶基板(方形状のバルク単結晶基板の場合は、対角線の長さが50.8mm以上の大型基板)が得られているとは言えない状況である。
そこで本発明では、結合境界が無く使用可能エリアの制限が無い、対角線の長さが50.8mm以上か、直径が2インチ以上のダイヤモンド基板とその製造方法の提供を課題とする。
更に、結合境界が無いことで、基板表面でのX線によるロッキングカーブの半値全幅として、表面の全面に亘り300秒以下が実現可能なダイヤモンド基板とその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の本発明により達成される。即ち、本発明のダイヤモンド基板はダイヤモンド単結晶から成り、更にダイヤモンド基板の平面方向の形状が方形状、円形状、又はオリフラ面が設けられた円形状であり、方形状の場合は対角線の長さが50.8mm以上であり、円形状の場合は直径が2インチ以上であることを特徴とする。
本発明のダイヤモンド基板の一実施形態は、ダイヤモンド基板の表面におけるX線ロッキングカーブの半値全幅が、表面の全面に亘り300秒以下であることが好ましい。
また本発明のダイヤモンド基板の製造方法は、ダイヤモンド単結晶から成る単数または複数の下地基板を用意し、下地基板の片面にダイヤモンド単結晶から成る柱状ダイヤモンドを複数形成し、各柱状ダイヤモンドの先端からダイヤモンド単結晶を成長させ、各柱状ダイヤモンドの先端から成長した各ダイヤモンド単結晶をコアレッセンスしてダイヤモンド基板層を形成し、下地基板からダイヤモンド基板層を分離し、ダイヤモンド基板層からダイヤモンド基板を製造し、ダイヤモンド基板の平面方向の形状を、方形状、円形状、又はオリフラ面が設けられた円形状とし、方形状の場合は対角線の長さが50.8mm以上であり、円形状の場合は直径が2インチ以上であることを特徴とする。
本発明に係るダイヤモンド基板に依れば、ダイヤモンド単結晶から形成された、対角線が50.8mm以上または直径2インチ以上の大型のダイヤモンド基板を実現することが可能となる。
更に、ダイヤモンド基板の全面に亘り結合境界の無い大型のダイヤモンド基板を実現することが可能となる。従って、成長形成されたダイヤモンド基板表面での、X線によるロッキングカーブの半値全幅を、基板全面に亘り300秒以下に結晶品質を均一化した大型のダイヤモンド基板を実現することが可能となる。更に、使用可能エリアの制限が無い大型のダイヤモンド基板を実現することが可能となる。
また本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法に依れば、各柱状ダイヤモンドから成長させたダイヤモンド単結晶同士をコアレッセンスしてダイヤモンド基板層を製造している。従って、柱状ダイヤモンドの本数を増やすだけで、対角線が50.8mm以上または直径2インチ以上という大型のダイヤモンド基板層を容易に製造することが出来る。
また本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法に依れば、各柱状ダイヤモンドから成長させたダイヤモンド単結晶同士をコアレッセンスしてダイヤモンド基板層を製造している。従って、下地基板が必ずしも対角線が50.8mm以上または2インチ以上の大型の基板である必要は無く、対角線が50.8mm未満または2インチ未満の小型の基板同士を並べ、柱状ダイヤモンドを等間隔に配置するだけで、結合境界の無い大型のダイヤモンド基板が作製出来る。
また、各柱状ダイヤモンドから成長させたダイヤモンド単結晶同士をコアレッセンスしてダイヤモンド基板層を製造しているので、下地基板に結合境界が存在しても、その影響を受けること無く、結合境界の無いダイヤモンド基板を成長させることが可能になる。従って、結合境界の有るダイヤモンド単結晶基板を下地基板に利用することが可能となり、製造の汎用性が向上する。
このようなダイヤモンド基板層からダイヤモンド基板を製造することにより、対角線が50.8mm以上または直径2インチ以上という大型のダイヤモンド基板の製造が可能になる。
本実施形態に係るダイヤモンド基板の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る下地基板の一例を模式的に示す側面図である。 図2に示す下地基板の平面図である。 本実施形態に係る下地基板の他の例を模式的に示す側面図である。 図4に示す下地基板の平面図である。 本実施形態に係るダイヤモンド層付き下地基板の一例を模式的に示す側面図である。 単数の下地基板の作製方法の一例を示す側面図である。 本実施形態に係るダイヤモンド層付き下地基板の他の例を模式的に示す側面図である。 本実施形態に係るダイヤモンド層付き下地基板の更に他の例を模式的に示す側面図である。 複数の柱状ダイヤモンドが形成された下地基板の一例を模式的に示す側面図である。 複数の柱状ダイヤモンドが形成された下地基板の他の例を模式的に示す側面図である。 複数の柱状ダイヤモンドが形成された下地基板の更に他の例を模式的に示す側面図である。 複数の下地基板の1つに、複数の柱状ダイヤモンドが形成された状態を模式的に示す斜視図である。 ダイヤモンド基板層が形成された、柱状ダイヤモンド付き下地基板の一例を模式的に示す側面図である。 ダイヤモンド基板層が形成された、柱状ダイヤモンド付き下地基板の他の例を模式的に示す側面図である。 ダイヤモンド基板層が形成された、柱状ダイヤモンド付き下地基板の更に他の例を模式的に示す側面図である。 柱状ダイヤモンドが破壊され、ダイヤモンド基板層と下地基板が分離される状態の一例を模式的に示す側面図である。 柱状ダイヤモンドが破壊され、ダイヤモンド基板層と下地基板が分離される状態の他の例を模式的に示す側面図である。 柱状ダイヤモンドが破壊され、ダイヤモンド基板層と下地基板が分離される状態の更に他の例を模式的に示す側面図である。 複数の柱状ダイヤモンドが形成された下地基板の別形態の一例を、模式的に示す側面図である。 複数の柱状ダイヤモンドが形成された下地基板の別形態の他の例を、模式的に示す側面図である。 複数の柱状ダイヤモンドが形成された下地基板の別形態の更に他の例を、模式的に示す側面図である。
以下、図1を参照して、本発明に係るダイヤモンド基板を詳細に説明する。本発明に係るダイヤモンド基板の平面方向の形状は特に限定されず、例えば方形状等でも良い。しかし表面弾性波素子、サーミスタ、半導体デバイス等と云った用途の製造工程での使用が容易という観点から、円形状が好ましい。特に、図1に示すようにオリフラ面(オリエンテーションフラット面)が設けられた円形状が好ましい。
ダイヤモンド基板1の形状が円形状、または図1に示すようにオリフラ面が設けられた円形状の場合、実用的な基板での大型化という観点から、直径は2インチ(約50.8mm)以上が好ましく、3インチ(約76.2mm)以上であることがより好ましく、6インチ(約152.4mm)以上であることが更に好ましい。なおダイヤモンド基板1の寸法公差を考慮し、本願では、直径2インチに関しては50.8mmの2%に当たる1.0mmを減算した、直径49.8mm以上〜50.8mmの範囲も2インチに該当すると定義する。
なお、直径の上限値は特に限定されないが、実用上の観点から8インチ(約203.2mm)以下が好ましい。また、一度に沢山の素子やデバイスを製造するために、対角線の長さが50.8mm以上の方形状のダイヤモンド基板を用いても良い。方形状ダイヤモンド基板の対角線の長さ上限値も特に限定されないが、実用上の観点から203.2mm以下が好ましい。
従って、ダイヤモンド基板1の表面2は、少なくとも12.9cm2の表面積を有する。更に、大型化という観点から、325cm2までの表面積を有することが、より好ましい。
また、ダイヤモンド基板1の厚みtは任意に設定可能であるが、自立した基板として3.0mm以下であることが好ましく、素子やデバイスの製造ラインに用いるためには1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。一方、厚みtの下限値は特に限定されないが、ダイヤモンド基板1の剛性を確保して亀裂や断裂またはクラックの発生を防止するとの観点から、0.05mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。
ここで本発明における「自立した基板」又は「自立基板」とは、自らの形状を保持できるだけでなく、ハンドリングに不都合が生じない程度の強度を有する基板を指す。このような強度を有するためには、厚みtは0.2mm以上とするのが好ましい。またダイヤモンドは極めて硬い材料なので、素子やデバイス形成後の劈開の容易性等を考慮すると、自立基板としての厚みtの上限は3.0mm以下が好ましい。なお、素子やデバイス用途として最も使用頻度が高く、且つ自立した基板の厚みとして、厚みtは0.2mm以上0.7mm以下(200μm以上700μm以下)が最も好ましい。
ダイヤモンド基板1を形成するダイヤモンド結晶は、ダイヤモンド単結晶が望ましい。ダイヤモンド単結晶は、Ia型、IIa型、又はIIb型の何れでも良いが、ダイヤモンド基板1を半導体デバイスの基板として用いる場合は、結晶欠陥や歪の発生量又はX線ロッキングカーブの半値全幅の大きさの点から、Ia型がより好ましい。更に、ダイヤモンド基板1は単一のダイヤモンド単結晶から形成することとし、表面2上に複数のダイヤモンド単結晶を結合した結合境界が無いこととする。
ダイヤモンド基板1の表面2には、ラッピング、研磨、又はCMP(Chemical Mechanical
Polishing)加工が施される。一方、ダイヤモンド基板1の裏面には、ラッピングかつ/または研磨が施される。表面2の加工は、主に平坦な基板形状を達成するために施され、裏面の加工は、主に所望の厚みtを達成するために施される。更に表面2の表面粗さRaは、素子やデバイス形成が可能な程度が望ましいので、1nm未満に形成することが好ましく、より好ましくは、原子レベルで平坦となる0.1nm以下に形成することである。Raの測定は、表面粗さ測定機により行えば良い。
ダイヤモンド基板1が単結晶の場合、その表面2の結晶面の面方位は、(111)、(110)、(100)の何れでも良く、これら面方位に限定されない。但し、素子やデバイス形成、又はダイヤモンド単結晶の成長などの用途で最も用いられるとの点から、(100)が好ましい。
ダイヤモンド基板1が、単一のダイヤモンド単結晶から形成されている場合、表面2上に複数のダイヤモンド単結晶を結合した結合境界が無いため、境界部分での結晶品質の劣化が防止される。よって、ダイヤモンド基板1が、単一のダイヤモンド単結晶から形成されている場合、その表面2(特に(100))における、前記のX線によるロッキングカーブの半値全幅(FWHM:full width at half Maximum)は、表面2の全面に亘り300秒以下が実現可能となる。
以上のように、単一のダイヤモンド単結晶から形成されているダイヤモンド基板1では、X線によるロッキングカーブの半値全幅300秒以下を実現することが可能となり、高品質のダイヤモンド基板1を提供することが可能となる。更にこのようなダイヤモンド基板1を使用することにより、高品質及び高効率な素子やデバイスを作製することが出来る。
更に半値全幅を、表面2の全面に亘り100秒以下、或いは更に好ましくは50秒以下とすることも出来る。よって、更に高品質のダイヤモンド基板1を提供することも可能となる。
次に、図2〜図19を参照して、本発明に係るダイヤモンド基板の製造方法を詳細に説明する。まず、図2〜図5に示すように下地基板3又は4を用意する。下地基板3又は4は、ダイヤモンド単結晶から構成される。そのダイヤモンド単結晶は、Ia型、IIa型、又はIIb型の何れでも良いが、Ia型のダイヤモンド単結晶から成る前記ダイヤモンド基板1を製造する場合は、下地基板3又は4も同じIa型のダイヤモンド単結晶とすることが、ホモエピタキシャル成長に基づくダイヤモンド基板1の結晶品質の点から、最も好ましい。
下地基板には、図2及び3に示すように単数の下地基板3、又は図4及び5に示すように複数の下地基板4の何れかを用いる。なお、図5では模式的に合計9枚の下地基板4を表している。複数の下地基板4を用意する場合、図5に示すように各下地基板4の平面方向の形状を方形状に形成すると共に、各下地基板4間になるべく隙間が小さくなるように、各下地基板4をタイル状に並べることが好ましい。複数の下地基板4を用いる場合、各下地基板4の平面方向の形状は図5のような正方形であることが、各下地基板4の隙間を抑え且つ等間隔でタイル状に並べられるとの点からより好ましい。
単数の基板3を下地基板に用いる場合は、単数の下地基板3を予め作製しておいて下地基板として用いれば良い。或いは図7に示すように、前記複数の下地基板4をベース基板として使用し(以下、必要に応じてベース基板4と表記)、そのベース基板4の各面上(図7では片面4a上)に、ダイヤモンド単結晶を成長させ、各ベース基板4の面上で成長した各ダイヤモンド単結晶をコアレッセンスして結合することで、複数の下地基板4の面上に前記単数の下地基板3を作製しても良い。各ベース基板4の間には物理的に若干の隙間が形成されることは避けられないため、その隙間の上に、コアレッセンスで形成された下地基板3の領域には、隙間に沿って結合境界cbが形成される。しかし本発明では、結合境界cbの有る基板であっても下地基板に用いるものとする。単数の下地基板3を作製後は、図7に示すようにベース基板4をそのまま残しても良いし、図2に示すように分離しても良い。
また下地基板3又は4は、少なくとも片面3a又は4aが鏡面研磨されたものを用いる。後述するダイヤモンド層の成長工程において、ダイヤモンド層は鏡面研磨された面側(片面3a又は4aの面上)に成長形成される。なお、必要に応じて片面3a又は4a及び裏面3b又は4bが鏡面研磨された下地基板を用いても良く、この場合何れか一方の面をダイヤモンド層の成長面として任意に利用できる。
鏡面研磨は、少なくとも片面3a又は4a上でダイヤモンド層が成長可能な程度まで平滑となるように行われれば良く、目安としては表面粗さRaで10nm以下まで研磨することが好ましい。片面3a又は4aのRaが10nmを超えると、片面3a又は4a上に成長させるダイヤモンド層の品質悪化を招いてしまう。更に、片面3a又は4a上にはクラックが無いものとする。Raの測定は、表面粗さ測定機により行えば良い。
下地基板が単数の場合、その平面方向の形状は特に限定されず、例えば円形状や方形状でも良い。図3では、一例として正方形の平面形状を示している。なお、下地基板3が円形状の場合は大型化という観点から、下地基板3の直径は2インチ(約50.8mm)以上であることが好ましく、3インチ(約76.2mm)以上であることがより好ましく、6インチ(約152.4mm)以上であることが更に好ましい。なお、直径の上限値は特に限定されないが、実用上の観点から8インチ以下が好ましい。なお下地基板3の寸法公差を考慮し、本願では、直径2インチに関しては50.8mmの2%に当たる1.0mmを減算した、直径49.8mm以上〜50.8mmの範囲も2インチに該当すると定義する。
一方、下地基板3が方形状の場合、対角線の長さとしては、50.8mm以上が好ましく、上限値は実用上の観点から203.2mm以下が好ましい。
従って、下地基板3の表面は、少なくとも12.9cm2の表面積を有する(複数の下地基板4では、合計の表面積)。更に、大型化という観点から、325cm2までの表面積を有することが、より好ましい。
また下地基板3又は4の厚みd3又はd4は、3.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。厚みd3又はd4の下限値は特に限定されないが、下地基板3又は4の剛性を確保する観点から0.05mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。なお単数の下地基板3の平面方向の形状が円形状で、直径が50mm以上150mm以下のときは、厚みd3は0.3mm以上であることが好ましく、直径が150mmを超えるときは、厚みd3は0.6mm以上が好ましい。
下地基板3又は4を用意したら、次に片面3a又は4aに図6、図8、又は図9に示すようにダイヤモンド単結晶から成るダイヤモンド層5を成長させて形成する。ダイヤモンド層5の成長方法は特に限定されず、公知の方法が利用できる。成長方法の具体例としては、パルスレーザ蒸着(PLD:Pulsed Laser Deposition)法や、化学気相蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)法等の気相成長法等を用いることが好ましい。単数の下地基板3を用いる場合は、前記の通り結合境界cbが形成されている基板を用いても良い。従って、その結合境界上に前記各成長方法によりダイヤモンド層5が形成され、ダイヤモンド層5にも結晶品質の劣化した領域が形成される。即ち、下地基板3の結合境界cbを受け継ぐ形で、ダイヤモンド層5にも結合境界cbが形成されるが、本発明ではこれを許容する。
複数の下地基板4をベース基板として単数の下地基板3を作製した場合、前記のように各下地基板4を方形状に形成し、更に各下地基板4間になるべく隙間が小さくなるようにタイル状に並べることで、単数の下地基板3に形成される結合境界cbの面積を縮小することが可能となる。従って、ダイヤモンド層5に形成される結合境界cbの面積も縮小することが出来る。
ダイヤモンド層5の成長前には下地基板3又は4のサーマルクリーニングを行い、次にダイヤモンド層5を成長させる。前記PLD法としては、実質的に酸素からなるガス雰囲気下で、グラファイト、アモルファスカーボン又はダイヤモンドを含有するターゲットに対し、レーザスパッタリングを行ってターゲットから炭素を飛散させ、下地基板3又は4の片面3a又は4a上にダイヤモンド層5を成長させる。また、炉内圧力は1.33×10-4Pa〜133.32Pa、下地基板3又は4の温度は300℃〜1000℃、ターゲットと下地基板3又は4との間の距離は10mm〜100mmの範囲であることが好ましい。
前記CVD法としては、CVD成長炉内に下地基板3又は4を配置し、下地基板3又は4の片面3a又は4a上にCVDダイヤモンド単結晶を成長させる。成長方法は、直流プラズマ法、熱フィラメント法、燃焼炎法、アークジェット法等が利用可能であるが、不純物の混入が少ない高品質なダイヤモンドを得るためにはマイクロ波プラズマ法が好ましい。
マイクロ波プラズマCVDによるダイヤモンド層5のエピタキシャル成長では、原料ガスとして水素、炭素を含む気体を使用する。水素、炭素を含む気体としてメタン/水素ガス流量比0.001%〜30%でメタンを成長炉内に導入する。炉内圧力は約1.3×103Pa〜1.3×105Paに保ち、周波数2.45GHz(±50MHz)、或いは915MHz(±50MHz)のマイクロ波を電力100W〜60kW投入することによりプラズマを発生させる。そのプラズマによる加熱で温度を700℃〜1300℃に保った下地基板3又は4の片面3a又は4a上に活性種を堆積させて、CVDダイヤモンドを成長させる。
図6、図8、又は図9に示すダイヤモンド層5の厚みd5は、形成しようとする柱状ダイヤモンドの高さ分となるように設定し、30μm以上500μm以下の厚みで成長することが好ましい。
次に図10〜図13に示すように前記ダイヤモンド層5から、複数の柱状ダイヤモンド6を形成する。その形成には、エッチングやレーザ加工等で柱状ダイヤモンド6を形成すれば良い。図13に、柱状ダイヤモンド6の一例として、前記下地基板4の1つに、複数の柱状ダイヤモンド6を形成した斜視図を示す。
前記のように単数の下地基板3を用いた場合、ダイヤモンド層5に結合境界cbが存在することを許容するため、その結合境界cb部分の結晶からも柱状ダイヤモンド6が形成される。しかし結合境界cb部分を柱状ダイヤモンド6に形成することにより、結合境界cb部分を大幅に削減して欠陥を間引くことが可能となる。
なお、下地基板3又は4の各厚みd3又はd4を、予め前記厚みd5分だけ厚く形成し、その下地基板3又は4を厚みd5分、エッチングやレーザ加工等を施すことで、複数の柱状ダイヤモンド6を形成しても良い。このように下地基板3又は4を予め厚く形成することで、ダイヤモンド層5の作製工程を削減することが可能となる。
以上により、下地基板3又は4の片面3a又は4aにダイヤモンド単結晶から成る柱状ダイヤモンド6を複数形成する。なお、複数の下地基板4を用いる場合は、全ての下地基板4の片面4aに柱状ダイヤモンド6が複数形成されているものとする。また、各下地基板4間の隙間が小さくなるように複数の下地基板4をタイル状に並べることで、各柱状ダイヤモンド6間の間隔をほぼ等間隔に近似化出来るので好ましい。更に、複数の下地基板4を正方形に形成し、等間隔にタイル状に並べることで、ダイヤモンド層5に形成される結合境界cbの偏りや柱状ダイヤモンド6の分布の偏りを解消することが可能となる。
次に、柱状ダイヤモンド6の先端に、ダイヤモンド基板層7を成長させて形成する。各柱状ダイヤモンド6の先端からダイヤモンド単結晶を成長させることにより、どの柱状ダイヤモンド6からも均等にダイヤモンド単結晶の成長を進行させることが出来る。そして、各柱状ダイヤモンド6の高さ方向に対して横方向に成長させることにより、同じタイミングで各柱状ダイヤモンド6から成長されたダイヤモンド単結晶のコアレッセンスを開始させることが可能となる。
各柱状ダイヤモンド6から成長させたダイヤモンド単結晶同士をコアレッセンスすることで、図14〜図16に示すようにダイヤモンド基板層7を製造する。下地基板3又は4の寸法に応じて、形成できる柱状ダイヤモンド6の本数も変わり、下地基板3又は4の寸法が大きくなるに伴い柱状ダイヤモンド6の本数も増やすことが出来る。従って対角線50.8mmまたは直径2インチの下地基板からは対角線50.8mmまたは直径2インチのダイヤモンド基板層7を作製することが可能となり、対角線203.2mmまたは直径8インチの下地基板からは対角線203.2mmまたは直径8インチのダイヤモンド基板層7を作製することが可能となる。
更に各柱状ダイヤモンド6間のピッチを、ダイヤモンド単結晶の核同士の成長と同じ間隔(ピッチ)に設定して、各柱状ダイヤモンド6からダイヤモンド単結晶を成長させることにより、ダイヤモンド基板層7の表面の品質が改善され、表面の全面に亘り300秒以下の半値全幅を実現することが可能となる。
更に半値全幅を、表面の全面に亘り100秒以下、或いは更に好ましくは50秒以下とすることも出来る。
なお、柱状ダイヤモンド6の直径とピッチをそれぞれ10μm以下に設定することにより、ダイヤモンド基板層7の表面の品質が改善され、300秒以下の半値全幅が実現可能となった。
各柱状ダイヤモンド6間のピッチの値に関しては適宜選択可能である。しかしながら、各柱状ダイヤモンド6から成長したダイヤモンド単結晶のコアレッセンスが、同じタイミングで開始するかどうかとの観点から、ピッチの値を適宜選択すれば良い。
ダイヤモンド基板層7の形成後、図17〜図19に示すように柱状ダイヤモンド6部分でダイヤモンド基板層7を下地基板3又は4から分離する。柱状ダイヤモンド6部分で分離させるためには、柱状ダイヤモンド6部分になんらかの作用や外力を加える必要がある。本発明では柱状ダイヤモンド6に外部から作用や外力を加え、その作用や外力により柱状ダイヤモンド6を破壊し、ダイヤモンド基板層7を下地基板3又は4から分離する。
柱状ダイヤモンド6の破壊方法としては、例えば柱状ダイヤモンド6の側面にレーザを照射したり、鋭利で微小な刃先により外力を加えることで、各柱状ダイヤモンド6を破壊すれば良い。このような工程により柱状ダイヤモンド6が破壊され、ダイヤモンド基板層7が下地基板3又は4から分離される。
なお、柱状ダイヤモンド6の高さ方向を、ダイヤモンド層5及び各柱状ダイヤモンド6を形成するダイヤモンド単結晶の(001)面に対して、垂直な方向に設定することにより、外部からの作用や外力による柱状ダイヤモンド6の破壊が円滑に進行するので好ましい。
また、図6、図8、又は図9に示すダイヤモンド層5の厚みd5は、形成しようとする柱状ダイヤモンド6の高さ分となるように設定し、30μm以上500μm以下の厚みで成長することが好ましい。なお図20、図21、又は図22に示すように、厚みd5の底部の一部厚みに相当するダイヤモンド層5を残して、柱状ダイヤモンド6を形成しても良い。
各柱状ダイヤモンド6のアスペクト比は、ダイヤモンド基板層7の成長時に各柱状ダイヤモンド6が埋まり切らないような値とし、具体的には5以上が望ましい。
柱状ダイヤモンド6の断面形状は、方形状でも円形状でも良い。しかし、外部からの作用や外力が加えられた際に、柱状ダイヤモンド6は速やかに破壊される必要がある。以上の点を考慮すると、柱状ダイヤモンド6の断面形状は円形状(即ち、柱状ダイヤモンド6が円柱状)の方が、前記作用や外力が円周方向に亘って均等に掛かるため、各柱状ダイヤモンド6の破壊を均一に出来る。従って、破壊不均一によるダイヤモンド基板層7への亀裂や断裂またはクラック発生などを防止することが出来るため、円形状がより好ましい。
更に、各柱状ダイヤモンド6の直径は、サブミクロン〜5μm程度と設定し、高さ方向において柱状ダイヤモンド6の中心部分の直径を、先端部分の直径よりも細く形成することが、柱状ダイヤモンド6の破壊をより容易に且つ円滑に進行可能となり、好ましい。
下地基板3又は4からダイヤモンド基板層7を分離後、ダイヤモンド基板層7を研磨して残存する柱状ダイヤモンド6を除去し、スライス、及び抜き加工して所望の基板形状に切り出す。更に、切り出した基板にラッピング、研磨、CMP等の種々の加工、及び必要に応じて鏡面研磨を施すことにより、ダイヤモンド基板層7からダイヤモンド基板1を製造する。従って、ダイヤモンド基板層7の厚みd7は、研磨代等を考慮し、前記tよりも若干厚く設定する。研磨代としては、ダイヤモンドは最高硬度を有する材料なので研磨工程の困難さから見てなるべく薄く設定することが好ましく、一例として、50μmとすれば良い。
このようにダイヤモンド基板層7からダイヤモンド基板1を製造することにより、対角線が50.8mm以上または直径2インチ以上という大型のダイヤモンド基板1の製造が可能になる。更に、ダイヤモンド基板1の表面2でのX線によるロッキングカーブの半値全幅として、表面2の全面に亘り300秒以下が実現出来るので、高品質のダイヤモンド基板1を提供することが可能となる。
更に半値全幅を、表面2の全面に亘り100秒以下、或いは更に好ましくは50秒以下とすることも出来る。よって、更に高品質のダイヤモンド基板1を提供することも可能となる。
また単数の下地基板3を用いて、その片面3aに柱状ダイヤモンド6を複数形成する場合、下地基板3に結合境界cbが存在しても、柱状ダイヤモンド6に形成することにより、結合境界cb部分を大幅に削減して欠陥を間引くことが可能となる。従って、下地基板3の結合境界cbの影響を受けること無く、結合境界cbの無いダイヤモンド基板1を成長させることが可能になる。従って、結合境界cbの有るダイヤモンド単結晶基板を下地基板3に利用することが可能となり、製造の汎用性が向上する。
また上記の製造方法では、各柱状ダイヤモンド6から成長させたダイヤモンド単結晶同士をコアレッセンスしてダイヤモンド基板層7を製造している。従って、下地基板4は必ずしも対角線が50.8mm以上または2インチ以上の大型の基板である必要は無く、対角線が50.8mm未満または2インチ未満の小型の基板同士を並べ、柱状ダイヤモンド6を等間隔に配置するだけで、結合境界の無い大型のダイヤモンド基板1が作製出来る。
1 ダイヤモンド基板
2 ダイヤモンド基板の表面
3、4 下地基板
3a、4a 下地基板の片面
3b、4b 下地基板の裏面
5 ダイヤモンド層
6 柱状ダイヤモンド
7 ダイヤモンド基板層
cb 結合境界
t ダイヤモンド基板の厚み
d3、d4 下地基板の厚み
d5 ダイヤモンド層の厚み
d7 ダイヤモンド基板層の厚み

Claims (8)

  1. ダイヤモンド単結晶から成る単数又は複数の下地基板を用意し、
    下地基板の片面にダイヤモンド単結晶から成る柱状ダイヤモンドを複数形成し、
    各柱状ダイヤモンドの先端からダイヤモンド単結晶を成長させ、各柱状ダイヤモンドの先端から成長した各ダイヤモンド単結晶をコアレッセンスしてダイヤモンド基板層を形成し、
    下地基板からダイヤモンド基板層を分離し、
    ダイヤモンド基板層からダイヤモンド基板を製造し、
    ダイヤモンド基板の平面方向の形状を、方形状、円形状、又はオリフラ面が設けられた円形状とし、
    方形状の場合は対角線の長さが50.8mm以上であり、円形状の場合は直径が2インチ以上であることを特徴とする、ダイヤモンド基板の製造方法。
  2. 前記複数の下地基板の各面上にダイヤモンド単結晶を成長させ、各下地基板の面上で成長した各ダイヤモンド単結晶をコアレッセンスして、前記単数の下地基板を作製し、その前記単数の下地基板の片面に、前記柱状ダイヤモンドを複数形成することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
  3. 前記各柱状ダイヤモンドのアスペクト比が、5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
  4. 前記柱状ダイヤモンドの直径とピッチを、それぞれ10μm以下に設定することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
  5. 前記下地基板の前記片面の表面粗さRaが、10nm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
  6. 前記柱状ダイヤモンドの高さ方向を、前記柱状ダイヤモンドを形成するダイヤモンド単結晶の(001)面に対して垂直な方向に設定することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
  7. 前記柱状ダイヤモンドが円柱状であり、
    高さ方向において、前記柱状ダイヤモンドの中心部分の直径が、先端部分の直径よりも細く形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
  8. 前記対角線の長さが、50.8mm以上203.2mm以下か、または前記直径が2インチ以上8インチ以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
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